JP2005278972A - 幼児用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 アームレストを傾倒可能とした場合に、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に段差が生じることがなく、基体側側面と傾倒されるアームレストの下面とが平行でない場合にも、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に隙間が生じることがなく容易にアームレストの傾倒が可能とした幼児用シートを得ること。
【解決手段】 幼児が主に臀部を乗せる座部の側部に設けられた厚みが大きいアームレスト30の少なくとも上半部31を、ヒンジ機構35、36によりアームレストの基体側32に対して外側方に水平状態に傾倒可能にされている。上記傾倒可能なアームレスト上半部31は上記ヒンジ機構に対して外側方向に移動可能とし、傾倒されたアームレスト上半部31の上面とそのアームレスト上半部が装着されている基体側32の上面とが同一面になるように構成されている。
【選択図】 図11

Description

本発明は、新生児、乳児或いは児童等の幼児のためにベッドとしても使用可能な幼児用シートに関する。
従来、幼児用シートにリクライニング機構を設け、幼児を寝かせた状態にしたり、或いは腰掛けた状態にさせることができるようにするとともに、その幼児用シートを支持する脚部に車輪を設け室内を自由に移動可能とし、さらに食事をする際等に高さを調節できるようにしたものが提案され実用に供されている。すなわち、上記幼児用椅子としては、前脚と後脚の中間部を互いに枢着することによりX字状に構成された左右一対のX字脚によってシートを支持するようにし、X字状の前脚と後脚とを互いに接近する方向或いは離間する方向に回動させることにより、シートの高さの調節を行うことができるようにするとともに、室内での移動時に方向転換が容易に行われるようにするために、特に前脚の先端部にキャスターを設けることが行われている。
一方、上記幼児用シート周りのスペースを有効に利用するために座部の両側に水平方向に傾倒可能な側板を設け、その側板を例えば幼児のおむつ変え時等におむつやパウダー等をのせる物置台として利用することも提案されている。
特開2003−24189号公報 特開2003−88451号公報
ところが、上記幼児用シートによっては左右のアームレストの幅すなわち厚さが大きく形成されているものにおいては、通常のヒンジ機構により上記アームレストを傾倒可能とした場合には、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に段差が生じ、物置台としての機能が損なわれる等の問題がある。また、上記基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に段差が生じないようにする場合にも、基体側側面と傾倒されるアームレストの下面とが平行であることが必要であるが、最近の幼児用シートにおいてはデザイン的な観点からアームレストの幅が前方ほど狭くなるようにしたものがあり、このような幼児用シートにおいては通常のヒンジ機構を採用することが困難である等の問題がある。
本発明は、このような点に鑑み、アームレストを傾倒可能とした場合に、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に段差が生じることがない幼児用シートを得ることを目的とする。さらに、基体側側面と傾倒されるアームレストの下面とが平行でない場合にも、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に隙間が生じることがなく容易にアームレストの傾倒が可能とした幼児用シートを得ることを目的とする。
請求項1に係る発明は、幼児が主に臀部を乗せる座部と、この座部の後方に配置され、リクライニング機構を有する背部と、上記座部の前方に設けられたステップにより構成された幼児用シートにおいて、上記座部の側部に設けられた厚みが大きいアームレストの少なくとも上半部をヒンジ機構によりアームレストの基体側に対して外側方に水平状態に傾倒可能にするとともに、上記傾倒可能なアームレスト上半部を上記ヒンジ機構に対して外側方向に移動可能とし、傾倒されたアームレストの上面とそのアームレスト上半部が装着されている基体側の上面とが同一面になるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記アームレストの基体側にはその内部に前後方向に延びる軸が設けられており、その軸に、アームレストの基体側から外方に突出され垂直及び水平状態間を回動可能なリンクを設けるとともに、上記リンクの先端部が前記