JP2005287259A - 電動モータの制御装置 - Google Patents

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厚 熊沢
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Abstract

【課題】 電動モータの回転速度を、センサによらず演算により推定し、電動モータの回転速度に応じて印加電圧を制限し、電流値を抑制する電動モータの制御装置を提供する。
【解決手段】 クラッチ用電動モータ21と、ギヤシフト用電動モータ31への印加電圧を、電動モータ21、31の回転速度に応じて抑制する印加電圧制限手段65を変速機ECU内に備えるとともに、変速機ECU41内に電動モータ21、31によるアクチュエータの特性を示す運動モデル(伝達関数)68を前もって用意し、これを使って回転速度を演算により求める。求めた電動モータ21、31の回転速度に応じて、回転速度が低い場合と逆回転をしている場合に印加電圧を制限する。
【選択図】 図3


Description

本発明は、車両に搭載された機械式自動変速機を駆動する電動モータの制御装置に関する。
近年、自動車の変速機として、マニュアル車と同様の変速ギヤ機構およびクラッチ機構にそれぞれアクチュエータを付設して自動変速を行えるようにした機械式自動変速機が開発、実用化され、主に、トラックやバス等の大型車を中心に適用されている。これらのアクチュエータとして、従来はエアシリンダを用いるのが一般的であったが、電動モータによるアクチュエータも提案されている。
電動モータをアクチュエータとして用いる場合、円滑なシフト操作を行うために電動モータの駆動力を制御することが望ましく、運転者による変速レバー操作の初期時点でシフト方向を検出して目標変速段を判定し、オーバーラン等の発生を防止する装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−330148号公報
特許文献1に開示された装置においては、目標変速段を変速レバー操作の初期時点で判断し、目標変速段にギヤインした場合のエンジンの回転速度を求め、その回転速度が許容範囲内にない場合には、電動モータを変速レバーのシフト動作方向とは逆方向に駆動することにより、オーバーランまたはアンダーランのない円滑なギヤチェンジを実現しようとするものである。
しかしながら、この装置においては、電動モータを駆動するために印加する電圧によって生じる過大な電流が装置に悪影響を及ぼすことについて考慮していない。すなわち、電動モータは、モータが低速回転、もしくは逆回転している状態で高い電圧を印加すると、高い電流値を発生し、これにより、電力源に負担がかかり電源電圧が降下したり、他の機器に悪影響を及したり、パワー回路や電動モータの負荷が過大になり、装置の故障につながるといった問題がある。
この問題を解決するために、電動モータに印加する電圧を、モータの低速回転および逆転時に低く抑え、過度な電流が発生しないようにすることが考えられるが、そのためには、モータの回転速度を得る必要がある。一般に、モータの回転速度を得るためには、モータの出力側に回転速度を測定するためのセンサを取り付けることが考えられるが、センサの取り付けにより、アクチュエータの形状を変更する必要があるうえ、コスト増をまねくという問題がある。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的は、電動モータに回転速度センサを付加することなく電動モータの回転速度を求め、求めた回転速度に基づいて、電動モータに印加する電圧値に制限を加え、電動モータにおける過大な電流の発生を抑制する電動モータの制御装置を提供することである。
前述する課題を解決するための本発明は、電力源と、電力源からの印加電圧を制御する制御手段と、制御手段により制御された印加電圧により駆動される電動モータと、電動モータにより駆動されるアクチュエータと、電動モータの回転速度を推定する回転速度推定手段と、回転速度推定手段により求めた回転速度に基づいて、制御手段が、電動モータに印加する印加電圧を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする電動モータの制御装置である。アクチュエータは、自動変速機のギヤシフトユニット、あるいは、自動クラッチのクラッチアクチュエータであることが望ましい。
回転速度推定手段は、電動モータに関する運動モデルを備え、運動モデルに基づいて回転速度を算出する。運動モデルは、電動モータの印加電圧V(s)と回転速度Ω(s)に関する伝達関数G1(s)で表し、
