JP2005280260A - タイヤ加硫用ブラダー - Google Patents
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Abstract
【課題】 被覆層自体の耐久強度を高めうるなど被覆効果を長期化でき、加硫用ブラダーの使用寿命を延命化し、加硫成形工程の作業効率向上を図る。
【解決手段】 ゴム状弾性体からなり膨張しうるブラダー本体2と、その外表面So又は内表面Siに配される被覆層3とを具える。該被覆層3は、スリット状の区画溝7により六角形に区切られた島部8からなるハニカム構造をなし、島部8の六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mm、かつ厚さDを1μm〜100μm、かつ前記区画溝7の巾Waを300μm以下とした。
【選択図】 図3
【解決手段】 ゴム状弾性体からなり膨張しうるブラダー本体2と、その外表面So又は内表面Siに配される被覆層3とを具える。該被覆層3は、スリット状の区画溝7により六角形に区切られた島部8からなるハニカム構造をなし、島部8の六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mm、かつ厚さDを1μm〜100μm、かつ前記区画溝7の巾Waを300μm以下とした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ブラダー本体の外表面又は内表面を、ハニカム構造の被覆層により被覆することにより耐久性を向上させた、タイヤ加硫用ブラダーに関する。
空気入りタイヤを加硫成形するタイヤ加硫装置として、ゴム状弾性体からなる膨縮自在な加硫用ブラダーを用いたものが多用されている。この加硫用ブラダーは、加熱・加圧媒体である高温水蒸気の充填により膨張し、その外表面が未加硫タイヤの内腔面を押圧することにより、前記未加硫タイヤを加硫金型の金型面に押し付けて加熱し、加硫成形を行う。
しかし加硫用ブラダーは、高温下、高伸張で繰り返し使用されるため、ブラダー表面にクラック等が発生しやすく、従って比較的頻繁な交換が必要となるなど、加硫成形工程の作業効率向上の妨げとなっている。なおブラダーの外表面でのクラック発生原因としては、熱劣化や疲労以外に、例えば空気中のオゾンや酸素による劣化、及び未加硫タイヤから移行する硫黄などの配合剤による劣化が知られており、又内表面におけるクラック発生原因としては、加熱・加圧媒体である水蒸気と、ブラダーに配合された分散不良或いは未反応の亜鉛華との反応による膨れがある。
従って近年、ブラダーの外表面及び/又は内表面をコーティング材によって被覆し、空気中の酸素や未加硫タイヤの配合剤、或いは充填される水蒸気からブラダー表面を保護して劣化を防止することが望まれている。しかし、コーティング材による被覆は、高伸張での繰り返し変形によって被覆層自体にクラックが早期に発生するため、満足しうる効果を得るに至っていない。なお特許文献1には、ブラダーの外表面に未加硫タイヤとの離型性に優れる離型材を塗布することが記載されているが、係る離型材も早期にクラックが発生する傾向にあるため、頻繁な再塗布が必要であり、充分な作業効率向上には至っていない。
そこで本発明は、被覆層を、スリット状の区画溝により六角形に区切られた島部が配列するハニカム構造とすることを基本として、被覆層自体の耐久強度を高めうるなど被覆効果を長期化でき、加硫用ブラダーの使用寿命を延命化し、加硫成形工程の作業効率向上を図りうる加硫用ブラダーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、未加硫タイヤの内腔内で膨張することにより、該未加硫タイヤを加硫金型の型面に押し付けて加硫成形するためのタイヤ加硫用ブラダーであって、
ゴム状弾性体からなり内圧充填により膨張しうるブラダー本体と、該ブラダー本体の外表面又は内表面の少なくとも一方の表面に配され該表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを具え、
かつ前記被覆層は、スリット状の区画溝により六角形に区切られた島部が、前記区画溝を介してハニカム状に配列するハニカム構造をなすとともに、
前記島部は、六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mm、かつ厚さDを1μm〜100μm、かつ前記区画溝の巾を300μm以下としたことを特徴としている。
ゴム状弾性体からなり内圧充填により膨張しうるブラダー本体と、該ブラダー本体の外表面又は内表面の少なくとも一方の表面に配され該表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを具え、
