JP2005277709A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像品質を劣化させることなく高速で画像信号を読出すことのできる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】 読出信号線(9)それぞれに対応して複数の容量素子(CS−N,CS−N+1,CR−N,CR−N+1)を配置し、異なる行から読出された画素信号をこれらの容量素子に格納する。次いで、これらの容量素子をスイッチングトランジスタ(13,18)で短絡し、異なる行の画素信号の平均化を行なう。このとき併せて、隣接列の容量素子のスイッチングトランジスタ(12,17)により電気的に短絡し、最大4画素を1画素に圧縮するサブサンプリング動作を実行する。
【選択図】 図3

Description

この発明は固体撮像装置に関し、特に、フォトダイオードにより光−電気変換された画像信号を、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)を用いて読出すCMOSイメージセンサに関する。
イメージセンサは、被写体からの光画像信号を電気画像信号に変換する素子である。このイメージセンサとして、従来から、CCD(電荷結合素子)を利用するCCDセンサが利用されている。このCCDセンサは、画素素子により光電変換された電気信号(電荷)を伝達するために、垂直レジスタおよび水平レジスタなどの回路構成が必要であり、通常のCMOS(相補金属−絶縁膜−半導体)プロセスと異なる固有の製造プロセスを利用する必要がある。このため、CCDセンサは、信号処理を行なうCMOS回路と同一の半導体チップ上に集積化するのが困難であるという問題がある。
一方、このCMOSプロセスを利用するイメージセンサとして、CMOSイメージセンサが広く利用されてきている。CMOSイメージセンサにおいては、画素に対応して配置されるフォトダイオードにより、光信号を電気信号に変換する。このフォトダイオードにより変換された電気信号をソースフォロアのMOSトランジスタで増幅して、行選択スイッチングトランジスタを介して列信号線上に画素信号を転送する。このようなCMOSイメージセンサは、デジタルスチールカメラなどのイメージセンサとして広く用いられてきている。
イメージセンサに要求される画素数は、近年増加してきており、デジタルカメラなどにおいては、300万画素以上の画素が一般的となってきている。このデジタルカメラにおいて、静止画像を撮影するスチール撮像機能に加えて、被写体をモニタする表示画面に動画を表示する動画機能も要求されてきている。これらの機能を両立させるためには、高解像度での画素の読出に加えて、動画表示のために、高フレームレートで画素を読出すことが必要となる。高解像度の画素アレイの全画素を高フレームレートで読出すためには、高速クロック動作が必要とされる。しかしながら、フォトダイオードにより変換された電気信号を高速で転送する場合、電荷蓄積時間が不十分となって画素信号に対するノイズの影響が大きくなり、また、画素選択のためのスイッチング動作によるノイズおよび消費電力などが増大するという問題が生じる。したがって、高解像度画素アレイの全画素を読出す際には、一般的にはフレームレートを下げて全画素の画像信号を読出すことが行なわれる。ここで、フレームレートは、1秒当り読出される画像の数を示す。
一方、動画表示の際は、画角を変えることなく高フレームレートで表示系に適した解像度までスケールダウンして画像を出力する必要がある。このとき、上述のような全画素読出を行なったフレームを用いて解像度変換を行なう場合、フレームレートが低くなっているため、動画像表示を行なうことができない。
したがって、イメージセンサの出力機能として、画角を保持しながら、読出画素数を低減しかつ動画に適したフレームレートを確保する機能が求められる。
CMOSイメージセンサの場合、各画素に設けられたスイッチングトランジスタ(行選択トランジスタ)を介して画像信号の読出が行なわれる。この読出においては、フォトダイオードにより生成された電位をゲートに受けるMOSトランジスタを介して画素信号が読出される。したがって、画素内で信号情報をマージすることは困難であり、一般的に、間引き(サブサンプリング)読出が行なわれる。このような画素を間引いて画素信号を読出す構成は、特許文献1(特表2000−504516号)および特許文献2(特開2000−308072号公報)に示されている。この間引き読出時においては、たとえば、偶数行および偶数列の画素の情報のみを読み出し、他の画素の情報をスキップすることにより、画素数を1/4倍に低減することができる。しかしながら、このような間引き読出を行なった場合、特に、画像内で輝度段差が大きい領域で偽色またはジャギの問題が発生し、画質が劣化する。上述の特許文献1および2においては、隣接画素の信号の平均化を行なうことにより、解像度が低下するのを防止することを図っている。
特表2000−504516号 特開2000−308072号公報
前述の特許文献1に示される構成においては、たとえば3行3列に配列される画素を単位ブロックとして利用し、この単位ブロックの9画素の画素信号を列平均回路および行平均回路を用いて1画素の信号に変換して出力する。列変換回路において、各列信号線に対応して容量素子が配置され、この単位ブロックに含まれる列を単位として、列平均用容量素子をスイッチング素子により短絡して、単位ブロック内の3列の画素の信号の平均化を行なう。この処理を、単位ブロックの各行それぞれに対して実行する。行平均化処理においては、各列信号線に対応して行平均化容量素子が設けられ、列平均化容量素子に格納された平均化後の画素信号が、それぞれ異なる列の行平均化容量素子へ転送される。単位ブロック内の各行の画素の信号読出の完了後、これらの行平均化容量素子をスイッチング素子により短絡することにより、単位ブロック内に含まれる複数画素(9画素)が1画素に圧縮される。この圧縮された平均画素信号を読出すことにより、フレーム画像読出に要する時間を低減し、動画像フレームレートを実現することを図る。
しかしながら、この特許文献1に示される構成においては、複数行複数列に配置されるブロック単位での平均化処理のみが考慮されており、また、隣接画素が異なる色に対応するカラー画像信号の場合の構成については検討していない。さらに、この特許文献1に示される構成においては、単位ブロックに対して設けられた列平均化容量素子の蓄積電荷が、1つの行平均化容量素子へ転送される。したがって、行平均化容量素子に蓄積される電荷量が、列平均化処理時の電荷量の3/4倍に低減され、正確なデータ読出を行なうことができなくなる場合が生じる。
また、この特許文献1においては、列平均化操作および行平均化操作の操作時において、信号電荷読出前に、画素の信号をリセットして参照容量素子へリセット信号を転送する相関二重サンプリング方式が示されている。しかしながら、この画素のリセットタイミングとがその信号の読出との時間関係については、単に画素信号読出前に、リセットを行なうことが示されているだけであり、その詳細については検討されていない。したがって、この場合、画素信号の読出タイミング関係によっては、画素の電荷蓄積時間が不十分となり、正確な画素データの読出を行なうことができなくなる可能性がある。
また、前述の特許文献2に示される構成においては、撮像素子から読出された信号を1水平期間単位で遅延させ、複数のラインの遅延信号と非遅延信号とを加算し、次いで、この加算後の信号において、同一行の同一色フィルタの画素を複数個加算して同一色の画素混合を行なって出力する。したがって、この特許文献2示される構成においては、撮像素子外部において水平期間遅延する遅延回路を配置する必要があり、回路規模が大きくなる。また、この特許文献2においては、撮像素子内部での信号処理については何ら考慮していない。
それゆえ、この発明の目的は、画質の低下を生じさせることなく正確に高フレームレートで画像信号を読出すことのできる固体撮像装置を提供することである。
この発明の第1の観点に係る固体撮像装置は、行列状に配列され、各々が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を有する画素アレイと、各画素列に対応して配置され、各々に対応の列の選択画素の信号が伝達される複数の読出信号線と、各々が、各画素列に対応して各々が配置される複数の容量素子を有し、各容量素子が対応の列の画素から対応の読出信号線に読出された電気信号を格納する、互いに並列に配置される複数メモリ手段と、これらのメモリ手段の同一列に配置される容量素子を短絡して、それらの記憶情報を平均化する平均化処理手段と、画素行の所定数の行を互いに異なるタイミングで選択状態へ駆動し、選択行の画素の信号を異なるメモリ手段の容量素子に格納する画素選択制御手段とを含む。
この発明の第2の観点に係る固体撮像装置は、行列状に配列され、各々が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を含む画素アレイと、各画素列に対応して配置され、各々が対応の列に読出された画素からの電気信号を格納する容量素子を有する第1のメモリ手段と、この第1のメモリ手段の隣接列に配置される容量素子を短絡してそれらの記憶情報を平均化する第1の平均化処理手段と、各列に対応して配置され、各々が対応の列に画素から読出された電気信号を格納する複数の容量素子を有する第2のメモリ手段と、異なる行を順次選択して第1および第2のメモリ手段の容量素子へ異なる行の画素の電気信号を格納する行選択制御手段と、第1の平均化処理手段と互いに独立に制御可能であり、第1および第2のメモリ手段の同一列に配置される容量素子を電気的に短絡する第2の平均化回路とを含む。
