JP2007326058A - 塗工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工過程において、脆弱な物理的性質を有する多孔質構造基材に損傷等を発生させることなく、かつ、該多孔質構造基材に目的成分を均質に塗工する。
【解決手段】対向配置された少なくとも一対の回転ローラR,Rの隙間Eへ多孔質構造基材Wを導入して走行させながら、前記回転ローラR,Rを介して所定の塗工液Xを前記基材Wへ転写する構成を備え、前記回転ローラR,Rの表層S,Sが、前記塗工液Wを吸収可能であって、押圧力によって塗工液Xを溢出する多孔質弾性材料によって形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗工技術に関する。より詳しくは、脆弱な多孔質構造基材を損傷等することがないように繊細に扱いながら、該多孔質構造基材に目的の成分を均一に塗布する技術に関する。
連続的に送り込まれてくる基材に対して、所定の成分を塗布する技術がある。塗布加工(以下、「塗工」)の対象とされる基材は多様であって、その幾つかを例示すれば、シート状、フィルム状、テープ状、板状、箔状等をなすような紙、布、合成樹脂体、金属体などである。塗工する成分についても多様であり、その幾つかを例示すれば、接着剤、インク、塗料、感光体、コーティング剤などを挙げることができる。
一般的な塗工技術の一つとして、転写式の塗工技術が知られている。即ち、転写体に塗工液を供給しながら、この転写体を介して基材の片面又は両面に前記塗工液を移行させる技術である。例えば、特許文献1では、ロール状の転写体を介して接着剤をシート状の基材(支持体)へ塗工する技術が開示されており、特許文献2では、ウエブの両面に対して同時に樹脂膜をロール(コーティングロール)から転写する方法が開示されている。
また、不織布に対する塗工技術では、現在、含浸法が一般的に採用されている。この含浸法では、塗工液槽に不織布を浸漬させた後に、余剰な塗工液をローラなどにより圧力をかけて除去する工程が行われている。また、塗工液除去に際して、特許文献3では、繊維構造物の表面や内部に保持された余剰の含浸剤を、不織布が巻かれたロールで吸い取って除去することにより、必要量の含浸剤を付与する技術が提案されている。
実開平5−23625号公報。 特開平10−328596号公報。 特開2000−334734号公報。
従来の塗工技術では、基材に対する均質な塗工を達成することが重要な技術課題となっている。特に、塗工対象の基材が不織布のように嵩高であって、かつ多孔質構造を有するような材料である場合は、基材全体に均質塗工を確実に施すために、過剰量の塗工液を用いて塗工を行った後、該基材に必要以上に吸収又は保持された塗工液を絞り出す等して除去する工程が採用される。
しかし、塗工液除去の際に、基材へ過度の外力を加えてしまうと、脆弱な物理的性質の多孔質構造基材に損傷や破壊が発生したり、基材強度の低下を招いたりしてしまうという問題が発生する。このような問題を回避するために、塗工液除去をより緩和な条件で行うと、後続の塗工液乾燥工程をより厳しい条件で実施せざるを得なくなるという問題が発生する。
そこで、本発明は、塗工過程において、脆弱な物理的性質を有する多孔質構造基材に損傷等を発生させてしまうことがなく、かつ、該多孔質構造基材に目的の塗工成分を均一に塗布することが可能な技術を提供することを主な目的とする。
本発明では、まず、対向配置された少なくとも一対の回転ローラの隙間へ多孔質構造基材を導入して走行させながら、前記回転ローラを介して所定の塗工液を前記基材へ転写する構成を備えており、前記回転ローラの少なくとも一方側の表層が、前記塗工液を吸収するとともに、圧力により該塗工液を溢出する多孔質弾性材料によって形成された塗工装置を提供する。該装置では、対向する前記回転ローラの両側のローラ表層を前記多孔質弾性材料によって形成してもよい。