かつ前記被覆層は、スリット状の区画溝により六角形に区切られた島部が、前記区画溝を介してハニカム状に配列するハニカム構造をなすとともに、
前記島部は、六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mm、かつ厚さDを1μm〜100μm、かつ前記区画溝の巾を300μm以下としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記島部は、六角形の一辺の長さLを0.1〜1.0mmとしたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記被覆層は、前記ブラダー本体の外表面に配される外の被覆層であって、前記未加硫タイヤとの離型性に優れかつ前記ブラダー本体よりも100%モジュラスが大な離型材からなることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記離型材は、シリコーン、又はフッ素を含有することを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記ブラダー本体は、その外表面に、ブラダー赤道面とは傾斜してのびる複数のベント溝を具えるとともに、前記外の被覆層は、前記ベント溝間に形成されることを特徴としている。
又請求項6の発明では、前記被覆層は、前記ブラダー本体の内表面に配される内の被覆層であって、耐水蒸気透過性に優れかつ前記ブラダー本体よりも100%モジュラスが大な耐水蒸気透過性材からなることを特徴としている。
又請求項7の発明では、前記耐水蒸気透過性材は、シリコーンを含有することを特徴としている。
本発明は叙上の如く構成しているため、被覆層自体の耐久強度を高めうるなど被覆効果を長期化でき、加硫用ブラダーの使用寿命を延命化し、加硫成形工程の作業効率向上を図りうる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のタイヤ加硫用ブラダーの使用状態を説明する線図、図2はタイヤ加硫用ブラダーの自由状態を示す側面図である。
図1、2において、タイヤ加硫用ブラダー1(以下ブラダー1という)は、加熱・加圧媒体である高温水蒸気の充填により膨張し、その外表面が未加硫タイヤTの内腔面Tsを押圧することにより、前記未加硫タイヤTを加硫金型Kの金型面Ksに押し付けて加熱し、加硫成形を行いうる。
そしてこのブラダー1は、内圧充填により膨張しうるブラダー本体2と、該ブラダー本体2の外表面So又は内表面Siの少なくとも一方の表面Sにコーティングされ該表面Sの少なくとも一部を被覆する被覆層3とから構成される。
前記ブラダー本体2は、例えばブチルゴムなど空気不透過性の高いゴム状弾性材からなり、両端部E、E間を胴部4で継いだ、本例では上下開放の円筒状体のものを例示している。このとき各端部Eは、加硫金型Kによって保持される厚肉リング状のクランプ部5を形成している。なおブラダー本体2としては、一端部Eを閉じた壷状体であっても良く、使用する加硫装置の種類等に応じて種々の形状のものが採用しうる。
又ブラダー本体2には、その外表面Soに、ブラダー赤道面CBに対して傾斜してのびる複数のベント溝6が並設されている。このベント溝6は、ブラダー1が膨張して未加硫タイヤTの内腔面Tsと接する際、この内腔面Tsとの間の空気を排出して空気溜まりを防止する周知の排気溝であり、前記内腔面Tsのうち、タイヤのトレッド端Taから内腔面Tsに直角に下した法線nとビードトウ端Tbとの間のサイド領域Ts1に対抗しうる前記外表面Soの範囲領域So1を少なくとも含んで形成される。これは、ブラダー1が膨張する際、タイヤ赤道側から接触を開始し、前記サイド領域Ts1で空気溜まりが生じやすくなるからである。
なお前記ベント溝6のブラダー表面での溝巾、及びブラダー表面からの溝深さは特に規制されることがなく、従来的なサイズ、例えば溝巾では1〜5mm、溝深さでは0.3〜2mmの範囲を採用しうる。しかし本願では、後述する被覆層3に排気効果が期待できるため、溝深さの下限値を0.1mmまで下げることが可能となる。このことは、未加硫タイヤTにおけるインナーライナゴム層の厚さを低く設定することを可能とし、タイヤの軽量化に貢献できる。
次に前記被覆層3は、本例では、前記ブラダー本体2の外表面Soを被覆保護する外の被覆層3oと、内表面Siを被覆保護する内の被覆層3iとから構成される。
このうち前記外の被覆層3oは、前記外表面Soにおいて、少なくとも前記範囲領域So1を含む領域に形成するのが排気効果をも発揮させる上で好ましいが、特に好ましくは、被覆保護をより確実に行うために、タイヤの内腔面Tsと対抗する全領域に形成する。なお前記範囲領域So1では、ベント溝6、6間に形成される。