この発明の第3の観点に係る固体撮像装置は、行列状に配列され、各々が光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、この光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を有する画素アレイと、各画素列に対応して配置されかつ各々が対応の列に選択画素から読出された電気信号を格納する複数の容量素子を各々が含む複数の互いに並列に配置されるメモリ手段とを含む。各メモリ手段は、各列に対応して配置され、各々が対応の列の画素からのリセット信号を格納する複数の参照容量素子と、対応の列の画素からの電気信号を格納する信号容量素子とを備える。
この発明の第3の観点に係る固体撮像装置は、さらに、各画素列に同一画素からのリセット信号を読出して複数のメモリ手段の対応の参照容量素子へ転送しかつこれらの同一の画素の変換された電気信号をタイミングを異ならせて読出して複数のメモリ手段の異なるメモリ手段の信号容量素子へ転送して格納する信号読出制御手段と、これら複数のメモリ手段の同一列に配置される複数の信号容量素子を短絡してこれらの記憶情報を平均化し、かつこれらの複数のメモリ手段の同一列に配置される参照容量素子を短絡してそれらの記憶情報を平均化する平均化処理手段と、参照容量素子の蓄積電位と対応の信号容量素子の蓄積電位とを比較し、読出信号を生成する読出信号生成回路を含む。
第1の観点に係る固体撮像装置において、複数行の画素の信号を対応の列に配置される複数の容量素子の異なる容量素子へ読出し、これらの容量素子を各列ごとに電気的に短絡している。したがって、行についてサブサンプリングを行なって読出を行なうことができ、N行の画素を1行の画素に圧縮することにより、フレームレートを、全画素読出時に比べてN倍に設定することができる。
また、1つの列に配置される複数の容量素子へは、対応の1つの列の画素からの信号が読出されるため、容量素子選択時の制御が容易となる。
この発明の第2の観点に係る固体撮像装置においては、列方向の画素の平均化を行なう列平均化および行方向の画素について平均化を行なう行平均化の処理を個々独立に行なうことができ、解像度および読出速度を考慮して、画像信号を生成することができる。
この発明の第3の観点に係る固体撮像装置においては、同一画素について複数回画素信号を読出して平均化しており、ノイズの影響を低減でき、高画質の画像を得ることができる。
[実施の形態1]
図1は、この発明に従う固体撮像装置において利用される画素PXの電気的等価回路を示す図である。図1において、画素PXは、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード3と、転送制御線上の転送制御信号TXに従ってフォトダイオード3により生成された電気信号を伝達する転送トランジスタ2と、リセット制御線上のリセット制御信号RXに従ってフローティングディフュージョン7を所定の電圧レベルにリセットするリセットトランジスタ1と、フローティングディフュージョン7上の信号電位に従って電源ノード上の電源電圧VDDをソースフォロアモードで伝達するソースフォロアトランジスタ4と、行選択制御線上の行選択信号SLに従ってソースフォロアトランジスタ4により伝達された信号を読出信号線9上に伝達する行選択トランジスタ5を含む。
トランジスタ1、2、4および5は、一例として、NチャネルMOSトランジスタで構成される。この画素PXは、したがって、CMOSイメージセンサーの画素であり、本実施の形態における固体撮像素子は、CMOSイメージセンサーである。
図2は、図1に示す画素PXの信号読出時の動作を示すタイミング図である。以下、図2を参照して、図1に示す画素PXの信号読出動作について説明する。
期間PT1において、リセット制御信号RXがHレベルの状態で、転送制御信号TXがHレベルに設定される。リセットトランジスタ1および転送トランジスタ2がともにオン状態となり、フォトダイオード3により変換された電気信号が初期化される。すなわち、フォトダイオード3において、先のサイクルにおいて光電変換により蓄積された電荷が放出される。
転送制御信号TXがLレベルとなり、転送トランジスタ2がオフ状態となると、フォトダイオード3における光電変換動作が再び行なわれ、信号電荷が蓄積される。この状態において、リセット制御信号RXはHレベルを維持し、リセットトランジスタ1はオン状態にある。リセット制御信号RXが電源電圧VDDレベルのとき、フローティングディフュージョン7は、電源電圧VDDから、このリセットトランジスタ1のしきい値電圧分低い電圧レベルに維持される。
次いで、まず行選択信号SLがHレベルとなり、行選択トランジスタ5が導通し、ソースフォロアトランジスタ4によるソースフォロア動作により、このフローティングディフュージョン7上の電位に応じた電位の信号が読出信号線9上に伝達される。この後、画素読出期間PT5が開始される。
画素読出期間PT5においては、まず、期間PT2において、リセット制御信号RXがLレベルとなり、リセットトランジスタ1がオフ状態となる。フローティングディフュージョン7上の信号電位に応じた信号が、読出信号線9上に伝達され、図示しない読出回路に含まれる参照用の容量素子が充電される。この期間PT2において、画素PXの信号の参照電位の設定が行なわれる。
次いで、期間PT3において、転送制御信号TXがHレベルとなり、転送トランジスタ2が導通し、フォトダイオード3により光電変換されて蓄積された電荷が、フローティングディフュージョン7へ伝達される。応じて読出信号線9の電位が画素からの電荷に応じた電位に変化する。転送制御信号TXがLレベルとなると、読出線9上の電位に従って、図示しない読出回路に含まれる信号電荷蓄積容量素子が期間PT4において充電される。次いで、期間PT2およびPT4においてそれぞれ読出された参照電位および信号電位が差動増幅されて、画素PXの信号(画素信号)が読出される。
1つの画素に対して2回サンプリングを行ない、初期電位および信号電位を比較することにより、いわゆる相関二重サンプリング動作を行なって、画素PXにおけるノイズの影響を相殺し、フォトダイオード3により生成された電気信号を読出す。
画素PXの信号の読出が完了すると、次いで行選択信号SLがLレベルとなり、行選択トランジスタ5がオフ状態となる。
画素PXは行列状に配列されており、1行の画素について、並列に、画素信号の読出が行なわれる。画素PXにおいては、リセット期間PT1の完了後、この読出期間PT5が完了するまでの期間PT6の間、フォトダイオード3においては、光信号を電気信号に変換して、信号電荷を生成する。
図1に示すように、画素PXは、フォトダイオード3と、NチャネルMOSトランジスタで構成されており、読出線9上には、行選択トランジスタ5を介して画素信号が読出される。したがって、CCDイメージセンサと異なり、この行選択トランジスタ5および読出信号線9の選択順序はランダムに設定することができる。以下の説明においては、図1に示す画素PXを有するCMOSイメージセンサについて説明する。
図3は、この発明の実施の形態1に従うCMOSイメージセンサの要部の構成を示す図である。図3においては、第N行から第(N+3)行および第M列から第(M+3)列の4行4列に配列される画素PXを代表的に示す。画素PXは、図1に示す画素PXと同一の構成を有し、図3において、画素PXの構成要素については、図面を簡略化するため、1つの画素PXに対してのみ付す。
画素PXが行列状に配列されており、各行それぞれごとに、リセット制御信号RX[i]、転送制御信号TX[i]および行選択制御信号SL[i]の組が与えられる。ここで、iはNからN+3のいずれかである。
画素列それぞれに対応して、読出信号線9が配置される。各読出信号線9に対応して、信号電位を格納するための信号容量素子CS−NおよびCS−N+1と、参照電位を格納する参照容量素子CR−NおよびCR−N+1が設けられる。容量素子CS−NおよびCR-Nが、1つのメモリ手段を構成し、容量素子CR-N+1およびCR-N+1が別のメモリ手段を構成する。これらのメモリ手段は、それぞれ異なる行の画素の参照電位(リセット電位)および信号電位を格納する。
信号容量素子CS−Nは、スイッチングトランジスタ10を介して対応の列の読出信号線9に結合され、信号容量素子CS−N+1が、スイッチングトランジスタ11を介して対応の列の読出信号線9に結合される。スイッチングトランジスタ10および11は、それぞれ、読出制御信号SWCS0およびSWCS1をゲートに受け、1行の画素PXからの画素信号が並列に読出されて対応の容量素子に格納される。
また、同一列に対して設けられる容量素子CS−NおよびCS−N+1の間に、隣接行の画素の信号の平均化を制御する行平均化制御信号SWAVGRをゲートに受けるスイッチングトランジスタ13が設けられ、隣接列に配置される参照容量素子CS−Nの間に、隣接列の画素の信号を平均化を制御する列平均化制御信号SWAVGCをゲートに受けるスイッチングトランジスタ12が設けられる。スイッチングトランジスタ12は、2列を単位として、4つの容量素子CS−NおよびCS−N+1に対して1つ設けられる。
