JP2005278929A - ミシンの糸切り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 針板及びこれに設けた針穴板の強度を維持しながら、縫製終了時に生地の裏側に残った糸端部の長さを極力短くできるようにすること、従来のように糸端部を長く残すように簡単に変更できるようにすること。
【解決手段】 固定刃23aを有し針板12の下面に固定された固定刃部材23と、針板12の下面に水平に往復回動可能に枢着され可動刃25fを有する可動刃部材25とを備え、可動刃部材25の先端部分25aの上面を可動刃部材25の被枢支部25gの上面よりも高い位置にする為の段差25hを可動刃部材25に形成し、針板12の下面側のうちの可動刃部材25の回動時の前記先端部分25aの移動経路を含む範囲に、針板凹部に連なり且つ針板12の下面から上方に凹んだ拡張凹部12dを形成した。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ミシンの糸切り装置に関し、特に往復回動可能な可動刃部材の可動刃を、針板の上面に近づけた高い位置に設けるとともに、固定刃部材の固定刃も高い位置に設け、縫製終了時に加工布から針板の針穴を経て下側に延びる上糸と下糸を、加工布に極力近づけて短く切断するようにしたものに関する。
従来、閂止め縫目を形成する閂止めミシン等、各種のサイクルミシンにおいては、針板の下側に、可動刃部材と固定刃部材とを有する糸切断機構を設け、縫製終了時に加工布から延びる上糸と下糸とを糸切断機構により自動的に切断できるようになっている。ここで、糸切断機構には、可動刃部材を直線状に往復移動させる直線タイプと、可動刃部材を往復回動させる回動タイプとが実用化されている。
例えば、特公平5−58760号公報に記載の糸切り装置は、回動タイプであり、針板の下面側に形成したくぼみに、刃部を有する固定メスを水平にネジ止めするとともに、刃部を有する動メスを固定メスの下側で針板に回動可能に枢着し、縫製終了に伴って動メスを揺動させる際に、針穴から針板の下側に延びる上糸と下糸を、固定メスの刃部と動メスの刃部との協働で、針板の下側で同時に切断するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特公平5−58760号公報 (第2〜3頁、図1)
前述した特公平5−58760号公報に記載の糸切り装置においては、固定メスを針板の下面側のくぼみに収容した状態で固定してあるが、動メスの先端部が針穴に対応する針板の下側を移動するため、針板の下側で上糸と下糸を切断するようになる。即ち、針板の厚みは、通常、約2.5 〜3.0mm であるため、糸切断後に加工布の裏側に残った上糸と下糸の糸端部の長さが約3.0mm と長くなる。
その為、下着等の肌着は人の肌に直接に接触するので、縫製した肌着の糸端部が長い場合、着心地が悪く、不快感を与えるという問題がある。そこで、縫製終了した肌着の裏側に複数個所に残った糸端部の全てを、作業者が挟みにより手作業で糸きりする場合、糸切り作業が複雑化すること、作業能率の低下により生産性が劣ること、等の問題がある。
請求項1に係るミシンの糸切り装置は、針穴を形成した針穴板を針板に設け、針穴板の下面側に針板の下面から上方に凹んだ針板凹部を形成してなるベッド部を有するミシンにおいて、針穴の近くに位置する固定刃を有し針板の下面に固定された固定刃部材と、針板の下面に水平に往復回動可能に枢着された可動刃部材であって、往復回動により固定刃と協働して加工布に連なる上糸と下糸を切断する可動刃と、糸繰出し部と、糸導入部とを有する可動刃部材とを備え、可動刃部材の可動刃と糸繰出し部と糸導入部とを含む先端部分の上面を可動刃部材の被枢支部の上面よりも高い位置にする為の段差を可動刃部材に形成し、針板の下面側のうちの可動刃部材の回動時の前記先端部分の移動経路を含む範囲に、針板凹部に連なり且つ針板の下面から上方に凹んだ拡張凹部を形成したものである。
針板の下面に固定刃部材が固定されているため、針板の下面に枢着された可動刃部材を往復回動させると、固定刃部材の固定刃と可動刃部材の可動刃とが協働して、加工布に連なる上糸と下糸とが切断される。ところで、可動刃部材の先端部分の上面は被支持部の上面より段差により高くなっているのに加えて、針板の下面側には、可動刃部材の先端部が回動可能な拡張凹部が針板凹部に連なって形成されているため、可動刃は段差分だけ高く、つまり針板上の加工布により接近して切断されるようになり、加工布に残る上糸と下糸の糸端部の長さが短くなる。
