JP2005286648A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 濃度に応じて文字領域判定手段を切り替えることで、濃度に応じて適切な領域を文字領域と判定し、画像のそれぞれの領域に好適な処理を施すことができ、画質向上が可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】 低濃度文字に対し、通常の黒文字とは別の判定方法を具備し、注目画素が比較的低濃度であった場合、エッジ領域判定を文字判定に用いない構成とし、文字部分を検出するのではなく、文字好適な処理を施すべき領域を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像処理装置に関し、特に、スキャナなどで読み取られた画像中の文字領域と絵柄領域の分離する画像処理装置に関する。
一般的に、原稿を光学的に読み取り、再生するディジタル複写機に於いては、品質の高い画像を得るため様々な画像処理が施される。例えば、網点で表現される絵柄領域では読み取り周波数と、網点の周波数との間に生じた微妙なずれにより干渉縞、所謂モアレが生じることがあり、モアレ除去のためには強い平滑化のフィルタを施すことが必要である。一方、一般的なスキャナは読み取り時にミラーを走査するため、画像にぼけが生じ、文字をくっきりと読みやすく再生するためには強いエッジ強調のフィルタを施す必要がある。
また、近年では1つの色毎に専用の感光体を持つ、所謂タンデム型の複写機が主流となりつつある。従来のような、1つの感光体で全ての色を処理する、所謂リボルバー型複写機に対し、タンデム型の複写機では高速な出力が狙える一方で、Cyan, Magenta, Yellow, Black(CMYK)4つの感光体を極めて正確に同期させることが難しい等の理由から、各版がずれて出力されてしまう、所謂色ずれという現象が大きな問題となる。色ずれが生じると特にCMYの三色で表現される黒は色づき、ぼけて見えてしまう。この問題は、特に白地に黒が存在するときに著しく目立つ。この問題を解決するため、黒文字はCMY三色で表現する黒ではなく、単色のKで再生されることが望ましい。一方で、CMY三色で表現する黒に対し単色の黒は特にハイライト領域で粒状性が悪いことが知られており、このことからハイライトの絵柄領域で積極的に単色のKを用いることは避けるべきである。
このように高品質画像を得るためには、一枚の原稿に対し、文字領域、絵柄領域で相反する処理を夫々施す必要があるため、原稿画像中の文字領域と絵柄領域を予め高精度に分離する必要がある。このような技術を像域分離と呼ぶ。
像域分離に関して、エッジ領域、網点領域を検出し、エッジ領域且つ非網点領域を文字領域とする手法が良く知られている。しかし、この手法では印画紙が原稿に貼り付けられていると、印画紙の縁部分をエッジとして検出してしまうため、該領域を文字領域として処理してしまうことになる。また、この手法ではエッジ領域のみを文字判定するため、文字の縁のみを文字領域として判定し、文字の縁と文字の内側で別の処理が施されることになる。
このような問題を解決するため、従来技術例として、周囲を白地の背景に囲まれた領域を白背景領域とし、エッジ領域且つ非網点領域であり、更に白背景領域と判定されて初めて文字領域として判定し、印画紙縁、低濃度太文字の縁を文字判定しないことで前記課題を解決している「画像処理装置」がある(例えば、特許文献1参照)。また、同問題を解消する別の手法として、「画像読み取り装置」がある(例えば、特許文献2参照)。図25は文字処理領域のある方向に対する濃度変化を示したものであり、左の山が高濃度文字の領域、右の山が低濃度文字の領域を表している。特許文献2記載の発明では、濃度ピークのうち高濃度側(山の部分)を検出し、該濃度ピークの濃度に応じて2つの閾値TH1、TH2により低濃度ピーク、中濃度ピーク、高濃度ピークの3段階の領域に分割する。この時、高濃度ピーク付近を通常の文字、及び中濃度ピーク付近を低コントラスト文字として検出する。図中斜線が施された部分が文字として判定される領域である。高コントラスト文字、低コントラスト文字に対して適切な閾値を選択でき、文字中と文字縁を文字処理領域判定することで低コントラスト文字の一様処理を可能としている。尚、この手法は多値画像の2値化を行なうためのものであるが、高コントラスト文字と低コントラスト文字に対し別々の検出閾値を持たせ、低コントラスト文字に対しては十分に低い2値化閾値を適用することで、低コントラスト文字の濃度ピークと2値化閾値が近接している際に起こる低コントラスト太文字内での文字処理領域検出漏れによるかすれ等の低減を図っている。
特開平5−307641号公報 特開平9−130610号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の画像処理装置を用いて文字判定を行った場合、例えば、明朝体のような線幅が変化する字体の太文字を処理した際、文字処理される領域と絵柄処理される領域とが混在する可能性があり、混在が発生すると、文字内部と文字縁とで墨率が変わり、違和感を生じるため画質劣化の原因となる。尚、混在が発生する理由は以下の通りである。上記手法では所定の面積が白地である領域を白背景候補領域とし、白背景候補領域を膨張、収縮することにより白背景領域を特定しているため、所定の領域よりも大きい領域を持つ文字に関しては文字判定されない。
