JP2005280778A - 合成樹脂製壜体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加圧吸収機能と減圧吸収機能が共に十分発揮され、加圧状態および減圧状態に至る大幅な圧力の変動に対応してスムーズに変形可能なパネル構造の創出を課題として、レトルト食品向けにも良好な外観を確保して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。
【解決手段】 胴部に内部圧力の変動を吸収するためのパネルを配設した丸型の壜体において、前記パネルのそれぞれを、陥没状の段部により周囲を囲んで形成し、平断面でみて膨出状反転可能な凹状部と、陥没状反転可能な凸状部を上下に隣接して構成し、壜体内部の加圧状態と減圧状態の両状態に対応可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は合成樹脂製壜体に関し、特に胴部に内部圧力の変動を吸収するための複数のパネルを配設した合成樹脂製壜体に関する。
従来、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料、お茶等の内容液のポリエチレンテレフタレート樹脂製壜体(以下PETボトルと記載)等の合成樹脂製壜体への充填方法として、所謂高温充填法と呼ばれる方法があり、90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するものであり、壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、上記のような高温充填を伴う用途については、胴部に意図的に減圧により陥没状の変形が容易な領域である、所謂減圧吸収パネルを形成して、減圧時にこの減圧吸収パネルを陥没状に変形させることにより、良好な外観を保持すると共に、減圧吸収パネル以外の部分で壜体としての剛性を確保して、壜体の搬送ライン、積重保管、自販機内等におけるトラブルがないようにしている。
たとえば特許文献1には減圧吸収パネルを有する壜体についての記載がある。図9にこの特許文献1の実施例で示される壜体を示すが、この壜体101は容量が500mlの丸形のPETボトルであり、口筒部102、肩部103、胴部104および底部105から形成され、壜体1の略中央高さ位置に環状溝部106が形成され、この環状溝部106の下方に6ケの減圧吸収パネル107が形成されている。この減圧吸収パネル107は、略平板状であり、壜体1内が減圧状態になった際には、容易に内側に陥没状に変形可能であるので、外観上において、壜体がいびつに変形した感じを与えることなく、すなわち目立たないように減圧状態を吸収(緩和)する機能(以下、減圧吸収機能と記す。)を発揮することができる。また壜体としての剛性は主として隣接する減圧吸収パネル107間に形成される柱部109が担う。
特開平10−58527号公報
また近年においては上記PETボトル等の合成樹脂製壜体が、レトルト処理を必要とする食品向けへも使用されるようになってきている。この場合、レトルト処理は食品を室温〜80℃程度の温度で壜体に充填、口筒部をキャップで密閉した状態で、レトルト釜内で加圧加熱水あるいは加熱蒸気を利用して、120〜130℃程度の温度、20分程度の時間の加熱殺菌が行なわれる。
前述したように、合成樹脂製壜体をレトルト食品向けに使用する場合には、壜体をキャップで密閉後、レトルト釜内で120〜130℃程度の温度で殺菌処理するので、ヘッドスペースの空気および内容物の膨張により壜体内の圧力(内圧)が上昇する。ここで、加圧加熱水を利用する場合には、熱水の圧力を調整して内圧とバランスさせることにより壜体の膨出状の変形を抑制することができるが、加熱蒸気を利用する場合にはその温度での飽和水蒸気圧近傍で熱処理する必要があり、壜体の内圧とバランスさせることはできない。
このため特には加熱蒸気を利用する場合には、レトルト処理中に薄肉な胴部は膨出状の変形状態となる。この際、処理温度がPET等の汎用樹脂ではガラス転移温度以上の高温であるので、この加圧状態を局部的な変形を起こすことなく吸収する機能(以下加圧吸収機能と記す。)が十分でないと、永久変形が発生し、常圧にしても元の形状に戻らず、いびつな外観を有する壜体製品となってしまう。
またさらに、レトルト処理を終了して製品を室温に戻すに際しては、内圧が減少、特に内容物を70〜80℃程度の温度で高温充填した場合には室温状態では減圧状態となるため、減圧吸収機能も併せて有した構成する必要がある。すなわち、良好な外観を確保しながら、加圧状態および減圧状態に対応した吸収機能を十分に発揮できると共に、加圧状態そして減圧状態に至る大きな圧力の変動に対応してスムーズに変形が起こるような構造が要求される。