請求項2に係るミシンの糸切り装置は、請求項1の発明において、針穴板に、固定刃の高さ位置を針板の上面に近づける為に針板凹部の一部を上方に凹ませた固定刃逃し凹部を形成したものである。この場合、固定刃の高さ位置は、針穴板に形成された固定刃逃し凹部の分だけ高く、つまり針板上の加工布に、より接近して切断されるようになり、加工布に残る上糸と下糸の糸端部の長さが短くなる。
請求項3に係るミシンの糸切り装置は、請求項1又は2の発明において、前記固定刃の下面に摺接する可動刃の先端部分の上面は、可動刃側ほど針穴板に接近するテーパ面に形成されているものである。この場合、可動刃部材の切断方向への回動時に、固定刃は可動刃の先端部に形成されたテーパ面により上方に弾性変形しながら固定刃と可動刃との剪断力を高めて切断される。しかも、糸切断時に、固定刃が弾性変形によりテーパ面に沿って上方に移動した移動代に応じて、上糸と下糸の糸端部の長さがより短くなる。
請求項4に係るミシンの糸切り装置は、請求項2又は3の発明において、前記固定刃逃し凹部の上面側に、固定刃の可動刃との協働による切断時に固定刃が上方へ弾性変形可能な隙間を設けたものである。この場合、固定刃逃し凹部の上面側に隙間を設けたため、糸切断に際して、固定刃の可動刃のテーパ面との摺接により、固定刃の上方への弾性変形が可能になり、糸切断に支障を来すことがない。
請求項5に係るミシンの糸切り装置は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記針穴板と固定刃部材と可動刃部材は針板に取り外し可能に装着され、針板の下面のレベルにおいて糸切りする為に、針穴板と固定刃部材と可動刃部材とは別の針穴板と固定刃部材と可動刃部材を装着可能に形成されたものである。この場合、針板の下面のレベルにおいて糸切りするようにして、加工布に残る糸端部の長さを従来のように長くする場合には、糸端部を短く切断できるようにしたこれら針穴板と固定刃部材と可動刃部材を取外し、従来において用いていた別の針穴板と固定刃部材と可動刃部材を装着する。
請求項1の発明によれば、針穴を形成した針穴板を針板に設け、針穴板の下面側に針板の下面から上方に凹んだ針板凹部を形成してなるベッド部を有するミシンにおいて、固定刃部材と、可動刃と糸繰出し部と糸導入部とを有する可動刃部材とを備え、可動刃部材の可動刃と糸繰出し部と糸導入部とを含む先端部分の上面を可動刃部材の被枢支部の上面よりも高い位置にする為の段差を可動刃部材に形成し、針板の下面側のうちの可動刃部材の回動時の前記先端部分の移動経路を含む範囲に、針板凹部に連なり且つ針板の下面から上方に凹んだ拡張凹部を形成したので、針板の下面に固定された固定刃部材と、針板の下面に枢着されて往復回動する可動刃部材との協働で加工布に連なる上糸と下糸とが切断される際に、可動刃を有する可動刃部材の先端部分の上面が被支持部の上面より段差により高くなっており、しかも可動刃部材の先端部が回動可能な拡張凹部が形成されているため、可動刃による切断位置が針板の下面より段差分だけ高くなり、加工布に残る上糸と下糸の糸端部の短縮化を図ることができる。
そのため、人の肌に直接に接触する下着等の肌着を縫製した場合、着心地が良く、不快感を与えるようなことがなくなる。更に、糸端部を挟みにより手作業で糸きりする必要も無くなり、縫製作業の能率化、更には生産性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、前記針穴板に、固定刃の高さ位置を針板の上面に近づける為に針板凹部の一部を上方に凹ませた固定刃逃し凹部を形成したので、固定刃の高さ位置は、針穴板に形成された固定刃逃し凹部の分だけ高くでき、針板上の加工布により接近して切断できるため、加工布に残る上糸と下糸の糸端部の短縮化を図ることができる。その他請求項1と様の効果が得られる。
請求項3の発明によれば、前記固定刃の下面に摺接する可動刃の先端部分の上面は、可動刃側ほど針穴板に接近するテーパ面に形成されているので、可動刃部材の切断方向への回動時に、固定刃は可動刃の先端部に形成されたテーパ面により上方に弾性変形しながら固定刃と可動刃との剪断力を高めて切断でき、糸切断性能を高めることができる。更に、固定刃がテーパ面に沿って弾性変形により上方に移動した時点で切断されるため、切断後の糸端部の長さをより短くすることができる。その他請求項1又は2と様の効果が得られる。
