JP2005281908A - 吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品 - Google Patents

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東義 鈴木
Seiji Mizobata
斉治 溝端
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Abstract

【課題】 吸放湿や吸放水により自己調節機能を発現するため、特にスポーツ用途やインナー用途などにおいて従来にない快適機能を発現することができ、しかも外観、審美性、鮮明性、染色湿潤堅牢性、耐光堅牢性といった特性にも優れた繊維製品を提供すること。
【解決手段】 イオン染料可染性繊維と、35℃95%RHでの飽和吸湿率が5.0%以上である吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とを構成繊維として含ませ、さらに該イオン染料により染色加工処理を施した繊維製品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含んでなる繊維製品に関するものである。さらに詳細には、吸放湿や吸放水により自己調節機能を発現するため、特にスポーツ用途やインナー用途などにおいて従来にない快適機能を発現することができ、しかも外観、審美性、鮮明性、染色湿潤堅牢性、耐光堅牢性といった特性にも優れた、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含んでなる繊維製品に関するものである。
従来、衣料用や産業資材用として用いられる弾性繊維としては、ポリウレタン弾性繊維が主に用いられている。しかし、耐熱性、耐薬品性、耐候(光)性が劣るという欠点があり、また製造上、ごく一部を除いて乾式紡糸プロセスまたは湿式紡糸プロセスが必要なため、溶剤回収が必要となり、低生産性、エネルギー多消費性であるという問題がある。さらに、ポリウレタン弾性繊維はリサイクルが困難であり、燃焼時に有害なシアンガスを発生する恐れがあるなど、今後の循環型社会の到来に向けて多くの課題を有している。このような背景のもと、溶融紡糸が可能な、ポリアルキレンテレフタレートのような高結晶性のポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステル弾性繊維が高生産性であり、耐熱性、耐熱セット性に優れる利点を活かして実用化されている。さらに、リサイクルが可能で、有害ガスの発生もないことから、循環型社会に適した弾性繊維として今後の発展が期待されている(例えば、特許文献1)。
このようなポリエーテルエステル弾性繊維としては、弾性繊維として最重要特性である、伸長弾性回復性などの弾性的性能がポリウレタン弾性繊維に匹敵できるものとして、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレート、ソフトセグメントとしてポリオキシブチレングリコールを用いたポリエーテルエステル弾性繊維が専ら用いられている。しかし、これらのハードセグメントおよびソフトセグメントはいずれも疎水性であるため、吸湿性や吸水性などの親水性を要求される用途分野でのポリエーテルエステル弾性繊維の使用は制限されている。
弾性繊維に吸水性や吸湿性を付与しようとする試みとしては、ポリエーテルエステル弾性繊維を包含する、特定の吸水性樹脂を含有する吸放湿性に優れた高伸度・高伸張回復性合成繊維が提案されている(特許文献2)。しかし、具体的に開示されている態様はいずれもポリウレタン弾性繊維に関するものに限られ、ポリエーテルエステル弾性繊維に関する具体的記述は全く見当たらない。本発明者等の経験によれば、本特許で具体的に用いられている吸水率500〜4,000重量%の吸水性樹脂は耐熱性が不良であり、かつ高吸水性のため乾燥状態での水分管理が難しく残存水分がポリエーテルエステルエラストマーの加水分解を容易に惹起するため、ポリエーテルエステルの二百数十℃の溶融紡糸プロセスに到底耐えず、工業的に実施することは極めて困難であると推量される。
本発明者らは、このような背景のもとに、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を先に提案した(特願2003−175788号、特願2003−329584号)。
これらの吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維は、溶融紡糸可能で高生産性、耐熱性、熱セット性、リサイクル性に優れ、到来する循環型社会に適合した弾性繊維であり、かつ該繊維を構成するポリマーそのものが吸放湿性と弾性性能を併せ有すると共に、接触冷感、制電性にも優れ、さらに従来の素材には例を見ない自己調節機能をもつため、特にスポーツ用途やインナー用途などにおいて従来にない快適機能を発現でき、極めて有用であることが判明した。なお、ここでいう自己調節機能とは、吸放湿や吸放水することによって繊維長が可逆的に伸長収縮し、その繊維長の伸長収縮変化に応じて織編物の空隙率が可逆的に変化し、その結果として織編物の通気性が可逆的に変化する機能を意味する。