そこで、本発明は上記した問題点を解消すべく創案されたもので、加圧吸収機能と減圧吸収機能が共に十分発揮され、加圧状態および減圧状態に至る大幅な圧力の変動に対応してスムーズに変形可能なパネル構造の創出を課題として、レトルト食品向けにも良好な外観を確保して使用できる合成樹脂製壜体の提供を目的とする。
上記技術的課題を解決する請求項1記載の発明の手段は、
胴部に内部圧力の変動を吸収するためのパネルを配設した丸型の壜体において、
パネルのそれぞれを、陥没状の段部により周囲を囲んで形成し、平断面でみて膨出状反転変形可能な凹状部と、陥没状反転変形可能な凸状部を上下に隣接して構成して、壜体内部の加圧状態と減圧状態の両状態に対応可能としたこと、にある。
一般的にPETボトル等においては、胴部の円筒状の筒壁に内部圧力の変動を吸収する等のためにパネルを形成した場合も含めて丸型壜体と称するが、上記請求項1の構成においてもこれらパネルを形成した形状も含めて丸型壜体とする。
請求項1記載の上記構成の基本的な技術思想は、第1に陥没状の段部により周囲を囲んで形成されたパネルを構成する凹状部と凸状部のうち、凹状部を膨出状の反転変形可能に形成して、この凹状部に加圧吸収機能を、そして凸状部を陥没状の反転変形可能に形成して、この凸状部に減圧吸収機能をそれぞれ分担させて発揮させることにある。
そして第2に、この両部を上下に隣接して配置することにより、内圧により凹状部が膨出状に反転変形する際には、凸状部の膨出状の変形が凹状部との境界線を介してこの凹状部の膨出状の反転変形の開始の起点となるように、逆に減圧により凸状部が陥没状に反転変形する際には、凹状部の陥没状の変形が境界を介してこの凸部の陥没状の反転変形の開始の起点となるようにして、いずれの方向にも反転変形がスムーズに進行するように構成したこと、にある。
すなわち、まず加圧状態におけるパネル壁の変形についてみると、凹状部が膨出状に反転変形した場合には壜体の内容積を大きく増加させることができ、加圧吸収機能を十分発揮させることができる。しかし、一般的には反転による体積増加を大きくすると、特に反転の基点においての変形の開始が困難になり、局部的にいびつな変形が発生してしまう。
一方凸状部の加圧吸収機能は低いが、加圧の初期状態から壁面に外側方向に押し広げ状に力が作用するので、この力が、境界線を介して凸状部に隣接する凹状部にも作用して、凹状部の反転変形を開始する起点になる。そして膨出状の反転変形をこの界線近傍の起点部分から凹状部全領域にスムーズに進行させることができる。
次に、減圧状態におけるパネル壁の変形についてみると、凸状部が陥没状に反転した場合には壜体の内容積を大きく減少させることができ、減圧吸収機能を十分発揮させることができる。
一方凹状部の減圧吸収機能は低いが、減圧の初期状態から壁面に内側方向に押し込む力が作用するので、この力が、境界線を介して凹状部に隣接する凸状部にも作用して、凸状部の反転変形を開始する起点となる。そして陥没状の反転変形をこの界線近傍の起点から凸状部全領域にスムーズに進行させることができる。
また、パネルが凸状部のみで構成される場合には、凸状部に外圧が作用して、陥没変形が開始すると隣接する凸状部との間に互いに押し付けるような力が作用し、一部の凸状部の陥没変形が阻害されるという問題があるが、隣接する凹状部間では逆に互いに引っ張るような力が作用するので、この作用が境界線近傍の凸状部に作用して、すべての凸状部においてスムーズに陥没反転変形を発生させることができる。
以上説明したように、請求項1記載の構成により、上下に凹状部と凸状部を隣接してパネルを構成することにより、加圧状態における凹状部の膨出状の反転変形を凸状部の作用で、そして減圧状態における凸状部の陥没状の反転変形を凹状部の作用でスムーズに達成することができると共に、両反転変形により十分な加圧および減圧吸収機能を発揮せしめることができる。
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、陥没状の段部に沿って反転部を形成し、この反転ラインを基端としてパネルを形成すること、にある。
請求項2記載の上記構成により、段部に沿ってV字あるいはU字状の反転部を形成しておくことにより、加圧の進行あるいは減圧の進行における凹状部および凸状部の反転変形、あるいはこの反転変形の戻り変形をよりスムーズに進行させることができる。
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、パネルの左右中央位置に、凹状に縦方向のセンターラインを形成しすること、にある。
