JP2005279343A - グラビア塗工装置及び光学フィルム - Google Patents

グラビア塗工装置及び光学フィルム

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Abstract

【課題】グラビア塗工装置による光学フィルム等の製造において、薄層の塗布であっても塗布ムラを発生させない安定的な塗布状態を提供する。
【解決手段】走行する帯状可撓性の支持体16の下面に塗布液を塗布するグラビアローラ12を備えるグラビア塗工装置10において、グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、無負荷時の半径方向の振れ量を15μm以下とする。
【選択図】 図2

Description

本発明はグラビア塗工装置及び光学フィルムに係り、特に、光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の光学フィルムや、液晶層のムラを改善するために有用な光学フィルム等の製造に好適に適用できるグラビア塗工装置、及びこれを使用して製造された光学フィルムに関する。
近年、光学フィルムの需要が増加しつつある。この光学フィルムとしては、液晶セルに位相差板として使用される光学補償フィルムや、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の各種の機能を有するフィルムが代表的である。
このような光学フィルムの製造方法の代表的なものとして、帯状可撓性の支持体(以下、「ウェブ」と言う)の表面に各種塗布装置を使用して、各種組成の塗布膜を形成する方法が挙げられる。
これらの塗布装置としては、ワイヤーバーコーター、グラビアコーター又はロールコーター等が代表的であり、特にグラビアコーター(グラビア塗工装置)が好んで採用される場合が多い。
このようなグラビア塗工装置を使用して、塗布ムラを発生させない安定的な塗布状態を得るためには、グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部(グラビア版胴部)における半径方向の振れ量を小さくすることが有効である。
このための手段としては、たとえば、ローラの軸受部における歪を測定しながら軸受の組み付け姿勢を調整し、これによりローラの回転精度を向上させる提案がなされている(特許文献1参照。)。
特開2003−56551号公報
しかしながら、このようなグラビア塗工装置であっても、現状では十分な性能が得られているとは言えない。すなわち、従来は、グラビアローラの表面に形成された凹部(セル)に、塗布する塗布液が入った受けパン部より塗布液を供給し、その凹部外に付着した過剰の塗布液をブレード等により掻き落として、凹部の容積に応じた量をウェブに転写していた。
ところが、近年、薄層化塗布の要求が強い。この場合、凹部の容積を少なくしていくことで薄層化に対処できるが、転写するのに十分な液たまり部(ビード)の液量が少ないことにより、非常に小さな液たまり部を作っている。そのため、グラビアローラ表面の半径方向の振れにより、その液たまり部が影響を受け、ウェブの幅方向に直線状のムラを引き起こすことが多く、重大な問題となってきている。
また、塗布層が薄層であるが故に、そのムラを引き起こす塗布量の差を解消するための液のレベリング等の時間が十分とれず、このムラをさらに顕在化し易くしている。
これに対し、既述の特許文献1のように、軸受け部を工夫して回転精度を向上させる方法も提案されているが、グラビア版胴部が振れている場合には対処できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、グラビア塗工装置による光学フィルム等の製造において、薄層の塗布であっても塗布ムラを発生させない安定的な塗布状態を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、無負荷時の半径方向の振れ量が15μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置を提供する。
本発明によれば、グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部(グラビア版胴部)の全ての箇所において、無負荷時の半径方向の振れ量が15μm以下となっているので、液たまり部(ビード)がローラ表面の半径方向の振れの影響を受けにくく、これにより塗布ムラを防止することができる。
また、本発明は、走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、前記グラビアローラの端部に連結されている駆動軸と、前記グラビアローラとの軸心同士のずれ量が50μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置を提供する。
本発明によれば、駆動軸とグラビアローラとの軸心同士のずれ量が良好な値となっているので、液たまり部(ビード)がローラ表面の半径方向の振れの影響を受けにくく、これにより塗布ムラを防止することができる。
また、本発明は、走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、塗布時の半径方向の振れ量が30μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置を提供する。
本発明によれば、グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部(グラビア版胴部)の全ての箇所において、塗布時の半径方向の振れ量が30μm以下となっているので、液たまり部(ビード)がローラ表面の半径方向の振れの影響を受けにくく、これにより塗布ムラを防止することができる。
本発明において、前記塗布された塗布液の塗布時の膜厚が1〜10μmであることが好ましい。また、本発明において、前記塗布された塗布液の膜厚偏差が±1.25%以下となっていることが好ましい。このような膜厚の塗布が行なえれば、光学フィルムとして好ましい。
なお、光学フィルムとは、光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の各種の機能を有するフィルムをも含むものである。
以上説明したように、本発明によれば、塗布の際の液たまり部(ビード)がローラ表面の半径方向の振れの影響を受けにくく、これにより塗布ムラを防止することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るグラビア塗工装置及び光学フィルムの好ましい実施の形態(第1の実施形態)について詳説する。図1は、本発明に係るグラビア塗工装置が適用される光学補償フィルムの製造ラインを説明する説明図である。図2は、この製造ラインのうち、塗布手段であるグラビア塗工装置10の一例を示す断面図である。
