JP2005280610A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 操縦安定性と耐久性とをバランス良く向上する。
【解決手段】 本体部6aと折返し部6bとを有する少なくとも1枚のカーカスプライを有するカーカス6及び本体部6aと折返し部6bとの間に配されかつビードコア5の外面からのびるビードエーペックス8を具えた空気入りタイヤ1である。ビードエーペックスは、基部9と、この基部9に連なって本体部6aに接してタイヤ半径方向外側にのびかつ厚さがカーカスコードの線径の1.0〜2.0倍であるシート状部10と、タイヤ軸方向の内側面が基部9及びシート状部10の各タイヤ軸方向の外側面に接ししかもシート状部10の外端をタイヤ半径方向外側に超える外側部11とからなる。基部9はゴム硬さHd1が70〜90゜、シート状部10はゴム硬さHd2が80〜100゜及び外側部11はゴム硬さHd3が50〜80゜のゴム材でそれぞれ構成される。各ゴム硬さHd1、Hd2及びHd3が、Hd2>Hd1>Hd3の関係を満たす。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操縦安定性と耐久性とをバランス良く向上しうる空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、例えば過負荷や内圧が低下した低内圧状態では、ビード部が大きく屈曲しその歪によってカーカスコードとその周囲ゴムとが剥離しやすい。このような損傷を防止するために、例えば図3に示されるように、ビード部aに配されているビードエーペックスbの大型化やカーカスプライcの折返し部c1の外側にビード補強層fを設けること等が行われ、ビード部aの歪を低減することが一般に行われている。しかしながら、上述のような補強構造は、ビードエーペックスbと補強コード層fとの各外端の近傍において剛性の変化が大きくなりやすく、この部分に歪が集中するという欠点がある。
また、図4に示されるように、ビードエーペックスbを、そのタイヤ半径方向内側に配された硬質のゴムbiと、その外側に配された軟質のゴムboとを用いて形成することにより、耐久性と操縦安定性とをバランスさせる技術が例えば下記特許文献1ないし2で提案されている。しかしながら、このものは耐久性と操縦安定性との妥協点を見出すものに過ぎず、いまだ十分な効果を得るには至っていない。また、このようなビードエーペックス構造は、操縦安定性をチューニングする場合、硬質のゴムbi及び/又は軟質のゴムboの比率やプロファイル形状の変更が必要となるため、その調整が難しい。
特開昭60−47706号公報 特開昭60−53406号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ビードエーペックスを、基部とシート状補強部と外側部とを含んで形成するとともに、各ゴムの硬さを限定することにより、操縦安定性と耐久性とをバランス良く向上ししかも操縦安定性などのチューニングも容易に行うことが可能な空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部に連なりビードコアの周りで折り返された折返し部とを有する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス、及び前記本体部と折返し部との間に配されかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスを具えた空気入りタイヤであって、前記ビードエーペックスは、前記ビードコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびかつタイヤ軸方向の内側面が前記本体部に接する基部と、この基部のタイヤ半径方向の外端に連なりかつ前記本体部に接してタイヤ半径方向外側にのびしかも厚さがカーカスコードの線径の1.0〜2.0倍であるシート状部と、タイヤ軸方向の内側面が前記基部及びシート状部の各タイヤ軸方向の外側面に接してのびかつ前記シート状部の外端をタイヤ半径方向外側に超えてのびる外側部とからなるとともに、前記基部はゴム硬さHd1が70〜90゜、前記シート状部はゴム硬さHd2が80〜100゜及び前記外側部はゴム硬さHd3が50〜80゜のゴム材でそれぞれ構成されるとともに、各ゴム硬さHd1、Hd2及びHd3が、Hd2>Hd1>Hd3の関係を満たすことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記基部の高さh1が、リムのフランジ高さhfの1.0〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記外側部の高さh3が、リムのフランジ高さhfの2.5〜3.5倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