JP2016215082A - 塗工装置および塗工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯状基材を支持する手段を用いることなく、帯状基材に転移した塗工液を面内で均一に吸引することができ、塗工液の帯状基材への浸透を早める。【解決手段】塗工装置1は、連続的に進行する帯状基材5に対して塗工液8を塗工する。塗工装置1は、塗工液8が充填された塗工液受け皿11と、塗工液受け皿11に充填された塗工液8を帯状基材5に転移させるグラビア版12と、を備える。塗工装置1は、グラビア版12に対向する位置に配置され、帯状基材5中の空気を吸引することにより、塗工液8を帯状部材5に浸透させる減圧チャンバー13を更に備える。【選択図】図1
Description
本発明は、塗工装置および塗工方法に関する。
従来、紙等の帯状基材に塗工液を塗工する場合、紙に対する塗工液の浸透具合により、塗工層の表面に形成される凹凸や塗工層の機能などに変化が生じる。このため、紙に対する塗工液の浸透度合いを制御することが行われている。具体的には、塗工液の浸透度合いは、塗工液の物性のほか、塗工方法を調整することによって制御する場合がある。
特許文献1においては、透過性シートに真空を加える技術が開示されている。しかしながら、このような技術を用いた場合、支持手段(透過性シートを連続して進行させる手段)により、透過性シートが真空吸引方向へ吸い付けられないようにする必要がある。この支持手段は、例えばメッシュや多孔質等の材料からなっているが、メッシュや多孔質の種類によっては、メッシュや多孔質等の目により、空気の引きむらなどが生じるおそれがある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、帯状基材を支持する手段を用いることなく、帯状基材に転移した塗工液を面内で均一に吸引することができ、塗工液の帯状基材への浸透を早めることが可能な、塗工装置および塗工方法を提供することを目的とする。
本発明による塗工装置は、
連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工装置において、
前記塗工液が充填された塗工液受け皿と、
前記塗工液受け皿に充填された前記塗工液を前記帯状基材に転移させるグラビア版と、
前記グラビア版に対向する位置に配置され、前記帯状基材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる減圧チャンバーとを備える。
連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工装置において、
前記塗工液が充填された塗工液受け皿と、
前記塗工液受け皿に充填された前記塗工液を前記帯状基材に転移させるグラビア版と、
前記グラビア版に対向する位置に配置され、前記帯状基材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる減圧チャンバーとを備える。
本発明による塗工装置において、
前記減圧チャンバーに対して前記帯状基材の進行方向の前後にそれぞれガイドローラが配置され、前記帯状基材は、前記ガイドローラによって前記グラビア版に押し付けられてもよい。
前記減圧チャンバーに対して前記帯状基材の進行方向の前後にそれぞれガイドローラが配置され、前記帯状基材は、前記ガイドローラによって前記グラビア版に押し付けられてもよい。
本発明による塗工装置において、
前記減圧チャンバーは、前記グラビア版に接離する方向に移動可能であってもよい。
前記減圧チャンバーは、前記グラビア版に接離する方向に移動可能であってもよい。
本発明による塗工装置において、
前記減圧チャンバーは、前記帯状基材の幅方向に沿って延びる側面を有し、前記側面と前記帯状基材との間隔は、前記帯状基材の幅方向中央部よりも幅方向端部の方が狭くなっていてもよい。
前記減圧チャンバーは、前記帯状基材の幅方向に沿って延びる側面を有し、前記側面と前記帯状基材との間隔は、前記帯状基材の幅方向中央部よりも幅方向端部の方が狭くなっていてもよい。
本発明による塗工装置において、
前記減圧チャンバーには、前記減圧チャンバーを減圧する第1の吸引系統および第2の吸引系統がそれぞれ接続され、前記第1の吸引系統は、前記第2の吸引系統よりも前記帯状基材の幅方向中央部に位置し、前記第2の吸引系統の吸引力は、前記第1の吸引系統の吸引力よりも大きくてもよい。
前記減圧チャンバーには、前記減圧チャンバーを減圧する第1の吸引系統および第2の吸引系統がそれぞれ接続され、前記第1の吸引系統は、前記第2の吸引系統よりも前記帯状基材の幅方向中央部に位置し、前記第2の吸引系統の吸引力は、前記第1の吸引系統の吸引力よりも大きくてもよい。
本発明による塗工装置において、
前記帯状基材の進行速度が10m/分〜150m/分であってもよい。
前記帯状基材の進行速度が10m/分〜150m/分であってもよい。
本発明による塗工方法は、
連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工方法において、
