JP2005273917A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動力伝達装置の軸方向寸法を短縮することができ、従動側回転体と回転装置の回転軸とのガタ付きを解消する。
【解決手段】 従動側回転体に設けられ、過負荷トルクが生じた際に優先的に破損する破損部と、前記破損部よりも内周側の前記従動側回転体に設けられ、前記回転装置の回転軸と螺合するねじ部と、前記破損部よりも内周側の前記従動側回転体に設けられ、前記ねじ部を締め付け固定するための締め付け工具が係合する係合部とを備えるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動源から回転装置の回転軸へ回転動力を伝達する動力伝達装置に関するもので、特に回転装置の回転軸がロックする等の過負荷トルクが生じると、駆動源から回転装置の回転軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を備えた動力伝達装置に係わる。
従来より、例えば0%容量まで冷媒の吐出容量を変化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機を備えた冷凍サイクルでは、エンジンから冷媒圧縮機の駆動軸へ回転動力(トルク)の伝達を断続するクラッチ機構が不要となる。しかるに、クラッチ機構を廃止した場合には、冷媒圧縮機が焼き付き故障を生起する等して冷媒圧縮機の駆動軸のロックが発生すると、通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じる。それによって、冷媒圧縮機の駆動軸を駆動するためのプーリの回転が止まるので、エンジンに駆動されるベルトが滑り、ベルトに摩耗が生じ、ベルトが発熱する等してベルトが破断する可能性がある。
そこで、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする等の過負荷トルクが生じ、プーリと冷媒圧縮機の駆動軸との間に設定トルク以上のトルク差が生じると、エンジンから冷媒圧縮機の駆動軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を備えた自動車空調用圧縮機の動力伝達装置(特開平11−257369号公報等)が提案されている。この動力伝達装置としては、エンジンによりベルト駆動されるプーリ、このプーリに固定されたアウタハブ、このアウタハブとの間にゴム系の弾性体を介して連結されたフランジ部材、冷媒圧縮機の駆動軸に連結されたインナハブ、およびフランジ部材とインナハブとの間に設けられた多板式の摩擦部材とを備えている。
ところが、従来の動力伝達装置においては、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする等の過負荷トルクが生じると、エンジンから冷媒圧縮機の駆動軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を、フランジ部材とインナハブとの間に新たに追加して設けられた多板式の摩擦部材によって構成しているが、この従来構造においては、トルクリミッタ機構が複雑な構造となると共に、部品点数や組付工数が多く、製品コストを上昇させるという問題が生じている。さらに、摩擦力によってリミッタ作動トルクが決まるため、油または水がかかる等、使用環境によるリミッタ作動トルクのバラツキが大きいという懸念も生じている。
本発明の目的は、従動側回転体それ自体に簡易な構造のトルクリミッタ機構を設けることにより、あるいは、従動側回転体それ自体にトルクリミッタ機能を持たせることにより、駆動側回転体および従動側回転体の他に新たに部品を追加する必要のない動力伝達装置を提供することにある。また、従動側回転体それ自体にトルクリミッタ機構を有する点と、使用環境に左右されず安定したリミッタ作動トルクで破損部が破損する点を兼ね備えた動力伝達装置を得ることを目的とする。また、塑性的性質を有する材料で、応力集中する構成では、リミッタ作動トルクが上昇するという問題に対し、塑性歪みの小さい材料を用いるか、あるいは熱処理にて塑性歪みを小さくすることにより、リミッタ作動トルクを低減することのできる動力伝達装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、回転装置の回転軸に結合される従動側回転体に、その従動側回転体に通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部を設けている。これにより、駆動源から回転装置の回転軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構が簡易な構造で実現することができる。それによって、トルクリミッタ機構を構成するために駆動側回転体および従動側回転体の他に新たに部品を追加する必要はない。この結果、動力伝達装置全体の部品点数および組付工数を軽減できるので、動力伝達装置の製品コストを低減することができ、さらに破損部よりも内周側の従動側回転体に、回転装置の回転軸の外周に設けられた外周ねじ部に螺合する内周ねじ部と、該ねじ部を回転装置の回転軸に従動側回転体を締め付け固定するための締め付け工具が係合する係合部を設けることにより、破損部位よりも内径側の部位が回転装置の回転軸より外れることを防止できるとともに従動側回転体と回転装置の回転軸とのガタ付きを解消することができる。
また、請求項2に記載の発明は、従動側回転体の内輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいは従動側回転体の外輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいは従動側回転体のブリッジ部の途中に、従動側回転体に過負荷トルクが生じた際に優先的に破損する破損部を設けている。
また、請求項3に記載の発明によれば、回転装置の回転軸の外周側に結合されるインナハブ、およびこのインナハブの外周側に設けられたアウタハブによって従動側回転体が構成され、インナハブのアウタハブとの結合部に、周方向に所定の間隔で複数の穴部を設けることにより、インナハブとアウタハブとの結合力を高めることができる。
