JP2005286032A - 光半導体デバイス、および光半導体デバイスを製造する方法 - Google Patents

光半導体デバイス、および光半導体デバイスを製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】p型ドーパントおよび鉄原子の相互拡散が低減される光半導体デバイス、およびこの光半導体デバイスを製造する方法を提供することとしている。
【解決手段】 光半導体デバイス1は、炭素ドープの第1のクラッド層3と、第2のクラッド層5と、活性層7と、埋め込み領域9とを備える。活性層7は、第1のクラッド層3と第2のクラッド層5との間に設けられている。埋め込み領域9は、活性層7に電流を閉じ込めるように設けられている。埋め込み領域9は鉄ドープAlInAs層11を含む。鉄ドープAlInAs層11は、活性層7に電流を閉じ込めるように高抵抗を有する。AlInAs半導体に替えて、AlGaInAs半導体を用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光半導体デバイス、および光半導体デバイスを製造する方法に関する。
文献1(特開平10−107367号公報)には、半導体レーザが記載されている。半導体レーザは、(100)面を有する半導体基板と、この半導体基板上に形成された活性層を含むメサ領域と、メサ領域を挟む電流狭窄領域と、クラッド層とを有する。電流狭窄領域の最上層には、n型電流阻止層が設けられている。n型電流阻止層の側壁は(111)B面を有しており、これらの側壁の間には、クラッド層が設けられている。このクラッド層は、Zn濃度5×1017cm−3以上を含有するInP層からなる。この構造によって、電流狭窄層を有する平坦化埋込みレーザ(SIPBH レーザ)が提供される。このレーザによれば、活性層を含むメサ領域上に設けられたp型クラッド層のZn濃度の低下を抑制でき、また電流狭窄構造部を流れるリーク電流を低減する。
特開平10−107367号公報
この文献に記載された半導体素子では、拡散係数の大きい亜鉛元素がp型の導電型の不純物として用いられており、InP半導体領域中の亜鉛の濃度を上げるために、亜鉛ドープのInP半導体の成膜条件が研究されている。この半導体素子では、亜鉛ドープのInP半導体領域と鉄ドープの埋め込み領域とが接触しているので、亜鉛と鉄の拡散が避けられない。求められているものは、ドーパントの拡散によって生じるデバイス特性の変動が少ない光半導体デバイスである。
そこで、本発明は、上記の事項を鑑みて為されたものであり、p型の導電型の不純物と鉄原子との相互拡散が低減される光半導体デバイス、およびこの光半導体デバイスを製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の一側面によれば、光半導体デバイスは、(a)基板上に設けられた半導体メサと、(b)前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域とを備え、前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層および活性層を含んでおり、前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、前記第1のクラッド層は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含んでおり炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体から成ることを特徴とする。
この光半導体デバイスの第1のクラッド層には炭素元素が添加されており埋め込み層には遷移元素の鉄元素が添加されているので、炭素元素および遷移元素の相互拡散が低減される。これ故に、第1のクラッド層のキャリア濃度が小さくならない。また、埋め込み領域内の鉄元素が添加された半導体層の抵抗が低下することを抑えることができる。さらに、第1のクラッド層の抵抗が上昇することを抑えることができる。
本発明の別の側面によれば、光半導体デバイスは、(a)基板上に設けられた半導体メサと、(b)前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域とを備え、前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層および活性層を含んでおり、前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、前記活性層は、炭素元素が添加されておりヒ素元素を含むIII−V化合物半導体の領域を有することを特徴とする。
この光半導体デバイスの活性層は炭素元素が添加されておりヒ素元素を含むIII−V化合物半導体の領域を含んでいるので、炭素元素および鉄元素等の遷移元素の相互拡散が低減される。このIII−V化合物半導体領域のキャリア濃度が小さくならない。また、埋め込み領域の鉄元素が添加された半導体層の抵抗が低下することを抑えることができる。さらに、III−V化合物半導体領域の抵抗が上昇することを抑えることができる。この光半導体デバイスでは、活性層が、炭素元素が添加された半導体領域を含むので、光半導体デバイスの特性を改善することができる。
本発明の更なる別の側面によれば、光半導体デバイスは、(a)基板上に設けられた半導体メサと、(b)前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域とを備え、前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層、光閉じ込め層および活性層を含んでおり、前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、前記光閉じ込め層は、炭素元素が添加されておりヒ素元素を含むIII−V化合物半導体から成ることを特徴とする。
