JP2005278355A - 電圧変換装置 - Google Patents

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吉信 中野
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Abstract

【課題】 簡便な構成で安定した直流出力電圧を得ることができる電圧変換装置を提供する。
【解決手段】 電圧変換装置11は、オン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力するモノステーブルマルチバイブレータ32と、オン信号及びオフ信号にそれぞれ対応して点灯及び消灯する発光素子29aと、点灯及び消灯にそれぞれ対応してオン状態及びオフ状態になる受光素子29bとを有するフォトカプラ29と、受光素子29bのオフ状態において静電エネルギーを蓄えるとともに、受光素子29bのオン状態において静電エネルギーを放出するコンデンサ27と、コンデンサ27に接続され、コンデンサ27の静電エネルギーの放出に伴いオン駆動されて直流入力電圧をスイッチングするMOSFET25とを備えている。電圧変換装置11は、スイッチングされた直流入力電圧を平滑化して一定レベルの直流出力電圧Voを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流入力電圧をスイッチングするとともに、該スイッチングされた直流入力電圧を平滑化して一定レベルの直流出力電圧を得る電圧変換装置に関するものである。
従来、交流電圧源(例えば単相交流100V)から直流電圧源(例えば12V)を得る用途において、フォワード型コンバータ、RCC(Ringing Choke Converter )方式による絶縁式スイッチング電源が一般的である。
しかし、いずれも高周波スイッチング回路と絶縁トランスとを使用することで高精度で安定した直流出力電圧が得られるものの、高価で形状も大きくなっている。従って、高い電圧安定度を必要とせず、低コスト且つ簡便に直流電圧源を必要とする用途には適さない。
また、交流電圧源から簡便に直流電圧源を得る方法として、50若しくは60Hz用のトランスを介して電圧を変換し、整流器及び大型の電解コンデンサを使用することでも直流出力電圧を得ることができるが、上述の方式に比較して更に大型で重量も増加することになるため、やはり上記用途には適さない。
さらに、これらを解決するために特許文献1の従来例(第3図)や実施例(第1図)で示される回路方式も提案されている。
特開平5−137378号公報(第1図、第3図)
しかし、特許文献1の従来例の回路方式でも、比較的簡便に直流電圧源が得られるものの、交流電圧源と電圧制御回路(7)及びスイッチング素子(8)の駆動用電源とはトランス(3)を用いた絶縁を要することでやはり形状、重量とも大きくなる。特に、この回路方式では、電解コンデンサ(5)も高価で、電圧制御回路を駆動するための外部制御回路も必要になるなど、コストの増大を余儀なくされる。
また、特許文献1の実施例の回路方式では、直流出力電圧に著しいリップルが発生することから電圧安定度が低減されてしまう。
本発明の目的は、簡便な構成で安定した直流出力電圧を得ることができる電圧変換装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、直流入力電圧をスイッチングするとともに、該スイッチングされた直流入力電圧を平滑化して一定レベルの直流出力電圧を得る電圧変換装置において、オン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力する出力回路と、前記出力回路に接続され前記オン信号及びオフ信号にそれぞれ対応して点灯及び消灯する発光素子と、該発光素子の点灯及び消灯にそれぞれ対応してオン状態及びオフ状態になる受光素子とを有するフォトカプラと、前記受光素子に接続され、該受光素子のオフ状態において静電エネルギーを蓄えるとともに、該受光素子のオン状態において該静電エネルギーを放出するコンデンサと、前記コンデンサに接続され、該コンデンサの静電エネルギーの放出に伴いオン駆動されて前記直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電圧変換装置において、前記出力回路は、モノステーブルマルチバイブレータであり、前記出力回路に接続された、第1抵抗及び第1コンデンサを有する第1積分回路と、前記出力回路に接続された、第2抵抗及び第2コンデンサを有する第2積分回路とを備え、前記オン信号及びオフ信号の出力期間は、それぞれ前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサの充電に要する期間に基づき設定されたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電圧変換装置において、前記第1コンデンサには、前記直流出力電圧が印加され、前記オン信号の出力期間は、前記直流出力電圧に基づき調整されることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電圧変換装置において、交流電圧を直流電圧に変換する整流器を備え、前記直流入力電圧は、前記交流電圧から前記整流器を介して変換された直流電圧であることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記スイッチング素子による前記直流入力電圧のスイッチングは、前記受光素子のオフ状態においてコンデンサに蓄えられた静電エネルギーの放出によって行われる。