請求項3記載の上記構成により、特に減圧時の変形において、この凹状のセンターライン形成部分により陥没状の変形をよりスムーズに達成することが可能となる。
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、凹状部の面積をパネル面積に対して50%以上となるようにして、加熱蒸気によるレトルト処理を可能としたこと、にある。
請求項4記載の上記構成により、レトルト処理では120〜130℃の高温状態で殺菌処理をすること、また特には加熱蒸気を利用する場合には、外圧の調整により薄肉な胴部の膨出状の変形を抑えることができないが、凹状部の面積をパネル面積に対して50%以上となるようにすることにより、加圧吸収機能が十分に発揮さるので、熱蒸気を利用してレトルト処理する用途においても十分使用可能な壜体を提供することができる。
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明において、PET系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であること、にある。
請求項5記載の上記構成により、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体はレトルト処理温度に対応する耐熱性を有するものとすることができるので、本願発明のパネルを胴部に配設し、レトルト処理等の高温での取り扱いが必要な用途にも幅広く使用できる。
なお、本発明に使用するポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、主としてPETが使用されるが、PET樹脂の本質が損なわれない限り、エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルも使用できると共に、たとえば耐熱性を向上させるためにナイロン系樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂等の樹脂をブレンドして使用することもできる。共重合ポリエステル形成用の成分としては、たとえばイソフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
さらには、本発明のPET系樹脂製壜体は、PET樹脂製壜体としての本質が損なわれない限り、たとえば耐熱性、ガスバリア性の向上のためにPET樹脂/ナイロン樹脂/PET樹脂のようにナイロン樹脂等の中間層を有したものであっても良い。
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、上下に凹状部と凸状部を隣接してパネルを構成することにより、加圧状態における凹状部の膨出状の反転変形を凸状部の作用で、そして減圧状態における凸状部の陥没状の反転変形を凹状部の作用でスムーズに達成することができると共に、両反転変形により十分な加圧および減圧吸収機能を発揮せしめることができる。
請求項2記載の発明にあっては、段部に沿って反転部を形成しておくことにより、加圧の進行あるいは減圧の進行における凹状部および凸状部の反転変形、あるいはこの反転変形の戻り変形をよりスムーズに進行させることができる。
請求項3記載の発明にあっては、特に減圧時の変形において、凹状のセンターライン形成部分により、陥没状の変形をよりスムーズに達成することができる。
請求項4記載の発明にあっては、凹状部の面積をパネル面積に対して50%以上となるようにすることにより、加圧吸収機能が十分に発揮されるので、熱蒸気を利用してレトルト処理する用途においても十分使用可能な壜体を提供することができる。
請求項5記載の発明にあっては、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体をレトルト処理等の高温での取り扱いが必要な用途にも幅広く使用できる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図7は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものである。図1は壜体1の正面図、そして図2は図1中のA−A線およびB−B線に沿っての平断面外輪郭線図である。この壜体1はPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、肩部3、胴部4、底部5を有し、300ml用の小型の丸型ボトルである。また、口筒部2は熱結晶化処理により白化した状態であり、さらに底部5は陥没状に形成されている。なお図2(a)、(b)中の2点鎖線は胴部4の平断面外輪郭線が内接する円形を示す。
