JP2005284024A - 広帯域1/4波長板の長尺巻状体、広帯域円偏光素子の長尺巻状体 - Google Patents

広帯域1/4波長板の長尺巻状体、広帯域円偏光素子の長尺巻状体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のものよりも製造効率がよく、視野角特性及び耐久性に優れる広帯域1/4波長板の長尺巻状体、及びこれを用いた広帯域円偏光素子の長尺巻状体を提供すること。
【解決手段】固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の両面に固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層してなる未延伸積層体(a)を延伸して得られる幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有する1/4波長板の長尺巻状体(A)と、透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)を延伸して得られる幅方向に対して15°±7°、又は−15°±7°の方向に遅相軸を有する1/2波長板の長尺巻状体(B)とを、互いの遅相軸が60°±7°で交差するように積層してなる広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)、並びに偏光素子の長尺巻状体の少なくとも片面に、前記広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を積層してなる広帯域円偏光素子の長尺巻状体。

Description

本発明は、製造が容易な広帯域1/4波長板の長尺巻状体及び広帯域円偏光素子、並びにこれらを備える液晶表示装置に関する。
1/4波長板は、反射防止膜や液晶表示装置に関連する多くの用途を有しており、すでに実際に使用されている。特に1/4波長板は、偏光膜と組み合わせて円偏光板として使用する場合が多い。1/4波長板と偏光膜とを、1/4波長板の面内の遅相軸と偏光膜の透過軸との角度が実質的に45度になるように積層すれば円偏光板が得られる。しかし、従来の1/4波長板は、実際には特定波長でしか1/4波長の位相差を達成できないものがほとんどであった。
そこで、特定の波長に対して1/4波長の位相差を与える延伸フィルム(1/4波長板)と、特定の波長に対して1/2波長の位相差を与える延伸フィルム(1/2波長板)とを、それぞれの遅相軸が所定角度で交差するように貼り合わせてなる位相差板が知られている(特許文献1)。これによれば、広い波長領域で1/4波長の位相差を達成できると記載されている。かかる広帯域1/4波長板は、一軸延伸処理による延伸フィルム(1/4波長板及び1/2波長板)のそれぞれを、その延伸方向に対して相互に異なる方向に裁断または打ち抜き加工することにより、同一の形状のチップを成形し、これらを接着剤または粘着剤により貼りあわせることにより製造されている。
しかしながら、上記のような位相差板を製造するためには、裁断により成形したチップを貼りあわせる作業を繰り返す必要があり、生産効率に劣るものである。また、延伸方向に対して所定の角度をなす方向に裁断するために、裁断屑などが不可避的に発生し、現材料のロスが生じるという問題がある。
そこで、特許文献2には、波長450nmで測定したリターデーション値が100乃至125であり、波長590nmで測定したリターデーション値が120乃至160nmであり、Re590−Re450≧2nmの関係を満足する一枚のポリマーフィルムからなるλ/4板と直線偏光膜とが、λ/4板の面内の遅相軸と直線偏光膜の透過軸との角度が実質的に45°となるように積層されているロール状の円偏光膜が開示されている。特許文献2によれば、複数のフィルムを角度を厳密に調整しながら積層する従来の製造工程が不要になると記載されている。
しかしながら、リターデーション調整剤を使用するため、その分コストがかかり、また製造工程においてボイドやブリードアウトなどの不具合が生じる問題がある。
また、特許文献3には、少なくとも偏光膜と、複屈折光の位相差が1/2波長のλ/2板及び1/4波長のλ/4板とをともに長尺で供給し、これらの長尺偏光膜、長尺λ/2板及び長尺λ/4板を長手方向にそろえてこの順に貼り合わせてなる長尺の円偏光板であって、該長尺偏光膜の吸収軸、該長尺λ/2板の遅相軸および該長尺λ/4板の遅相軸のうち少なくとも2つが長手方向に平行でも垂直でもなく、貼り合わせたことを特徴とする長尺の円偏光板が開示されている。そして、特許文献3によれば、偏光板、λ/2板、λ/4板を個別にしかも斜めに切り出す必要がなく、長尺の耳端部付近に発生していた未利用部材もなくなり、利用効率が高められた。さらに、光学的欠陥の原因となる屑の発生がなく、屑の付着防止や異物の巻き込み混入もなくすことができ、得率を向上することができた。」と記載されている。
しかしながら、この円偏光板を作成する際に、直線偏光板も長手方向に斜めに傾ける必要があり、長尺の1/4波長板及び1/2波長板を得る際にも長手方向に斜めに傾けなければならない。加えて、各々傾ける角度が異なるため、各部材に応じて延伸装置を設けるか、延伸を一つの装置で行うとしても延伸角度をその都度変更しなければならないという問題がある。さらに、各々の延伸角度が異なるため、貼りあわせ角度にばらつきが生じやすい問題もあり、それによって、視野角特性や耐久性が不十分となる場合があり、さらなる改良が望まれている。
特開平10−68816号公報 特開2002−22944号公報 特開2004−20827号公報
従って、本発明の目的は、従来のものよりも製造効率がよく、視野角特性及び耐久性に優れる広帯域1/4波長板の長尺巻状体、並びに、広帯域円偏光素子の長尺巻状体を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定の1/4波長板と1/2波長板とを用いることにより、上記問題点を解決し得ることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
(1)固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の両面に固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層してなる未延伸積層体(a)を延伸して得られる幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有する1/4波長板の長尺巻状体(A)と、
透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)を延伸して得られる幅方向に対して15°±7°、又は−15°±7°の方向に遅相軸を有する1/2波長板の長尺巻状体(B)とを、
互いの遅相軸が60°±7°で交差するように積層してなる広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C);
(2)前記未延伸積層体(a)及び脂環式構造を有する重合体樹脂からなる未延伸フィルム(b)それぞれの延伸方向が、それぞれの幅方向に対して−8°〜−22°、又は8°〜22°である(1)記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C);
