JP2005283159A - 湿度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電極形成後に陽極酸化処理にて感応部を形成する製造プロセスを採用しながらも電極の材料の選択肢が多く且つ電極の細線化が可能な湿度センサを提供する。
【解決手段】半導体基板たるp形シリコン基板1の一表面上に一対の電極4,4が離間して形成され、p形シリコン基板1において一対の電極4,4の間で両電極4,4から離間した部分を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面において感応部3と各電極4,4との間それぞれに凹部6,6が形成されている。製造時には、p形シリコン基板1の上記一表面に凹部6,6を形成した後、電極4,4を形成し、その後、電極4,4を覆うとともに凹部6,6を埋め込む保護膜を形成してからp形シリコン基板1を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することで感応部3を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板たるp形シリコン基板1の一表面上に一対の電極4,4が離間して形成され、p形シリコン基板1において一対の電極4,4の間で両電極4,4から離間した部分を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面において感応部3と各電極4,4との間それぞれに凹部6,6が形成されている。製造時には、p形シリコン基板1の上記一表面に凹部6,6を形成した後、電極4,4を形成し、その後、電極4,4を覆うとともに凹部6,6を埋め込む保護膜を形成してからp形シリコン基板1を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することで感応部3を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、湿度センサに関するものである。
従来から、水分に感応する感応部の材料に多孔質材料を採用した湿度センサが知られており(例えば、特許文献1,2、非特許文献1参照)、また、シリコン基板の一部を陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコンを形成する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献1には、シリコン基板の一表面側に多孔質シリコン層からなる感応部が形成されるとともに、感応部の中央部上およびシリコン基板の他表面(裏面)それぞれに電極が形成され、感応部の容量変化を両電極間の容量変化として検出する湿度センサが提案されている。
また、上記特許文献2には、半導体基板の一表面上の絶縁膜上に一対の電極を設け、半導体基板の上記一表面側に両電極を覆う多孔質Al2O3膜からなる感応部を設けた湿度センサが提案されている。上記特許文献2に開示された湿度センサにおける感応部は、半導体基板の上記一表面側に両電極を形成した後で、両電極を覆うように形成したアルミニウム膜を陽極酸化処理にて多孔質化することにより形成されている。
また、上記特許文献3には、単結晶のp形シリコン基板の一部を陽極酸化処理にて多孔質化するにあたって、p形シリコン基板の裏面にアルミ電極板を配置し更にp形シリコン基板の表面の周部および外周面およびアルミ電極板の露出部位を保護ワックスで覆ってから処理槽内の電解液(濃度が約25%のフッ酸)中に浸漬し、電解液中においてp形シリコン基板の表面側に白金電極を対向配置して、p形シリコン基板およびアルミ電極板を陽極、白金電極を陰極とし、定電流源から陽極と陰極との間に定電流を流すことによって、p形シリコン基板の表面部分を多孔質化することが提案されている。
ところで、上記非特許文献1には、感応部の容量変化を検出するための一対の電極それぞれの平面形状を櫛形状とし、互いの電極の櫛歯部が他方の電極の櫛溝部に入り組むように両電極のレイアウトを設計することにより、センサチップの小型化を図りながらも一対の電極間の容量を比較的大きくできる湿度センサが提案されている。ここにおいて、上記非特許文献1に開示された湿度センサは、図15に示す基本構成を有している。
図15に示す構成の湿度センサは、単結晶のp形シリコン基板1の一表面側に一対のコンタクト用の高不純物濃度領域2,2が形成されるとともに、高不純物濃度領域2,2を囲む多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面側において各高不純物濃度領域2,2上それぞれにAl膜からなる電極4,4が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面側に各電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5が形成されている。ここにおいて、保護膜5は、製造時に各電極4,4を形成した後で陽極酸化処理により感応部3を形成する際に各電極4,4を保護するために形成されており、各電極4,4だけでなくp形シリコン基板1の上記一表面において電極4,4が形成されていない部分を覆っているが、感応部3において両電極4,4間に形成されている部分(つまり、高不純物濃度領域2,2間に形成されている部分)の表面を露出させるための窓孔5aが形成されている。なお、上記非特許文献1では、保護膜5の膜厚を500nmとしてある。また、電極4,4の並設方向(図15の左右方向)における各電極4,4の幅寸法(線幅)は、陽極酸化処理時にp形シリコン基板の多孔質化が等方性エッチングのように等方的に進行することに伴って電解液で電極4,4が腐食されることを考慮して10〜12μmに設定してある。
特開昭63−40847号公報
特開昭58−37908号公報
特開平5−36669号公報
P.Furjes,et al,「Porous Silicon Based Humidity Sensor with Interdigital Electrodes and Internal Heaters」,The 16th European Conference on Solid-State Transducers, September 15-18,2002,Prague,Czech Republic,Abstract No.6-58
ところで、上記特許文献1〜3および上記非特許文献1のなかでは、上記非特許文献1に開示された湿度センサが小型化および高感度化の点で有利であるが、感応部3の厚さ寸法が、上記窓孔5aから電極4までの距離(つまり、保護膜5のうち電極4の側壁に形成されている部分の幅寸法)よりも大きく設定されていると、p形シリコン基板1の一部を電極4,4が形成された上記一表面側から多孔質化することにより感応部3を形成する際に、電極4,4が陽極酸化処理にて用いる電解液により腐食されてしまう恐れがあり、電極4,4の材料の選択肢が少なくなってしまう。
なお、上記特許文献2に開示された湿度センサの構成においても、製造時に陽極酸化処理にて感応部を形成する際に、電極の材料によっては陽極酸化処理にて用いる電解液により電極が腐食されてしまう恐れがある。