この光半導体デバイスの光閉じ込め層には炭素元素が添加されており、また埋め込み層には鉄元素が添加されているので、炭素元素および遷移元素の鉄元素の相互拡散が低減される。光閉じ込め層のキャリア濃度が小さくならない。また、埋め込み領域の鉄元素が添加された半導体層の抵抗が低下することを抑えることができる。さらに、光閉じ込め層の抵抗が上昇することを抑えることができる。この炭素元素が添加された光閉じ込め層によれば、光半導体デバイスの特性を改善することができる。
本発明の光半導体デバイスでは、前記埋め込み領域の前記半導体層は、AlInAs半導体から成るが好ましい。また、前記第1のクラッド層は、AlInAs半導体から成ることが好ましい。さらに、前記第2のクラッド層は、AlInAs半導体から成ることが好ましい。
この光半導体デバイスでは、第1および第2のクラッド層並びに埋め込み領域の半導体層がAlInAs半導体から成るので、活性層が、ほぼ等しい屈折率の半導体領域によって囲まれる。
本発明の光半導体デバイスでは、前記埋め込み領域の前記半導体層はAlGaInAs半導体から成ることが好ましい。また、前記第1のクラッド層は、AlGaInAs半導体から成ることが好ましい。さらに、前記第2のクラッド層は、AlGaInAs半導体から成ることが好ましい。
この光半導体デバイスでは、第1および第2クラッド層並びに埋め込み領域の半導体層がAlGaInAs半導体から成るので、活性層が、ほぼ等しい屈折率の材料で囲まれる。
本発明の光半導体デバイスでは、前記III−V化合物半導体はAlGaInAs半導体およびAlInAs半導体の少なくともいずれかであることが好適である。
この光半導体デバイスにおいて、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層を用いると、ドーパントが埋め込み領域に拡散することを防ぐことができる。
本発明の光半導体デバイスは、前記第1のクラッド層および前記埋め込み領域上に設けられた第3のクラッド層を更に備え、前記第3のクラッド層は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含んでおり炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体から成ることが好ましい。
この光半導体デバイスの第3のクラッド層には炭素元素が添加されているので、鉄元素が添加された埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
本発明の光半導体デバイスでは、前記第3のクラッド層の前記III−V化合物半導体は、AlGaInAs半導体およびAlInAs半導体の少なくともいずれかであることが好適である。
この光半導体デバイスにおいて、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層を用いると、ドーパントが埋め込み領域に拡散することを防ぐことができる。
本発明の光半導体デバイスでは、前記活性層は、井戸層およびバリア層を含む多重量子井戸構造を有しており、前記バリア層は、炭素元素が添加されたAlGaInAs半導体および炭素元素が添加されたAlInAs半導体の少なくともいずれかから成ることが好ましい。
この光半導体デバイスでは、前記バリア層が、炭素元素が添加された半導体領域を含むので、光半導体デバイスの高速動作特性が改善されることができる。
本発明に係る別の側面によれば、光半導体デバイスを製造する方法は、(a)炭素元素を含むハロゲン化合物を用いて、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体層を形成する工程と、(b)前記III−V化合物半導体層を形成する工程の後に、鉄元素が添加された埋め込み領域を形成する工程とを備え、前記III−V化合物半導体層は、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層の少なくともいずれかである。
この方法では、炭素元素が添加された半導体層上に、鉄元素が添加された埋め込み領域を形成するので、この埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
本発明の更なる別の側面によれば、光半導体デバイスを製造する方法は、(a)鉄元素が添加された埋め込み領域を形成する工程と、(b)前記埋め込み領域を形成した後に、炭素元素を含むハロゲン化合物を用いて、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体層を形成する工程を備え、前記III−V化合物半導体層は、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層の少なくともいずれかである。
この方法では、鉄元素が添加されたが添加された埋め込み領域上に、炭素元素が添加された半導体層上を形成するので、この埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、p型の導電型の不純物と鉄との相互拡散が低減される光半導体デバイスが提供され、また、この光半導体デバイスを製造する方法が提供される。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の光半導体デバイスおよび光半導体デバイスを製造する方法に係わる実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る光半導体デバイスを示す断面図である。光半導体デバイス1は、炭素ドープの第1のクラッド層3と、第2のクラッド層5と、活性層7と、埋め込み領域9とを備える。活性層7は、第1のクラッド層3と第2のクラッド層5との間に設けられている。第1のクラッド層3は、少なくともアルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含むIII−V化合物半導体から成る。第1のクラッド層3は、炭素元素で添加されている。埋め込み領域9は、半導体メサを埋め込むように設けられている。半導体メサは、第1のクラッド層3、第2のクラッド層5および活性層7を含む。埋め込み領域9は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含むIII−V化合物半導体層11を含む。III−V化合物半導体層11は鉄元素で添加されている。III−V化合物半導体層11は高抵抗を有しており、例えば活性層7bに電流を閉じ込めることができる。
