JP2007123006A - 燃料電池システムの運転制御 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素透過性金属層と、電解質層とを積層させた電解質膜を備える燃料電池において、水素透過性金属層への水素の吸蔵や、水素透過性金属層からの水素の放出に起因する水素透過性金属層と電解質層との剥離や亀裂を抑制する。
【解決手段】燃料電池システム100の起動時制御、および、停止時制御において、燃料電池10に供給される水素の量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように、水素の供給量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素を選択的に透過させる水素透過性金属層と、プロトン伝導性を有する電解質層とを積層させた電解質膜を有する燃料電池を備えた燃料電池システムの運転制御に関するものである。
従来、水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。近年では、燃料電池の一態様として、水素を選択的に透過させる水素透過性金属層と、プロトン伝導性を有する電解質層とを積層させた電解質膜を備える燃料電池が提案されている(下記特許文献1,2参照)。
特開平5−299105号公報 特開2004−146337号公報
上記燃料電池では、水素透過性金属層に水素が吸蔵されたり、水素透過性金属層から水素が放出されたりするときに、水素透過性金属層が膨張したり、収縮したりする。そして、このときの水素透過性金属層と電解質層との膨張率の差によって両者に発生する応力に起因して、水素透過性金属層と電解質層との界面で剥離が生じたり、亀裂が生じたりする場合があった。このような剥離や亀裂は、特に、上述した水素透過性金属層の膨張や、収縮が急激に起こったときに、生じ易かった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、水素透過性金属層と、電解質層とを積層させた電解質膜を備える燃料電池において、水素透過性金属層への水素の吸蔵や、水素透過性金属層からの水素の放出に起因する水素透過性金属層と電解質層との剥離や亀裂を抑制することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下の構成を採用した。
本発明の燃料電池システムは、
水素を選択的に透過させる水素透過性金属層と、プロトン伝導性を有する電解質層とを積層させた電解質膜を有する燃料電池と、
水素を含む燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給部と、
該供給された燃料ガスに含まれる水素が前記水素透過性金属層を透過するときの、該水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する抑制部と、
を備えることを要旨とする。
水素透過性金属層としては、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属や、VA族元素、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いることができる。また、これらのうちの2種類以上を積層させた複合金属膜を用いるようにしてもよい。電解質層としては、固体酸化物、例えば、BaCeO3、SrCeO3系のセラミックスや、固体高分子など、種々の電解質を用いることができる。
また、本明細書中において、「水素透過性金属層中の水素」は、水素分子、水素原子、プロトンを含んでいる。また、水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率についての所定値は、水素透過性金属層、および、電解質層の材質や、膜厚等、水素透過性金属層と電解質層との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて設定される。
本発明によって、急激に水素透過性金属層に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層から水素が放出されて、水素透過性金属層が急激に収縮したりすることを防止することができる。したがって、水素透過性金属層への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層からの水素の放出に起因する水素透過性金属層と電解質層との剥離や亀裂を抑制することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記抑制制御部は、前記燃料ガスの供給量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように、前記燃料ガス供給部を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制するようにしてもよい。
燃料ガスの供給量の変化率についての所定値は、先述した水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率についての所定値と同様に、水素透過性金属層、および、電解質層の材質や、膜厚等、水素透過性金属層と電解質層との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて設定される。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガス供給部は、