このように優れた機能性を有する一方で、該吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維は、場合によっては染色品の染色堅牢度、なかでも特に洗濯堅牢度に難点を有することが判明した。例えば、通常のポリエステル繊維と該吸放湿性ポリエーテルエステル繊維とを混用して作製した織編物に、ポリエステル繊維の通常の染色加工方法である、分散染料による高温高圧染色法で染色加工を施した場合、淡色や中色では問題は比較的少ないものの濃色に染色した際に染色品のJIS L−0844 A−2法やAATCC II−A法で規定する洗濯堅牢度汚染(以下、染色湿潤堅牢度と称する)が不充分なレベルになる場合がある。
ポリエーテルエステル繊維の染色堅牢度改良に係わる先行染色加工技術としては、ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維構造物を分散染料で染色するに際し、染浴中に特定のベンゾトリアゾール化合物を含有せしめてその特定量を付与することによって染色耐光堅牢度を改善する染色方法(特許文献3)やカチオン染料可染性ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル繊維とカチオン染料可染性ポリエーテルエステル繊維を混用した繊維構造物を特定のベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードフェノール系化合物の存在下にカチオン染色することによって染色湿潤堅牢度、耐光劣化性、耐塩素劣化性に優れたポリエステル系伸縮性染色繊維構造物を得る方法(特許文献4)が知られている。しかしながら、これらの方法はいずれもハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレート、ソフトセグメントとしてポリオキシブチレングリコールを用いた疎水性ポリエーテルエステル弾性繊維に関するものであり、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維への適用性を示唆するものではない。
特開昭57−77317号公報 国際公開第00/47802号パンフレット 特公昭61−49433号公報 特開平3−185133号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、吸放湿や吸放水により自己調節機能を発現するため、特にスポーツ用途やインナー用途などにおいて従来にない快適機能を発現することができ、しかも外観、審美性、鮮明性、染色湿潤堅牢性、耐光堅牢性といった特性にも優れた繊維製品を提供することにある。なかでも、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維の裸糸、該吸放湿性ポリエーテルエステル繊維とポリエステル繊維を始めとする他繊維との加工糸(コアヤーン、プライヤーン、カバードヤーン)、混繊糸などと、ポリエステル糸などの他の糸との交編織物を含む繊維製品の優れた機能性を損なうことなく、染色湿潤堅牢度などの染色堅牢度が良好な染色繊維製品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、高親水性の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品について種々検討を行った結果、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を混用する相手繊維としてイオン染料可染性繊維を用い、かつ該イオン染料で染色することにより達成できることを見出した。例えば、カチオン染料可染性ポリエステル繊維と吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とを混用した繊維構造物を、カチオン染料を使用して該カチオン染料可染性ポリエステル繊維の染色条件下に染色加工処理することにより、濃色に染色した場合においてもJIS L−0844 A−2法およびAATCC II−A法に合格する染色堅牢度レベルを達成できること、この際、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維としてカチオン染料可染タイプとカチオン染料不染タイプとを比較すると、濃色染色においてカチオン染料不染タイプの方がカチオン染料可染タイプよりも2級近くも汚染レベルが低く、明らかにカチオン染料不染タイプの方が良好な結果を与えることを知った。これらの事実は、上述した特許文献4に示された疎水性ポリエーテルエステル弾性繊維の結果からは到底想起できないことであり、ポリエーテルエステル弾性繊維が疎水性であるか親水性であるかはカチオン染料の染色機構に根源的な影響力を持つことを意味する。
本発明者等は、これらの知見に基づき、さらに重ねて実験を繰り返した結果、イオン染料可染性繊維およびイオン染料としては、カチオン染料のみならずアニオン染料においても同様に良好な結果を与えることを知見した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討した結果、完成したものである。
すなわち、本発明は、
1.イオン染料可染性繊維と35℃95%RHでの飽和吸湿率が5.0%以上である吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とを含む繊維製品であって、該繊維製品は該イオン染料により染色加工処理されていることを特徴とする、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