また、請求項4に記載の発明は、従動側回転体は、ブリッジ部が設けられたインナハブと、ゴム系弾性体が装着されて駆動側回転体に接続するアウタハブよりなる。
また、請求項5に記載の発明によれば、ブリッジ部が、回転装置の回転軸の軸方向に平行な軸線に対して傾斜している。これにより、例えばその傾斜を回転装置側が小径となるように設けることにより、従動側回転体に過負荷トルクを受けて破損した後に、その破損部よりも外径側の部位が駆動側回転体より外れることを防止できる。
また、請求項6に記載の発明によれば、破損部として、ブリッジ部の所定の位置に切欠き部を設けることにより、切欠き部付近の引張り力方向がより周接線方向に対し、垂直になり、すなわち、亀裂が周接線方向に入り、破損し易くなる。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、破損部として、ブリッジ部の所定の位置に溝部を設けることにより、溝部の応力が高くなり、確実に溝部で亀裂が生じると共に、溝部に対し内輪部の強度が高いため、亀裂がより周接線方向に沿って進展する。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、インナハブの内輪部または外輪部の強度をブリッジ部の強度と比べて高く設定している。
また、請求項9に記載の発明によれば、インナハブの内輪部または外輪部の厚さをブリッジ部の厚さと比べて大きく設定している。これらにより、内輪部または外輪部の強度がブリッジ部よりも高くなり、亀裂が強度の弱い方向に沿って進展する。したがって、使用環境に左右されず、より確実にブリッジ部の所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、インナハブのブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに従って連続的または段階的に小さくした幅狭部、あるいはブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに従って連続的または段階的に大きくした幅広部を設けることにより、ブリッジ部に絞り部が形成される。これにより、絞り部にはブリッジ部の曲げによる応力よりも、剪断応力が強く働き、より周接線方向に破損する。したがって、使用環境に左右されず、より確実にブリッジ部の所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項11に記載の発明によれば、破損部として、ブリッジ部の途中、あるいは内輪部、あるいはブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ目に穴部を設けることにより、応力が穴部近傍に集中し、穴部に向かって亀裂が進展する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項12に記載の発明によれば、破損部として、ブリッジ部の外周側に外径側切欠き部を設け、この外径側切欠き部よりも内周側に内径側切欠き部を設けることにより、リミッタ作動トルクが働くと、亀裂が外径側切欠き部から内径側切欠き部に向かって進展する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項13に記載の発明によれば、ブリッジ部に、第1番目に発生応力が大きくなる部位、および第2番目に発生応力が大きくなる部位を設けていることにより、第1番目に発生応力が大きくなる部位に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、ブリッジ部がブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ目を支点にして回転方向に倒れ込むが、同時に第2番目に発生応力が大きくなる部位に亀裂が入り、最終的にブリッジ部は内輪部または外輪部から欠落し、つっぱりによってリミッタ作動トルクが上昇することはなく、所定のトルクでトルクリミッタ機構が作動する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができ、さらに第1番目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と内輪部との継ぎ目付近に第1切欠き部を設けており、第2番目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と外輪部との継ぎ目付近に第2切欠き部を設けている。
また、請求項14に記載の発明によれば、インナハブのブリッジ部を、半径方向に対して回転方向側へ所定の角度だけ傾けることにより、ブリッジ部と内輪部との継ぎ目を支点にして、ブリッジ部が回転方向に倒れ込む時、それを外輪部によって阻止する力が外輪部とブリッジ部との継ぎ目に働かず、所定のトルクよりも大きなリミッタ作動トルクが発生しない。
また、請求項15に記載の発明によれば、所定の角度は、ブリッジ部の内輪部側で、且つ回転方向側の端点とその対角上にある端点とを結ぶ直線が、回転方向側の端点を支点として前記インナハブが回転した時、外輪部に食い込まないように設定することが望ましい。
さらに、請求項16に記載の発明によれば、インナハブの回転方向に対し反対側の面は直線で切欠きが無く、回転方向側の面は外周に向かってブリッジ幅が徐々に大きくなる構成としても良い。そして、請求項17に記載の発明によれば、インナハブの回転方向側の面に所定の大きさの切欠きを設けることが望ましい。
また、請求項17に記載の発明は、インナハブが回転方向側の面に所定の大きさの切欠きを有していることを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明によれば、ブリッジ部を、内輪部の接線方向に傾斜させるようにしても良い。
また、請求項19に記載の発明によれば、軟窒化処理をインナハブに施すことにより、リミッタ作動トルクを低減できる。