(3)偏光素子の長尺巻状体の少なくとも片面に、(1)又は(2)に記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を積層してなる広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D);
及び、
(4)(1)若しくは(2)に記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を切り出したもの、又は(3)に記載の広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D)を切り出したものを、液晶セルの少なくとも片側に備える液晶表示装置;
がそれぞれ提供される。
本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体は、長尺巻状体どうしをロールトゥーロール法で積層することにより得られるので、巻状体から切り出して交差角を合わせるように積層させた枚葉のものと比較して、積層体固体間の貼合角のばらつきが小さい。
本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体を得る際、1/4波長板の長尺巻状体及び1/2波長板の長尺巻状体ともに、これらを得る際に行う斜め延伸の延伸方向が同一であるので、テンター延伸機の延伸角度を変更する手間が省ける。また、幅方向に対する延伸角度を比較的小さくできるので、例えば、異距離延伸の場合は延伸ゾーンを短くすることができ、異速度延伸の場合は一方のテンタークリップの搬送速度を極端に大きくする必要がない。加えて、1/4波長板の長尺巻状体及び1/2波長板の長尺巻状体ともに斜め延伸を行うことにより、一工程省略することができる。
さらに、本発明によれば、視野角特性及び耐久性に優れる長尺の広帯域円偏光素子を提供することができる。
本発明において、長尺巻状体とは、フィルムまたは積層体の幅方向に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。
本発明において、1/4波長板の長尺巻状体(A)又は1/2波長板の長尺巻状体(B)の遅相軸の角度は、長尺巻状体を巻きだす方向に向かって見たときの遅相軸の方向と幅方向とのなす角度とする。遅相軸の角度の方向は、幅方向から時計回りの方向を正、幅方向から反時計回りの方向を負とする。
本発明の広帯域1/4波長板に用いる1/4波長板の長尺巻状体(A)は、固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の両面に固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層してなる未延伸積層体(a)を延伸して得られる幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°、好ましくは105°±3.5°、又は75°±3.5°の方向に遅相軸を有するものである。
固有複屈折が負である樹脂とは、分子が一軸性の秩序をもって配向した層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなるものをいう。
固有複屈折率が負である樹脂としては、ビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、これらの多元(二元、三元等)共重合体などが挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ビニル芳香族系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体およびポリメチルメタクリレート系重合体の中から選択される少なくとも1種が好ましい。中でも複屈折発現性が高いという観点から、ビニル芳香族系重合体がより好ましい。
ビニル芳香族系重合体とは、ビニル芳香族単量体の重合体、又はビニル芳香族単量体と共重合可能な単量体との共重合体をいう。
ビニル芳香族単量体としては、スチレン;4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;などが挙げられる。これらを単独で使用しても2種以上併用してもよい。
ビニル芳香族単量体と共重合可能な単量体としては、プロピレン、ブテン等のオレフィン;アクリロニトリル等のα,β―エチレン性不飽和ニトリル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のα,β―エチレン性不飽和カルボン酸;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル;マレイミド;酢酸ビニル;塩化ビニル;などが挙げられる。
ビニル芳香族系重合体の中でも、耐熱性が高い観点から、スチレン又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が好ましい。
本発明において、固有複屈折値が負である樹脂からなる層の厚さは、特に限定されないが、通常、5〜400μm、好ましくは15〜250μmである。
本発明において、固有複屈折値が負である樹脂のガラス転移温度Tgは、使用時の耐熱性に優れる点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上である。
固有複屈折が正である樹脂とは、分子が一軸性の秩序をもって配向した層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より大きくなるものをいう。
固有複屈折値が正である樹脂としては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂、脂環式構造を有する重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、等があげられるが、これらの中でも鎖状ポリオレフィン系樹脂又は脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式構造を有する重合体樹脂が特に好ましい。
脂環式構造を有する重合体樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環式構造としては、飽和脂環炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。本発明に使用される脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、もっとも好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が上記範囲にあると、1/4波長板の透明性および耐熱性に優れる。
脂環式構造を有する重合体樹脂は、具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素化物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体から選ばれる。
また、本発明においては、前記ノルボルネン系モノマーとして、メソゲン基を置換基として有するノルボルネン系モノマーを使用してもよい。このモノマーを使用するとこのモノマーを重合して得られる重合体を用いた場合、前記(II)層の波長分散性を前記(I)層の波長分散性に近づけることができる。メソゲン基は、液晶分子における、液晶性を発揮する剛直な棒状中間相(液晶相)形成原子団を意味する。メソゲン基としては、2つ以上の芳香環(複素芳香環含む)又は脂環を有し、これらを結合する連結基を有しているものや、芳香環又は脂環の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されているものが挙げられる。
