<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本第1の実施形態による並列読出し機能を持った固体撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図1において、固体撮像装置100は、4つのトランジスタを含む単位画素P11〜P22を行方向および列方向(図1においては、2行2列)に二次元的に配置した画素部1と、画素部1の読出し行を選択する垂直走査回路20と、画素部1にバイアス電流を供給する電流供給部3と、画素部1の各列から出力された画素信号を画素部1の行毎にそれぞれ保持する信号保持部4と、信号保持部4に保持された信号を選択して出力する水平選択スイッチ部5と、水平選択スイッチ部5が選択して出力する固体撮像装置100の読出し列を選択する水平走査回路6および水平走査回路7と、から構成される。また、垂直走査回路20は、画素部1から出力された画素信号を信号保持部4に保持させる制御信号を出力する信号保持制御部201を備えている。
なお、図1に示した本第1の実施形態における固体撮像装置100は、図10に示した従来の固体撮像装置500における垂直走査回路2が、垂直走査回路20に変更されているのみである。従って、図1に示した本第1の実施形態における固体撮像装置100におけるその他の構成要素は、図10に示した従来の固体撮像装置500と同様の機能および動作の構成要素であるため、同一の符号を付加している。
固体撮像装置100は、これらの構成によって、画素部1から出力されるノイズ成分の信号と信号成分の信号とを、それぞれの単位画素P11〜P22に対応した複数の出力ライン501〜508に出力する。図1においては、単位画素P11〜P22のノイズ成分の信号を出力端子VOUT_N11〜VOUT_N22に出力し、単位画素P11〜P22の信号成分の信号を出力端子VOUT_S11〜VOUT_S22に出力する構成を示している。
画素部1は、垂直走査回路20から出力される行リセットラインφRST1,φRST2、行転送ラインφTR1,φTR2、および行選択ラインφROW1,φROW2に応じて、読み出される行が選択される。そして、選択された行の単位画素P11〜P22から読み出された画素信号を、垂直信号線V1および垂直信号線V2に、行単位で出力する。
画素部1内に備えた単位画素P11〜P22は、それぞれ、光電変換部であるフォトダイオードPD1と、フォトダイオードPD1で発生した信号電荷を転送する転送トランジスタM1と、転送した信号電荷をリセットするリセットトランジスタM2と、転送された信号電荷を増幅する増幅トランジスタM3と、増幅トランジスタM3の出力を各行の出力として出力するための行選択トランジスタM4とから構成される。
フォトダイオードPD1は、被写体光に応じた信号電荷を発生する。転送トランジスタM1は、垂直走査回路20から入力された行転送ラインφTR1または行転送ラインφTR2に基づいて、フォトダイオードPD1で発生した信号電荷を増幅トランジスタM3のゲート端子に転送する。リセットトランジスタM2は、垂直走査回路20から入力された行リセットラインφRST1または行リセットラインφRST2に基づいて増幅トランジスタM3のゲート端子の電位をリセットする。増幅トランジスタM3は、転送トランジスタM1によって転送されたフォトダイオードPD1の信号電荷に応じた電圧を出力する。行選択トランジスタM4は、垂直走査回路20から入力された行選択ラインφROW1または行選択ラインφROW2に基づいて、増幅トランジスタM3が出力した電圧を、自行選択トランジスタM4を備える単位画素P11〜P22の出力として出力する。
信号保持部4は、垂直走査回路20に備えた信号保持制御部201から入力されるリセットレベルサンプルラインφN1,φN2と、信号レベルサンプルラインφS1,φS2に応じて、画素部1の各列の垂直信号線V1および垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とを、画素部1の行毎にそれぞれ保持する。図1においては、2行分の画素信号を保持する構成を示している。
信号保持部4内には、サンプル用トランジスタM401〜M404と、リセットレベル保持容量C401,C403と、信号レベル保持容量C402,C404とを備えるサンプルホールド回路SH1およびサンプルホールド回路SH2を、画素部1の列毎に備えている。
サンプルホールド回路SH1は、画素部1の1列目の単位画素P11および単位画素P21から垂直信号線V1に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とを保持する。また、サンプルホールド回路SH2は、画素部1の2列目の単位画素P12および単位画素P22から垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とを保持する。
リセットレベル保持容量C401は、信号保持制御部201から入力されたリセットレベルサンプルラインφN1に応じて、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12のノイズ成分を保持する。信号レベル保持容量C402は、信号保持制御部201から入力された信号レベルサンプルラインφS1に応じて、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12の信号成分を保持する。リセットレベル保持容量C403は、信号保持制御部201から入力されたリセットレベルサンプルラインφN2に応じて、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22のノイズ成分を保持する。信号レベル保持容量C404は、信号保持制御部201から入力された信号レベルサンプルラインφS2に応じて、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22の信号成分を保持する。
水平選択スイッチ部5は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1、および水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、信号保持部4に保持されたノイズ成分の信号と信号成分の信号を、単位画素P11〜P22に対応したそれぞれの出力ライン501〜508を介して、出力端子VOUT_N11〜VOUT_N22および出力端子VOUT_S11〜VOUT_S22に出力する。
水平選択スイッチ部5内には、水平選択トランジスタM501〜M508を備えている。水平選択トランジスタM501は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、サンプルホールド回路SH1内のリセットレベル保持容量C401に保持されている単位画素P11のノイズ成分の信号を読み出し、出力ライン501を介して、出力端子VOUT_N11に出力する。水平選択トランジスタM502は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、サンプルホールド回路SH1内の信号レベル保持容量C402に保持されている単位画素P11の信号成分の信号を読み出し、出力ライン502を介して、出力端子VOUT_S11に出力する。水平選択トランジスタM503は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、サンプルホールド回路SH1内のリセットレベル保持容量C403に保持されている単位画素P21のノイズ成分の信号を読み出し、出力ライン503を介して、出力端子VOUT_N21に出力する。水平選択トランジスタM504は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、サンプルホールド回路SH1内の信号レベル保持容量C404に保持されている単位画素P21の信号成分の信号を読み出し、出力ライン504を介して、出力端子VOUT_S21に出力する。
同様に、水平選択トランジスタM505は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、サンプルホールド回路SH2内のリセットレベル保持容量C401に保持されている単位画素P12のノイズ成分の信号を読み出し、出力ライン505を介して、出力端子VOUT_N12に出力する。水平選択トランジスタM506は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、サンプルホールド回路SH2内の信号レベル保持容量C402に保持されている単位画素P12の信号成分の信号を読み出し、出力ライン506を介して、出力端子VOUT_S12に出力する。水平選択トランジスタM507は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、サンプルホールド回路SH2内のリセットレベル保持容量C403に保持されている単位画素P22のノイズ成分の信号を読み出し、出力ライン507を介して、出力端子VOUT_N22に出力する。水平選択トランジスタM508は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、サンプルホールド回路SH2内の信号レベル保持容量C404に保持されている単位画素P22の信号成分の信号を読み出し、出力ライン508を介して、出力端子VOUT_S22に出力する。
次に、本第1の実施形態の固体撮像装置の駆動タイミングについて説明する。図2は、本第1の実施形態の固体撮像装置100における駆動タイミングの概略を示したタイミングチャートである。ここでは、左から1列目の画素列(単位画素P11およびP21)の動作に注目し、2行分の画素信号の読み出しを行う駆動タイミングを説明する。なお、左から2列目の画素列(単位画素P12およびP22)の動作は、左から1列目の画素列の動作と並行して同時に行われる。固体撮像装置100の駆動タイミングは、図10に示した従来の固体撮像装置500の駆動タイミングに対して、垂直走査回路20が画素部1の1行目の単位画素P11からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P21からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行うように駆動することが異なる。
まず、タイミングt1において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST1を“H”レベルとして、単位画素P11のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。その後、タイミングt2において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST1を“L”レベルに戻して、単位画素P11のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