2.吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性繊維である、上記1記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
3.吸放湿性ポリエーテルエステル繊維が、下記一般式(I)で表される有機スルホン酸金属塩が共重合されたポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性繊維である、上記1記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
Figure 2005281908
(式中、R1は芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基、X1はエステル形成性の官能基、X2はエステル形成性の官能基または水素原子、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、lは1または2である。)
4.イオン染料可染性繊維が、カチオン染料可染性のポリエステル繊維および/またはアクリル繊維であり、且つイオン染料がカチオン染料である、上記1〜3のいずれかに記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
5.イオン染料可染性繊維が、ナイロン繊維、羊毛繊維および絹繊維よりなる群から選ばれた少なくとも一種の繊維であり、且つイオン染料がアニオン染料である、上記1〜3のいずれかに記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
本発明の繊維製品は、吸放水や吸放湿によって自己調節機能を発現するだけでなく、イオン染料で染色されているので優れた染色湿潤堅牢性、耐光堅牢性を有する。したがって、特にスポーツ用途やインナー用途などの衣料用途において極めて有用である。
本発明におけるイオン染料は、特に制限する必要はなく、公知のカチオン染料(塩基性染料も含む)、アニオン染料(酸性染料も含む)がすべて包含される。カチオン染料としては分散型カチオン染料であってもよい。
また、本発明におけるイオン染料可染性繊維は、イオン染料で実用的な染色が可能な繊維であれば特に制限する必要はなく、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維のいずれであってもよい。具体的には、カチオン染料可染性繊維として、カチオン染料可染性ポリエステル繊維、アクリル繊維などを例示することができ、アニオン染料可染性繊維として、ナイロン繊維、羊毛繊維、絹繊維、酸性染料可染性ポリエステル繊維、酸性染料可染性アクリル繊維などを例示することができる。なかでも、カチオン染料可染性ポリエステル繊維が好ましい。このようなカチオン染料可染性ポリエステル繊維としては、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムや3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムなどの有機スルホン酸塩を1〜5モル%共重合したポリエチレンテレフタレート繊維を好ましく例示できる。
該イオン染料可染性繊維は長繊維であっても、短繊維であってもよく、繊度は任意でよい。繊維の断面形状は円形であっても異形であってもよく、中空繊維であっても中実繊維であってもよい。これらの繊維においてイオン染料はイオン結合によって繊維に結合される。
本発明において上記イオン染料可染性繊維と混用される吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維は35℃95%RHでの飽和吸湿率が5.0%以上であることが必要である。この飽和吸湿率が5.0%未満である場合には本発明の効果が得られず、自己調節機能と染色堅牢度が共に不良となる。このような吸放湿ポリエーテルエステル弾性繊維としては、該弾性繊維を構成する基体のポリエーテルエステルエラストマーが、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーであるのが好ましい。該ハードセグメントはポリブチレンテレフタレートであるのが好ましく、他のポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートでは、弾性繊維を得ることはできるが、弾性回復性能が劣り、ポリウレタン系弾性繊維には遠く及ばないものとなる傾向がある。
上記ポリブチレンテレフタレートには本発明の効果を奏する範囲内で他の共重合成分が共重合されていてもよい。かかる共重合成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどを例示することができる。さらに、得られるポリエーテルエステルが実質的に線状であれば、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3官能以上の成分が共重合されていてもよい。