請求項4の発明によれば、前記固定刃逃し凹部の上面側に、固定刃の可動刃との協働による切断時に固定刃が上方へ弾性変形可能な隙間を設けたので、糸切断に際して、固定刃の可動刃のテーパ面との摺接により、固定刃の上方への弾性変形が可能になり、糸切断に支障を来すことがなく、糸切断性能を高めることができる。その他請求項2又は3と同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記針穴板と固定刃部材と可動刃部材は針板に取り外し可能に装着され、針板の下面のレベルにおいて糸切りする為に、針穴板と固定刃部材と可動刃部材とは別の針穴板と固定刃部材と可動刃部材を装着可能に形成されたので、糸端部を短く切断できるようにしたこれら針穴板と固定刃部材と可動刃部材を取外し、従来において用いていた別の針穴板と固定刃部材と可動刃部材を装着するだけで、加工布に残る糸端部の長さを従来のように長くすることが可能になる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
本実施形態における電子閂止めミシンの糸切り装置は、ベッド部の針板の下面に、固定刃を有する固定刃部材を固定し、可動刃を段差により高く設けた可動刃部材を往復回動可能に枢着し、可動刃の往復回動を許す拡張凹部を針板の下面側に形成するとともに、固定刃の高さ位置を高くするための固定刃逃がし凹部を針穴板の下面側に形成してある。
図1に示すように、電子閂止めミシン1は、作業テーブル8上に載置され、針板12を有するベッド部2と、ベッド部2の後端部から上方に立設する脚柱部5と、脚柱部5の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部6等から構成されている。
脚柱部5及びアーム部6には、針棒10を介して縫針11を上下駆動するためのミシンモータ(図示略)、そのミシンモータの駆動力を主軸を介して縫針11に伝達する駆動力伝達機構、布押え13を布押え機構(図示略)を介して上下動させる押え駆動機構(図示略)等が設けられるとともに、アーム部6の前端部の頭部7内部に、針棒10を上下動させる針棒上下動機構、上糸31を引き上げる天秤を駆動する天秤駆動機構等が設けられているが、公知の技術であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ベッド部2は、脚柱部5が立設されるベッド本体部3と、ベッド本体部3から前方に延びるシリンダベッド部4からなり、シリンダベッド部4の前端部の上面に、針穴板を有する針板12が着脱可能に固定されている。
ベッド部2には、図示を省略するが、布押え13を有する布押え機構と布押え13及び送り板14を前後方向(Y方)及び左右方向(X方向)に移動させる布送り機構に加えて、縫針11の上下動と調時して閂止め縫目を形成する垂直釜(半回転釜)15と、半回転駆動力を垂直釜15に伝達する下軸16と、縫製終了時に上糸3231と下糸33を切断する糸切り装置20などが設けられている。
次に、ベッド部2内に設けられた糸切り装置20について説明する。
図2,図7,図8に示すように、シリンダベッド部4の前端部の上面に設けられた金属製の針板12は、厚さ約2.5mm (図11にthで図示)の板部材であり、平面視略U字状である。針板12の略中央部に円形の貫通穴12aが形成され、その貫通穴12aに円形で針穴21bを形成した金属製の針穴板21が嵌め込まれ、針板12の上面と針穴板21の上面とが同じ高さ位置となるように、針板12から突出させた1対の半円状の支持壁部12bにより支持され、ビス22により固定されている。即ち、図11に示すように、針穴板21の下面側に、針板12の下面から上方に凹んだ円柱状の針板凹部12cが形成されている。
針穴板21の厚さは約1.0mm (図11にtaで図示)であり、直径が約30mmである。図3に示すように、針穴板21の中央部の下面に、円筒状に下側に突出する針穴ボス部21aが形成され、その針穴ボス部21aの中央部に針穴21bが貫通状に形成されている。針穴板21の左側の針板12の下側に、平面視略L字形状でその先端部に固定刃23aを有する固定刃部材23の基端部がビス24により下側から固定されている。