続いて、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P11の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM401をON状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM401を介して、リセットレベル保持容量C401に保持する。
また、同時に、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST2を“H”レベルとして、単位画素P21のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
続いて、タイミングt3において、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN1を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM401をOFF状態とし、単位画素P11のリセットレベル保持動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST2を“L”レベルに戻して、単位画素P21のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
続いて、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR1を“H”レベルとして、単位画素P11の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P11のフォトダイオードPD1の信号電荷が増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
また、同時に、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P21の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM403をON状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM403を介して、リセットレベル保持容量C403に保持する。
続いて、タイミングt4において、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P11のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。また、このとき、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN2を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM403をOFF状態とし、単位画素P21のリセットレベル保持動作を終了する。また、さらに、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
続いて、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P11の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM402をON状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM402を介して、信号レベル保持容量C402に保持する。
また、同時に、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR2を“H”レベルとして、単位画素P21の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P21のフォトダイオードPD1の信号電荷が増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
続いて、タイミングt5において、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS1を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM402をOFF状態とし、単位画素P11の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。また、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P21のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。
続いて、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P21の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM404をON状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM404を介して、信号レベル保持容量C404に保持する。
続いて、タイミングt6において、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS2を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM404をOFF状態とし、単位画素P21の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
上記に述べたように、本第1の実施形態における固体撮像装置100では、画素部1の1行目の単位画素P11からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P21からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行う。
続いて、タイミングt7以降において、信号保持部4に保持された信号レベルの画素信号と、リセットレベルの画素信号とを出力するために、以下の動作を行う。信号保持部4から出力ライン501〜508への信号読出しは、水平走査回路6および水平走査回路7によって選択される水平選択スイッチ部5を介して行われる。
まず、タイミングt7において、水平走査回路6は、水平信号読出しラインφH1を“H”レベルとして、水平選択トランジスタM501、M502、M505、およびM506をON状態とする。これより、単位画素P11のリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号とが、それぞれ出力ライン501(出力端子VOUT_N11)と出力ライン502(出力端子VOUT_S11)とに読み出される。また、同時に単位画素P12のリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号とが、それぞれ出力ライン505(出力端子VOUT_N12)と出力ライン506(出力端子VOUT_S12)とに読み出される。その後、固体撮像装置100の外部の差分回路での差分処理によって、固体撮像装置100の単位画素P11およびP12で発生した固定パターンノイズやKTCノイズをキャンセルする。
続いて、タイミングt8において、水平走査回路7は、水平信号読出しラインφH2を“H”レベルとして、水平選択トランジスタM503、M504、M507、およびM508をON状態とする。これより、単位画素P21のリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号とが、それぞれ出力ライン503(出力端子VOUT_N21)と出力ライン504(出力端子VOUT_S21)とに読み出される。また、同時に単位画素P22のリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号とが、それぞれ出力ライン507(出力端子VOUT_N22)と出力ライン508(出力端子VOUT_S22)とに読み出される。その後、同様に、固体撮像装置100の外部の差分回路での差分処理によって、固体撮像装置100の単位画素P21およびP22で発生した固定パターンノイズやKTCノイズをキャンセルする。
上記に述べたように、本第1の実施形態における固体撮像装置100では、画素部1の1行目の単位画素P11におけるリセットレベルの画素信号の読み出し動作と信号レベルの画素信号の読み出し動作との間に、画素部1の2行目の単位画素P21のリセットレベルの画素信号の読み出し動作を並列に行う。これにより、画素部1から2行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができ、固体撮像装置100の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。
より具体的には、図10に示した従来の固体撮像装置500において、画素部1から2行分の単位画素(例えば、単位画素P11と単位画素P21)の画素信号の読み出しに要する時間は、図11に示したように、4サイクル×2行の合計8サイクル(タイミングt1〜タイミングt9)であった。これに対して、本第1の実施形態における固体撮像装置100では、図2に示すように、5サイクル(タイミングt1〜タイミングt6)で、画素部1から2行分の単位画素の画素信号を読み出すことができる。
また、固体撮像装置100では、2行分の画素信号の読み出し動作を並列に行う場合について説明したが、画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合においても、図2に示した駆動タイミングと同様に考えることにより、画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
ここで、画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合のいくつかの例を説明する。図3は、本第1の実施形態の固体撮像装置100を、3行分の画素信号を保持する構成とした場合の駆動タイミングの概略を示したタイミングチャートである。図4は、本第1の実施形態の固体撮像装置100を、4行分の画素信号を保持する構成とした場合の駆動タイミングの概略を示したタイミングチャートである。
まず、図3に示した3行分の画素信号を保持する構成とした場合の駆動タイミングについて説明する。ここでは、左から1列目の画素列(単位画素P11、P21、および図示しないP31)の動作に注目した駆動タイミングを説明する。なお、左から2列目の画素列(単位画素P12、P22、および図示しないP32)の動作は、左から1列目の画素列の動作と並行して同時に行われる。
また、3行分の画素信号を保持する構成とした固体撮像装置100は、図1に示した固体撮像装置100に、以下の構成要素が追加されたものとして説明する。まず、3行目の単位画素P31に対応して垂直走査回路20から出力される制御信号は、行リセットラインφRST3、行転送ラインφTR3、および行選択ラインφROW3とする。また、信号保持部4内のサンプルホールド回路SH1には、サンプル用トランジスタM405〜M406と、リセットレベル保持容量C405と、信号レベル保持容量C406とを備える構成とする。そして、リセットレベル保持容量C405と信号レベル保持容量C406とのそれぞれは、信号保持制御部201から入力されたリセットレベルサンプルラインφN3または信号レベルサンプルラインφS3に応じて、画素部1の3行目の単位画素P31のノイズ成分または信号成分を保持するものとする。
