JP6521830B2 - 高温水蒸気電解セル及び高温水蒸気電解システム - Google Patents

高温水蒸気電解セル及び高温水蒸気電解システム Download PDF

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Description

本発明は、高温水蒸気電解セル及び高温水蒸気電解システムに関する。
固体酸化物電解質を用いた高温水蒸気電解(以下、単に高温水蒸気電解と言う)は、その他の水素製造方法と比較し、高効率であることが知られている。そして、現在までに水素を高効率で製造するシステムを特徴とした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
水電解システムの水素ステーションなどへの適用を検討した場合、常圧の水素を圧縮機で高圧にする手法になる。現在、水素ステーションにおいて圧縮機等を中心とした昇圧コスト(低効率)が水素製造価格を押し上げ、水素ステーションの普及を妨げている。水電解システムの内部で昇圧することが可能となれば、圧縮機を不要にすることができる。
固体高分子電解質を用いた常温水蒸気電解(以下、単に常温水蒸気電解と言う)では、差圧式の圧縮システムが採用され、すでに一部実証が行われている(例えば、非特許文献1参照)。また、高温水蒸気電解においても、等圧式システムが検討され、圧力が性能へ与える影響が調査されている(例えば、非特許文献2参照)。高温水蒸気電解の等圧式システムはすでにSOFCで実証が行われているシステムと類似したシステムとなることが予想される。
なお、現在、高温水蒸気電解の主流である酸素イオン導電体を電解質層に用いたセル構造とは別にプロトン導電体を電解質層に用いた高温水蒸気電解も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−90425号公報 特開2008−223107号公報 針生栄次、外4名、"差圧式高圧水電解セルの構造とその性能評価"、Honda Technical review Soren Hojgaard Jensen, Xiufu Sun, Sune Dalgaard Ebbesen, Ruth Knibbe, Mogens Mogensen, 「Hydrogen and synthetic fuel production using pressurized solid oxide electrolysis cells」, International of Hydrogen Energy 35(2010)9544-9549
上述の非特許文献2に記載されている等圧式の高温水蒸気電解システムは、セラミックスで構成される高温水蒸気電解セルを高圧容器に入れることでSOFCにおいて実績のあるシステムで構成しつつ、高圧水素を高効率に製造できるシステムである。ところが、このシステムでは、全ての高温水蒸気電解セルを入れることができる大容量の高圧容器が必要になると共に、圧縮機が必要になるため、高圧水素の製造コストが高くなる問題がある。
また、高温水蒸気電解システムでは、筒状の水素極で電解質層を支持する高温水蒸気電解セルが研究に多く用いられており、SOFCと同様に高性能と言う利点がある。ここで、図10には、筒状の水素極で電解質層を支持する従来の高温水蒸気電解セルが横断面図にて示されている。
図10に示される従来の高温水蒸気電解セル110において、電解質層14は、水素極16(支持体)の外周に設けられ、酸素極12は、電解質層14の外周に設けられている。電解質層14には、酸素イオン導電体が用いられている。
この高温水蒸気電解セル110では、水素極16の内側に高温水蒸気が導入される。水素極16の内側に高温水蒸気が導入されると、式(1)の通り、水素極電解反応が起こり、高温水蒸気が分解されて、水素、酸素イオンが発生する。
O+2e→H+O2− ・・・(1)
水素極16で発生した酸素イオンは、電解質層14(酸素イオン導電体)を介して酸素極12に移動する。式(2)の通り、酸素極12では、水素極16から移動してきた酸素イオンによって酸素極反応が起こり、酸素と電子が発生する。電子は、図示しない電線等を介して水素極16に移動する。
2−→1/2O+2e ・・・(2)
しかしながら、上述の従来の高温水蒸気電解セル110では、水素極16の内側で発生する高圧水素の圧力Pによって緻密なセラミックスで構成された電解質層14に大きな引張力が掛かり、電解質層14が破損する虞がある。