また、ソフトセグメントとしては吸湿性と弾性性能とを両立して発現できる点からポリオキシエチレングリコールが用いられる。かかるポリオキシエチレングリコールとしては弾性性能の点から直鎖状ポリオキシエチレングリコールが好ましい。さらに、本発明の効果を奏する範囲内で他のオキシアルキレン単位、例えばオキシプロピレン単位やオキシブチレン単位がランダム共重合および/またはブロック共重合されていてもよい。なお、該ポリアルキレングリコ−ルの分子量は、400〜6000、特に600〜4000のものが好ましく、400未満になるとソフトセグメントとしての効果が小さくなるため、弾性回復性能が劣ったり、耐候(光)性が劣るようになる。逆に6000を超えるとハ−ドセグメントとの共重合が完全に行われず、一部のものが未反応物として残存し、紡糸延伸時に未反応物が析出したり、弾性回復性能が劣るようになる。
本発明においては、上記ポリエーテルエステルエラストマーを構成するハードセグメントのポリブチレンテレフタレートには有機スルホン酸金属塩が共重合されていてもよい。該有機スルホン酸金属塩が共重合されていることによって最終的に得られる繊維製品中のポリエーテルエステル弾性繊維はカチオン染料可染性になると共に、吸放湿性や吸水伸長性が向上するようになる反面、耐熱性などはやや低下する。
かかる有機スルホン酸金属塩は、下記一般式(I)で表されるものを好ましく例示することができる。
Figure 2005281908
式中、R1は芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜15の芳香族炭化水素基または炭素数10以下の脂肪族炭化水素基である。特に好ましいR1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、とりわけベンゼン環である。X1はエステル形成性官能基を示し、X2はX1と同一もしくは異なるエステル形成性官能基を示すか或いは水素原子を示すが、エステル形成性官能基であるのが好ましい。エステル形成性官能基としてはポリエーテルエステルの主鎖または末端に反応して結合する基であればよく具体的には下記の基を挙げることができる。
Figure 2005281908
上記式中、R'は低級アルキル基またはフェニル基を示し、aおよびdは1〜10の整数を示し、bは2〜6の整数を示す。
Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属金属または4級ホスホニウムであり、lは1または2である。なかでもMがアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム)であり、かつlが1であるのが好ましい。
かかる一般式(I)で表わされる有機スルホン酸金属塩の好ましい具体例としては、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸カリウム、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸リチウム、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸カリウム、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸リチウム、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸カリウム、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸リチウム、2,6−ジカルボメトキシナフタレン−4−スルホン酸ナトウリム、2,6−ジカルボメトキシナフタレン−4−スルホン酸カリウム、2,6−ジカルボメトキシナフタレン−4−スルホン酸リチウム、2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホン酸ナトリウム、2,6−ジカルボメトキシスフタレン−1−スルホン酸ナトリウム、2,6−ジカルボメトキシナフタレン−3−スルホン酸ナトリウム、2,6−ジカルボメトキシナフタレン−4,8−ジスルホン酸ナトリウム、2,6−ジカルボキシナフタレン−4,8−ジスルホン酸ナトリウム、2,5−ビス(ヒドロエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−ナトリウムスルホコハク酸などをあげることができる。上記有機ルホン酸金属塩は1種のみを単独で用いても、2種以上併用してもよい。
上記有機スルホン酸金属塩の共重合量は、あまり多すぎると弾性繊維の融点が低下して耐熱性、耐候(光)性、耐薬品性などが低下する傾向にあるため、ポリエーテルエステルエラストマーを構成する全酸成分を基準として0〜20モル%の範囲とするのが好ましい。
本発明においては、ハードセグメント:ソフトセグメントの重量比率は、70:30〜30:70の範囲にあることが好ましく、より好ましくは60:40〜40:60の範囲である。ハードセグメントの重量比率が70%を超えると、弾性繊維の伸度が低くなり、高ストレッチ用途に使用することが難しくなり、吸水吸湿性も低下する傾向にある。また、ハードセグメントの重量比率が30%未満であると、ポリブチレンテレフタレート結晶部の割合が低くなるため強度が低下する傾向にあるだけでなく、添加したポリオキシエチレングリコールをすべて共重合させることが困難となり、精練・染色などの高次加工工程や、製品として使用される場合の洗濯堅牢性が劣ったものになりやすい。