まず、タイミングt1から、1行目の単位画素P11と2行目の単位画素P21とのリセットレベルの画素信号の読み出し動作と信号レベルの画素信号の読み出し動作とが行われる。この単位画素P11と2行目の単位画素P21との読み出し動作の期間である、タイミングt1〜タイミングt6の期間は、図2に示した駆動タイミングにおけるタイミングt1〜タイミングt6の期間と同様であるため、説明を省略する。そして、図2に示した駆動タイミングと異なる3行目の単位画素P31の読み出し動作に注目して説明する。
3行目の単位画素P31の読み出し動作は、タイミングt5において、1行目の単位画素P11と2行目の単位画素P21との読み出し動作と並行して行われる。まず、タイミングt5において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST3を“H”レベルとして、単位画素P31のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P31の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
続いて、タイミングt6において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST3を“L”レベルに戻して、単位画素P31のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P31の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
また、同時に、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW3を“H”レベルとして、単位画素P31の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P31の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN3を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM405をON状態とする。これにより、単位画素P31の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM405を介して、リセットレベル保持容量C405に保持する。
続いて、タイミングt7において、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN3を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM405をOFF状態とし、単位画素P31のリセットレベル保持動作を終了する。また、さらに、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW3を“L”レベルに戻して、単位画素P31の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P31の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、同時に、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR3を“H”レベルとして、単位画素P31の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P31のフォトダイオードPD1の信号電荷が増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
続いて、タイミングt8において、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR3を“L”レベルに戻して、単位画素P31の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P31のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。
続いて、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW3を“H”レベルとして、単位画素P31の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P31の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS3を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM406をON状態とする。これにより、単位画素P31の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM406を介して、信号レベル保持容量C406に保持する。
続いて、タイミングt9において、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS3を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM406をOFF状態とし、単位画素P31の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW3を“L”レベルに戻して、単位画素P31の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P31の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
上記に述べたように、本第1の実施形態における固体撮像装置100を、3行分の画素信号を保持する構成とした場合においても、画素部1の1行目の単位画素P11、2行目の単位画素P21、および3行目の単位画素P31からの画素信号の読み出し動作を時分割で行うことができる。これにより、画素部1から3行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
より具体的には、図10に示した従来の固体撮像装置500において、画素部1から3行分の単位画素の画素信号の読み出しに要する時間は、4サイクル×3行の合計12サイクルである。これに対して、本第1の実施形態における固体撮像装置100では、図3に示すように、8サイクル(タイミングt1〜タイミングt9)で、画素部1から3行分の単位画素の画素信号を読み出すことができる。
続いて、タイミングt9以降において、信号保持部4に保持された信号レベルの画素信号と、リセットレベルの画素信号とを出力するために、水平選択スイッチ部5を介したリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号との読み出し動作を行うが、図2に示した駆動タイミングと同様に考えることができるため、説明を省略する。
次に、図4に示した4行分の画素信号を保持する構成とした場合の駆動タイミングについて説明する。ここでは、図2および図3に示した駆動タイミングと同様に、左から1列目の画素列(単位画素P11、P21、図示しないP31、および図示しないP41)の動作に注目した駆動タイミングを説明する。なお、左から2列目の画素列(単位画素P12、P22、図示しないP32、および図示しないP42)の動作も、図2および図3に示した駆動タイミングと同様に、左から1列目の画素列の動作と並行して同時に行われる。
また、4行分の画素信号を保持する構成とした固体撮像装置100は、図1に示した固体撮像装置100に、以下の構成要素が追加されたものとして説明する。なお、4行分の画素信号を保持する構成とした固体撮像装置100は、上述した3行分の画素信号を保持する構成とした固体撮像装置100に対して、更に以下の構成要素が追加される。まず、4行目の単位画素P41に対応して垂直走査回路20から出力される制御信号は、行リセットラインφRST4、行転送ラインφTR4、および行選択ラインφROW4とする。また、信号保持部4内のサンプルホールド回路SH1には、サンプル用トランジスタM407〜M408と、リセットレベル保持容量C407と、信号レベル保持容量C408とを備える構成とする。そして、リセットレベル保持容量C407と信号レベル保持容量C408とのそれぞれは、信号保持制御部201から入力されたリセットレベルサンプルラインφN4または信号レベルサンプルラインφS4に応じて、画素部1の4行目の単位画素P41のノイズ成分または信号成分を保持するものとする。
まず、タイミングt1から、1行目の単位画素P11と2行目の単位画素P21とのリセットレベルの画素信号の読み出し動作と信号レベルの画素信号の読み出し動作とが行われる。この単位画素P11と2行目の単位画素P21との読み出し動作の期間である、タイミングt1〜タイミングt6の期間は、図2および図3に示した駆動タイミングにおけるタイミングt1〜タイミングt6の期間と同様であるため、説明を省略する。また、タイミングt5〜タイミングt9の期間における3行目の単位画素P31の読み出し動作も図3に示した駆動タイミングにおけるタイミングt5〜タイミングt9の期間と同様であるため、説明を省略する。そして、図2および図3に示した駆動タイミングと異なる4行目の単位画素P41の読み出し動作に注目して説明する。
4行目の単位画素P41の読み出し動作は、タイミングt6において、2行目の単位画素P21と3行目の単位画素P31との読み出し動作と並行して行われる。まず、タイミングt6において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST4を“H”レベルとして、単位画素P41のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P41の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
続いて、タイミングt7において、垂直走査回路20は、行リセットラインφRST4を“L”レベルに戻して、単位画素P41のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P41の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
また、同時に、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW4を“H”レベルとして、単位画素P41の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P41の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN4を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM407をON状態とする。これにより、単位画素P41の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM407を介して、リセットレベル保持容量C407に保持する。