1(s)=a/(τs+1) aは直達項、τは時定数、sはラプラス変換演算子
とする。また、電動モータの印加電圧V(s)と電動モータのストロークX(s)に関する伝達関数をG2(s)すると、
2(s)=a/s(τs+1)
と表せる。直達項aおよび時定数τの値は、この伝達関数G2(s)に、ステップ電圧を印加したときのストローク測定値から決定する。
前もって、使用する電動モータの直達項aおよび時定数τの値を求め、伝達関数G1(s)=a/(τs+1)に代入したものを運動モデルとして回転速度推定手段に備えることにより、実際の印加電圧をこの運動モデルに入力して、回転速度を算出することが可能になる。
制限手段は、回転速度推定手段により求めた電動モータの回転速度に基づき、回転速度が低い場合、および逆回転している場合に、印加電圧を低く抑える制限を加える。これにより、電動モータに発生する過大電流を抑制することが可能になる。
本発明の電動モータの制御装置により、センサを取り付けることなく電動モータの回転速度を算出することが可能になり、センサを取り付けることによるアクチュエータの形状変更やコスト増をなくすことができる。さらに、算出した回転速度に基づいて、回転速度が低い範囲および逆転している場合に印加電圧を抑制することにより、電動モータに発生する過大な高電流を防ぐことが可能になり、電力源やパワー回路の負荷が低減される。
また、本発明の電動モータの制御装置により、運動モデルに基づいて電動モータの回転速度を算出するので、電動モータに発生する過大な高電流の防止を、簡単な演算による電動モータの回転速度算出により達成でき、制御レスポンスの低下を招くことがない。
以下、図面に基づいて本発明の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図、図2は、電動モータアクチュエータの構成図、図3は、電動モータへの印加電圧制限の概念を示す図、図4は、電動モータの印加電圧と位置センサの出力の関係を示す図、図5は、伝達関数のパラメータ決定処理の流れを示すフローチャート、図6は、電動モータの印加電圧と回転速度、位置センサの出力の関係を示す図、図7は、印加電圧制限マップを示す図である。
まず、本発明の形態に係る電動モータが適用されるクラッチ機構および機械式自動変速機について、図1に沿って説明する。エンジン1は、摩擦クラッチを有するクラッチ機構3と、そのクラッチ機構3を介してエンジン1の出力部に接続された機械式自動変速機構5を備える。クラッチ機構3には、クラッチ用アクチュエータとしてクラッチ用電動モータ(CCU)21が接続され、このクラッチ用電動モータ21が作動することによりクラッチ3が断接される。
また、機械式自動変速機構3は、ギヤシフト用電動モータ(GSU)31によって駆動され、変速操作が行われる。このギヤシフト用電動モータ31は、機械式自動変速機構3内にあるセレクト方向およびシフト方向の各ギヤシフト部材を駆動するための2組の電動モータからなる。変速時には、ギヤシフト用電動モータ31によってギヤシフト部材を駆動して、機械式自動変速機構3の噛合状態を切り替えることにより、変速段を所望の状態にシフトする。
エンジン1は、エンジン電子コントロールユニット(エンジンECU)43が出力するエンジン制御信号141により制御される。エンジンECU43は、制御プログラムに従って演算処理を実行する中央処理装置(CPU)431、制御プログラム等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)435、演算結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)433、入出力インタフェース437、タイマ439等を有し、エンジン制御信号141や、エキゾーストブレーキ(エキブレ系)53を駆動するためのエキブレ駆動信号143を生成する。
エンジンECU43に入力される信号は、機械式自動変速機構5の出力側に備えられた車速センサ信号をパルスデバイダ49によりカウントして得られる車速信号135、エンジン1の回転数信号137、アクセルペダル9に取り付けられたアクセル踏込み量センサによるアクセル開度信号117、ニュートラル状態にあることを示す信号N位置信号139等であり、入出力インタフェース437を介して入力される。
また、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31は、変速機電子コントロールユニット(変速機ECU)41の制御信号を介して駆動される。変速機ECU41も、エンジンECU43と同様に、制御プログラムに従って演算処理を実行する中央処理装置(CPU)411、制御プログラムや、後述する運動モデル、印加電圧制限マップ等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)415、演算結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)413、入出力インタフェース417、タイマ419等を有する。