本塗工装置では、対向する一対の回転ローラの間隙を多孔質構造基材が通過するときに、回転ローラの表層が多孔質構造基材によって押圧されることによって、該表層から塗工液が溢出して多孔質構造基材へ転写される。このとき、回転ローラの表層は、多孔質で、かつ弾性を有するので、多孔質構造基材に対する接圧を緩和する緩衝材としての機能を発揮する。このため、多孔質構造基材に損傷等を与えたり、基材強度を低下させたりするような強い外力を該基材に加えてしまうことがない。
次に、本塗工装置では、一方側の回転ローラにのみ塗工液を供給し、他方側の回転ローラには該塗工液を吸引する手段を設けてもよい。他方側の回転ローラによって余剰の塗工液を吸引することによって、均一量の塗工液を多孔質構造基材に塗布することが可能となる。なお、吸引した塗工液を回収し、再利用してもよい。
また、本塗工装置では、対向配置された前記回転ローラの一方側のみへ塗工液が供給され、他方側の前記回転ローラにはエアーを吹き出す手段が設けられた構成によって、前記多孔質構造基材の片面のみに前記塗工液を転写する構成を採用することもできる。また、対向配置された前記回転ローラの一方側と他方側から異種類の塗工液が前記多孔質構造基材へ転写される構成を採用することにより、多孔質構造基材の表面と裏面に異なる塗工処理を実施できる。
回転ローラの表層を構成する多孔質弾性材料は、目的の塗工液を吸収保持することができる多孔質であり、かつ、基材から伝わる弱い押圧力でも塗工液を円滑に溢出することが可能な材料であることが望ましく、好適な一例を挙げれば、ポリウレタンフォームのような合成樹脂からなる発砲体や、有機繊維からなる織布、あるいは不織布を採用することができる。またこの多孔質弾性材料はその嵩高さ(織布・不織布であれば目付)を調整することによって、多孔質構造体への塗工液の溢出量を調整できる。
本塗工装置では、上記装置構成に加えて、前記回転ローラの回転速度と多孔質構造基材の走行速度とを同調させるための自動制御手段を設けるようにしてもよい。多孔質構造基材は、塗工液が付与されるとより脆弱化するので、外力によって損傷を受けたり、基材強度が低下したりし易くなる。このため本発明では、前記回転ローラの回転速度と多孔質構造基材の走行速度とを同調させることによって、回転ローラから多孔質構造基材へ伝わる外力を極力低減するように工夫する。
さらに、本発明に係る塗工装置では、連続運転によって徐々に蓄積する余剰の塗工液を回収し、再び前記回転ローラへ供給する塗工液再利用手段を設けることにより、塗工液のロスを低減し、ひいては加工コストを低下させることができる。
以上のような構成を備える本塗工装置は、塗工過程において、脆弱な物理的性質を有する多孔質構造基材に損傷等を発生させてしまうことがなく、かつ、該多孔質構造基材に目的の塗工成分を均一に塗布することが可能であるため、一例を挙げれば、多孔質構造基材の全体に高価な機能性成分、例えば、光触媒成分を均等に分散させて担持させた水処理用担体製品を提供する場合などに特に有用である。
本発明に係る塗工装置によれば、回転ローラの表層が塗工液を吸収する多孔質弾性材料によって形成されているため、塗工過程において、脆弱な物理的性質を有する多孔質構造基材に損傷等を発生させたり、基材強度を低下させたりしてしまうことがなく、安定した連続塗工を実施できる。同時に、本発明は、回転ローラの表層から適量の塗工液を溢出させて、多孔質構造基材に目的の成分を均一(均質)に連続塗工することができる。
添付した図面を参照しながら、本発明の典型的な実施形態について説明する。なお、図面に示された実施形態は、本発明の好適な実施形態を例示したものであり、これにより本発明が狭く解釈されることはない。
まず、図1は、本発明に係る塗工装置の第1実施形態例の基本構成を説明するための簡略図面である。