続いて、タイミングt8において、信号保持制御部201は、リセットレベルサンプルラインφN4を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM407をOFF状態とし、単位画素P41のリセットレベル保持動作を終了する。また、さらに、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW4を“L”レベルに戻して、単位画素P41の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P41の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、同時に、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR4を“H”レベルとして、単位画素P41の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P41のフォトダイオードPD1の信号電荷が増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
続いて、タイミングt9において、垂直走査回路20は、行転送ラインφTR4を“L”レベルに戻して、単位画素P41の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P41のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。
続いて、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW4を“H”レベルとして、単位画素P41の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P41の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS4を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM408をON状態とする。これにより、単位画素P41の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM408を介して、信号レベル保持容量C408に保持する。
続いて、タイミングt10において、信号保持制御部201は、信号レベルサンプルラインφS4を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM408をOFF状態とし、単位画素P41の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路20は、行選択ラインφROW4を“L”レベルに戻して、単位画素P41の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P41の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
上記に述べたように、本第1の実施形態における固体撮像装置100を、4行分の画素信号を保持する構成とした場合においても、画素部1の1行目の単位画素P11、2行目の単位画素P21、3行目の単位画素P31、および4行目の単位画素P41からの画素信号の読み出し動作を時分割で行うことができる。これにより、画素部1から3行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
より具体的には、図10に示した従来の固体撮像装置500において、画素部1から4行分の単位画素の画素信号の読み出しに要する時間は、4サイクル×4行の合計16サイクルである。これに対して、本第1の実施形態における固体撮像装置100では、図4に示すように、9サイクル(タイミングt1〜タイミングt10)で、画素部1から4行分の単位画素の画素信号を読み出すことができる。
続いて、タイミングt10以降において、信号保持部4に保持された信号レベルの画素信号と、リセットレベルの画素信号とを出力するために、水平選択スイッチ部5を介したリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号との読み出し動作を行うが、図2に示した駆動タイミングと同様に考えることができるため、説明を省略する。
上記に述べたように、本第1の実施形態によれば、画素部内の1つの行の単位画素(本第1の実施形態においては、画素部1の奇数行目の単位画素である単位画素P11、単位画素P31)におけるリセットレベルの画素信号の読み出し動作と信号レベルの画素信号の読み出し動作との間に、他の行の単位画素(本第1の実施形態においては、画素部1の偶数行目の単位画素である単位画素P21、単位画素P41)のリセットレベルの画素信号の読み出し動作を並列に行うことができる。また、画素部内の1つの行の単位画素(本第1の実施形態においては、画素部1の2行目の単位画素P21)の読み出し動作と画素部内の次の行の単位画素(本第1の実施形態においては、画素部1の3行目の単位画素P31)の読み出し動作とを時分割で行うことができる。これにより、画素部から複数行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができ、固体撮像装置の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。
また、固体撮像装置100では、画素部1内に4つのトランジスタを含む単位画素を備えた場合について説明したが、本発明の固体撮像装置および駆動方法では、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が変わった場合においても、対応することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の実施形態において、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が異なる場合について説明する。図5は、本第2の実施形態による固体撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図5において、固体撮像装置110は、3つのトランジスタを含む単位画素P011〜P022を行方向および列方向(図5においては、2行2列)に二次元的に配置した画素部10と、画素部10の読出し行を選択する垂直走査回路21と、画素部10にバイアス電流を供給する電流供給部3と、画素部10の各列から出力された画素信号を画素部10の行毎にそれぞれ保持する信号保持部4と、信号保持部4に保持された信号を選択して出力する水平選択スイッチ部5と、水平選択スイッチ部5が選択して出力する固体撮像装置110の読出し列を選択する水平走査回路6および水平走査回路7と、から構成される。また、垂直走査回路21は、画素部1から出力された画素信号を信号保持部4に保持させる制御信号を出力する信号保持制御部211を備えている。
固体撮像装置110は、これらの構成によって、画素部10から出力されるノイズ成分の信号と信号成分の信号とを、それぞれの単位画素P011〜P022に対応した複数の出力ライン501〜508に出力する。図5においては、単位画素P011〜P022のノイズ成分の信号を出力端子VOUT_N11〜VOUT_N22に出力し、単位画素P011〜P022の信号成分の信号を出力端子VOUT_S11〜VOUT_S22に出力する構成を示している。
なお、図5に示した本第2の実施形態における固体撮像装置110は、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における画素部1内の単位画素P11〜P22が、単位画素P011〜P022に変更されている。また、この変更に伴って、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における垂直走査回路20が垂直走査回路21に変更されているのみである。従って、図5に示した本第2の実施形態における固体撮像装置110の構成要素において、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100と同様の構成要素には、同一の符号を付加して説明を省略する。
画素部10は、垂直走査回路21から出力される行リセットラインφRST1,φRST2、および行選択ラインφROW1,φROW2に応じて、読み出される行が選択される。そして、選択された行の単位画素P011〜P022から読み出された画素信号を、垂直信号線V1および垂直信号線V2に、行単位で出力する。
画素部10内に備えた単位画素P011〜P022は、それぞれ、光電変換部であるフォトダイオードPD1と、フォトダイオードPD1で発生した信号電荷をリセットするリセットトランジスタM2と、フォトダイオードPD1で発生した信号電荷を増幅する増幅トランジスタM3と、増幅トランジスタM3の出力を各行の出力として出力するための行選択トランジスタM4とから構成される。
フォトダイオードPD1は、被写体光に応じた信号電荷を発生する。リセットトランジスタM2は、垂直走査回路21から入力された行リセットラインφRST1または行リセットラインφRST2に基づいて、フォトダイオードPD1で発生した信号電荷、すなわち、増幅トランジスタM3のゲート端子の電位をリセットする。増幅トランジスタM3は、フォトダイオードPD1の信号電荷に応じた電圧を出力する。行選択トランジスタM4は、垂直走査回路21から入力された行選択ラインφROW1または行選択ラインφROW2に基づいて、増幅トランジスタM3が出力した電圧を、自行選択トランジスタM4を備える単位画素P011〜P022の出力として出力する。
次に、本第2の実施形態の固体撮像装置の駆動タイミングについて説明する。図6は、本第2の実施形態の固体撮像装置110における駆動タイミングの概略を示したタイミングチャートである。ここでは、左から1列目の画素列(単位画素P011およびP021)の動作に注目し、2行分の画素信号の読み出しを行う駆動タイミングを説明する。なお、左から2列目の画素列(単位画素P012およびP022)の動作は、左から1列目の画素列の動作と並行して同時に行われる。固体撮像装置110の駆動タイミングは、図2に示した第1の実施形態の固体撮像装置100の駆動タイミングと同様に、垂直走査回路21が画素部10の1行目の単位画素P011からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P021からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行うように駆動する。