入出力インタフェース417を介して、チェンジレバーユニット13の操作信号であるチェンジレバーユニット信号113、パーキングブレーキ11が引かれるとONとなりパーキングブレーキの作動を伝えるパーキングブレーキ操作信号115、アクセルペダル9に取り付けられたアクセル踏込み量センサによるアクセル開度信号117、ブレーキペダル7が踏込まれるとONになりブレーキの作動を伝えるブレーキペダル操作信号119、クラッチ用電動モータ21が出力するクラッチストローク信号121、ギヤシフト用電動モータ31が出力するシフト・セレクトストローク信号123、クラッチ機構3の出力側回転数であるクラッチ回転数信号125、クラッチ機構3で検出されるクラッチ磨耗・ストローク信号127、機械式自動変速機構5の出力側に備えられた車速センサ信号をパルスデバイダ49によりカウントして得られる車速信号129、エンジン1の回転数信号131等が変速機ECU41に入力される。
そして、変速機ECU41が、これらの入力信号や、後述する印加電圧制限手段により処理することにより、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を駆動するための駆動信号(それぞれ、CCUモータ駆動信号103およびGSUモータ駆動信号105)、電源信号101を入出力インタフェース417を介して出力する。また、変速機ECU41は、機械式自動変速機構5のギヤ位置を示すギヤ位置信号111をインジケータ15に出力する。
変速機ECU41が出力したCCUモータ駆動信号103およびGSUモータ駆動信号105、電源信号101は、パワー回路であるドライブユニット45に入力される。ドライブユニット45はバッテリ47に接続されており、前述のCCUモータ駆動信号103に従ってクラッチ用電動モータ21に電圧を印加し、GSUモータ駆動信号105に従ってギヤシフト用電動モータ31に電圧を印加する。
変速機ECU41は、運転者がチェンジレバーユニット13のレバーをドライブ“D”に入れている状態では、入力される車両の種々の走行状態(例えば、車速やエンジン負荷)を示す信号を基に、最適変速段へ変速段切り替えを行うよう、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を制御する(自動シフトモード)。一方、運転者が手動操作で変速段のシフト指令を行うことも可能で、運転者がチェンジレバーユニット13のレバーを“+”あるいは“−”に入れると、現在の変速段を1段上げる、あるいは1段下げるためのチェンジレバー操作信号113が変速機ECU41に入力され、この信号に基づいてクラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を制御する(手動シフトモード)。
すなわち、変速機ECU41は、自動シフトモードの場合、車速やエンジン負荷などの走行状態の情報を基に、変速段の切り替えの必要性を判断し、これに伴い、クラッチ切断−ギヤシフト−クラッチ接合の制御を行い、手動シフトモードが選択された場合には、運転者のシフト指令に基づき、クラッチ切断−ギヤシフト−クラッチ接合の制御を行う。
次に、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31の構成について説明する。図2は、電動モータ81によるアクチュエータの構成を示す図である。電動モータ81は、クラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31のいずれであってもよく、いずれのアクチュエータも同様の構成をしている。
電動モータ81の出力軸82にはウォーム84が形成されており、このウォーム84に、軸85の回りを揺動するウォームギヤ83が噛合する。ウォームギヤ83は、軸85とは異なる2つの軸86および88をさらに備え、軸86はピストン87と係合し、ピストン87はウォームギヤ83の揺動に伴い、図2の左右方向に伸縮する。一方、軸88はピストン90と係合し、ピストン90は軸92を介して電動モータ81の外部筐体93に固定される。ピストン87のウォームギヤ83とは反対側の端は油圧パイプ89と接続される。油圧パイプ89は、図示していないクラッチ機構3あるいは機械式自動変速機構5に接続されており、ピストン87の伸縮により生じる油圧がこの油圧パイプ89を介して、クラッチ機構3あるいは機械式自動変速機構5に伝えられて、クラッチの接断操作、変速ギヤのシフト・セレクト操作が行われる。