そして、前記受光素子のオン状態及びオフ状態は、これと光学的に結合され電気的には絶縁された発光素子の点灯及び消灯にそれぞれ対応して設定される。従って、例えば絶縁トランス、電圧変換のためのトランスや大型の電解コンデンサを設ける必要がなく、前記スイッチング素子のオン駆動の電源も前記コンデンサによる静電エネルギーの放出によって実現したことから、簡便な構成で安定した直流出力電圧が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、前記出力回路は、汎用性を有して極めて安価に入手し得るモノステーブルマルチバイブレータとされる。
請求項3に記載の発明によれば、前記第1コンデンサには前記直流出力電圧(その分圧成分の場合を含む)が印加される。従って、この印加される直流出力電圧のレベルを第1コンデンサの充電に要する期間を決めるレベル相当に設定しておくことで、該直流出力電圧がレベル低下した場合には、その分、上記充電に要する期間が伸びることになる。つまり、直流出力電圧のレベル低下によって上記充電に要する期間が伸びることで、前記オン信号の出力期間も伸びることになる。これにより、直流入力電圧をスイッチングして得られる直流出力電圧のレベルが増加され、該直流出力電圧は上記レベル低下が補償されて一定レベルに保持される。
請求項4に記載の発明によれば、前記交流電圧が前記整流器を介して直流入力電圧(直流電圧)に変換され、この直流入力電圧が前記スイッチング素子によりスイッチングされることで一定レベルの直流出力電圧が得られる。つまり、交流電圧から直流電圧を得るための電源が簡便に構成される。
以上詳述したように、請求項1乃至4に記載の発明では、簡便な構成で安定した直流出力電圧を得ることができる。
以下、本発明を具体化した電圧変換装置の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。なお、図1は本実施形態の電圧変換装置を示す回路図であり、図2はその出力波形等を示すタイムチャートである。
図1に示されるように、電圧変換装置11は、例えば単相交流100Vの交流電圧源(商用電源)10に接続されており、交流電圧から一定レベル(例えば12V)の直流出力電圧Voを得るための電源として構成されている。この電圧変換装置11は、その出力端子11a,11bにおいて負荷としての直流ブラシモータ50の両端にそれぞれ接続されて、同直流ブラシモータ50に上記直流出力電圧Voを負荷印加電圧として供給する。上記電圧変換装置11は、整流器としてのブリッジ整流器12と、コンデンサ13と、電圧変換回路14と、電圧制御回路15とを備えている。
上記ブリッジ整流器12は、4つのダイオードからなる全波整流回路であって、前記交流電圧源10に接続されている。このブリッジ整流器12は、交流電圧源10の交流電圧を全波整流した電圧(脈流)をそのプラス端子12a及びマイナス端子12bから出力する。
上記コンデンサ13は、その両端子がそれぞれプラス端子12a及びマイナス端子12bに接続されており、ブリッジ整流器12により整流された電圧をプラス側に嵩上げして直流入力電圧として出力する。なお、図2(a)では、交流電圧源10にブリッジ整流器12及びコンデンサ13のみを接続したと仮定してその出力波形(全波整流波形)を示している。
上記電圧変換回路14はブリッジ整流器12等に接続されており、上記直流入力電圧をスイッチングする。詳述すると、この電圧変換回路14は、抵抗21,22,23と、ブリーダ抵抗24と、NチャネルのMOSFET(MOS形電界効果トランジスタ)25と、ダイオード26と、コンデンサ27と、抵抗28と、フォトカプラ29とを備えている。
抵抗21,22,23は、前記プラス端子12a及びマイナス端子12b間で直列接続されており、これら抵抗21〜23は同プラス端子12aからマイナス端子12bへと順番に配置されている。ブリーダ抵抗24は一端がプラス端子12aに接続されており、このブリーダ抵抗24にはMOSFET25が並列接続されている。