本発明において、固有複屈折値が正である樹脂の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5,000〜100,000、好ましくは8,000〜80,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、1/4波長板の機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。
本発明において、固有複屈折値が正である樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
固有複屈折値が正である樹脂として好適に用いる脂環式構造を有する重合体樹脂は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。オリゴマー成分の量が多いと積層体を延伸する際に、表面に微細な凹凸が発生したり、厚さムラを生じたりして面精度が悪くなる。
オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択、重合、水素化などの反応条件、樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件、などを最適化すればよい。オリゴマーの成分量は、シクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定することができる。
本発明において使用する固有複屈折値が正である樹脂からなる層の厚さは、通常5〜250μm、好ましくは15〜150μmである。
本発明において、1/4波長板(A)に用いる固有複屈折値が正である樹脂のガラス転移温度Tgは、固有複屈折値が負である樹脂のガラス転移温度Tgより低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましく、20℃以上低いことがさらに好ましい。
本発明において使用する固有複屈折値が負である樹脂からなる層及び/又は固有複屈折値が正である樹脂からなる層は、それぞれ固有複屈折値が負である樹脂及び固有複屈折値が正である樹脂からなるが、前記樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤や熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。これらの添加剤の添加量は、固有複屈折値が負である樹脂又は固有複屈折値が正である樹脂100重量部に対して、通常0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部である。
本発明に用いる1/4波長板(A)において、固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の両面に固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層してなる積層体を用いるが、固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)と固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)との間に接着剤層(III)を設けた積層体を用いてもよい。
接着剤層(III)は、1/4波長板(A)に用いる固有複屈折値が負である樹脂と固有複屈折値が正である樹脂との双方に対して親和性があるものから形成することができる。接着剤層を構成する重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−スチレン共重合体などのエチレン系共重合体、他のオレフィン系重合体が挙げられる。また、これらの(共)重合体を酸化、ケン化、塩素化、クロルスルホン化などにより変性した変性物を用いることもできる。本発明において、変性したエチレン系共重合体又は変性した他のオレフィン系重合体を使用すると、積層構造体成形時のハンドリング性や接着力の耐熱劣化性を向上させることができる。
接着剤層(III)の厚さは、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは2〜30μmである。
1/4波長板(A)において、前記接着剤層を含む場合は、接着剤のガラス転移温度又は軟化点Tは、前記固有複屈折値が負である樹脂のガラス転移温度Tg及び固有複屈折値が正である樹脂のガラス転移温度Tgよりも低いことが好ましく、前記Tg及びTgよりも20℃以上低いことがさらに好ましい。
本発明において使用する1/4波長板(A)は、固有複屈折値が負である樹脂からなる層の両面に、固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層して未延伸積層体(a)とし、次いでこれを延伸することにより得られる。
未延伸積層体(a)を得る方法としては、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及び基材樹脂フィルムに対して樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。
押出し温度は、使用する固有複屈折値が負である樹脂、固有複屈折値が正である樹脂及び必要に応じて用いられる接着剤の種類に応じて適宜選択され得る。
未延伸積層体(a)を延伸する方法としては、特に制限されないが、斜め延伸する方法が好ましい。斜め延伸する方法としては、横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機や、横又は縦方向に左右等速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにして、移動する距離が同じで延伸角度θを固定できるようにした若しくは移動する距離が異なるようにしたテンター延伸機を用いて斜め延伸する方法が挙げられる。この斜め延伸する方法によれば、幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有する1/4波長板(A)の長尺巻状体を得ることができる。
図1に、斜め延伸装置の一例を示す。この斜め延伸装置において、1は未延伸フィルム(本発明においては、未延伸積層体(a)又は脂環式構造を有する重合体樹脂からなる未延伸フィルム(b)を指す)を、2はフィルム保持開始点を、2−1は右側のフィルム保持開始点を、2−2は左側のフィルム保持開始点を、3−1は右側のフィルム保持手段の軌跡を、3−2は左側のフィルム保持手段の軌跡を、4はテンターを、5−1は右側のフィルム保持終了点を、5−2は左側のフィルム保持終了点を、6は斜め延伸フィルムをそれぞれ示す。
この斜め延伸装置においては、斜め延伸装置から送り出される斜め延伸フィルムの送り出し速度を、この斜め延伸装置に送り込まれる未延伸フィルムの送り込み速度と同じにして、斜め延伸装置内では、未延伸フィルム1の送り方向7−1に直行する方向すなわち幅方向7−2における一端の移動距離を他端の移動距離よりも大きくする。ただし、未延伸フィルムの両端における線速度は両端とも同じにしておく。