アームレスト上半部の底面部に形成された左右方向に延びる長孔に挿通係合され、上記アームレスト上半部が上記リンクに対して外側方向に移動可能としてあることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記軸は、その前部及び後部がブラケットに設けられた嵌合穴によりアームレストの基体側に保持されており、上記軸の前部或いは後部の一方を支持する嵌合穴が左右方向に延びる長穴とされ、上記軸の角度が左右方向に変更可能としてあることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において、基体側の上面及び水平状態に傾倒されたアームレスト上半部の上面の少なくとも一方には、物品載置用の凹部が形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、座部の前方に設けられたステップの左右両側には比較的厚さが大きい側壁が設けられていることを特徴とする。
本発明は、上述のように上記座部の側部に設けられた厚みが大きいアームレストの少なくとも上半部をヒンジ機構により基体側に対して水平状態に傾倒可能にするとともに、上記傾倒可能なアームレスト上半部を上記ヒンジ機構に対して外側方向に移動可能とし、傾倒されたアームレストの上面とそのアームレスト上半部が装着されている基体側の上面とが同一面になるように構成されているので、基体側の上面とともに傾倒されたアームレストの上面とが同一面になり物置台に使用することができ、シート周りのスペースを有効に利用でき、また、ヒンジ機構を構成する軸の前部或いは後部の一方を支持する嵌合穴が左右方向に延びる長穴とされ、上記軸の角度が変更可能としてあるため、基体側側面と傾倒されるアームレスト下半部の下面とが平行でない場合にも、基体側と傾倒されたアームレストの表面との間に隙間が生じることがなく容易にアームレストの傾倒が可能である等の効果を奏する。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は幼児用椅子の概略構成を示す斜視図、図2はその側面図であって、幼児用シート1は左右一対のX字状に形成されたX字脚2によって支持されている。上記X字脚2は、前脚3及び後脚4の中間部をピン5によって互いに枢着することにより構成されており、左右の前脚3は前部連結杆6aにより連結され、左右の後脚4は後部連結杆6b(図2)により連結されている。上記後脚4の上端部はシート支持部材7の前部に設けられたボス8に枢着されており、前脚3の上端部はシート支持部材7の後部に上記シート支持部材7対して前後動可能に設けられたヒンジ結合部9に枢着されている。そして、上記シート支持部材7の外側面には、鎖線で示すように、そのシート支持部材7、並びに前記ボス8及びヒンジ結合部9の上部を覆うカバーが設けられており、上記シート支持部材7上に前記幼児用シート1が載置装着されている。
上記幼児用シート1は図1及び図2に示すように、幼児が主に臀部を乗せる座部10と、この座部10の後方に配置された背部11と、背部11の上方に設けられたヘッドレスト12と、座部10の前方に設けられたステップ13により構成されており、上記背部11は、図1に示すように立ち上げられ椅子として使用可能な状態と、図3に示すように後方に倒されベッドとして使用可能な状態とすることが出来るように、リクライニング機構を有している。そしてベッドとして使用可能な状態に背部11を倒したときには、上記背部11の後方への揺動に対応してステップ13も上方に揺動し、幼児の足が支持されるようにしてある。上記ステップ13の両側部には比較的厚さが大きい側壁13aが設けられており、上述のようにベッドとしての使用中における乳幼児の転落が防止されるとともに、もしかしたら落ちるかもしれないという視覚的な不安感がなくなるようにしてある。
図4は前脚3及び後脚4とシート支持部材7との連結部の構成を示す図であり、後脚4の上端部がシート支持部材7のボス8にピン14により枢着され、前脚3の上端部がヒンジ結合部9にピン15により枢着されている。上記ヒンジ結合部9にはスライドバー16が一体的に設けられており、そのスライドバー16がシート支持部材7内に前後方向にスライド可能に収納されている。すなわち、スライドバー16には前後方向すなわち長手方向にヒンジ結合部9まで延びる長孔17が形成されている。この長孔17に対し、シート支持部材7に所定の間隔をもって突設された2本のピン18が嵌挿されており、上記長孔17とピン18との係合によりスライドバー16が長手方向に摺動可能としてある。このスライドバー16は図示しないバネにより図4中左方向、すなわちX字脚2が延びて高くなる方向に付勢されている。