また、上下に二本の周段部6を有し、この周段部6の間にそれぞの周囲を陥没状に形成された段部10で周囲を囲って、6ケのパネル7が形成されている。なお本実施例では、温度変化による加圧状態あるいは減圧状態の影響が厳しく現れる比較的小型(300ml用)の壜体を用いた。
パネル7は全体として縦長の長方形状であり、そして隣接するパネル7の間には、陥没せずに残された状態で縦リブ状の柱部9が形成されており、主としてこの軸対称に配置された6本の柱部9により、壜体1全体としての剛性が確保される。
図3(a)は図1中のパネル7を拡大した正面図であり、図3(b)はパネル7の左右中央で縦断して観た縦断面外輪郭線図を示したものである。段差10によりその周囲を囲まれた状態のパネル7は上方に位置する凹状部7aと、下方に位置する凸状部7bから構成され、この凹状部7aと凸状部7bの境界には境界線11が形成されている。またパネル7の全高さ範囲に亘り左右中央位置には縦方向に凹状にセンターライン12が、またこのセンターライン12を挟んで左右対称の位置に一対のサイドライン13が形成されている。なお凹状部7aの面積はパネル7全体の略65%としている。なお、図3(b)中の2点鎖線は図2(a)、(b)中の2点鎖線で示した円形に相当する外輪郭線である。
図4(a)は図3(a)中のC―C線に沿っての平断面外輪郭線形状であり、左右対称に形成された凹状部7aの平断面形状を示すものである。この凹状部7aは柱部9から段部10を介して陥没した位置に配置される反転ライン14を左右基端として凹状に形成されており、中央にはセンターライン12に沿って浅いV字状の縦溝8が形成され、またセンターライン12と反転ライン14の間にはサイドライン13が形成されている。
また、図4(b)は図3(a)中のD―Dに線沿っての平断面外輪郭線形状であり、左右対称に形成された凸状部7bの平断面形状を示すものである。この凸状部7bは柱部9から段部10を介して陥没した位置に配置される反転ライン14を左右基端として凸状に形成されており、中央にはセンターライン12、またセンターライン12と反転ライン14の間にはサイドライン13が形成されている。
図5は、壜体1内部が常圧から加圧状態へ変化する際におけるパネル7壁の変形状態を示す説明図であり、図5(a)、(b)はそれぞれ図4(a)、(b)の部分に相当し、図5(a)中には凹状部7aの膨出反転変形状態15aを、そして図5(b)中には凸状部7bの膨出変形状態15bをそれぞれ2点鎖線で示す。
加圧状態になると凹状部7aに内圧が作用して(図5(a)中の白抜き矢印参照)膨出反転変形状態15aに変形させようとするが、同時に反転ライン14をパネル7外方に押し広げようとする力(図5(a)中の黒矢印参照)が働くため、柱部9が変形を阻害する。一方凸状部7bにも内圧が作用するが(図5(b)中の白抜き矢印参照)、その形状が凸状であるので反転ライン14はパネル7中心方向に引っ張られ(図5(b)中の黒矢印参照)、柱部9による変形の阻害がなく、この凸状部7bは容易に膨出変形状態15bへと変形する。
このようにして凸状部7bが膨出変形状態15bへと変形することにより、この変形が境界線11を介して隣接する凹状部7a部分に作用し、左右反転ライン14を基端とする膨出反転変形がはじまり、順次上方に進行し、最終的には凹状部7aの全領域に亘って膨出反転変形状態15aとなり、加圧吸収機能が十分、かつ局所的ないびつな変形もなくスムーズに発揮される。
ここで、段部10によってパネル7を囲んだ形状としているので、膨出状の変形はパネル7の領域に限定されたものとなり、パネル7以外の部分が局部的に変形して永久変形することを防止している。
図6は、壜体1内部が常圧から減圧状態へ変化する際におけるパネル7壁の変形状態を示す説明図であり、図6(a)、(b)はそれぞれ図4(a)、(b)の部分に相当する。レトルト処理のような場合には処理後の冷却(あるいは放冷)により壜体内部は、加圧状態から常圧へ戻り、上記膨出状の変形が元の形状に戻るが、たとえば内容物を70〜80℃程度の高温で充填した場合には、冷却が進行すると減圧状態となる。
減圧の程度が大きくなると、凸状部7bに外圧が作用して(図6(b)中の白抜き矢印参照)陥没反転変形状態16bに変形させようとするが、同時に反転ライン14をパネル7外方に押し広げようとする力(図6(b)中の黒矢印参照)が働くため、柱部9が変形を阻害する。一方凹状部7aにも外圧が作用するが(図6(a)中の白抜き矢印参照)、その形状が凹状であるので反転ライン14はパネル7中心方向に引っ張られ(図6(a)中の黒矢印参照)、柱部9による変形の阻害がなく、この凹状部7aは容易に陥没変形状態16aへと変形する。