この外の被覆層3oは、前記ブラダー本体2を被覆保護し、空気中のオゾンや酸素による劣化、及び未加硫タイヤTから移行する硫黄などの配合剤による劣化を防止することを主目的としている。従って、保護用の種々なコーティング材を採用しうるが、例えば未加硫タイヤTとの離型性を高めた離型材を用いることが、加硫成形工程での作業効率を向上する上で好ましく、特に耐熱性や耐候性に優れるシリコーン又はフッ素を含有した離型材は、離型効果と保護効果との双方の観点から好ましく採用しうる。
しかし、ブラダー本体2に被覆層3を設けた場合には、その高伸張での繰り返し変形によって被覆層3自体にクラックが発生しやすくなり、保護効果を早期に喪失させたり、又このクラックがブラダー本体2へのクラックを誘発してパンクに至らしめるなどブラダーの使用寿命を逆に短くさせるという問題が生じる。
そこで本実施形態では、前記被覆層3oを、図3、4に拡大して示すように、スリット状の区画溝7により六角形に区切られた島部8が、前記区画溝7を介してハニカム状に配列するハニカム構造で構成している。このとき、前記島部8における六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mmの範囲、又島部8の厚さD、即ち被覆層3oの厚さDを1μm〜100μmの範囲、又前記区画溝7の巾Waを300μm以下に設定している。なお本例では、前記島部8の表面8sを、凸円弧状の湾曲面で形成し、未加硫タイヤTとの摩擦抵抗を変じた好ましい場合を例示している。
このようなハニカム構造の被覆層3oは、前記島部8が六角形をなすことにより、密な配列が可能となり広い被覆面積を確保することができる。またハニカム構造は方向性を持たないため、種々な方向への均一な引き伸しが可能であり、膨張時のブラダー本体2の張力を均一に分散させることができる。また膨張時には、前記区画溝7が主に変形して溝巾Waを広げるため、島部8自体の変形が少なくなり、島部8にクラックが発生するのを抑制できる。又溝巾Waの広がりにより、排気効果を期待することができる。
なお、繰り返し変形を受ける際の材料寿命(クラック発生時間)は、変形量と強い相関性を有することが知られており、変形量が大なほど、即ちブラダーにおいては膨張時の伸びが大きいほど、大きな歪みが残留して材料寿命を短くさせる。従って、本実施形態の如く、ハニカム構造を採用し島部8自体の変形量を抑えることにより、この島部8にクラックが発生するのを抑制できるのである。又もしクラックが局部的に生じた場合にも、隣接する他の島部8がこのクラックの成長を防止ししうるため、被覆層3oの耐久強度を高めることができる。
図5(A)、(B)に、本発明者が行った引っ張り実験の結果を示す。該実験では、厚さ4.0mmのゴムシートの表面に、ハニカム構造の被覆層3を、六角形の一辺の長さLが約0.37mm、厚さDが50μm、区画溝7の巾Waが100μmの仕様で印刷法によって形成したサンプルを作成し、引っ張り方向に50%の伸びを付与した。図5(A)は、引っ張り前の状態、図5(B)は、引っ張り状態の被覆層3を示し、引っ張り状態では引っ張り方向への島部8の伸びが1〜8%の範囲であり、又引っ張り方向とは直角方向への島部8の縮みが11〜19%の範囲であるなど、島部8自体の変形量が小さく抑えられているのが確認できる。
ここで、前記六角形の一辺の長さLが0.1mm未満では、製造上ハニカム構造を形成することが難しくなり、かつ区画溝7による排気効果が期待できなくなる。逆に長さLが5.0mmを越えると、島部8の大きさが過大となって島部8の変形量が増大し、島部8にクラックが発生したり、又このクラックが成長しやすくなる傾向を招く。又前記島部8の厚さDが1μm未満では、被覆保護効果が不十分となってブラダー表面の劣化を防止することが難しく、かつ区画溝7による排気効果が期待できなくなる。逆に、厚さDが100μmを越えると、区画溝7内にクラックが発生しやすくなるとともに、このクラックが厚さ方向に成長してブラダー本体2にパンクを誘発させる傾向となる。又前記区画溝7の巾Waが300μmを越えると、被覆保護効果を充分に発揮できず、この区画溝7から劣化が進行する恐れを招く。なお区画溝7の巾Waの下限値は実質的に0の切り込みであってもかまわない。
このような観点から、前記長さLは0.1〜1.0mmの範囲が好ましい。又前記厚さDは、1〜50μmの範囲が好ましい。又前記区画溝7の巾Waは200μm以下が好ましい。
又前記被覆層3oをなすコーティング材は、その100%モジュラスM1を、ブラダー本体2の100%モジュラスM2よりも大な引張弾性を有することが必要であり、もしモジュラスM2以下では、ハニカム構造によっても島部8の変形を充分抑えることができなくなる。従って好ましくは、比M1/M2を1.5以上とするのが好ましい。