塗工液受け皿に充填された前記塗工液を、グラビア版により前記帯状基材に転移させる工程と、
前記グラビア版に対向する位置に配置された減圧チャンバーを用いて、前記帯状部材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる工程とを備える。
連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工方法において、
塗工液受け皿に充填された前記塗工液を、グラビア版により前記帯状基材に転移させる工程と、
前記グラビア版に対向する位置に配置された減圧チャンバーを用いて、前記帯状部材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる工程とを備える。
本発明によれば、帯状基材を支持する手段を用いることなく、帯状基材に転移した塗工液を面内で均一に吸引することができ、塗工液の帯状基材への浸透を早めることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の各実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあるので、実物とは異なる場合がある。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
以下で述べる本発明の各実施の形態の塗工装置1は、連続的に進行する帯状基材5に対して塗工液8を塗工するものである。
帯状基材5は、通気性を有している。また、帯状基材5に塗工された塗工液8は、その内部まで浸透するようになっている。このような帯状基材5の例としては、チタン紙等の紙や多孔体が挙げられる。帯状基材5の厚みは、例えば50μm〜500μmである。また、塗工液8としては、樹脂、顔料、溶媒および微粒子等を含むインキが例示できるが、これに限定されるものではなく、帯状基材5に塗工された後、帯状基材5内に浸透する液体であれば良い。
(第1の実施の形態)
次に、図1乃至図3により、第1の実施の形態による塗工装置の構成について説明する。
次に、図1乃至図3により、第1の実施の形態による塗工装置の構成について説明する。
塗工装置の構成
図1に示す第1の実施の形態の塗工装置1は、塗工液受け皿11と、塗工液受け皿11の上方に配置されたグラビア版12と、グラビア版12に対向する位置に配置された減圧チャンバー13と、グラビア版12に接するように配置されたドクターブレード14と、を備えている。また、塗工装置1に対して帯状基材5の進行方向(図1ではX軸の負の方向)の前後にそれぞれガイドローラ20,21が配置されている。
図1に示す第1の実施の形態の塗工装置1は、塗工液受け皿11と、塗工液受け皿11の上方に配置されたグラビア版12と、グラビア版12に対向する位置に配置された減圧チャンバー13と、グラビア版12に接するように配置されたドクターブレード14と、を備えている。また、塗工装置1に対して帯状基材5の進行方向(図1ではX軸の負の方向)の前後にそれぞれガイドローラ20,21が配置されている。
塗工液受け皿11には、塗工液8が充填されており、グラビア版12の一部が塗工液受け皿11内の塗工液8に浸っている。なお、これに限らず、グラビア版12を直接塗工液8に浸漬することなく、ファニッシャーロールを介して受け皿11内の塗工液8をグラビア版12に供給しても良い。
グラビア版12は、円筒形であり、その側面(円筒面)に塗工のための凹溝12aが設けられている。凹溝12aは、グラビア版12の側面(円筒面)に例えば螺旋状に形成されている。あるいは、グラビア版12はセル状でもよい。グラビア版12をセル状とした場合、セル体積で塗工量を操作できるため、事前に塗工量分布が生じている場合は、場所ごとに補正することができる。グラビア版12の幅(Y方向の長さ)は、帯状基材5の幅(Y方向の長さ)より広くなっている。また、グラビア版12は、その下部が塗工液8に浸っており、頂部では帯状基材5と接している。グラビア版12は、帯状基材5の進行方向(X軸マイナス方向)の逆方向(図1においては時計回り方向)に回転する(グラビアリバース塗工方式)。また、グラビア版12は、回転時に上昇する側(図1では左側)で、ドクターブレード14と近接している。
ドクターブレード14は、グラビア版12の側部に配置されており、グラビア版12に付着した余分な塗工液8を掻き取る役割を果たす。
ガイドローラ20,21は、帯状基材5をグラビア版12に対して押し付けるように配置されている。このうちガイドローラ20は帯状基材5の進行方向(X方向)の上流側(図1では右側)に、ガイドローラ21は進行方向(X方向)の下流側(図1では左側)にそれぞれ配置されている。各ガイドローラ20,21は、円柱形であり、その幅は帯状基材5の幅より広い。また、ガイドローラ20,21は、帯状基材5の進行に合わせて、図1においては時計回りの方向に回転される。ガイドローラ20,21は、それぞれ独立してグラビア版12に接離する方向(図1の上下方向)に移動可能であり、ガイドローラ20,21を昇降させることにより、帯状基材5とグラビア版12との接触強度を調整することができる。