この光半導体デバイス1の第1のクラッド層3には炭素が添加されているので、鉄元素で添加されたIII−V化合物半導体層11の抵抗が低下することを抑えることができる。
この光半導体デバイスの第1のクラッド層3には炭素元素が添加されており埋め込み層9には鉄元素が添加されているので、炭素元素および鉄元素の相互拡散が低減される。第1のクラッド層3への鉄元素の拡散が少なくできるので、第1のクラッド層3のキャリア濃度が小さくならない。また、第1のクラッド層3の炭素濃度の低下が抑えられるので、第1のクラッド層3の抵抗が上昇することを抑えることができる。さらに、埋め込み領域9内の半導体層11からの鉄元素の拡散が少なくでき第1のクラッド層3からの炭素元素の拡散が抑えられるので、埋め込み領域9の抵抗が低下することを抑えることができる。
引き続く説明では、III−V化合物半導体層11が鉄ドープでドープされている光半導体デバイスを説明する。
第1のクラッド層3のIII−V化合物半導体はAlGaInAs半導体およびAlInAs半導体の少なくともいずれかであることが好適である。この光半導体デバイスにおいて、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層を用いると、ドーパントが埋め込み領域に拡散することを防ぐことができる。
一実施例では、第1のクラッド層3はp型III−V化合物半導体から成り、第2のクラッド層5はn型III−V化合物半導体から成り、活性層7はアンドープIII−V化合物半導体から成る。好適な実施例の光半導体デバイス1では、第1および第2クラッド層3、5並びに埋め込み領域9の半導体層11がAlInAs半導体から成ることが好ましい。また、第1および第2クラッド層3、5並びに埋め込み領域9の半導体層11がAlGaInAs半導体から成ることが好ましい。これ故に、活性層7が、ほぼ等しい屈折率の材料で囲まれる。AlGaInAs半導体およびAlInAs半導体は、基板の半導体に格子整合するようにしてもよい。これによって、光半導体デバイス1の信頼性が向上する。
光半導体デバイス1では、第1のクラッド層3は、アルミニウム元素(Al)、インジウム元素(In)およびヒ素元素(As)を含むIII−V化合物半導体から成ることが好ましく、炭素はp型ドーパントとして働く。また、好適な実施例では、第1のクラッド層3は、例えばAlGaInAs半導体、AlInAs半導体およびInGaAsP半導体の少なくともいずれかから成ることができる。これらの半導体材料は、活性層7に対して光閉じ込めと電位障壁を提供できると共に、炭素がp型ドーパントとして働く。これによって、第1のクラッド層3のp型ドーパントの拡散により埋め込み領域9の抵抗が低下することが防止されることができる。
この光半導体デバイス1では、埋め込み領域9の半導体層11は、AlInAs半導体から成るが好ましく、これにより、半導体層11がInP半導体と格子整合することができ、埋め込み層と同じ屈折率になる。また、第1のクラッド層3は、AlInAs半導体から成ることが好ましい。AlInAs半導体に炭素をドーピングするとp型になる。また、AlInAs半導体はInP半導体に格子整合する。さらに、第2のクラッド層5は、AlInAs半導体から成ることが好ましく、これにより、第2のクラッド層5がInP半導体と格子整合することができ、埋め込み層および第1のクラッド層と同じ屈折率になる。
この光半導体デバイスでは、埋め込み領域9の半導体層11は、AlGaInAs半導体から成るが好ましく、これにより、半導体層11がInP半導体と格子整合することができ、屈折率を調整できる。また、第1のクラッド層3は、AlGaInAs半導体から成ることが好ましい。AlInAs半導体に炭素をドーピングするとp型になり、また屈折率を調整できる。さらに、第2のクラッド層5は、AlGaInAs半導体から成ることが好ましい。第2のクラッド層5にAlGaInAs半導体を用いると、屈折率を調整できる。
光半導体デバイス1は、支持基体13を含む。第1のクラッド層3、第2のクラッド層5、活性層7および埋め込み領域9は、支持基体13上に設けられている。支持基体13としては、例えば、InP半導体基板を用いることができ、例えば、InP半導体基板は、p導電型またはn導電型であることができる。本発明は、これらの基板に限定されるものではない。活性層7は、AlGaInAs半導体またはInGaAsP半導体から成ることができる。また、活性層7は、量子井戸構造を有することができ、該量子井戸構造は、例えばInGaAsP半導体から成る井戸層とInGaAsP半導体から成るバリア層を含む。
一実施例の光半導体デバイス1では、第1のクラッド層3、第2のクラッド層5、活性層7および埋め込み領域9は、支持基体13上に設けられたメサ形状を成しており、例えば、該メサ17はストライプ形状を成すことができる。ストライプの幅は、例えば1.5マイクロメートル程度である。
光半導体デバイス1は第3のクラッド層19を更に備えることができ、第3のクラッド層19は第1のクラッド層3および埋め込み領域9上に設けられている。第3のクラッド層19は、活性層に光を閉じ込めるために設けられている。第3のクラッド層19の導電型は第1のクラッド層3の導電型と同じである。
埋め込み領域9およびメサ17は、溝を形成している。この溝は、アルミニウム元素含むクラッド層等を保護するために製造中に第1のクラッド層3上に形成されたキャップ層が除去されることによって形成される。第3の第3のクラッド層19は、この溝内にも設けられている。