光学補償シートの製造ラインは、図1に示されるように、送り出し機66から予め配向膜形成用のポリマー層が形成された透明支持体であるウエブ16が送り出されるようになっている。ウエブ16はガイドローラ68によってガイドされてラビング処理装置70に送りこまれようになっている。ラビングローラ72は、ポリマー層にラビング処理を施すべく設けられている。ラビングローラ72の下流には除塵機74が設けられており、ウエブ16の表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流にはグラビア塗工装置10が設けられており、ディスコネマティック液晶を含む塗布液がウエブ16に塗布できるようになっている。この下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウエブ16上に液晶層が形成できるようになっている。更に、この下流には紫外線ランプ80が設けられており、紫外線照射により、液晶を架橋させ、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウエブ16が巻き取られるようになっている。
図2に示されるように、グラビア塗工装置10は、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18でガイドされて走行するウエブ16に対して、回転駆動されるグラビアローラ12で塗布液を塗布する装置である。上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、ウエブ16がグラビアローラ12に所定の圧力で押し付けられながら走行するように配置されている。
グラビアローラ12、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、ウエブ16の幅と略同一の長さを有する。
グラビアローラ12は、図2の矢印に示されるように回転駆動される。この回転方向は、ウエブ16の走行方向に対して逆転方向となる。なお、図2とは逆の順転の駆動による塗布も、塗布条件(たとえば、ドクターブレードの設置)によっては採用できる。
グラビアローラ12の駆動方法は、インバータモータによるダイレクト駆動(軸直結)であるが、各種モータと減速機(ギアヘッド)との組み合わせ、各種モータよりタイミングベルト等の巻き掛け伝達手段による方法であってもよい。
グラビアローラ12表面のセル(cell)形状は、公知のピラミッド型、格子型及び斜線型等のいずれであってもよい。すなわち、塗布速度、塗布液の粘度、塗布膜厚等により適宜のセルを選択すればよい。
グラビアローラ12の下方には、液受けパン14が設けられており、この液受けパン14には塗布液が満たされている。そして、グラビアローラ12の約下半分は塗布液に浸漬されている。この構成により、グラビアローラ12表面のセルに塗布液が供給されることとなる。
塗布前に塗布液の余剰分を掻き落とすべく、グラビアローラ12の約10時に位置にその先端が接するようにドクターブレード15が設置されている。このドクターブレード15は、基端部の回動中心15Aを中心として、図2の矢印方向に、図示しない付勢手段により付勢されている。
上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18としては、中空の鉄製パイプの表面にクロムメッキを施したもの、中空のアルミニウム製パイプの表面に硬質メッキを施したもの、中空のアルミニウム製パイプのみからなるもの、等が採用できる。
上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、グラビアローラ12と平行な状態で支持されている。そして、上流ガイドローラ17及び下流ガイドローラ18は、両端部分を軸受部材(ボール軸受等)により回動自在に支持され、駆動機構を付されない構成のものが好ましい。
次に、本発明に係るグラビア塗工装置の構成を得るための具体的な手段について説明する。先ず、グラビア塗工装置10において、塗布状態が不良となる各状態を図3〜図5によって示す。
図3は、グラビアローラ12(軸部12B、12B)が軸受部材13、13で支持され、矢印方向に回転している状態を示している。この状態において、グラビア版胴部12Aの半径方向の振れ量が、図の実線及び想像線で示されるように大きくなっている。
図4は、グラビアローラ12の側面図であり、グラビアローラ12の両端部に嵌着されている軸受部材13A、13Bと、グラビア版胴部12Aとの軸心同士がズレている状態を示している。すなわち、グラビアローラ12の軸心C12に対し、軸受部材13A、13Bの軸心C13A、C13Bは、大きくずれている。なお、図4において軸部12B、12Bの図示は省略されている。
図5は、グラビアローラ12(軸部12B、12B)が軸受部材13、13で支持され、更に、軸部12Bの一端が駆動軸Dと連結される状態を示している。この状態において、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量tが所定の値となっている。このように、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士でずれ量tを生じていても、公知のオルダム継手、ユニバーサルジョイント、フレキシブル継手等を使用して駆動力の伝達は可能である。しかしながら、ずれ量tが大きい場合には、グラビア版胴部12Aに振れ(run out)を生じたり、振動を発生させたりし、塗布に悪影響を及ぼすことも多い。
特に、従来のグラビア塗工装置であって、グラビアローラの長いもの(たとえば、ウエブ16の幅に対応するグラビア版胴部の長さが1.5m程度)では、グラビア版胴部の中央部付近では、半径方向の振れ量が約30μm以上となっている。この状態では、塗布膜厚をウエブ16の幅方向に均一に制御するのに大きな悪影響を与える。すなわち、グラビア版胴部の半径方向の振れが、ビード(グラビア版胴部とウエブとの接触部分での液溜り)の大きさや形状を変化させたり、ドクターブレードを併設している場合には、ブレード先端のグラビア版胴部へのあたり状態を変動させたりして、塗布される膜厚の制御が十分にできなくなる。
具体的には、このような状態のグラビア塗工装置によって塗布された塗布膜の厚さむらとして、グラビアローラの回転1周の間に約5%程度の厚さむらが発生することがある。このような厚さむらは、光学フイルムとしては品質上の重大な問題となる。
上記のように、図3〜図5に示された不具合を解消すべく、以下の手段が採り得る。
1)グラビアローラ12自体の加工精度を向上させる。
2)グラビアローラの両端部に嵌着されている軸受部材と、グラビア版胴部12Aの全ての箇所との同心度(軸心同士のズレの程度)を向上させる。
3)駆動軸Dとグラビアローラ12との軸心同士のずれ量を極小とする。
以下、これらの具体的な方法について説明する。図6は、上記の1)の具体的な方法についての説明図である。図6において、表面のセル(cell)が形成されたグラビアローラ12は、円筒研削盤のワークテーブル上に支持され回転駆動されている。すなわち、仕上加工のためのグラビアローラ12の両端部が心押し台M、Mで支持されている。この状態で回転駆動される研削砥石Wが、グラビア版胴部12Aの表面に押圧力Fで押し当てられながら、左右方向に往復移動する。
この際、通常の研削加工の経済性を重視した加工条件よりも押圧力Fを小さくし、その分だけ時間をかけて加工することにより、グラビアローラ12自体の加工精度を向上させることができる。