減圧チャンバー13は、グラビア版12の上部に対向する位置に配置されている。この減圧チャンバー13は、帯状基材5の多孔体構造中に含まれる空気を吸引することにより、塗工液8を帯状基材5に浸透させるものである。また、減圧チャンバー13は、昇降機構16によってグラビア版12に接離する方向(Z方向)に移動可能であって、グラビア版12の頂部に接する帯状基材5に接近することができる。減圧チャンバー13の幅(Y方向の長さ)は、帯状基材5の幅(Y方向の長さ)より広くなっている。さらに、減圧チャンバー13には、図3に示すように吸引系統30が接続されており、帯状基材5を挟んで減圧チャンバー13の反対側に位置するグラビア版12の側から空気を吸引することで塗工液8を帯状基材5に浸透することができる。なお、吸引系統30には、図示しないポンプやファンが設けられており、これにより減圧チャンバー13内を減圧し、かつ空気を吸引することができる。減圧チャンバー13には、図2に示すように排出口15が設けられている。吸引系統30によって吸引され吸引された空気は、排出口15から排出される。
塗工方法
次に、上述した塗工装置1を用いて帯状基材5に対して塗工液8を塗工する方法について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
次に、上述した塗工装置1を用いて帯状基材5に対して塗工液8を塗工する方法について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
まず、図1のように、塗工装置1に対して帯状基材5を塗工可能に取り付ける。すなわち、帯状基材5を、ガイドローラ20の下部、グラビア版12の上部、ガイドローラ21の下部を順に通し、緊張させる。このとき、減圧チャンバー13は、昇降機構16によって上昇されて、グラビア版12から離れた状態としていてもよい。次に、帯状基材5を進行方向(X軸の負の方向)に沿って進行させ、同時にグラビア版12を回転させる。このとき、帯状基材5の進行速度は、例えば10m/分〜150m/分としても良い。グラビア版12が回転することによって、グラビア版12のうち塗工液8が付着した部分が上昇する。グラビア版12に付着した塗工液8は、グラビア版12に近接したドクターブレード14によって塗工に適切な量になるように掻き落とされる。掻き落とされた塗工液8は、塗工液受け皿11に入り、再びグラビア版12に付着することができるようになっている。このようにして、適切な量の塗工液8がグラビア版12に付着する。その後、グラビア版12が更に回転することにより、塗工液8はグラビア版12の頂部で帯状基材5と接し、帯状基材5に塗工液8が塗工され、塗工膜5aを形成する(図4のステップ1)。
次に、昇降機構16によって減圧チャンバー13を下降させ、減圧チャンバー13を帯状基材5の裏面(塗工膜5aが設けられた面の反対面)に接近させる。次いで、減圧チャンバー13による吸引のためのパラメータを設定する(ステップ2)。パラメータとしては、減圧チャンバー13と帯状基材5との距離、減圧チャンバー13による空気の吸引力、グラビア版12の回転数、帯状基材5の進行速度などを挙げることができる。
パラメータ設定後、減圧チャンバー13による吸引を開始する。減圧チャンバー13内の空気は、図3に示すように、減圧チャンバー13に設けられた吸引系統30によって吸引され、図2に示す減圧チャンバー13の側方の排出口15から排出される。このとき、減圧チャンバー13の内部は、周囲(大気圧)よりも減圧された状態となる。この場合、減圧チャンバー13によって吸引されることにより、帯状基材5は、その減圧チャンバー13側の面から吸引され、これにより、帯状基材5の内部の空気も減圧チャンバー13側に吸い込まれる。減圧チャンバー13が帯状基材5中の空気を吸引することによって、帯状基材5に塗工膜5aとして付着した塗工液8が、図3のように、帯状基材5の内部まで略均一に浸透する。すなわち、上述したように帯状基材5は多孔体構造を有しており、塗工液8は、帯状基材5内の多孔体構造を伝わって内部に浸透していく。この場合、減圧チャンバー13によって帯状基材5の内部を減圧するので、塗工液8は、短時間のうちに上記多孔体構造内を強制的かつ満遍なく浸透する。これにより、塗工液8は、帯状基材5の面内で厚み方向に略均等に浸透させることができる。他方、比較例として、減圧チャンバー13を用いなかった場合、塗工液8は、帯状基材5内の多孔体構造内を時間をかけて伝わって浸透していく。この場合、塗工液8は、主として多孔体構造のうち浸透しやすい箇所(例えば多孔体の孔が比較的大きい箇所)を中心に浸透していくため、塗工液8が帯状基材5の面内で不均一に浸透するおそれがある。
上述したように減圧チャンバー13によって帯状基材5中の空気を吸引した後、帯状基材5への塗工液8の浸透度合いが、予め定められた仕様の基準を満たしているか判定する。判定は、目視によって、あるいは機械判定によって行われる(ステップ3)。判定の結果、仕様の基準を満たしていない場合、塗工装置1の運転を停止し、パラメータを設定する工程(ステップ2)に戻る。例えば、浸透度合いが弱い場合は、減圧チャンバー13を帯状基材5により接近させたり、吸引力を増やしたりする。あるいは、塗工液8が不足していた場合、グラビア版12の回転速度を上げたり、帯状基材5の速度を下げたりする。パラメータの再設定後、塗工装置1の運転を再開し、帯状基材5への塗工液8の浸透度合いを再度判定する。