記シート状部は、そのタイヤ半径方向の長さLがリムのフランジ高さhfの0.5倍以上であり、かつ、該シート状部の外端は前記外側部の外端よりも10mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記ビード部は、前記折返し部のタイヤ軸方向外側に、タイヤ半径方向の内端が前記ビードコアの近傍に位置し、かつ、外端の高さが前記正規状態におけるリムのフランジ高さhfの2.0〜3.0倍であるビード補強層が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、ビードエーペックスを基部、シート状部及び外側部という3つのゴム材で構成し、かつ、そのゴム硬さを適切に限定したことによって、ビード部の外端での歪の集中を防止し耐久性を向上しうる。また基部とシート状部にJISA硬さの大きなゴム材を用いたことによって、カーカス本体部近傍の曲げ剛性を高め耐久性と操縦安定性とを向上できる。さらに本発明の空気入りタイヤは、厚さが小さいシート状部のタイヤ半径方向の長さを調整することで、操縦安定性のチューニングが簡単に行えるという利点がある。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態におけるタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面図、図2にはそのビード部4の部分拡大図がそれぞれ示されている。ここで「正規状態」とは、タイヤの姿勢を一義的に定めるもので、正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態とし、以下、特に言及しない場合にはタイヤの各部の寸法等はこの正規状態で測定された値とする。
また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るラジアル構造のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8とを具えた小型トラック用のものが例示されている。
前記カーカス6は、図2に部分的に示されるように、例えば第1、第2及び第3のカーカスプライ6A、6B及び6Cの3枚で構成されたものが例示される。前記第1、第2のカーカスプライ6A、6Bは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコアに至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の周りで折り返された折返し部6bとを有するいわゆる折返しプライで構成される。また第3のカーカスプライ6Cは、第2のカーカスプライ6Bの外側に配され、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコアに至る本体部6aのみで形成されたいわゆる巻き下げプライで構成される。
第1ないし第2のカーカスプライ6A、6Bの折返し部6bは、例えばタイヤ最大幅となる最大幅位置Mをタイヤ半径方向外側に超えた位置まで折り返すことができる。これにより、折返し部6bは、ビード部4だけではなくサイドウォール部3の曲げ剛性をも効果的に高めることができる。また各カーカスプライ6A、6B及び6Cは、平行に配列されたカーカスコードをトッピングゴムにて被覆して形成され、カーカスコードにはナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維のほかスチールコードなどが用いられる。カーカスコードは、本実施形態では、タイヤ赤道Cに対して80〜90度、より好ましくは85〜90度の角度で傾けて配列されている。
前記ベルト層7は、本例ではスチールからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜程度で傾けて配列した2枚のベルトプライ7A、7Bから構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差するように重ね合わされる。これにより、ベルト層7は、カーカス6を強くタガ締めしてトレッド部2の剛性を高める。またベルトコードは、スチール材料以外にも、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用い得る。
前記ビードエーペックス8は、カーカスプライ6A、6Bの本体部6aと折返し部6bとの間に配されており、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる基部9と、この基部9の外端9Tに連なりタイヤ半径方向外側にのびるシート状部10と、基部9及びシート状部10のタイヤ軸方向外側に配された外側部11とで構成されている。