電動モータ81は、変速機ECU41が出力するCCUモータ駆動信号103あるいはGSUモータ駆動信号105によりドライブユニット45を介して印加される電圧により駆動される。電動モータ81が作動すると、出力軸82に形成されたウォーム84とウォームギヤ83が噛合することにより、ウォームギヤ83が揺動し、これに伴い、軸86に係合されたピストン87が移動し、油圧を発生する。ウォームギヤ83の軸86付近には、位置センサ91が取り付けられており、ピストン85の左右方向の動きをストローク値として検出する。このストローク値は、クラッチ用電動モータ21の場合、クラッチストローク信号121、ギヤシフト用電動モータ31の場合、シフト・セレクトストローク信号123として、入出力インタフェース417を介して変速機ECU41に入力される。
以上に説明した構成の電動モータ21、31は、変速機ECU41により制御され、駆動される。次に、変速機ECU41によるクラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31の制御装置および制御方法について説明する。クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31の制御は、変速ECU41において、各々別に行われるが、両制御方法は同様であり、説明においては、クラッチ用電動モータ21とギヤシフト用電動モータ31の制御方法を区別せずに説明する。
図3に示すように、変速機ECU41の出力(印加電圧指示75)はパワー回路(ドライブユニット)45に入力され、パワー回路45に接続されている電力源(バッテリ47)により、クラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31を駆動する電圧を印加する。クラッチ用電動モータ21の場合は、図1のCCDモータ駆動信号103が、ギヤシフト用電動モータ31の場合は、図1のGSUモータ駆動信号105が、印加電圧指示75としてパワー回路45に入力される。
変速機ECU41のCPU411は、入出力インタフェース417を介して入力される種々の信号を基に、ROM415に格納されている制御プログラムに従って、各電動モータ21、31を駆動するための印加電圧指示75を算出する。この制御プログラムでは、まず、制御目標設定手段61において、入力される各種信号を判断、処理し、制御目標69を生成する。そして、次に、電動モータ21、31の現在の状態を示す情報であるアクチュエータ位置情報71と制御目標69の差分を入力として公知のPID制御則63によるPID制御を行う。そして、その出力に対して、印加電圧制限手段65により、後述する回転速度推定手段67により得た電動モータ21、31の回転速度73に基づいて印加電圧の制限処理を行う。このとき、電動モータ21、31の回転速度73が低い場合、および制御目標の回転とは逆回転をしている場合には、印加電圧に制限を加える。
クラッチ用電動モータ21の印加電圧制御の場合、制御目標設定手段61は、クラッチストロークの目標値を制御目標69として設定し、出力する。一方、クラッチ用電動モータ21からは、アクチュエータ位置情報71として入出力インタフェース417を介して、位置センサ91で検出したクラッチストローク信号121が入力される。この実クラッチストローク値が制御目標値69に近づくように、PID制御則63によるPID制御をまず行う。PID制御では、制御目標値に収斂していく初期段階で制御目標値を上回る大きな電圧が印加される。これを抑えるために、次に、印加電圧制限手段65を実行する。すなわち、大きな印加電圧が高電流等の悪影響を及ぼすクラッチ用電動モータ21の回転速度が小さい場合、および、逆回転をしている場合に印加電圧の制限を行う。
一方、ギヤシフト用電動モータ31の印加電圧制御の場合、制御目標設定手段61は、シフト方向およびセレクト方向のストローク値を制御目標値69として設定し出力する。一方、ギヤシフト用電動モータ31からは、アクチュエータ位置情報71として、位置センサ91で検出された実際のシフト方向およびセレクト方向のストローク信号123が入出力インタフェース417を介して入力される。この実ストローク値が制御目標値69に近づくように、まず、PID制御則63によるPID制御を行い、それに基づく印加電圧値を求めPID制御値64として出力する。そして、この出力に対して印加電圧制限手段65を実行する。すなわち、大きな印加電圧が高電流等の悪影響を及ぼすギヤシフト用電動モータ31の回転速度が小さい場合、および、逆回転をしている場合に印加電圧の制限を行う。実際には、ギヤシフト用電動モータ31は、シフト方向用とセレクト方向用の2つの電動モータを備えており、それぞれの電動モータの印加電圧制御が変速機ECU41により行われることになる。