また、請求項20に記載の発明は、駆動源から回転動力を受けて回転する駆動側回転体と、駆動側回転体と連結するとともに、回転装置の回転軸に結合される従動側回転体とを備え、駆動側回転体の回転を従動側回転体に伝達する動力伝達装置において、従動側回転体は、その従動側回転体に過負荷トルクが生じた際に優先的に破損する破損部が設けられたインナハブと、ゴム系弾性体が装着されて駆動側回転体に接続するアウタハブとを有し、インナハブは、駆動側回転体と連結する内輪部、この内輪部よりも外周側に配される外輪部、および内輪部の外周と外輪部の内周とを連結するブリッジ部を有し、破損部は、内輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいは外輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいはブリッジ部の途中に設けられていることを特徴とする。
これにより、駆動源から回転装置の回転軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構が簡易な構造で実現することができ、トルクリミッタ機構を構成するために駆動側回転体および従動側回転体の他に新たに部品を追加する必要はない。この結果、動力伝達装置全体の部品点数および組付工数を軽減できるので、動力伝達装置の製品コストを低減することができる。
また、請求項21に記載の発明によれば、従動側回転体を構成する樹脂製のアウタハブにインサート成形された金属製のインナハブに、そのインナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部を設けている。これにより、駆動源から回転装置の回転軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構が簡易な構造で実現することができる。それによって、トルクリミッタ機構を構成するために駆動側回転体および従動側回転体の他に新たに部品を追加する必要はない。この結果、動力伝達装置全体の部品点数および組付工数を軽減できるので、動力伝達装置の製品コストを低減することができる。
また、請求項22に記載の発明によれば、従動側回転体に設けられたディスクカバーによって、破損部を有するインナハブの軸方向の一端面が覆われているので、リミッタ作動後に生成されるインナハブの破片の飛散を防止することができる。また、ディスクカバーに、インナハブの軸方向の一端面より所定の隙間を隔てて配設されて、インナハブの軸方向の一端面に対向するように凸状の環状部を設けることにより、リミッタ作動後に生成されるインナハブの破断部とディスクカバーとが接触することはなく、リミッタ作動トルクに影響が出ることはない。
また、請求項23に記載の発明によれば、ディスクカバーに、従動側回転体を回転装置の回転軸へ取り付けるためのハブ取付治具が係合または挿通可能な穴部を設けている。
また、請求項24に記載の発明によれば、駆動側回転体の軸方向の一端面に設けられた凹状嵌合部と、従動側回転体を構成するアウタハブの軸方向の他端面に設けられた凸状嵌合部との間に、弾性変形が可能なゴム系弾性体を装着することにより、駆動側回転体から従動側回転体へのトルク変動を吸収することができる。
また、請求項25に記載の発明によれば、駆動側回転体の凹状嵌合部の内面の一部に凹部を設け、ゴム系弾性体の外面の一部に凸部を設け、従動側回転体を構成するアウタハブの凸状嵌合部の外面の一部に突起部を設けている。そして、ゴム系弾性体の凸部を凹状嵌合部の凹部に嵌め込むことで、ゴム系弾性体が駆動側回転体に保持される。また、ゴム系弾性体とアウタハブの凸状嵌合部とを、駆動側回転体の凹状嵌合部に圧入することで、凸状嵌合部に設けられた突起部がゴム系弾性体に押し付けられて駆動側回転体の凹状嵌合部内に保持される。
また、請求項26に記載の発明は、インナハブは、ブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに従って連続的または段階的に小さくした幅狭部、あるいはブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに従って連続的または段階的に大きくした幅広部を有していることを特徴とする。
また、請求項27に記載の発明によれば、インナハブのアウタハブとの結合部には、周方向に所定の間隔で、アウタハブとの結合力を高めるための複数の穴部が設けられていることを特徴とすることにより、インナハブとアウタハブとの結合力を高めることができる。
また、請求項28に記載の発明は、破断部を回転装置の回転軸の軸方向に平行な軸線に対して傾斜していることを特徴とする。これにより、例えばその傾斜を回転装置側が小径となるように設けることにより、従動側回転体に過負荷トルクを受けて破損した後に、その破損部よりも外径側の部位が駆動側回転体より外れることを防止できる。
以下、発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
〔第1実施例の構成〕
図1ないし図4は本発明の第1実施例を示したもので、図1および図2はコンプレッサプーリ装置を示した図である。
本実施例のコンプレッサプーリ装置は、エンジン(本発明の駆動源に相当する)を搭載する自動車等の車両のエンジンルーム内に配設されて、エンジン補機(以下コンプレッサと言う)へエンジンの回転動力を伝達する動力伝達装置で、後記するトルクリミッタ機構を備えている。
ここで、本実施例で使用されるコンプレッサは、本発明の回転装置に相当するもので、車両用空調装置の冷凍サイクルの一構成部品である。このコンプレッサは、冷媒圧縮部(図示せず)と、0%容量まで冷媒の吐出容量を変化させることが可能な吐出容量可変手段(図示せず)と、冷媒圧縮部および吐出容量可変手段を収容する円筒形状のコンプレッサハウジング(以下ハウジングと略す)1とから構成された可変容量型冷媒圧縮機である。
ハウジング1は、例えばコンプレッサプーリ装置側から順に、フロントハウジング、シリンダおよびリヤハウジング等よりなる。そして、冷媒圧縮部は、シャフト2を回転させることにより吸入した冷媒を圧縮し吐出する。そのシャフト2は、本発明の回転軸に相当するもので、先端部に外周ねじ部(雄ねじ部)3を有している。
ハウジング1の前端部には、中央部より軸方向外方側に突出するように円筒形状のスリーブ部4が一体的に形成されている。このスリーブ部4は、外周側においてボールベアリング5を保持する軸受保持部である。なお、スリーブ部4の外周には、ボールベアリング5をハウジング1の円環状の段差部分との間に挟み込んだ状態で係止するサークリップ6が嵌め込まれている。
コンプレッサプーリ装置は、エンジンの運転時に常時回転するVプーリ(入力ディスク、ロータ)7と、このVプーリ7からトルクを受けると回転する出力ディスク8と、Vプーリ7と出力ディスク8との間に装着された複数個(本例では6個)のゴムダンパ9とから構成されている。