この斜め延伸装置においては、7−1の方向に送り込まれてくる未延伸フィルムがその幅方向における両端それぞれで左右のフィルム保持開始点2−1、2−2によりチャックされる。左右のフィルム保持手段3−1、3−2によるフィルムの線速度が一定にされてはいるが、左側のフィルム保持手段3−2によるフィルム移動距離が、右側のフィルム保持手段3−1によるフィルム移動距離よりも大きく設定されている。したがって、送られるフィルムの軸線方向つまり走行方向は、図1において右側にカーブする。そして、フィルム保持終了点では、延伸方向8がフィルムの幅方向7−2に対して延伸角度8がθである斜め延伸フィルム6となってフィルムが送り出される。
前記斜め延伸する方法を行う場合、未延伸積層体(a)の幅方向に対する延伸角度θは、−8°〜−22°、又は8°〜22°の範囲で行うことが好ましく、−10°〜−20°、又は10°〜20°の範囲で行うことがさらに好ましい。延伸角度θを前記範囲とすることにより、得られる1/4波長板(A)の遅相軸をこの幅方向に対して105°±7°、又は75±7°の方向に持たせることができる。
本発明において、上記延伸角度θは、未延伸積層体(a)の幅方向に対する角度であり、時計回りの場合を正、反時計回りの場合を負とする。
図2は、未延伸積層体(a)の延伸角度θを示した概念図である。図2において、Aは未延伸積層体(a)の進行方向、Bは未延伸積層体(a)の幅方向、Cは未延伸積層体(a)の延伸角度θが時計回りに8°〜22°であるときの延伸方向、Cは未延伸積層体(a)の延伸角度θが時計回りに−8°〜−22°であるときの延伸方向、Dが未延伸積層体(a)の幅方向に対して正の方向、Eが未延伸積層体(a)の幅方向に対して負の方向を示す。なお、前記延伸方向はC、Cのいずれかである。
未延伸積層体(a)の延伸温度は、1/4波長板(A)に用いる固有複屈折値が負である樹脂のガラス転移温度Tgに対して、(Tg−10)℃〜(Tg+20)℃が好ましく、(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃の範囲であることがより好ましい。
1/4波長板(A)において、用いる固有複屈折値が正である樹脂のガラス転移温度Tgを固有複屈折値が負である樹脂のガラス転移温度Tgより低くし、かつ前記未延伸積層体(a)の延伸温度を上記範囲とすることにより、固有複屈折が負である樹脂からなる層(I層)の面内リターデーションRe(I)、固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II層)の面内リターデーションRe(II)との間で、Re(I)>Re(II)の関係を満たすことができる。そして、これにより、得られる1/4波長板(A)において、延伸方向の直交する方向に遅相軸を有する、幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有することができる。そうすることにより、1/4波長板(A)の波長分散性を適宜調整でき、さらに液晶セルの特性に合わせて、各層の複屈折性を調整することにより、視野角特性を向上させることができる。
未延伸積層体(a)の延伸倍率は、通常、1.05〜30倍、好ましくは1.2〜10倍であることが好ましい。延伸倍率が、上記範囲を外れると、配向が不十分で屈折率異方性、ひいてはリターデーションの発現が不十分になったり、未延伸積層体が破断したりするおそれがある。
1/4波長板(A)の残留揮発性成分の含有量は特に制約されないが、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。残留揮発性成分の含有量が0.1重量%を超えると、使用時に該揮発性成分が外部に放出して、1/4波長板(A)に寸法変化が生じて内部応力が発生することにより、位相差にムラを生じることがある。したがって、1/4波長板(A)の揮発性成分の含有量が上記範囲にあることにより、長期間使用しても液晶表示装置のディスプレイの表示ムラが発生しないといった光学特性の安定性に優れる。
揮発性成分は、1/4波長板(A)に微量含まれる分子量200以下の物質であり、例えば、残留単量体や溶媒などが挙げられる。揮発性成分の含有量は、1/4波長板(A)に含まれる分子量200以下の物質の合計として1/4波長板(A)をガスクロマトグラフィーにより分析することにより定量することができる。
1/4波長板(A)の厚さは、通常10〜300μm、好ましくは30〜200μmである。
本発明に用いる1/4波長板(A)において、波長550nmで測定したリターデーションをRe(550)とすると、これを波長λ(ここではλ=550)で割った値Re(550)/λが、0.23〜0.27であることが好ましく、0.24〜0.26であることがさらに好ましい。
本発明に用いる1/4波長板(A)において、面内方向の遅相軸のばらつきが5°以内であることが好ましく、3°以内であることがより好ましく、1°以内であることがさらに好ましい。
面内方向の遅相軸のばらつきを上記範囲にすることにより、本発明の広帯域1/4波長板(C)を位相差フィルムとして、偏光板と貼り合わせて液晶表示装置に用いた際に、色むらや色ぬけのない良好な液晶表示を提供することができる。
遅相軸のバラツキは、遅相軸を数点測定したときの測定値の算術平均値に対する各測定値のばらつきとする。
本発明の広帯域1/4波長板(C)に用いる1/2波長板の長尺巻状体(B)は、透明な樹脂からなるフィルム(b)を延伸して得られる幅方向に対して15°±7°、又は−15°±7°の方向に遅相軸を有するものである。
1/2波長板の長尺巻状体(B)に用いる透明な樹脂としては、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものであれば特に制限されず、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂、脂環式構造を有する重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、等があげられるが、1/4波長板(A)の固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の波長分散性とあわせやすい観点から、ポリカーボネート系樹脂又は脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましい。
使用する透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)は、透明な樹脂からなるが、前記樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤や熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。これらの添加剤の添加量は、透明な樹脂100重量部に対して、通常0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部である。
本発明において使用する1/2波長板(B)は、透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)を延伸することにより得られる。透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)を得る方法としては特に制約されず、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法などの加熱溶融成形法;溶液流延法などの公知の成形法を採用することができる。