また、グラビアローラ12の被加工面(図6では下面)の反対側(図6では上面)にバックアップローラを配し、加工中のグラビアローラ12の撓み、逃げを防止する構成も好ましく採用できる。
上記の方法は、グラビア版胴部12Aのセルが、表面に微細凹凸形状を有するマザーロールを押し当てて彫刻により形成される場合、グラビア版胴部12Aのセルが、サンドブラスト加工により形成される場合、グラビア版胴部12Aのセルが、レーザー加工により形成される場合、グラビア版胴部12Aのセルが、フォトエッチングにより形成される場合、等のいずれの場合であっても適用できる。
特に、グラビア版胴部12Aのセルが、表面に微細凹凸形状を有するマザーロールを押し当てて彫刻により形成される場合には、マザーロールの押圧力Fを小さくし、その分だけ時間をかけて加工する方法、バックアップローラを配し、加工中のグラビアローラ12の撓み、逃げを防止する方法が好ましく採用できる。
図7は、上記の2)の具体的な方法についての説明図である。図7において、グラビアローラ12は、両端部近傍に軸受部材13、13が嵌着された状態で、円筒研削盤のワークテーブル上に支持され回転駆動されている。すなわち、グラビアローラ12の両端部が心押し台M、Mで支持されている。この状態で回転駆動される研削砥石Wが、グラビア版胴部12Aの表面に押圧力Fで押し当てられながら、左右方向に往復移動するのみならず、軸受部材13、13の外周面をも研削加工する。
これにより、軸受部材13、13と、グラビア版胴部12Aとの同心度(軸心同士のズレの程度)を良好にできる。なお、この研削加工の際にも、既述したような、押圧力Fを小さくし、その分だけ時間をかけて加工する方法、バックアップローラを配し、加工中のグラビアローラ12の撓み、逃げを防止する方法が併用できる。
更に、上記の1)及び2)の手段に加え、グラビアローラ12を複数個製造し、加工後のこれらのグラビアローラ12の加工精度を測定し、その中より加工精度の良好なものを選別して使用する方法も有効である。
更に、究極的な方法として、機上(グラビア塗工装置10上で)でグラビアローラ12の仕上加工を行う方法が採用できる。この場合、上記の1)及び2)の手段と併用すると、特に好ましい結果が得られる。
本実施の形態において、グラビア塗工装置10は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
上述したグラビア塗工装置10は、特に薄層塗布に有効であるので、たとえば、ウエット塗布量が10ml/m2 以下の薄層塗布を行う光学補償シートの製造ラインに好適に適用することができる。
次に、本発明に係るグラビア塗工装置を使用して製造される光学フィルムについて説明する。
本発明に使用するウエブ16としては、光透過率が80%以上であるポリマーフィルムを用いることが好ましい。ポリマーフィルムとしては、外力により複屈折が発現しにくいものが好ましい。ポリマーの例には、セルロース系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー(たとえば、アートン(JSR(株)製)、ゼオノア、ゼオネックス(いずれも、日本ゼオン(株)製))及びポリメチルメタクリレートが含まれる、セルロース系ポリマーが好ましく、セルロースエステルがより好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルが更に好ましい。
この低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースエステルとしてはセルロースアセテートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロース及びトリアセチルセルロースなどが挙げられる。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
一般に、セルロースアセテートの2、3、6の水酸基は、全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアセテートの6位水酸基の置換度が、2、3位に比べて多いほうが好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が30%以上40%以下アシル基で置換されていることが好ましく、更には31%以上、特に32%以上であることが好ましい。更にセルロースアセテートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。
6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求める事ができる。
本発明のセルロースアセテートとして、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載されている合成例1、段落番号0048〜0049に記載されている合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載されている合成例3の合成方法により得られたセルロースアセテートを用いることができる。
ポリマーフィルムのレターデーションを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用する。
ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いる場合、芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することが更に好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることが更に好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環及び1、3、5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環及び1、3、5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環及び1、3、5−トリアジン環が更に好ましい。芳香族化合物は、少なくとも一つの1、3、5−トリアジン環を有することが特に好ましい。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることが更に好ましく、2〜6であることが最も好ましい。二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合及び(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。
(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ナフタセン環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環及びチアントレン環が含まれる。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環及びキノリン環が好ましい。