光半導体デバイス1はコンタクト層21を更に備えることができる。第3のクラッド層19は、コンタクト層21と埋め込み領域9およびメサ17との間に設けられている。好適な実施例は、コンタクト層21は、第3のクラッド層21のバンドギャップより小さいバンドギャップを有している。また、コンタクト層21にはドーパントが高濃度に添加されており、コンタクト層21のドーパント濃度は、第3のクラッド層21のドーパント濃度より大きい。コンタクト層21は、炭素でドープされていることが好ましい。コンタクト層21は、ヒ素を含むIII−V化合物半導体から成ることが好ましく、炭素ドーパントがp型ドーパントとして働く。
光半導体デバイス1では、埋め込み領域9は、埋め込み層11と第3のクラッド層19との間に設けられた半導体層23を含むことができる。半導体層23は、第3のクラッド層19と異なる導電型を有しており、またp型クラッド層19から埋め込み層11に流れ込むキャリア(ホール)を阻止するために設けられている。
光半導体デバイス1において、メサ領域25、クラッド層19およびコンタクト層21は、支持基体13上に設けられたメサ形状を成しており、例えば、該メサ領域25はストライブ形状になっていることができる。メサ25のストライプの幅は、例えば10マイクロメートル程度である。
光半導体デバイス1は、支持基体13の一表面13a、メサ25上に設けられた絶縁膜26を備えることができる。絶縁膜26として例示すれば、絶縁性シリコン無機化合物から成ることができる。
光半導体デバイス1は、コンタクト層21に電気的に接続された電極27を有することができる。電極27は、絶縁膜26の開口を通してコンタクト層21にオーミック接触している。また、光半導体デバイス1は、支持基体13の別の面13b上に設けられた電極31を有している。
以上説明したように、本実施の形態の光半導体デバイス1によれば、p型の導電型の不純物と鉄との相互拡散が低減される光半導体デバイスが提供される。
図2は、別の実施の形態に係る光半導体デバイスを示す図面である。光半導体デバイス1aは、第3のクラッド層19に替えて、第3のクラッド層29を有している。第3のクラッド層29は、アルミニウム元素(Al)、インジウム元素(In)およびヒ素元素(As)を含むIII−V化合物半導体(燐を構成元素として含まない)から成ることが好ましい。炭素ドーパントは、ヒ素系III−V化合物半導体中においてp型ドーパントとして働く。
この光半導体デバイスの第3のクラッド層29は、炭素元素が添加されており埋め込み層9には鉄元素が添加されているので、炭素元素および鉄元素の相互拡散が低減される。第3のクラッド層29への鉄元素の拡散が少なくできるので、第3のクラッド層29のキャリア濃度が小さくならない。また、第3のクラッド層29の炭素濃度の低下が抑えられるので、第3のクラッド層29の抵抗が上昇することを抑えることができる。さらに、埋め込み領域9内の半導体層11からの鉄元素の拡散が少なくでき第3のクラッド層29からの炭素元素の拡散が抑えられるので、埋め込み領域9の抵抗が低下することを抑えることができる。
一実施例として、
第1のクラッド層3:p型AlInAs半導体(炭素ドープ)
キャリア濃度:1×1018cm−3
厚さ:0.2マイクロメートル
第2のクラッド層5:n型AlInAs半導体(シリコンドープ)
キャリア濃度:1×1018cm−3
厚さ:2マイクロメートル
活性層7:AlGaInAs/AlGaInAsのMQW
埋め込み層11:半絶縁性AlInAs半導体(鉄ドープ)
厚さ:約1.5マイクロメートル
鉄濃度:5×1016cm−3
ホールブロック層23:n型AlInAs半導体(シリコンドープ)
キャリア濃度:1×1018cm−3
厚さ:約0.5マイクロメートル
第3のクラッド層29:p型AlInAs半導体(炭素ドープ)
キャリア濃度:1×1018cm−3
厚さ:約1.8マイクロメートル
支持基体13:n型InP単結晶基板
コンタクト層21:炭素ドープGaInAs半導体
キャリア濃度:5×1018cm−3
厚さ:約0.5マイクロメートル
絶縁膜26:シリコン酸化物
電極27:アノード電極
電極31:カソード電極
を示す。
図3は、p型クラッド層が亜鉛ドーパントで添加された光半導体デバイスを示す。光半導体デバイス41では、亜鉛ドープInP半導体層43とシリコンドープInP半導体層45との間には、InGaAsP活性層47が設けられている。埋め込み領域49は鉄ドープInP層51とシリコンドープInP半導体層53を含む。第1のクラッド層43は亜鉛でドープされている。亜鉛ドープInP半導体層43に添加された亜鉛が、鉄ドープのInP層51に拡散するので、鉄ドープのInP層51の抵抗が低下する。また、亜鉛の拡散のため、InP層51内の鉄ドーパントがp型InP半導体層43に拡散する。これらの相互拡散により、鉄ドープInP層51の抵抗はより一層低下しやすくなる。InP半導体層55も亜鉛でドープされている。InP半導体層55に添加された亜鉛が鉄ドープInP層51に拡散するので、鉄ドープのInP層51の抵抗が低下する。
以上説明したように、本実施の形態の光半導体デバイス1によれば、p型の導電型の不純物と鉄との相互拡散が低減される光半導体デバイスが提供される。
(第2の実施の形態)
図4(A)は、第2の実施の形態に係る光半導体デバイスを示す図面である。光半導体デバイス1bは、光閉じ込め(SCH)層33aを備えている。光閉じ込め層33aは、活性層7bと第1のクラッド層3との間に設けられている。光閉じ込め層33aは、その一部または全部に炭素がドープされたIII−V化合物半導体から成ることができる。図4(A)に示された光半導体デバイス1bでは、光閉じ込め層33a内の層状の領域に炭素がドープされている。
光半導体デバイス1と同様に、光半導体デバイス1bでは、活性層7bは、第1のクラッド層3と第2のクラッド層5との間に設けられている。埋め込み領域(図1の参照番号9)は、半導体メサを埋め込むように設けられている。この半導体メサは、第1のクラッド層3、第2のクラッド層5、光閉じ込め層33aおよび活性層7bを含む。埋め込み領域(図1の参照番号9)は鉄ドープIII−V化合物半導体層(図1の参照番号11)を含む。鉄ドープIII−V化合物半導体層は高抵抗を有しており、例えば活性層7bに電流を閉じ込めることができる。