すなわち、MOSFET25は、ドレインがブリーダ抵抗24の一端(プラス端子12a)に接続されており、ソースがブリーダ抵抗24の他端に接続されている。そして、MOSFET25のドレイン及びゲート間は、前記抵抗21、ダイオード26及びコンデンサ27を介して、或いは前記抵抗21、ダイオード26及びフォトカプラ29を介して接続されている。また、MOSFET25のソース及びゲート間は、抵抗28を介して接続されている。詳述すると、ダイオード26のアノードは上記抵抗21,22の接続部に接続されており、カソードはコンデンサ27の一端に接続されている。そして、コンデンサ27の他端は、MOSFET25のゲートに接続されている。また、ダイオード26のカソードは、フォトカプラ29(受光素子29b)を介してMOSFET25のゲートに接続されている。一方、抵抗28の一端はMOSFET25のゲート(及びコンデンサ27の他端)に接続されており、他端はMOSFET25のソースに接続されている。この抵抗28の他端は、上記抵抗22,23の接続部にも併せて接続されている。
上記フォトカプラ29は、発光ダイオードにより構成される発光素子29aと、NPNトランジスタにより構成される受光素子29bとを有する。そして、受光素子29bのコレクタはダイオード26のカソードに接続されており、エミッタはMOSFET25のゲートに接続されている。このフォトカプラ29は、後述するオン信号及びオフ信号にそれぞれ対応して発光素子29aが点灯及び消灯することで、これに対応して受光素子29bをオン状態及びオフ状態にする。
従って、抵抗21〜23に電流が流れて分圧されることで生じる抵抗22の両端の電圧により、受光素子29bのオフ状態では、ダイオード26、コンデンサ27及び抵抗28によって形成される閉回路によってコンデンサ27に静電エネルギーが蓄えられる。一方、受光素子29bのオン状態では、ダイオード26、受光素子29b及び抵抗28によって形成される閉回路によって抵抗28に電流が流れ、且つ、コンデンサ27に蓄えられた静電エネルギーが受光素子29bを介して放出されることで抵抗28にその放電電流も併せて流れる。この放電電流を含めた電流が抵抗28を流れることにより、MOSFET25のソース及びゲート間に電位差が生じ、MOSFET25はオン駆動される。これにより、MOSFET25は、ブリッジ整流器12により整流されたコンデンサ13を介した電圧(直流入力電圧)をスイッチングする。つまり、コンデンサ27に蓄えられる静電エネルギーは、MOSFET25をスイッチングさせる電源として機能する。図2(b)では、図2(a)で示した全波整流波形をMOSFET25でスイッチングしたと仮定してその出力波形(スイッチング波形)を示している。
なお、受光素子29bのオン状態では、コンデンサ27に蓄えられた静電エネルギーが完全に放出されても、ダイオード26、受光素子29b及び抵抗28によって形成される閉回路によって抵抗28に電流が流れることになる。本実施形態では、放電電流を伴わない電流が抵抗28を流れる状態では、このときにMOSFET25のソース及びゲート間に生じる電位差でMOSFET25がオン駆動されることがないように抵抗22,28の抵抗値及びコンデンサ27の容量が設定されている。従って、コンデンサ27に静電エネルギーを蓄える受光素子29bのオフ状態ではいうまでもなく、受光素子29bのオン状態であってもコンデンサ27に蓄えられた静電エネルギーが完全に放出された状態ではMOSFET25はオフ駆動される。これは、オン信号若しくはオフ信号の出力異常などで受光素子29bのオン状態が過剰に継続されても、これによってMOSFET25のオン駆動が過剰に継続されることがないようにするためである。つまり、MOSFET25がオン駆動される期間は、抵抗22,28の抵抗値及びコンデンサ27の容量によって決定され、所定レベル以上の直流電圧にならないように設定されている。
MOSFET25のソースには、リアクトル30の一端が接続されている。そして、このリアクトル30の他端は、前記出力端子11aに接続されている。また、リアクトル30の他端は平滑用の電解コンデンサ31の一端に接続されており、この電解コンデンサ31の他端は前記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されている。従って、MOSFET25のオン駆動によってスイッチングされた直流入力電圧は、リアクトル30を通じ、電解コンデンサ31でリップルが吸収されて、一定レベルの直流出力電圧Voとして前記出力端子11a,11bに接続された直流ブラシモータ50に出力される。
上記電圧制御回路15は、前記発光素子29aを点灯若しくは消灯させるためのオン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力する。詳述すると、この電圧制御回路15は、汎用のモノステーブルマルチバイブレータ32と、第1積分回路を構成する第1抵抗33及び第1コンデンサ34と、第2積分回路を構成する第2抵抗35及び第2コンデンサ36とを備えている。そして、この電圧制御回路15は、抵抗37と、ダイオード38と、ツェナーダイオード39と、コンデンサ40と、積分回路を構成する抵抗41及びコンデンサ42とによって構成される駆動用電源に接続されている。また、この電圧制御回路15は、抵抗43,44と、ツェナーダイオード45とによって構成される負荷印加電圧監視部にも接続されている。