水素を供給する水素供給部と、
前記水素を希釈するための所定の希釈ガスを供給する希釈ガス供給部と、
前記水素供給部によって供給された水素と、前記希釈ガス供給部によって供給された希釈ガスとを混合し、該混合された混合ガスを、前記燃料ガスとして、前記燃料電池に供給する混合ガス供給部と、を備え、
前記抑制制御部は、前記水素供給部によって供給される水素の供給量、および、前記希釈ガス供給部によって供給される希釈ガスの供給量を制御し、前記混合ガス中の水素濃度を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制するようにしてもよい。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガス供給部は、
所定の原料と、酸素を含む酸化剤ガスとの完全酸化反応、および、部分酸化反応を含む所定の化学反応によって、前記燃料ガスを生成する燃料ガス生成部と、
前記燃料ガス生成部に前記原料を供給する原料供給部と、
前記燃料ガス生成部に前記酸化剤ガスを供給する酸素剤ガス供給部と、を備え、
前記抑制制御部は、少なくとも前記前記原料供給部によって供給される原料の供給量、および、前記酸化剤ガス供給部によって供給される酸化剤ガスの供給量を制御して、前記燃料ガス生成部における前記完全酸化反応、および、前記部分酸化反応の割合を制御し、前記燃料ガス中の水素濃度を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制するようにしてもよい。
所定の原料としては、水素原子を含有する種々の化合物、例えば、ガソリンや、メタノール等のアルコール、エーテル、アルデヒド等の炭化水素化合物を用いることができる。燃料ガス生成部では、完全酸化反応や、部分酸化反応や、改質反応、シフト反応等、種々の化学反応を経て、水素を含む燃料ガスが生成される。
例えば、炭化水素化合物Cnmを原料とする場合、完全酸化反応は、次式(1)によって表される。
nm+(n+m/4)O2 →m/2H2O+nCO2 …(1);
また、部分酸化反応は、次式(2)によって表される。
nm+n/2O2 →m/2H2+nCO …(2);
また、改質反応は、次式(3)、(4)によって表される。
nm+nH2O →nCO+(n+m/2)H2 …(3);
nm+n/2O2 →nCO+m/2H2 …(4);
また、シフト反応は、一酸化炭素を、水蒸気を利用して酸化するとともに、水素を生成する反応であり、次式(5)によって表される。
CO+H2O→H2+CO2 …(5);
上式(1),(2)から分かるように、部分酸化反応によっては、水素が生成されるが、完全酸化反応によっては、水素は生成されない。そして、一般に、炭化水素化合物を酸化させる時に、炭化水素化合物に対する酸素の割合を過剰に小さくすると、完全酸化反応も部分酸化反応も少なくなり、生成される水素の量が少なくなる。また、炭化水素化合物に対する酸素の割合を過剰に大きくした場合にも、部分酸化反応よりも完全酸化反応が起こりやすくなり、生成される水素の量が少なくなる。
本発明では、少なくとも原料供給部によって供給される原料の供給量、および、酸化剤ガス供給部によって供給される酸化剤ガス(例えば、空気)の供給量を制御することによって、燃料ガス生成部における完全酸化反応、および、部分酸化反応の割合を制御し、燃料ガス中の水素濃度を制御することができる。したがって、本発明によっても、先述した水素透過性金属層と電解質層との剥離や亀裂を抑制することができる。
なお、上記燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガス供給部は、さらに、
前記燃料ガス生成部によって生成された燃料ガスを希釈するための所定の希釈ガスを供給する希釈ガス供給部と、
前記生成された燃料ガスと、前記希釈ガス供給部によって供給された希釈ガスとを混合し、該混合された混合ガスを、前記燃料ガスとして、前記燃料電池に供給する混合ガス供給部と、を備え、
前記抑制制御部は、さらに、前記希釈ガス供給部によって供給される希釈ガスの供給量を制御することによって、前記混合ガス中の水素濃度を制御するようにしてもよい。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記抑制制御部は、前記燃料電池にかかる電圧を制御することによって、前記供給された燃料ガスに含まれる水素が前記水素透過性金属層に吸蔵され、該吸蔵された水素を強制的に前記水素透過性金属層を透過させるとともに、該強制的に水素透過性金属層を透過させる水素の量を制御し、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制するようにしてもよい。
燃料電池にかける電圧を制御することによって、電解質層を移動するプロトンの量を制御することができる。例えば、燃料電池を短絡させたり、燃料電池に逆電圧をかけたりすると、アノード側からカソード側へ、プロトンを強制的に移動させることができる。そして、例えば、燃料電池システムの起動時(水素透過性金属層中の水素量の増加時)に、燃料電池に所定量の燃料ガスを供給しつつ、アノード側からカソード側へ、プロトンを強制的に移動させる制御を行うと、水素は水素透過性金属層に吸蔵されるが、水素透過性金属層を透過する水素の量が増大するので、プロトンを強制的に移動させる制御を行わない場合と比較して、水素透過性金属層に吸蔵されている水素の増加率を低下させることができる。また、例えば、燃料電池システムの通常の運転時に、燃料電池にかける電圧を制御して、アノード側からカソード側へ、プロトンを強制的に移動させる制御を行っている場合には、燃料電池システムの停止時(水素透過性金属層中の水素量の減少時)に、水素透過性金属層を強制的に透過させる水素の量が減少するように、燃料電池にかける電圧を制御すれば、水素透過性金属層中の水素の減少率を低下させることができる。