まず、タイミングt1において、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P011の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P011の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部211は、信号レベルサンプルラインφS1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM402をON状態とする。これにより、単位画素P011の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM402を介して、信号レベル保持容量C402に保持する。
続いて、タイミングt2において、信号保持制御部211は、信号レベルサンプルラインφS1を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM402をOFF状態とし、単位画素P011の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻した、単位画素P011の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P011の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
続いて、垂直走査回路21は、行リセットラインφRST1を“H”レベルとして、単位画素P011のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P011の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
また、同時に、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P021の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P021の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。また、このとき、信号保持制御部211は、信号レベルサンプルラインφS2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM404をON状態とする。これにより、単位画素P021の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM404を介して、信号レベル保持容量C404に保持する。
続いて、タイミングt3において、垂直走査回路21は、行リセットラインφRST1を“L”レベルに戻して、単位画素P011のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P011の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
また、信号保持制御部211は、信号レベルサンプルラインφS2を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM404をOFF状態とし、単位画素P021の信号レベル保持動作を終了する。また、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P021の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P021の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
続いて、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P011の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P011の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部211は、リセットレベルサンプルラインφN1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM401をON状態とする。これにより、単位画素P011の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM401を介して、リセットレベル保持容量C401に保持する。
また、同時に、垂直走査回路21は、行リセットラインφRST2を“H”レベルとして、単位画素P021のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P021の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
続いて、タイミングt4において、信号保持制御部211は、リセットレベルサンプルラインφN1を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM401をOFF状態とし、単位画素P011のリセットレベル保持動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻して、単位画素P011の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P011の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、垂直走査回路21は、行リセットラインφRST2を“L”レベルに戻して、単位画素P021のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P021の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
続いて、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P021の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P021の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。また、このとき、信号保持制御部211は、リセットレベルサンプルラインφN2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM403をON状態とする。これにより、単位画素P021の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号を、サンプル用トランジスタM403を介して、リセットレベル保持容量C403に保持する。
続いて、タイミングt5において、信号保持制御部211は、リセットレベルサンプルラインφN2を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM403をOFF状態とし、単位画素P021のリセットレベル保持動作を終了する。また、さらに、垂直走査回路21は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P021の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P021の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
上記に述べたように、本第2の実施形態における固体撮像装置110では、画素部10の1行目の単位画素P011からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P021からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行う。これにより、画素部1から3行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
より具体的には、単位画素の構成が本第2の実施形態における固体撮像装置110と同様である従来の固体撮像装置において、画素部から2行分の単位画素の画素信号の読み出しに要する時間は、3サイクル×2行の合計6サイクルである。これに対して、本第2の実施形態における固体撮像装置110では、図6に示すように、4サイクル(タイミングt1〜タイミングt5)で、画素部10から2行分の単位画素の画素信号を読み出すことができる。
続いて、タイミングt6以降において、信号保持部4に保持された信号レベルの画素信号と、リセットレベルの画素信号とを出力するために、水平選択スイッチ部5を介したリセットレベルの画素信号と信号レベルの画素信号との読み出し動作を行うが、図2に示した駆動タイミングと同様であるため、説明を省略する。
上記に述べたように、本第2の実施形態における固体撮像装置110では、画素部10の1行目の単位画素P011における信号レベルの画素信号の読み出し動作とリセットレベルの画素信号の読み出し動作との間に、画素部10の2行目の単位画素P021の信号レベルの画素信号の読み出し動作を並列に行う。これにより、画素部10から2行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができ、固体撮像装置110の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。
なお、固体撮像装置110では、2行分の画素信号の読み出し動作を並列に行う場合について説明したが、画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合においても、図6に示した駆動タイミングと同様に考えることにより、画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。この画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合に関しては、図3および図4に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における対応と同様に考えることができるため、説明を省略する。
また、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100および本第2の実施形態の固体撮像装置110では、画素部の各列の垂直信号線に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とを、画素部の行毎にそれぞれ保持するサンプルホールド回路を備えた場合について説明したが、本発明の固体撮像装置および駆動方法では、サンプルホールド回路以外の信号保持回路を備えた固体撮像装置においても、対応することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の実施形態において、異なる信号保持回路を備えた固体撮像装置の場合について説明する。図7は、本第3の実施形態による固体撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図7において、固体撮像装置120は、4つのトランジスタを含む単位画素P11〜P22を行方向および列方向(図7においては、2行2列)に二次元的に配置した画素部1と、画素部1の読出し行を選択する垂直走査回路22と、画素部1にバイアス電流を供給する電流供給部3と、画素部1の各列から出力された画素信号に基づいて、画素部1の行毎に画素信号の信号レベルとリセットレベルとの差分処理をそれぞれ行う差分処理部41と、差分処理部41から出力された差分信号を選択して出力する水平選択スイッチ部51と、水平選択スイッチ部51が選択して出力する固体撮像装置120の読出し列を選択する水平走査回路6および水平走査回路7と、から構成される。また、垂直走査回路22は、画素部1から出力された画素信号を差分処理部41によって差分処理させる制御信号を出力する信号保持制御部221を備えている。