(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環または非芳香族性複素環を形成してもよい。
(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせであることが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆になってもよい。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
芳香族環及び連結基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファモイル基、脂肪族置換ウレイド基及び非芳香族性複素環基が含まれる。
アルキル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。アルキル基は、更に置換基(例、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有していてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル及び2−ジエチルアミノエチルが含まれる。アルケニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、更に置換基を有していてもよい。
アルケニル基の例には、ビニル、アリル及び1−ヘキセニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2〜8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、更に置換基を有していてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブチニル及び1−ヘキシニルが含まれる。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル、プロパノイル及びブタノイルが含まれる。脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセトキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。アルコキシ基は、更に置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。
アルコキシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキシ、エトキシ、ブトキシ及びメトキシエトキシが含まれる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルが含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ及びエトキシカルボニルアミノが含まれる。
アルキルチオ基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メチルチオ、エチルチオ及びオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタンスルホニル及びエタンスルホニルが含まれる。
脂肪族アミド基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド及びn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族置換アミノ基の炭素原子数は、1〜10であることが好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及び2−カルボキシエチルアミノが含まれる。
脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂肪族置換カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル及びジエチルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル基の炭素原子数は、1〜8であることが好ましい。脂肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモイル及びジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族置換ウレイド基の炭素原子数は、2〜10であることが好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウレイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペリジノ及びモルホリノが含まれる。レターデーション上昇剤の分子量は、300〜800であることが好ましい
レターデーション上昇剤の具体例としては、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報、PCT/JP00/02619号明細書等に記載されている。
以下、ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いる場合について具体的に説明する。ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることが更に好ましく、40〜60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
なお、技術的には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。また、製造したセルロースアシレートフィルムから、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
一般的な方法でセルロースアセテート溶液を調製できる。一般的な方法とは、0°C以上の温度(常温または高温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。セルロースアセテートの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれるように調整する。セルロースアセテートの量は、10〜30質量%であることが更に好ましい。
有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶液は、常温(0〜40°C)でセルロースアセテートと有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロースアセテートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度は、通常は40°C以上であり、好ましくは60〜200°Cであり、更に好ましくは80〜110°Cである。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。たとえば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