本発明では、燃料電池にかかる電圧を制御することによって、燃料電池に供給された燃料ガスに含まれる水素が水素透過性金属層に吸蔵され、この吸蔵された水素を強制的に水素透過性金属層を透過させるとともに、強制的に水素透過性金属層を透過させる水素の量を制御して、水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する。こうすることによっても、急激に水素透過性金属層に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層から水素が放出されて、水素透過性金属層が急激に収縮したりすることを防止することができる。したがって、本発明によって、水素透過性金属層への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層からの水素の放出に起因する水素透過性金属層と電解質層との剥離や亀裂を抑制することができる。
上記いずれかの燃料電池システムにおいて、
前記抑制制御部は、前記燃料電池に対する要求出力の単位時間当たりの変化率が所定値以上になったときに、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する制御を行うようにしてもよい。
上記いずれかの燃料電池システムにおいて、
前記抑制制御部は、前記燃料電池システムの起動時、および、停止時の少なくとも一方に動作するようにしてもよい。
一般に、燃料電池システムは、安全性の観点から、燃料電池内の水素が外部に排出された状態で停止される。そして、従来、燃料電池システムの停止時には、燃料ガスの供給を停止して、掃気が行われるため、運転中に水素透過性金属層に吸蔵されていた水素が急激に放出され、水素透過性金属層が急激に収縮していた。また、燃料電池システムの起動時には、水素が存在しない状態の燃料電池に燃料ガスが供給されるため、水素が水素透過性金属層に急激に吸蔵され、水素透過性金属層が急激に膨張していた。このため、燃料電池システムの起動時、および、停止時に、先に説明した剥離や亀裂が生じやすかった。
本発明では、燃料電池システムの起動時、および、停止時の少なくとも一方に抑制制御部が動作するので、先に説明した剥離や亀裂を効果的に抑制することができる。
なお、上述した各種制御は、燃料電池システムの起動時や、停止時以外の通常運転時にも行うようにしてもよい。例えば、車載用の燃料電池システムでは、運転中に、要求される出力が急激に変動することが多いからである。この場合、燃料電池システムにバッテリを備えるようにし、上述した制御を行うことによって、要求される出力の急激な増大に追従して発電量を増大できない場合には、不足する電力をバッテリから補充し、要求される出力の急激な減少に追従して発電量を減少できない場合には、余分に発電された電力をバッテリに蓄電するようにしてもよい。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。本発明は、上述の燃料電池システムとしての構成の他、燃料電池システムの制御方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、燃料電池システムの動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池システムの構成:
A2.運転制御:
A2−1.起動時制御:
A2−2.停止時制御:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
C1.燃料電池システムの構成:
C2.運転制御
C2−1.起動時制御:
C2−2.停止時制御:
D.変形例:
A.第1実施例
A1.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例の燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。燃料電池10は、水素と酸素との電気化学反応によって発電するセルを複数積層させたスタック構造を有している。図示は省略したが、各セルは、概ね、プロトン伝導性を有する電解質層12と、水素透過性金属層14とを積層させた膜の両面をセパレータで挟むことによって構成されている。セパレータには、燃料電池10の水素極(アノード)に燃料ガスを供給するための流路や、燃料電池10の酸素極(カソード)に酸化剤ガスを供給するための流路や、冷却水を流すための流路が形成されている。
燃料電池10において、電解質層12としては、固体酸化物、例えば、BaCeO3、SrCeO3系のセラミックスや、固体高分子など、種々の電解質を用いることができる。また、水素透過性金属層14としては、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属や、VA族元素、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いることができる。また、これらのうちの2種類以上を積層させた複合金属膜を用いるようにしてもよい。
燃料電池10のアノードには、水素タンク21から、燃料ガスとしての水素が、シャットバルブ22や、流量調整弁23等によって供給量が調整され、配管20を介して供給される。水素タンク21、シャットバルブ22、流量調整弁23、配管20は、本発明における燃料ガス供給部に相当する。