すなわち、上記抵抗37の一端はリアクトル30の他端に接続されており、抵抗37の他端はダイオード38のアノードに接続されている。また、ダイオード38のカソードはツェナーダイオード39のカソード及びコンデンサ40の一端にそれぞれ接続されており、ツェナーダイオード39のアノード及びコンデンサ40の他端は前記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されている。さらに、ツェナーダイオード39のカソード及びコンデンサ40の一端は、抵抗41及びコンデンサ42を介して上記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されている。従って、ブリッジ整流器12等を介した前記直流入力電圧は、ブリーダ抵抗24を通じて抵抗37、ダイオード38及びコンデンサ40に印加される。このとき、コンデンサ40の両端に生じる電圧が電圧制御回路15の電源として供給される。なお、コンデンサ40の両端に生じる電圧は、これに並列接続されたツェナーダイオード39によりその上限値(例えば5V)が制限されている。また、コンデンサ40の一端は、前記フォトカプラ29の発光素子29aのアノードに接続されており、アノードはH(ハイ)レベルに設定されている。従って、発光素子29aは、カソードがL(ロー)レベルに設定されたときに点灯し、Hレベルに設定されたときに消灯する。
上記モノステーブルマルチバイブレータ32の各種端子は、以下の態様で接続されている。なお、L能動を表すバーを便宜的に「/」で示すものとする。モノステーブルマルチバイブレータ32の1B,1CLR,2CLRの各端子は、コンデンサ40の一端に接続されて、Hレベルに設定されている。また、2/A端子は、前記抵抗41及びコンデンサ42の接続部に接続されている。この2/A端子もHレベルに設定されるものの、コンデンサ42の充電に要する時間分だけ上記各端子に遅れてHレベルに設定される。これは、上記モノステーブルマルチバイブレータ32の起動時にこれに対する電源供給を完了させてから、2/A端子をHレベルに設定する(切り替える)ためである。また、2Q端子は1/A端子に接続されており、1/Q端子は2B端子に接続されている。
さらに、ツェナーダイオード39のカソード及びコンデンサ40の一端は、第1抵抗33及び第1コンデンサ34を介して上記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されており、モノステーブルマルチバイブレータ32の1REXT/CEXT端子はこれら第1抵抗33及び第1コンデンサ34の接続部に接続されている。そして、1CEXT端子は、上記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されている。さらにまた、ツェナーダイオード39のカソード及びコンデンサ40の一端は、第2抵抗35及び第2コンデンサ36を介して上記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されており、2REXT/CEXT端子はこれら第2抵抗35及び第2コンデンサ36に接続されている。そして、2CEXT端子は、上記出力端子11b及びマイナス端子12bに接続されている。
以上において、モノステーブルマルチバイブレータ32の2/Q端子は、発光素子29aのカソードに接続されている。従って、モノステーブルマルチバイブレータ32は、基本的に第1抵抗33及び第1コンデンサ34に基づき出力期間が決定されるLレベルの信号(オン信号)と、第2抵抗35及び第2コンデンサ36に基づき出力期間が決定されるHレベルの信号(オフ信号)とを発光素子29aのカソードに対して選択的に繰り返し出力する。これらオン信号及びオフ信号にそれぞれ対応して、フォトカプラ29を介してMOSFET25により前記直流入力電圧がスイッチングされ、このスイッチングされた直流入力電圧が平滑化されることで出力端子11a,11b間に一定レベルの直流出力電圧Voが得られることは既述のとおりである。図2(c)ではモノステーブルマルチバイブレータ32の2/Q端子から発光素子29aのカソードに出力されるオン・オフ信号を示し、図2(d)ではそのときの直流出力電圧Voを負荷印加電圧として示している。図2(c)におけるオン・オフ信号は、便宜的にその周期を拡大するため低周波数で図示しているが、実際には高い周波数(例えば10kHz)を有している。