また、参照容量素子CR−NおよびCR−N+1は、それぞれ、参照電位読出制御信号SWCR0およびSWCR1に従って導通するスイッチングトランジスタ15および16を介して読出信号線9に結合される。さらに、同一列に対して設けられる参照容量素子CR−NおよびCR−N+1の間に、行平均化制御信号SWAVGRに従って導通する隣接行の画素の参照電位の平均化用のスイッチングトランジスタ18が設けられる。隣接列の参照容量素子CR−Nの間に、列平均化制御信号SWAVGCに従って導通するスイッチングトランジスタ17が設けられる。このスイッチングトランジスタ17も、2列を単位として、1つ設けられる。
各列の読出信号線9それぞれに対応して、正入力が信号容量素子CS−Nに結合され、負入力が参照容量素子CR−Nに接続される読出増幅器(差動増幅器)20が設けられる。これらの読出増幅器20の出力信号は、Hアドレスデコーダ21からの列選択信号をゲートに受ける読出列選択ゲート22を介して読出信号線24上に伝達される。
この図3に示すイメージセンサの構成においては、サブサンプリング読出時においては、画素PXa、PXb、PXc、PXd等の偶数行および偶数列(M,Nがともに偶数のとき)上の画素に対する読出が行なわれる。このとき、隣接画素からの信号も並列して読出されて、隣接4画素を単位ブロックとして、各単位ブロック毎に画素信号の平均化処理が行なわれる。
図4は、図3に示すイメージセンサのデータ読出時の動作を示すタイミング図である。以下、図4を参照して、図3に示すイメージセンサの画素信号読出動作について説明する。
時刻T1において、第N行および第(N+1)行に対する転送制御信号TX[N]およびTX[N+1]がHレベルへ駆動される。リセット制御信号RX[N]およびRX[N+1]はHレベルであり、リセットトランジスタ1はオン状態にある。時刻A1から始まる期間A1およびA4において、第N行および第(N+1)行において、フォトダイオード3の蓄積電荷の放出が行なわれ、応じて、これらの第N行および第(N+1)行において、図1に示すフローティングディフュージョン7が、所定の初期電圧レベルにリセットされる。
所定時間が経過すると、時刻T2において、第N行に対する行選択信号SL[N]がHレベルに立上がる。これにより、第N行において、画素PX内の行選択トランジスタ5がオン状態となり、対応の読出信号線9にソースフォロアトランジスタ4が結合される。
次いで、リセット制御信号RX[N]がLレベルに立下がり、第N行において各画素内においてリセットトランジスタ1がオフ状態となり、フローティングディフュージョン7がリセット電位レベルに維持される。
この時刻T3から始まる期間A2において、参照電位読出用の制御信号SWCR0がHレベルとなり、スイッチングトランジスタ15が導通し、読出信号線9上のリセット電位が参照容量素子CR−Nに蓄積される。
時刻T4において、転送制御信号TX[N]がHレベルとなり、第N行の画素において転送トランジスタ2がオン状態となり、フォトダイオード3により生成された信号電荷が、フローティングディフュージョン7に伝達される。このとき、行選択信号SL[N]がHレベルであり、各読出信号線9に、このフローティングディフュージョン7の電位に従って画素信号が読出される。
転送制御信号TX[N]がLレベルに立下がると、時刻T5において、信号読出制御信号CWCS0がHレベルとなり、スイッチングトランジスタ10がオン状態となり、信号容量素子CS−Nに、対応の画素から読出された信号電荷が蓄積される。
この第N行の画素の読出動作完了後、リセット制御信号RX[N]がHレベルとなり、再びフローティングディフュージョン7が、初期電圧レベルにリセットトランジスタ1を介して充電される。
時刻T6において、行選択信号SL[N]がLレベルとなり、行選択トランジスタ5がオフ状態となり、その第N行の画素の信号電荷の読出が完了する。
次いで、第(N+1)行の画素の信号の読出が行なわれる。すなわち、時刻T7において、行選択信号SL[N+1]がHレベルに立上がり、この第(N+1)行の画素PXのソースフォロアトランジスタが、対応の読出信号線9に結合される。
次いで時刻T8において、リセット制御信号RX[N+1]がLレベルとなり、フローティングディフュージョン7に対する追加動作が完了する。この時刻T8において、リセット制御信号RX[N+1]がLレベルに立下がると、参照電位読出制御信号SWCR1がHレベルとなり、スイッチングトランジスタ16が導通し、各読出信号線9の信号電荷が、対応の参照容量素子CR−N+1に伝達されて蓄積される。
時刻T9において、転送制御信号TX[N+1]がHレベルとなり、フォトダイオード3の生成した信号電荷に従ってフローティングディフュージョン7の電位が変化し、この電位に従って画素信号が読出信号線9上に読出される。
時刻T10において、転送制御信号TX[N+1]がLレベルになると、信号電荷読出制御信号SWCS1がHレベルとなり、応じて、スイッチングトランジスタ11がオン状態となり、各読出信号線9上の信号電荷が、対応の信号容量素子CS−N+1に転送されて蓄積される。この時刻T10から始まる信号読出期間A6が完了すると、リセット制御信号RX[N+1]がHレベルとなり、第(N+1)行の画素の読出期間が完了する。
次いで、時刻T11において、行選択信号SL[N+1]がLレベルに立下がり、第N行および第(N+1)行の画素に対する読出が完了する。
次いで、時刻T12において、平均化制御信号SWAVGRおよびSWAVGCがともにHレベルとなり、平均化用のスイッチングトランジスタ12、13、17および18がすべてオン状態となる。したがって、2列を単位として、参照容量素子CS−NおよびCS−N+1が短絡化され、それらの蓄積電荷が分配されて、信号容量素子CS−NおよびCS−N+1の蓄積電荷が平均化される(充電電位が等しくなる)。同様、容量素子CR−NおよびCR−N+1においても、蓄積電荷の分配が行なわれ、その蓄積電荷の平均化が行なわれる(充電電位が等しくされる)。容量素子CS−NおよびCS−N+1の容量値は等しく、平均化処理により容量素子CR−NおよびCR−N+1の充電電位が等しくなり、また、容量素子CS−NおよびCS−N+1の容量値が等しく、容量素子CS−NおよびCS−N+1の充電電位が等しくなる。
期間A7において、容量素子CS−NおよびCS−N+1においては、同一列の2行の画素の信号が格納されて平均化が行なわれ、また、スイッチングトランジスタ12により、隣接列の信号の平均化が行なわれ、合計2行2列の画素の信号電位の平均化処理が行われる。参照電位についても同様である。これらの平均化された電荷に対応する参照電位および信号電位が、対応の読出増幅器20において差動増幅され、4画素の平均値の信号が生成される。
次の水平読出期間において、Hアドレスデコーダ21が、偶数列M,M+2・・・の読出増幅器20の出力信号を選択するように、列選択信号を生成し、偶数列の読出増幅器20の出力信号が、出力信号線24上に伝達される。出力信号線24上には、4画素データの平均値が、画素信号として出力される。すなわち、画素PXcを読出すときには、その行方向および列方向において隣接する画素PX0、PX1およびPX2と画素PXcの画素信号の平均化が行なわれ、その平均化された画素信号が画素PXcの画素信号として読出される。
この動作は、次いで、第[N+2]行の画素に対して実行される。したがって、4画素が1画素に圧縮されるため、読出画素信号の転送速度を、全画素読出時に比べて4倍に増大させることができ、全画素読出し後解像度変換を行う構成と比較して、高速フレームレートを実現することができる。
図5は、この図4に示すタイミング図における動作内容を模式的に示す図である。
すなわち、第N行および第(N+1)行の画素(フォトダイオードPD)は同じタイミングでリセットされる(期間A1およびA4)。このリセット期間A1およびA4完了後、第N行および第(N+1)行の画素において、フォトダイオードによる電荷の蓄積動作が行なわれる。所定の時間が経過すると、期間A2において第N行の画素の参照電位の読出(リセット読出)が行なわれ、次いで、信号電荷(画素信号)の読出が、期間A3において行なわれる。
これらの期間A2およびA3において、1行の画素の信号がそれぞれ対応の容量素子CS−NおよびCR−Nに格納され、次いで第(N+1)行の画素の初期値(参照値)の読出および信号電荷の読出がそれぞれ期間A5およびA6において行なわれる。これらの期間A5およびA6において読出された信号電荷が、容量素子CS−N+1およびCS−N+1にそれぞれ格納される。
この後、期間A7において、平均化制御信号CWCR0およびSWCR1により、それぞれ信号容量素子の短絡および参照容量素子CR−NおよびCR−N+1の短絡が行なわれ、画素信号の平均化処理が行なわれる。
この後、第N行の画素の対応するデータの読出が行なわれる。この読出回路において、参照電位と信号電位とをそれぞれ容量素子にサンプリングした後に、データを蓄積電荷を差動増幅して読出している。この読出部は、いわゆる、相関二重サンプリング回路(CDS回路)であり、ノイズの低減された画素データが生成される。