燃料電池10のアノードから排出されるアノードオフガスは、配管30を介して、図示しない希釈器を通って、外部に排出される。アノードオフガスを配管20に循環させて、アノードオフガスに残留する未消費の水素を再利用するようにしてもよい。
燃料電池10のカソードには、配管40を介して、エアコンプレッサ42によって圧縮された空気が、酸化剤ガスとして供給される。燃料電池10のカソードから排出されたカソードオフガスは、配管50を介して、外部に排出される。
燃料電池システム100の運転は、制御ユニット60によって制御される。制御ユニット60は、内部にCPU、RAM、ROM、タイマ等を備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って、システムの運転を制御する。制御ユニット60は、例えば、出力制御や、各種バルブの開閉制御や、反応ガスの供給量の制御等を行う。制御ユニット60は、本発明における抑制制御部に相当する。
A2.運転制御:
先に説明したように、燃料電池10では、水素透過性金属層14に水素が吸蔵されたり、水素透過性金属層14から水素が放出されたりするときに、水素透過性金属層14が膨張したり、収縮したりする。そして、このときの水素透過性金属層14と電解質層12との膨張率の差によって両者に発生する応力に起因して、水素透過性金属層14と電解質層12との界面で剥離が生じたり、亀裂が生じたりする場合があった。このような剥離や亀裂は、特に、燃料電池システム100の起動時、および、停止時に、上述した水素透過性金属層14の膨張や、収縮が急激に起こったときに生じ易い。
そこで、本実施例では、燃料電池システム100の起動時、および、停止時に、水素透過性金属層14への水素の吸蔵や、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制するための制御を行う。以下、燃料電池システム100の起動時に行う起動時制御、および、停止時に行う停止時制御について説明する。
A2−1.起動時制御:
図2は、第1実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
時刻Ts0に、燃料電池システム100の起動指示が入力されると、CPUは、エアコンプレッサ42を起動して、燃料電池10への空気の供給を開始するとともに、シャットバルブ22、および、流量調整弁23を制御して、燃料電池10への水素の供給を開始する。そして、CPUは、流量調整弁23を制御して、所定の変化率で水素供給量を徐々に増大させる(ステップS100)。このときの変化率は、水素透過性金属層14、および、電解質層12の材質や、膜厚等、水素透過性金属層14と電解質層12との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて、予め設定されている。この値は、例えば、実験的に求められ、水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂が比較的生じにくい値が用いられる。
次に、CPUは、水素供給量が所定量Vsになったか否かを判断する(ステップS110)。水素供給量が所定量Vsになっていなければ(S110:NO)、CPUは、水素供給量が所定量Vsになるまで、所定の変化率で水素供給量を増大させる(ステップS100)。水素供給量が所定量Vsになったら(ステップS110:YES)、CPUは、起動時制御を終了する。
以上説明した起動時制御によって、燃料電池システム100の起動時に、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張することを防止することができる。
A2−2.停止時制御:
図3は、第1実施例における停止時制御の流れを示すフローチャートである。この処理も、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
時刻Te0に、燃料電池システム100の停止指示が入力されると、CPUは、流量調整弁23を制御して、所定の変化率で水素供給量を徐々に減少させる(ステップS200)。この変化率は、先に説明した起動時制御の場合と同様に、水素透過性金属層14、および、電解質層12の材質や、膜厚等、水素透過性金属層14と電解質層12との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて、予め設定されている。
次に、CPUは、水素供給量が0になったか否かを判断する(ステップS210)。水素供給量が0になっていなければ(S210:NO)、CPUは、水素供給量が0になるまで、所定の変化率で水素供給量を減少させる(ステップS200)。水素供給量が0になったら(ステップS210:YES)、CPUは、停止時制御を終了する。停止時制御の終了後、CPUは、配管20、30等、水素ラインのパージを行って残留する水素を排出し、燃料電池システム100を停止する。
以上説明した停止時制御によって、燃料電池システム100の停止時に、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮することを防止することができる。
以上説明した第1実施例の燃料電池システム100によれば、燃料電池10に供給される水素の量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように水素を供給するので、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮したりすることを防止することができる。したがって、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制することができる。
B.第2実施例:
第2実施例の燃料電池システムは、起動時制御以外は、第1実施例の燃料電池システム100と同じである。したがって、ここでは、起動時制御についてのみ説明する。
図4は、第2実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
時刻Ts0に、燃料電池システム100の起動指示が入力されると、CPUは、エアコンプレッサ42を起動して、燃料電池10への空気の供給を開始するとともに、シャットバルブ22、および、流量調整弁23を制御して、燃料電池10への水素の供給を開始する。そして、CPUは、水素を所定量Vs供給するとともに、所定の変化率で燃料電池10に印加する電圧を、逆電圧から徐々に増大させる(ステップS300)。燃料電池10に印加する電圧を制御することによって、電解質層12を移動するプロトンの量を制御することができるからである。例えば、燃料電池10に逆電圧を印加すると、アノード側からカソード側へ、プロトンを強制的に移動させることができる。したがって、燃料電池10に所定量の水素を供給しつつ、燃料電池10に逆電圧を印加すれば、水素は水素透過性金属層14に吸蔵されるが、水素透過性金属層14を透過する水素の量が増大するので、燃料電池10に逆電圧を印加しない場合と比較して、水素透過性金属層14に吸蔵されている水素の増加率を減少させることができる。なお、燃料電池10に印加する電圧の変化率は、水素透過性金属層14、および、電解質層12の材質や、膜厚等、水素透過性金属層14と電解質層12との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて、予め設定されている。この値は、例えば、実験的に求められ、水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂が比較的生じにくい値が用いられる。
次に、CPUは、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS310)。所定時間は、燃料電池10に印加する電圧の変化率、および、変化量に基づいて決定される。所定時間が経過していなければ(S310:NO)、CPUは、所定時間が経過するまで、所定の変化率で燃料電池10にかかる電圧を増大させる(ステップS300)。所定時間が経過したら(ステップS310:YES)、CPUは、起動時制御を終了する。
以上説明した第2実施例の起動時制御によっても、燃料電池システムの起動時に、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張することを防止することができる。
以上説明した第2実施例の燃料電池システムによっても、第1実施例の燃料電池システム100と同様に、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮したりすることを防止することができる。したがって、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制することができる。
C.第3実施例:
C1.燃料電池システムの構成:
図5は、本発明の第3実施例の燃料電池システム100Aの概略構成を示す説明図である。第3実施例の燃料電池システム100Aは、先に説明した第1実施例の燃料電池システム100の配管20上に、燃料電池10に供給する水素を希釈するための希釈器26が設置されている。これ以外は、第1実施例の燃料電池システム100と同じである。
希釈器26には、外部から空気を導入するための配管24や、流量調整弁25や、図示しないブロア等が備えられており、水素タンク21から供給された水素と、外部から導入された空気とを混合して、その混合ガスを燃料電池10に供給する。希釈器26における水素と空気との混合割合、すなわち、混合ガス中の水素濃度は、制御ユニット60によって制御される。希釈器26は、本発明における混合ガス供給部に相当する。
C2.運転制御:
C2−1.起動時制御:
図6は、第3実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
時刻Ts0に、燃料電池システム100Aの起動指示が入力されると、CPUは、エアコンプレッサ42を起動して、燃料電池10への空気の供給を開始するとともに、シャットバルブ22、流量調整弁23、流量調整弁25を制御して、希釈器26によって所定の水素濃度の混合ガスを生成し、燃料電池10への混合ガスの供給を開始する。この際、CPUは、流量調整弁23を制御して、所定の変化率で水素供給量を徐々に増大させるとともに、流量調整弁25を制御して、所定の変化率で水素を希釈する空気の供給量を徐々に減少させる(ステップS400)。このときの各変化率は、水素透過性金属層14、および、電解質層12の材質や、膜厚等、水素透過性金属層14と電解質層12との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて、予め設定されている。
次に、CPUは、水素供給量が所定量Vsになったか否かを判断する(ステップS410)。水素供給量が所定量Vsになっていなければ(S410:NO)、CPUは、水素供給量が所定量Vsになるまで、所定の変化率で水素供給量を増大させる(ステップS400)。水素供給量が所定量Vsになったら(ステップS410:YES)、CPUは、起動時制御を終了する。