各々の成形条件は、使用する透明な樹脂のガラス転移温度や溶剤などに応じて適宜調整すればよい。
未延伸フィルム(b)を延伸する方法としては、未延伸積層体(a)を延伸する方法で説明した方法と同じものが挙げられる。中でも、斜め延伸する方法が好ましい。この斜め延伸する方法によれば、幅方向に対して15°±7°又は−15°±7°の方向に遅相軸を有する1/2波長板(B)を長尺巻状体を得ることができる。
前記斜め延伸する方法を行う場合、未延伸フィルム(b)の幅方向に対する延伸角度θは、−8°〜−22°、又は8°〜22°の範囲で行うことが好ましく、−10°〜−20°、又は10°〜20°の範囲で行うことがさらに好ましい。延伸角度θを前記範囲とすることにより、得られる1/2波長板の遅相軸をこの幅方向に対して15°±7°、又は−15°±7°の方向に持たせることができる。
未延伸フィルム(b)の延伸温度は、1/2波長板(B)に用いる固有複屈折値が正である樹脂のガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg−10)℃〜(Tg+20)℃が好ましく、(Tg−5)℃〜(Tg+15)℃の範囲であることがより好ましい。
未延伸フィルム(b)の延伸倍率は、通常、1.05〜30倍、好ましくは1.2〜10倍であることが好ましい。延伸倍率が、上記範囲を外れると、配向が不十分で屈折率異方性、ひいてはリターデーションの発現が不十分になったり、未延伸積層体が破断したりするおそれがある。
1/2波長板(B)の残留揮発性成分の含有量は特に制約されないが、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。残留揮発性成分の含有量が0.1重量%を超えると、使用時に該揮発性成分が外部に放出して、1/2波長板(B)に寸法変化が生じて内部応力が発生することにより、位相差にムラを生じることがある。したがって、1/2波長板(B)の揮発性成分の含有量が上記範囲にあることにより、長期間使用しても液晶表示装置のディスプレイの表示ムラが発生しないといった光学特性の安定性に優れる。
1/2波長板の長尺巻状体(B)の厚さは、通常10〜300μm、好ましくは30〜200μmである。
本発明に用いる1/2波長板の長尺巻状体(B)において、波長550nmで測定したリターデーションをRe(550)とすると、これを波長λ(ここではλ=550)で割った値Re(550)/λが、0.48〜0.52であることが好ましく、0.49〜0.51であることがさらに好ましい。
本発明に用いる1/2波長板の長尺巻状体(B)において、面内方向の遅相軸のばらつきが5°以内であることが好ましく、3°以内であることがより好ましく、1°以内であることがさらに好ましい。
面内方向の遅相軸のばらつきを上記範囲にすることにより、本発明の広帯域1/4波長板(C)を位相差フィルムとして、偏光板と貼り合わせて液晶表示装置に用いた際に、色むらや色ぬけのない良好な液晶表示を提供することができる。
遅相軸のバラツキは、遅相軸を数点測定したときの測定値の算術平均値に対する各測定値のばらつきとする。
本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)は、前記1/4波長板の長尺巻状体(A)と、前記1/2波長板の長尺巻状体(B)とを積層してなる。
1/4波長板の長尺巻状体(A)と、1/2波長板の長尺巻状体(B)との積層について図を用いて説明する。
図3は、本発明に用いる1/4波長板の長尺巻状体(A)及び1/2波長板の長尺巻状体(B)を示す図である。
図4は、ロールトゥーロール法による1/4波長板の長尺巻状体(A)と1/2波長板の長尺巻状体(B)との積層の態様の一例を示す図である。
図3に示すように、未延伸積層体(a)、未延伸フィルム(b)それぞれを延伸して得られる1/4波長板の長尺巻状体(A)、1/2波長板の長尺巻状体(B)は巻き取られて、倦回されたロール状になっている。
図3において、9−1は1/4波長板の長尺巻状体(A)を、10−1は1/2波長板の長尺巻状体(B)を表し、9−2は1/4波長板(A)の遅相軸方向、9−3は1/4波長板(A)の幅方向と遅相軸とのなす角度(角度が正の場合)、10−2は1/2波長板(B)の遅相軸方向、10−3は1/2波長板(B)の幅方向と遅相軸とのなす角度(角度が正の場合)を表す。
続いて、図4に示すように、1/4波長板の長尺巻状体(A)9−1及び1/2波長板の長尺巻状体(B)10−1はそれぞれ、挟持ロール12及び13によって挟持されて送りロール11を走行し、挟圧ロール14により挟圧されて積層される。このように積層する方法をロールトゥーロール方式と称する。この際、1/4波長板の長尺巻状体(A)又は1/2波長板の長尺巻状体(B)とを積層する際は、1/4波長板の長尺巻状体(A)においては遅相軸が幅方向に対して105°±7°の方向にある面と1/2波長板の長尺巻状体(B)においては遅相軸が幅方向に対して15°±7°の方向にある面、又は1/4波長板の長尺巻状体(A)においては遅相軸が幅方向に対して75°±7°の方向にある面と1/2波長板の長尺巻状体(B)においては遅相軸が幅方向に対して−15°±7°の方向にある面とが貼り合わされるようにする。そうすることにより、1/4波長板(A)の遅相軸と1/2波長板(B)の遅相軸とを60°±7°で交差させることができる。
このとき、前記巻き取られた2つの長尺巻状体の接合面には、接着剤又は粘着剤が塗布されていてもよい。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性等の観点から、アクリル系のものが好ましい。
本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)は、幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有する1/4波長板の長尺巻状体(A)と、幅方向に対して15°±3°、又は−15°±7°の方向に遅相軸を有する1/2波長板の長尺巻状体(B)とを、互いの遅相軸が60°±7°、好ましくは60°±3.5°で交差するように積層する。
本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)は、広い波長領域、例えば、λ=450〜650nmの領域で、Re(λ)/λの値が、0.24〜0.26の範囲内にあるのが好ましい。Re(λ)/λの値が前記範囲内にあると、波長450〜650nmの可視光領域で、より優れた1/4波長板としての機能を果たすことができる。
本発明の広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D)は、偏光素子の長尺巻状体の少なくとも片面に、本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を積層してなる。
本発明の広帯域円偏光素子(D)に用いる偏光素子としては、偏光子、偏光板が挙げられる。
偏光板は、二色性物質含有のポリビニルアルコール系偏光フィルム等からなる偏光子の片側又は両側に、適宜の接着層を介して、保護層となる透明保護フィルムを接着したものからなる。