図1に示す符号Wは、多孔質構造を有する基材、例えば不織布からなる基材を示している。一例を挙げれば、合成繊維体やガラス長繊維体をニードル加工等したようなマット状(板状)の基材を想定することができる。このような多孔質構造基材Wは嵩高であり、一定の厚みを有する繊維構造を有しているので、外力に対して脆弱であり、特に、塗工液Xが付与されて湿潤した状態のときに外力が加えられると、損傷したり、基材強度が低下したりするという問題が発生してしまう。
本発明の第1実施形態例である塗工装置Mは、少なくとも一対の回転ローラR,Rを有しており、この回転ローラRとRの間に形成された隙間Eに多孔質構造基材Wが連続的に送り込まれ、図1中の矢印D方向へ所定速度で連続走行する(例えば、10m/分程度で走行する。)。なお、図1中の符号Gで示された矢印は、回転ローラRとRそれぞれの回転方向を示している。
回転ローラRとRの隙間Eの間隔は、塗工対象の多孔質構造基材Wの厚みや強度等に照らして適切な距離に予め調整されており、また、同距離を現実の塗工状況に照らして好適な条件となるように、自動調整可能としてもよい。
一対の回転ローラR,Rについては、それぞれ自立回転駆動、又は同調回転駆動可能な構成を採用でき、これらの回転ローラR,Rの回転速度は、多孔質構造基材Wの走行速度に同調させるようにする(以下、同様)。即ち、前記回転ローラR,Rの回転速度と多孔質構造基材Wの走行速度とを同調させるための自動制御手段を設けるようにし、多孔質構造基材Wに対して、回転ローラR,Rを介した引っ張り力、ブレーキ負荷、摩擦力などが過剰に加わらないようにする。多孔質構造基材Wの損傷等を防止するためである。
ここで、回転ローラR,Rのそれぞれの表層部S,Sは、多孔質の弾性材料によって形成されている。その具体的な材料は、目的に合わせて適宜選択することが可能であるが、少なくとも、目的の塗工液を吸収保持することができるような多孔質であり、かつ、この多孔質構造基材Wから伝わる弱い押圧力でも塗工液を円滑に溢出することが可能な材料である。一例を挙げれば、スポンジ状を呈するポリウレタンフォームなどのような合成樹脂からなる発泡体や合成樹脂からなる繊維の織布又は不織布を採用することができる。
本塗工装置Mでは、図1及び図2に示すように、対向配置されている一対の回転ローラR,Rの隙間Eを多孔質構造基材Wが通過するときに、回転ローラR,Rの各表層部S,Sがこの多孔質構造基材Wによって軽く押圧されることによって、該表層部S,Sから塗工液Xが溢出して該多孔質構造基材Wへ転写されることになる。なお、図2は、回転ローラRと多孔質構造基材Wとの界面付近の部分拡大図である。
ここで、図1に示す実施形態例において、塗工液Xは、上方側の回転ローラR(の表層S)に向けて供給されている。塗工液Xの供給方法は、特に限定されないが、幾つか例示すれば、塗工液Xを回転ローラRの表層部Sに向けて散布、噴出、注入、滴下、吐出等する手段によって供給すればよい。
一方の下側に配置された回転ローラRの表層部S(図1参照)には、多孔質構造基材Wを透過して滲み出してくる塗工液Xが供給され続けることになる(図1中の矢印Y参照)。このような実施形態例では、多孔質構造基材Wの両面に塗工液Xが塗布される。
なお、本塗工装置Mにおいては、一方側の回転ローラRにのみ塗工液Xを供給し、他方側の回転ローラRには表層部Sに蓄積した過剰の塗工液Xを吸引する手段を設けておいてもよい。他方側の回転ローラRで余剰の塗工液Xを吸引することによって、均一量の塗工液Xを多孔質構造基材Wに塗布することが可能となる(他の実施形態でも同様)。
図3は、本発明に係る塗工装置の変形形態例の構成を示す図である。
図3に符号Mで示された塗工装置の実施形態例では、対向配置された前記回転ローラR,Rの一方側(例えば、R)のみへ塗工液Xが供給されており、他方側の前記回転ローラ(例えば、R)には、エアーAが多孔質構造基材Wに向かって吹き出される手段(エア吹き出し装置N、図3参照)が設けられている。