以上説明した起動時制御によって、燃料電池システム100Aの起動時に、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張することを防止することができる。
C2−2.停止時制御:
図7は、第3実施例における停止時制御の流れを示すフローチャートである。この処理も、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
時刻Te0に、燃料電池システム100Aの停止指示が入力されると、CPUは、流量調整弁23を制御して、所定の変化率で希釈器26への水素供給量を徐々に減少させるとともに、流量調整弁25を制御して、所定の変化率で希釈器26への空気の供給量を徐々に減少させる(ステップS500)。このときの各変化率は、先に説明した起動時制御の場合と同様に、水素透過性金属層14、および、電解質層12の材質や、膜厚等、水素透過性金属層14と電解質層12との密着性や、応力に関連するパラメータに基づいて、予め設定されている。
次に、CPUは、水素供給量が0になったか否かを判断する(ステップS510)。水素供給量が0になっていなければ(S510:NO)、CPUは、水素供給量が0になるまで、所定の変化率で水素供給量を減少させる(ステップS500)。水素供給量が0になったら(ステップS510:YES)、CPUは、停止時制御を終了する。停止時制御の終了後、CPUは、配管20、30等、水素ラインのパージを行って残留する水素を排出し、燃料電池システム100Aを停止する。
以上説明した停止時制御によって、燃料電池システム100Aの停止時に、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮することを防止することができる。
以上説明した第3実施例の燃料電池システム100Aによっても、燃料電池10に供給される水素の量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように水素を供給するので、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮したりすることを防止することができる。したがって、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制することができる。
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
D1.変形例1:
図8は、第1変形例の燃料電池システム100Bの概略構成を示す説明図である。第1変形例の燃料電池システム100Bは、先に説明した第1実施例の燃料電池システム100における水素タンク21、シャットバルブ22、および、流量調整弁23の代わりに、燃料ガス生成部70を備えている。これ以外は、第1実施例の燃料電池システム100と同じである。
燃料ガス生成部70には、所定の原料や、空気や、水蒸気が供給され、これらの種々の化学反応によって、水素を含む燃料ガスが生成される。化学反応には、後述するように、例えば、完全酸化反応や、部分酸化反応や、改質反応や、シフト反応等が含まれ得る。原料は、配管71に配設された流量調整弁72によって調整されて、燃料ガス生成部70に供給される。空気は、配管73に配設された流量調整弁74によって調整されて、燃料ガス生成部70に供給される。水蒸気は、配管75に配設された流量調整弁76によって調整されて、燃料ガス生成部70に供給される。各流量調整弁72,74,76は、制御ユニット60によって制御される。なお、図示した例では、燃料ガス生成部70は、1つのユニットであるように描かれているが、これに限られず、複数のユニットによって構成されていてもよい。
燃料ガス生成部70に供給される所定の原料としては、水素原子を含有する種々の化合物、例えば、ガソリンや、メタノール等のアルコール、エーテル、アルデヒド等の炭化水素化合物を用いることができる。そして、燃料ガス生成部70では、完全酸化反応や、部分酸化反応や、改質反応、シフト反応等、種々の化学反応を経て、水素を含む燃料ガスが生成される。
例えば、炭化水素化合物Cnmを原料とする場合、完全酸化反応は、次式(1)によって表される。
nm+(n+m/4)O2 →m/2H2O+nCO2 …(1);
また、部分酸化反応は、次式(2)によって表される。
nm+n/2O2 →m/2H2+nCO …(2);
また、改質反応は、次式(3)、(4)によって表される。
nm+nH2O →nCO+(n+m/2)H2 …(3);
nm+n/2O2 →nCO+m/2H2 …(4);
また、シフト反応は、一酸化炭素を、水蒸気を利用して酸化するとともに、水素を生成する反応であり、次式(5)によって表される。
CO+H2O→H2+CO2 …(5);
上式(1),(2)から分かるように、部分酸化反応によっては、水素が生成されるが、完全酸化反応によっては、水素は生成されない。そして、一般に、炭化水素化合物を酸化させる時に、炭化水素化合物に対する酸素(空気)の割合を過剰に小さくすると、完全酸化反応も部分酸化反応も少なくなり、生成される水素の量が少なくなる。また、炭化水素化合物に対する酸素(空気)の割合を過剰に大きくした場合にも、部分酸化反応よりも完全酸化反応が起こりやすくなり、生成される水素の量が少なくなる。