次に、このようなハニカム構造の被覆層3oは、例えばスクリーン印刷技術を用いて形成することができる。即ち、六角形孔からなる例えば金属製のハニカム状のメッシュ(スクリーン版)をブラダー本体2の外表面Soに貼り付け、このメッシュを介して、被覆層用のコーティング材を、例えば静電塗装法などの塗装方法によりブラダー本体2に塗布する。これによって、メッシュ模様に合ったハニカム構造の被覆層3oを形成できる。なお塗布後は、ブラダーの予熱処理の後、前記メッシュを取り外し、しかる後ブラダーを高温で熱処理することによりコーティング材を最終硬化させる。
又六角形状の凹部からなるハニカム模様の塗布ローラを用いて、液状のコーティング材をブラダー本体2に塗布することにより、塗布ローラ(凹部内)に付着したコーティング材を逆転写させ、ハニカム構造の被覆層3oを形成できる。このとき、加硫直後のブラダー本体2に塗布を行い、ブラダーの残熱でコーティング材を予備硬化させた後、ブラダーの二次加硫によって最終硬化させるのが好ましい。
次に、前記内の被覆層3iは、ブラダー本体2の内表面Siを被覆保護し、ブラダー本体2に配合された分散不良或いは未反応の亜鉛華が、加熱・加圧媒体である水蒸気と反応して膨れを招きクラックを発生させるのを防止することを目的としている。従って、この内の被覆層3iには、耐水蒸気透過性に優れ、前記水蒸気とブラダー本体2との接触を断つ耐水蒸気透過性材であるコーティング材が使用され、特にシリコーンを含有するものは耐熱性や耐候性にも優れるなど好適に採用しうる。
この内の被覆層3iは、内腔面Tsのうち、前記法線(図1)n、n間のトレッド下領域Ts2に対抗しうる前記内表面Siの範囲領域Si2を少なくとも含んで形成するのが好ましい。これは、前記範囲領域Si2がブラダーの伸縮が最も大きくなるからであり、より好ましくは内表面Siの全域に形成するのが好ましい。
又該内の被覆層3iも、前記外の被覆層3oと同様、スリット状の区画溝7により六角形に区切られた島部8が、前記区画溝7を介してハニカム状に配列するハニカム構造で構成される。なお六角形の一辺の長さLも0.1〜5.0mmの範囲、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲が望ましく、又島部8の厚さDも、1μm〜100μmの範囲、好ましくは1μm〜50μmの範囲が望ましく、又前記区画溝7の巾Waも300μm以下、好ましくは200μm以下とするのが望ましい。
しかし、内の被覆層3iにおいては、六角形の一辺の長さLを、外の被覆層3oにおける長さLよりも小とするのが、ブラダー膨張時における内層と外層の伸縮率(膨張率)の差からも有利である。
又ハニカム構造の内の被覆層3iは、前記外の被覆層3oと同様、ハニカム状のメッシュを用いる、及びハニカム模様の塗布ローラを用いることにより形成できる。
しかし、例えば前記塗布ローラに代え、外表面に六角形状の凹部からなるハニカム模様を設けた拡張機能を有するモールドを用いることもできる。詳しくは、ブラダー本体2の二次加硫の際、このブラダー本体2の内表面Siにプライマーを塗布するとともに、前記凹部内にコーティング材を付着させた前記モールドをブラダー本体2内で拡張させる。これにより、ブラダー本体2の内表面Siに、モールドに付着するコーティング材を逆転写させ、しかる後、二次加硫によって最終硬化を行う。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、例えばブラダー本体2の外表面So又は内表面Siの一方のみに、被覆層3を形成することができる等、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
ブラダー本体2の外表面Soのみを外の被覆層3oで被覆した表1の仕様の第1実施形態の加硫用ブラダー(サイズ14/370T)を試作し、その屈曲に対する耐クラック性、加硫成型時の空気溜まりの発生の有無、及びブラダーの使用寿命を評価した。なおベント溝は、溝巾が1.3mm、溝深さが0.5mm、かつ周方向の形成本数は120本としている。
又ブラダー本体2の内表面Siのみを内の被覆層3iで被覆した表2の仕様の第2実施形態の加硫用ブラダーを試作し、その屈曲に対する耐クラック性、水蒸気に対する耐クラック性、水蒸気の耐透過性、及びブラダーの使用寿命を評価した。
なお各実施形態におけるブラダー本体2のゴム組成は表3に示している。又コーティング材としては、フッ素ゴム塗料(ダイキン工業(株)製、ダイエルラテックスGLS−213F)を使用している。
(1)耐クラック性(屈曲):
加硫用ブラダーから切り出したシートにより3号ダンベル型のサンプルを作成し、温度160℃の条件にて、定伸び40%で2分間停止する伸びサイクルと、伸びを戻して折り畳み30秒停止するサイクルとを交互に繰り返し、クラックが発生するまでの屈曲回数を測定した。