このような実施形態を採用すれば、エアーAの力によって、塗工液Xを多孔質構造基W側へ押し戻すことができるので、これにより、多孔質構造基材Wの回転ローラR側の片面W(図3参照)のみへ塗工液Xを転写することができる。
さらに、特に図示はしないが、対向配置された前記回転ローラR,Rの一方側のローラRと他方側のローラRから異種類の塗工液Xが多孔質構造基材Wへ転写されるような実施形態を採用することができる。これにより、多孔質構造基材Wの表面Wと裏面W(図3参照)に対して、異なる塗工処理を実施することできる。
さらに本塗工装置Mにおいては、多孔質構造基材Wに加わるローラ圧の自動制御手段を設けておいてもよい。具体的には、多孔質構造基材Wに加わるローラ圧を自動的にモニタリングし、予め設定された所定のローラ圧(例えば、多孔質構造基材Wに損傷が発生する臨界圧)を越えないように、対向する回転ローラR,Rの間隔(隙間Eの距離)を自動的に微調整できるようにしてもよい(他の実施形態例でも同様)。
図4は、ローラ圧の自動制御手段に係わる実行手順のプログラムフローチャート例である。
塗工開始と同時に回転ローラ(例えば、R)の多孔質構造基材Wに対する圧力のモニタリング測定を連続的に開始する。そして、当該圧力が予め設定された所定圧(臨界圧)を超えているか否かの判定を常時行う。
前記判定の結果、所定圧(臨界圧)を超えている場合(YES)は、回転ローラ圧を臨界圧以下に調整する(回転ローラ間の隙間Eの距離を広げる)。一方、所定圧(臨界圧)を超えていない場合(NO)は、回転ローラ圧のモニタリング測定を継続する。
図5は、本発明に係る塗工装置の第2実施形態例の基本構成を説明するための簡略図面である。
この図5に示された第2実施形態例である塗工装置Mは、供給された塗工液Xの回収・再利用手段を備えていることが特徴である。図5中の符号Taは、塗工液貯留槽を示している。この塗工液貯留槽Taから回転ローラRの表層Sに対して塗工液Xが供給される。
塗工液Xは、上方の回転ローラRから多孔質構造基材Wを介して下側の回転ローラRの表層部Sに移行して、該表層部Sに吸収されることになる。そして、回転ローラRの表層部Sに吸収された塗工液Xは、回転ローラRの表層部Sを必要程度押圧するように、回転ローラRの近接位置に配置された絞りローラRによって絞り出される。
このような実施形態を採用することによって、(1)下側の回転ローラRの表層部Sに吸収された塗工液Xを該表層部Sから可能な限り除去したり、(2)表層部Sに過剰に吸収された塗工液Xを適当量に維持したりすることが可能となる。(1)の場合は、多孔質構造基材Wの表面Wにのみ塗工処理する場合に好適であり、(2)の場合は、多孔質構造基材Wの表面Wと裏面Wの両方に塗工処理する場合に好適である。
絞りローラRによって絞り出された塗工液Xは、回転ローラRのさらに下方に配置されている回収槽Tbに滴下し、徐々に蓄積していく。この回収槽Tbに貯留された塗工液Xを吸引ポンプPによって吸い上げて、塗工液貯留槽Taへ返送する。なお、図5中の符号Xrは、回収槽Tbから塗工液貯留槽Taへ返送される塗工液を示している。
ここで、回収塗工液Xr中の所定成分濃度は、溶媒の揮発や蒸発によって、供給時の塗工液Xの所定成分濃度よりも高くなる場合がある。このため、塗工液貯留槽Taへ回収塗工液Xrを返送し続けていくと、供給時の塗工液Xの所定成分濃度が徐々に高まってしまうので、多孔質構造基材Wへの均質塗工の弊害となる。
そこで、本実施形態では、塗工液貯留槽Taにおける塗工液Xの所定成分濃度を常時モニタリング測定して、適時に溶媒貯留槽Tcから溶媒Zを補給することによって、供給時の塗工液Xの所定成分濃度を一定に維持するように工夫している。このような工夫は、特に、光触媒成分などの機能性成分を多孔質構造基材Wに均一に塗工する場合などに有効である。
次に、図6は、本発明に係る塗工装置の第3実施形態例の構成を示す簡略図である。