固体撮像装置120は、これらの構成によって、画素部1から出力される信号成分の信号からノイズ成分の信号を除去した差分信号を、それぞれの単位画素P11〜P22に対応した複数の出力ライン511〜514に出力する。図7においては、単位画素P11〜P22の差分信号を出力端子VOUT1〜VOUT4に出力する構成を示している。
なお、図7に示した本第3の実施形態における固体撮像装置120は、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における信号保持部4が、差分処理部41に変更されている。また、この変更に伴って、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における水平選択スイッチ部5が水平選択スイッチ部51に、垂直走査回路2が垂直走査回路22にそれぞれ変更されているのみである。従って、図7に示した本第3の実施形態における固体撮像装置120の構成要素において、図1に示した第1の実施形態の固体撮像装置100と同様の構成要素には、同一の符号を付加して説明を省略する。
差分処理部41は、垂直走査回路22に備えた信号保持制御部221から入力されサンプルラインφSH1,φSH2と、クランプラインφCL1,φCL2に応じて、画素部1の各列の垂直信号線V1および垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれる信号成分とノイズ成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を、画素部1の行毎にそれぞれ保持する。図7においては、2行分の差分信号を画素信号として保持する構成を示している。
差分処理部41内には、サンプル用トランジスタM411,M413と、クランプ用トランジスタM412,M414と、クランプ用容量C411,C413と、ホールド用容量C412,C414とを備える差分処理回路CDS1および差分処理回路CDS2を、画素部1の列毎に備えている。
差分処理回路CDS1は、画素部1の1列目の単位画素P11および単位画素P21から垂直信号線V1に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を保持する。また、差分処理回路CDS2は、画素部1の2列目の単位画素P12および単位画素P22から垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を保持する。
クランプ用容量C411は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH1に応じて、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12のリセットレベルに応じた電圧を保持する。ホールド用容量C412は、信号保持制御部221から入力されたクランプラインφCL1に応じて、基準電圧ラインREFの電圧値VREFを保持する。また、ホールド用容量C412は、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12の画素信号に含まれる信号成分とノイズ成分とに基づいた差分信号を保持する。クランプ用容量C413は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH2に応じて、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22のリセットレベルに応じた電圧を保持する。ホールド用容量C414は、信号保持制御部221から入力されたクランプラインφCL2に応じて、基準電圧ラインREFの電圧値VREFを保持する。また、ホールド用容量C412は、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22の画素信号に含まれる信号成分とノイズ成分とに基づいた差分信号を保持する。
水平選択スイッチ部51は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1、および水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、差分処理部41に保持された差分信号を、単位画素P11〜P22に対応したそれぞれの出力ライン511〜514を介して、出力端子VOUT1〜VOUT4に出力する。
水平選択スイッチ部51内には、水平選択トランジスタM511〜M514を備えている。水平選択トランジスタM511は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、差分処理回路CDS1内のホールド用容量C412に保持されている単位画素P11の差分信号を読み出し、出力ライン511を介して、出力端子VOUT1に出力する。水平選択トランジスタM512は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、差分処理回路CDS1内のホールド用容量C414に保持されている単位画素P21の差分信号を読み出し、出力ライン512を介して、出力端子VOUT2に出力する。
同様に、水平選択トランジスタM513は、水平走査回路6から入力される水平信号読出しラインφH1に応じて、差分処理回路CDS2内のホールド用容量C412に保持されている単位画素P12の差分信号を読み出し、出力ライン513を介して、出力端子VOUT3に出力する。水平選択トランジスタM514は、水平走査回路7から入力される水平信号読出しラインφH2に応じて、差分処理回路CDS2内のホールド用容量C414に保持されている単位画素P22の差分信号を読み出し、出力ライン514を介して、出力端子VOUT4に出力する。
次に、本第3の実施形態の固体撮像装置の駆動タイミングについて説明する。図8は、本第3の実施形態の固体撮像装置120における駆動タイミングの概略を示したタイミングチャートである。ここでは、左から1列目の画素列(単位画素P11およびP21)の動作に注目し、2行分の画素信号の読み出しを行う駆動タイミングを説明する。なお、左から2列目の画素列(単位画素P12およびP22)の動作は、左から1列目の画素列の動作と並行して同時に行われる。固体撮像装置120の駆動タイミングは、図2に示した第1の実施形態の固体撮像装置100の駆動タイミングと同様に、垂直走査回路22が画素部1の1行目の単位画素P11からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P21からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行うように駆動する。
まず、タイミングt1において、垂直走査回路22は、行リセットラインφRST1を“H”レベルとして、単位画素P11のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。その後、タイミングt2において、垂直走査回路22は、行リセットラインφRST1を“L”レベルに戻して、単位画素P11のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
続いて、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P11の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3から、単位画素P11のリセットレベルの画素信号が、垂直信号線V1に出力される。また、このとき、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH1を“H”レベル、クランプラインφCL1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM411およびクランプ用トランジスタM412をON状態とする。これにより、クランプ用容量C411には、単位画素P11の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号に応じた電圧が保持される。また、サンプル容量C412には、基準電圧ラインREFの電圧値VREFが保持される。
また、同時に、垂直走査回路22は、行リセットラインφRST2を“H”レベルとした、単位画素P21のリセットトランジスタM2をON状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3のゲート端子がリセットされる。
続いて、タイミングt3において、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH1を“L”レベル、クランプラインφCL1を“L”レベルに戻すことによって、サンプル用トランジスタM411およびクランプ用トランジスタM412をOFF状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号のクランプ動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、垂直走査回路22は、行リセットラインφRST2を“L”レベルに戻して、単位画素P21のリセットトランジスタM2をOFF状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3のゲート端子のリセット動作を終了する。
続いて、垂直走査回路22は、行転送ラインφTR1を“H”レベルとして、単位画素P11の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P11のフォトダイオードPD1の信号電荷が増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
また、同時に、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P21の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを接続する。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3から、単位画素P21のリセットレベルの画素信号が、垂直信号線V1に出力される。また、このとき、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH2を“H”レベル、クランプラインφCL2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM413およびクランプ用トランジスタM414をON状態とする。これにより、クランプ用容量C413には、単位画素P21の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号に応じた電圧が保持される。また、サンプル容量C414には、基準電圧ラインREFの電圧値VREFが保持される。