本発明に用いる吸放湿性ポリエーテルエステルエラストマーは、例えばテレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレートおよび/またはそのオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒および安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ここで用いられるエステル交換触媒としては、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン等の金属化合物を使用するのが好ましい。
重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物を使用するのが好ましい。触媒の使用量は、エステル交換反応、重縮合反応を進行させるために必要な量であるならば特に限定されるものではなく、また、複数の触媒を併用することも可能である。
また、本発明の吸放湿性ポリエーテルエステルエラストマーを製造するに当たって、安定剤として従来公知のヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒンダードアミン系光安定剤を添加することは、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維の使用時における熱劣化、酸化劣化、光劣化等を抑制する効果があるだけでなく、溶融紡糸時のポリマーの固有粘度の低下をも抑制する効果があるのでむしろ好ましいことである。
このようにして得られた吸放湿性ポリエーテルエステルエラストマーを弾性繊維にするには、格別の方法を採る必要はなく、通常のポリエーテルエステル弾性繊維の溶融紡糸方法が任意に採用される。たとえば、ポリエーテルエステルエラストマーを溶融して紡糸口金から吐出して巻き取った後、必要に応じて延伸や熱処理を施す方法などによって製造される。紡出される弾性繊維は中空部を有しない中実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であってもよい。また、紡出される弾性繊維の横断面における外形や中空部の形状は円形であっても異形であってもよい。
本発明の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維には必要に応じて任意の添加剤、たとえば着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていてもよい。
本発明の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維は35℃のオルソクロロフェノール溶液で測定した固有粘度が0.9以上であることが好ましい。固有粘度が0.9未満の場合には飽和吸湿率および吸水伸長率が低下する傾向があり、その結果、自己調節機能が劣ったものになりやすい。一方、ポリエーテルエステル弾性繊維の固有粘度が大きくなるにしたがって、飽和吸湿率および吸水伸長率は向上し、優れた自己調節機能が発現するようになるが、固有粘度があまりも大きくなると製糸性が低下するだけでなく、製造コストが高くなるため、本発明の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維の固有粘度は0.9〜1.2の範囲にあることがより好ましい。
本発明の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維にあっては、35℃95%RHでの飽和吸湿率が5.0%以上であると同時に吸水伸長率が5.0%以上であることが好ましい。該飽和吸湿率が5.0%以上であっても吸水伸長率が5.0%未満である場合には、吸放水や吸放湿による可逆的伸長収縮特性が不充分となり、充分な自己調節機能が得られなくなる傾向がある。これらの値は大きくなるほど自己調節機能は大きくなるが、あまりに大きくなりすぎると吸放湿性ポリエーテルエステル繊維の弾性性能、耐熱性、耐候(光)性、耐薬品性などが悪化する傾向があるので、35℃95%RHの飽和吸湿率の好ましい範囲は5.0〜40.0%の範囲、さらに好ましくは10.0〜30%の範囲である。また、吸水伸長率の好ましい範囲は5.0〜100%の範囲、さらに好ましくは10.0〜80.0%の範囲であり、中でも15.0〜60.0%の範囲が特に好ましい。
なお、ここでいう35℃95%RHの飽和吸湿率および吸水伸長率は、それぞれ次の方法で測定される。
<飽和吸湿率>
試料を所定の条件(35℃95%RH)に調節した恒温恒湿室中に入れて24時間調湿し、絶乾試料の重量と調湿試料の重量とから次式により飽和吸湿率を求める。
飽和吸湿率(%)=(調湿後の重量−絶乾時の重量)×100/絶乾時の重量
<吸水伸長率>
繊維を沸水中で無緊張下に30分間処理した後、20℃65RH%の雰囲気下に24時間風乾する。次いで、該繊維を160℃雰囲気下、無緊張状態で2分間、非接触の乾熱処理を施す。該繊維を20℃65RH%の雰囲気下に24時間放置後、繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けた状態で繊維の長を測定する。この繊維の長さを「乾燥時の繊維長さ」とする。その後、この繊維を20℃の温度に調節された軟化水中に1分間浸漬する。しかる後、該繊維を水中から引き出して繊維に付着したフリーな水分を拭き取る。拭き取り終了時点から10秒後に繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けて繊維の長を測定する。この繊維の長さを「吸水時の繊維長さ」とする。吸水伸長率は下記の式によって計算される。