第N行と次の第(N+1)行の画素の蓄積時間が少し異なる。蛍光灯照明下の室内などの一般的な撮像環境においては、蓄積時間は、一般にms(ミリ秒)単位のオーダである。一方、図4に示す読出タイミングの差、すなわち期間A2およびA5の時間差は、一般にマイクロ秒(μs)単位のオーダであり、読出信号線に画素信号を読出す読出タイミングの時間差は、画像の再現性にはほとんど影響を与えない。また、同様の理由により、第N行と第(N+1)行の画素の蓄積時間の差も、画像の再現性には、ほとんど影響を与えない。
この読出回路において、容量素子それぞれに対して参照電荷および信号電荷のサンプリングを行なって、それらを平均化しており、各画素からのノイズの影響も同様、平均化されるため、読出増幅器20において確実に、ノイズは相殺され、相関二重サンプリングの精度は、何ら影響を受けない。
図6は、この図3に示す各制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。図6において、読出制御信号発生部は、水平タイミング信号HSとモード指定信号MODEに従って各行に対するリセット信号を順次生成するスキップ機能付シフト回路30と、スキップ機能付シフト回路30からのリセット信号RST[N]の活性化およびモード指定信号にMODEに従って所定のシーケンスでリセット制御信号RX[N]、転送制御信号TX[N]および行選択制御信号SL[N]を生成するN行選択制御回路34と、スキップ機能付シフト回路30からのリセット信号RST[N]およびRST[N+1]とモード指定信号MODEとに従って、リセット制御信号RX[N+1]、転送制御信号TX[N+1]および行選択制御信号SL[N+1]を所定のシーケンスで生成する(N+1)行選択制御回路36を含む。
N行選択制御回路34は、モード指定信号MODEが、サブサンプリング読出を指定するとき、蓄積時間を、通常の全画素読出時と比べて調整して、各制御信号RX[N]、TX[N]およびSL[N]を所定のシーケンスで生成する。
(N+1)行選択制御回路36は、モード指定信号MODEが、サブサンプリング読出モードを指定するとき、その蓄積時間を長くし、N行選択制御回路34における画素読出完了後、所定のシーケンスで、制御信号RX[N+1]、TX[N+1]、SX[N+1]を生成する。例えば、この(N+1)行選択制御回路36は、モード指定信号MODEがサブサンプリング読出モードを指定するときには、全画素読出モードが指定されるときよりも信号蓄積時間を長くする遅延回路を含む。
このスキップ機能付シフト回路からのリセット信号は、奇数列の行選択制御回路に対しては、前段の偶数行の行選択制御回路に対するリセット信号と対応のリセット信号とが与えられる。モード指定信号MODEが、サブサンプリングモードを指定するときには、奇数行の行選択制御回路は、前段の偶数行の行選択回路に対するリセット信号に従って動作を開始する。奇数行の行選択回路は、モード指定信号MODEが全画素読出を指定するときには、対応のリセット信号に従って動作する。
スキップ機能付シフト回路30は、水平タイミング信号HSに従って、各行に対して、一水平期間ごとに、リセット信号RSTを所定期間活性化する。モード指定信号MODEが、サブサンプリング読出モードを指定するときには、このスキップ機能付シフト回路30は、1行おきにリセット信号を活性化する。水平タイミング信号HSは、たとえば水平同期信号であり、全画素読出時には各行の画素読出タイミングを決定する。
読出制御信号発生部は、さらに、モード指定信号MODEと水平タイミング信号HSとに従って、読出列選択制御信号SWCR0およびSWCS0を生成する第1読出制御回路40と、モード指定信号MODEと水平タイミング信号HSとに従って、平均化用の読出列選択制御信号SWCR1およびSWCS1を生成する第2の読出回路42と、モード指定信号MODEと水平タイミング信号HSとに従って平均化用の制御信号SWAVGRおよびおよびSWAVGCを生成する平均化制御回路44を含む。
全画素を読出す通常動作モード時において、第1の読出制御回路40は、水平タイミング信号HSに従って、所定のタイミングで、これらの読出制御信号SWCR0およびSWCS0を生成する。全画素読出時においては、第2の読出制御回路42および平均化制御回路44は非活性状態である。このモード指定信号MODEがサブサンプリング読出モードを指定するとき、第2の読出制御回路42および平均化制御回路44が活性化され、読出タイミング信号HSに従って所定のタイミングで、それぞれ制御信号SWCR1、SWCS1、SWAVGR、およびSWAVGCを生成する。
なお、これらの制御信号は、内部で生成される高速のクロック信号をカウントするカウンタによりその発生タイミングが設定されてもよい。また、アナログ的な遅延回路を利用して、これらの制御信号の発生タイミングが設定されてもよい。
また、モード指定信号MODEをより細かく設定し、平均化制御回路44からの制御信号SWAVGRおよびSWAVGCを、択一的に生成することにより、水平方向の1/2サブサンプリング、および垂直方向の1/2サブサンプリングを選択的に実現することができる。例えば、各行ごとに平均化処理を行なうことにより、水平方向の1/2サブサンプリングが実現されることができる。この場合、スキップ機能付シフト回路30は、通常動作時と同様のタイミングで、リセット信号を生成し、またN行選択制御回路34および(N+1)行選択制御回路36も、全画素読出時と同様のタイミングで、対応の制御信号を別のシーケンスで活性/非活性化する。
[変更例1]
図7は、この発明の実施の形態1の変更例1に従うイメージセンサの画素信号読出動作を示すタイミング図である。この図7に示す画素信号読出動作においては、図4に示すタイミング図に示される動作と、以下の点が異なる。すなわち、第(N+1)行に対して、リセット動作が、時刻T1において、第N行と同時ではなく、それより遅れて、時刻T1aに実行される。画素リセットから画素信号読出完了までの信号電荷蓄積時間Tが、第N行および第(N+1)行において同じに設定される。他の読出動作は、図4に示す画素信号読出動作と同じである。
図8に示すように、第N行および第(N+1)行において、フォトダイオード(PD)のリセット期間をずらせることにより、フォトダイオードPDの電荷蓄積動作期間を、ともにTaに設定することができ、また、リセットから信号読出までの蓄積時間をともにTに設定することができる。
この変更例1における制御信号発生部の構成としては、図6に示す構成を利用することができる。サブサンプリングモード時に奇数行のリセット開始を、対を成す偶数行に対するリセット信号が供給されてから所定時間ずらせる。各行において電荷蓄積時間が等しくされ、画像の再現性に対する影響を確実になくすことができる。
また、CMOSイメージセンサにおいて設けられているローリングシャッタ動作(各行のリセットタイミングをずらせる動作;行単位でリセット動作を行う)を利用することにより、全画素についての信号電荷蓄積時間を完全に同じとすることができる。
図9は、ローリングシャッタ動作を利用する行選択動作の一例を示す図である。図9においては、第N行から第(N+3)行に対する選択動作が示される。第N行において、リセット期間A1においてフォトダイオードの蓄積電荷の初期化が行なわれる。次いで、光電変換による電荷蓄積動作が時間Tの間行なわれ、次いで、信号読出が期間A3において行なわれる。
第(N+1)行においては、第N行のリセット期間A1に対し時間STずらして、フォトダイオードのリセット期間A4が開始される。次いで、時間Tの間フォトダイオードによる電荷蓄積が行われ、信号読出期間A6により、この蓄積された信号電荷の読出が行われる。これらの第N行および第(N+1)行の信号が読出された後、平均化処理および第N行の画素の読出が実行される。
第(N+2)行においては、この第N行のリセット期間A1に対し、1水平期間Hだけずらせて、リセット期間A1が開始される。次いで、フォトダイオードの電荷蓄積期間Taが経過した後、信号読出が、期間A3において行なわれる。[N+3]行においては、この第(N+2)行のリセット期間Hに対し、期間STずらせて、リセット期間A4が開始される。次いで、フォトダイオードの電荷蓄積時間Taが完了した後、信号読出期間A6が始まる。
垂直方向の1/2のサブサンプリング時においては、第N行の画素の信号の読出が行われた後、次いで第(N+2)行の読出が行なわれる。したがって、1水平期間の時間差が、この第N行および第(N+2)行の画素読出において生じる。この読出の時間差の水平期間Hだけ、第(N+2)行においてリセット期間A1をずらせることにより、また、それぞれの平均化される対象の行(N+1)行および第(N+3)の行のリセットタイミングを、それぞれ期間STずらせることにより、すべての行において、フォトダイオードの電荷蓄積時間を、期間Tに設定することができる。
フォトダイオードの電荷蓄積時間Tは、通常、1水平期間以上であり、実行される動作モードに応じて適当な値に定められる。この電荷蓄積期間Tが、いわゆる露光時間に対応する。このように、順次行の画素データ読出前に、各画素行に対して順次リセット動作を行なう動作が、ローリングシャッタ動作と呼ばれる。このローリングシャッタ動作を利用して、各行のリセットタイミングをずらせることにより、各行の電荷蓄積時間を等しくすることができる。
[変更例2]