スライドバー16は断面四角形をしており、そのスライドバー16の上面には長手方向に複数の調節孔19が列状に配設されている。一方、シート支持部材7には上記調節孔19のいずれかに選択的に差し込まれるピン20が上下動可能に設けられている。ピン20はバネ21によって差込方向に付勢されており、また、ピン20の拡径された部分に係止するするレバー22が設けられている。このレバー22はシート支持部材7の外側に突出されており、上記ピン20に沿って上下動可能としてある。
しかして、シート支持部材7の外側からレバー22を上方に引き上げると、バネ21の付勢力に抗してピン20が上方に移動し、調節孔19から外れる。ピン20が調節孔19から外れることによりスライドバー16は図示しないバネの作用により図中左方向に移動し、これによりX字状に交差してヒンジ結合されているX字脚2が延び、椅子の高さが高くなる。
一方、この状態でピン20を調節孔19から引き抜き、シート支持部材7を押し下げると、スライドバー16がヒンジ結合部9とともに図2において右方向に移動して前脚3及び後脚4の傾斜角が小さくなり、上記ヒンジ結合部9が最も右に移動するとピン20が調節孔19に係合し高さが低い折り畳み状態となる。この折り畳み状態を図5に示す。
また、全ての前脚3及び後脚4の下端部にはそれぞれキャスター24が設けられている。しかして、上記キャスター24により幼児用椅子は前後左右に容易に移動することが出来、旋回性を十分向上させることができ、小回りが利き、狭い室内でも自由に移動させることができる。
ところで、座部10の両側には厚さが大きいアームレスト30が設けられており、そのアームレスト30は、図6に示すように、その上半部31が基体側32に対して水平面により分離されており、その上半部31が図7に示すように垂直状態から水平に傾倒可能として物置台として利用可能としてある。そして、アームレストの基体側32の上面及び水平状態に傾倒されたアームレスト上半部31の上面の少なくとも一方には、おむつ替え時等において、おむつやパウダ容器等のおむつ替え用具或いはコップ等を載置する凹部33、34が形成されている。
すなわち、図8に示すように、上記アームレスト30の基体側32にはその内部に前後方向に延びる軸35が設けられており、その軸35には前部及び後部に2つのリンク36、36が設けられており、上記リンク36の先端部が上記アームレスト30の基体側32に形成された長孔37から外方向に突出されている。上記長孔37はアームレスト30の基体側32の上面及び外側面に亘る隅各部に形成されており、その長孔37から突出されているリンク36が軸35を中心として垂直状態と水平状態間を回動可能としてある。上記リンク36の先端部は前記アームレスト30の上半部32に設けられた左右方向に延びる長穴38に挿入係合されており、上記アームレスト30の上半部32が上記長穴38に沿ってリンク36に対して左右方向のみに移動可能としてある。
図9及び図10は、アームレスト30を下方から見た図であり、前記軸35の両端部がアームレストの基体側32内に設けられたブラケット40、41の嵌合穴42、43に軸着されている。すなわち、アームレストの基体側32の前方側のブラケット40に形成された嵌合穴42は円穴としてあり、その円穴からなる嵌合穴42に上記軸35の前部が挿通軸支されており、後方側のブラケット41に設けられた嵌合穴43はアームレスト30に対して左右方向に延びる長穴としてあり、その長穴からなる嵌合穴43に上記軸35の後部が挿通軸支され、上記軸35の後部が嵌合穴43に沿って左右方向に移動して、水平面内における軸35の角度が変更可能としてある。
また、上記アームレスト上半部31の後端部にはスプリング44により突出方向に付勢されたロック部材45が設けられており、上記アームレスト上半部31の側部に設けられている操作釦46を操作することにより、上記ロック部材45をアームレストの基体側32に設けられている係合穴47に係脱し得るようにしてある(図11(c))。すなわち、上記ロック部材45を係合穴47に挿入係合させることによりアームレスト上半部31を通常の垂直状態に保持し、操作釦46を介してロック部材45をスプリング44に抗して引き込み方向に移動させて係合穴47から離脱させることにより、上記アームレスト上半部31を水平状態に傾倒させることができる。
しかして、幼児用シートを例えば図1に示すように通常の椅子として使用する場合には、アームレスト上半部31が図6に示すように垂直状態にされ、前記ロック部材45が係合穴47に係合されることにより上記垂直状態が維持されている。そこで、例えばおむつ替えを行う場合には、上記幼児用シートの背部11を後方に倒し幼児を寝かせた状態にするとともに、アームレスト上半部31を外側方に傾倒させ、その傾倒されたアームレスト上半部31を物置台として使用できるようにする。