帯状基材5への塗工液8の浸透度合いの判定が仕様通りであれば、そのまま連続運転を行い、帯状基材5への塗工を続ける(ステップ4)。この間も、浸透度合いが仕様通りか判定を行い、仕様の基準を満たさなければパラメータの再設定(ステップ2)に戻る。なお、帯状基材5は、ガイドローラ21を通過した後、図示しない乾燥機によって乾燥され、塗工液8が帯状基材5中で乾燥され固定される。
以上の工程によって、塗工装置1を用いて帯状基材5に対して塗工液8を塗工することができる。
以上では、帯状基材5の進行方向とグラビア版12の回転方向が異なるグラビアリバース方式の例を示した。グラビアリバース方式においては、帯状基材5に塗工液8を摩擦により刷り込むことができる。しかしながら、これに限られず、帯状基材5の進行方向とグラビア版12の回転方向が同じであってもよい。この場合、ガイドローラ20,21よりグラビア版12の回転速度を速くすると、塗工液8がグラビア版12とガイドローラ20側の帯状基材5の間に溜まり、減圧チャンバー13の吸引効果がこれに相乗して塗工液8の浸透量を増す効果が期待できる。逆に、ガイドローラ20,21よりグラビア版12の回転速度を遅くすると、グラビア版12とガイドローラ20側の帯状基材の間に塗工液が溜まり難いので塗工液の浸透量を減らす効果を期待できる。このようにガイドローラ20,21とグラビア版12の回転方向を同じにしてグラビア版12と帯状基材5の相対回転速度を正や負に制御することで、帯状基材5の搬送を止める事無く塗工液8の浸透量の調整を容易に行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、連続的に進行する帯状基材5に対して塗工液8を塗工する塗工装置1は、塗工液8が充填された塗工液受け皿11と、塗工液受け皿11に充填された塗工液8を帯状基材5に転移させるグラビア版12と、グラビア版12に対向する位置に配置され、帯状基材5中の空気を吸引することにより、塗工液8を帯状部材5に浸透させる減圧チャンバー13とを備えている。このような塗工装置1では、帯状基材5に転移した塗工液8を吸引することで帯状基材5の内部までの塗工液8の浸透を早め、且つ、むらなく均一に浸透させることができる。その結果、塗工液8の浸透度合いによって色濃度を適切に調節することができ、外観が鮮やかな塗工を行うことができる。
また、本実施の形態の塗工装置1において、減圧チャンバー13に対して帯状基材5の進行方向の前後にそれぞれガイドローラ20,21が配置され、帯状基材5は、ガイドローラ20,21によってグラビア版12に押し付けられる。このような塗工装置1によれば、帯状基材5が吸引されることを防止するためのメッシュ等の、帯状基材5を支持する透過性シートを、減圧チャンバー13と帯状基材5との間に設ける必要が無い。このため、減圧チャンバー13と帯状基材5との間に吸引を阻害するものが存在せず、吸引時のむらがより生じにくい。
更に、本実施の形態の塗工装置1において、減圧チャンバー13は、グラビア版12に接離する方向に移動可能である。このような塗工装置1によれば、減圧チャンバー13による吸引の強弱を、減圧チャンバー13と帯状基材5との距離を調節することによっても調節することができる。従って、設定できるパラメータの自由度が上がり、必要且つ十分な吸引を行うよう設定することができる。
(実施例)
次に、本発明の具体的実施例を説明する。ただし、以下で示す例は一例であり、本発明を限定するものではない。
次に、本発明の具体的実施例を説明する。ただし、以下で示す例は一例であり、本発明を限定するものではない。
図1に示す塗工装置1を用いて帯状基材5に対して塗工液8を塗工した。この実施例では、帯状基材5として、透気度0.3μm/Pa・s程度の紙を用いた。また、塗工液8としては粘度5.1cpsのインキを用い、塗工膜5aは厚さ10μmで形成した。さらに、減圧チャンバー13と帯状基材5(紙)との距離を100μmとした条件で塗工装置1による塗工を実施した。この場合、帯状基材5(紙)の搬送速度と減圧チャンバー13の減圧度(大気圧との差)とを変化させて、塗工液8による塗工の外観品質を評価した。実施例1、2は、それぞれ減圧チャンバー13による減圧度を0.3MPaとし、比較例1、2は、減圧チャンバー13による減圧を行わなかった。一方、実施例1、比較例1では、帯状基材5(紙)の搬送速度を20m/分とし、実施例2、比較例2では、帯状基材5(紙)の搬送速度を50m/分とした。この結果を表1に示す。