印加電圧制限手段65は、回転速度推定手段67により得られるクラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31の回転速度に基づいて印加電圧の制限処理を行う。この回転速度は、回転速度推定手段67により求める。次に、この回転速度推定手段67について説明する。
回転速度推定手段67は、図2に示した電動モータ81によるアクチュエータの運動モデルを変速機ECU41のROM415に格納し、この運動モデルに実際に電動モータに印加する電圧と同じ電圧(印加電圧指示75)を入力し、回転速度を推定、すなわち、算出する。この運動モデルから回転速度を算出するためのプログラムも変速機ECU41のROM415に格納しておく。
図4は、電動モータによるアクチュエータの運動モデルを示している。電動モータに印加する電圧V(s)と図2に示した位置センサ91が検出するストローク信号X(s)の関係を伝達関数G(s)とすると、G(s)=a/s(τs+1)としてモデル化することが可能である。ここで、aは直達項、τは時定数、sはラプラス変換演算子である。パラメータである直達項aおよび時定数τは、電動モータによるアクチュエータ(クラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31)を稼動し、印加電圧v(t)とストローク信号x(t)の時間軸における関係を測定することにより、実験的に求めることが可能である。
すなわち、図5に示すように、ステップ電圧v(t)を電動モータ21、31に印加し、位置センサ91の出力であるストローク信号x(t)を測定する(ステップ501)。ストローク信号x(t)は、時定数τ、最高ストローク値xmaxのカーブになる。次に、このカーブx(t)が得られる直達項aおよび時定数τを求める(ステップ502)。直達項aは、印加電圧v0に対する最高ストローク値xmaxの増幅率を示す値であり、時定数τは、カーブx(t)の時定数を表す値である。以上のようにして、電動モータ21、31を駆動して印加電圧に対するストローク信号x(t)を測定することにより、パラメータaおよびτを求めることが可能である。
クラッチ用およびギヤシフト用電動モータ21、31によるアクチュエータについて、それぞれパラメータaおよびτの値が求まると、それぞれの電動モータアクチュエータの伝達関数G(s)が確定する。この伝達関数G(s)を使用して電動モータ21、31の回転速度を推定する。
すなわち、図6に示すように、伝達関数G(s)を、印加電圧V(s)を入力とし回転速度Ω(s)を出力とする運動モデルの伝達関数G1(s)=a/(τs+1)と回転速度Ω(s)を入力とし、位置センサ91のストローク信号x(s)を出力とする1/sに分離する。パラメータaおよびτは、先に図5に示した処理により求めた値を代入する。この伝達関数G1(s)を変速機ECU41のROM415に格納しておく。伝達関数G1(s)を使用して回転速度を算出するプログラムもROM415に格納されており、このプログラムに従い、例えば10msごとに伝達関数G1(s)に印加電圧75を入力して、その印加電圧に対する電動モータの回転速度を求める。
例えば10msごとに算出される電動モータの回転速度73は印加電圧制限手段65に入力される。印加電圧制限手段65では、入力される回転速度73の値に基づいてPID制御則63によって求めた印加電圧(PID制御値64)に制限を加える。印加電圧の制限には、例えば、図7に示す印加電圧制限マップを用いる。印加電圧マップは、回転速度Bと、PID制御値64を制限するための印加電圧比Aの関係を示し、電動モータ21、31の特性に応じて前もって決定し、印加電圧制限のための制御プログラムとともに変速機ECU41のROM415に格納されている。
電動モータ21、31を正転させる場合、回転速度BがB≦0(逆回転)のとき、PID制御値64で与えられる印加電圧Vを、例えば、最大電圧24Vに印加電圧比50%を乗じた値が上限となるように制限し、印加電圧指示75として電動モータ21、31に印加する。また、回転速度B≧bの範囲では、印加電圧比A=100(%)とし、PID制御値64の電圧をそのまま印加する。回転速度が0に近い0<B<bの範囲では、回転速度B=0のA=50%と回転速度B=bのA=100(%)の間で回転速度Bに比例する印加電圧比A(%)でPID制御値64を制限する。これにより、回転速度が低い範囲および逆回転時に印加電圧を制限し、高電流が発生しないようにすることが可能になる。