本発明のセルロースアセート溶液(ドープ)の調製は、冷却溶解法に従い実施され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40°C)で有機溶媒中にセルロースアセートを撹拌しながら徐々に添加される。複数の溶媒を用いる場合は、その添加順は特に限定されない。
たとえば、主溶媒中にセルロースアセテートを添加した後に、他の溶媒(たとえばアルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲル化溶媒を予めセルロースアセテートに湿らせた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効である。セルロースアセテートの量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアセテートの量は、10〜30質量%であることが更に好ましい。更に、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物は−100〜−10°C(好ましくは−80〜−10°C、更に好ましくは−50〜−20°C、最も好ましくは−50〜−30°C)に冷却される。冷却は、たとえば、ドライアイス・メタノール浴(−75°C)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20°C)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアセテートと有機溶媒の混合物は固化する。冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却の場合は、冷却に伴いセルロースアセテート溶液の粘度が上がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達するために効率よい溶解釜とすることが必要である。
また、本発明のセルロースアセテート溶液は膨潤させたあと、所定の冷却温度にした冷却装置を短時間移送することにより達成できる。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000°C/秒が理論的な上限であり、1000°C/秒が技術的な上限であり、そして100°C/秒が実用的な上限である。
なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。更に、これを0〜200°C(好ましくは0〜150°C、更に好ましくは0〜120°C、最も好ましくは0〜50°C)に加温すると、有機溶媒中にセルロースアセテートが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33°C近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。
したがって、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10°C程度の温度で保存する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを製造する。またドープに、前記のレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%、より好ましくは18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ソルベントキャスト法における流延及び乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10°C以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、更に100から160°Cまで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
本発明では得られたセルロースアセテート溶液を、ウエブ16としての平滑なバンド上或いはドラム上に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数のセルロースアセテート液を流延してもよい。複数のセルロースアセテート溶液を流延する場合、ウエブ16の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアセテートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよく、たとえば特開昭61−158414号、特開平1−122419号、特開平11−198285号、などに記載の方法が適応できる。
また、2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延することによってもフィルム化することでもよく、たとえば特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、特開平6−134933号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−162617号に記載の高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押出すセルロースアセテートフィルム流延方法でもよい。
或いはまた2個の流延口を用いて、第一の流延口によりウエブ16に成型したフィルムを剥ぎ取り、ウエブ16面に接していた側に第二の流延を行なうことにより、フィルムを作製することでもよく、たとえば特公昭44−20235号に記載されている方法である。流延するセルロースアセテート溶液は同一の溶液でもよいし、異なるセルロースアセテート溶液でもよく特に限定されない。複数のセルロースアセテート層に機能を持たせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押出せばよい。
更に本発明のセルロースアセテート溶液は、他の機能層(たとえば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)を同時に流延することも実施しうる。従来の単層液では、必要なフィルム厚さにするためには高濃度で高粘度のセルロースアセテート溶液を押出すことが必要であり、その場合セルロースアセテート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良であったりして問題となることが多かった。この解決として、複数のセルロースアセテート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時にウエブ16上に押出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロースアセテート溶液を用いることにより乾燥負荷の低減化が達成でき、フィルムの生産スピードを高めることができた。
セルロースアセテートフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。
フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。
その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましく、3〜15質量%であることが最も好ましい。
セルロースアセテートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることが更に好ましい。添加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果がほとんど認められない。添加量が1質量%を超えると、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)が認められる場合がある。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
次に、ポリマーフィルムの延伸処理について説明する。作製されたセルロースアセテートフィルム(ポリマーフィルム)は、更に延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、40〜140μmであることが好ましく、70〜120μmであることが更に好ましい。また、この延伸処理の条件を調整することにより、光学補償シートの遅相軸の角度の標準偏差を小さくすることができる。
延伸処理の方法に特に限定はないが、その例としてテンターによる延伸方法が挙げられる。上記のソルベントキャスト法により作製したフィルムに、テンターを用いて横延伸を実施する際に、延伸後のフィルムの状態を制御することにより、フィルム遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができる。具体的には、テンターを用いてレターデーション値を調整する延伸処理を行い、そして延伸直後のポリマーフィルムをその状態のまま、フィルムのガラス転移温度近傍で保持することにより、遅相軸角度の標準偏差を小さくすることができる。
この保持の際のフィルムの温度をガラス転移温度よりも低い温度で行うと、標準偏差が大きくなってしまう。また、別の例としては、ロール間にて縦延伸を行う際に、ロール間距離を広くすると遅相軸の標準偏差を小さくできる。
次に、ポリマーフィルムの表面処理について説明する。ポリマーフィルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、ポリマーフィルムを表面処理することが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理を実施する。酸処理またはアルカリ処理、すなわちポリマーフィルムに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
次に、配向膜について説明する。配向膜は、光学異方性層のディスコティック液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。ポリビニルアルコールが、好ましいポリマーである。疎水性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。疎水性基は光学異方性層のディスコティック液晶性分子と親和性があるため、疎水性基をポリビニルアルコールに導入することにより、ディスコティック液晶性分子を均一に配向させることができる。
疎水性基は、ポリビニルアルコールの主鎖末端または側鎖に結合させる。疎水性基は、炭素原子数が6以上の脂肪族基(好ましくはアルキル基またはアルケニル基)または芳香族基が好ましい。ポリビニルアルコールの主鎖末端に疎水性基を結合させる場合は、疎水性基と主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2 −、−CS−及びそれらの組み合わせが含まれる。上記R1 及びR2 は、それぞれ、水素原子または炭素原子数が1〜6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数が1〜6のアルキル基)である。
ポリビニルアルコールの側鎖に疎水性基を導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原子数が7以上のアシル基(−CO−R3 )に置き換えればよい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基または芳香族基である。市販の変性ポリビニルアルコール(例、MP103、MP203、R1130、クラレ(株)製)を用いてもよい。配向膜に用いる(変性)ポリビニルアルコールのケン化度は、80%以上であることが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、200以上であることが好ましい。
ラビング処理は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。長さ及び太さが均一な繊維を均一に植毛した布を用いることが好ましい。なお、光学異方性層のディスコティック液晶性分子を配向膜を用いて配向後、配向膜を除去しても、ディスコティック液晶性分子の配向状態を保つことができる。すなわち、配向膜は、ディスコティック液晶性分子を配向するため楕円偏光板の製造において必須であるが、製造された光学補償シートにおいては必須ではない。
配向膜を透明ウエブ16と光学異方性層との間に設ける場合は、更に下塗り層(接着層)を透明ウエブ16と配向膜との間に設けることが好ましい。また面状安定化の為に、クエン酸エステルを必要に応じ添加してもよい。
次に、光学異方性層について説明する。光学異方性層はディスコティック液晶性分子から形成する。ディスコティック液晶性分子は、一般に、光学的に負の一軸性を有する。本発明の光学補償シートにおいては、ディスコティック液晶性分子は、図2に示したように、円盤面と透明ウエブ16面とのなす角が、光学異方性層の深さ方向において変化している(ハイブリッド配向している)ことが好ましい。ディスコティック液晶性分子の光軸は、円盤面の法線方向に存在する。
ディスコティック液晶性分子は、光軸方向の屈折率よりも円盤面方向の屈折率が大きな複屈折性を有する。光学異方性層は、上記の配向膜によってディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態のディスコティック液晶性分子を固定することによって形成することが好ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応により固定することが好ましい。
なお、光学異方性層には、レターデーション値が0となる方向が存在しない。言い換えると、光学異方性層のレターデーションの最小値は、0を超える値である。具体的には、光学異方性層は、下記式(I)により定義されるReレターデーション値が10〜100
nmの範囲にあり、下記式(II)により定義されるRthレターデーション値が40〜25
0nmの範囲にあり、そして、ディスコティック液晶性分子の平均傾斜角が20〜50゜であることが好ましい。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(n2+n3)/2−n1}×d