表1からわかるように、帯状基材5(紙)の搬送速度が20m/分(実施例1、比較例1)の場合、搬送速度が遅かったため、減圧チャンバー13を設けた場合(実施例1)も減圧チャンバー13を設けなかった場合も、ともに塗工の外観は良好となった。一方、搬送速度が50m/分まで上昇すると(実施例2、比較例2)、減圧チャンバー13の減圧によって外観に有意な差が確認された。すなわち、減圧チャンバー13を設けた場合(実施例2)には、塗工の外観は良好となったのに対し、減圧チャンバー13を設けなかった場合(比較例2)には、塗工の外観は良好ではなかった。これは、減圧チャンバー13による減圧によって紙への塗工液8の浸透が早まり、搬送中の浸透や乾燥によるむらが回避できたためと考えられる。
以上から、特に、帯状基材5の搬送速度の速い塗工、すなわち高速印刷において、減圧チャンバー13による減圧は、外観の品質を向上させることに有効であると言える。具体的には、帯状基材5の進行速度が50m/分〜150m/分の範囲において、特に有効である。
(第2の実施の形態)
次に、図5乃至図7を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図5乃至図7において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。また、以下においては、主として、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と共通する事項については詳細な説明を省略する。
次に、図5乃至図7を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図5乃至図7において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。また、以下においては、主として、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と共通する事項については詳細な説明を省略する。
図5は、塗工装置1の減圧チャンバー13付近を帯状基材5の進行方向から見た図である。図5から理解されるように、減圧チャンバー13の幅方向(Y方向)に沿って延びる側面13aは、帯状基材5に対向する側が凹型になっている。すなわち、減圧チャンバー13と帯状基材5との間の間隔は、幅方向中央部で広く、幅方向端部で狭くなっている。
図6は図5のVI−VI線での断面図であり、図7は図5のVII−VII線での断面である。これらの図からもわかるように、図6の減圧チャンバー13の幅方向中央部においては、減圧チャンバー13と帯状基材5との間隔dAが広くなっており、図7の減圧チャンバー13の幅方向端部においては、減圧チャンバー13と帯状基材5との間隔dBが狭くなっている(すなわちdA>dB)。この構造によって、減圧チャンバー13による吸引時に外部から減圧チャンバー13内に空気が流入しにくくなっている。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、塗工装置1において、減圧チャンバー13は、帯状基材5の幅方向に沿って延びる側面13aを有し、当該側面13aと帯状基材5との間隔は、帯状基材5の幅方向中央部よりも幅方向端部の方が狭くなっている。このような塗工装置1によれば、帯状基材5の幅方向端部において、空気吸引時に幅方向端部に外部から多量の空気が流入してしまい、幅方向端部における帯状基材5に対する吸引力が下がって塗工膜5aとして付着している塗工液8の浸透が不十分になることを防ぐことができる。その結果、帯状基材5の幅方向における吸引むらをなくすことができる。従って、帯状基材5の塗工液8の浸透を幅方向中央部と幅方向端部との間で均一にすることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図8を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図8において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。また、以下においては、主として、第1の実施の形態又は第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する事項については詳細な説明を省略する。
次に、図8を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図8において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。また、以下においては、主として、第1の実施の形態又は第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と共通する事項については詳細な説明を省略する。
図8は、塗工装置1の減圧チャンバー13付近を帯状基材5の進行方向から見た図である。本実施の形態の形態における減圧チャンバー13には、第1の吸引系統30と第2の吸引系統31とが接続されている。第1の吸引系統30は、第2の吸引系統31よりも帯状基材5の幅方向中央部に位置している。また、第2の吸引系統31の吸引力は、第1の吸引系統30の吸引力よりも大きい。第2の吸引系統31は、幅方向両端部に同じように位置しているので、その数は偶数個となる。