これに対して、上記非特許文献1に開示された湿度センサの構成では、陽極酸化処理にて感応部を形成する際には、陽極酸化処理前に各電極4,4を覆う保護膜を形成しているが、という問題があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電極形成後に陽極酸化処理にて感応部を形成する製造プロセスを採用しながらも電極の材料の選択肢が多く且つ電極の細線化が可能な湿度センサを提供することにある。
請求項1の発明は、半導体基板の一表面上に少なくとも一対の電極が離間して形成され、半導体基板において一対の電極の間で両電極から離間した部分を前記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質半導体領域からなる感応部が形成され、半導体基板の前記一表面において感応部と各電極との間それぞれに凹部が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、電極形成後に陽極酸化処理にて感応部を形成する製造プロセスを採用するにあたって、陽極酸化処理前に半導体基板の上記一表面に凹部を形成するとともに半導体基板の上記一表面側に電極を保護する保護膜を少なくとも凹部の内面を覆うように形成しておくことにより、陽極酸化処理時において半導体基板の前記一表面に平行な面内方向への半導体基板の多孔質化が凹部のところで止まることになるので、電極の材料によらず、陽極酸化処理にて用いる電解液によって電極が腐食されるのを防止することが可能となり、電極の材料の選択肢が多くなる。
請求項2の発明は、半導体基板の一表面に一対の凹部が離間して形成され、半導体基板において一対の凹部の間の部分を前記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質半導体領域からなる感応部が形成され、各凹部の内底面上であって感応部から離間した部位にそれぞれ電極が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、電極形成後に陽極酸化処理にて感応部を形成する製造プロセスを採用するにあたって、陽極酸化処理前に半導体基板の上記一表面に凹部を形成して電極を形成した後で半導体基板の上記一表面側に電極を保護する保護膜を少なくとも電極および凹部の内面を覆うように形成しておくことにより、陽極酸化処理時において半導体基板の前記一表面に平行な面内方向への半導体基板の多孔質化が凹部のところで止まることになるので、凹部の深さ寸法が感応部に設定された厚さ寸法以下であれば陽極酸化処理時において電極直下まで電解液が侵入するのを防止することができるから、電極の材料によらず、陽極酸化処理にて用いる電解液によって電極が腐食されるのを防止することが可能となり、電極の材料の選択肢が多くなる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記半導体基板には、前記各電極それぞれと前記感応部との間に介在するコンタクト用の高不純物濃度領域が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、高不純物濃度領域が形成されていない場合に比べて感度を高めることができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記半導体基板の前記一表面側に、前記各凹部を充実するとともに前記各電極を覆い且つ前記陽極酸化処理時および前記陽極酸化処理後に前記各電極を保護する保護膜が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記各電極が保護膜により覆われていることにより信頼性を高めることができ、また、前記各電極を保護する保護膜を前記陽極酸化処理時のマスク層として利用することができ、製造プロセスの簡略化を図れる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記保護膜において前記各電極それぞれに重なる部位の表面側に多孔質半導体層からなる感応膜が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、感応部の他に感応膜も水分に感応するので、水分に感応する部分の面積が増えることとなり、感度をより高めることができる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記各電極と前記各感応膜との間にそれぞれコンタクト用の高不純物濃度半導体層が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、感度を更に高めることができる。
請求項7の発明は、請求項3の発明において、前記各電極それぞれの上に絶縁層が形成され、各絶縁層それぞれの上に多孔質半導体層からなる感応膜が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、感応部の他に感応膜も水分に感応するので、水分に感応する部分の面積が増えることとなり、感度をより高めることができる。
請求項1、2の発明では、電極形成後に陽極酸化処理にて感応部を形成する製造プロセスを採用しながらも電極の材料の選択肢が多く且つ電極の細線化が可能となるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の湿度センサは、図1に示すように、単結晶のp形シリコン基板1の一表面(主表面)上に一対の電極4,4が離間して形成され、p形シリコン基板1において一対の電極4,4の間で両電極4,4から離間した部分を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面において感応部3と各電極4,4との間それぞれに凹部6,6が形成されている。ここにおいて、電極4,4の材料としては、Al−Siを採用しているが、Al−Si以外の材料を採用してもよい。また、感応部3および各電極4の厚みに関しては、感応部3の厚み寸法を6μm、各電極4の厚み寸法を1μmにそれぞれ設定してあるが、これらの数値も特に限定するものではない。なお、本実施形態では、p形シリコン基板1が半導体基板を構成し、多孔質シリコン領域が多孔質半導体領域を構成している。また、本実施形態において用いるp形シリコン基板1は上記一表面が(111)面となっている。
本実施形態の湿度センサは、図1に示すように、単結晶のp形シリコン基板1の一表面(主表面)上に一対の電極4,4が離間して形成され、p形シリコン基板1において一対の電極4,4の間で両電極4,4から離間した部分を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、p形シリコン基板1の上記一表面において感応部3と各電極4,4との間それぞれに凹部6,6が形成されている。ここにおいて、電極4,4の材料としては、Al−Siを採用しているが、Al−Si以外の材料を採用してもよい。また、感応部3および各電極4の厚みに関しては、感応部3の厚み寸法を6μm、各電極4の厚み寸法を1μmにそれぞれ設定してあるが、これらの数値も特に限定するものではない。なお、本実施形態では、p形シリコン基板1が半導体基板を構成し、多孔質シリコン領域が多孔質半導体領域を構成している。また、本実施形態において用いるp形シリコン基板1は上記一表面が(111)面となっている。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図2を参照しながら説明する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図2(a)に示す構造を得る。