Vプーリ7は、本発明の駆動側回転体に相当するもので、図3および図4に示したように、例えば鉄系の金属材料、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂材料またはアルミニウム系の金属材料により所定の形状に一体成形されている。このVプーリ7は、エンジンに常時駆動される略円筒形状の筒壁部11、この筒壁部11よりも内径側に設けられた側壁部12、およびこの側壁部12よりも内径側に設けられた軸受保持部13等を有している。
筒壁部11の外周には、多段式のVベルト(図示せず)が掛けられている。このため、筒壁部11の外周には、Vベルトの内周面に形成された複数のV字状溝部に対応した複数のV字状溝部14が形成されている。そして、そのVベルトは、エンジンのクランク軸に取付けられたクランクプーリ(図示せず)に掛け渡されている。なお、Vベルトは、コンプレッサプーリ装置だけでなく、他のエンジン補機類(例えばオルタネータ、エンジン冷却装置のウォータポンプ、パワーステアリング装置の油圧ポンプ等)のVプーリ装置にも共掛けされている。
側壁部12には、図4に示したように、複数個のゴムダンパ9がそれぞれ装着される軸方向穴(本発明の凹状嵌合部に相当する)15が複数個(本例では6個)形成されている。複数個の軸方向穴15は、図3に示したように、周方向に等間隔(例えば60°間隔)で設けられている。軸受保持部13は、ボールベアリング5の外周側を保持する。
出力ディスク8は、本発明の従動側回転体に相当するもので、Vプーリ7の側壁部12よりも前方側で、側壁部12の前壁面に対向するように配置されたハブ部材である。この出力ディスク8は、この出力ディスク8において外周側(外径側)に配された樹脂製のアウタハブ21、およびコンプレッサのシャフト2の外周に結合する金属製のインナハブ22等から構成されている。
アウタハブ21は、例えばナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂またはフェノール系樹脂等の熱硬化性樹脂により所定の形状に一体成形されている。このアウタハブ21の後壁面からは、図1および図4に示したように、図示右側に突出する複数個(本例では6個)のピン部(本発明の凸状嵌合部に相当する)23が周方向に等間隔(例えば60°間隔)で設けられている。
インナハブ22は、例えば焼結金属、鋳鉄またはアルミニウム製鋳物等の金属により一体的に設けられて、アウタハブ21にインサート成形されている。このインナハブ22は、このインナハブ22において内周側(内径側)に配される略円環板状の内輪部(以下インナリングと言う)31、このインナリング31よりも外周側(外径側)に配される略円環板状の外輪部(以下アウタリングと言う)32、およびインナリング31の外周とアウタリング32の内周とを連結する複数個(本例では3個)のブリッジ(本発明のブリッジ部に相当する)33を有している。
インナリング31の中央部の前壁面には、コンプレッサのシャフト2の外周にインナハブ22を締め付け固定するための締め付け工具が係合する六角部(本発明の係合部に相当する)34が形成されている。このインナリング31の内周には、コンプレッサのシャフト2の外周に設けられた外周ねじ部3に螺合する内周ねじ部35が成形されている。
本実施例のアウタリング32および複数個のブリッジ33の表面(本発明の結合部に相当する)は、アウタハブ21を構成する樹脂材料で覆われている。そして、アウタリング32には、アウタハブ21を構成する樹脂材料との結合力を高めるための複数個(本例では12個)の丸穴部36が設けられている。これらの丸穴部36は、周方向に等間隔(例えば30°間隔)で形成されている。
複数個のブリッジ33は、インナリング31の外周面よりアウタリング32の内周面にかけて径方向に放射状に設けられている。これらのブリッジ33は、出力ディスク8のインナハブ22が受けるトルク伝達による応力がその他の箇所に比べて高い複数個(本例では3個)の破損部37を設けている。これらの破損部37は、ブリッジ33のインナリング31側の根元部分に設けられ、周方向に形成された略円弧状の貫通孔38間に設けられている。
これらの破損部37は、出力ディスク8のインナハブ22に通常の伝達トルク(例えば15Nm)よりも非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm)が生じた際に優先的に破損してインナハブ22の外径側と内径側とが分離することで、エンジンからコンプレッサのシャフト2への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を構成する。
また、複数個の破損部37は、図1に示したように、コンプレッサのシャフト2の軸方向に平行な軸線に対してコンプレッサ側が小径となるように傾斜して設けられている。複数個の破損部37は、ブリッジ33の前壁面から後壁面にかけて形成されている。
複数個のゴムダンパ9は、例えば塩素化ブチルゴム、スチレンブタジエンゴムまたは天然ゴム等を略U字形状となるように一体成形されたゴム系の弾性体である。これらのゴムダンパ9は、図4に示したように、アウタハブ21の後壁面より後方側に突出するピン部23が嵌め合わされる凹状の被嵌合部39を有している。複数個のゴムダンパ9は、アウタハブ21のピン部23の外周面とVプーリ7の側壁部12の前壁面に形成された軸方向穴15の内周面との間の横U字状の中空部にそれぞれ圧入または接着等により装着されて、Vプーリ7から出力ディスク8へのトルク変動を吸収する。
〔第1実施例の作用〕
次に、本実施例のコンプレッサプーリ装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
コンプレッサプーリ装置の通常作動時には、出力ディスク8のインナハブ22が駆動可能な状態に保持されている。したがって、エンジンが始動することによりクランク軸が回転し、クランクプーリおよびVベルトを介してVプーリ7の筒壁部11にエンジンの回転動力(トルク)が伝達される。そして、Vプーリ7の側壁部12の軸方向穴15の周方向の内壁面からゴムダンパ9にトルクが伝わり、更に、ゴムダンパ9の凹状の被嵌合部39の内側面から出力ディスク8のアウタハブ21のピン部23の外周面にトルクが伝わる。これにより、アウタハブ21が回転するので、アウタハブ21にインサート成形されたインナハブ22のインナリング31、アウタリング32および複数個のブリッジ33も回転する。