この光半導体デバイスの光閉じ込め層33aには炭素元素が添加されており、また埋め込み領域には鉄元素が添加さびれているので、炭素元素および鉄元素の相互拡散が低減される。光閉じ込め層33aへの鉄元素の拡散が少なくできるので、光閉じ込め層33aのキャリア濃度が小さくならない。また、光閉じ込め層33aの炭素濃度の低下が抑えられるので、光閉じ込め層33aの抵抗が上昇することを抑えることができる。さらに、図1に示される埋め込み領域内の半導体層からの鉄元素の拡散が少なくでき光閉じ込め層33aからの炭素元素の拡散が抑えられるので、埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
この炭素元素が添加された光閉じ込め層33aによれば、光半導体デバイス1bの特性を改善することができる。
好適な実施例では、光閉じ込め層33aは、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体の領域を含むことができる。このIII−V化合物半導体領域は、少なくともアルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含むIII−V化合物半導体である。光閉じ込め層33aは、例えば炭素ドープのAlGaInAs半導体および炭素ドープのAlInAs半導体の少なくともいずれかから成ることが好ましい。炭素ドープ光閉じ込め層33aによれば、光半導体デバイス1bにおいて、キャリア(例えば、ホール)が活性層7bに流れる経路の電気抵抗を小さくすることができる。また、光半導体デバイス1bによる発熱を少なくすることができる。光半導体デバイス1bは、活性層7bと第2のクラッド層5との間に設けられた光閉じ込め層33bを更に備えることができる。活性層3bは、井戸層35a、35b、35c、35dおよびバリア層37a、37b、37c、37d、37d、37eを含む。井戸層35a〜35dおよびバリア層37a〜37eは、交互に配列されている。
光半導体デバイス1bは、炭素元素が添加された第1のクラッド層3を有していれば、埋め込み領域内に含まれる鉄原子および第1のクラッド層3内の炭素原子の相互拡散が低減される。第1のクラッド層3への鉄元素の拡散が少なくできるので、第1のクラッド層3のキャリア濃度が小さくならない。また、第1のクラッド層3の炭素濃度の低下が抑えられるので、第1のクラッド層3の抵抗が上昇することを抑えることができる。さらに、埋め込み領域内の半導体層からの鉄元素の拡散が少なくでき第1のクラッド層3からの炭素元素の拡散が抑えられるので、埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
光半導体デバイス1bは、光半導体デバイス1と同様に、例えば、半導体層23と、第3のクラッド層29と、支持基体13と、コンタクト層21とを備えることができ、更に、絶縁膜26と、電極27と、電極31とを備えることができる。
以上説明したように、本実施の形態の光半導体デバイス1bによれば、p型の導電型の不純物と鉄原子との相互拡散が低減される。
(第3の実施の形態)
図4(B)は、第3の実施の形態に係る光半導体デバイスの実施例を示す図面である。光半導体デバイス1と同様に、光半導体デバイス1cでは、活性層7bは、第1のクラッド層3と第2のクラッド層5との間に設けられている。埋め込み領域9は、第1のクラッド層3、第2のクラッド層5および活性層7bを含む半導体メサを埋め込むように設けられている。埋め込み領域9は鉄ドープIII−V化合物半導体層11を含む。鉄ドープIII−V化合物半導体層11は高抵抗を有しており、例えば活性層7bに電流を閉じ込めることができる。光半導体デバイス1cの活性層7cは、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体の領域を含むことができる。この光半導体デバイスの活性層7cは、炭素元素が添加された半導体領域を含んでおり鉄元素が埋め込み層に添加されているので、炭素元素および鉄元素の相互拡散が低減される。活性層7c内の該半導体層のキャリア濃度が小さくならない。また、埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。さらに、活性層7c内の該半導体層の抵抗が上昇することを抑えることができる。
好適な実施例では、活性層7cは、炭素元素が添加されたAlGaInAs半導体領域および炭素元素が添加されたAlInAs半導体領域の少なくともいずれかを含むことができる。
活性層7cは、図4(B)に示されるように、多重量子井戸構造を有する。活性層7cは、第1のクラッド層3と第2のクラッド層5との間に配列された井戸層45a、45b、45c、45dおよびバリア層47a、47b、47c、47d、47d、47eを含む。井戸層45a〜45dおよびバリア層47a〜47eは、交互に配列されている。井戸層45a〜45dはアンドープ半導体層であるように形成される。バリア層47a〜47eの少なくとも1つは、炭素でドープされていることが好ましい。好適な実施例では、図4(B)に示された光半導体デバイス1cのように、全てのバリア層47a〜47eに炭素がドープされている。バリア層47a〜47eの一部または全てに炭素を添加することによって、微分利得が改善され、緩和振動周波数が高くなると共に、埋め込み領域の抵抗の低下が抑制される。
光半導体デバイス1cは、第1のクラッド層3と活性層7cとの間に設けられた光閉じ込め層49aを含むことができ、また第2のクラッド層5と活性層3cとの間に設けられた光閉じ込め層49bを含むことができる。好適な実施例では、光閉じ込め層49aの一部または全部が炭素でドープされている。これによって、光半導体デバイスの発熱を小さくすることができる。