固定刃部材23は、弾性変形可能に構成され、基端部から鉛直上向きに曲げられ、湾曲部を経て針穴ボス部21aの近傍位置まで略水平状に延設され、先端部で下方に曲げ形成されている。そこで、図7,図11に示すように、固定刃部材23の先端部が下方に曲げ形成され、その先端部に所定幅を有する固定刃23aが形成されている。
ところで、針穴板21の下面側のうちの固定刃部材23が対応する部分には、針板凹部12cの一部を上方に凹ませた固定刃逃し凹部21cが平面視略U字状に形成されている。更に、針板12の下面側のうちの固定刃部材23が対応する部分には、針板凹部12cに連なり且つ針板12の下面から上方に凹んだ略矩形状の拡張凹部12dが形成されている。この場合、形成された固定刃逃し凹部21cの高さ寸法は約0.5mm である。
それ故、針穴板21の固定刃逃し凹部21cが形成された部位の厚さは約0.5mm (図11にtbで図示)であり、針板12の拡張凹部12dが形成された部位の厚さも約0.5mm (図11にthaで図示)である。その為、固定刃23aの高さ位置は、これら固定刃逃し凹部21cとこれに連なる拡張凹部12dの高さ寸法だけ高くなっている。但し、固定刃逃し凹部21cの上面側に、固定刃23aが後述する可動刃部材25の可動刃25fに摺接しながら糸切断するときに上方へ弾性変形可能な隙間21d(例えば、約0.2 〜0.3mm)が設けられている。
針穴板21の右側の針板12の下側であって十分な強度を有する部位に、固定刃部材23の下側に位置するように、略楕円状の可動刃部材25がその枢支部において段付きボルト26により、下側から往復回動可能に枢支されている。可動刃部材25の基端部(右端部)には、図示しない糸切り駆動機構から延びる糸切り連竿30の先端部がピン27により回動可能に連結され、図2,図7 に示す待機位置25(T) と、図9に示す糸さばき完了位置25(S) と、図10に示す糸切り完了位置25と(C) に亙って回動駆動される。
可動刃部材25は、図4〜図6に示すように、その先端部分25aに、糸さばき部25bと、糸導入部25cと、糸繰出し部25dと、貫通穴25eの端部の可動刃25f等が形成され、その先端部分25aの上面は、可動刃部材25の被枢支部25gの上面よりも鉛直向きの段差25hにより、一段高い位置に形成されている。その段差25hは図5に示すように、鉛直状である。そこで、前述した拡張凹部12dは、可動刃部材25の回動時の一段高い先端部分25aの移動経路、つまり待機位置25(T) と糸さばき完了位置25(S) と糸切り完了位置25と(C) を円弧状に移動する移動経路を含む範囲に形成されている。
ここで、図6に示すように、可動刃25fの先端部分25aの上面は、直ぐ上側に位置する固定刃23aの下面に摺接して切断性能を高めるため、可動刃25f側ほど針穴板21に接近する、つまり徐々に高くなるテーパ面25iに形成されている。また、図4に示すように、糸さばき部25bは、平面視にて鋭角状であり且つ側面視にて傾斜状に形成されている。糸導入部25cは、側面視にて略V形状に凹んで上糸32と下糸33を導入可能であり、糸繰出し部25dは、平面視にてV字状であり、糸さばき後の上糸32と下糸33とに係合し易くなっている。
このように、針穴板21の下面側に固定刃逃し凹部21cを形成するとともに、針板12の下面側に拡張凹部12dを形成し、可動刃部材25の可動刃25fを段差25hにより一段高く形成したので、固定刃部材23の固定刃23aの高さ位置は、可動刃25fの高さ位置に応じて高く、つまり針穴板21に接近している。その為、上糸32と下糸33とが可動刃25fと固定刃23aとの協働で切断される切断位置が、針板12の下面よりも高い位置、つまり針板12の最も肉薄となっている箇所の裏面の位置である。そのため、図13に示すように、加工布Wから延びる上糸32と下糸33を切断した糸端部32a,33aが短くなる。
次に、このように構成された電子閂止めミシン1の糸切り装置20の作用及び効果について、図11〜図12を参照しながら説明する。