そして、インナハブ22のインナリング31の内周ねじ部35がコンプレッサのシャフト2の外周ねじ部3に螺合しているので、出力ディスク8のインナハブ22に追従してコンプレッサのシャフト2が回転する。このため、コンプレッサが、エバポレータ(冷媒蒸発器)より吸引した冷媒を圧縮して高温、高圧の冷媒ガスをコンデンサ(冷媒凝縮器)に向けて吐出するので、自動車等の車両の車室内の冷房が成される。
ここで、コンプレッサが焼き付き故障を生起する等してコンプレッサのシャフト2のロックが生じると、出力ディスク8の回転が停止したままVプーリ7が回転をし続けようとするため、出力ディスク8のインナハブ22に通常の伝達トルク(例えば15Nm)よりも非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm:衝撃トルク)が発生する。すなわち、出力ディスク8のインナハブ22のインナリング31とアウタリング32との間に設定トルク以上のトルク差が発生すると、インナハブ22のブリッジ33のインナリング31側の根元部分に設けられた複数個の破損部37、つまりトルク伝達による応力がその他の箇所に比べて高い部位に多大な応力が加わり、複数個の破損部37は優先的に破損する(折れる)。
このため、インナハブ22のインナリング31とアウタリング32とが分離され、Vプーリ7、複数個のゴムダンパ9、出力ディスク8のアウタハブ21およびインナハブ22のアウタリング32がインナリング31に対してフリーで自転する。このように、インナハブ22のインナリング31とアウタリング32との間に設定トルク以上のトルク差が発生した時には、ブリッジ33に設けた破損部37が優先的に破損する。つまり、トルクリミッタ機構が作動することにより、Vプーリ7からコンプレッサのシャフト2へのトルクの伝達が遮断されるので、エンジンからコンプレッサのシャフト2への動力伝達経路が遮断される。
なお、破損してインナハブ22のインナリング31およびブリッジ33の内径側より離れた出力ディスク8のアウタハブ21、インナハブ22のアウタリング32およびブリッジ33の外径側は、コンプレッサのシャフト2の軸方向に平行な軸線に対してコンプレッサ側が小径となるように複数個の破損部37が傾斜して設けられている。それによって、出力ディスク8のアウタハブ21、インナハブ22のアウタリング32およびブリッジ33の外径側がVプーリ7の筒壁部11の前端面よりも前方側(図1において図示左側)へ移動することはなく、Vプーリ7の筒壁部11よりも内径側に保持される。したがって、出力ディスク8のアウタハブ21、インナハブ22のアウタリング32およびブリッジ33の外径側は、Vプーリ7の回転に伴って複数個のゴムダンパ9と共に回転する。
〔第1実施例の効果〕
以上のように、本実施例のコンプレッサプーリ装置は、トルクリミッタ機構(破損部37)を、出力ディスク8のアウタハブ21にインサート成形されて、コンプレッサのシャフト2の外周に結合されるインナハブ22のブリッジ33に一体的に設けることにより、コンプレッサプーリ装置の主要部品の他にトルクリミッタ機構を構成する多板の摩擦部材等の新たな部品が不要となる。それによって、コンプレッサプーリ装置に設けられるトルクリミッタ機構を簡易な構造で構成でき、しかも部品点数を低減でき、組付工数を低減できるので、コンプレッサプーリ装置の製品コスト(製品価格)を著しく低減することができる。
また、トルクリミッタ機構を構成する出力ディスク8のインナハブ22のブリッジ33に設けられる複数個の破損部37をVプーリ7の筒壁部11の内径側に収まる軸方向寸法としているので、Vプーリ7の筒壁部11よりも大きくなってしまう多板式の摩擦部材を備えた従来のプーリ装置と比較して、コンプレッサプーリ装置全体の軸方向寸法を縮小化することができ、トルクリミッタ機構を備えたコンプレッサプーリ装置のサイズをコンパクト化(軽量、小型化)することができる。
ここで、トルクリミッタ機構を備えたコンプレッサプーリ装置が、コンプレッサ以外の種々なエンジン補機類(例えばオルタネータ、エンジン冷却装置のウォータポンプ、パワーステアリング装置の油圧ポンプ等)と共通のVベルトにて、エンジンからのトルクが伝達されるように構成されている場合でも、インナハブ22のインナリング31とアウタリング32との間に設定トルク以上のトルク差が発生した時に、トルクリミッタ機構が作動する。これにより、Vベルトの摩耗や破断を防止できるので、自動車等の車両の走行不能という重大な故障を引き起こすことはない。
そして、本実施例のコンプレッサプーリ装置は、出力ディスク8のインナハブ22の中央部の前壁面に形成した六角部34に締め付け工具を係合させて締め付けることによって、コンプレッサのシャフト2の外周ねじ部3と出力ディスク8のインナハブ22の内周ねじ部35とを螺合させることにより、コンプレッサのシャフト2の外周に出力ディスク8のインナハブ22を結合している。それによって、従来のようなコンプレッサのシャフトの外周に設けたアウタスプラインと出力ディスクのインナハブの内周に設けたインナスプラインとのスプライン嵌合に対して、インナハブにシャフトの軸方向の当接部が不要となるので、軸方向寸法を縮小化することができ、トルクリミッタ機構を備えたコンプレッサプーリ装置のサイズをコンパクト化することができる。
また、スプライン嵌合に対してねじ結合はガタ付きを防止することができ、固定用ボルトを廃止することができるので、部品点数を減少できると共に、加工工数を低減できるので、コンプレッサプーリ装置の製品コストを著しく低減することができる。
〔第2実施例〕
図5は本発明の第2実施例を示したもので、コンプレッサプーリ装置を示した図である。
ここで、Vプーリ7を回転自在に支持するためのボールベアリング(ラジアル玉軸受)5付近に水が浸入し、更に、ボールベアリング5の内輪25と外輪26との間に水が浸入してボール等の転動体27が転動する軌道面を腐食させてしまい、ボールベアリング5の耐久寿命を低下させる可能性がある。