この様子を図18に示す。図18(a)に対して所定量の膨張、収縮を行うと文字部が全て白背景領域として判定されることになる。一方、図18(b)に示すように所定の膨張量よりも、大きい線幅を持つ文字に対して同様の処理を施しても文字部は白背景領域と判定されない。つまり、上記画像処理装置を用いると、線幅が一定でない文字に対しては一様に文字縁を白背景領域と判定できない可能性があるため、文字領域判定と絵柄領域判定が混在する可能性がある。
実際に絵柄領域判定、文字領域判定の混在が発生すると最も画像に不具合が出やすいのは低濃度の領域である。これに関して図14を用いて説明する。上述した色ずれとハイライト領域の粒状性の問題から、色表現にKを用いる濃度、所謂墨入れ開始点、及びCMY3色をKに置き換える割合、所謂墨率を絵柄領域と文字領域で切り替えることが一般的に行われている。図14は上記を満たす墨量と濃度の相関の一例である。太線は文字領域用、細線は絵柄領域用を示すものとする。前述の通り、文字領域では色ずれを防ぐため、墨入れ開始点を早く最大墨は大きくし、積極的にKを入れることにより、できるだけ単色で出力されるようにする。一方、ハイライト粒状性の悪化を防ぐため絵柄領域では墨入れ開始点を遅くし、ハイライトにはKが入らないようにする。図を見て明らかなように低濃度領域では、文字領域と絵柄領域とでKの入る率が大きく変わるため、両者が混在すると大きな違和感を生じることになる。
また、上記特許文献2記載の発明は、低コントラスト文字の検出に用いる2値化閾値は該低コントラスト文字のピークよりも必ず小さくなるように設定しなければならない。そのため、極めて低濃度の文字に関しては低コントラスト文字内で文字処理領域検出漏れが発生する恐れがあるという問題があった。また、同手法で絵柄部分を処理すると、濃度が低いのに出力が黒、濃度が高いのに出力が白となるような領域が生じるため絵柄が正しく表示されず、文字、絵柄混在の画像に本手法は適用できないという問題もあった。
そこで、本発明では特に大きな問題となっている低濃度文字に対し、通常の黒文字とは別の判定方法を具備することを特徴としている。注目画素が比較的低濃度であった場合、エッジ領域判定を文字判定に用いない構成とし、文字部分を検出するのではなく、文字好適な処理を施すべき領域を検出する。これにより上記課題を回避することができる。
よって、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、濃度に応じて文字領域判定手段を切り替えることで、濃度に応じて適切な領域を文字領域と判定し、画像のそれぞれの領域に好適な処理を施すことができ、画質向上が可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくとも2以上の文字領域判定手段を有し、注目領域の濃度に応じて、文字領域判定手段のいずれかの判定結果を選択することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、エッジ領域を検出するエッジ領域判定手段と、網点領域を検出する網点領域判定手段と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、エッジ領域且つ非網点領域で無ければ文字領域と判定しない第1の文字領域判定手段を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、エッジ領域判定結果を参照しない第2の文字領域判定手段を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、注目領域が所定の濃度に比べ高濃度であった場合には、第1の文字領域判定手段を、注目領域が所定の濃度に比べ低濃度であった場合には、第2の文字領域判定手段の結果をもって文字領域と判定することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、絵柄用又は文字用の墨量算出手段を有し、注目領域が文字領域か否かで、墨率を切り替えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、所定の濃度は、絵柄用又は文字用の墨量が十分に近づく程度に高濃度であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明において、非網絵柄用の墨量算出手段をさらに有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、非網点領域且つ非エッジ領域である領域を非網絵柄用の墨量で処理することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、非網絵柄用の墨量は、所定の濃度で文字領域の墨率よりも低墨率であり、絵柄領域の墨率よりも高墨率である墨量であることを特徴とする。