ここで、前記抵抗43,44は出力端子11a,11b間に直列接続されており、直流ブラシモータ50へと出力された直流出力電圧Vo(負荷印加電圧)がこれら抵抗43,44により分圧されている。そして、前記モノステーブルマルチバイブレータ32の1REXT/CEXT端子は抵抗43,44の接続部に接続されて、抵抗44の両端に生じる直流出力電圧Voの分圧成分が第1コンデンサ34に印加されている。抵抗43,44の抵抗値は、直流出力電圧Voが12Vのときに抵抗44の両端が前記コンデンサ40の両端に生じる電圧の上限値(例えば5V)になるように設定されている。すなわち、抵抗44の両端に生じる直流出力電圧Voの分圧成分のレベルは、第1コンデンサ34の充電に要する期間を決めるレベル相当に設定されている。従って、抵抗44の両端に生じる直流出力電圧Voの分圧成分のレベルが低下すると、これに対応して第1コンデンサ34の充電に要する期間が自動的に伸びることになる。つまり、上記分圧成分のレベル低下によって上記充電に要する期間が伸びることで、モノステーブルマルチバイブレータ32によるオン信号の出力期間も伸びることになる。これにより、直流入力電圧をスイッチングして得られる直流出力電圧Voのレベルが増加され、この直流出力電圧Voは上記レベル低下が補償されて一定レベルに保持される。
図2(e)では図2(c)におけるオン・オフ信号を、図2(f)では図2(d)における負荷印加電圧(直流出力電圧Vo)をそれぞれ時間的に拡大して示している。そして、図2(g)では、このときに対応する負荷電流(直流ブラシモータ50を流れる電流)を示している。同図に示されるように、負荷印加電圧は、MOSFET25をオン駆動するオン信号への切り替わりと同時にその出力期間T1で増加し、オフ信号の出力期間T2で減少する。この際、オフ信号の出力期間T2は一定であるのに対し、オン信号の出力期間T1は負荷電流の増加に伴い伸びる。一方、負荷電流が減少すると、オン信号の出力期間T1は本来の出力期間へと復帰して短くなる。これにより、負荷印加電圧は、一定レベルの設定電圧に安定して保持される。そして、直流ブラシモータ50の負荷電流が変動しても、上記直流出力電圧Voが一定レベルに保持されることで同直流ブラシモータ50の回転速度も一定に保持される。
なお、前記ツェナーダイオード45はアノードが出力端子11bに接続される態様で抵抗44に並列接続されており、モノステーブルマルチバイブレータ32の保護のために抵抗44の両端に生じる電圧の上限値(例えば5V)が制限されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、MOSFET25による前記直流入力電圧のスイッチングは、受光素子29bのオフ状態においてコンデンサ27に蓄えられた静電エネルギーの放出によって行われる。そして、受光素子29bのオン状態及びオフ状態は、これと光学的に結合され電気的には絶縁された発光素子29aの点灯及び消灯にそれぞれ対応して設定される。従って、例えば絶縁トランス、電圧変換のためのトランスや大型の電解コンデンサを設ける必要がなく、MOSFET25のオン駆動の電源もコンデンサ27による静電エネルギーの放出によって実現したことから、簡便な構成で安定した直流出力電圧Voを得ることができる。
(2)本実施形態では、オン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力する出力回路は、汎用性を有して極めて安価に入手し得るモノステーブルマルチバイブレータ32とされる。そして、オン信号、オフ信号の基本的な出力期間T1,T2も、それぞれ1REXT/CEXT端子に接続する第1抵抗33及び第1コンデンサ34、2REXT/CEXT端子に接続する第2抵抗35及び第2コンデンサ36の各値(抵抗値及び容量)の選択によって容易に変更することができる。つまり、こうした出力期間T1,T2の変更・設定により、所要のレベル(一定レベル)を有する直流出力電圧Voを容易に得ることができる。
(3)本実施形態では、第1コンデンサ34には抵抗44による直流出力電圧Vo(負荷印加電圧)の分圧成分が印加される。この直流出力電圧Voの分圧成分のレベルを第1コンデンサ34の充電に要する期間を決めるレベル相当に設定したことで、直流出力電圧Voがレベル低下した場合には、その分、上記充電に要する期間が伸びることになる。つまり、直流出力電圧Voのレベル低下によって上記充電に要する期間が伸びることで、オン信号の出力期間T1も伸びることになる。これにより、直流入力電圧をスイッチングして得られる直流出力電圧Voのレベルは増加され、直流出力電圧Voを上記レベル低下を補償して一定レベルに保持することができる。そして、直流ブラシモータ50の負荷電流が変動しても、上記直流出力電圧Voが一定レベルに保持されることで同直流ブラシモータ50の回転速度を一定に保持することができる。
(4)本実施形態では、交流電圧がブリッジ整流器12を介して直流入力電圧(直流電圧)に変換され、この直流入力電圧がMOSFET25によりスイッチングされることで一定レベルの直流出力電圧Voが得られる。つまり、交流電圧から直流電圧を得るための電源を簡便に構成することができる。