ここにおいて、パイロジェニック酸化によるシリコン酸化膜11の形成条件は、基板温度を1000℃、酸化時間を1時間とした。なお、シリコン酸化膜11の形成方法は、パイロジェニック酸化に限らず、例えば、CVD法などを採用してもよい。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部6,6形成用にパターニングされたレジスト層12を形成し、レジスト層12をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、HFとNH4Fとを1:6で混ぜた緩衝HF液:16BHF)を用いたウェットエッチング工程にてエッチングすることによって、図2(b)に示す構造を得る。ここにおいて、ウェットエッチング工程では、エッチング時間を所定時間(例えば、6分)に設定してあるが、シリコン酸化膜11をエッチングする際の終点は、エッチング部分の撥水にて確認している(すなわち、p形シリコン基板1の上記一表面の一部が露出した時の撥水にてエッチングの終点を確認している)。なお、シリコン酸化膜11のエッチングはフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程に限らず、例えばCHF3ガスやCF4ガスおよびH2ガスを用いたドライエッチング工程により行ってもよく、ドライエッチング工程を採用した場合にも周知の終点検出方法にて終点検出を行えばよい。
次に、レジスト層12およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部6,6を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層12を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図2(c)に示す構造を得る。なお、p形シリコン基板1のエッチングはドライエッチング工程に限らず、薬液を用いたウェットエッチング工程により行ってもよい。また、レジスト層12の除去はドライエッチング工程により行うようにしてもよい。また、シリコン酸化膜11をエッチングする際の終点は、エッチング部分の撥水にて確認する。また、シリコン酸化膜11のエッチングはフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程に限らず、例えばCHF3ガスやCF4ガスおよびH2ガスを用いたドライエッチング工程により行うようにしてもよい。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極4,4形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタ(熱処理)を行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側にネガ型のフォトレジストを塗布し、電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うレジスト層からなる保護膜14を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層(例えば、Ag膜/Ni膜/NiCr/Cr膜のような多層膜)からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図2(d)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部6,6には、保護膜14の一部が埋め込まれている(つまり、各凹部6,6は保護膜14の一部により充実されている)。なお、上記金属膜の成膜方法はスパッタ法に限らず、例えば蒸着法などを採用してもよい。また、上記金属膜のエッチングはドライエッチング工程に限らず、HFとHNO3とを混ぜた薬液を用いたウェットエッチング工程により行ってもよい。また、レジスト層の除去はドライエッチング工程により行うようにしてもよい。また、裏面電極13に関しては、上述のような多層膜に限らず、例えばAl,Auなどの単層膜を採用してもよく、成膜方法としてスパッタ法などを採用してもよい。また、保護膜14もレジスト層に限らず、例えばシリコン窒化膜のような耐フッ酸性を有する膜を採用してもよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜14の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液(HFとエタノールとを1:1で混合した混合液)Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材(例えば、テフロン(R)のようなフッ素樹脂からなるシール材)によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図2(e)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことによりp形シリコン基板1の上記一表面側に所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外してから、裏面電極13および保護膜14を除去することによって、図2(f)に示す構造の湿度センサを得る。
以上説明した製造方法により製造される本実施形態の湿度センサは、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用するにあたって、陽極酸化処理前にp形シリコン基板1の上記一表面に凹部6,6を形成するとともにp形シリコン基板1の上記一表面側に電極4,4を保護する保護膜14を少なくとも凹部6,6の内面を覆うように形成しているので、陽極酸化処理時においてp形シリコン基板1の上記一表面に平行な面内方向(電極4,4の並設方向)へのp形シリコン基板1の多孔質化が凹部6,6のところで止まることになり、電極4,4の材料によらず、陽極酸化処理にて用いる電解液Bによって電極4,4が腐食されるのを防止することが可能となり、電極4,4の材料の選択肢が多くなる。
要するに、本実施形態の湿度センサでは、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる(つまり、上記非特許文献1に開示された湿度センサよりも電極4,4の線幅を狭くすることができる)。
なお、図1には一対の電極4,4だけを備えた例を示したが、一対の電極4,4を複数備えていてもよい。また、一対の電極4,4の形状を上記非特許文献1と同様に櫛形状に形成する場合には、上述の各凹部6,6の平面形状および感応部3の平面形状をつづら折れ状の形状とすればよい。
(実施形態2)
以下、本実施形態の湿度センサについて図3を参照しながら説明するが、実施形態1の湿度センサと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
