JP2005279536A - 水素透過膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素透過膜の金属拡散により、水素透過膜の水素透過特性が低下することを抑制する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 水素透過膜234は、Vを含む金属ベース層Laと、金属ベース層Laの両面にAgにより形成された2つの第一中間層Lb1,Lb2と、第一中間層のうち金属ベース層が形成されていない面にOsにより形成された2つの第二中間層Lc1,Lc2と、Pdを含む2つの被覆層Ld1,Ld2と、を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、水素透過膜に関する。
燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に水素ガスを含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、燃料電池に酸素ガスを含む酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、を備えている。燃料ガスの供給方法には、貯蔵された水素ガスを直接供給する方法と、メタノールなどの炭化水素系化合物から水素ガスを製造して供給する方法とがある。後者の方法を採用する場合には、燃料ガス供給部は、炭化水素系化合物を水素ガスに改質するための改質部を備えている。
改質部内では、通常、水素ガスとともに、他のガスも生成されている。このため、燃料ガス供給部では、改質部において生成された混合ガスから水素ガスを抽出するために、水素透過膜が用いられる場合がある。特許文献1では、V(バナジウム)ベース層の両面にPd(パラジウム)被覆層が形成された水素透過膜が開示されている。特許文献2では、Vベース層とPd被覆層との間に、SiO2 中間層を介在させた水素透過膜が開示されている。
特開平11−276866号公報 特開平7−185277号公報
しかしながら、特許文献1の水素透過膜は、例えば400℃以上の高温で使用されると、VとPdとの金属拡散により、VとPdの界面にPd−V合金層を形成する。形成されたPd−V合金層は水素透過性能が極めて低いので、水素透過膜の水素透過性能も低下してしまう。Pd−V合金層は時間経過とともに厚くなる。
一方、特許文献2の水素透過膜のSiO2中間層は、VとPdとの金属拡散を抑制するために備えられているが、その抑制効果は低い。更に、SiO2中間層は、水素透過性能自体も低い。よって、中間層としてSiO2などのセラミックを用いたとしても、水素透過膜の水素透過性能は低下するという問題があった。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、水素透過膜の金属拡散により、水素透過膜の水素透過特性が低下することを抑制する技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するための本発明の水素透過膜は、
水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
VA族元素を含む金属ベース層と、
Pd(パラジウム)を含む被膜層と、
前記VA族元素および/または前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が所定値以下である元素からなる、前記金属ベース層と前記被膜層との間に形成された中間層と
を備えることを特徴とする。
ここで、前記中間層と前記被膜層は、前記金属ベース層の両面にそれぞれ形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、水素透過膜の金属ベース層と中間層および/または中間層と被覆層との間で固溶が起こりにくいので、金属拡散により水素透過特性が低下することを抑制できる。
ここでいう固溶可能量とは、2つの元素の互いに対する最大の固溶量をさしている。固溶可能量は、例えば、二元合金状態図(Phase Diagrams for Binary Alloys)により調べることが可能である。図1は、二元合金状態図の一例を簡略的に示した説明図である。一例として、PdとGd(ガドリニウム)の二元合金状態図が示されている。横軸はPdやGdの原子比を示し、縦軸は温度を示している。横軸の()内の値がGdの原子比である。横軸において、Pdの原子比が0at%から100at%まで増加するに従い、Gdの原子比は100at%から0at%まで減少する。水素透過膜の動作温度である300℃から600℃までの範囲においては、図の斜線部分から、Pdに対しGdが1at%固溶し、Gdに対しPdが10at%固溶することがわかる。ここで示される1at%,10at%が、水素透過膜の動作温度におけるGd,Pdの互いに対する最大の固溶量を示している。つまり、任意の元素について、VA族元素やPdとの二元合金状態図を調べれば、VA族元素やPdとの固溶可能量を調べることができる。