そこで、本実施例のコンプレッサプーリ装置では、出力ディスク8のインナハブ22の前方側に、インナハブ22に周方向に複数個(本例では3個)形成された略円弧状の貫通孔38を閉塞するように略円環板形状のシールカバー24を装着している。これにより、このシールカバー24の存在によって、ボールベアリング5の内部およびコンプレッサのシャフト2の外周とハウジング1のスリーブ部4の内周との間に水や油等の異物が浸入することを防止できる。
〔第3実施例〕
図6ないし図9は本発明の第3実施例を示したもので、図6および図7はコンプレッサプーリ装置を示した図である。
本実施例の出力ディスク8は、樹脂製のアウタハブ41の内径側に金属製のインナハブ42をインサート成形している。そのアウタハブ41の後端面からは、第1実施例と同様にして、図8および図9に示したように、図示右側に突出する複数個(本例では6個)の凸状の嵌合部43が周方向に等間隔(例えば60°間隔)で設けられている。
なお、本実施例の複数個のゴムダンパ9は、第1実施例と同様にして、図9に示したように、嵌合部43が嵌め合わされる凹状の被嵌合部39を有している。また、アウタハブ41の内径側には、複数個(本例では3個)の凹み部44が設けられている。これらの凹み部44は、強度の高い樹脂材料が後記するインナハブ42の貫通孔58内に入ると、後記する破損部57が破損し難くなる可能性があるので、アウタハブ41の一部を薄肉化して強度を弱めるために設けられている。
インナハブ42は、第1実施例と同様にして、インナハブ42において内周側(内径側)に配される略円環板状の内輪部(以下インナリングと言う)51、このインナリング51よりも外周側(外径側)に配される略円環板状の外輪部(以下アウタリングと言う)52、およびインナリング51の外周とアウタリング52の内周とを連結する複数個(本例では3個)のブリッジ部(以下ブリッジと言う)53を有している。
インナリング51の中央部の前壁面には、第1実施例と同様にして、締め付け工具が係合する六角部(本発明の係合部に相当する)54が形成されている。このインナリング51の内周には、コンプレッサのシャフト2の外周ねじ部3に螺合する内周ねじ部55が成形されている。本実施例のインナリング51の外径側、アウタリング52および複数個のブリッジ53の表面(本発明の結合部に相当する)は、アウタハブ41を構成する樹脂材料で覆われている。そして、アウタリング52には、樹脂材料との結合力を高めるための複数個(本例では9個)の丸穴部56が設けられている。
複数個のブリッジ53は、インナリング51の外周面よりアウタリング52の内周面にかけて径方向に放射状に設けられている。これらのブリッジ53のインナリング51側の根元部分には、複数個(本例では3個)の破損部57が設けられている。これらの破損部57は、他のブリッジ53と比較して細い部位で、出力ディスク8のインナハブ42が受けるトルク伝達による応力がその他の箇所に比べて高い部位である。
そして、複数個の破損部57は、隣設する2個の貫通孔58の内径側間にそれぞれ設けられている。なお、本実施例の破損部57は、図7ないし9に示されており、上記第1実施形態にて説明した破損部37のように、コンプレッサのシャフト2の軸方向に平行な軸線に対してコンプレッサ側が小径となるように傾斜して設けられ、ブリッジ53のインナリング51側の根元部分の周方向の両側を切り欠いた一対の切欠き部分である。
これらの破損部57は、出力ディスク8のインナハブ42に通常の伝達トルク(例えば15Nm)よりも非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm)が生じた際に、優先的に破損してインナハブ42の外径側と内径側とが分離することで、エンジンからコンプレッサのシャフト2への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を構成する。
〔第4実施例の構成〕
図10ないし図12は本発明の第4実施例を示したもので、図10および図11はコンプレッサプーリ装置の主要構造を示した図で、図12(a)、(b)は本発明の第4実施例のディスクカバーを示した図である。
本実施例のコンプレッサプーリ装置においては、Vプーリ7から複数個のゴムダンパ9を介して回転動力が伝達される出力ディスク8を構成する樹脂製のアウタハブ21の内径側にインサート成形された例えば焼結金属製のインナハブ22の軸方向の一端面(前端面)、特に複数個の破損部(リミッタ破断部)37付近の前端面を覆うように略円環板形状のディスクカバー60が設けられている。このディスクカバー60の外周部には、アウタハブ21の内径側に埋設される被埋設部61が略円環状に設けられている。また、ディスクカバー60の外径側には、複数個(本例では3個)の鍔状部62と複数個(本例では3個)の切欠き部63とが交互に設けられている。
そして、ディスクカバー60の内径側には、インナハブ22の軸方向の一端面より所定の隙間を隔てて、インナハブ22の軸方向の一端面(前端面)に対向して配された凸状の環状部64が設けられている。また、凸状の環状部64には、出力ディスク8をコンプレッサのシャフト2へ取り付けるためのハブ取付治具の係合部が係合可能な複数個(本例では3個)の丸穴部65が、等間隔(例えば120°間隔)で形成されている。さらに、ディスクカバー60の内周部には、コンプレッサのシャフト2の軸方向の一端面(前端面)とディスクカバー60とが干渉しないように丸穴部66が設けられている。
なお、本実施例では、ディスクカバー60の外径側をアウタハブ21の内径側に樹脂によるインサート成形により固定したが、ディスクカバー60の外径側をアウタハブ21の内径側または破損部37よりも外径側のインナハブ22の外径側に締結具を用いて締め付け固定しても良く、また、接着または溶接により接合しても良く、また、かしめ等により機械的に固定しても良い。また、ディスクカバー60の材質については、破片を保持できる強度を持つものである以外に何ら制約はなく、例えば鉄系金属、アルミニウム合金、66ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂材料またはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂材料等が考えられる。