偏光子としては、例えばポリビニルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の従来に準じた適宜なビニルアルコール系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等よりなる二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施したもので、自然光を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用いることができる。特に、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。また、用いる偏光子は斜め方向に延伸処理していないものが好ましい。偏光子の厚さは、5〜80μmが一般的であるが、これに限定されない。
透明保護フィルムを構成するフィルム素材としては、適宜な透明フィルムを用いることができる。中でも、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるポリマーからなるフィルム等が好ましく用いられる。そのポリマーのとしては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、脂環式構造を有する重合体樹脂、アクリル系樹脂等があげられるが、中でも複屈折が小さい点で、アセテート系樹脂又は脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式構造を有する重合体樹脂が特に好ましい。
透明保護フィルムの厚さは、任意であるが一般には偏光板の薄型化などを目的に500μm以下、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは5〜150μmである。
本発明の広帯域円偏光素子(D)においては、偏光子と本発明の広帯域1/4波長板(C)を構成する1/2波長板(B)とが接するように積層することにより、前記1/2波長板(B)が偏光子の透明保護フィルムを兼ねることができ、部材の薄型化が可能である。
本発明の広帯域円偏光素子(D)に用いる偏光素子の片面又は両面には、他の層が設けられていてもよい。他の層としては、ハードコート層、反射防止層、防眩処理層、防汚層が挙げられる。
広帯域1/4波長板(C)と偏光素子との積層は、接着剤や粘着剤等の適宜な接着手段を用いて貼り合わせることができる。接着剤又は粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や透明性等の観点から、アクリル系のものが好ましい。
広帯域1/4波長板(C)と偏光素子とは、広帯域1/4波長板(C)の遅相軸と偏光素子の透過軸とが、平行若しくは直交になるように積層する。積層方法としては、ロールトゥーロール法が挙げられる。
広帯域1/4波長板(C)と偏光素子とを積層する場合、偏光素子と、広帯域1/4波長板(C)の1/4波長板(A)が接していても1/2波長板(B)が接していてもよい。
本発明の広帯域円偏光素子の厚さは、通常100〜700μm、好ましくは200〜600μmである。
本発明の広帯域円偏光素子は、自然光がその偏光板側より入射した場合には、1/4波長板側より円偏光を出射して円偏光形成板として機能し、1/4波長板側より円偏光が入射すると1/4波長板にて直線偏光化され、それが偏光板に入射して直線偏光形成板として機能する。
前者の円偏光形成板として機能は、液晶ディスプレイ等の表面反射を抑制するための反射防止フィルターなどとして有用である。後者の直線偏光形成板としての機能は、コレステリック液晶等からなる円偏光形成板を設けたバックライトとの組合せで用いて液晶表示装置の輝度を向上させるシステムの形成などに有用である。本発明による円偏光板を用いることにより、明るくてコントラストに優れ、視野角が広くて高耐久性の液晶表示装置を得ることができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を切り出したもの、又は本発明の広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D)を切り出したものを、液晶セルの少なくとも片側に備える。
本発明の液晶表示装置は、偏光板を液晶セルの片側又は両側に配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用型等の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成することができる。液晶セルに使用する液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型、VA(Vertical Alignment)、MVA(Multiple Vertical Alignment)型、IPS(In Plane Switching)型、OCB(Optical Compensated Bend)型、などが挙げられる。
液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セル、及び必要に応じてのバックライトや反射板、位相差補償板等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては上記した広帯域1/4波長板(C)や広帯域円偏光素子(D)を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じて液晶表示装置を形成しうる。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば輝度向上フィルム、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、導光板、光拡散板、バックライト、反射板、透明電極等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明の液晶表示装置においては、本発明の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)又は広帯域円偏光素子(D)を切り出したものと液晶セルとを接着するために、粘着剤層を設けることもできる。その粘着剤層は、アクリル系等の従来公知の粘着剤を用いて適宜形成することができる。中でも、吸湿による発泡現象や剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着剤層であることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層等とすることもできる。
偏光板に設けた粘着剤層が表面に露出する場合には、その粘着剤層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーすることが好ましい。セパレータは、上記の透明保護フィルム等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設ける方式等により形成することができる。
なお、上述した偏光子や透明保護フィルム、光学層や粘着剤層等の各層は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式等の適宜な方式により紫外線吸収能をもたせたものであってもよい。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本発明における評価は、以下の方法により行う。
(1)リターデーション
エリプソメーター(M−150、日本分光(株)製)を用いて測定する。
(2)遅相軸及びそのばらつき
自動複屈折計(王子計測器社製、KOBRA−21)を用いて測定する。