所定値は、例えば20at%であっても良い。また、中間層を形成
する元素は、1種類である必要はない。つまり、中間層は、VA族元素および/またはPd(パラジウム)との固溶可能量が所定値以下である複数種類の元素から形成されていても良い。
なお、「VA族」は「5族」とも呼ばれている。VA族元素にはV(バナジウム),Nb(ニオブ),Ta(タンタル)がある。金属ベース層は、V合金などであっても良い。被覆層もPd合金であっても良い。
上述した水素透過膜において、
前記中間層を形成する前記元素は、前記VA族元素および/または前記Pd(パラジウム)と、金属間化合物を形成しない元素であるものとしても良い。
中間層を形成する元素と、VA族元素および/またはPdが金属間化合物を形成すると、十分に金属拡散抑制効果を発揮できなくなるおそれもある。そこで、金属間化合物を形成しない元素により中間層を形成すれば、金属間化合物を形成する元素により中間層を形成する場合に比べ、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
金属間化合物を形成するか否かも、二元合金状態図により調べることが可能である。図1の二元合金状態図は、PdとGdから、特定の比率で、Gd7Pd3,Gd3Pd2,・・・,GdPd2,GdPd3,GdPd7といった金属間化合物が形成されることを示している。例えば、Pdが87.5at%でGdが12.5at%の比率の場合、金属間化合物GdPd7が形成されることを示している。また、図1のハッチング箇所のように、Pdが75at%から79at%で、Gdが25at%から21at%という比率の場合には、金属間化合物GdPd3が形成されることを示している。金属間化合物を形成しない場合には、二元合金状態図には、金属間化合物に関する記載はない。つまり、任意の元素について、VA族元素やPdとの二元合金状態図を調べれば、VA族元素やPdと金属間化合物を形成するか否かを調べることができる。
上述した水素透過膜において、
前記中間層を形成する前記元素は、Ca(カルシウム)、Gd(ガドリニウム)、Os(オスミウム)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Re(レニウム)のうち少なくとも1つであるものとしても良い。
これらの元素は、Pdとの固溶可能量が所定値以下であるので、金属拡散により水素透過特性が低下することを抑制できる。これらの元素のうち、Os,Ru,Reは、Pdと金属間化合物を形成しない元素である。
上述した水素透過膜において、
前記金属ベース層はV(バナジウム)であり、
前記中間層を形成する前記元素は、Ag(銀)、Be(ベリリウム)、Ce(セリウム)、Cu(銅)、Er(エルビウム)、Eu(ユウロピウム)、Ge(ゲルマニウム)、Hf(ハフニウム)、Ho(ホルミウム)、La(ランタン)、Lu(ルテチウム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Pr(プラセオジム)、Pu(プルトニウム)、Sc(スカンジウム)、Si(ケイ素)、Sm(サマリウム)、Te(テルル)、Th(トリウム)、U(ウラン)、Y(イットリウム)、Zn(亜鉛)、Zr(ジルコニウム)のうち少なくとも1つであるものとしても良い。
これらの元素は、Vとの固溶可能量が所定値以下であるので、金属拡散により水素透過特性が低下することを抑制できる。これらの元素のうち、Ag,Ce,Cu,Er,Eu,Ho,La,Lu,Nd,Pm,Pr,Pu,Sc,Sm,Th,U,Yは、Vと金属間化合物を形成しない元素である。
上述した水素透過膜において、
前記中間層は、
前記VA族元素との固溶可能量が第一の所定値以下である元素からなる、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成された第一中間層と、
前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が第二の所定値以下であって、前記第一中間層を形成する元素との固溶可能量が第三の所定値以下である元素からなる、前記第一中間層と前記被膜層との間に形成された第二中間層と
を備えた中間層であるものとしても良い。
これによれば、金属ベース層と第一中間層,第一中間層と第二中間層,第二中間層と被覆層が、それぞれ互いに固溶しにくいので、各層の間で金属拡散して水素透過特性が低下することを抑制できる。
金属ベース層がVの場合、第一中間層に用いる元素としては、例えば、第一の所定値を20at%とすると、先述したAg、Be、Ce、Cu、Er、Eu、Ge、Hf、Ho、La、Lu、Nd、Pm、Pr、Pu、Sc、Si、Sm、Te、Th、U、Y、Zn、Zrが候補として挙げられる。ここでは、特にVと金属間化合物を形成しないものとして、Ag,Ce,Cu,Er,Eu,Ho,La,Lu,Nd,Pm,Pr,Pu,Sc,Sm,Th,U,Yを候補とする。一方、第二中間層に用いる元素としては、例えば、第二の所定値を20at%とすると、先述したCa、Gd、Os、W、Ru、Reが候補として挙げられる。ここでは、特にPdと金属間化合物を形成しないものとして、Os,Ru,Reを候補とする。