本発明によれば、濃度に応じて文字領域判定手段を切り替えることで、濃度に応じて適切な領域を文字領域と判定することができるため、画像のそれぞれの領域に好適な処理を施すことができ、画質が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施例1である複写機について図面を用いて具体的に説明する。
(複写プロセスの全体構成)
図19を用いて複写プロセスの概要を示す。原稿はスキャナ2101により光学的に読み取られ、AD変換後、RGB信号として画像処理手段2102へ送られる。画像処理手段2102で画質の補正が行われ、補正後のCMYKデータを用いて書込制御手段2103は書込ユニット2104を制御する。
次に書込ユニット2104の概要について図20に示す。ここでは近年主流になりつつあるタンデム方式の書込ユニットについて説明する。2201〜2204に示されるCMYKそれぞれに対応した光源は、書込制御手段2103から出力される信号に応じたタイミング及び強さの光を発する。2211はシアン用の感光体であり、光が当たった領域は静電気を帯びる。静電気を帯びた感光体2211に対し、図中2212で示される現像ユニットから、感光体2211に発生する静電気とは逆の電荷の静電気を帯びさせたトナーを供給することにより、感光体2211上には光が当たった領域にのみトナーが付着する。これに対し、搬送ベルト2213により搬送される、トナーとは逆電荷の静電気を全面に帯びさせた紙を密着させることにより、紙の上にはシアンの像が作られる。同様に2205〜2210までの感光体及び現像ユニットを用いることで紙面上にはCMYKの像が作られる。更に、熱や圧力により定着させることで出力画像が得られる。
尚、補足として、書込ユニット2104が従来のリボルバー型であった場合について、図21を用いて説明する。まず、光源2301は書込制御手段2103のシアン用の信号に応じて光を発する。感光体2302では上記感光体2211と同様の現象が起こる。静電気を帯びた感光体2302に対し、リボルバー2308を回してシアンの現像ユニット2303から電荷を帯びたトナーを供給し像を作る。同様にMYKの像を作ることにより、感光体2302上にはCMYKの像が作られる。最後に感光体2302に搬送ベルト2307によって搬送されてくる静電気を帯びた紙を密着させることにより紙の上に像が作成され、定着することにより出力画像が得られる。
上記説明から明らかなように、リボルバー方式では固定された感光体に対し、CMYKの像を作るため、色ずれは起こりにくいが、タンデム方式では、移動する紙に対し、CMYKの像を個別に作成するため、感光体での像の作成を厳密なタイミングで合わせる必要がある。一方、このようなタイミング調整は難しく、画像処理では色ずれが発生することを考慮せざるを得ない。
(画像処理の全体構成)
次に図1を用いて画像処理プロセスの概略を説明する。スキャナ2101から送られたデータの一方は像域分離手段102により、文字領域、中間調領域のどちらに属するかを判定される。また、スキャナ2101から送られたデータは一方でスキャナγ補正手段101によりスキャナの光学特性による色ずれの補正がなされた後、フィルタ処理手段103により、画像の局所的な空間周波数の補正が行われる。このとき像域分離手段102の結果に応じて、施されるフィルタの強度は変化する。フィルタ処理に関する詳細は後述する。
フィルタ処理を施された画像は、色補正手段104によりRGBデータからCMYデータへと変換される。CMYデータに変換された画像は、墨処理手段105によりUCR処理を施されCMYからCMYKデータへと変換される。この時、像域分離結果によりUCRの割合を変化させる。また、UCRの割合の変化に応じ、色補正手段105の係数及びプリンタγ補正手段106の係数も変化させる。墨処理についても詳細は後述する。その後、画像は中間調処理107によって少値化されプリンタで出力が可能な形になる。この時、中間調処理も、文字判定結果により変化させる。これについても後述する。
(像域分離)
次に、図2を用いて像域分離処理について説明する。入力画像の各画素について、濃度判定手段205では該注目画素周辺3×3画素の濃度平均が閾値より高い画素を高濃度、閾値より低い画素を低濃度であると判定し、その結果が文字判定領域判定手段206へ送られる。このときの閾値については後述する。また、入力画像の各画素は、その特徴に応じて201〜204を通じて、エッジ領域であるか否か、網点領域であるか否か、白背景領域であるか否か、高彩度領域であるか否かを判定され、各判定結果は属性判定手段206へと送られる。ここで、201〜204の各判定方法について詳述する。
(エッジ判定)