図10は、この発明の実施の形態1のイメージセンサの変更例2の画素信号読出動作を示すタイミング図である。この図10に示す画素信号読出シーケンスにおいては、第N行の画素に対して、転送制御信号TX[N]をHレベルに設定して、フォトダイオードのリセットを行なう(期間A1)。第N行の画素のリセットに続いて、期間A4において転送制御信号TX[N+1]をHレベルに設定して、第(N+1)行のリセットを実行する。
所定の時間が経過すると、第N行において、行選択制御信号SL[N]を選択状態へ駆動し、行選択トランジスタをオン状態として、フローティングディフュージョン(7)のリセット電位を対応の読出信号線9上に読出し、対応の参照容量素子CR−Nに参照電位を格納する。
期間A2における第N行のリセット電位の読出完了後、第N行においては、転送制御信号TX[N]がHレベルへ駆動される。このとき、行選択信号SL[N]はLレベルであり、行選択トランジスタがオフ状態である。このとき、第(N+1)行において行選択信号SL[N+1]を選択状態へ駆動し、第(N+1)行の画素のリセット電位を読出して、制御性信号SWCR1に従って、そのリセット電位を対応の容量素子CR−N+1に格納する。
第(N+1)行のリセット順位の読出が完了すると、再び、第6行において、行選択信号SL[N]を選択状態へ駆動し、第N行の画素のフローティングディフュージョン(7)に読出された信号電位を読出す。この信号電位読出期間A3においては、第(N+1)行において、行選択制御信号SL[N+1]をLレベルに設定し、また、転送制御信号TX[N+1]をHレベルに設定し、各画素の信号電荷の内部読出(フローティングディフュージョン7への電荷の転送)を行なう。
第N行の画素の信号電荷の読出期間A3が完了すると、次いで、第(N+1)行の画素に対し、行選択信号SL[N+1]を再び選択状態へ駆動して、各画素の信号電位の読出を行なう(期間A6)。
これらの第N行および第(N+1)行の画素のリセット電位および信号電位を読出した後、期間A7において、制御信号SWAVGRおよびSWAVGCにより、容量素子の蓄積電荷の平均化を実行する。
したがって、この図10に示すシーケンスにおいては、第N行と第(N+1)行において、リセット電位の読出および信号電位の読出が、交互にパイプライン的に実行されており、第(N+1)行のリセット期間A4を、第N行のリセット電位読出期間A2に等しい期間だけ第N行のリセット期間A1に対して遅らせることにより、これらの第N行および第(N+1)行の蓄積時間の差をより低減することができる。したがって、極めて短い蓄積時間の設定条件下で画素信号を読出す場合においても、第N行および第(N+1)行の蓄積時間ずれの影響をほとんどなくすることができる。
すなわち、図11に示すように、第N行と第(N+1)行のフォトダイオード(PD)のリセット期間を期間A2に等しい時間だけずらせる。第N行のリセット電位の読出(期間A2)、第(N+1)行のリセット電位の読出(期間A5)、第N行の画素の信号読出(期間A3)および第(N+1)行の画素の信号読出(期間A6)を交互に実行することにより、フォトダイオード(PD)における電荷蓄積時間の実時間帯の差をA2に抑制することができ、ほぼ等しくすることができる。この後、期間A7において平均化処理を実行する。したがって、第N行の平均化処理開始タイミングを、早くすることができ、高速読出を行なうことができる。
なお、この変更例2における制御信号の発生する回路部分は、図6に示す構成を利用することができる。モード指定信号MODEに従って、対を成す偶数行および奇数行に対し時間をずらせて行選択信号SL、転送制御信号TXおよびリセット制御信号RXを所定のシーケンスで生成する。特に、サブサンプリングモード時において、転送制御信号TX(TX[N]、TX[N+1])がHレベルに駆動されて信号電荷の転送が内部で実行されるとき、行選択信号SL(SL[N]、SL[N+1])がLレベルとなるようにゲート回路を構成することにより、この図10に示す制御信号発生シーケンスが容易に実現される。
図12は、この発明の実施の形態1における画素の読出に従う画像の一例を示す図である。図12において、8行8列に配列される画素で構成される画像を一例として考える。4つの画素P0−P3により、1つの基本単位ブロックBKが構成され、この基本単位ブロックBKにおいて平均化処理が実行され、画素P0に対する信号(平均化信号)が読出される。このサブサンプリングモード時において、画面上において、斜め方向に斜線50が存在する状態を考える。画素P0のみをサブサンプリングした場合、斜線50は画素P0を通過しないため、この斜線50の画像は表示として再現されない。行および列方向に1/2サブサンプリングを行なうと、図12の右側に示すように、再生画像においては4行4列の画素Pが配置される。画素Pは、基本単位ブロックBK内の4画素P0−P3の画素信号を平均化したもの(1/4倍)である。したがって、各画素Pにおいては、この斜線50の平均化情報も含まれるため、サブサンプリング後の再現画像においても斜線51が表示される。これにより、画質の劣化を防止することができる。
以上のように、この発明の実施形態1に従えば、行および列方向において、サブサンプリングしかつサブサンプリングの単位ブロック内の画素信号の平均化を行なっており、画像の品質劣化を生じさせることなく、高速で画素信号を読出すことができ、動画表示に対応することができる。
なお、行および列方向における平均化用のトランジスタならびに画素信号のリセット電位および信号電位を格納する容量素子を並列に多数配置することにより、すなわち、メモリ手段および平均化回路を並列に数多く配置することにより、さらに画像を低解像度として、フレームレートを高くすることができる。
[実施の形態2]
図13は、この発明の実施の形態2におけるイメージセンサのカラーフィルタの配列の一例を示す図である。図13において、2行2列に配置される画素ブロック55を基本単位として、行および列方向に、この基本ブロック55が繰返し配置される。この基本ブロック55は、青(B)、赤(R)、および緑(Gb,Gr)の色フィルタを有する。緑(Gb,Gr)を市松模様に配置し、かつ青(B)および赤(R)を、線順次方式で各行ごとに交互に配置するカラーフィルタ配列は、ベイヤ(Bayer)配列と呼ばれる。画素アレイにおいてカラーフィルタそれぞれに対して画素(PX)が配置される。したがって、カラーイメージセンサの場合、サブサンプリング時、同一色について平均化処理を行なう必要がある。
図14は、カラーイメージセンサのサブサンプリング時の画素平均化操作の一例を示す図である。図14においては、行および列方向に1/2のサブサンプリングを行なう場合が一例として示される。このカラーイメージセンサにおいては、図13に示す基本単位ブロック55を単位としてサブサンプリングが行なわれる。今、図14に示すように、4行4列に配列される画素を考える。この場合、同一色の画素の平均化を行なう必要があり、たとえば画素Gr00を含むブロックが読出対象画素ブロックの場合、第N行の画素を選択したとき、続いて、第(N+2)行の画素を選択し、画素Gr00およびGr10両者の平均化を行なう。同様、列方向においても、第M列の画素Gr00と第(M+2)列の画素Gr01の平均化を行なう必要がある。したがって、この平均化処理を行なって画素B0、Gb0、Gr0、およびR0が生成された場合、それぞれの画素信号は、次式で表わされる。
B0=(B00+B01+B10+B11)/4
Gr0=(Gr00+Gr01+Gr10+Gr11)/4
Gb0=(Gb00+Gb01+Gb10+Gb11)/4
R0=(R00+R01+R10+R11)/4
したがって、4つの基本単位ブロックを含む領域において、1行離れた画素および1列離れた画素の平均化処理を行なう。
図15および図16は、この発明の実施の形態2に従うカラーイメージセンサの要部の構成を示す図である。図15においては、画素アレイの構成を示し、図16に、画素信号読出部の構成を示す。
図15に示すように、画素PXが行列状に配列される。カラーイメージセンサであるため、これらの画素PXに対応してカラーフィルタが配置される。このカラーフィルタの配列は、図13に示すベイヤ配列であり、図15においては、青(B)に対応する画素を代表的に示す。サブサンプリング動作時においては、4行4列に配列される画素ブロックを単位として平均化処理が行なわれる。画素PXの構成は、図1に示す画素の構成と同じであり、光電変換用のフォトダイオード3、リセット用のトランジスタ1、信号読出用の転送トランジスタ2、信号増幅用のソースフォロアトランジスタ4、行選択用トランジスタ5、およびフローティングディフュージョン7を含む。
先の実施の形態1と同様、各行に対応して、リセット制御信号RX[i]、転送制御信号TX[i]および行選択制御信号SL[i]が伝達される。iは、図15においてNからN+3である。また、画素PXの列Mから(M+3)それぞれに対応して読出信号線9が配列される。
図16において、各読出信号線9に対して、参照電位を格納するための容量素子CR−NおよびCR−N+2が設けられ、また、同様、各読出信号線9に対応して、信号蓄積用の容量素子CS−NおよびCS−N+2が設けられる。この容量素子CR−N、CR−N+2、CS−NおよびCS−N+2の配置は、先の実施の形態1と同様である。容量素子CS−NおよびCS−N+2は、それぞれ読出制御信号SWCS0およびSWCS2をゲートに受けるスイッチングトランジスタ10および11を介して対応の読出信号線9に結合される。容量素子CS−NおよびCS−N+2の間に、平均化制御信号SWAVGRに従って導通する短絡用のスイッチングトランジスタ13が設けられる。容量素子CR−NおよびCR−N+2は、それぞれ、読出制御信号SWCR0およびSWCR2をゲートに受けるスイッチングトランジスタ15および16を介して対応の読出信号線9に結合される。容量素子CR−NおよびCR−N+2の間に、平均化制御信号SWAVGRをゲートに受ける短絡用のスイッチングトランジスタ18が設けられる。