これらのうち、第一中間層を形成する元素と、第二中間層を形成する元素の固溶可能量が第三の所定値(例えば20at%)以下となる組み合わせを先と同様に例示すると、以下のようになる。但し、以下では、
第二中間層を形成する元素−第一中間層を形成する元素
として示す。
Os−Ag,Os−Cu,Os−Pr,Os−Pu,Os−Th,Os−U,Os−Y,Re−Ag,Re−Cu,Re−Er,Re−La,Re−Pr,Re−Pu,Re−Sc,Re−Th,Re−U,Re−Y,Ru−Ag,Ru−Ce,Ru−Cu,Ru−Er,Ru−Ho,Ru−La,Ru−Lu,Ru−Nd,Ru−Pr,Ru−Pu,Ru−Sc,Ru−Sm,Ru−Th,Ru−U,Ru−Y
Teは、Vと金属間化合物を形成するが、Ru−Teを候補としても良い。
ここで、中間層は2層構造であるものとしたが、必ずしも2層である必要はない。中間層を形成する元素と、その隣りの層を形成する元素との互いの最大の固溶量が所定値以下であれば、多層構造であっても構わない。
上述した水素透過膜において、
前記第一中間層を形成する前記元素は、前記第二中間層を形成する前記元素と、金属間化合物を形成しない元素であるものとしても良い。
第一中間層を形成する元素と第二中間層を形成する元素が金属間化合物を形成すると、十分に金属拡散抑制効果を発揮できなくなるおそれもある。そこで、互いに金属間化合物を形成しない元素により第一中間層と第二中間層を形成すれば、金属間化合物を形成する元素により第一中間層と第二中間層形成する場合に比べ、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
先に示した、第一中間層を形成する元素と、第二中間層を形成する元素の組み合わせの例のうち、第一中間層を形成する元素と第二中間層を形成する元素で金属間化合物を形成しないものは、以下のようになる。
Os−Ag,Os−Cu,Re−Ag,Re−Cu,Re−La,Re−Pr,Ru−Ag,Ru−Cu
本発明の方法は、水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
(a)VA族元素を含む金属ベース層を準備する工程と、
(b)前記VA族元素および/またはPd(パラジウム)との固溶可能量が所定値以下である元素からなる中間層を、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成する工程と、
(c)前記中間層の2つの面のうち、前記金属ベース層が形成されていない面に、Pd(パラジウム)を含む被膜層を形成する工程と
を備えることを特徴とする。
この方法を採用すれば、本発明の装置である水素透過膜を製造することができる。
ここで、前記中間層は、
前記VA族元素との固溶可能量が第一の所定値以下である元素からなる第一中間層と、
前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が第二の所定値以下であって、前記第一中間層を形成する元素との固溶可能量が第三の所定値以下である元素からなる第二中間層と
を備え、
前記工程(b)は、
前記第一中間層を、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成する工程と、
前記第二中間層を、前記第一中間層の2つの面のうち、前記金属ベース層が形成されていない面に形成する工程と
を備えることを特徴とするものとしても良い。
この方法を採用すれば、金属ベース層と第一中間層,第一中間層と第二中間層,第二中間層と被覆層の間の金属拡散を抑制する水素透過膜を製造することができる。
この発明は、水素透過膜を用いた燃料電池システムや、該燃料電池システムを搭載した移動体などの装置、水素透過膜を用いた水素精製装置、等の種々の態様で実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.燃料電池システム:
B.水素透過膜:
B−1.水素透過膜の構造:
B−2.水素透過膜の製造方法:
B−3.効果:
C.変形例:
A.燃料電池システム:
次に、本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明の実施形態における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。この燃料電池システムは、燃料電池100と、燃料電池100に水素ガスを含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給部200と、燃料電池100に酸素ガスを含む酸化ガスを供給する酸化ガス供給部300と、を備えている。なお、燃料電池100は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型の燃料電池である。