前記基部9は、そのタイヤ半径方向の内面9iがビードコア5の外面5oの実質的全域に接して配され、この部分で最も大きい厚さを持つ。また基部9は、内面9iからタイヤ半径方向外側に向かって徐々に厚さが漸減する先細状の断面略三角形状で形成されている。基部9のタイヤ軸方向の内側面9aは、カーカスプライ6Bの本体部6aに接しかつこれに沿ってのびている。また基部9のタイヤ軸方向の外側面9bは、この例ではほぼタイヤ半径方向にのびており、カーカスプライ6Bの折返し部6bとは離間している。
前記シート状部10は、基部9のタイヤ半径方向の外端9Tに連なりかつこの外端9Tからカーカスプライ6Bの本体部6aに接してタイヤ半径方向外側にのびている。また本実施形態のシート状部10は、実質的に一定の厚さtで形成されたシート状のものが例示される。シート状部9の厚さtは、カーカスプライ6Aないし6Cに用いられているカーカスコードの線径d(線径がプライによって異なる場合には、シート状部9と接しているカーカスプライのカーカスコードとする。)の1.0〜2.0倍に設定される。この理由については後で述べる。
前記外側部11は、そのタイヤ軸方向の内側面11aが前記基部9の外側面9b及びシート状部10のタイヤ軸方向の外側面10bにそれぞれ接してのびている。外側部11は、その中央部から、タイヤ半径方向の内端11i及び外端11Tに向かってそれぞれ先細状でのびている。この例では、外側部11は前記基部9と折返し部6bとの間を通ってビードコア5に至る内端11iを持っている。また外側部11の外端11Tは、シート状部10の外端10Tをタイヤ半径方向外側に超えて終端している。従って、外側部の外端11Tはビードエーペックス8の外端8Tを構成している。また外側部11は、前記外端11Tからシート状部10の外端10Tまでの間では本体部6aに接することになる。
前記各ゴム部9,10及び11の硬さは、それぞれ次の通りに定められる。
先ず基部9はゴム硬さHd1が70゜以上、より好ましくは80゜以上であり、上限は90゜以下に設定される。またシート状部10のゴム硬さHd2は80゜以上、より好ましくは90゜以上であり、上限は100゜以下であるのが望ましい。さらに外側部11のゴム硬さHd3は50゜以上であり、上限は80゜以下、より好ましくは65゜以下に設定される。各ゴムの硬さは、JISデュロメータタイプAの硬度である。さらに、前記各ゴム硬さHd1、Hd2及びHd3は、
Hd2>Hd1>Hd3
の関係を満たすように関連づけられている。
本発明の空気入りタイヤ1では、カーカスプライの本体部6aに接する基部9及びシート状部10の各ゴム硬さHd1及びHd2を、外側部11のゴム硬さHd3に比して相対的に高めている。ゴム硬さの大きい基部9とシート状部10とが一体に結合することで、タイヤの負荷走行時、ビード部4のカーカスプライの本体部6aの曲げ変形量を低減することができる。これにより、本体部6aのカーカスコードとゴムとの界面に作用するせん断歪を低減しまたビード部4の発熱を減じてゴムとコードとの剥離等の損傷が抑制される。
ここで、基部9のゴム硬さHd1が70゜未満であると、ビード部4の基本的な曲げ剛性が確保できず、荷重負荷走行時のビード部4の曲げ変形量が増大してカーカスコードのゴム剥離等が生じやすくなる。逆に基部9のゴム硬さHd1が90゜を超えると、ビードコア5の付近の剛性が過度に高められてしまいリム組性を著しく損ねる傾向があり好ましくない。またシート状部10は、基部9よりもタイヤ半径方向外側に配されてるため、リムJのフランジJfと接離を繰り返す歪の大きなビード領域に接近しやすい。本発明の空気入りタイヤ1は、シート状部10のゴム硬さHd2を基部9のそれよりも大きくし、ビード部4の歪の低減が図られる。このような観点より、シート状部10のゴム硬さHd2は上で述べたとおり80〜100゜の範囲にて定められる。
特に限定されるものではないが、基部9のゴム硬さHd1とシート状部10のゴム硬さHd2との差(Hd2ーHd1)は1〜20゜、より好ましくは5〜10゜であるのが望ましい。これにより、基部9とシート状部10との接合界面において大きな剛性変化を防止し、この部分に歪が集中して損傷の起点になるのをより効果的に防止することができる。
またシート状部10の厚さtは、カーカスコードの線径dの1.0〜2.0倍に設定される。前記厚さtがカーカコードの線径dの1.0倍未満の場合、ビードエーペックス8の曲げ剛性が不足してしまい、逆に2.0倍を超える場合、シート状部10の剛性が過度に高められる結果、その外端10Tないしその近傍を起点とした損傷が発生しやすくなる。またシート状部10の厚さtをカーカスコードの線径dに関連付けて限定することにより、タイヤサイズないしカテゴリー等に応じてビードエーペックス8の適切な曲げ強度を確保しうる。この実施形態において、シート状部10は実質的に一定の厚さで形成されたものが例示されるが、前記厚さの範囲内では適宜変化するものでも良い。またシート状部10のタイヤ半径方向の外端ないし内端は、先細状として歪の集中を防止することが望ましい。