行方向においては、たとえばN行と(N+2)行の画素の信号の平均化処理が行なわれる。この点を除いて、この行方向の平均化を行なう回路構成は、先の実施の形態1に示す構成と同じである。しかしながら、カラーイメージセンサにおいては、直隣接列は異なる色であるため、1画素間をおいた列の画素との平均化処理が行なわれる。すなわち、スイッチングトランジスタ60は、平均化制御信号SWAVGCに従って導通して1列間をおいた列の容量素子CS−Nを短絡する。同様、スイッチングトランジスタ62は、1列間をおいた列に対応して配置される容量素子CR−Nを、平均化制御信号SWAVGCに従って導通して短絡する。これにより、第M列および(M+2)列の画素の信号の平均化および第(M+1)列および第(M+3)列の画素の平均化がそれぞれ個々に行なわれる。
同一の読出信号線に対して設けられる容量素子CR−NおよびCS−Nは、それぞれ対応の読出増幅器20に結合される。読出増幅器20の出力は、Hアドレスデコーダ21の出力信号に従って順次導通する選択ゲート22により、出力信号線24に結合される。このHアドレスデコーダ21は、列方向の1/2サブサンプリング時においては、第M列および第(M+1)列を順次選択した後、次に、第(M+2)列および第(M+3)列をスキップして次の列(M+4)列の画素の読出を実行する。したがって、Hアドレスデコーダ21においては、2列スキップして列選択動作が実行される。
図17は、図15および図16に示すカラーイメージセンサの4:1サブサンプリング時の画素信号読出動作を示すタイミング図である。ここで、4:1サブサンプリングは、行および列方向において画素数をそれぞれ、1/2倍に低減する処理を示す。
この図17に示すタイミング図は、図7に示すタイミング図と以下の点を除いて同じである。すなわち、第N行の画素の信号読出に続いて第(N+1)行の画素が選択されるのではなく、第(N+2)行の画素が選択されて信号読出が行なわれる。
図17において、期間A1およびA4それぞれにおいて、転送制御信号TX[N]およびTX[N+2]がHレベルとなり、第N行および第(N+2)行の画素のフォトダイオード3の蓄積電荷の初期化が行なわれる。
所定期間が経過すると、まず、第N行に対し、リセット制御信号RX[N]がLレベルとなる。このとき、行選択信号SL[N]はHレベルであり、第N行の画素のソースフォロアトランジスタ4が、対応の読出信号線9に結合され、各画素のリセット電位が、読出信号線9に読出される。
期間A2において、読出制御信号SWCR0がHレベルとなり、スイッチングトランジスタ15が導通し、各読出信号線9に読出されていた第N行の画素のリセット電位が容量素子CR−Nに格納される。
続いて、転送制御信号TX[N]がHレベルとなり、第N行の画素において転送トランジスタ2がオン状態となり、フォトダイオード3により生成された信号電荷がフローティングディフュージョン7に転送されて、読出信号線9にソースフォロアトランジスタ4および行選択トランジスタ5を介してこの信号電荷に対応する電位が転送される。
期間A3において、再び読出制御信号SWCS0がHレベルとなると、スイッチングトランジスタ10がオン状態となり、それぞれ対応の読出信号線9上の信号電位が、容量素子CR−Nに格納される。
この第N行の画素の信号電荷の読出が完了すると、続いて、第(N+2)行の画素の読出が行なわれる。すなわち、行選択制御信号SL[N+2]がHレベルとなり、リセット制御信号RX[N+2]がLレベルとなる。この状態で、期間A5において、読出制御信号SWCR2がHレベルとなり、スイッチングトランジスタ16がオン状態となり、それぞれ読出信号線9上のリセット電位が、対応の容量素子CR−N+2に格納される。
次いで、伝送制御信号TX[N+2]がHレベルとなり、第(N+2)行の画素の信号電荷が対応のフローティングディフュージョン7に転送された後、期間A6において、読出制御信号SWCS2がHレベルとなる。応じて、スイッチングトランジスタ11がオン状態となり、読出信号線9上の信号電位が、それぞれ対応の容量素子CS−N+2に格納される。これらの第(N+2)行の画素の読出が完了すると、期間A7において、平均化制御信号SWAVGRおよびSWAVGCがHレベルとなり、スイッチングトランジスタ13、18、60および62がオン状態となり、それぞれ、行および列方向において1画素間をおいて配置される同一色の画素の信号の平均化が行なわれる。
図18に示すように、第N行について期間A1、A2およびA3においてフォトダイオード(PD)のリセットを行ない、ついで信号電荷の蓄積を行なった後リセット電位の読出、および信号電位の読出を実行し、この動作と平行して、第(M+2)行においてフォトダイオード(PD)のリセット(期間A4)、信号電荷の蓄積を行なった後、期間A5およびA6においてリセット電位の読出および信号読出をそれぞれ実行する。これらの動作が完了した後、期間A7において各容量素子の電気的短絡により、4画素の信号の平均化処理が行なわれる。この後、読出増幅器20により、相関二重サンプリングにより生成されたデータ(CDSデータ)の読出がHアドレスデコーダ21の出力信号に従って実行される。このCDSデータ読出時においては、2列の画素をスキップして列選択信号が選択状態へ駆動される。このHアドレスデコーダ21における列選択信号のスキップ動作は、例えばモード指定信号MODEによるサブサンプリング指定時に、シフトレジスタにおける選択信号の転送経路を切換えることにより容易に実現される。
図19は、この発明の実施の形態2に従うカラーイメージセンサの制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。この図19に示す読出動作制御信号発生部の構成は、図6に示す実施の形態1における読出制御信号発生部の構成と同様である。この図19に示す構成においては、1行間をおいた行を選択する必要があるため、行選択制御回路に対する制御信号の印加態様が図6に示す読出動作制御信号発生部の構成と異なる。
すなわち、図19において、行N、(N+1)、(N+2)、(N+3)それぞれに対して、行選択制御回路34、36、65および67が配置される。これらの行選択制御回路34、36、65および67は同様の構成を有し、モード指定信号MODEが、サブサンプリングモードを指定するとき、蓄積時間の調整などを行ない、それぞれ所定のシーケンスで、リセット制御信号RX、転送制御信号TX、および行選択制御信号SLを所定のシーケンスで生成する。
これらの行選択制御回路34、36、65、および67の動作を制御するリセット信号を発生するために、スキップ機能付シフト回路70が設けられる。スキップ機能付シフト回路70は、通常の全画素読出動作モード時には、水平タイミング信号HSに従って、順次各行に対してリセット信号RST(RST[N]、RST[N+1]、RST[N+2]、RST[N+3])を生成する。モード指定信号MODEが、サブサンプリングモードを指定するときには、スキップ機能付シフト回路70は、このリセット信号を、2行スキップして生成する。したがって、サブサンプリングモードが指定されたとき、リセット指示信号RST[N]およびRST[N+1]がスキップ機能付シフト回路70より生成され、次いで、第(N+4)行および第(N+5)行に対するリセット信号が生成される。
この行についてのサブサンプリングを行なうために、(N+2)行選択制御回路65および(N+3)行選択制御回路67に対し、さらに、N行選択制御回路34に対するリセット信号RST[N]および行選択制御回路36に対するリセット信号RST[N+1]がそれぞれ与えられる。
したがって、これらの行選択制御回路65および67は、モード指定信号MODEがサブサンプリングモードを指定するときには、リセット信号信号RST[N]および[N+1]に従って所定期間経過後にリセット動作を行なった後、信号読出を行なうように、対応の制御信号を生成する。
画素からの読出信号を容量素子に格納する制御回路は、先の図6に示す制御回路40、42および44と同様の構成により生成される。さらに、第2の読出制御回路42における読出制御信号の名称が、SWCR2およびSWCS2に変更されるだけであり、動作は、同じであり、第(N+1)行に代えて、第(N+2)行から読出された画素のリセット電位および信号電位がそれぞれ容量素子CR−N+2およびCS−N+2に格納される。
この図19に示す制御信号発生部の構成においても、平均化制御回路44が、この平均化制御信号SWAVGRおよびSWAVGCを、一方のみを活性化することにより、行方向についてのみのサブサンプリングおよび列方向についてのみのサブサンプリングを行なうことができる。
なお、この図17に示す動作タイミング図においては、各画素の電荷蓄積時間が等しくなるようにフォトダイオード(PD)のリセット期間がずらされている。しかしながら、先に示したリセット期間を同一とするまたは第N行および第(N+2)行においてリセット電位の読出および信号電位の読出を交互に行なう動作シーケンスが利用されてもよい。