燃料ガス供給部200(図2)は、水素ガスを含む燃料ガスを生成して燃料電池100に供給する。燃料ガス供給部200は、原料タンク212と、水タンク214と、2つの蒸発器222,224と、燃料ガス生成部230と、燃焼部240と、凝縮器250とを備えている。なお、原料タンク212には、メタノールが貯蔵されている。
第1の蒸発器222は、原料タンク212および水タンク214から導入された混合液を気化して、原料および水の混合ガス(以下、「原料ガス」と呼ぶ)を燃料ガス生成部230に供給する。第2の蒸発器224は、水タンク214から導入された水を気化して、水蒸気を燃料ガス生成部230に供給する。
燃料ガス生成部230は、改質部232と、水素透過膜234と、抽出部236とを備えている。図示するように、燃料ガス生成部230は、一体化されており、水素透過膜234は、改質部232と抽出部236とに挟まれている。改質部232には、第1の蒸発器222から原料ガスが供給されており、抽出部236には、第2の蒸発器224から水蒸気が供給されている。
改質部232は、改質反応を進行させる触媒を担持している。触媒としては、例えば、CuO−ZnO系触媒や、Cu−ZnO系触媒を用いることができる。改質部232では、次の式(1),式(2)に示す化学反応(改質反応)が順次進行し、水素ガスを含む混合ガスが生成される。そして、改質部全体では、式(3)に示す改質反応が進行する。
CH3OH → CO + 2H2 ...(1)
CO + H2O → CO2 + H2 ...(2)
CH3OH + H2O → CO2 + 3H2 ...(3)
水素透過膜234は、改質部232内部に含まれる混合ガス(すなわち、原料ガスや、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、水素ガスなど)から水素ガスを選択的に透過させることにより、水素ガスを分離する。なお、水素透過膜234については、さらに、後述する。
抽出部236は、供給された水蒸気を用いて、水素透過膜234における水素ガスの透過を促進させる。すなわち、改質部232において生成された水素ガスは、改質部232と抽出部236との水素分圧差に応じて、水素透過膜234を透過する。そこで、本実施形態では、抽出部236に水蒸気を順次供給することにより、抽出部236の水素分圧を、改質部232の水素分圧よりも低く設定している。
また、本実施形態では、抽出部236の全圧は、改質部232の全圧よりも高く設定されている。これは、抽出部236で得られる燃料ガス中に一酸化炭素ガスが混入しないようにするためである。すなわち、燃料ガス中に一酸化炭素ガスが混入していると、燃料電池100内の触媒が一酸化炭素ガスにより被毒して、安定した電気化学反応が阻害される。しかしながら、抽出部236と改質部232との全圧を上記のように設定すれば、水素透過膜234にピンホールが存在する場合でも、改質部232内部の一酸化炭素ガスが抽出部236にリークするのを抑制することができる。また、水素透過膜234のピンホールを介して、抽出部236から改質部232に水蒸気がリークすれば、リークした水蒸気を改質反応(式(3))に用いることができる。なお、水素透過膜234にピンホールが存在しない場合には、改質部232の全圧を抽出部236の全圧よりも高く設定して、水素ガスの分離効率を向上させることが好ましい。
改質部232から排出される不透過ガス(すなわち、水素透過膜234を透過しなかったガス)は、燃焼部240(図2)において酸化される。具体的には、一酸化炭素ガスは酸化されて二酸化炭素ガスになり、水素ガスは酸化されて水蒸気になる。これにより、不透過ガスに含まれる一酸化炭素ガスの大気への放出を防止することができる。
抽出部236から排出された燃料ガスは、凝縮器250に供給される。凝縮器250は、燃料ガスに含まれる水蒸気を凝縮して除去した後、燃料ガスを燃料電池100に供給する。なお、凝縮器250で得られる凝縮水は、水タンク214に戻される。
酸化ガス供給部300(図2)は、ブロワ310を備えており、酸素ガスを含む酸化ガス(空気)を燃料電池100に供給する。
燃料電池100は、燃料ガス供給部200から供給された燃料ガスと、酸化ガス供給部から供給された酸化ガスと、を用いて発電する。
B.水素透過膜:
B−1.水素透過膜の構造:
図3は、図2に示す水素透過膜234の断面を模式的に示す説明図である。図示するように、水素透過膜234は、7層構造を有している。具体的には、水素透過膜は、1つの金属ベース層Laと、金属ベース層の両面に形成された第一中間層Lb1,Lb2と、各第一中間層の外面に形成された第二中間層Lc1,Lc2と、各第二中間層の外面に形成された2つの被覆層Ld1,Ld2と、を備えている。金属ベース層と第一中間層と第二中間層と被覆層とは、例えば、約20μm、約0.1μm、約0.1μm、約0.3μmの厚みでそれぞれ形成される。なお、第一中間層と第二中間層は併せて中間層である。