遅相軸及びそののばらつきは、フィルム又は積層体の幅方向に10mm間隔で遅相軸を測定して、その測定値の算術平均値を求め、その平均値からの測定値のばらつきとする。
(3)円偏光素子の広帯域性及び視野角特性
円偏光素子を2枚用意し、それぞれ下記の環境(I)又は環境(II)下に放置する。
環境(I):温度25℃、湿度40%の環境下に30日間放置
環境(II):温度25℃、湿度80%の環境下に30日間放置
次いで、各環境下に放置した円偏光素子を以下の手順で評価する。
広帯域性は、それぞれの環境下に放置した円偏光素子を拡散反射板の上に置き、正面での反射色を目視観察して、以下の基準で評価する。
良好:反射色が黒い
不良:反射色が明るくて青くなる
一方、視野角特性は、それぞれの環境下に放置した円偏光素子を拡散反射板の上に置き、正面と斜め45度での反射色、明るさ及び色むらを目視観察して、以下の基準で評価する。
良好:正面と斜め45度とで反射色と明るさに変化がなく、色むらがない。
不良:正面と斜め45度とで反射色と明るさに変化があり、色むらがある。
(製造例1)脂環式構造を有する重合体樹脂の製造
脱水したシクロヘキサン500部に、窒素雰囲気下、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、「DCP」と略記する。)170部、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(エチリデンテトラシクロドデセン、以下、「ETD」と略記する。)30部からなるノルボルネン系単量体混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加して重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し、重合反応を停止させた。
次に、得られた開環重合体を含有する反応溶液100部に対して、シクロヘキサン35部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学(株)製)5部を加え、水素により5MPaに加圧して攪拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間反応させ、DCP/ETD開環共重合体水素化物を20%含有する反応溶液を得た。
得られた開環共重合体水素化物中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率を、重合後の、溶液中の残留ノルボルネン類の組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、DCP/ETD=85/15(重量比)でほぼ仕込み組成に等しかった。このノルボルネン系ポリマー1の重量平均分子量(Mw)は35,000であり、分子量分布は2.1、分子量2,000以下の樹脂成分の含有量は0.7重量%であった。また、水素化率は99.9%、Tgは105℃であった。
ろ過により水素化触媒を除去した後、酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)を、得られた溶液に添加して溶解させた(酸化防止剤の添加量は、重合体100部あたり0.1部)。
次いで、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所(株)製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサンおよびその他の揮発性成分を除去することにより、脂環式構造を有する重合体樹脂の一例であるDCP/ETD開環共重合体水素化物(以下、「ノルボルネン系重合体1」と略記する。)を得た。
(製造例2)1/4波長板の長尺巻状体A−1の製造
製造例1で得られたノルボルネン系重合体1からなる層(II層)、スチレン−マレイン酸共重合体(ノヴァ・ケミカル社製、商品名「Daylark D332」、ガラス転移温度130℃、オリゴマー成分含有量3重量%)からなる層(I層)、及び変性したエチレン−酢酸ビニル共重合体(三菱化学社製、商品名「モディックAP A543」、ビカット軟化点80℃)からなる接着剤層(III層)を有する、II層(30μm)−III層(6μm)−I層(150μm)−III層(6μm)−II層(30μm)の未延伸積層体の長尺巻状体a−1を共押出し成形により得た。
次いで、この未延伸積層体の長尺巻状体a−1を、テンター延伸機を用いて、延伸温度138℃、延伸倍率1.5倍、延伸速度115%/minで幅方向に対して−13°方向へ斜め延伸を行い、これを3000mに渡ってロール状に巻き取って長尺巻状体A−1を得た。
得られた長尺巻状体A−1の波長550nmにおけるリターデーションRe(550)を測定したところ137.2nmとなり、Re(550)/λ=0.249であった。したがって、この長尺巻状体A−1を1/4波長板の長尺巻状体として用いることとした。また、この長尺巻状体A−1の遅相軸方向は幅方向に対して103°、遅相軸のばらつきは±0.1°であった。なお、この長尺巻状体A−1の遅相軸が幅方向に対して103°±0.1°となる面をA面とした。
(製造例3)1/4波長板の長尺巻状体A−2の製造
製造例2において、II層に用いるノルボルネン系重合体1をノルボルネン系重合体2(日本ゼオン社製、商品名「ZEONOR1060」、ガラス転移温度105℃)にかえ、接着剤層(III層)に用いる重合体をマレイン酸変性オレフィン系重合体(三菱化学社製、商品名「モディックAP F534A」、ビカット軟化点55℃)にかえた他は、製造例2と同様に共押出し成形を行い、II層(26μm)−III層(7μm)−I層(38μm)−III層(7μm)−II層(26μm)の未延伸積層体の長尺巻状体a−2を得た。
次いで、この未延伸積層体の長尺巻状体a−2を、テンター延伸機を用いて、延伸温度134℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度180%/minで幅方向に対して9°方向へ斜め延伸を行い、これを3000mに渡ってロール状に巻き取って長尺巻状体A−2を得た。
得られた長尺巻状体A−2の波長550nmにおけるリターデーションRe(550)を測定したところ137.2nmとなり、Re(550)/λ=0.249であった。したがって、この長尺巻状体A−2を1/4波長板の長尺巻状体として用いることとした。また、この長尺巻状体A−2の遅相軸方向は幅方向に対して99°、遅相軸のばらつきは±0.1°であった。
なお、この長尺巻状体A−2の遅相軸が幅方向に対して99°±0.1°となる面をA面とした。
(製造例4)1/2波長板の長尺巻状体B−1の製造
ノルボルネン系重合体(日本ゼオン社製、「ZEONOR1420」、ガラス転移温度は136℃)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥機を用いて100℃で、4時間乾燥した。そしてこのペレットを、50mmφのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出成形機を使用し、溶融樹脂温度260℃、Tダイの幅650mmの条件で押出し成形することにより、厚み100μmの未延伸の長尺巻状体b−1を得た。
この未延伸の長尺巻状体b−1を、テンター延伸機を用いて、延伸温度142℃、延伸倍率1.5倍、延伸速度150%/minで長尺巻状体の幅方向に対して16°方向へ斜め延伸を行い、これを3000mに渡ってロール状に巻き取って長尺巻状体B−1を得た。