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであり、その目的は、高圧水素を高効率及び低コストで製造できると共に電解質層の破損を抑制できる高温水蒸気電解セル及びこれを備えた高温水蒸気電解システムを提供することにある。
本発明の請求項1に係る高温水蒸気電解セルは、筒の内側に水蒸気が供給される筒状の酸素極と、前記酸素極の外周に設けられ、プロトン導電体の固体酸化物電解質により形成された電解質層と、前記電解質層の外周に設けられた水素極と、を備える。
この高温水蒸気電解セルによれば、固体酸化物電解質を用いた高温水蒸気電解で水素が製造されるので、例えば固体高分子電解質を用いた常温水蒸気電解に比して、理論電解電圧が低い分、高効率で高圧水素を製造することができる。
また、この高温水蒸気電解セルを用いた高温水蒸気電解システムでは、差圧式で水素を製造することができるので、高温水蒸気電解セルを収容する高圧容器が小容量で済み、圧縮機も不要又は最小限で足りるので、高圧水素を低コストで製造することができる。
しかも、この高温水蒸気電解セルでは、酸素極で電解質層が支持されており、電解質層の外周に設けられた水素極の外側に高圧水素が存在する構造とされている。したがって、高圧水素の圧力によって電解質層に引張力が作用することを回避できるので、電解質層の破損を抑制することができる。
なお、請求項1に係る高温水蒸気電解セルにおいて、前記電解質層は、プロトン導電体である
このように、例えば酸素イオン導電体に比して低温で作動できるプロトン導電体が電解質層に用いられていると、より効率良く高圧水素を製造することができる。
また、本発明の高温水蒸気電解セルにおいて、前記酸素極、前記電解質層、及び、前記水素極は、いずれも円筒状でも良い。
このように、酸素極、電解質層、及び、水素極が、いずれも円筒状であると、水素極の外側に高圧水素が存在する場合でも、酸素極、電解質層、及び、水素極に局所的な応力が集中することを回避できる。これにより、酸素極、電解質層、及び、水素極の破損を抑制することができる。
本発明の請求項2に係る高温水蒸気電解セルは、前記酸素極は、前記水素極よりも厚さが厚
このように、電解質層を支持する酸素極が、水素極よりも厚さが厚いと、電解質層をより強固に支持することができる。これにより、電解質層の破損をより一層効果的に抑制することができる。
本発明の請求項4に係る高温水蒸気電解システムは、上述の高温水蒸気電解セルと、前記高温水蒸気電解セルに水蒸気を供給する第一マニホールドと、前記高温水蒸気電解セルにて発生した酸素及び水を排出する第二マニホールドと、前記高温水蒸気電解セルを収容し前記高温水蒸気電解セルにて発生した水素が充填される高圧容器とを備える。
この高温水蒸気電解システムによれば、上述の高温水蒸気電解セルを備えるので、高温水蒸気電解セルにおける電解質層の破損を抑制しつつ、高圧水素を高効率及び低コストで製造することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、高圧水素を高効率及び低コストで製造できると共に電解質層の破損を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セルの横断面図である。 図1に示される高温水蒸気電解セルの要部拡大図である。 本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解システムの全体図である。 図3に示されるホットモジュール部の構成を示す図である。 図4に示されるセルスタック部の平面図である。 図4に示されるセルスタック部の側面図である。 (A)は本発明の一実施形態に係るセルスタック部、(B)は従来のセルスタック部を示す図である。 本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セルの第一変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セルの第二変形例を示す図である。 従来の高温水蒸気電解セルの横断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セル10が横断面図にて示されている。この図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セル10は、酸素極12と、電解質層14と、水素極16とを備えている。
酸素極12、電解質層14、及び、水素極16は、いずれも円筒状である。電解質層14は、酸素極12(支持体)の外周に設けられ、水素極16は、電解質層14の外周に設けられている。電解質層14には、固体酸化物電解質で形成された導電体の一例として、プロトン導電体が用いられている。酸素極12は、水素極16よりも厚さが厚く形成されている。