金属ベース層Laは、VA族元素を含んでいる。VA族元素としては、V(バナジウム)や、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)を利用できる。第一中間層Lb1,Lb2は、VA族元素との固溶可能量が第一の所定値以下の元素を含んでいる。第二中間層Lc1,Lc2は、Pd(パラジウム)との固溶可能量が第二の所定値以下であって、第一中間層を形成する元素との固溶可能量が第三の所定値以下である元素を含んでいる。第一の所定値〜第三の所定値は、ここではすべて20%であるが、各々異なる値であっても良い。被覆層Ld1,Ld2は、Pdを含んでいる。
以下では、金属ベース層LaがVで構成され、第一中間層Lb1,Lb2が元素Ag(銀)で構成され、第二中間層Lc1,Lc2が元素Os(オスミウム)で構成され、被覆層Ld1,Ld2がPdで構成される場合を例に説明する。
水素分子は、図3に示すような過程で、水素透過膜234を透過すると考えられている。すなわち、水素分子は、まず、第1のPd被覆層Ld1において2つの水素原子に解離する。解離した水素原子は、各層Ld1,Lc1,Lb1,La,Lb2,Lc2,Ld2を順次透過する。そして、透過した2つの水素原子は、第2のPd被覆層Ld2において再結合し、水素分子となる。
この説明から分かるように、被覆層Ld1,Ld2を構成するPdは、水素の解離・再結合を促進させる触媒機能を有するとともに、水素を透過させる機能を有している。また、第一中間層Lb1,Lb2を構成するAgと、第二中間層Lc1,Lc2を構成するOsと、金属ベース層Laを構成するVとは、水素を透過させる機能を有している。なお、Vの水素透過性能は、Pdの水素透過性能よりもかなり優れている。
ところで、前述のように、従来の水素透過膜、すなわち、Vベース層の両面にPd被覆層が形成された水素透過膜を用いる場合には、VとPdとが次第に相互に拡散することにより、水素透過膜の水素透過性能が経時的に低下してしまうという問題がある。また、Vベース層とPd被覆層との間にセラミック中間層が形成された水素透過膜を用いる場合には、VとPdとの間の拡散を低減させることができるが、水素透過膜の水素透過性能が低くなるという問題がある。これは、セラミック中間層は、分子状態の水素のみを透過させるためである。すなわち、水素がセラミック中間層を透過する前には、一旦再結合し、透過した後には、再度解離する必要がある。さらに、セラミックと金属とを接合する場合には、製造が比較的困難であるとともに、熱膨張率の相違により水素透過膜に割れ等が発生し易いという問題もある。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、Vベース層LaとPd被覆層Ld1,Ld2との間に、第一中間層Lb1,Lb2と第二中間層Lc1,Lc2を介在させている。以下、第一中間層Lb1,Lb2にAgを、第二中間層Lc1,Lc2にOsを用いる理由を説明する。
二元合金状態図によれば、AgはVに対し0at%固溶する。一方、VはAgに対し0at%固溶する。つまり、Vベース層Laと第一中間層Lb1,Lb2とは互いに全く固溶しない。
また、二元合金状態図によれば、AgはOsに対し0at%固溶する。一方、OsはAgに対し0at%固溶する。つまり、第一中間層Lb1,Lb2と第二中間層Lc1,Lc2とは互いに全く固溶しない。
更に、二元合金状態図によれば、OsはPdに対し2at%固溶する。一方、PdはOsに対し2at%固溶する。つまり、第二中間層Lc1,Lc2と被覆層Ld1,Ld2とは互いにわずかしか固溶しない。
よって、Agを第一中間層Lb1,Lb2として、Osを第二中間層Lc1,Lc2として用いれば、各層間で金属拡散が起こりにくい。つまり、中間層である第一中間層と第二中間層により、水素透過性能劣化の原因となるVとPdの相互拡散を抑制し、水素透過膜の寿命を延ばすことができる。
ここでは、第一中間層はAg,第二中間層はOsにより形成されているのとして説明したが、第一中間層は、Vや第二中間層を形成する元素との固溶可能量が所定値以下であるものであれば、他の元素により形成されていても良い。特にVと金属間化合物を形成しないものを使用すれば、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。また、第二中間層も、Pdや第一中間層を形成する元素との固溶可能量が所定値以下であるものであれば、他の元素により形成されていても良い。特にPdと金属間化合物を形成しないものを使用すれば、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
そのような第一中間層の元素と第二中間層の元素の組み合わせを例示すると、以下のようになる。ただし、以下では
第二中間層を形成する元素(αat%)−第一中間層を形成する元素(βat%)
と表記する。この表記は、第二中間層を形成する元素に対して、第一中間層を形成する元素がαat%固溶可能であり、第一中間層を形成する元素に対して、第二中間層を形成する元素がβat%固溶可能であることを示す。
Os(0 at%)−Ag(0 at%)
Os(0 at%)−Cu(0 at%)
Os(0 at%)−Pr(0 at%)
Os(0 at%)−Pu(0 at%)
Os(0 at%)−Th(0 at%)