本変形例では、第1実施例の起動時制御、および、停止時制御において、流量調整弁23を制御して、水素の供給量を変化させた代わりに、流量調整弁72,74を制御して、燃料ガス生成部70への原料の供給量、および、空気の供給量を制御することによって、燃料ガス生成部70における完全酸化反応、および、部分酸化反応の割合を制御し、燃料ガス中の水素濃度を制御する。
こうすることによっても、燃料電池10に供給される燃料ガスに含まれる水素の量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように燃料ガスを供給することができる。したがって、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮したりすることを防止することができる。この結果、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制することができる。
D2.変形例2:
図9は、第2変形例の燃料電池システム100Cの概略構成を示す説明図である。第2変形例の燃料電池システム100Cは、先に説明した第3実施例の燃料電池システム100Aにおける水素タンク21、シャットバルブ22、および、流量調整弁23の代わりに、第1変形例で説明した燃料ガス生成部70を備えている。これ以外は、第2実施例の燃料電池システム100Cと同じである。
そして、第1変形例では、起動時制御、および、停止時制御において、燃料ガス生成部70への原料の供給量、および、空気の供給量を制御することによって、燃料ガス生成部70における完全酸化反応、および、部分酸化反応の割合を制御し、燃料ガス中の水素濃度を制御したが、本変形例では、上式(1)に示した完全酸化反応が起きない条件で燃料ガスを生成して、この燃料ガスを第3実施例と同様に、希釈器26によって空気で希釈して、燃料電池10に供給する。
第2変形例の燃料電池システム100Cによっても、燃料電池10に供給される燃料ガスに含まれる水素の量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように燃料ガスを供給することができる。したがって、急激に水素透過性金属層14に水素が吸蔵されて、水素透過性金属層14が急激に膨張したり、急激に水素透過性金属層14から水素が放出されて、水素透過性金属層14が急激に収縮したりすることを防止することができる。この結果、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制することができる。
D3.変形例3:
上記第2実施例では、燃料電池システム100の起動時制御において、燃料電池10に印加する電圧を制御して、水素透過性金属層14に吸蔵されている水素の増加率を低下させ、水素透過性金属層14が急激に膨張することを抑制する例を示したが、これに限られない。例えば、燃料電池システムの通常の運転時に、燃料電池10に印加する電圧を制御して、アノード側からカソード側へ、プロトンを強制的に移動させる制御を行っている場合には、燃料電池システムの停止時に、水素透過性金属層14を強制的に透過させる水素の量が減少するように、燃料電池10に印加する電圧を制御すれば、水素透過性金属層14を透過する水素の減少率を低下させ、水素透過性金属層14が急激に収縮することを抑制することができる。
D4.変形例4:
上記第3実施例、および、第2変形例では、起動時制御、および、停止時制御において、水素タンク21から供給された純水素、または、燃料ガス生成部70によって生成された燃料ガスを、空気で希釈するものとしたが、これに限られない。空気の代わりに、例えば、アノードオフガス等、他のガスを用いて希釈するようにしてもよい。
D5.変形例5:
上記第1実施例、および、第3実施例では、起動時制御において、水素供給量が所定量Vsになったか否かによって、起動時制御を終了するか否かを判断するものとしたが、所定時間が経過したか否かによって、起動時制御を終了するか否かを判断するものとしてもよい。
D6.変形例6:
上記実施例、および、変形例では、起動時制御、および、停止時制御において、水素透過性金属層14への水素の吸蔵、および、水素透過性金属層14からの水素の放出に起因する水素透過性金属層14と電解質層12との剥離や亀裂を抑制するための各種制御を行うものとしたが、これに限られず、起動時や、停止時以外の通常運転時にも行うようにしてもよい。例えば、車載用の燃料電池システムでは、運転中に、要求される出力が急激に変動することが多いからである。この場合、燃料電池システムにバッテリを備えるようにし、上述した制御を行うことによって、要求される出力の急激な増大に追従して発電量を増大できない場合には、不足する電力をバッテリから補充し、要求される出力の急激な減少に追従して発電量を減少できない場合には、余分に発電された電力をバッテリに蓄電するようにしてもよい。
第1実施例の燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。 第1実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施例における停止時制御の流れを示すフローチャートである。 第2実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。 第3実施例の燃料電池システム100Aの概略構成を示す説明図である。 第3実施例における起動時制御の流れを示すフローチャートである。 第3実施例における停止時制御の流れを示すフローチャートである。 第1変形例の燃料電池システム100Bの概略構成を示す説明図である。 第2変形例の燃料電池システム100Cの概略構成を示す説明図である。