この図6に示された第3実施形態例である塗工装置Mは、塗工液Xの回収・再利用手段を備えているとともに、塗工液回収槽Tbに貯留された塗工液Xrに(下側の)回転ローラRの表層Sが浸漬可能とされたことが特徴の一つである。
このような構成を採用すれば、回転ローラRへの塗工液供給が充分に行われるので、多孔質構造基材Wの裏面Wに対する(下側の)回転ローラRからの塗工を確実に行うことができる。即ち、多孔質構造基材Wの表面Wと裏面Wの両方に対して、確実に均質塗工を行うことができる。
ここで、この塗工装置Mでは、塗工液回収槽Tbに溶媒(あるいは所定成分)を補充するための補給槽Tdを設けておき、この補給槽Tdから溶媒等を必要量補給することによって回収塗工液Xの所定成分濃度を一定に維持するようにしてもよい。これにより、上方側の回転ローラRに供給される塗工液Xと下側の回転ローラRに供給される回収塗工液Xrとを均質化できるので、多孔質構造基材Wの表面Waと裏面Wbに対して、同等の塗工を行うことができる。
図7は、本発明に係る塗工装置のより具体的な装置構成を示す正面図である。
この図7に示された塗工装置Mは、最上方に配置されている塗工液貯留槽Taと、この塗工液貯留槽Taから供給される塗工液Xの量を調整するバルブVを間に挟んで、その下方に配置された塗工液散出部Cと、を備えている。塗工液散出部Cは、下方側の領域に対して塗工液Xを散らすように吐出又は滴下する役割を果たす。
塗工液散出部Cの下方位置には、回転ローラRが回転駆動可能に配置されており、さらに、この回転ローラRと一定の隙間Eを形成して回転ローラRが回転駆動可能に配置されている。
本実施形態において回転ローラRとRは、駆動モータBによって発生させた駆動力がベルトや歯車が配置された伝達部ユニットUを介して、各回転ローラR、Rの回転軸A,Aに伝達されることにより、互いに同調して一体に駆動する構成となっている。なお、多孔質構造基材Wは、図6では図示しないが、図6の後方側から手前側に向かって、回転ローラR、Rの隙間Eへ送り込まれて走行する。
この塗工装置Mでは、下側の回転ローラRの直下位置に塗工液回収槽Tbが上方に開口して配置されている。この塗工液回収槽Tbでは、回転ローラRから滴下してくる余剰の塗工液Xrを回収して、最上方の塗工液貯留層TaへポンプPを介して返送する。
この塗工装置Mにおいても、ローラ圧の自動制御手段(図3参照)や図4のような塗工液濃度の調整手段を付設してもよく、あるいは、図5のように、塗工液回収槽Tbに貯留されている回収塗工液Xrに回転ローラRの表層S部分が浸漬可能な構成としてもよい。
続いて、図8は、本発明に係る塗工装置の変形実施形態の一例を示す簡略図である。
この図8に示された塗工装置Mは、上記した実施形態群とは異なって、回転ローラR,Rが左右方向に対向配置されており、これらの回転ローラR,Rの隙間Eに対して、上方側から多孔質構造基材Wが鉛直方向に送り込まれる構成を備えることが特徴である。なお、図8中の符号Rは、隙間Eから送り出されてきた塗工済基材Wを後続の工程(例えば、乾燥工程)へ向けて方向を変換するための支持回転ローラである。
回転ローラR,Rに対する塗工液Xの供給方法は、例えば、図7に示されているように、各回転ローラR,Rの真下に配置させた塗工液貯留槽Te,Tfに貯留されている塗工液Xに対して、各回転ローラR,Rの表層S,Sを浸漬させながら回転駆動を行うことによって実施することができる。
多孔質構造基材Wに対する塗工は、回転ローラR,Rの隙間Eを通過する際に、これらの回転ローラR,Rの表層S,Sが基材Wによって押圧されることによって溢出してくる塗工液Xが転写されることによって達成される。
多孔質構造基材Wに対する塗工液Xの転写量の調整は、回転ローラR,Rの隙間Eの距離を変化させ、回転ローラR,Rの表層S,Sに対する多孔質構造基材Wからの押圧力を変化させることで、前記表層S,Sからの塗工液溢出量を調整することによって実施することができる(他の全ての実施形態でも同様)。