得られた長尺巻状体B−1の波長550nmにおけるリターデーションRe(550)を測定したところ274.8nmとなり、Re(550)/λ=0.500であった。したがって、この長尺巻状体B−1を1/2波長板の長尺巻状体として用いることとした。また、この長尺巻状体B−1の遅相軸方向は幅方向に対して16°、遅相軸のばらつきは±0.1°であった。
なお、この長尺巻状体B−1の遅相軸が幅方向に対して16°±0.1°となる面をB面とした。
(製造例5)1/2波長板の長尺巻状体B−2の製造
ホスゲンとビスフェノールAの縮合により得られたポリカーボネート系樹脂(分子量80,000、固有複屈折値0.104)を、塩化メチレンを溶媒とした溶液流延法により、厚さ90μmの未延伸の長尺巻状体b−2を得た。
この未延伸の長尺巻状体b−2を、テンター延伸機を用いて、延伸温度175℃、倍率1.2倍、延伸速度150%/minで長尺巻状体の幅方向に対して斜め18°方向へ一軸延伸を行い、これを3000mに渡ってロール状に巻き取って長尺巻状体B−2を得た。
得られた長尺巻状体B−2の波長550nmにおけるリターデーションRe(550)を測定したところ274.8nmとなり、Re(550)/λ=0.500であった。したがって、この長尺巻状体B−2を1/2波長板の長尺巻状体として用いることとした。また、この長尺巻状体B−2の遅相軸方向は幅方向に対して18°、遅相軸のばらつきは±0.1°であった。
なお、この長尺巻状体B−2の遅相軸が幅方向に対して18°±0.1°となる面をB面とした。
(実施例1)広帯域1/4波長板C−1の製造
製造例2で得られた長尺巻状体A−1と製造例4で得られた長尺巻状体B−1をそれぞれ引き出して、A面とB面とが接するように図3に示されるようなロールトゥーロール法により積層して、3000mの長尺巻状体C−1を得た。
この巻状体C−1は、波長λ=450nmにおけるリターデーション値Re(450)が108nm(Re(λ)/λ=0.24)であり、波長λ=550nmにおけるリターデーション値Re(550)が132nm(Re(λ)/λ=0.24)であり、波長λ=650nmにおけるリターデーション値Re(650)が169nm(Re(λ)/λ=0.26)であり、広い波長領域において、1/4波長の位相差を与えるものであった。
(実施例2)広帯域1/4波長板C−2の製造
長尺巻状体A−1に代えて製造例3で得られた長尺巻状体A−2、長尺巻状体B−1に代えて製造例5で得られた長尺巻状体B−2を用いた他は、実施例1と同様にロールトゥーロール法により積層して、3000mの長尺巻状体C−2を得た。
この巻状体C−2は、波長λ=450nmにおけるリターデーション値Re(450)が113nm(Re(λ)/λ=0.25)であり、波長λ=550nmにおけるリターデーション値Re(550)が143nm(Re(λ)/λ=0.26)であり、波長λ=650nmにおけるリターデーション値Re(650)が156nm(Re(λ)/λ=0.24)であり、広い波長領域において、1/4波長の位相差を与えるものであった。
(実施例3)広帯域円偏光素子D−1の製造
実施例1で得られた広帯域1/4波長板C−1と、偏光板の長尺巻状体(サンリッツ社製、HLC2-5618S、厚さ180μm、長尺方向に吸収軸を有する)とを、広帯域1/4波長板C−1の1/2波長板側が前記偏光板と接するようにロールトゥーロール法により積層して円偏光素子の長尺巻状体D−1を得た。
この円偏光素子の長尺巻状体D−1を適当な大きさに切り出し、広帯域性及び視野角特性を評価した。評価した結果、いずれも良好であった。
(実施例4)広帯域円偏光素子D−2の製造
実施例2で得られた広帯域1/4波長板C−2を用いた他は、実施例3と同様にして円偏光素子の長尺巻状体D−2を得た。
この円偏光素子の長尺巻状体D−2を適当な大きさに切り出し、広帯域性及び視野角特性を評価した。評価した結果、いずれも良好であった。
斜め延伸装置の一例を示す図である。 本発明に用いる未延伸積層体(a)の延伸角度θを示した概念図である。 本発明に用いる1/4波長板の長尺巻状体(A)及び1/2波長板の長尺巻状体(B)を示す図である。 ロールトゥーロール法による1/4波長板の長尺巻状体(A)と1/2波長板の長尺巻状体(B)との積層の態様の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・未延伸フィルム、2−1・・・右側のフィルム保持開始点、2−2・・・左側のフィルム保持開始点、3−1・・・右側のフィルム保持手段の軌跡、3−2・・・左側のフィルム保持手段の軌跡、4・・・テンター、5−1・・・右側のフィルム保持終了点、5−2・・・左側のフィルム保持終了点、6・・・斜め延伸フィルム、7−1・・・フィルムの送り方向、7−2・・・フィルムの幅方向、8・・・フィルムの延伸方向、9−1・・・1/4波長板の長尺巻状体(A)、9−2・・・1/4波長板の長尺巻状体(A)の遅相軸方向、9−3・・・1/4波長板の長尺巻状体(A)の幅方向と遅相軸とのなす角度(正の方向)、10−1・・・1/2波長板の長尺巻状体(B)、10−2・・・1/2波長板の長尺巻状体(B)の遅相軸方向、10−3・・・1/2波長板の長尺巻状体(B)の幅方向と遅相軸とのなす角度(正の方向)、11・・・送りロール、12,13・・・挟持ロール、14・・・挟圧ロール、A・・・未延伸積層体(a)の進行方向、B・・・未延伸積層体(a)の幅方向、C・・・未延伸積層体(a)の延伸角度θが時計回りに8°〜22°であるときの延伸方向、C・・・未延伸積層体(a)の延伸角度θが時計回りに−8°〜−22°であるときの延伸方向、D・・・未延伸積層体(a)の幅方向に対して正の方向、E・・・未延伸積層体(a)の幅方向に対して負の方向

Claims (4)

  1. 固有複屈折値が負である樹脂からなる層(I)の両面に固有複屈折値が正である樹脂からなる層(II)を積層してなる未延伸積層体(a)を延伸して得られる幅方向に対して105°±7°、又は75°±7°の方向に遅相軸を有する1/4波長板の長尺巻状体(A)と、
    透明な樹脂からなる未延伸フィルム(b)を延伸して得られる幅方向に対して15°±7°、又は−15°±7°の方向に遅相軸を有する1/2波長板の長尺巻状体(B)とを、
    互いの遅相軸が60°±7°で交差するように積層してなる広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)。
  2. 前記未延伸積層体(a)及び脂環式構造を有する重合体樹脂からなる未延伸フィルム(b)それぞれの延伸方向が、それぞれの幅方向に対して−8°〜−22°、又は8°〜22°である請求項1記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)。
  3. 偏光素子の長尺巻状体の少なくとも片面に、請求項1又は請求項2に記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を積層してなる広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D)。
  4. 請求項1若しくは請求項2に記載の広帯域1/4波長板の長尺巻状体(C)を切り出したもの、又は請求項3に記載の広帯域円偏光素子の長尺巻状体(D)を切り出したものを、液晶セルの少なくとも片側に備える液晶表示装置。
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