続いて、タイミングt4において、垂直走査回路22は、行転送ラインφTR1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P11のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。また、このとき、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH2を“L”レベル、クランプラインφCL2を“L”レベルに戻すことによって、サンプル用トランジスタM413およびクランプ用トランジスタM414をOFF状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3から出力されるリセットレベルの画素信号のクランプ動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
続いて、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW1を“H”レベルとして、単位画素P11の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3から、単位画素P11の信号レベルの画素信号が、垂直信号線V1に出力される。また、このとき、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH1を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM411をON状態とする。これにより、ホールド用容量C412には、画素単位で発生する固定パターンノイズとKTCノイズが取り除かれた、下式(1)に示す差分信号の電圧VC412が保持される。
上式(1)において、VREFは基準電圧ラインREFの電圧値、CC412はホールド用容量C412の容量値、CC411はクランプ用容量C411の容量値、ΔVsig(P11)は垂直信号線V1における単位画素P11の信号レベルとリセットレベルの差電圧を示す。
また、同時に、垂直走査回路22は、行転送ラインφTR2を“H”レベルとして、単位画素P21の行転送トランジスタM1をON状態とする。これにより、単位画素P21のフォトダイオードPD1の信号電荷を増幅トランジスタM3のゲート端子に転送される。
続いて、タイミングt5において、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH1を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM411をOFF状態とし、単位画素P11の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号のサンプル動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW1を“L”レベルに戻して、単位画素P11の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P11の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
また、垂直走査回路22は、行転送ラインφTR2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行転送トランジスタM1をOFF状態とし、単位画素P21のフォトダイオードPD1の信号電荷の転送を終了する。
続いて、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW2を“H”レベルとして、単位画素P21の行選択トランジスタM4をON状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1とを再び接続する。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3から、単位画素P21の信号レベルの画素信号が、垂直信号線V1に出力される。また、このとき、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH2を“H”レベルとして、サンプル用トランジスタM413をON状態とする。これにより、ホールド用容量C414には、画素単位で発生する固定パターンノイズとKTCノイズが取り除かれた、下式(2)に示す差分信号の電圧VC414が保持される。
上式(2)において、VREFは基準電圧ラインREFの電圧値、CC414はホールド用容量C414の容量値、CC413はクランプ用容量C413の容量値、ΔVsig(P21)は垂直信号線V1における単位画素P21の信号レベルとリセットレベルの差電圧を示す。
続いて、タイミングt6において、信号保持制御部221は、サンプルラインφSH2を“L”レベルに戻すことによってサンプル用トランジスタM413をOFF状態とし、単位画素P21の増幅トランジスタM3から出力される信号レベルの画素信号のサンプル動作を終了する。また、このとき、垂直走査回路22は、行選択ラインφROW2を“L”レベルに戻して、単位画素P21の行選択トランジスタM4をOFF状態とする。これにより、単位画素P21の増幅トランジスタM3と垂直信号線V1との接続が切り離される。
上記に述べたように、本第3の実施形態における固体撮像装置120では、画素部1の1行目の単位画素P11からの画素信号の読み出し動作と、2行目の単位画素P21からの画素信号の読み出し動作とを時分割で行う。これにより、画素部1から2行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
より具体的には、本第3の実施形態における固体撮像装置120と同様の構成である従来の固体撮像装置において、画素部から2行分の単位画素の画素信号の読み出しに要する時間は、4サイクル×2行の合計8サイクルである。これに対して、本第3の実施形態における固体撮像装置120では、図8に示すように、5サイクル(タイミングt1〜タイミングt6)で、画素部1から2行分の単位画素の画素信号を読み出すことができる。
続いて、タイミングt7以降において、差分処理部41に保持された差分信号を出力するために、以下の動作を行う。差分処理部41から出力ライン511〜514への信号読出しは、水平走査回路6および水平走査回路7によって選択される水平選択スイッチ部51を介して行われる。
まず、タイミングt7において、水平走査回路6は、水平信号読出しラインφH1を“H”レベルとして、水平選択トランジスタM511とM513とをON状態とする。これにより、差分処理回路CDS1内のホールド用容量C412に保持されている単位画素P11の差分信号が出力ライン511(出力端子VOUT1)に読み出される。また、差分処理回路CDS2内のホールド用容量C412に保持されている単位画素P12の差分信号が出力ライン513(出力端子VOUT3)に読み出される。
続いて、タイミングt8において、水平走査回路7は、水平信号読出しラインφH2を“H”レベルとして、水平選択トランジスタM512とM514とをON状態とする。これにより、差分処理回路CDS1内のホールド用容量C414に保持されている単位画素P21の差分信号が出力ライン512(出力端子VOUT2)に読み出される。また、差分処理回路CDS2内のホールド用容量C414に保持されている単位画素P22の差分信号が出力ライン514(出力端子VOUT4)に読み出される。
上記に述べたように、本第3の実施形態における固体撮像装置120では、画素部1の1行目の単位画素P11におけるリセットレベルの画素信号の読み出し動作と信号レベルの画素信号の読み出し動作との間に、画素部1の2行目の単位画素P21のリセットレベルの画素信号の読み出し動作を並列に行う。これにより、画素部1から2行分の画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができ、固体撮像装置120の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。
また、本第3の実施形態における固体撮像装置120では、差分処理部41によって、画素部1の行毎に画素信号の信号レベルとリセットレベルとの差分処理を行うことができる。これにより、画素単位で発生する固定パターンノイズとKTCノイズを除去した差分信号を固体撮像装置120の画像信号として読み出すことができ、高品質な画像信号を得ることができる。
なお、固体撮像装置120では、2行分の画素信号の読み出し動作を並列に行う場合について説明したが、画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合においても、図8に示した駆動タイミングと同様に考えることにより、画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。この画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合に関しては、図3および図4に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における対応と同様に考えることができるため、説明を省略する。
また、固体撮像装置120では、画素部1内に4つのトランジスタを含む単位画素を備えた場合について説明したが、本発明の固体撮像装置および駆動方法では、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が変わった場合においても、対応することができる。なお、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が変わった場合に関しては、図5および図6に示した第2の実施形態の固体撮像装置110と同様に考えることができるため、説明を省略する。
また、固体撮像装置120では、差分処理部41を備えた場合について説明したが、本発明の固体撮像装置および駆動方法では、差分処理部41以外の差分処理部を備えた固体撮像装置においても、対応することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の実施形態において、異なる差分処理部を備えた固体撮像装置の場合について説明する。図9は、本第4の実施形態による固体撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図9において、固体撮像装置130は、4つのトランジスタを含む単位画素P11〜P22を行方向および列方向(図7においては、2行2列)に二次元的に配置した画素部1と、画素部1の読出し行を選択する垂直走査回路22と、画素部1にバイアス電流を供給する電流供給部3と、画素部1の各列から出力された画素信号に基づいて、画素部1の行毎に画素信号の信号レベルとリセットレベルとの差分処理をそれぞれ行い、差分処理を行った差分信号を増幅する非反転増幅回路を含んだ差分処理部42と、差分処理部42から出力された差分信号を選択して出力する水平選択スイッチ部51と、水平選択スイッチ部51が選択して出力する固体撮像装置130の読出し列を選択する水平走査回路6および水平走査回路7と、から構成される。また、垂直走査回路22は、画素部1から出力された画素信号を差分処理部42によって差分処理させる制御信号を出力する信号保持制御部221を備えている。