この高温水蒸気電解セル10では、酸素極12の内側に高温水蒸気が導入されると、式(3)の通り、酸素極電解反応が起こり、高温水蒸気は、水素イオン、酸素、電子に分解され、酸素極12の内側には、酸素が発生する。
O→2H+1/2O+2e ・・・(3)
酸素極12で発生した水素イオンは、電解質層14(プロトン導電体)を介して水素極16に移動し、電子は、図示しない電線等を介して水素極16に移動する。式(4)の通り、水素極16では、酸素極12から移動してきた水素イオンと電子とによって水素極反応が起こり、水素極16から水素が発生する。
2H+2e→H ・・・(4)
この高温水蒸気電解セル10は、後述する如く高圧容器に収容される。水素極16から水素が発生することにより、高圧容器内は、高圧となり、水素極16には、外側から圧力Pが作用する。
図2は、図1に示される高温水蒸気電解セル10の要部拡大図である。図2に示されるように、酸素極12は、より具体的には、酸素極基板18及び酸素極活性層20によって形成されている。酸素極活性層20の上には、反応防止層22が形成されている。
酸素極基板18は、例えば、厚みが200〜500μmの多孔質材料で形成され、酸素極活性層20は、例えば、厚みが5〜50μmの多孔質材料で形成され、反応防止層22は、例えば、1〜20μmの緻密性の高い材料で形成される。また、電解質層14は、例えば、1〜20μmの緻密性の高い材料で形成され、水素極16は、例えば、厚みが20〜50μmの多孔質材料で形成される。
この高温水蒸気電解セル10は、例えば、次の(a)〜(g)の手順で製造される。
(a)造孔材を入れた酸素極シートを形成し、多孔性の酸素極基板18を製造する。
(b)酸素極活性層20の材料を酸素極基板18の表面に例えばディップ法などによりコーティングし、酸素極活性層20を積層する。
(c)反応防止層22の材料を酸素極活性層20の表面に例えばディップ法などによりコーティングし、反応防止層22を積層する。
(d)電解質層14の材料を反応防止層22の表面に例えばディップ法などによりコーティングし、電解質層14を積層する。
(e)上記積層物を例えば目安温度1200〜1500℃にて焼成する。
(f)水素極16を例えばスクリーンプリント法などにより電解質層14の表面に塗布する。
(g)上記積層物を例えば目安温度700〜1000℃にて焼成する。
なお、上記(b)の工程の後、及び、上記(c)の工程の後にそれぞれ焼成があっても良い。
上述の酸素極12、電解質層14、及び、水素極16の材料の一例は、以下の通りである。
<電解質層(プロトン導電体)>
(a)BaCeO3系酸化物
(b)BaZrO3系酸化物
(c)BaCeZrO3系酸化物
なお、(a)〜(c)にNiO、CuO、ZnO、Y、Pr、Sn、Yb等を添加しても良い。
<酸素極>
(a)LaSrCo系酸化物(例:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ)
(b)LaSrMn系酸化物
(c)SmSrCo系酸化物
(d)電解質層と同様のBaZrO3系、BaCeO3系酸化物、BaCeZrO3系酸化物単体あるいは、NiO、CuO、ZnO、Y、Pr、Sn、Yb等を添加した酸化物
(e)上述の(d)と酸素極の(a)〜(c)を組み合わせた酸化物もしくは、2層にした酸化物
<水素極>
(a)Ni-YSZ(一般的なSOFCの燃料極材料)
(b)Niを添加した電解質層の(a)〜(c)の材料(例:Ni-BaCeO3系酸化物)
図3は、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解システム30の全体図である。この図3に示されるように、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解システム30は、ホットモジュール部32と、補機34とを備えている。
図4には、ホットモジュール部32が具体的に示されている。この図4に示されるように、ホットモジュール部32は、セルスタック部36と、気化器38とを備える。気化器38では、外部からの熱と水との間で熱交換がなされ、水が水蒸気となる。この水蒸気は、セルスタック部36に供給される。セルスタック部36には、上述の高温水蒸気電解セル10(図1参照)が適用されており、セルスタック部36からは、水素が排出される。
図5,図6には、セルスタック部36が具体的に示されている。図6に示されるように、セルスタック部36は、複数の高温水蒸気電解セル10と、第一マニホールド40と、第二マニホールド42と、高圧容器44とを備える。複数の高温水蒸気電解セル10は、高圧容器44の内側に収容されている(図5も適宜参照)。