Os(1.0at%)−U (0 at%)
Os(0 at%)−Y (0 at%)
Re(0 at%)−Ag(0 at%)
Re(0 at%)−Cu(0 at%)
Re(0 at%)−Er(0 at%)
Re(0 at%)−La(0 at%)
Re(0 at%)−Pr(0 at%)
Re(0 at%)−Pu(0 at%)
Re(3.0at%)−Sc(0 at%)
Re(0 at%)−Th(0 at%)
Re(2.0at%)−U (0 at%)
Re(0 at%)−Y (0 at%)
Ru(0 at%)−Ag(0 at%)
Ru(0 at%)−Ce(0 at%)
Ru(0 at%)−Cu(0 at%)
Ru(0 at%)−Er(0 at%)
Ru(0 at%)−Ho(0 at%)
Ru(0 at%)−La(0 at%)
Ru(0 at%)−Lu(0 at%)
Ru(0 at%)−Nd(0 at%)
Ru(0 at%)−Pr(0 at%)
Ru(0 at%)−Pu(0 at%)
Ru(0 at%)−Sc(0 at%)
Ru(0 at%)−Sm(0 at%)
Ru(0 at%)−Th(0 at%)
Ru(0 at%)−U (0 at%)
Ru(0 at%)−Y (0 at%)
TeはVと金属間化合物を形成するが、第一中間層の元素と第二中間層の元素の組み合わせとして、
Ru(0 at%)−Te(0 at%)
を使用しても良い。
先に示した、第一中間層を形成する元素と第二中間層を形成する元素の組み合わせの例のうち、第一中間層を形成する元素と第二中間層を形成する元素で金属間化合物を形成しないものは、以下のようになる。これの元素により第一中間層と第二中間層を形成すれば、金属間化合物を形成する元素により第一中間層と第二中間層を形成する場合に比べ、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
Os(0 at%)−Ag(0 at%)
Os(0 at%)−Cu(0 at%)
Re(0 at%)−Ag(0 at%)
Re(0 at%)−Cu(0 at%)
Re(0 at%)−La(0 at%)
Re(0 at%)−Pr(0 at%)
Ru(0 at%)−Ag(0 at%)
Ru(0 at%)−Cu(0 at%)
水素透過膜の中間層は、一層構造であっても良い。一層構造である場合は、Vおよび/またはPdとの固溶可能量が所定値以下である元素により中間層を形成すれば、金属拡散抑制効果が得られる。以下、Pdとの固溶可能量が所定値以下である元素、及びその元素のPdとの固溶可能量を簡略的に示す。例えば、
Pd(αat%)−Y(βat%)
と表記した場合は、Y元素がPdとの固溶可能量が所定値以下である元素である。また、Pdに対して、Y元素はαat%固溶可能であり、Y元素に対して、Pdはβat%固溶可能であることを示す。
Pd( 0 at%)−Ca(0 at%)
Pd(10.0at%)−Gd(1.0at%)
Pd( 2.0at%)−Os(2.0at%)
Pd(20.0at%)−W (2.0at%)
Pd( 2.0at%)−Ru(8.0at%)
Pd( 9.0at%)−Re(2.0at%)
これらの元素のうち、Os,Ru,Reは、Pdと金属間化合物を形成しない元素である。これの元素により中間層を形成すれば、金属間化合物を形成する元素により中間層を形成する場合に比べ、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
一方、Vとの固溶可能量が所定値以下である元素、及びその元素のVとの固溶可能量をPdの場合と同様に簡略的に示す。
V(0 at%)−Ag(0 at%)
V(3.0at%)−Be(7.7at%)
V(0 at%)−Ce(0 at%)
V(2.0at%)−Cu(0 at%)
V(0 at%)−Er(0 at%)
V(0 at%)−Eu(0 at%)
V(3.0at%)−Ge(0 at%)
V(0 at%)−Hf(0 at%)
V(0 at%)−Ho(0 at%)
V(0 at%)−La(0 at%)
V(0 at%)−Lu(0 at%)
V(0 at%)−Nd(0 at%)
V(0 at%)−Pm(0 at%)
V(0 at%)−Pr(0 at%)
V(0 at%)−Pu(0 at%)
V(0 at%)−Sc(0 at%)
V(4.0at%)−Si(0 at%)
V(0 at%)−Sm(0 at%)
V(0 at%)−Te(0 at%)
V(0 at%)−Th(0 at%)
V(2.0at%)−U (0 at%)
V(0 at%)−Y (0 at%)
V(0 at%)−Zn(0 at%)
V(2.0at%)−Zr(2.0at%)
これらの元素のうち、Ag,Ce,Cu,Er,Eu,Ho,La,Lu,Nd,Pm,Pr,Pu,Sc,Sm,Th,U,Yは、Vと金属間化合物を形成しない元素である。これの元素により中間層を形成すれば、金属間化合物を形成する元素により中間層を形成する場合に比べ、金属拡散抑制効果に対する信頼性が高くなる。