(5)本実施形態では、スイッチング素子としてMOSFET25を採用したことで、高速のスイッチング動作に対応することができる。これにより、容量の小さな小型の平滑用コンデンサ(電解コンデンサ31)でもよくなり、全体として小型・軽量化を図ることができる。
(6)本実施形態では、商用電源である交流電圧源10から安価に直流電源を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・直流入力電圧として交流電圧を全波整流等した直流電圧を採用したが、例えばバッテリ等から得られる直流電圧であってもよい。要は、電圧変換装置は、交流電圧源10の交流電圧或いはバッテリ等から得られる直流電圧よりも低電圧の直流出力電圧Voを得るものであればよい。
・出力回路としてマイクロコンピュータを採用してもよい。要は、オン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力できるのであればよい。この場合、マイクロコンピュータにより負荷印加電圧(直流出力電圧Vo)を監視させて、当該直流出力電圧Voのレベルに応じてオン信号若しくはオフ信号の出力期間を調整させることが好ましい。
・本発明は、直流ブラシモータ50の駆動用電源のみならず、計測器等、高精度な電源を必要としない適宜の電子回路用電源として適用可能である。
・本発明は、ミシン、電動シャッター等、20W程度未満のモータ応用製品、電子機器に利用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか1項に記載の電圧変換装置において、
前記スイッチング素子は、MOSFET(MOS形電界効果トランジスタ)であることを特徴とする電圧変換装置。この技術的思想によれば、高速のスイッチング動作に対応することができる。
本発明の一実施形態を示す回路図。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)は、同実施形態の動作を示すタイムチャート。
符号の説明
11…電圧変換装置、12…整流器としてのブリッジ整流器、25…スイッチング素子としてのMOSFET、27…コンデンサ、29…フォトカプラ、29a…発光素子、29b…受光素子、30…リアクトル、31…電解コンデンサ、32…出力回路としてのモノステーブルマルチバイブレータ、33…第1積分回路を構成する第1抵抗、34…第1積分回路を構成する第1コンデンサ、35…第2積分回路を構成する第2抵抗、36…第2積分回路を構成する第2コンデンサ。

Claims (4)

  1. 直流入力電圧をスイッチングするとともに、該スイッチングされた直流入力電圧を平滑化して一定レベルの直流出力電圧を得る電圧変換装置において、
    オン信号及びオフ信号を選択的に繰り返し出力する出力回路と、
    前記出力回路に接続され前記オン信号及びオフ信号にそれぞれ対応して点灯及び消灯する発光素子と、該発光素子の点灯及び消灯にそれぞれ対応してオン状態及びオフ状態になる受光素子とを有するフォトカプラと、
    前記受光素子に接続され、該受光素子のオフ状態において静電エネルギーを蓄えるとともに、該受光素子のオン状態において該静電エネルギーを放出するコンデンサと、
    前記コンデンサに接続され、該コンデンサの静電エネルギーの放出に伴いオン駆動されて前記直流入力電圧をスイッチングするスイッチング素子とを備えたことを特徴とする電圧変換装置。
  2. 請求項1に記載の電圧変換装置において、
    前記出力回路は、モノステーブルマルチバイブレータであり、
    前記出力回路に接続された、第1抵抗及び第1コンデンサを有する第1積分回路と、
    前記出力回路に接続された、第2抵抗及び第2コンデンサを有する第2積分回路とを備え、
    前記オン信号及びオフ信号の出力期間は、それぞれ前記第1コンデンサ及び前記第2コンデンサの充電に要する期間に基づき設定されたことを特徴とする電圧変換装置。
  3. 請求項2に記載の電圧変換装置において、
    前記第1コンデンサには、前記直流出力電圧が印加され、
    前記オン信号の出力期間は、前記直流出力電圧に基づき調整されることを特徴とする電圧変換装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電圧変換装置において、
    交流電圧を直流電圧に変換する整流器を備え、
    前記直流入力電圧は、前記交流電圧から前記整流器を介して変換された直流電圧であることを特徴とする電圧変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101430572B1 (ko) 2005-12-07 2014-08-14 오스람 게엠베하 적어도 하나의 led를 동작시키기 위한 회로 어레인지먼트 및 방법

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