吸水伸長率(%)=(吸水時の繊維長さ−乾燥時の繊維長さ)×100/乾燥時の繊維長さ
本発明の繊維製品は、上記したイオン染料可染性繊維と吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とを、不織布、織編物など任意の形態で含むものである。該繊維製品中における両繊維の存在形態としては、たとえば該吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維をそのまま裸糸で使用して該イオン染料可染性繊維糸条と交編織した織編物や、該吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維と該イオン染料可染性繊維との複合糸を使用し、該複合糸単独またはイオン染料可染性繊維糸条とともに製編織した織編物などの形態を例示することができる。ここで該複合糸としては、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維をイオン染料可染性繊維で被覆したカバードヤーン(シングルカバードヤーン、ダブルカバードヤーン)、イオン染料可染性短繊維の紡績工程で吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を芯に入れて紡績糸にしたコアスパンヤーン、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とイオン染料可染性繊維を引き揃えて撚り合わせた合撚糸、などが例示される。
本発明の繊維製品中のイオン染料可染性繊維と吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維との混合比率は、あまりに少なすぎると吸放水や吸放湿による自己調節機能が不充分となり、逆に多すぎると耐熱性、耐候(光)性、耐薬品性などが悪化する傾向がある。そのため、イオン染料可染性繊維と吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維との混合比率は重量基準で95/5〜60/40の範囲が好ましい。
本発明においては、上記繊維製品は染色加工処理されている必要がある。この際、採用される染色加工処理方法としては、未染色の繊維製品を製造した後に繊維製品の形態で染色する製品染め、織編物形態で染色して得た織編物を使って縫製などにより繊維製品とする布染め、糸形態で染色した糸を用いて製編織した織編物を縫製などによって繊維製品とする糸染めなどの公知の方法が採用される。
使用染料としては、該繊維製品を構成するイオン染料可染性繊維を実用的に染色することができるイオン染料が使用される。たとえば、カチオン染料可染性ポリエステル繊維、アクリル繊維などのカチオン染料可染性繊維はカチオン染料により、またナイロン繊維、羊毛繊維、絹繊維、酸性染料可染性ポリエステル繊維、酸性染料可染性アクリル繊維などのアニオン染料可染性繊維はアニオン染料によって染色される。
染色加工処理に当っては通常の染色加工条件が採用される。たとえば、カチオン染料可染性ポリエステル繊維をカチオン染料で染色する場合には、染色温度は80〜135℃の範囲が好ましく、より好ましくは100〜130℃の範囲である。さらに、カチオン染料可染性ポリエステル繊維、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維の強度劣化を防止するために芒硝を2〜3g/L程度染浴に添加することが望ましい。淡色に染色した場合の染色後の洗浄は省略可能であるが、濃色染色後の洗浄方法はカチオン染料を洗浄するための通常の方法が用いられる。特に好ましくは酢酸および/またはアルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物の水溶液で、60〜90℃の温度で洗浄するのが好ましい。
本発明の繊維製品の具体例としては、次のようなものを挙げることができる。
(1)衣料用途
ファッション用途としてシャツ、ブラウス、パンツ、ブルゾン、コート、和装品など、インナー・レッグ用途として肌着、ブラジャー、ガードル、ボディーファー、キャミソール、ショーツ、パンティーストッキング、ストッキング、靴下、ハイソックス、ショートソックスなど、スポーツ用途として競技用のゲームシャツやゲームパンツ(テニス、バスケット、卓球、バレーボール、陸上、ゴルフ、サッカー、ラグビーなど)、スェットスーツ、ウィンドブレーカー、アスレチックウェア、トレーニングウェア、ショーツ、水着、プールサイドウェア、アンダーウェア、タイツ、スパッツ、レオタード、レッグ衣料、ウェットスーツ、ドライスーツなど、寝衣用途、ユニフォーム用途、学生服用途、帽子、ショールなどの衣料付帯品、裏地、カップ、パッドなどの衣料資材、スポーツシューズなど
(2)インテリア・寝具用途
カーテン(ドレープカーテン、レースカーテン、シャワーカーテン、ロールカーテン、ブラインドなど)、カーペット、テーブルクロス、椅子張り、間仕切り、壁紙、寝装品(掛けふとん、敷き布団、布団用側地、布団用詰め物、毛布、毛布用側地、タオルケット、シーツなど)、スリッパ、マットなど
(3)自動車内装材用途
カーシート、カーマット、天井材、トリムなど
(4)産業資材用途
テント類(レジャー用、イベント用など)
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