まず201のエッジ領域判定手段であるが、まず入力信号のG信号のみを取り出し、図3に示すように2値化手段300において信号を閾値で2値化し、閾値よりも濃度が高い画素を黒画素、閾値よりも濃度の低い画素を白画素とする。その後パターンマッチング手段301において、パターンマッチングを行い判定する。パターンマッチングは図17の4つの図の何れかに合致するときその画素をエッジ領域であると判定するものとする。図示されるように3×3のマスク内で、マル印のある画素全てが黒画素、且つマスク内で、バツ印のある画素全てが白画素であるときに合致しているものとする。そして、エッジ領域と判定された画素の出力をアクティブ、非エッジ領域と判定された画素の出力を非アクティブとする。更に、細文字が文字中まで文字判定できるように、膨張手段302によって判定結果を膨張する。
(網点分離)
次に202の網点領域判定手段について説明する。図4は網点領域判定手段の概略である。
まず、2値化手段400では所定の閾値に基づき注目領域の画素濃度を2値化する。次に極値画素検出手段401では4×4画素単位のブロック内で極値を検出し、ブロック内に極値画素が1つでも存在する場合は、該ブロックを網点候補ブロックと判定する。ここで極値画素とは、注目画素がある方向の周辺画素に対して極小、若しくは極大である画素を指す。
具体的には、注目画素に対し、(注目画素濃度)>(上部画素濃度)且つ(注目画素濃度)>(下部画素濃度)が成り立つとき、注目画素は縦方向の周辺画素に対し極値画素であると判定する。同様に横、斜め合わせ4方向に対し何れかの方向の周辺画素に対し極値画素であるといえたとき、該画素を極値画素と判定するものである。
網点領域補正手段402では以下の処理を行う。図5に示すように注目ブロックを中心とした3×3ブロックにおいて、4ブロック以上が網点候補領域であれば注目ブロックを網点領域とし、そうでなければ注目ブロックを非網点領域とする。そして、網点領域と判定されたブロック内の画素の出力をアクティブ、非網点領域と判定されたブロック内の画素の出力を非アクティブとする。
(白背景分離)
次に、203の白背景領域判定手段について説明する。図6は白背景領域判定手段の概略である。図6に示すように、2値化手段700は、入力画像信号を所定の閾値を用いて2値化する。パターンマッチング手段701では、2値化後の画像信号に対し、4×4画素単位のブロックごとに4×1画素または1×4画素単位の白画素塊の検出を行う。具体的なパターンは図22に示すとおりであり、図中白い画素に相当する画素が全て白であった場合、アクティブであり8つのパターンのうち一つでもアクティブであるならば、該ブロックを白候補ブロックとする。尚、図中網掛けで示した部分は白黒不問であるとする。
次に白補正手段702は図7に示すように、注目した白候補ブロックを中心とした9×9ブロックにおいて、網掛けして示す4つの領域のうち、何れかの領域で内包するブロック全てが白候補ブロックであった場合、注目した白候補ブロックを白背景領域とする。そして、白背景領域と判定されたブロック内の画素の出力をアクティブ、非白背景領域と判定されたブロック内の画素の出力を非アクティブとする。最後に膨張収縮手段703に示したような膨張収縮処理を行うことにより、白背景領域を決定する。
(彩度判定)
次に、204の高彩度領域判定手段について説明する。入力された画素のRGBディジタル値に対し、最大値と最小値を求め、更にそれらの差が閾値以上である画素を持って高彩度領域と判定し、出力をアクティブとする。
(総合判定)
次に属性判定手段206について詳述する。図8は属性判定手段206を更に詳細に示したものである。各濃度判定結果は、文字領域判定手段である第一の判定手段901、第二の判定手段902でそれぞれ、属性判定をされる。各判定結果はセレクタ903に導入され、セレクタ903で参照される濃度判定結果904が高濃度であった場合には第一の判定手段901の結果が出力され、低濃度であった場合には第二の判定手段902の結果が出力される。尚、本実施例に於いて第一の判定手段901、第二の判定手段902は図24に従って出力を行う。
高濃度部は従来技術同様の領域を文字と判定しているが、低濃度部では網点以外の領域を全て文字と判定することになる。そのため、文字縁、文字中に関わらず、低濃度太文字全てを文字として判定することが可能である。
(フィルタ処理)
次に、これまでに述べた文字判定結果を用いてどのようにフィルタ処理、墨処理を行うかを詳述する。まずは、フィルタ処理について説明する。図9は図1で述べたフィルタ処理103を更に詳細に示した図である。入力画像信号1000に対し、それぞれ2種類の平滑化フィルタ(1002,1003)及びエッジ強調フィルタ(1005,1006)が施される。セレクタ(1004,1007)では、文字判定結果1001の結果によってそれぞれどちらの平滑化フィルタ、どちらのエッジ強調フィルタが施されたものを採用するかを切り替える。
平滑化によって情報が損失する可能性が高く、モアレ発生の可能性も低い網点以外の領域には比較的強度の弱い第一の平滑化フィルタ1002を施したものを採用し、一方、モアレの発生する可能性が高い領域、つまり、網点領域には比較的強度の強い第2の平滑化フィルタ1003を施したものを採用する。