以上説明してきた塗工装置M〜Mに例示されたような本発明に係る塗工装置において、塗工対象とされる多孔質構造基材Wの種類は特に限定されないが、本塗工装置は、物理的に多孔質構造基材Wを損傷等することがないように、該基材を繊細に扱いながら、該多孔質構造基材Wに目的の塗工液Xを均一に塗布することができることが大きな利点である。このため、例えば、ガラス繊維や合成樹脂繊維を嵩高な繊維構造体に仕上げられた基材の塗工に特に好適である。
本発明は、物理的に脆弱な不織布などの多孔質構造基材に対する均質な連続的塗工を実施するときの技術として利用することができる。
本発明に係る塗工装置の第1実施形態例の基本構成を説明するための簡略図である。 回転ローラRと多孔質構造基材Wとの界面付近の部分拡大図である。 本発明に係る塗工装置の変形形態例の構成を示す図である。 ローラ圧の自動制御手段に係わる実行手順のプログラムフローチャート例である。 本発明に係る塗工装置の第2実施形態例の構成を示す簡略図である。 本発明に係る塗工装置の第3実施形態例の構成を示す簡略図である。 本発明に係る塗工装置のより具体的な装置構成を示す正面図である。 本発明に係る塗工装置の変形実施形態の一例を示す簡略図である。
符号の説明
D 塗工対象基材の流れ方向
〜M 塗工装置
,R 回転ローラ
絞りローラ
回転ローラRの表層
回転ローラRの表層
W 多孔質構造基材
X 塗工液
Xr 回収塗工液

Claims (9)

  1. 対向配置された少なくとも一対の回転ローラの隙間へ多孔質構造基材を導入して走行させながら、前記回転ローラを介して所定の塗工液を前記基材へ転写する構成を備えており、前記回転ローラの少なくとも一方側のローラ表層部が、前記塗工液を吸収するとともに、圧力により該塗工液を溢出する多孔質弾性材料によって形成された塗工装置。
  2. 対向する前記回転ローラの両側のローラ表層部が、前記多孔質弾性材料によって形成されたことを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  3. 前記回転ローラの一方側のみに塗工液が供給され、他方側の回転ローラには該塗工液を吸引する手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  4. 対向配置された前記回転ローラの一方側のみへ塗工液が供給され、他方側の前記回転ローラにはエアーを吹き出す手段が設けられた構成によって、前記多孔質構造基材の片面のみに前記塗工液を転写する構成であることを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  5. 対向配置された前記回転ローラの一方側と他方側から異種類の塗工液が前記多孔質構造基材へ転写されることを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  6. 前記多孔質弾性材料は、合成樹脂からなる発泡体であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗工装置。
  7. 前記多孔質弾性材料は、合成樹脂からなる繊維の織布あるいは不織布であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗工装置。
  8. 前記回転ローラの回転速度と前記多孔質構造基材の走行速度とを同調させるための自動制御手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗工装置。
  9. 余剰の塗工液を回収して再び前記回転ローラへ供給する塗工液再利用手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗工装置。
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