各高温水蒸気電解セル10の軸方向一端側の端部には、第一マニホールド40が接合され、各高温水蒸気電解セル10の軸方向他端側の端部には、第二マニホールド42が接合されている。第一マニホールド40及び第二マニホールド42と各高温水蒸気電解セル10との接合には、例えば、ガラス接合が用いられる。
第一マニホールド40からは、水蒸気が供給され、第二マニホールド42からは、酸素及び水が排出される。また、高圧容器44内には、各高温水蒸気電解セル10にて発生した水素が充填される。図5に示されるように、高圧容器44には、水素タンク46が接続され、この水素タンク46には、高圧容器44内の水素が供給される。
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セル10によれば、固体酸化物電解質を用いた高温水蒸気電解で水素が製造されるので、例えば固体高分子電解質を用いた常温水蒸気電解に比して、理論電解電圧が低い分、高効率で高圧水素を製造することができる。
しかも、電解質層14には、例えば酸素イオン導電体に比して低温で作動できるプロトン導電体が用いられているので、より効率良く高圧水素を製造することができる。
また、この高温水蒸気電解セル10では、図1に示されるように、酸素極12で電解質層14が支持されており、電解質層14の外周に設けられた水素極16の外側に高圧水素が存在する構造とされている。したがって、高圧水素の圧力Pによって電解質層14に引張力が作用することを回避できるので、電解質層14の破損を抑制することができる。
また、電解質層14を支持する酸素極12は、水素極16よりも厚さが厚いので、電解質層14をより強固に支持することができる。これにより、電解質層14の破損をより一層効果的に抑制することができる。
さらに、酸素極12、電解質層14、及び、水素極16は、いずれも円筒状であるので、水素極16の外側に高圧水素が存在する場合でも、酸素極12、電解質層14、及び、水素極16に局所的な応力が集中することを回避できる。これにより、酸素極12、電解質層14、及び、水素極16の破損を抑制することができる。
また、この高温水蒸気電解セル10を用いた高温水蒸気電解システム30では、差圧式で水素を製造することができるので、高温水蒸気電解セル10を収容する高圧容器44(図5,図6参照)が小容量で済み、圧縮機も不要又は最小限で足りるので、高圧水素を低コストで製造することができる。
しかも、高温水蒸気電解セル10を収容する高圧容器44が小容量で済むので、高温水蒸気電解システム30を小型化することができ、また、圧縮機も不要又は最小限で足りるので、効率を向上させることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解システム30によれば、高温水蒸気電解セル10における電解質層14の破損を抑制しつつ、高圧水素を高効率及び低コストで製造することができる。
また、本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セル10によれば、図1に示されるように、電解質層14を酸素極12で支持すると共に、電解質層14にプロトン導電体を用いることにより、水蒸気は、酸素極12の内側に発生し、水素極16の外側には、水蒸気が発生しないので、高温水蒸気電解セル10を収容する高圧容器に水蒸気が溜まることを防止することができる。
ところで、通常、水素極16には、Ni-YSZが用いられ、水素極16で電解質層14を支持する従来の構造において水素極16が厚い場合には緊急停止などの際に水素極16が酸化され、電解質層14が体積膨張して破壊に至ってしまうが、本発明の一実施形態で採用する酸素極12で電解質層14を支持する構造では水素極16が薄いため、レドックス(酸化還元による水素極16のNi膨張)を無視できる。これにより、起動停止の簡略化やシステム簡略化が期待できる。
また、図7(B)に示されるように、水素極16で電解質層14を支持する従来の高温水蒸気電解セル110では、金属からのCrの蒸発により劣化する金属部(想像線Bで示される高圧タンクの内側面)の表面積が大きいが、図7(A)に示されるように、酸素極12で電解質層14を支持する本発明の一実施形態に係る高温水蒸気電解セル10では、金属からのCrの蒸発により劣化する金属部(想像線Aで示される酸素極12の内周面)の表面積が低減するため、金属からのCr被毒を低減できる。