さらに、ボールベアリング5等の軸受部のベアリングシールを保護する必要性のある場合には、ディスクカバー60を、図11の破線Aに示したように、インナハブ22の軸方向の他端面(後端面)を覆うように、出力ディスク8の後端面に設けても良い。この場合には、複数個の破損部37が破断した後に生じる破片がボールベアリング5(図1参照)等の軸受部のベアリングシールに衝突してベアリングシールを傷付けることを防ぐことができ、ベアリングシールの防水性の低下を防止できる。
〔第4実施例の特徴〕
ここで、第1実施例のコンプレッサプーリ装置では、出力ディスク8の前端面を覆うディスクカバーを設けていない構造のために、リミッタ作動して複数の破損部37が破断した後に、アウタハブ21の内径側とインナハブ22の外径側とが接合されているため、アウタハブ21の内径側やインナハブ22の外径側も同時に破損する可能性があったり、リミッタ作動トルク(過負荷トルク:例えば40Nm)が変化する可能性があったりするという不具合が生じる。
そこで、例えば焼結金属製のインナハブ22を、インナハブ22の前端面を覆うディスクカバー60と共に樹脂製のアウタハブ21により一体化した構造を採用することで、リミッタ作動して複数の破損部37が破断した後に、アウタハブ21の内径側やインナハブ22の外径側も同時に破損しても、それらの破片が飛散することを防止できる。これにより、より確実な飛散防止構造を提供することができる。また、ディスクカバー60の内径側(中心部)に凸状の環状部64を設けることで、複数の破損部(リミッタ破断部)37とディスクカバー60とが接触することはなく、リミッタ作動トルクに影響が出ることはない。
〔第5実施例の構成〕
図13ないし図17は本発明の第5実施例を示したもので、図13および図14はコンプレッサプーリ装置の主要構造を示した図で、図15は本発明の第5実施例のVプーリの主要構造を示した図で、図16(a)、(b)は本発明の第5実施例の出力ディスクを示した図で、図17(a)、(b)は本発明の第5実施例のゴムダンパを示した図である。
本実施例のVプーリ7の側壁部12の肉厚部分には、複数個の軸方向穴(本発明の凹状嵌合部に相当する)15がそれぞれ形成されている。これらの軸方向穴15の周方向の両内壁面は、径方向の内径側から外径側に向かって徐々に間隔が拡がるように傾斜している。そして、複数個の軸方向穴15の周方向の両内壁面には、ゴムダンパ(本発明のゴム系弾性体に相当する)9に圧縮変形(弾性変形)を与えるための一対の突起部70が設けられている。これらの突起部70は、通常作動時のトルク伝達を行うと共に、リミッタ作動時にピン部(本発明の凸状嵌合部に相当する)23にトルク伝達を行う伝達部として機能する。一対の突起部70には、軸方向穴15の奥側から開口側に向けて一対の突起部70の隙間(間隔)を徐々に拡げるようにテーパ部が設けられ、ゴムダンパ9を軸方向穴15内に圧入し易くしている。
そして、軸方向穴15の外径側端部で、且つ周方向の両端部には、ゴムダンパ9の外径側を保持するための一対の第1保持部(R部)71が設けられている。また、軸方向穴15の内径側端部で、且つ周方向の両端部には、ゴムダンパ9の内径側を保持するための一対の第2保持部(R部)72が設けられている。なお、これらの第1、第2保持部71、72は、R形状の内壁面を有している。また、周方向の一方側の第1保持部71には、ゴムダンパ9の外径側に設けられる球形状の凸部99が嵌め込まれる球面形状の凹部73が形成されている。
そして、軸方向穴15の外径側端面は、ゴムダンパ9の外径側端面(第1凹状部74)との間に第1空隙が形成され、軸方向穴15の内径側端面は、ゴムダンパ9の内径側端面(第2凹状部75)との間に第2空隙が形成されている。なお、軸方向穴15とゴムダンパ9との第1、第2空隙の大きさを変更することにより、ゴムダンパ9のバネ特性(ダンパ特性)を変えることができる。そして、本実施例の出力ディスク8のアウタハブ21の後壁面からは、軸方向穴15内に差し込まれるピン部23が軸方向に突出している。
このピン部23の根元部分および中間部分は平板形状の断面を有し、その先端部分は円形状の断面を有している。そして、ピン部23の根元部分の周方向の両外壁面には、先端側に向けて外径が漸減するように一対のテーパ部76が設けられている。また、ピン部23の中間部分は、ゴムダンパ9内に挿入されて、その外壁面の一部に突起部77が設けられている。さらに、ピン部23の先端部分には、ゴムダンパ9の丸穴部95内に嵌め込まれる円柱形状の頭部79が設けられている。
そして、軸方向穴15の内壁面とピン部23の外壁面との間に挟み込まれるゴムダンパ9は、例えば塩素化ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等のゴム系弾性体を所定の形状となるように一体成形されている。ゴムダンパ9の外径側端部で、且つ周方向の両端部には、一対の第1保持部71に保持固定される一対の第1被保持部91が一対の第1保持部71の内壁面形状に対応した形状に形成されている。
なお、第1被保持部91には、軸方向穴15の周方向の一方側の第1保持部71に形成された凹部73内に嵌め込まれる球形状の凸部99が一体的に形成されている。また、ゴムダンパ9の内径側端部で、且つ周方向の両端部には、一対の第2保持部72に保持固定される一対の第2被保持部92が一対の第2保持部72の内壁面形状に対応した形状に形成されている。
そして、ゴムダンパ9には、軸方向穴15の両内壁面(一対の突起部70)に当接する一対の側壁部93が設けられている。これらの側壁部93の外壁面は、内径側から外径側に向かって徐々に両側壁部93の外形側の間隔が拡がるように傾斜している。また、一対の側壁部93の内壁面(対向面)は、内径側から外径側に向かって徐々に両側壁部93の外形線の間隔が拡がるように傾斜している。なお、一対の側壁部93の内壁面の傾斜よりも外壁面の傾斜の方が大きい。さらに、一対の側壁部93の内壁面の開口側には、奥側から開口側に向けて間隔が漸増するように一対のテーパ部94が設けられている。
そして、ゴムダンパ9の一対の側壁部93の奥側には、略中央部分に丸穴部95が形成された底壁部(連結部)96が一体的に形成されている。この底壁部96の奥側面は、軸方向穴15の奥側の底壁面に当接すると共に、丸穴部95内にピン部23の頭部79が差し込まれる。そして、一対の側壁部93の内壁面(対向面)と底壁部96の底壁面との間には、ピン部23の一対のテーパ部76および平板状の中間部分よりも周方向の寸法がやや小さく、内径側から外径側に貫通した中空部97が設けられている。