また、光半導体デバイス1cは、炭素元素が添加された第1のクラッド層3を有していれば、埋め込み領域内に含まれる鉄原子と第1のクラッド層3内の炭素原子の相互拡散が低減される。第1のクラッド層3への鉄元素の拡散が少なくできるので、第1のクラッド層3のキャリア濃度が小さくならない。また、第1のクラッド層3の炭素濃度の低下が抑えられるので、第1のクラッド層3の抵抗が上昇することを抑えることができる。さらに、埋め込み領域内の半導体層からの鉄元素の拡散が少なくでき第1のクラッド層3からの炭素元素の拡散が抑えられるので、埋め込み領域の抵抗が低下することを抑えることができる。
光半導体デバイス1cは、光半導体デバイス1と同様に、例えば、半導体層23と、第3のクラッド層29と、支持基体13と、コンタクト層21とを備えることができ、更に、絶縁膜26と、電極27と、電極31とを備えることができる。
既にいくつかの実施の形態を説明したけれども、これらの実施の形態を組み合わせた変形例の光半導体デバイスを得ることもでき、例えば、一変形例の光半導体デバイスは、炭素が添加された光閉じ込め層と、炭素が添加されたバリア層とを含むことができる。
以上説明したように、本実施の形態の光半導体デバイス1cによれば、p型の導電型の不純物と鉄原子との相互拡散が低減される。
(第4の実施の形態)
図5(A)、図5(B)および図5(C)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。図6(A)、図6(B)および図6(c)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。図7(A)および図7(B)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。
図5(A)に示されるように、基板51を準備する。基板51は、III−V化合物半導体基板であることができ、例えば、n型InP基板である。ついで、基板51の主面51a上に、複数のIII−V化合物半導体膜を形成する。この形成は、例えば有機金属気相成長法を用いて行われる。本実施例では、基板51上に、n型III−V化合物半導体膜53、活性層55、炭素ドープIII−V化合物半導体膜57およびキャップ膜59を順に堆積する。n型III−V化合物半導体膜53は、例えばシリコンドープInP半導体膜であることができ、活性層55は、アンドープInGaAsP半導体膜55であることができ、III−Vヒ素化合物半導体膜57は、アルミニウム元素およびインジウム元素を更に含んでおり炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体から成っており、例えばp型AlGaInAs半導体膜およびp型AlInAs半導体膜の少なくともいずれかであることができる。キャップ膜59は、アルミニウムを含まないIII−V化合物半導体膜であることができ、例えばアンドープInP半導体膜である。キャップ膜59の膜厚は、0.2マイクロメートル程度である。活性層55は、アンドープAlGaInAs半導体膜であることができる。
炭素ドープIII−V化合物半導体膜57は、ドーパント源として、例えばCBrといった炭素元素を含むハロゲン化合物を用いて形成されることができる。このハロゲン化合物(CBrを含めて)の特徴は、例えば、次のようなものである。炭素濃度の制御性がよい。低濃度から高濃度まで、その濃度を制御することが可能である。高濃度の炭素を添加することが可能である。CBrは、高濃度でp導電型の炭素ドープAlGaInAs半導体膜および炭素ドープAlInAs半導体膜を形成するために好適である。この膜の酸素濃度は、亜鉛ドーパントを用いて成膜した膜に比べて小さい。
図5(B)に示されるように、メサを形成するためのマスク層60を形成する。マスク層60は、シリコン窒化膜といった絶縁膜から成ることができる。マスク層60を用いて、キャップ膜59、炭素ドープIII−V化合物半導体膜57、アンドープInGaAsP半導体膜55、およびn型III−V化合物半導体膜53を順にエッチングして、キャップ層59a、炭素ドープIII−Vヒ素化合物半導体層57a、活性層55aおよびn型III−V化合物半導体層53aを形成する。これによって、炭素ドープIII−Vヒ素化合物半導体層57a、活性層55aおよびn型III−Vヒ素化合物半導体層53aを含むメサ70aが形成される。
図5(C)に示されるように、マスク層60を用いて、半導体表面上に鉄ドープの埋め込み層61を形成する。この結果、鉄ドープの第1の埋め込み膜61が、キャップ層59aおよび炭素ドープIII−V化合物半導体層57a上に形成され、また活性層55a、n型III−V化合物半導体層53aおよび基板51上に形成される。鉄ドープの埋め込み膜61は、例えば鉄ドープAlInAs半導体膜または鉄ドープAlGaInAs半導体膜であることができる。次いで、シリコンドープの第2の埋め込み膜63を形成する。第2の埋め込み膜63は、例えば、n型AlInAs半導体膜またはn型AlGaInAs半導体膜であることができる。続けて、保護膜64を第2の埋め込み膜63上に形成する。保護膜64は、第1の埋め込み膜61および第2の埋め込み膜63が酸化されることを防止する。保護膜64は、アルミニウムを含まないIII−V化合物半導体膜であることができ、例えばアンドープInP半導体膜である。キャップ膜59の膜厚は、0.1マイクロメートル程度である。
この後に、マスク層60を除去すると共に、キャップ層59aおよび保護膜64を除去する。半導体メサ70aおよび埋め込み領域の上面が露出される。第1および第2の埋め込み膜61、63並びに半導体メサ70aによって、半導体メサ70aの上面に沿って伸びる溝が形成される。
この方法では、炭素ドープの半導体層57a上に鉄ドープの埋め込み膜61を形成するので、鉄ドープの埋め込み膜61の抵抗が低下することを抑えることができる。