またビード部4のリムJのフランジJfと隣接した領域に確実に基部9を位置させるとともに、該フランジJfよりもタイヤ半径方向の外側の部分にシート状部10を位置させるために、前記正規状態において、ビードベースラインBLから基部9の外端9Tまでのタイヤ半径方向の高さh1を、ビードベースラインBLからリムJのフランジJfの外端までの高さhfの1.0〜2.0倍、より好ましくは1.5〜2.0倍とするのが望ましい。
また正規状態において、シート状部10のタイヤ半径方向の長さLは、前記フランジ高さhfの0.5倍以上、より好ましくは1.0倍以上とするのが望ましい。前記長さLが小さすぎると、ビードエーペックス8の曲げ剛性が不足する傾向がありビード部4の歪量が増加しやすいためである。他方、シート状部10のタイヤ半径方向の長さLが大きすぎると、その外端10Tが外側部11の外端11Tに接近し、歪の集中箇所を形成しやすくなる。このような観点より、シート状部10の外端10Tは、外側部11の外端11Tよりも5mm以上、より好ましくは10mm以上タイヤ半径方向内側に位置させるのが望ましい。
またシート状部10は、カレンダー等にて押し出された一定厚さのゴムシート片を所定幅に切断して用いることができる。このため、シート状部10は前記長さLを容易に変えることができる。操縦安定性のチューニングを行う場合、基部9や外側部11といった所定のプロファイル形状を持つゴム部材を変更することなしにシート状部10の長さLを違えるだけで簡単に行うことができる点で好ましい。
また外側部11は、基部9及びシート状部10に比してゴム硬さを相対的に小さく設定し、かつ、シート状部10の外端10Tを超える外端11Tを有する結果、従来、生じがちであったビードエーペックス8の外端部付近での著しい剛性変化を防止できる。従って、ビードエーペックス8の外端8Tないしその近傍において歪の集中を緩和しこの部分が損傷の起点となる防止できる。なお外側部11のゴム硬さHd3が50゜未満の場合、ビードエーペックス8の外端8Tないしその近傍での剛性が著しく低下して操縦安定性が悪化する傾向があり、逆に80゜を超えると上述の歪の集中を防止する作用を得ることができない。
また特に限定されるわけではないが、前記正規状態において、ビードベースラインBLから外側部11のタイヤ半径方向の外端11Tまでの高さh3は、リムJのフランジ高さhfの2.5〜3.5倍、より好ましくは3.0〜3.5倍であるのが望ましい。外側部11の高さh3(これは、ビードエーペックス8の高さでもある。)が、フランジ高さhfの2.5倍未満であると、ビードエーペックス8の全体の高さが小さくなるため操縦安定性が悪化する傾向があり、逆に3.5倍を超えると外側部11の外端11Tが負荷走行時に屈曲の激しい最大幅位置Mに接近するため、耐久性を損ねやすくなる。
また本実施形態の空気入りタイヤ1は、ビード部4に、ビード補強層12が設けられている。該ビード補強層12は、1ないし複数枚、この実施形態では1枚の補強プライ12Aで構成されたものが例示される。補強プライ12Aは、配列された複数本の補強コードをトッピングゴムで被覆したプライで構成され、補強コードには、例えばナイロン、レーヨン、アラミド、ポリエステル等の有機繊維コード又はスチールコードが用いられる。また補強コードは、ラジアル方向(タイヤ回転軸を含む子午線断面の切り口の方向とする)に対して例えば10〜60゜、より好ましくは20〜40゜のコード角度を有し、カーカス6及びビードエーペックス8とともにビード部4の曲げ剛性を高める。
本実施形態のビード補強層12は、そのタイヤ半径方向の内端12iがビードコア5の近傍に設けられている。これにより、ビード補強層12の内端12iは、リムJのフランジJfとビードコア5の間で強く狭持されかつ歪の少ない領域に配される結果、損傷の起点となるのを防止できる。またビードベースラインBLからビード補強層12の外端12oまでのタイヤ半径方向の高さh2は、前記フランジ高さhfの2.0〜3.0倍、より好ましくは2.5〜3.0倍に設定されるのが望ましい。このようなビード補強層12は、ビードコア5からその外端12oに至るビードエーペックス8の主要部を効果的に補強して、ビード部4の曲げ剛性をさらに高めるのに役立つ。特に好ましい態様としては、ビード補強層12の外端12oと外側部11の外端11Tとを、タイヤ半径方向に10mm以上隔てるのが望ましい。なおビード補強層12のタイヤ軸方向外側には、ゴム硬さが60〜80゜の硬質のゴムからなるクリンチゴム13が配置され、リムとの耐摩擦性能が維持される。