以下、本実施形態の湿度センサについて図3を参照しながら説明するが、実施形態1の湿度センサと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の湿度センサは、図3に示すように、単結晶のp形シリコン基板1の一表面に一対の凹部16,16が離間して形成され、p形シリコン基板1において一対の凹部16,16の間の部分を上記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質シリコン領域からなる感応部3が形成され、各凹部16,16の内底面上であって感応部3から離間した部位にそれぞれ電極4,4が形成されている。なお、感応部3および各電極4の厚みに関しては、感応部3の厚み寸法を6μm、各電極4,4の厚み寸法を1μmにそれぞれ設定してあるが、これらの数値は特に限定するものではない。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図4を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図4(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部16,16形成用にパターニングされたレジスト層22を形成し、レジスト層22をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図4(b)に示す構造を得る。
次に、レジスト層22およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部16,16を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層22を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図4(c)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極4,4形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側にネガ型のフォトレジストを塗布し、電極4,4およびおよびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うレジスト層からなる保護膜24を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図4(d)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部16,16は、保護膜24の一部により充実されている。なお、保護膜24はレジスト層に限らず、例えばシリコン窒化膜のような耐フッ酸性を有する膜を採用してもよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜24の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図4(e)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外してから、裏面電極13および保護膜24を除去することによって、図4(f)に示す構造の湿度センサを得る。
以上説明した製造方法により製造される本実施形態の湿度センサは、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用するにあたって、陽極酸化処理前にp形シリコン基板1の上記一表面に凹部16,16を形成して電極4,4を形成した後でp形シリコン基板1の上記一表面側に電極4,4を保護する保護膜24を少なくとも電極4,4および凹部16,16の内面を覆うように形成しているので、陽極酸化処理時においてp形シリコン基板1の上記一表面に平行な面内方向(電極4,4の並設方向)へのp形シリコン基板1の多孔質化が凹部16,16のところで止まることになり、凹部16,16の深さ寸法が感応部3に設定された厚さ寸法以下であれば陽極酸化処理時において電極4,4直下まで電解液Bが侵入するのを防止することができるから、電極4,4の材料によらず、陽極酸化処理にて用いる電解液Bによって電極が腐食されるのを防止することが可能となり、電極4,4の材料の選択肢が多くなる。
要するに、本実施形態の湿度センサでは、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる(つまり、上記非特許文献1に開示された湿度センサよりも電極4,4の線幅を狭くすることができる)。
なお、図3には一対の電極4,4だけを備えた例を示したが、一対の電極4,4を複数備えていてもよい。また、一対の電極4,4の形状を上記非特許文献1と同様に櫛形状に形成する場合には、上述の各凹部16,16の平面形状および感応部3の平面形状をつづら折れ状の形状とすればよい。
(実施形態3)
本実施形態の湿度センサの湿度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図5に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において各電極4,4それぞれの直下にコンタクト用の高不純物濃度領域2,2が形成されている点や、p形シリコン基板1の上記一表面側において各電極4,4を覆うシリコン窒化膜からなる保護膜5が形成されている点などが相違する。ここにおいて、各高不純物濃度領域2,2は、凹部6,6の内面(内底面および内側面)に沿った部分まで連続して形成されており、それぞれ電極4,4と感応部3との間に介在している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の湿度センサの湿度センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図5に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において各電極4,4それぞれの直下にコンタクト用の高不純物濃度領域2,2が形成されている点や、p形シリコン基板1の上記一表面側において各電極4,4を覆うシリコン窒化膜からなる保護膜5が形成されている点などが相違する。ここにおいて、各高不純物濃度領域2,2は、凹部6,6の内面(内底面および内側面)に沿った部分まで連続して形成されており、それぞれ電極4,4と感応部3との間に介在している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図6を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図6(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部6,6形成用にパターニングされたレジスト層12を形成し、レジスト層12をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図6(b)に示す構造を得る。