符号の説明
100,100A,100B,100C…燃料電池システム
10…燃料電池
12…電解質層
14…水素透過性金属層
20…配管
21…水素タンク
22…シャットバルブ
23…流量調整弁
24…配管
25…流量調整弁
26…希釈器
30…配管
40…配管
42…エアコンプレッサ
50…配管
60…制御ユニット
70…燃料ガス生成部
71,73,75…配管
72,74,76…流量調整弁

Claims (9)

  1. 燃料電池システムであって、
    水素を選択的に透過させる水素透過性金属層と、プロトン伝導性を有する電解質層とを積層させた電解質膜を有する燃料電池と、
    水素を含む燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給部と、
    該供給された燃料ガスに含まれる水素が前記水素透過性金属層を透過するときの、該水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する抑制制御部と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記抑制制御部は、前記燃料ガスの供給量の単位時間当たりの変化率が所定値以下になるように、前記燃料ガス供給部を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料ガス供給部は、
    水素を供給する水素供給部と、
    前記水素を希釈するための所定の希釈ガスを供給する希釈ガス供給部と、
    前記水素供給部によって供給された水素と、前記希釈ガス供給部によって供給された希釈ガスとを混合し、該混合された混合ガスを、前記燃料ガスとして、前記燃料電池に供給する混合ガス供給部と、を備え、
    前記抑制制御部は、前記水素供給部によって供給される水素の供給量、および、前記希釈ガス供給部によって供給される希釈ガスの供給量を制御し、前記混合ガス中の水素濃度を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料ガス供給部は、
    所定の原料と、酸素を含む酸化剤ガスとの完全酸化反応、および、部分酸化反応を含む所定の化学反応によって、前記燃料ガスを生成する燃料ガス生成部と、
    前記燃料ガス生成部に前記原料を供給する原料供給部と、
    前記燃料ガス生成部に前記酸化剤ガスを供給する酸素剤ガス供給部と、を備え、
    前記抑制制御部は、少なくとも前記原料供給部によって供給される原料の供給量、および、前記酸化剤ガス供給部によって供給される酸化剤ガスの供給量を制御して、前記燃料ガス生成部における前記完全酸化反応、および、前記部分酸化反応の割合を制御し、前記燃料ガス中の水素濃度を制御することによって、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する、
    燃料電池システム。
  5. 請求項4記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料ガス供給部は、さらに、
    前記燃料ガス生成部によって生成された燃料ガスを希釈するための所定の希釈ガスを供給する希釈ガス供給部と、
    前記生成された燃料ガスと、前記希釈ガス供給部によって供給された希釈ガスとを混合し、該混合された混合ガスを、前記燃料ガスとして、前記燃料電池に供給する混合ガス供給部と、を備え、
    前記抑制制御部は、さらに、前記希釈ガス供給部によって供給される希釈ガスの供給量を制御することによって、前記混合ガス中の水素濃度を制御する、
    燃料電池システム。
  6. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記抑制制御部は、前記燃料電池にかかる電圧を制御することによって、前記供給された燃料ガスに含まれる水素が前記水素透過性金属層に吸蔵され、該吸蔵された水素を強制的に前記水素透過性金属層を透過させるとともに、該強制的に水素透過性金属層を透過させる水素の量を制御し、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する、
    燃料電池システム。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記抑制制御部は、前記燃料電池に対する要求出力の単位時間当たりの変化率が所定値以上になったときに、前記水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する制御を行う、
    燃料電池システム。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記抑制制御部は、前記燃料電池システムの起動時、および、停止時の少なくとも一方に動作する、
    燃料電池システム。
  9. 水素を選択的に透過させる水素透過性金属層と、プロトン伝導性を有する電解質層とを積層させた電解質膜を有する燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    水素を含む燃料ガスを前記燃料電池に供給する工程と、
    該供給された燃料ガスに含まれる水素が前記水素透過性金属層を透過するときの、該水素透過性金属層中の水素量の単位時間当たりの変化率を所定値以下に抑制する工程と、
    を備える制御方法。
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