また、洗濯に対する染色堅牢度はAATCC II−A法により測定し、耐光堅牢度はJIS L 0842−88(紫外線カーボンアーク灯法)にしたがって測定し、空隙率と通気性は下記の方法によって求めた。
<空隙率>
光学顕微鏡により織編物表面を20倍に拡大して観察し、内田洋行社製デジタルプラニメーターを用いて織編物表面のうち糸条が占める面積と、糸条が存在しない面積を計測し、下記の式により空隙率(%)を算出した。
空隙率(%)=(糸条が存在しない面積)/((糸条が占める面積)+(糸条が存在しない面積))×100
該空隙率を、乾燥時と湿潤時についてそれぞれ測定(n数=5)し、下記式により空隙変化率(%)を算出した。ここで、乾燥時とは、温度20℃、湿度65%RHの環境下で24時間放置した後の試料の状態であり、湿潤時とは、上記試料を温度20℃の水中に5分間浸漬した後に水中から引き上げ、試料を2枚のろ紙の間にはさみ、490N/m(50kgf/m)の圧力で1分間加重し、繊維間に存在する水分を取り除いた状態を示す。
空隙変化率(%)=((湿潤時の空隙率)−(乾燥時の空隙率))/(乾燥時の空隙率)×100
<通気性>
JIS L 1096−1998、6.27.1、A法(フラジール形通気性試験機法)により測定した。そして、該通気性を、上記の乾燥時と湿潤時についてそれぞれ測定(n数=5)し、下記式により通気性変化率(%)を算出する。
通気性変化率(%)=((湿潤時の通気性)−(乾燥時の通気性))/(乾燥時の通気性)×100
[実施例1]
ジメチルテレフタレート100重量部、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの40重量%エチレングリコール溶液23重量部(全酸成分に対して5.0モル%)、ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量4000)113.4重量部、1,4−ブタンジオール73.5重量部(全酸成分の1.4モル倍)および触媒としてテトラブチルチタネートを0.4重量部反応槽に仕込み、内温200℃でエステル交換反応を行った。理論量の約80%のメタノールが留出した時点でテトラブチルチタネート0.4重量部をさらに添加した後、昇温、減圧による重縮合反応を開始した。重縮合反応は約30分かけて30mmHgとし、さらに30分かけて3mmHgとし、以後1mmHgの真空下で内温250℃にて200分間反応を行った。次いでヒンダードフェノール系酸化防止剤1重量部とヒンダードアミン系光安定剤2重量部を添加し、その後さらに20分間1mmHg以下の真空下、250℃で20分間反応した。生成したポリエーテルエステルエラストマーの固有粘度は1.10であり、ポリブチレンテレフタレート(ハードセグメント)/ポリオキシエチレングリコール(ソフトセグメント)の重量比率は50/50であった。
得られたポリエーテルエステルエラストマーを230℃で溶融し、紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。この際、口金直下から9cmを保温した。この溶融ポリマーに口金下3mの位置で油剤を付与し、2個のゴデットロールを介して510m/分で捲取り、さらに750m(巻取ドラフト1.47)で巻き取って44デシテックス/1フィラメントで、35℃95%RHの飽和吸湿率が31%、吸水伸長率が25%であるポリエーテルエステル弾性繊維を得た。
一方、カチオン染料可染性ポリエステル繊維として3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを2.6モル%共重合したポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/24フィラメント)を用意した。
次いで、28ゲージのシングル丸編機を用いて、上記ポリエーテルエステル弾性繊維をドラフト率50%でドラフトしながら上記カチオン染料可染性ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸と同時に給糸することにより、47コース/2.54cm、40ウェール/2.54cmの編密度にて天竺組織の丸編物を編成した。
引き続いて、この丸編地を常法にしたがって精錬、プリセットした後、Cathilon Black CDFH(保土谷化学(株)製カチオン染料)8%owfで芒硝3g/L、酢酸0.3g/Lを含む染浴中にて130℃で45分間染色後、常法に従ってソーピングを実施した。得られた丸編物は、乾燥時では空隙率12%、通気性200cc/cm/sであり、湿潤時には空隙率18%(空隙変化率50%)、通気性350cc/cm/s(通気性変化率75%)と、湿潤時に通気性が大きく向上した。
この黒染め丸編地の洗濯に対する染色堅牢度および耐光堅牢度は表1に示すとおりであり、染色堅牢度、耐光堅牢度共に実用レベルに充分耐えるものであった。
[比較例1]
実施例1において使用したカチオン染料可染性ポリエステルマルチフィラメント糸に代えてレギュラーのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/24フィラメント)を用いると共に、カチオン染料で染色する代わりに分散染料で染色する以外は実施例1と同様に行った。染色条件としては、精錬、プリセットした後、Dianix Black BG−FS(ダイスター(株)製分散染料)12%owfで芒硝3g/L、酢酸0.3g/Lを含む染浴中にて130℃で45分間染色後、ハイドロサルファイト2g/Lと水酸化ナトリウム2g/Lの還元洗浄を行った。