また、各読出信号線に対して配置される容量素子の数を増大させ、また容量素子の短絡用のスイッチングトランジスタを応じて配置することにより、サブサンプリングレートをより大きくして、さらに低解像度の画像を得ることができ、高速フレームレートで画素信号を転送することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、カラーイメージセンサにおいて、行および/または列方向の同一色の画素の信号を平均化して読出すように構成しており、動画の画角を変更することなく、高速で画像信号を読出して再生することができる。
また、上述のカラーイメージセンサにおいては、カラーフィルタ配列として、ベイヤ配列が用いられている。しかしながら、補色イエローYe、マゼンタMg、シアンCyおよび緑Gの2行2列の4画素を基本単位ブロックとして繰返し配置される補色市松方式のカラーフィルタ配列が利用されてもよい。
[実施の形態3]
図20は、この発明の実施の形態3に従うカラーイメージセンサの要部の構成を概略的に示す図である。図20において、画素アレイの列方向についての両側に偶数列平均化/読出回路80と奇数列平均化/読出回路82とが対向して配置される。
画素アレイ78においては画素PXは行列状に配列される。図20においては、4行4列に配列される画素を代表的に示す。この画素PXに対応して、ベイヤ配列のカラーフィルタが配置される。図20においては、青(B)のフィルタに対応する画素を代表的に示す。なお、以下の説明において、NおよびMが、それぞれ偶数の場合を想定する。偶数行がN、およびN+2であり、奇数行がN+1およびN+3である。同様、偶数列がM列およびM+2列であり、奇数列がM+1列およびM+3列である。
偶数列平均化/読出回路80は、この偶数列の読出信号線9に対応して配置される容量素子CS−N、CS−N+2、CR−NおよびCR−N+2と、行についてのサブサンプリングを行なうための短絡用のスイッチングトランジスタ13および18と、列MおよびM+2の画素の平均化を行なうための短絡用のスイッチングトランジスタ60および62を含む。容量素子CS−NおよびCR−Nは、対応の読出増幅器20に結合される。この読出増幅器20の出力信号は、Hアドレスデコーダ21eの出力信号をゲートに受ける列選択ゲート22を介して読出信号線24e上に伝達される。
奇数列平均化/読出回路82においても、各奇数列(M+1)、(M+3)の読出信号線9それぞれに対応して容量素子CS−NおよびCS−N+2と容量素子CR−NおよびCR−N+2が配置される。また、同一列に対して配置されて対をなす容量素子CR−NおよびCS−Nは、対応の読出増幅器20に結合される。この読出増幅器20の出力信号はHアドレスデコーダ21oの出力信号をゲートに受ける列選択ゲート22により読出信号線24oに伝達される。
ベイヤ配列においては、同一行において隣接偶数行は、同一色であり、また隣接奇数列も同一色である。従って、奇数列平均化/読出回路82および偶数列平均化/読出回路80において、各隣接列の平均化を行うことにより、正確に同一色の画素の平均化を行うことができる。
Hアドレスデコーダ21eおよび21oは、それぞれ、2列の画素を1つの画素に平均化して出力する場合、1つおきの読出増幅器20を選択する。読出信号線24eおよび24oは、選択回路(MUX)85により交互に選択されて出力される。偶数列平均化/読出回路80および奇数列平均化/読出回路82の動作は、先の実施の形態2の場合と同じであり、それぞれ隣接偶数列の画素信号の平均化および隣接奇数列の画素の平均化処理を行ない、また必要に応じて、行方向の画素の平均化を行なう。
この図20に示す配置においては、画素アレイ78の両側に、平均化用の容量素子を配置することにより、各隣接偶数列または隣接奇数列の画素の信号の平均化を行なうための回路配置を簡略化することができ、また読出増幅器20の配置ピッチも広くとることができ、この平均化/読出回路のレイアウトが容易となる。
図21は、この図20に示すカラーイメージセンサの画素信号読出シーケンスの一例を概略的に示す図である。図21においては、列方向が1/2倍の画素に低減される。
図21において、H3アドレスデコーダ21eにより、偶数列M、M+4、M+8、…が順次選択状態へ駆動される。このHアドレスデコーダ21eの列選択期間と選択期間をずらせて、Hアドレスデコーダ21oが奇数列M+1、M+5、M+9、…を順次選択する。選択回路(MUX)85は、Hアドレスデコーダ21eおよび21oにより選択された列の画素信号(平均化後の画素信号)を順次読出す。したがって、選択回路(MUX)85からは、列M、M+1、M+4、M+5、M+8、M+9、…の画素信号が順次出力される。
カラーフィルタ配列としてベイヤ配列を想定しているため、1つのベイヤ配列の基本単位ブロックをスキップして画素信号が読出される。この選択回路(MUX)85の出力する画素信号の配列順序は、画素アレイ78における画素の色配列順序と同じである。特に、Hアドレスデコーダ21eおよび21oは、この選択回路(MUX)85の選択動作の周期の2倍の周期で列選択動作を行なうことが可能となり、余裕を持って、画素信号を読出すことができ、内部読出線24eおよび24o上の信号伝搬遅延の影響を受けることなく正確に必要な画素信号を高速に読出すことができる。
全画素読出の通常動作モード時においては、Hアドレスデコーダ21eにより、偶数列M、M+2、…が順次選択され、Hアドレスデコーダ21oにより、奇数列M+1、M+3、…が順次選択される。選択回路(MUX)85で順次この偶数列および奇数列を選択することにより、全画素列の画素信号を画素アレイ78上の配列順序と同じ順序で読出すことができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、画素アレイ両側に対向して、偶数列平均化/読出回路および奇数列平均化/読出回路を配置しており、この平均化処理を行なうための回路レイアウトが容易となる。
なお、この発明の実施の形態3においても、サブサンプリングレートは、任意であり、1つの読出信号線に並列に接続される容量素子および隣接列(隣接偶数列/隣接奇数列)を短絡するスイッチングトランジスタの数を増大させることにより、さらに高いサブサンプリングレートを実現することができる。
[実施の形態4]
図22は、この発明の実施の形態4に従う画素信号読出動作を示すタイミング図である。この実施の形態4において画素アレイの構成としては、図3に示すモノクロイメージセンサ、および図15および図16または図20に示すカラーイメージセンサのいずれの構成であってもよいが、図22においては、モノクロイメージセンサについての制御信号を示し、以下の説明においても図3に示す画素アレイを参照して動作を説明する。本実施の形態4においては、同一画素からの画素信号を異なる容量素子に読出して、平均化を実行する。
まず、期間A1において、転送制御信号TX[N]をHレベルに駆動し、またリセット制御信号RX[N]はHレベルに維持する。これにより、画素PXにおいて、フォトダイオードの信号電荷が初期化される。このリセット動作が始まって所定期間が経過すると、行選択制御信号SL[N]がHレベルとなり、第N行の画素PXにおいて、ソースフォロアトランジスタ4が対応の読出信号線9に結合され、フローティングディフュージョン7の初期電荷に応じた電位が読出信号線9上に伝達される。
次いで期間A2において、リセット制御信号RX[N]をLレベルに立下げ、リセット電位読出制御信号SWCR0およびSWCR1をともにHレベルに設定する。これにより、同一列に対して配置される容量素子CR−NおよびCR−N+1に、同一の画素から読出されたリセット電位が格納される。
次いで、転送制御信号TX[N]をHレベルに立上げ、フォトダイオード3により生成された信号電荷をフローティングディフュージョン7へ転送する。この転送動作完了後、期間A3において、制御信号SWCS0およびSWCS1を異なるタイミングでそれぞれHレベルへ駆動する。これにより、同一の画素から読出された信号電荷が、容量素子CS−NおよびCS−N+1に格納される。
この動作完了後、リセット制御信号RX[N]をHレベルを駆動し、画素のフローティングディフュージョンの初期化を行ない、また行選択制御信号SL[N]をLレベルに駆動する。
この行選択信号SL[N]がLレベルに立下がった後、期間A5において、平均化制御信号SWAVGRをHレベルに立上げる。このとき、列方向の平均化を行なうための制御信号SWAVGCはLレベルに維持する。これにより、同一の画素から期間A3およびA4においてそれぞれ読出された信号電位が平均化され、また期間A2において読出されたリセット電位が平均化される。この後、対応の読出増幅器により容量素子CS−NおよびCR−Nに格納された電位を差動的に増幅して画素信号を読出す。
この図24に示す動作シーケンスの場合、同一の画素から読出された信号を、異なる容量素子に格納して相関二重サンプリングを行なっている。画素PXから読出信号線9を介して転送される経路において混入するランダムノイズ成分は、同一画素信号を2回読出して平均化することにより、1/√2倍に低減される。これにより、画像のランダムノイズを低減することができ、画像品質を改善することができる。
なお、カラーイメージセンサの場合、制御信号SWCR1およびSWCS1に代えてSWCR2およびSWCS2が利用されれば、同様、同一画素から読出された信号の平均化を行なうことができる。