固体撮像装置130は、これらの構成によって、画素部1から出力される信号成分の信号からノイズ成分の信号を除去した差分信号を増幅し、それぞれの単位画素P11〜P22に対応した複数の出力ライン511〜514に出力する。図9においては、単位画素P11〜P22の増幅した差分信号を出力端子VOUT1〜VOUT4に出力する構成を示している。
なお、図9に示した本第4の実施形態における固体撮像装置130は、図7に示した第3の実施形態の固体撮像装置120における差分処理部41が、差分処理部42に変更されているのみである。従って、図9に示した本第4の実施形態における固体撮像装置130の構成要素において、図7に示した第3の実施形態の固体撮像装置120と同様の構成要素には、同一の符号を付加して説明を省略する。
差分処理部42は、垂直走査回路22に備えた信号保持制御部221から入力されサンプルラインφSH1,φSH2と、クランプラインφCL1,φCL2に応じて、画素部1の各列の垂直信号線V1および垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれる信号成分とノイズ成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を、非反転増幅回路によって増幅する。そして、増幅した差分信号を、画素部1の行毎にそれぞれ保持する。図9においては、2行分の増幅した差分信号を画素信号として保持する構成を示している。
差分処理部42内には、サンプル用トランジスタM411,M413,M426,M428と、クランプ用トランジスタM412,M414と、クランプ用容量C411,C413と、ホールド用容量C412,C414と、反転入力容量C425,C427と、帰還容量C426,C428と、帰還容量短絡トランジスタM425,M427と、オペアンプOP421,OP422とを備える差分処理回路CDS21および差分処理回路CDS22を、画素部1の列毎に備えている。
差分処理回路CDS21は、画素部1の1列目の単位画素P11および単位画素P21から垂直信号線V1に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を、非反転増幅回路によって増幅して保持する。また、差分処理回路CDS22は、画素部1の2列目の単位画素P12および単位画素P22から垂直信号線V2に出力された画素信号に含まれるノイズ成分と信号成分とに基づいた差分処理を行った差分信号を、非反転増幅回路によって増幅して保持する。
クランプ用容量C411は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH1およびクランプラインφCL1に応じて、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12の画素信号と、基準電圧ラインREFの電圧値VREFとの差電圧を保持する。ホールド用容量C412は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH1に応じて、オペアンプOP421によって増幅された画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12の差分信号を保持する。クランプ用容量C413は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH2およびクランプラインφCL2に応じて、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22の画素信号と、基準電圧ラインREFの電圧値VREFとの差電圧を保持する。ホールド用容量C414は、信号保持制御部221から入力されたサンプルラインφSH2に応じて、オペアンプOP422によって増幅された画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22の差分信号を保持する。
反転入力容量C425と帰還容量C426とオペアンプOP421とは、信号保持制御部221から入力されたクランプラインφCL1に応じて、画素部1の1行目の単位画素P11または単位画素P12の差分信号を増幅する非反転増幅回路を構成する。反転入力容量C427と帰還容量C428とオペアンプOP422とは、信号保持制御部221から入力されたクランプラインφCL2に応じて、画素部1の2行目の単位画素P21または単位画素P22の差分信号を増幅する非反転増幅回路を構成する。この非反転増幅回路の増幅率(ゲイン)Gは、下式(3)で示される。
上式(3)において、CINは反転入力容量C425とC427とを同じ容量としたときの容量値、CFは帰還容量C426とC428とを同じ容量としたときの容量値を示す。
本第4の実施形態の固体撮像装置130における駆動タイミングは、図8に示した第3の実施形態の固体撮像装置120の駆動タイミングと同様であるため、説明を省略する。
ただし、図8に示した第3の実施形態の固体撮像装置120の駆動タイミングにおいて、タイミングt4およびタイミングt5のときに、ホールド用容量C412およびホールド用容量C414に保持される、画素単位で発生する固定パターンノイズとKTCノイズが取り除かれた、すなわち、ノイズ抑圧後の電圧は、下式(4)および下式(5)で示される。
上式(4)および上式(5)において、VREFは基準電圧ラインREFの電圧値、CINは反転入力容量C425とC427とを同じ容量としたときの容量値、CFは帰還容量C426とC428とを同じ容量としたときの容量値、ΔVsig(P11)は垂直信号線V1における単位画素P11の信号レベルとリセットレベルの差電圧、ΔVsig(P21)は垂直信号線V1における単位画素P21の信号レベルとリセットレベルの差電圧を示す。
上記に述べたように、本第4の実施形態における固体撮像装置130では、第3の実施形態における固体撮像装置120と同様に、画素部1の画素信号の読み出し動作を並列に行うことによって、画素部1の読み出しにかかる時間を短縮し、固体撮像装置120の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。また、差分処理部42によって、画素部1の行毎に画素信号の差分処理を行うことによって、画素単位で発生する固定パターンノイズとKTCノイズを除去した差分信号を画像信号として読み出すことができる。
また、本第4の実施形態における固体撮像装置130では、差分処理部42によって、差分信号を増幅することができる。これにより、画素部1から出力される画素信号の振幅(例えば、式(4)における差電圧:ΔVsig(P11))よりも大きい振幅の画像信号を出力することができる。より具体的には、第3の実施形態における固体撮像装置120では、式(1)および式(2)に示したように、画素部1から出力される画素信号の振幅に、例えば、式(1)の係数=(CC412/(CC411+CC412))がかかるため、画素部1から出力される画素信号の振幅よりも小さい振幅の画像信号が出力されていた。本第4の実施形態における固体撮像装置130では、式(3)に示したゲインによって増幅することができるため、画素部1から出力される画素信号の振幅よりも大きい振幅の画像信号を出力することができる。これにより、差分処理部42以降で発生するノイズの影響を抑えることができ、固体撮像装置130の画像信号のS/N(Signal−to−Noise ratio)を改善することができる。
なお、差分処理部42に含まれる増幅回路の形式は、各種の変形が可能である。例えば、反転入力抵抗と帰還抵抗とでゲインを決める回路形式でも良い。また、非反転増幅回路に限定されるものではなく、反転増幅回路を使用することもできる。
なお、固体撮像装置130では、2行分の画素信号の読み出し動作を並列に行う場合について説明したが、画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合においても、図8に示した駆動タイミングと同様に考えることにより、画素信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。この画素信号の読み出し動作を並列に行う行数が更に増えた場合に関しては、図3および図4に示した第1の実施形態の固体撮像装置100における対応と同様に考えることができるため、説明を省略する。
また、固体撮像装置130では、画素部1内に4つのトランジスタを含む単位画素を備えた場合について説明したが、本発明の固体撮像装置および駆動方法では、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が変わった場合においても、対応することができる。なお、画素部内の単位画素の構成要素と駆動方法が変わった場合に関しては、図5および図6に示した第2の実施形態の固体撮像装置110と同様に考えることができるため、説明を省略する。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、画素部内の1つの行の単位画素の読み出し動作と画素部内の次の行の単位画素の読み出し動作とを時分割で行うことができる。そして、画素部内の1つの行の単位画素におけるリセットレベルまたは信号レベルの画素信号の読み出し動作と、信号レベルまたはリセットレベルの画素信号の読み出し動作との間に、他の行の単位画素のリセットレベルまたは信号レベルの画素信号の読み出し動作を並列に行うことができる。これにより、画素部から複数行分の画素信号を読み出す際の読み出しにかかる時間を短縮することができ、固体撮像装置の画像信号の読み出しの更なる高速化を実現することができる。
なお、本発明における回路構成および駆動方法の具体的な構成は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更をすることができる。例えば、n行とn+2行などの隣り合わない行の読出し動作にも対応することもできる。また、加えて、単位画素の構成要素および駆動方法が変わった場合においても、垂直走査回路、信号保持制御部、信号保持部、および差分処理部の回路構成や駆動方法を変更することによって対応することができる。
また、本実施形態においては、単位画素の行方向および列方向の配置に関して、例えば、2行2列の例を示したが、単位画素の行方向および列方向の配置は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において単位画素を配置する行方向および列方向の数を変更することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。