また、強いエッジ強調をかけてもモアレが現れにくく、比較的鮮鋭に出力したい文字領域については比較的強度の強い第一のエッジ強調フィルタ1005を施したものを採用する。一方、強いエッジ強調をかけるとモアレの発生が懸念される網点領域および強すぎるエッジ強調により雰囲気の崩れる可能性のある印画紙などの領域(文字、網点以外の領域)については、比較的強度の弱い第2のエッジ強調フィルタ1006を施したものを採用する。以上フィルタ処理のまとめとしてどの属性領域にどのようなフィルタ処理を施すかを図23に示す。
(色処理)
次に墨処理について説明する。図13は図1の墨処理手段105を詳述したものである。入力されたCMY信号を元に第一の墨量算出手段1501、第二の墨量算出手段1502からそれぞれ墨量が出力される。第一の墨量算出手段1500は、図14の太線で示されるようにCMYの最小値(Min(CMY))が0%から墨を入れ始め、かつMin(CMY)が最大のとき、100%の墨量を出力する直線に基づいて墨量を算出する。一方、第二の墨量算出手段1502は同図の細線で示されるようにMin(CMY)が40%から墨を入れ始め、また、Min(CMY)が最大のとき、80%の墨率を出力する直線に基づいて墨量を算出する。
次に2つの墨量算出手段から算出された墨量は文字判定結果に応じてセレクタ1503で選択される。すなわち黒文字領域では低濃度から墨を入れ初めて高墨にし、色文字領域及び文字以外の領域では比較的高濃度から墨を入れ初めて低墨、というように墨生成処理を切り分ける。更にCMY量算出手段1500では算出された墨量に応じてCMYを削減する。ここで、前述した濃度判定の閾値について補足する。例えば文字領域内で濃度が変化し、ある領域で濃度が閾値をまたぐ場合、墨率に大きな差異があると、画像に違和感が生じる。そのため、例えば濃度60%程度に設定すると両墨率の差が小さく違和感が目立ちにくい。
(中間調処理)
次に中間調処理について説明する。今回の実施例では2値万線処理を例に挙げ説明する。図15は本実施例における中間調処理の概略図である。入力画像1700に対し、第一のディザ処理1701、第二のディザ処理1702の中間調処理を行い、文字判定結果が低濃度文字若しくは高濃度文字であった場合、1703のセレクタで第一のディザ処理1701の結果を出力結果に反映し、文字領域以外であった場合には、1703のセレクタで第二のディザ処理1702の結果を出力に反映する。本実施例では、第一のディザ処理で用いられるディザ閾値マトリクスは図16(a)を用い、注目画素の濃度値が該当するディザマトリクスの閾値(図中各ボックスに書かれた数字)を超えていればドットを出力、そうでなければドットを出力しないようにする。同様に第二のディザ処理ではディザ閾値マトリクスに図16(b)を用いる。図16(a)のディザマトリクスを用いることで、300線の万線画像が得られ、文字に最適な高解像な出力画像が得られる。一方、図16(b)のディザマトリクスを用いることで200線の万線画像が得られ絵柄に最適な高階調出力画像が得られる。
以上に説明した様に、本実施例1によれば、低濃度太文字において文字判定と絵柄判定が混在することが無くなり、また、文字縁、文字中を問わず一様に高墨処理することができるので好適に文字処理を行うことが可能になる。
実施例1で述べたように処理を行うと、一様濃度の文字に対しては良好に文字処理できるものの、例えばグラデーション文字の様な、一つの文字の中で濃度が徐々に変化するような文字では、低濃度、高濃度の切り替わり点で墨率が急激に変化してしまい、実際にはそこにない場所に輪郭の現れる現象、所謂疑似輪郭が発生することがある。この疑似輪郭を防ぐため、実施例2では非網絵柄用の墨量算出手段を用意している。
実施例2について、図12に示すグラデーション文字を用いて具体例を示す。図に示されるような文字に対し、第一の実施例で述べたような属性判定を行うと、図中網点で示される領域、つまり低濃度部では文字縁、文字中、高濃度部では文字縁のみが文字判定される。一方、図中黒で示された領域については文字判定されない。文字判定された領域及びそれ以外の領域での墨率設定は図14で示したとおりであるため、濃度判定の閾値をどのようにとっても墨率の不連続が生じ、疑似輪郭が発生する恐れがある。そこで、本実施例では属性として、非網点である絵柄領域、つまり中濃度以上の文字中、印画紙、及び下地に対して、第一の実施例で示した文字用、絵柄用墨率とは異なる墨率を適用することで本問題を解決する。
そのため、本実施例は実施例1と構成をほぼ同じくするものであるが、墨処理手段105においてその構成が異なる。図10は実施例2の墨処理手段105の詳細を示したものである。まず、CMY算出手段1101、第一の墨量算出手段1102及び第二の墨量算出手段1103は実施例1で述べた図13中のCMY算出手段1500、第一の墨量算出手段1501及び第二墨量算出手段1502と同様の働きをするものとする。次に、第三の墨量算出手段1104は図11の太線で示された曲線に従って墨を生成するものとする。次にセレクタ1105では、属性判定結果が黒文字であるならば第一の墨量算出手段1102の結果を、判定結果が網点であるならば第二墨量算出手段1103の結果を、更に判定結果が色文字、若しくは非網点且つ非文字領域であるならば第三の墨量算出手段1103の結果を選択し、出力する。このように処理することによって図12に示したようなグラデーション文字を処理しても墨率が連続的に変化するため、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