次に、レジスト層12およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部6,6を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層12を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図6(c)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により高不純物濃度領域2,2形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、p形シリコン基板1に上記一表面側からn形不純物イオン(例えば、リンイオン)をイオン注入し、レジスト層を除去してから、p形シリコン基板1中のn形不純物イオンを窒素雰囲気中で熱拡散させて高不純物濃度領域2,2を形成することによって、図6(d)に示す構造を得る。なお、イオン注入の条件としては、加速電圧を70KeV、ドーズ量を6×1015cm−2とし、熱拡散の条件としては、基板温度を900℃、拡散時間を40分としたが、これらの数値は特に限定するものではない。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側に、電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うようにパターニングされたレジスト層からなる保護膜14を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図6(e)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部6,6は、保護膜14の一部により充実されている。なお、保護膜5はレジスト層に限らず、シリコン窒化膜のような耐フッ酸性を有する膜であればよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜14の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図6(f)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外してから、裏面電極13および保護膜14を除去することによって、図6(g)に示す構造の湿度センサを得る。
以上説明した本実施形態の湿度センサは、実施形態1と同様に、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる。
また、本実施形態の湿度センサでは、各電極4,4と感応部3との間にそれぞれ高不純物濃度領域2,2が介在しており、各電極4,4と感応部3,3とが高不純物濃度領域2,2を介して接続されているので、実施形態1の湿度センサのように高不純物濃度領域2,2が形成されていない湿度センサに比べて感度が高くなる。
(実施形態4)
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図7に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5が凹部16,16を埋め込むとともにp形シリコン基板1の上記一表面を覆う形で形成されている点などが相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図7に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5が凹部16,16を埋め込むとともにp形シリコン基板1の上記一表面を覆う形で形成されている点などが相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図8を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態2と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図8(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部16,16形成用にパターニングされたレジスト層22を形成し、レジスト層22をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図8(b)に示す構造を得る。
次に、レジスト層22およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部16,16を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層22を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図8(c)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側に、電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うようにパターニングされたシリコン窒化膜からなる保護膜5を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図8(d)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部16,16は、保護膜5の一部により充実されている。なお、保護膜5はシリコン窒化膜に限らず、耐フッ酸性を有する膜であればよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜5の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図8(e)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外すことによって、図8(f)に示す構造の湿度センサを得る。
以上説明した本実施形態の湿度センサは、実施形態2と同様に、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる。
また、本実施形態の湿度センサは、p形シリコン基板1の上記一表面側に、各凹部16,16を充実するとともに各電極4,4を覆い且つ陽極酸化処理時および陽極酸化処理後に各電極4,4を保護する保護膜5が形成されているので、各電極4,4が保護膜5により覆われていることにより信頼性を高めることができ、また、各電極4,4を保護する保護膜5を陽極酸化処理時のマスク層として利用することができ、製造プロセスの簡略化を図れる。
(実施形態5)
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図9に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5,5が凹部16,16を充実するように形成され、保護膜5,5上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図9に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5,5が凹部16,16を充実するように形成され、保護膜5,5上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図10を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態2と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図10(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部16,16形成用にパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングし、レジスト層およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部16,16を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図10(b)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側に、電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うようにパターニングされたシリコン窒化膜からなる保護膜5を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図10(c)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部16,16は、保護膜5の一部により充実されている。