このように、本実施の形態によれば、帯状基材5の幅方向端部において、空気吸引時に幅方向端部に外部から空気が流入してしまっても、幅方向端部における吸引力が強いので、吸引力が下がって塗工液8の浸透が不十分になることを防ぐことができる。その結果、帯状基材5の幅方向における吸引むらをなくすことができる。従って、帯状基材5の塗工液8の浸透を幅方向中央部と幅方向端部との間で均一にすることができる。
なお、前述した各実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。また、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態を適宜組合せても良い。
1 塗工装置
5 帯状基材
5a 塗工膜
8 塗工液
11 塗工液受け皿
12 グラビア版
13 減圧チャンバー
14 ドクターブレード
15 排出口
20 ガイドローラ
21 ガイドローラ
30 第1の吸引系統
31 第2の吸引系統
5 帯状基材
5a 塗工膜
8 塗工液
11 塗工液受け皿
12 グラビア版
13 減圧チャンバー
14 ドクターブレード
15 排出口
20 ガイドローラ
21 ガイドローラ
30 第1の吸引系統
31 第2の吸引系統
Claims (7)
- 連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工装置において、
前記塗工液が充填された塗工液受け皿と、
前記塗工液受け皿に充填された前記塗工液を前記帯状基材に転移させるグラビア版と、
前記グラビア版に対向する位置に配置され、前記帯状基材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる減圧チャンバーとを備えたことを特徴とする塗工装置。 - 前記減圧チャンバーに対して前記帯状基材の進行方向の前後にそれぞれガイドローラが配置され、前記帯状基材は、前記ガイドローラによって前記グラビア版に押し付けられることを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
- 前記減圧チャンバーは、前記グラビア版に接離する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗工装置。
- 前記減圧チャンバーは、前記帯状基材の幅方向に沿って延びる側面を有し、前記側面と前記帯状基材との間隔は、前記帯状基材の幅方向中央部よりも幅方向端部の方が狭くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗工装置。
- 前記減圧チャンバーには、前記減圧チャンバーを減圧する第1の吸引系統および第2の吸引系統がそれぞれ接続され、前記第1の吸引系統は、前記第2の吸引系統よりも前記帯状基材の幅方向中央部に位置し、前記第2の吸引系統の吸引力は、前記第1の吸引系統の吸引力よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗工装置。
- 前記帯状基材の進行速度が20m/分〜150m/分であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の塗工装置。
- 連続的に進行する帯状基材に対して塗工液を塗工する塗工方法において、
塗工液受け皿に充填された前記塗工液を、グラビア版により前記帯状基材に転移させる工程と、
前記グラビア版に対向する位置に配置された減圧チャンバーを用いて、前記帯状部材中の空気を吸引することにより、前記塗工液を前記帯状部材に浸透させる工程とを備えたことを特徴とする塗工方法。
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JP2015099287A JP2016215082A (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 塗工装置および塗工方法 |
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WO2021153165A1 (ja) * | 2020-01-30 | 2021-08-05 | 日本ゼオン株式会社 | 積層体の製造方法および塗工システム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005279343A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-13 | Fuji Photo Film Co Ltd | グラビア塗工装置及び光学フィルム |
JP2012213677A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Tdk Corp | 機能性膜形成システムおよび機能性膜形成方法 |
-
2015
- 2015-05-14 JP JP2015099287A patent/JP2016215082A/ja active Pending
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