以上に述べた、本実施例の文字領域判定手段は、ディジタル複写機、ファクシミリ、スキャナ、その他各種画像処理機器の文字領域判定手段として広く利用できるものである。また、本実施例ではエッジ領域判定手段、網点領域判定手段、白背景領域判定手段、彩度判定手段及び濃度判定手段を同時並列的に行う構成であったが、それら領域判定を一つずつ順次に、ある単位毎に行ってその結果を保存し、ある単位について全ての領域判定結果が得られた段階で最終的な文字判定を行う構成としても良い。
また、像域分離のためにエッジ、網点、白背景、及び彩度という4種類の特徴量を利用したが、別の特徴量を用いることも可能である。
また、文字領域判定の各部をハードウェアで実装すれば速度的に有利であるが、速度が問題にならなければ各部をコンピュータ上でソフトウェアにより実現しても何ら問題は無い。
以上、本発明の実施例1及び実施例2によれば、濃度に応じて文字領域判定手段を切り替えることで、濃度に応じて適切な領域を文字領域と判定することができるため、画像のそれぞれの領域に好適な処理を施すことができ、画質が向上する。
また、エッジ領域判定手段を持つことにより、印画紙領域と文字領域を区別することが可能であり、これによりそれぞれに適した処理を施すことができ、画質が向上する。
また、エッジ領域判定手段を参照しないことにより、文字中文字縁を問わず文字判定することができるため、文字を好適に処理することができ、画質が向上する。
また、低濃度ではエッジ領域判定結果を参照せず、高濃度ではエッジ領域判定結果を参照することで、それぞれの濃度の文字に好適な処理を施すことができ、画質が向上する。
また、文字用絵柄用の墨量算出手段を持つことにより、それぞれの領域に好適な処理を施すことができ、画質が向上する。
また、濃度判定手段の閾値を比較的高い値に設定することにより、濃度判定結果が切り替わっても墨率が大きく変化しないため、疑似輪郭の発生を抑制することができ、画質が向上する。
また、非網点且つ非エッジ領域に対して、最適な墨処理手段を更に具備することにより、文字縁と文字中、低濃度文字中と高濃度文字中の切り替わり付近で疑似輪郭が発生することを抑止できるため、画質が向上する。
以上、本発明の実施例について説明したが、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
本発明の実施例1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る像域分離手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るエッジ領域判定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る網点領域判定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る網点領域を示す図である。 本発明の実施例1に係る白背景領域判定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る白補正領域を示す図である。 本発明の実施例1に係る属性判定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るフィルタ処理手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る墨処理手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る墨量算出手段の墨率を示すグラフである。 本発明の実施例2に係るグラデーション文字を示す図である。 本発明の実施例1に係る墨処理手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る墨量算出手段の墨率を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る中間調処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るティザマトリクスを示す図である。 本発明の実施例1に係るエッジ判定のパターンを示す図である。 従来技術の文字判定を示す図である。 本発明の実施例1に係る複写プロセスを示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る、タンデム方式の書込ユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る、リボルバー方式の書込ユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る白背景分離のパターンを示す図である。 本発明の実施例1に係るフィルタ処理の区分例を示す表である。 本発明の実施例1に係る属性判定の基準例を示す表である。 従来技術に係り、文字処理領域のある方向に対する濃度変化を示す図である。