なお、保護膜5はシリコン窒化膜に限らず、耐フッ酸性を有する膜であればよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜5の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図10(d)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外した後、p形シリコン基板1の上記一表面側を研磨してp形シリコン基板1の上記一表面を露出させることによって、図10(e)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚の多結晶シリコン層7aをCVD法により成膜してから、多結晶シリコン層7a上にフォトレジストを塗布し、多結晶シリコン層7aのうち凹部16,16に埋め込まれた保護膜5に重なる部分が開孔されたレジスト層(図示せず)を形成し、上述と同様の陽極酸化処理にて多結晶シリコン層7aの露出部位を多孔質化することで多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7を形成することによって、図10(f)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、多孔質多結晶シリコン層が多孔質半導体層を構成している。
次に、p形シリコン基板1の上記一表面側にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により感応膜7に重なる部分が残るようにパターニングされたレジスト層31を形成することによって、図10(g)に示す構造を得る。
続いて、レジスト層31をマスクとして、多結晶シリコン層7aをエッチングし、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層31を除去することによって、図10(h)に示す構造の湿度センサを得る。なお、多結晶シリコン層7aのエッチングは、例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスなどを用いたドライエッチング工程により行ってもよいし、薬液を用いたウェットエッチング工程により行ってもよい。また、レジスト層31の除去はドライエッチング工程により行ってもよい。
以上説明した本実施形態の湿度センサは、実施形態2と同様に、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる。
また、本実施形態の湿度センサは、p形シリコン基板1の上記一表面側に、各凹部16,16を充実するとともに各電極4,4を覆い且つ陽極酸化処理時および陽極酸化処理後に各電極4,4を保護する保護膜5が形成されているので、各電極4,4が保護膜5により覆われていることにより信頼性を高めることができ、また、各電極4,4を保護する保護膜5を陽極酸化処理時のマスク層として利用することができ、製造プロセスの簡略化を図れる。
また、本実施形態の湿度センサでは、保護膜5において各電極4,4それぞれに重なる部位の表面側に感応膜7,7が形成されており、感応部3の他に感応膜7,7も水分に感応するので、感応膜7,7が形成されていない上記各実施形態1〜5に比べて、水分に感応する部分の面積が増えることとなり、感度をより高めることができる。
(実施形態6)
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図11に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5,5が凹部16,16を充実するように形成されている点や、p形シリコン基板1において凹部16,16の内底面および内側面に沿った部位に電極4,4とのコンタクト用の高不純物濃度領域2,2が形成されている点、p形シリコン基板1の上記一表面側において保護膜5,5および高不純物濃度領域2,2に跨る形でコンタクト用のn+形多結晶シリコン層からなる高不純物濃度半導体層8,8が形成され、高不純物濃度半導体層8,8上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。ここに、本実施形態では、多孔質多結晶シリコン層が多孔質半導体層を構成している。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態2と略同じであって、図11に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側において電極4,4を保護するシリコン窒化膜からなる保護膜5,5が凹部16,16を充実するように形成されている点や、p形シリコン基板1において凹部16,16の内底面および内側面に沿った部位に電極4,4とのコンタクト用の高不純物濃度領域2,2が形成されている点、p形シリコン基板1の上記一表面側において保護膜5,5および高不純物濃度領域2,2に跨る形でコンタクト用のn+形多結晶シリコン層からなる高不純物濃度半導体層8,8が形成され、高不純物濃度半導体層8,8上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。ここに、本実施形態では、多孔質多結晶シリコン層が多孔質半導体層を構成している。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図12を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態2と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図12(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により凹部16,16形成用にパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングしてから、レジスト層およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部16,16を形成し、その後、p形シリコン基板1に上記一表面側からn形不純物イオン(例えば、リンイオン)をイオン注入し、続いて、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去し、p形シリコン基板1中のn形不純物イオンを窒素雰囲気中で熱拡散させて高不純物濃度領域2,2を形成し、更にその後、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングすることによって、図12(b)に示す構造を得る。