縫製処理が実行されている縫製中においては、図7に示すように、可動刃部材25は、その先端部分25aが針穴21bから前方に遠ざかった待機位置25(T) で待機している(図7参照)。縫目形成の最終針が針穴21bから下側に下降し、垂直釜15の剣先で縫針の目穴11aから延びる上糸31を捕捉するのに同期して、糸切り連竿30が前方に移動するので、可動刃部材25は平面視にて時計回りに回動する。
その回動により、糸さばき部25bが上糸ループの中に分け入って、可動刃部材25が図9に示す糸さばき完了位置25(S) まで回動したとき、縫針11から延びる上糸31だけを、切断しないように先端部分25aの係合部25jに係合させるとともに、その他の加工布Wから延びる上糸32と下糸33とを切断するために、糸繰出し部25dに係合させる。
次に、糸切り連竿30が後方に移動するので、図10,図12に示すように、縫針11から延びる上糸31を繰出しながら、加工布Wから延びる上糸32と下糸33とが糸繰出し部25dに係合しながら且つ糸導入部25cで案内され、可動刃部材25が、図10に示す糸切り完了位置25と(C) まで回動したとき、固定刃23aは可動刃部材25の先端部分25aのテーパ面25iに沿って弾性変形しながら上方に移動し、可動刃25fが固定刃23aに合致するに際して、加工布Wから延びる上糸32と下糸33とが、これら固定刃23aと可動刃25fとの協働により一気に切断される。
この糸切りに際して、前述したように、可動刃部材25の可動刃25fを段差25hにより一段高く形成するとともに、固定刃部材23の固定刃23aの高さ位置を、可動刃25fの高さ位置に応じて高くしたので、上糸32と下糸33とが可動刃25fと固定刃23aとの協働で切断される切断位置が、針板12の下面よりも高くなり、加工布Wから延びる上糸32と下糸33を切断した糸端部32a,33aの長さを極力短くすることができる(図13参照)。
この場合、可動刃25fと固定刃23aによる切断位置は、針板凹部12cの内部の高い位置まで侵入しており、針板12の上面から約2mm ほど下がった位置であるため、糸端部32a,33aの長さを約2mm まで短くすることができる。これにより、人の肌に直接に接触する下着等の肌着を縫製した場合、着心地が良く、不快感を与えるようなことがない。更に、糸端部32a,33aを挟みにより手作業で糸切りする必要も無くなり、縫製作業の能率化、更には生産性を高めることができる。
ところで、布押え13は、図2に示すように、15mm×8mmからなる矩形状の縫製用孔を有する矩形枠状であり、針穴21bの回りを押えるようになっている。そのため、針穴板21の下面側に形成された固定刃逃し凹部21cに対応する部位の厚さが約0.5mm であって薄くなっているが、布押え13の殆どが固定刃逃し凹部21c以外の板厚が大きい部分を均等に押えるため、布押え13による押圧力で針穴板21が破損することはない。
また、固定刃23aの下面に摺接する可動刃25fの先端部分25aの上面は、可動刃25f側ほど針穴板21に接近するテーパ面25iに形成されているので、可動刃部材25の切断方向への回動時に、固定刃23aは可動刃25fの先端部に形成されたテーパ面25iにより上方に弾性変形しながら固定刃23aと可動刃25fとの剪断力を高めて切断でき、糸切断性能を高めることができる。更に、固定刃23aが弾性変形により上方に移動した時点で切断されるため、切断後の糸端部32a,33aの長さをより短くすることができる。
固定刃逃し凹部21cの上面側に、固定刃23aの可動刃25fとの協働による切断時に上方へ弾性変形可能な隙間21dを設けたので、糸切断に際して、固定刃23aの可動刃25fのテーパ面25iとの摺接による上方への弾性変形が可能になり、糸切断に支障を来すことがなく、糸切断性能を高めることができる。
次に、前記実施の形態の変更形態について説明する。
1〕可動刃部材25の先端部分25aの上面を、可動刃部材25の被枢支部25gの上面よりも傾斜状の段差25hにより高く形成するようにしてもよい。
2〕前述した実施例に用いた針穴板21と、固定刃部材23と、可動刃部材25とは、夫々針板12に取外し可能に装着されているため、これら針穴板21と固定刃部材23と可動刃部材25とを取外し、図14に示すように、従来と同様のものであって、これら針穴板21と固定刃部材23と可動刃部材25とは別の針穴板21Aと、固定刃部材23Aと、可動刃部材25Aとを装着するようにしてもよい。