符号の説明
101 スキャナγ補正手段
102 像域分離手段
103 フィルタ処理手段
104 色補正手段
105 墨処理手段
106 プリンタγ補正手段
107 中間調処理部手段
201 エッジ領域判定手段
202 網点領域判定手段
203 白背景領域判定手段
204 彩度判定手段
205 濃度判定手段
206 属性判定手段
300,400,700 2値化手段
301,701 パターンマッチング手段
302 膨張手段
401 極値画素検出手段
402 網点領域補正手段
702 白補正手段
703 膨張収縮手段
901 第一の判定手段
902 第二の判定手段
903,1003,1006,1105,1503,1703 セレクタ
1001 第一の平滑化フィルタ
1002 第二の平滑化フィルタ
1004 第一の強調フィルタ
1005 第二の強調フィルタ
1101,1500 CMY量算出
1102,1501 第一の墨量算出手段
1103,1502 第二の墨量算出手段
1104 第三の墨量算出手段
1701 第一のディザ処理
1702 第二のディザ処理
2101 スキャナ
2102 画像処理手段
2103 書込制御手段
2104 書込ユニット
2201 光源C
2202 光源M
2203 光源Y
2204 光源K
2205 感光体K
2206 現像ユニットK
2207 感光体Y
2208 現像ユニットY
2209 感光体M
2210 現像ユニットM
2211 感光体C
2212 現像ユニットC
2301 光源
2302 感光体
2303 現像ユニットC
2304 現像ユニットM
2305 現像ユニットY
2306 現像ユニットK
2308 リボルバー
2104,2213 搬送ベルト

Claims (10)

  1. 少なくとも2以上の文字領域判定手段を有し、
    注目領域の濃度に応じて、前記文字領域判定手段のいずれかの判定結果を選択することを特徴とする画像処理装置。
  2. エッジ領域を検出するエッジ領域判定手段と、
    網点領域を検出する網点領域判定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. エッジ領域且つ非網点領域で無ければ文字領域と判定しない第1の文字領域判定手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 前記エッジ領域判定結果を参照しない第2の文字領域判定手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  5. 前記注目領域が所定の濃度に比べ高濃度であった場合には、前記第1の文字領域判定手段を、前記注目領域が所定の濃度に比べ低濃度であった場合には、前記第2の文字領域判定手段の結果をもって文字領域と判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 絵柄用又は文字用の墨量算出手段を有し、
    前記注目領域が文字領域か否かで、墨率を切り替えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記所定の濃度は、絵柄用又は文字用の墨量が十分に近づく程度に高濃度であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  8. 非網絵柄用の墨量算出手段をさらに有することを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
  9. 非網点領域且つ非エッジ領域である領域を非網絵柄用の墨量で処理することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
  10. 前記非網絵柄用の墨量は、所定の濃度で文字領域の墨率よりも低墨率であり、絵柄領域の墨率よりも高墨率である墨量であることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009231945A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラム
JP2013005358A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像処理装置
JP2017175600A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 株式会社リコー 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

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