なお、イオン注入の条件としては、加速電圧を70KeV、ドーズ量を6×1015cm−2とし、熱拡散の条件としては、基板温度を900℃、拡散時間を40分としたが、これらの数値は特に限定するものではない。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側に電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うようにパターニングされたシリコン窒化膜からなる保護膜5を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図12(c)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部16,16は、保護膜5の一部により充実されている。なお、保護膜5はシリコン窒化膜に限らず、耐フッ酸性を有する膜であればよい。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜5の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図12(d)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外した後、p形シリコン基板1の上記一表面側を研磨してp形シリコン基板1の上記一表面を露出させることによって、図12(e)に示す構造を得る。なお、この状態において各凹部16,16は保護膜5,5により充実されている。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側にn+形多結晶シリコン層8a、ノンドープの多結晶シリコン層7aをCVD法により順次成膜してから、多結晶シリコン層7a上にネガ型のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により多結晶シリコン層7aのうち凹部16,16に埋め込まれた保護膜5,5および高不純物濃度領域2,2に重なる部分が開孔されたレジスト層を形成し、上述と同様の陽極酸化処理にて多結晶シリコン層7aの露出部位を多孔質化することで多孔質多結晶シリコン層よりなる感応膜7,7を形成してから、レジスト層を除去することによって、図12(f)に示す構造を得る。
次に、p形シリコン基板1の上記一表面側にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により感応膜7,7に重なる部分が残るようにパターニングされたレジスト層31を形成することによって、図12(g)に示す構造を得る。
続いて、レジスト層31をマスクとして、多結晶シリコン層7a、n+形多結晶シリコン層8aをエッチングし(ここにおいて、n+形多結晶シリコン層8aのうちレジスト層31により保護されていた部分が高不純物濃度半導体層8,8となる)、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層31を除去することによって、図12(h)に示す構造の湿度センサを得る。なお、多結晶シリコン層7a、n+形多結晶シリコン層8aのエッチングは、例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスなどを用いたドライエッチングにより行ってもよいし、薬液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。また、レジスト層31の除去はドライエッチングにより行ってもよい。
以上説明した本実施形態の湿度センサは、実施形態2と同様に、電極4,4形成後に陽極酸化処理にて感応部3を形成する製造プロセスを採用しながらも電極4,4の材料の選択肢が多く且つ電極4,4の細線化が可能となり、電極4,4の材料としてAl−Siのような加工が容易で比較的材料コストの安い材料を採用しながらも、電極4,4の線幅(幅寸法)を10μm以下とすることができる。
また、本実施形態の湿度センサは、p形シリコン基板1の上記一表面側に、各凹部16,16を充実するとともに各電極4,4を覆い且つ陽極酸化処理時および陽極酸化処理後に各電極4,4を保護する保護膜5,5が形成されているので、各電極4,4が保護膜5,5により覆われていることにより信頼性を高めることができ、また、各電極4,4を保護する保護膜5を陽極酸化処理時のマスク層として利用することができ、製造プロセスの簡略化を図れる。
また、本実施形態の湿度センサでは、保護膜5において各電極4,4それぞれに重なる部位の表面側に感応膜7,7が形成されており、感応部3の他に感応膜7,7も水分に感応するので、感応膜7,7が形成されていない上記各実施形態1〜5に比べて、水分に感応する部分の面積が増えることとなり、感度をより高めることができる。また、各電極4,4と各感応膜7,7との間にそれぞれコンタクト用の高不純物濃度半導体層8,8が形成されており、各感応膜7,7は高不純物濃度半導体層8,8および高不純物濃度領域2,2を介して電極4,4に接続されるので、感度を更に高めることができる。
(実施形態7)
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態3と略同じであって、図13に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側に電極4,4を覆い且つ一部が凹部6,6に埋め込まれたシリコン窒化膜からなる保護膜5が形成され、保護膜5において電極4,4に重なる部位の上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。ここにおいて、本実施形態では、多孔質多結晶シリコン層が多孔質半導体層を構成し、保護膜5において電極4,4上に形成されている部分が絶縁層を構成している。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の湿度センサの基本構成は実施形態3と略同じであって、図13に示すように、p形シリコン基板1の上記一表面側に電極4,4を覆い且つ一部が凹部6,6に埋め込まれたシリコン窒化膜からなる保護膜5が形成され、保護膜5において電極4,4に重なる部位の上に多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7,7が形成されている点などが相違する。ここにおいて、本実施形態では、多孔質多結晶シリコン層が多孔質半導体層を構成し、保護膜5において電極4,4上に形成されている部分が絶縁層を構成している。