加硫用ブラダーから切り出したシートにより3号ダンベル型のサンプルを作成し、温度160℃の条件にて、定伸び40%で2分間停止する伸びサイクルと、伸びを戻して折り畳み30秒停止するサイクルとを交互に繰り返し、クラックが発生するまでの屈曲回数を測定した。
(2)空気溜まりの発生:
加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫成形し、そのときのブラダーとタイヤとの間の空気溜まりの発生の有無を目視によって検査した。
加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫成形し、そのときのブラダーとタイヤとの間の空気溜まりの発生の有無を目視によって検査した。
(3)使用寿命:
加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫成形し、ブラダーに交換が必要になるまでに加硫成形しうるタイヤの本数を測定した。
加硫用ブラダーを用いてタイヤを加硫成形し、ブラダーに交換が必要になるまでに加硫成形しうるタイヤの本数を測定した。
(4)耐クラック性(水蒸気):
静止状態の加硫用ブラダーに、600kPaの高圧水蒸気を1ヶ月間当て続け、膨れやクラックなどの発生の有無を検査した。
静止状態の加硫用ブラダーに、600kPaの高圧水蒸気を1ヶ月間当て続け、膨れやクラックなどの発生の有無を検査した。
(5)水蒸気の耐透過性:
JIS Z0208におけるカップ法にて、40℃、90%湿度の条件のオーブンに入れて、重量変化を測定し、その変化率が安定した時の傾きより水蒸気透過度を求め、比較例B1を100とする指数で評価した。値が小なほど耐透過性に優れている。
JIS Z0208におけるカップ法にて、40℃、90%湿度の条件のオーブンに入れて、重量変化を測定し、その変化率が安定した時の傾きより水蒸気透過度を求め、比較例B1を100とする指数で評価した。値が小なほど耐透過性に優れている。
1 タイヤ加硫用ブラダー
2 ブラダー本体
3 被覆層
3i 内の被覆層
3o 外の被覆層
6 ベント溝
7 区画溝
8 島部
K 加硫金型
Ks 金型面
So、Si 外表面、内表面
T 未加硫タイヤ
Ts 内腔面
2 ブラダー本体
3 被覆層
3i 内の被覆層
3o 外の被覆層
6 ベント溝
7 区画溝
8 島部
K 加硫金型
Ks 金型面
So、Si 外表面、内表面
T 未加硫タイヤ
Ts 内腔面
Claims (7)
- 未加硫タイヤの内腔内で膨張することにより、該未加硫タイヤを加硫金型の金型面に押し付けて加硫成形するためのタイヤ加硫用ブラダーであって、
ゴム状弾性体からなり内圧充填により膨張しうるブラダー本体と、該ブラダー本体の外表面又は内表面の少なくとも一方の表面に配され該表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを具え、
かつ前記被覆層は、スリット状の区画溝により六角形に区切られた島部が、前記区画溝を介してハニカム状に配列するハニカム構造をなすとともに、
前記島部は、六角形の一辺の長さLを0.1〜5.0mm、かつ厚さDを1μm〜100μm、かつ前記区画溝の巾を300μm以下としたことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。 - 前記島部は、六角形の一辺の長さLを0.1〜1.0mmとしたことを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫用ブラダー。
- 前記被覆層は、前記ブラダー本体の外表面に配される外の被覆層であって、前記未加硫タイヤとの離型性に優れかつ前記ブラダー本体よりも100%モジュラスが大な離型材からなることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ加硫用ブラダー。
- 前記離型材は、シリコーン、又はフッ素を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
- 前記ブラダー本体は、その外表面に、ブラダー赤道面とは傾斜してのびる複数のベント溝を具えるとともに、前記外の被覆層は、前記ベント溝間に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
- 前記被覆層は、前記ブラダー本体の内表面に配される内の被覆層であって、耐水蒸気透過性に優れかつ前記ブラダー本体よりも100%モジュラスが大な耐水蒸気透過性材からなることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ加硫用ブラダー。
- 前記耐水蒸気透過性材は、シリコーンを含有することを特徴とする請求項6記載のタイヤ加硫用ブラダー。
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