式(I)において、nxは、光学異方性層面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyは、
光学異方性層面内の進相軸方向の屈折率であり、そして、dは、光学異方性層の厚さである。式(II)において、n1は、光学異方性層を屈折率楕円体で近似した場合の屈折率主
値の最小値であり、n2及びn3は、光学異方性層の他の屈折率主値であり、そして、dは、光学異方性層の厚さである。
ディスコティック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Co mm., page 1794 (1985) ;J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。したがって、重合性基を有するディスコティック液晶性分子は、下記式(III )で表わされる化合物であることが好ましい。
(III ) D(−L−Q)n
式(III )において、Dは、円盤状コアであり、Lは、二価の連結基であり、Qは、重合性基であり、そして、nは、4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
式(I)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレ
ン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが更に好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−及び−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(I)の重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。
重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1〜Q7)またはエポキシ基(Q8)であることが好ましく、不飽和重合性基であることが更に好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。式(III )において、nは4〜12の整数である。
具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
光学異方性層は、ディスコティック液晶性分子及び必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することにより形成できる。光学異方性層の厚さは、0.5〜100μmであることが好ましく、0.5〜30μmであることが更に好ましい。
配向させたディスコティック液晶性分子を、配向状態を維持して固定する。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20〜5000mJ/cm2 であることが好ましく、100〜800mJ/cm2 であることが更に好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。また面状安定化の為に、クエン酸エステルを必要に応じ添加してもよい。
次に、図1に示される光学補償フィルムの製造ラインを使用した光学フィルムの製造方法について説明する。先ず、送り出し機66から、予め配向膜形成用のポリマー層が形成された、厚さが40〜300μmのウエブ16が送り出される。ウエブ16はガイドローラ68によってガイドされてラビング処理装置70に送りこまれ、ラビングローラ72によってポリマー層がラビング処理される。次に、除塵機74により、ウエブ16の表面に付着した塵が取り除かれる。そして、グラビア塗工装置10によりディスコネマティック液晶を含む塗布液がウエブ16に塗布される。
この際、グラビアローラ12表面におけるセルが形成されているパターン部(グラビア版胴部12A)の全ての箇所において、半径方向の振れ量が15μm以下となっているので、液たまり部(ビード)がローラ表面の半径方向の振れの影響を受けにくく、これにより塗布ムラを防止することができる。すなわち、このような塗布状態とすることにより、塗布膜厚の不均一化を防止でき、光学フィルムとしてのムラを改善することができる。
この後に、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78を経て、液晶層が形成される。更に紫外線ランプ80により液晶層を照射し、液晶を架橋させることにより、所望のポリマーが形成される。そして、このポリマーが形成されたウエブ16は巻取り機82により巻き取られる。
以上、本発明に係る光学フィルムの製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態では、図2に示されるように、グラビアキスコータにグラビアローラ12が採用されているが、これ以外のコータ、たとえば、ダイレクトグラビアコータ、オフセットグラビアコータ、静電グラビアコータ等にも好適に適用できる。
また、グラビア塗工装置(グラビアコータ)10の用途としても、光学フィルムのみならず各種の塗布に適用できる。
図2に示されるグラビア塗工装置10を使用して、ウエブ16に塗布液を塗布し光学フィルム(防眩フィルム)を製造した。
ウエブ16として、厚さが80μmで幅が1000mmのトリアセチルセルロース(TAC)を使用した。
防眩層用の塗布液は、次のように調整した。ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)240gを、104gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶解した。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20重量%の含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素界面活性剤(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した(なお、この溶液を塗布、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.65であった。)。
更に、この溶液に個数平均粒径2.0μm、屈折率1.61の架橋ポリスチレン粒子(SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを、160gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルタ(それぞれPPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて濾過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して防眩層用の塗布液として調製した。
グラビアローラ12として、グラビア版胴部12Aの長さが1.5mで、外径が100mmのものを使用した。グラビア版胴部12Aのセルパターンは、斜線状である。