図6(A)に示されるように、マスク層60、キャップ層59aおよび保護膜64をエッチングした後に、CBrを用いて炭素ドープのIII−V化合物半導体膜65をシリコンドープの第2の埋め込み膜63およびメサ70a上に形成する。III−V化合物半導体膜65としては、例えばAlGaInAs半導体膜およびAlInAs半導体膜の少なくともいずれかを用いることができる。III−V化合物半導体膜65は、第1および第2の埋め込み膜61、63並びに半導体メサ70aによって形成される溝を埋め込み、III−V化合物半導体膜65の表面はほぼ平坦になる。III−V化合物半導体膜65の膜厚は、例えば1.8マイクロメートル程度である。
この方法では、鉄ドープの埋め込み膜上に炭素ドープのIII−V化合物半導体膜65上を形成するので、鉄ドープの埋め込み膜の抵抗が低下することを抑えることができる。
ついで、III−V化合物半導体膜65上に、コンタクト層を形成するための別のp型III−V化合物半導体膜67を形成する。III−V化合物半導体膜67は、例えば炭素でドープされていることができ、また、例えばGaInAs半導体膜であることができる。III−V化合物半導体膜67の厚さは、例えば0.5マイクロメートルである。
図6(B)に示されるように、メサを形成するためのマスク層69を形成する。マスク層69は、シリコン窒化膜といった絶縁膜から成ることができる。マスク層69を用いて、p型III−V化合物半導体膜67、炭素ドープのIII−V化合物半導体膜65、第2の埋め込み膜63および第1の埋め込み膜61を順にエッチングして、p型III−V化合物半導体層67a、炭素ドープのIII−V化合物半導体層65a、第2の埋め込み層63aおよび第1の埋め込み層61aを形成する。これによって、p型III−V化合物半導体層67a、炭素ドープのIII−V化合物半導体層65a、第2の埋め込み層63a、第1の埋め込み層61aおよびメサ70aを含むメサ70bが形成される。この後に、マスク層69を取り除く。
図7(A)に示されるように、メサ70bおよび基板51上に絶縁膜71が形成される。絶縁膜71としては、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。絶縁膜71の厚さは、例えば0.1マイクロメートルである。
図7(B)に示されるように、メサ70b上に絶縁膜71に開口を形成した後に、電極73を形成する。電極73は、絶縁膜71上および開口71a上に形成されている。また、基板51の裏面に電極75を形成する。上記の方法に基づいて、第1から第3の実施の形態に記載された光半導体デバイスを製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態の光半導体デバイスを製造する方法によれば、拡散防止層を用いることの無くp型ドーパントおよび鉄原子の相互拡散が低減される光半導体デバイスが形成される。
本実施の形態に係る光半導体デバイスおよびその製造方法では、鉄ドープの半導体領域には炭素ドープp型半導体領域が接触しているので、炭素ドーパントの拡散距離は小さい。p型ドーパントである亜鉛と鉄との相互拡散は従来の光半導体デバイスで問題であったけれども、この相互拡散は生じない。
また、本実施の形態に係る光半導体デバイスおよびその製造方法では、III−V化合物半導体基板としてn型InP基板を用いた場合について説明したが、p型InP基板を用いることができ、更にはGaAs基板を用いてもよい。GaAs基板を用いた場合、炭素ドープIII−V化合物半導体層として、例えばAlGaAs半導体膜を用いることができる。好適な実施例では、AlGaInAs半導体およびAlInAs半導体は、InPに格子整合している。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではなく、本発明に係る光半導体デバイスは、例えば、レーザダイオード、半導体光増幅器、半導体光変調器、半導体光スイッチおよび光半導体集積素子のために用いることができる。また、本発明に係る光半導体デバイスは、例えば、発光ダイオードおよび垂直共振器半導体発光素子といった面発光型光半導体デバイスであってもよい。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、第1の実施の形態に係る光半導体デバイスを示す断面図である。 図2は、第1の実施の形態の光半導体デバイスの変形例を示す図面である。 図3は、p型クラッド層が亜鉛ドーパントで添加された光半導体デバイスを示す。 図4(A)は、第2の本実施の形態に係る光半導体デバイスを示す図面である。図4(B)は、第3の本実施の形態に係る光半導体デバイスを示す図面である。 図5(A)、図5(B)および図5(C)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。 図6(A)および図6(B)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。 図7(A)および図7(B)は、第4の実施の形態に係る光半導体デバイスを製造する方法を示す図面である。
符号の説明
1、1a、1b、1c…光半導体デバイス、3…第1のクラッド層、5…第2のクラッド層、7…活性層、11…埋め込み層、13…支持基体、23…III−V化合物半導体層、29…第3のクラッド層、13…支持基体、17、25…メサ、21…コンタクト層、23…III−V化合物半導体層、27…絶縁膜、27…アノード電極、31…カソード電極、51…基板、53…n型III−Vヒ素化合物半導体膜、55…活性層、57…炭素ドープIII−Vヒ素化合物半導体膜、59…マスク層、57a…炭素ドープIII−Vヒ素化合物半導体層、55a…活性層、53a…n型III−V化合物半導体層、61…鉄ドープの埋め込み膜、61a…第1の埋め込み層、63…第2の埋め込み膜、63a…第2の埋め込み層、65…炭素ドープのIII−V化合物半導体膜、65a…炭素ドープのIII−V化合物半導体層、67…p型III−V化合物半導体膜、67a…p型III−V化合物半導体層、69…マスク層、70a…メサ、70b…メサ、71…絶縁膜、73…電極、75…電極

Claims (10)

  1. 基板上に設けられた半導体メサと、
    前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域と