中間層を一層構造にすれば水素透過膜の構造が簡単になるので、中間層を2層構造にする場合に比べ製造コストを低く抑えることができる。
B−2.水素透過膜の製造方法:
図4は、水素透過膜の作製手順を示すフローチャートである。ステップS101では、Vで構成されるベース層(箔)が準備される。Vベース層は、アルカリ溶液でエッチングされ、表面に形成された酸化膜等の不純物が除去される。このようにすれば、不純物が残存することに起因する水素透過膜の水素透過性能の低下を低減させることができる。
ステップS102では、Vベース層の両面に、Agで構成される2つの第一中間層が形成される。第一中間層は、例えば、無電界めっきや、電気めっき,PVD,CVD,ゾルゲル法によって形成可能である。その他にも、薄膜を形成できる方法であれば、どのような方法で形成しても構わない。
ステップS103では、第一中間層の外面に、Osで構成される2つの第二中間層が形成される。第二中間層も、第一中間層と同様に、薄膜を形成できる方法であれば、どのような方法で形成しても構わない。
ステップS104では、第二中間層の外面に、Pdで構成される2つの被覆層が形成される。Pd被覆層も、第一中間層と同様に、薄膜を形成できる方法であれば、どのような方法で形成しても構わない。このようにすれば、図3に示すような水素透過膜が形成される。
中間層を一層構造にする場合は、ステップS103の工程を省略すれば良い。
以上、本実施形態では、VとAgとOsとPdとを用いる場合について説明したが、Vに代えて、これと同様の性質を有するNbやTaを用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、水素透過膜は、Pd−Os−Ag−V−Ag−Os−Pdの7層構造を有しているが、例えば、Pd−Os−Ag−Vの4層構造を有していてもよい。すなわち、一般に、水素透過膜は、VA族元素を含む金属ベース層と、Pdを含む被膜層と、前記金属ベース層と前記被膜層との間に形成された、金属間化合物を含む中間層とを備えていればよい。
B−3.効果:
以上説明したように、本実施形態の水素透過膜によれば、水素透過性能劣化の原因となる金属ベース層と被覆層の相互拡散を抑制し、水素透過膜の寿命を延ばすことができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態(図2)では、改質部232の下流側には、改質反応で生成された一酸化炭素ガスを処理するための燃焼部240が設けられているが、これに代えて、シフト部とCO酸化部とを設けるようにしてもよい。なお、シフト部は、一酸化炭素ガスと水蒸気とから水素ガスと二酸化炭素ガスを生成する。CO酸化部は、シフト部で処理されない一酸化炭素ガスを酸化して、二酸化炭素ガスを生成する。このようにシフト部を設ける場合には、シフト部に水素透過膜を設けるようにしてもよい。なお、シフト部で得られる水素ガスを抽出部236から排出される燃料ガスと合流させて、燃料電池100に供給すれば、水素ガスの利用効率を向上させることが可能となる。
(2)上記実施形態では、燃料電池システムは、メタノールを用いて水素ガスを含む燃料ガスを生成する燃料ガス供給部200を備えているが、これに代えて、他のアルコールや、天然ガス、ガソリン、エーテル、アルデヒドなどを用いて水素ガスを含む燃料ガスを生成する燃料ガス供給部を備えるようにしてもよい。一般に、原料としては、水素原子が含有された種々の炭化水素系化合物を用いることができる。このような場合にも、水素透過膜を用いれば、水素の純度を向上させることが可能となる。
また、上記実施形態では、燃料電池システムは、メタノールを改質することにより水素ガスを生成する燃料ガス供給部200を備えているが、これに代えて、水素吸蔵合金や水素ボンベなどから水素ガスを得る燃料ガス供給部を備えるようにしてもよい。このような場合にも、水素の純度を向上させるために、水素透過膜を適用可能である。
(3)上記実施形態では、水素透過膜234は、自立膜であるが、基材上に形成されていてもよい。基材としては、水素ガスが透過可能なアルミナや焼結金属などの多孔質部材を用いることができる。
(4)上記実施形態では、固体高分子型の燃料電池を用いる燃料電池システムに本発明の水素透過膜を適用する場合について説明したが、他のタイプの燃料電池を用いる燃料電池システムにも適用可能である。また、水素透過膜を水素精製装置に適用することも可能である。
二元合金状態図の一例を簡略的に示した説明図である。 本発明の実施形態における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。 図2に示す水素透過膜234の断面を模式的に示す説明図である。 水素透過膜の作製手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100...燃料電池
200...燃料ガス供給部
212...原料タンク
214...水タンク
222,224...蒸発器
230...燃料ガス生成部
232...改質部
234...水素透過膜
236...抽出部
240...燃焼部
250...凝縮器