すなわち、上記アームレスト上半部31を傾倒させる場合には、ロック部材45を係合穴47から離脱させた後、上記アームレスト上半部31を、図11(b)及び図8の鎖線で示すようにシートの外側方向に移動させた後、そのアームレスト上半部31を軸35を中心として回動させると、アームレスト上半部31は図8の点線で示すようになり、転倒されたアームレスト上半部31の上面がアームレストの基体側32上面と同一平面状態となる。
ところで、アームレストの幅が前方ほど小さくなり、アームレストの基体側32の外側面がアームレスト30の内側面と平行でない場合には、アームレスト上半部31を上述のように単に傾倒したとき、アームレストの基体側32の外側面と、そのアームレストの基体側32の外側面と対向するアームレスト上半部31の底面との間に隙間が生じることとなるが、本発明においては、前述のようにアームレスト上半部31を軸支する軸35の角度が可変としてあるので、前記アームレスト上半部31を軸35の周りに回動させると、軸35の後端部が図10に示すようにブラケット41の長穴状の嵌合穴43に沿って外側に移動し、図11(c)において点線で示すように、上記軸35がアームレストの基体側32の外側面と平行状態となる。しかして、アームレスト上半部31を外側に転倒させた時には、転倒されたアームレスト上半部31の底面がアームレストの基体側32の外側面と互いに接するようになるとともに、転倒されたアームレスト上半部31の上面とアームレストの基体側32の上面とが同一平面となり、その両者によって物置台を構成させることができ、アームレスト周辺のスペースを有効に利用することができる。
本発明の幼児用椅子の斜視図。 本発明の幼児用椅子の側面図。 幼児用シートを寝台として使用可能とした状態を示す斜視図。 前脚及び後脚とシート支持部材との連結部の構成を示す図。 幼児用椅子をローポジションとした状態を示す側面図。 アームレストの外面を示す斜視図。 アームレスト上半部を傾倒させた状態を示す斜視図。 アームレスト上半部とアームレストの基体側との連結状態を示すとともに、アームレスト上半部の転倒作動状態を示す図。 アームレストの下方から見た図。 図9においてアームレスト上半部が転倒された状態を示す図。 (a)、(b)、(c)はアームレスト上半部の転倒の作動説明図。
符号の説明
1 幼児用シート
2 X字脚
3 前脚
4 後脚
7 シート支持部材
8 ボス
9 ヒンジ結合部
10 座部
11 背部
13 ステップ
16 スライドバー
17 長孔
19 調節孔
20 ピン
22 レバー
24 キャスター
30 アームレスト
31 アームレスト上半部
32 アームレストの基体側
33、34 凹部
35 軸
36 リンク
37、38 長孔
40、41 ブラケット
42、43 嵌合穴

Claims (5)

  1. 幼児が主に臀部を乗せる座部と、この座部の後方に配置され、リクライニング機構を有する背部と、上記座部の前方に設けられたステップにより構成された幼児用シートにおいて、上記座部の側部に設けられた厚みが大きいアームレストの少なくとも上半部をヒンジ機構によりアームレストの基体側に対して外側方に水平状態に傾倒可能にするとともに、上記傾倒可能なアームレスト上半部を上記ヒンジ機構に対して外側方向に移動可能とし、傾倒されたアームレストの上面とそのアームレスト上半部が装着されている基体側の上面とが同一面になるように構成されていることを特徴とする、幼児用シート。
  2. 上記アームレストの基体側にはその内部に前後方向に延びる軸が設けられており、その軸に、アームレストの基体側から外方に突出され垂直及び水平状態間を回動可能なリンクを設けるとともに、上記リンクの先端部が前記アームレスト上半部の底面部に形成された左右方向に延びる長孔に挿通係合され、上記アームレスト上半部が上記リンクに対して外側方向に移動可能としてあることを特徴とする、請求項1記載の幼児用シート。
  3. 上記軸は、その前部及び後部がブラケットに設けられた嵌合穴によりアームレストの基体側に保持されており、上記軸の前部或いは後部の一方を支持する嵌合穴が左右方向に延びる長穴とされ、上記軸の角度が左右方向に変更可能としてあることを特徴とする、請求項2記載の幼児用シート。
  4. アームレストの基体側の上面及び水平状態に傾倒されたアームレスト上半部の上面の少なくとも一方には、物品載置用の凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の幼児用シート。
  5. 座部の前方に設けられたステップの左右両側には比較的厚さが大きい側壁が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の幼児用シート。
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