    を備え、
    前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層および活性層を含んでおり、
    前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、
    前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、
    前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、
    前記第1のクラッド層は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含んでおり炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体から成ることを特徴とする光半導体デバイス。
  2. 基板上に設けられた半導体メサと、
    前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域と
    を備え、
    前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層および活性層を含んでおり、
    前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、
    前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、
    前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、
    前記活性層は、炭素元素が添加されておりヒ素元素を含むIII−V化合物半導体の領域を有することを特徴とする光半導体デバイス。
  3. 基板上に設けられた半導体メサと、
    前記基板上に設けられ前記半導体メサを埋め込む埋め込み領域と
    を備え、
    前記半導体メサは、第1のクラッド層、第2のクラッド層、光閉じ込め層および活性層を含んでおり、
    前記活性層は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられており、
    前記埋め込み領域は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含む半導体層を含んでおり、
    前記埋め込み領域は、鉄元素が添加された半導体層を含んでおり、
    前記光閉じ込め層は、炭素元素が添加されておりヒ素元素を含むIII−V化合物半導体から成ることを特徴とする光半導体デバイス。
  4. 前記埋め込み領域の前記半導体層は、AlInAs半導体から成り、
    前記第1のクラッド層は、AlInAs半導体から成り、
    前記第2のクラッド層は、AlInAs半導体から成ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された光半導体デバイス。
  5. 前記埋め込み領域の前記半導体層はAlGaInAs半導体から成り、
    前記第1のクラッド層は、AlGaInAs半導体から成り、
    前記第2のクラッド層は、AlGaInAs半導体から成ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された光半導体デバイス。
  6. 前記III−V化合物半導体は、AlGaInAs半導体およびAlInAs半導体の少なくともいずれかである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載された光半導体デバイス。
  7. 前記第1のクラッド層および前記埋め込み領域上に設けられた第3のクラッド層をさらに備え、
    前記第3のクラッド層は、アルミニウム元素、インジウム元素およびヒ素元素を含んでおり炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体から成り、
    前記第3のクラッド層の前記III−V化合物半導体は、AlGaInAs半導体およびAlInAs半導体の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたに記載された光半導体デバイス。
  8. 前記活性層は、井戸層およびバリア層を含む多重量子井戸構造を有しており、
    前記バリア層は、炭素元素が添加されたAlGaInAs半導体および炭素元素が添加されたAlInAs半導体の少なくともいずれかから成ることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された光半導体デバイス。
  9. 光半導体デバイスを製造する方法であって、
    炭素元素を含むハロゲン化合物を用いて、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体層を形成する工程と、
    前記III−V化合物半導体層を形成する工程の後に、鉄元素が添加された埋め込み領域を形成する工程と
    を備え、
    前記III−V化合物半導体層は、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層の少なくともいずれかであることを特徴とする方法。
  10. 光半導体デバイスを製造する方法であって、
    鉄元素が添加された埋め込み領域を形成する工程と、
    前記埋め込み領域を形成した後に、炭素元素を含むハロゲン化合物を用いて、炭素元素が添加されたIII−V化合物半導体層を形成する工程を備え、
    前記III−V化合物半導体層は、AlGaInAs半導体層およびAlInAs半導体層の少なくともいずれかであることを特徴とする方法。
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