一方、電動モータ21、31を逆回転させる場合、回転速度B≧0において印加電圧比A=50(%)としてPID制御値64を制限し、回転速度B≦bのとき印加電圧比A=100(%)としてPID制御値64をそのまま印加電圧指示75として出力し、回転速度Bがb<B<0の範囲では、回転速度B=0のA=50(%)と、回転速度B=bのA=100(%)の間で回転速度Bに比例する印加電圧比A(%)でPID制御値64を制限して印加電圧指示75として出力する。以上の印加電圧制限手段により、電動モータ21、31を逆回転させる場合にも、回転速度が0に近い範囲と正転の場合にPID制御値64による印加電圧値を制限して、高電流が発生しないようにすることが可能である。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。例えば、本実施の形態では、印加電圧制限マップにおける印加電圧比Aによる制限を最大50%としたが、この値は、電動モータの定格や目標性能等に応じて変えることが可能である。また、本実施の形態の伝達関数による運動モデルを使用して、電動モータの回転加速度等を演算により求めることも容易に行える。
本発明の電動モータの制御装置により、電動モータの回転速度を、センサを取り付けることなく演算により推定することが可能になり、簡単なシステム構成により、電動モータに発生する電流を抑制することが可能になる。それにより、電動モータ、電力源、その他の機器に過剰な負荷をかけることがなくなり、電動モータの寿命が延びるとともに、性能の良い車両を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図 電動モータアクチュエータの構成図 電動モータへの印加電圧制限の概念示す図 電動モータの印加電圧と位置センサの出力の関係を示す図 伝達関数のパラメータ決定処理の流れを示すフローチャート 電動モータの印加電圧と回転速度、位置センサの出力の関係を示す図 印加電圧制限マップを示す図
符号の説明
1………エンジン
3………クラッチ機構
5………機械式自動変速機構
21………クラッチ用電動モータ
31………ギヤシフト用電動モータ
41………変速機ECU
43………エンジンECU
45………ドライブユニット(パワー回路)
47………バッテリ(電力源)
65………印加電圧制限手段
67………回転速度推定手段
68………運動モデル
73………電動モータ回転速度
91………位置センサ

Claims (7)

  1. 電力源と、
    前記電力源からの印加電圧を制御する制御手段と、
    前記制御手段により制御された印加電圧により駆動される電動モータと、
    前記電動モータにより駆動されるアクチュエータと、
    前記電動モータの回転速度を推定する回転速度推定手段と、
    前記回転速度推定手段により求めた前記回転速度に基づいて、前記制御手段が、前記電動モータに印加する印加電圧を制限する制限手段と、
    を備えることを特徴とする電動モータの制御装置。
  2. 前記回転速度推定手段は、前記電動モータに関する運動モデルを備え、前記運動モデルに基づいて前記回転速度を算出することを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  3. 前記運動モデルは、前記電動モータの印加電圧V(s)と前記回転速度Ω(s)に関する伝達関数G1(s)で表し、
    1(s)=a/(τs+1) aは直達項、τは時定数
    であることを特徴とする請求項2記載の電動モータの制御装置。
  4. 前記直達項aおよび時定数τの値は、前記電動モータの印加電圧V(s)と前記電動モータのストロークX(s)に関する伝達関数G2(s)、
    2(s)=a/s(τs+1)
    とし、ステップ電圧を印加したときのストローク測定値を基に決定することを特徴とする請求項3記載の電動モータの制御装置。
  5. 前記制限手段は、前記回転速度推定手段により求めた前記電動モータの回転速度に基づき、前記回転速度が低い場合、および逆回転している場合に、印加電圧に制限を加えることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  6. 前記アクチュエータは、自動変速機のギヤシフトユニットであることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  7. 前記アクチュエータは、自動クラッチのクラッチアクチュエータであることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
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