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において、酸素極12、電解質層14、及び、水素極16は、好ましくは、いずれも円筒状に形成されるが、円筒以外の形状、例えば、楕円筒状や多角筒状に形成されても良い。
また、上記実施形態において、固体酸化物電解質で形成される電解質層14には、好ましくは、プロトン導電体が用いられるが、プロトン導電体以外の導電体、例えば、酸化物イオン導電体が用いられても良い。
このように、電解質層14に酸化物イオン導電体が用いられる場合には、図8に示されるように、水素極16の外側に高温水蒸気が導入される。水素極16の外側に高温水蒸気が導入されると、上記式(5)の通り、水素極電解反応が起こり、高温水蒸気が分解されて、水素、酸素イオンが発生する。
O+2e→H+O2− ・・・(5)
水素極16で発生した酸素イオンは、電解質層14(酸素イオン導電体)を介して酸素極12に移動する。式(6)の通り、酸素極12では、水素極16から移動してきた酸素イオンによって酸素極反応が起こり、酸素と電子が発生する。電子は、図示しない電線等を介して水素極16に移動する。
2−→1/2O+2e ・・・(6)
このように、電解質層14に酸化物イオン導電体が用いられる場合でも、酸素極12で電解質層14を支持する構造とすることにより、電解質層14の外周に設けられた水素極16の外側に高圧水素を発生させることができる。これにより、高圧水素の圧力Pによって電解質層14に引張力が作用することを回避できるので、電解質層14の破損を抑制することができる。
なお、この図8に示される例では、高温水蒸気電解セル10を収容する高圧容器内に高圧水素と共に水蒸気が発生する。したがって、高圧容器内に水蒸気が発生しないようにするためには、上記実施形態(図1参照)のように、電解質層14にプロトン導電体が用いられる方が好ましい。
また、図9に示されるように、高温水蒸気電解セル10の内側(酸素極12の内側)には、中子48が設けられると共に、中子48を中心に放射状に延びる複数の連結部50によって中子48と酸素極12とが連結されていても良い。
このように構成されていると、酸素極12の圧縮方向の強度を向上させることができ、電解質層14の破損をより一層効果的に抑制することができる。また、酸素極12の内側に中子48が配置されることにより、酸素極12の内側の流路の断面積が狭まり、その結果、酸素極12の内側を流れる水蒸気の流速が高まるので、水蒸気の拡散性の向上により電解反応を促進させることができ、水素製造性能を向上させることができる。
また、上記実施形態において、酸素極12は、好ましくは、水素極16よりも厚さが厚く形成されるが、酸素極12は、水素極16と同じ厚さか又は水素極16よりも薄く形成されても良い。
なお、上記複数の変形例は、適宜組み合わされて実施されても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…高温水蒸気電解セル、12…酸素極、14…電解質層、16…水素極、18…酸素極基板、20…酸素極活性層、22…反応防止層、30…高温水蒸気電解システム、32…ホットモジュール部、34…補機、36…セルスタック部、38…気化器、40…第一マニホールド、42…第二マニホールド、44…高圧容器、46…水素タンク、48…中子、50…連結部

Claims (4)

  1. 筒の内側に水蒸気が供給される筒状の酸素極と、
    前記酸素極の外周に設けられ、プロトン導電体の固体酸化物電解質により形成された電解質層と、
    前記電解質層の外周に設けられた水素極と、
    を備える高温水蒸気電解セル。
  2. 筒状の酸素極と、
    前記酸素極の外周に設けられ、固体酸化物電解質により形成された電解質層と、
    前記電解質層の外周に設けられた水素極と、
    を備え、
    前記酸素極は、前記水素極よりも厚さが厚い、
    高温水蒸気電解セル。
  3. 前記酸素極、前記電解質層、及び、前記水素極は、いずれも円筒状である、
    請求項1又は請求項2に記載の高温水蒸気電解セル。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の高温水蒸気電解セルと、
    前記高温水蒸気電解セルに水蒸気を供給する第一マニホールドと、
    前記高温水蒸気電解セルにて発生した酸素及び水を排出する第二マニホールドと、
    前記高温水蒸気電解セルを収容し前記高温水蒸気電解セルにて発生した水素が充填される高圧容器と、
    を備える高温水蒸気電解システム。
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