得られた黒染め丸編地の乾燥時と湿潤時の空隙率変化率および通気性変化率はそれぞれ43%および70%と満足できるものであったが、表1に示したとおり、洗濯に対する染色堅牢度が不良であった。
[実施例2]
実施例1において3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムの40重量%エチレングリコール溶液を用いない以外は実施例1と同様に行って吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維(35℃95%RHの飽和吸湿率25%、吸水伸長率が17%)を作製し、以下実施例1と同様にして黒染め丸編地を作製した。乾燥時と湿潤時の空隙率変化率、通気性変化率、洗濯に対する染色堅牢度および耐光堅牢度は表1に示すとおり実用に供しうるものであった。
[実施例3]
実施例1において使用したカチオン染料可染性ポリエステルマルチフィラメント糸に代えて3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウムを1.5モル%共重合したカチオン染料可染性ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/24フィラメント)を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果は表1に示すとおり良好であった。
[実施例4〜6]
実施例1〜3で得られた黒染め丸編地を用いて、被験者のサイズに合わせてTシャツを作製し、着用快適性、耐久性の評価を行ったところ、ムレ感、ベトツキが少なく非常に快適であり、かつ洗濯時の色落ちや汚染もなく耐久性も良好であった。
Figure 2005281908
本発明の繊維製品は、自己調節機能を有するだけでなく染色湿潤堅牢性や耐光堅牢性にも優れているため、特にスポーツ用途やインナー用途などの衣料用途において従来にない快適機能を発現できる。また、衣料用途のみならず、室内の環境湿度などを低く保つ効果にも優れるため、インテリア・寝具用途や自動車内装材用途、テントなどの産業資材用途においても極めて有用である。

Claims (5)

  1. イオン染料可染性繊維と35℃95%RHでの飽和吸湿率が5.0%以上である吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維とを含む繊維製品であって、該繊維製品は該イオン染料により染色加工処理されていることを特徴とする、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
  2. 吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性繊維である、請求項1記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
  3. 吸放湿性ポリエーテルエステル繊維が、下記一般式(I)で表される有機スルホン酸金属塩が共重合されたポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなる弾性繊維である、請求項1記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
    Figure 2005281908
    (式中、R1は芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基、X1はエステル形成性の官能基、X2はエステル形成性の官能基または水素原子、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、lは1または2である。)
  4. イオン染料可染性繊維が、カチオン染料可染性のポリエステル繊維および/またはアクリル繊維であり、且つイオン染料がカチオン染料である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
  5. イオン染料可染性繊維が、ナイロン繊維、羊毛繊維および絹繊維よりなる群から選ばれた少なくとも一種の繊維であり、且つイオン染料がアニオン染料である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を含む繊維製品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095229A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Teijin Fibers Ltd 繊維構造体およびその製造方法および衣料
JP2008274477A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Teijin Fibers Ltd ポリエーテルエステル弾性繊維の製造方法
JP2008274476A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Teijin Fibers Ltd 耐光性に優れたポリエーテルエステル弾性繊維

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