300...酸化ガス供給部
310...ブロワ
La...金属ベース層
Lb1,Lb2...第一中間層
Lc1,Lc2...第二中間層
Ld1,Ld2...被覆層

Claims (9)

  1. 水素を選択的に透過させる水素透過膜であって、
    VA族元素を含む金属ベース層と、
    Pd(パラジウム)を含む被膜層と、
    前記VA族元素および/または前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が所定値以下である元素からなる、前記金属ベース層と前記被膜層との間に形成された中間層と
    を備えることを特徴とする水素透過膜。
  2. 請求項1記載の水素透過膜であって、
    前記中間層を形成する前記元素は、前記VA族元素および/または前記Pd(パラジウム)と、金属間化合物を形成しない元素である
    水素透過膜。
  3. 請求項1記載の水素透過膜であって、
    前記中間層を形成する前記元素は、Ca(カルシウム)、Gd(ガドリニウム)、Os(オスミウム)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Re(レニウム)のうち少なくとも1つである
    水素透過膜。
  4. 請求項1記載の水素透過膜であって、
    前記金属ベース層はV(バナジウム)であり、
    前記中間層を形成する前記元素は、Ag(銀)、Be(ベリリウム)、Ce(セリウム)、Cu(銅)、Er(エルビウム)、Eu(ユウロピウム)、Ge(ゲルマニウム)、Hf(ハフニウム)、Ho(ホルミウム)、La(ランタン)、Lu(ルテチウム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Pr(プラセオジム)、Pu(プルトニウム)、Sc(スカンジウム)、Si(ケイ素)、Sm(サマリウム)、Te(テルル)、Th(トリウム)、U(ウラン)、Y(イットリウム)、Zn(亜鉛)、Zr(ジルコニウム)のうち少なくとも1つである
    水素透過膜。
  5. 請求項1記載の水素透過膜であって、
    前記中間層は、
    前記VA族元素との固溶可能量が第一の所定値以下である元素からなる、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成された第一中間層と、
    前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が第二の所定値以下であって、前記第一中間層を形成する元素との固溶可能量が第三の所定値以下である元素からなる、前記第一中間層と前記被膜層との間に形成された第二中間層と
    を備えた中間層であることを特徴とする水素透過膜。
  6. 請求項5記載の水素透過膜であって、
    前記第一中間層を形成する前記元素は、前記第二中間層を形成する前記元素と、金属間化合物を形成しない元素である
    水素透過膜。
  7. 請求項1記載の水素透過膜であって、
    前記中間層と前記被膜層は、前記金属ベース層の両面にそれぞれ形成されている
    水素透過膜。
  8. 水素を選択的に透過させる水素透過膜の製造方法であって、
    (a)VA族元素を含む金属ベース層を準備する工程と、
    (b)前記VA族元素および/またはPd(パラジウム)との固溶可能量が所定値以下である元素からなる中間層を、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成する工程と、
    (c)前記中間層の2つの面のうち、前記金属ベース層が形成されていない面に、Pd(パラジウム)を含む被膜層を形成する工程と
    を備えることを特徴とする製造方法。
  9. 請求項8記載の製造方法であって、
    前記中間層は、
    前記VA族元素との固溶可能量が第一の所定値以下である元素からなる第一中間層と、
    前記Pd(パラジウム)との固溶可能量が第二の所定値以下であって、前記第一中間層を形成する元素との固溶可能量が第三の所定値以下である元素からなる第二中間層と
    を備え、
    前記工程(b)は、
    前記第一中間層を、前記金属ベース層の2つの面のうちの少なくとも一方に形成する工程と、
    前記第二中間層を、前記第一中間層の2つの面のうち、前記金属ベース層が形成されていない面に形成する工程と
    を備えることを特徴とする製造方法。
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JP2011512664A (ja) * 2008-02-14 2011-04-21 バッツキャップ 超コンデンサの過圧を防ぐための装置
JP2011143335A (ja) * 2010-01-13 2011-07-28 Ngk Spark Plug Co Ltd 水素分離装置及び水素分離装置の製造方法

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