なお、この発明の実施の形態4においても、その制御回路の構成としては、図6または図15および図16に示す回路構成を利用することができるモード指定信号MODEの指定する動作モードに応じて、行選択制御信号の発生シーケンスを調整する。
また、上述の説明においては、同一画素の信号電荷が2回タイミングを異ならせて読出されて平均化処理が行われている。しかしながら、この同一画素の信号電荷を読出す回数は、さらに多くてもよい。すなわち、1つの読出信号線に対応して配置される容量素子の数を増加することにより、この同一画素の信号電荷読出回数を増加させることができる。容量素子の数をNとし、信号電荷読出回数をN回とすることにより、ノイズは1/√Nに低減されることが期待される。
この発明は、一般にCMOSイメージセンサに対して適用可能である。また、CMOSイメージセンサに適用することにより、動画に対応することのできる高画質のイメージセンサを実現することができる。
この発明において用いられるイメージセンサの画素の構成の一例を示す図である。 図1に示す画素の信号読出動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態1に従うイメージセンサの要部の構成を示す図である。 図3に示すイメージセンサの動作を示すタイミング図である。 この発明の実施の形態1における画素の読出動作を模式的に示す図である。 図3に示す制御信号を発生する部分の構成の一例を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態1の変更例1の信号平均化処理を示すタイミング図である。 図7に示すタイミング図の画素の読出/平均化処理を示すシーケンス図である。 実施の形態1の変更例1における複数行の画素信号の処理シーケンスを示す図である。 この発明の実施の形態1の変更例2の信号読出/平均処理動作を示すタイミング図である。 図10に示すタイミング図の動作を示すシーケンス図である。 この発明の実施の形態1における画素平均化処理の元の画像と平均化画像の対応を概略的に示す図である。 この発明の実施の形態2において用いられるカラーフィルタの配列の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2における平均化処理を示す図である。 この発明の実施の形態2に従うイメージセンサの画素アレイ部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に従うイメージセンサの画素信号平均化/読出部の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に従うイメージセンサの平均化処理を示すタイミング図である。 図17に示すタイミング図の動作を示すシーケンス図である。 この発明の実施の形態2における各種制御信号を発生する部分の構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3に従うカラーイメージセンサの構成を概略的に示す図である。 図20に示すカラーイメージセンサの画素読出動作を示すシーケンス図である。 この発明の実施の形態4に従うイメージセンサの信号読出/平均化動作を示すタイミング図である。
符号の説明
PX 画素、1 リセットトランジスタ、2 転送トランジスタ、3 フォトダイオード、4 ソースフォロアトランジスタ、5 行選択トランジスタ、9 読出信号線、CS−N,CS−N+1,CR−N,CR−N+1 容量素子、10,11,13,15,16,18,17 スイッチングトランジスタ、20 読出増幅器、21 Hアドレスデコーダ、CS−N+2,CR−N+2 容量素子、21e,21o Hアドレスデコーダ、60,62 スイッチングトランジスタ、78 画素アレイ、80 偶数列平均化/読出回路、82 奇数列平均化/読出回路、85 選択回路。

Claims (9)

  1. 各々が、光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を備える画素アレイ、
    各画素列に対応して配置され、各々に対応の列の選択画素からの信号が伝達される複数の読出信号線、
    各々が各画素列に対応して配置される複数の容量素子を含み、かつ各前記容量素子が対応の列の画素から対応の読出信号線に読出された電気信号を格納する、互いに並列に配置される複数のメモリ手段、
    前記複数のメモリ手段の同一列の読出信号線に配置される容量素子を短絡して、それらの記憶情報を平均化する平均化処理手段、および
    前記画素アレイの所定数の行を互いに異なるタイミングで選択状態へ駆動して選択行の画素の信号を異なるメモリ手段の容量素子に格納する画素選択制御手段を備える、固体撮像装置。
  2. 前記所定数の行の画素の変換電気信号を互いに異なるタイミングでリセットするリセット手段をさらに備え、各画素のリセットから選択されて変換電気信号が読出されるまでの時間が実質的に同一とされる、請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記画素素子は、固定の色パターンで配列されるカラー画素素子であり、
    前記画素素子の同一色の画素を所定数行にわたって選択して、選択画素の電気信号を転送する読出選択制御手段と、
    前記平均化処理手段により平均化された情報を、前記所定数行毎に読出す読出回路とをさらに備える、請求項1記載の固体撮像装置。
  4. 行列状に配列され、かつ各々が光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を含む画素アレイ、
    各画素列に対応して配置され、各々が対応の列に読出された画素からの電気信号を格納する複数の第1の容量素子を有する第1のメモリ手段、および
    前記第1のメモリ手段の隣接列に配置される第1の容量素子を短絡して、それらの記憶情報を平均化する第1の平均化処理手段、
    前記各画素列に対応して配置され、各々が対応の列の画素から読出された電気信号を格納する複数の第2の容量素子を有する第2のメモリ手段、
    前記画素アレイの異なる行を順次選択して前記第1および第2のメモリ手段の容量素子へ異なる行の画素の電気信号を格納する行選択制御手段、および
    前記第1および第2のメモリ手段の同一列に配置される容量素子を電気的に短絡する第2の平均化回路を備える、固体撮像装置。
  5. 前記画素素子は、所定の色パターンで配列されるカラー画素素子であり、
    前記第1の平均化手段は、同一色の隣接列に対して配置される容量素子を短絡するスイッチング素子を備える、請求項4記載の固体撮像装置。
  6. 前記画素素子は、所定の色パターンで配列されるカラー画素素子であり、
    前記行選択制御手段は、同一色パターンの隣接行が順次選択されるように画素行を選択する、請求項4記載の固体撮像装置。
  7. 前記所定の色パターンはベイヤカラーフィルタ配列であり、
    前記第1のメモリ手段は、偶数列に対して配置される偶数メモリと、前記画素アレイに関して前記偶数メモリと対向して前記画素の奇数列に対応して配置される奇数メモリとを備え、
    前記第1の平均化手段は、前記偶数メモリに対して配置される偶数平均化回路と、前記奇数メモリに対して配置される奇数平均化回路とを備える、請求項4記載の固体撮像装置。
  8. 前記所定の色パターンはベイヤカラーフィルタ配列であり、
    前記第2のメモリ手段は、偶数列に対して配置される偶数メモリと、前記画素アレイに関して前記偶数メモリと対向して前記画素の奇数列に対応して配置される奇数メモリとを備え、
    前記第2の平均化手段は、前記偶数メモリに対して配置される偶数平均化回路と、前記奇数メモリに対して配置される奇数平均化回路とを備える、請求項4記載の固体撮像装置。
  9. 行列状に配列され、各々が光信号を電気信号に変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気信号を読出す信号転送手段とを含む複数の画素素子を備える画素アレイ、および
    各画素列に対応して配置されかつ各々が対応の列に対応の画素から読出された電気信号を格納する容量素子を各々が含む、複数の互いに並列に配置されるメモリ手段を備え、各前記メモリ手段は、各列に対応して配置され、各々が対応の列の画素からのリセット信号を格納する複数の参照容量素子と、前記各列に対応して配置されかつ各々が前記対応の列の画素からの電気信号を格納する複数の信号容量素子とを備え、
    前記画素列に同一画素からのリセット信号を読出して複数のメモリ手段の対応の参照容量素子に転送して格納し、かつ前記画素列に前記同一画素からの電気信号をタイミングを異ならせて読出して前記複数のメモリ手段の異なるメモリ手段の信号容量素子へ転送して格納する信号読出制御手段、
    前記複数のメモリ手段の同一列に配置される複数の信号容量素子を短絡しかつ同一列に配置される参照容量素子を短絡してそれらの記憶情報を平均化する平均化処理手段、および
    前記参照容量素子の蓄積電位と対応の信号容量素子の蓄積電位とを比較して読出信号を生成する読出信号生成回路を備える、固体撮像装置。
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