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態の湿度センサの製造方法について図14を参照しながら説明するが、製造方法に関しても実施形態3と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、6000Å)のシリコン酸化膜11をパイロジェニック酸化により形成することによって、図14(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン酸化膜11上に凹部6,6形成用にパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をマスクとして、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液(例えば、16BHF)を用いたウェットエッチング工程によりエッチングしてから、レジスト層およびパターニングされたシリコン酸化膜11をマスクとして、p形シリコン基板1の上記一表面の露出部位を例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスを用いたドライエッチング工程により所定深さまでエッチングすることで凹部6,6を形成し、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去し、続いて、シリコン酸化膜11をフッ酸系薬液を用いたウェットエッチング工程によりエッチングし、その後、p形シリコン基板1の上記一表面側にフォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により高不純物濃度領域2,2形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、p形シリコン基板1に上記一表面側からn形不純物イオン(例えば、リンイオン)をイオン注入し、レジスト層を除去してから、p形シリコン基板1中のn形不純物イオンを窒素雰囲気中で熱拡散させて高不純物濃度領域2,2を形成することによって、図14(b)に示す構造を得る。なお、イオン注入の条件としては、加速電圧を70KeV、ドーズ量を6×1015cm−2とし、熱拡散の条件としては、基板温度を900℃、拡散時間を40分としたが、これらの数値は特に限定するものではない。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側に所定膜厚(例えば、1μm)の金属膜(例えば、Al−Si膜)をスパッタ法によって形成した後、フォトレジストを塗布しフォトリソグラフィ技術により電極形成用にパターニングされたレジスト層(図示せず)を形成し、当該レジスト層をマスクとして、金属膜の不要部分を例えばCl2ガス、SiCl4ガス、CCl4ガスなどを用いたドライエッチング工程によりエッチングすることで電極4,4を形成し、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去してから、N2ガスおよびH2ガスの雰囲気中で電極4,4のシンタを行い、更にその後、p形シリコン基板1の上記一表面側に、電極4,4およびp形シリコン基板1の上記一表面側において陽極酸化する部分以外を覆うようにパターニングされたシリコン窒化膜からなる保護膜5を形成し、p形シリコン基板1の他表面(裏面)に陽極酸化用の導電性層からなる裏面電極13を蒸着法により形成することによって、図14(c)に示す構造を得る。ここにおいて、上述の各凹部6,6は、保護膜5の一部により充実されている。
次に、裏面電極13を定電流源Iのプラス側と配線を介して接続し、p形シリコン基板1において陽極酸化処理を行う部分の表面および保護膜5の表面以外の部位を、陽極酸化処理にて用いる電解液Bに触れないように耐フッ酸性を有するシール材によりシールしてからp形シリコン基板1を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液Bに浸漬し、その後、定電流源Iのマイナス側に配線を介して接続された白金電極21を電解液B中においてp形シリコン基板1の上記一表面側に対向するように配置する。この状態を示したのが図14(d)である。
続いて、裏面電極13を陽極、白金電極21を陰極として、定電流源Iから陽極と陰極21との間に所定の定電流(例えば、電流密度が5mA/cm2の電流)を所定時間(例えば、20分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより所定厚さ(例えば、6μm)の多孔質シリコン領域からなる感応部3を形成し、その後、処理槽Aから取り出した被処理物Cの上記シール材を剥がし、裏面電源13に接続していた配線を外してから、裏面電極13を除去することによって、図14(e)に示す構造を得る。
その後、p形シリコン基板1の上記一表面側にノンドープの多結晶シリコン層7aをCVD法により順次成膜してから、多結晶シリコン層7a上にネガ型のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により多結晶シリコン層7aのうち電極4,4に重なる部分が開孔されたレジスト層を形成し、続いて、上述と同様の陽極酸化処理にて多結晶シリコン層7aの露出部位を多孔質化することで多孔質多結晶シリコン層からなる感応膜7を形成し、レジスト層を除去することによって、図14(f)に示す構造を得る。
次に、p形シリコン基板1の上記一表面側にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により感応部7に重なる部分が残るようにパターニングされたレジスト層を形成し、当該レジスト層をマスクとして、多結晶シリコン層7aをエッチングし、その後、発煙硝酸を用いてレジスト層を除去することによって、図14(g)に示す構造の湿度センサを得る。なお、多結晶シリコン層7aのエッチングは、例えばSF6ガスやCF4ガスおよびO2ガスなどを用いたドライエッチング工程により行ってもよいし、薬液を用いたウェットエッチング工程により行ってもよい。
しかして、本実施形態の湿度センサでは、実施形態3に比べて感応部7,7の分だけ水分に感応する部分の面積が増えるので、感度が高くなる。
1 p形シリコン基板
3 感応部
4 電極
6 凹部
3 感応部
4 電極
6 凹部
Claims (7)
- 半導体基板の一表面上に少なくとも一対の電極が離間して形成され、半導体基板において一対の電極の間で両電極から離間した部分を前記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質半導体領域からなる感応部が形成され、半導体基板の前記一表面において感応部と各電極との間それぞれに凹部が形成されてなることを特徴とする湿度センサ。
- 半導体基板の一表面に一対の凹部が離間して形成され、半導体基板において一対の凹部の間の部分を前記一表面側から陽極酸化処理にて多孔質化することにより多孔質半導体領域からなる感応部が形成され、各凹部の内底面上であって感応部から離間した部位にそれぞれ電極が形成されてなることを特徴とする湿度センサ。
- 前記半導体基板には、前記各電極それぞれと前記感応部との間に介在するコンタクト用の高不純物濃度領域が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の湿度センサ。
- 前記半導体基板の前記一表面側に、前記各凹部を充実するとともに前記各電極を覆い且つ前記陽極酸化処理時および前記陽極酸化処理後に前記各電極を保護する保護膜が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の湿度センサ。
- 前記保護膜において前記各電極に重なる部位の表面側にそれぞれ多孔質半導体層からなる感応膜が形成されてなることを特徴とする請求項4記載の湿度センサ。
- 前記各電極と前記各感応膜との間にそれぞれコンタクト用の高不純物濃度半導体層が形成されてなることを特徴とする請求項5記載の湿度センサ。
- 前記各電極それぞれの上に絶縁層が形成され、各絶縁層それぞれの上に多孔質半導体層からなる感応膜が形成されてなることを特徴とする請求項3記載の湿度センサ。
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