以上本発明の実施形態について説明したが、カーカス6は、いわゆる2−1構造(2枚の折返しプライと1枚の巻き下げプライとからなる構造)のものが例示されているが、これに限定されるものではなく、例えば1枚のカーカスプライで構成することもできる。また前記実施形態では、小型トラック用のタイヤを例にあげて説明したが、本発明は、乗用車用タイヤや重荷重用タイヤにおいても適用することができ、とりわけ偏平率が75%以下のタイヤに好適である。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づいてサイズ225/70R16の小型トラック用のラジアルタイヤを試作した。そして、その操縦安定性と耐久性能とをテストした。また比較のために、図3の構造を有するタイヤ(比較例1)、図4の構造を有するタイヤ(比較例2)および図2と近似した構成を有するが本発明外のタイヤ(比較例3〜)についても合わせて試作し、性能を比較した。テスト方法は、次の通りである。
<操縦安定性>
各供試タイヤをリム(16×6.0K)のリムにリム組みしかつ正規内圧を充填した状態でライトトラックの6輪全輪に装着してテストコースを走行し、ドライバーの官能により操縦安定性を評価した。走行条件は、ドライバー1名乗車とし、車両総荷重を40.0kNとした。また評価は、比較例1を6.0とした10点法であり、数値が大きいほど良好である。
<耐久性能>
各供試タイヤをリム(16×6.0K)にリム組みしてJATMA規格の最大空気圧(600kPa)を充填するとともに、JATMA規格の最大負荷荷重の200%(25.7kN)に相当する縦荷重を負荷し、ドラム試験器のドラム上を速度20km/Hで400時間走行させた。そして、走行後のタイヤを解体し、ビード部のカーカスコードの剥離や破断等の損傷状況を調べた。テストの結果等は表1に示される。
Figure 2005280610
Figure 2005280610
Figure 2005280610
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて操縦安定性と耐久性能とを高い次元で両立していることが確認できる。
本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの断面図である。 そのビード部を拡大して示す部分断面図である。 従来のビード部を拡大して示す部分断面図である。 従来のビード部を拡大して示す部分断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
9 基部
10 シート状部
11 外側部
12 ビード補強層

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部に連なりビードコアの周りで折り返された折返し部とを有する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス、
    及び前記本体部と折返し部との間に配されかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ビードエーペックスは、前記ビードコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびかつタイヤ軸方向の内側面が前記本体部に接する基部と、
    この基部のタイヤ半径方向の外端に連なりかつ前記本体部に接してタイヤ半径方向外側にのびしかも厚さがカーカスコードの線径の1.0〜2.0倍であるシート状部と、
    タイヤ軸方向の内側面が前記基部及びシート状部の各タイヤ軸方向の外側面に接してのびかつ前記シート状部の外端をタイヤ半径方向外側に超えてのびる外側部とからなるとともに、
    前記基部はゴム硬さHd1が70〜90゜、前記シート状部はゴム硬さHd2が80〜100゜及び前記外側部はゴム硬さHd3が50〜80゜のゴム材でそれぞれ構成されるとともに、各ゴム硬さHd1、Hd2及びHd3が、
    Hd2>Hd1>Hd3
    の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記基部の高さh1が、リムのフランジ高さhfの1.0〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記外側部の高さh3が、リムのフランジ高さhfの2.5〜3.5倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態において、前記シート状部は、そのタイヤ半径方向の長さLがリムのフランジ高さhfの0.5倍以上であり、かつ、該シート状部の外端は前記外側部の外端よりも10mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ビード部は、前記折返し部のタイヤ軸方向外側に、タイヤ半径方向の内端が前記ビードコアの近傍に位置し、かつ、外端の高さが前記正規状態におけるリムのフランジ高さhfの2.0〜3.0倍であるビード補強層が設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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