ウエブ16の走行速度は、10m/分とし、グラビアローラ12の回転はウエブ16に対して逆転で10rpmとした。この場合。グラビアローラ12表面の周速度は6m/分となる。
グラビアローラ12は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが35μmのものと、13μmのものと、8μmのものの3種を準備した。また、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量(図5参照)を、50μmのものと、100μmのものの2条件とした。そして、グラビアローラ12を回転駆動させた場合の半径方向の最大振れ量を実測した。
セッティング時及び回転駆動時の振れ量の測定は、レーザ式の非接触変位測定装置により行った。
ウエブ16上の塗布膜の評価として、乾燥後の膜厚変動を光干渉を利用した光学式膜厚計を用い測定した。
以上の装置条件と評価結果を図8の表に纏めて示す。
例(No)1は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが35μmのグラビアローラ12を使用し、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量を50μmになるようにセットしたものである。この場合、転駆動時の振れ量は45μmであった。塗布膜の厚さ変動を評価したところ、回転1周期の中で4%の膜厚変動が発生した。
例(No)2は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが13μmのグラビアローラ12を使用し、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量を50μmになるようにセットしたものである。この場合、転駆動時の振れ量は25μmであった。塗布膜の厚さ変動を評価したところ、回転1周期の中で2.2%の膜厚変動が発生した。
例(No)3は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが8μmのグラビアローラ12を使用し、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量を50μmになるようにセットしたものである。この場合、転駆動時の振れ量は11μmであった。塗布膜の厚さ変動を評価したところ、回転1周期の中で1.4%の膜厚変動が発生した。
例(No)4は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが13μmのグラビアローラ12を使用し、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量を100μmになるようにセットしたものである。この場合、転駆動時の振れ量は30μmであった。塗布膜の厚さ変動を評価したところ、回転1周期の中で2.5%の膜厚変動が発生した。
例(No)5は、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れが8μmのグラビアローラ12を使用し、グラビアローラ12と駆動軸Dとの軸心同士のずれ量を100μmになるようにセットしたものである。この場合、転駆動時の振れ量は17μmであった。塗布膜の厚さ変動を評価したところ、回転1周期の中で2.0%の膜厚変動が発生した。
以上の結果より、軸心に対するグラビア版胴部12A表面の振れを15μm以下に抑えることにより、ウエブ16の幅方向の膜厚を安定させることが確認できた。
本発明に係るグラビア塗工装置が適用される光学補償フィルムの製造ラインを説明する説明図 グラビア塗工装置の全体構成を説明する断面図 グラビア塗工装置において、塗布状態が不良となる状態を示す説明図 グラビア塗工装置において、塗布状態が不良となる他の状態を示す説明図 グラビア塗工装置において、塗布状態が不良となる更に他の状態を示す説明図 従来例の不具合を解消する方法を示す説明図 従来例の不具合を解消する他の方法を示す説明図 実施例の結果を示す表
符号の説明
10…グラビア塗工装置、12…グラビアローラ、13…軸受部材、14…液受けパン、16…ウエブ、17…上流ガイドローラ、18…下流ガイドローラ、66…送り出し機、68…ガイドローラ、70…ラビング処理装置、72…ラビングローラ、74…除塵機、76…乾燥ゾーン、78…加熱ゾーン、80…紫外線ランプ、82…巻取り機

Claims (8)

  1. 走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、
    前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、無負荷時の半径方向の振れ量が15μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置。
  2. 走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、
    前記グラビアローラの端部に連結されている駆動軸と、前記グラビアローラとの軸心同士のずれ量が50μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置。
  3. 走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、
    前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、塗布時の半径方向の振れ量が30μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置。
  4. 走行する帯状可撓性の支持体の下面に塗布液を塗布するグラビアローラを備えるグラビア塗工装置において、
    前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、無負荷時の半径方向の振れ量が15μm以下となっており、かつ、前記グラビアローラの端部に連結されている駆動軸と、前記グラビアローラとの軸心同士のずれ量が50μm以下となっていることを特徴とするグラビア塗工装置。
  5. 前記グラビアローラ表面におけるセルが形成されているパターン部の全ての箇所において、塗布時の半径方向の振れ量が30μm以下となっている請求項4に記載のグラビア塗工装置。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかに記載のグラビア塗工装置を使用して前記支持体に塗布液を塗布し、塗布層が形成されていることを特徴とする光学フィルム。
  7. 前記塗布された塗布液の塗布時の膜厚が1〜10μmである請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 前記塗布された塗布液の膜厚偏差が±1.25%以下となっている請求項7に記載の光学フィルム。
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