この場合、針穴板21Aは固定刃逃し凹部21c等の凹部を何ら形成したものではなく、可動刃部材25Aの先端部分25aは被枢支部25gの上面と同じ高さに形成されており、固定刃部材23Aはその固定刃23aを可動刃25fの高さ位置に形成されたものである。それ故、これら別の針穴板21Aと固定刃部材23Aと可動刃部材25Aとを針板12に装着した場合、可動刃25fと固定刃23aとによる切断位置は、針板12の下面のレベル、つまり針板12の最も肉厚となっている箇所の裏面にあるため、従来と同様に、切断された糸端部32a,33aの長さが約3mm 以上になる。
そこで、ジーンズ等の縫製品の場合には、糸端部32a,33aが約3mm 以上に長い方が、縫目のほつれを防止できる。
3〕針板12の下面から上方に凹んだ拡張凹部12dは、平面視にて扇形状でも、リング状であってもよい。
4〕本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
5〕本発明は、針穴板を設けた針板12の下側に付設された種々のミシンの糸切り装置に適用し得ることは勿論である。
本発明の実施例に係る電子閂止めミシンの側面図である。 針板の底面図である。 針穴板の斜視図である。 可動刃部材の平面図である。 図4のE矢視図である。 図4のF矢視図である。 可動刃部材が待機位置のときの糸切り装置の平面図である。 図7のH−H線縦断面図である。 可動刃部材が糸さばき位置のときの糸切り装置の平面図である。 可動刃部材が糸切り完了位置のときの糸切り装置の平面図である。 図10のK−K線縦断面図である。 糸切り時における要部縦断面図である。 糸切り完了時における要部縦断面図である。 変更形態に係る図8相当図である。
符号の説明
1 電子閂止めミシン
2 ベッド部
12 針板
12c 針板凹部
12d 拡張凹部
20 糸切り装置
21 針穴板
21b 針穴
21c 固定刃逃し凹部
21d 隙間
23 固定刃部材
23a 固定刃
25 可動刃部材
25a 先端部分
25c 糸導入部
25d 糸繰出し部
25f 可動刃
25h 段差
25i テーパ面
31 縫針からの上糸
32 加工布からの上糸
32a 糸端部
33 下糸
33a 糸端部

Claims (5)

  1. 針穴を形成した針穴板を針板に設け、針穴板の下面側に針板の下面から上方に凹んだ針板凹部を形成してなるベッド部を有するミシンにおいて、
    前記針穴の近くに位置する固定刃を有し針板の下面に固定された固定刃部材と、
    前記針板の下面に水平に往復回動可能に枢着された可動刃部材であって、往復回動により固定刃と協働して加工布に連なる上糸と下糸を切断する可動刃と、糸繰出し部と、糸導入部とを有する可動刃部材とを備え、
    前記可動刃部材の可動刃と糸繰出し部と糸導入部とを含む先端部分の上面を可動刃部材の被枢支部の上面よりも高い位置にする為の段差を可動刃部材に形成し、
    前記針板の下面側のうちの前記可動刃部材の回動時の前記先端部分の移動経路を含む範囲に、前記針板凹部に連なり且つ針板の下面から上方に凹んだ拡張凹部を形成した、
    ことを特徴とするミシンの糸切り装置。
  2. 前記針穴板に、固定刃の高さ位置を前記針板の上面に近づける為に前記針板凹部の一部を上方に凹ませた固定刃逃し凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のミシンの糸切り装置。
  3. 前記固定刃の下面に摺接する可動刃の先端部分の上面は、可動刃側ほど針穴板に接近するテーパ面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの糸切り装置。
  4. 前記固定刃逃し凹部の上面側に、前記固定刃の可動刃との協働による切断時に固定刃が上方へ弾性変形可能な隙間を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のミシンの糸切り装置。
  5. 前記針穴板と固定刃部材と可動刃部材は針板に取り外し可能に装着され、針板の下面のレベルにおいて糸切りする為に、前記針穴板と固定刃部材と可動刃部材とは別の針穴板と固定刃部材と可動刃部材を装着可能に形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシンの糸切り装置。
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