このようにして凹状部7aが陥没変形状態16aへと変形することにより、この変形が境界線11を介して隣接する凸状部7b部分に作用し、左右反転ライン14を基端とする陥没反転変形がはじまり、順次下方に進行し、最終的には凸状部7bの全領域に亘って陥没反転変形状態16bとなり、減圧吸収機能が十分、かつ局所的ないびつな変形もなくスムーズに発揮される。
なお図7は図3(b)と同様の縦断面外輪郭線図において、加圧および減圧状態におけるパネル7(凹状部7a、凸状部7b)の変形態様を示す説明図である。図7(a)に加圧状態における変形態様(凹部7aの膨出反転変形状態15aと凸部7bの膨出変形状態15b)を2点鎖線で示し、図7(b)には減圧状態における変形態様(凹部7aの陥没変形状態16aと凸部7bの陥没反転変形状態16b)を2点鎖線で示す。
以上説明したように、本実施例の壜体1では上下に凹状部7aと凸状部7bを隣接してパネル7を構成することにより、加圧状態における凹状部7aの膨出状の反転変形を凸状部7bの作用で、そして減圧状態における凸状部7bの陥没状の反転変形を凹状部7aの作用でスムーズに達成することができると共に、両反転変形により十分な加圧および減圧吸収機能を発揮せしめることができる。
なお、パネル7における凹状部7aと凸状部7bの配置は本実施例に限定されるものではなく、本発明の作用効果は、上下に両部分を隣接させるような配置により一般的に発揮されるものである。たとえば本実施例において凸状部7bを上方にそして凹状部7aを下方に配置することもできる。また図8にパネル7の他の実施例を示すが、たとえばこのように凹状部7aの上下に凸状部7bを隣接配置することもでき、壜体1の剛性、外観等そして、使用態様における加圧あるいは減圧の程度を考慮して、各部分の割合、そしてその配置をきめることができる。
また、壜体の形状についても本実施例に限定されるものではなく、また合成樹脂の種類もPET系樹脂に限定されるものではない。
本発明の合成樹脂製壜体は蒸気加熱式のレトルト処理にも使用できるものであり幅広い用途への展開が期待できる。
本発明の合成樹脂製壜体の実施例を示す全体正面図である。 図1の壜体の(a)A−A線沿っての平断面図、および(b)B−B線に沿っての平断面図である。 図1の壜体のパネル近傍を示す(a)正面図、および(b)縦断面図である。 図3のパネル近傍の(a)C−C線に沿っての平断面図、および(b)D−D線に沿っての平断面図である。 図4と同様の平断面において、加圧状態におけるパネルの膨出変形態様を示す説明図である。 図4と同様の平断面において、減圧状態におけるパネルの陥没変形態様を示す説明図である。 図3(b)と同様の縦断面において、(a)膨出状態および(b)陥没状態におけるパネルの変形態様を示す説明図である。 パネルの他の実施例を図3同様に示す(a)正面図、および(b)縦断面図である。 壜体の従来例を示す全体正面図である。
符号の説明
1 ;壜体
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
6 ;周段部
7 ;パネル
7a;凹状部
7b;凸状部
8 ;縦溝
9 ;柱部
10;段部
11;境界線
12;センターライン
13;サイドライン
14;反転ライン
15a;膨出反転変形状態
15b;膨出変形状態
16a;陥没変形変形
16b;陥没状反転変形状態
101;壜体
102;口筒部
103;肩部
104;胴部
105;底部
106;環状溝部
107;減圧吸収パネル
109;柱部

Claims (5)

  1. 胴部(4)に内部圧力の変動を吸収するためのパネル(7)を配設した丸型の壜体(1)において、前記パネル(7)のそれぞれを、陥没状の段部(10)により周囲を囲んで形成し、平断面でみて膨出状反転変形可能な凹状部(7a)と、陥没状反転変形可能な凸状部(7b)を上下に隣接して構成し、壜体(1)内部の加圧状態と減圧状態の両状態に対応可能とした合成樹脂製壜体。
  2. 陥没状の段部(10)に沿って反転ライン(14)を形成し、該反転ライン(14)を基端としてパネル(7)を形成した請求項1記載の合成樹脂製壜体。
  3. パネル(7)の左右中央位置に、凹状に縦方向のセンターライン(12)を形成した請求項1または2記載の合成樹脂壜体。
  4. 凹状部(7a)の面積をパネル(7)面積に対して50%以上となるようにし、加熱蒸気によるレトルト処理を可能とした請求項1、2または3記載の合成樹脂壜体。
  5. ポリエチレンテレフタレート系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の合成樹脂壜体。
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