ここで、本実施例では、第4実施例と同様にして、出力ディスク8を構成する樹脂製のアウタハブ21の内径側にインサート成形された焼結金属製のインナハブ22の軸方向の一端面(前端面)、特に複数個の破損部(リミッタ破断部)37付近の前端面を覆うように略円環板形状のディスクカバー60(図12参照)が設けられている。
〔第5実施例の組付方法〕
次に、本実施例のVプーリ7に出力ディスク8、ゴムダンパ9およびディスクカバー60を組み付ける組付方法を図13ないし図17に基づいて簡単に説明する。
先ず、複数個のゴムダンパ9を、Vプーリ7の側壁部12の肉厚部分に形成された複数個の軸方向穴15内に差し込む。これにより、軸方向穴15の4隅に設けられた一対の第1、第2保持部71、72に、ゴムダンパ9の4隅に設けられた一対の第1、第2被保持部91、92が保持固定される。さらに、ゴムダンパ9の凸部99が軸方向穴15の内壁面に形成された凹部73内に嵌め込まれることで、一対の突起部70によって圧縮変形(弾性変形)が与えられたゴムダンパ9が軸方向穴15内に強固に保持固定される。
次に、出力ディスク8を構成する樹脂製のアウタハブ21の内径側にインサート成形された焼結金属製のインナハブ22および鉄系の金属製のディスクカバー60をVプーリ7の側壁部12に組み込む際には、アウタハブ21の外径側の後壁面から突出した複数個のピン部23を、複数個のゴムダンパ9の中空部97内に圧入する。これにより、ピン部23の中間部分の外壁面の一部に一体的に形成された突起部77がゴムダンパ9の周方向の一方側の側壁部93の内壁面に押し付けられるので、各ピン部23が各ゴムダンパ9を介してVプーリ7の側壁部12に保持固定される。
〔第5実施例の特徴〕
本実施例のコンプレッサプーリ装置においては、第4実施例と同様にして、インナハブ22の前端面を覆うディスクカバー60と共にインナハブ22を樹脂製のアウタハブ21によりインサート成形することで、リミッタ作動して複数の破損部37が破断した後に、アウタハブ21の内径側やインナハブ22の外径側が同時に破損しても、それらの破片が飛散することを防止することができる。
また、本実施例のコンプレッサプーリ装置においては、上述したように、ゴムダンパ9の凸部99が軸方向穴15の内壁面に形成された凹部73内に嵌め込まれ、且つピン部23の突起部77がゴムダンパ9の側壁部93の内壁面に押し付けられることにより、各ピン部23が各ゴムダンパ9を介してVプーリ7の側壁部12に強固に保持固定されているので、リミッタ作動後もVプーリ7にゴムダンパ9を介して保持固定された出力ディスク8の一部が飛散することを防止することができる。
〔第6、第7実施例〕
図18ないし図21は本発明の第6実施例および第7実施例を示したもので、図18および図19はコンプレッサプーリ装置の主要構造を示した図で、図20(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図20(b)は本発明の第7実施例のインナハブを示した図で、図21(a)〜図21(c)は本発明の第6、第7実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
本実施例の出力ディスク8は、本発明の従動側回転体に相当するもので、外周側(外径側)に配された熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等の樹脂材料により一体的に樹脂成形されたアウタハブ21、およびこのアウタハブ21の内周側(内径側)にインサート成形されたインナハブ22等から構成されている。そして、インナハブ22は、例えば焼結金属、鋳鉄またはアルミニウム製鋳物(アルミニウムダイカスト)等の金属材料により一体的に形成されて、インナリング(本発明の内輪部に相当する)101、アウタリング(本発明の外輪部に相当する)102および複数個(本例では3個)のブリッジ(本発明のブリッジ部に相当する)103を有している。
インナリング101の内周部には、コンプレッサのシャフト2の外周ねじ部3に螺合する内周ねじ部35が形成されている。また、インナリング101の外周面には、複数個(本例では3個)の略円弧形状の溝部151が形成されている。また、アウタリング102には、半径方向の長さが他の箇所よりも広い幅広部152が形成されている。そして、アウタリング102の幅広部152および外周部には、アウタハブ21を構成する樹脂材料との結合力を高めるための複数個(本例では6個)の丸穴部106および複数個の円弧状切欠き部(凹状部)108が略円周方向に所定の間隔で設けられている。そして、複数個のブリッジ103は、インナリング101の外周面よりアウタリング102の内周面にかけて径方向に放射状に設けられている。
各ブリッジ103の所定の位置(例えば各ブリッジ103とインナリング101との継ぎ目)は、出力ディスク8のインナハブ22に所定の過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が働いた際に優先的に破損する複数個(本例では3個)の破損部(トルクリミッタ機構を構成する)107を構成している。また、インナリング101の外周面とアウタリング102の内周面との間には、略円周方向に複数個(本例では3個)形成された所定の形状の貫通孔109が形成されている。なお、これらの破損部107は、ブリッジ103のインナリング101側の根元部分に設けられ、隣設する2つの貫通孔109間に設けられている。
第7実施例は、図20(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図20(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向側およびその反対側に所定の大きさの2つの切欠き部131、132を追加し、2つの切欠き部131、132間にブリッジ103の幅を小さくした絞り部(本発明の破損部に相当する)171を設けたことを特徴としている。ここで、各ブリッジ103にそれぞれ設けられた2つの切欠き部131、132は、ブリッジ103のインナリング101側の所定の位置、つまり、ブリッジ103のインナリング101側の根元部135、136に所定の曲率を有するように凹状に形成されている。なお、本実施例では、2つの切欠き部131、132の大きさ、形状を同じものとしたが、2つの切欠き部131、132の大きさ、形状を異なるものとしても良い。例えば回転方向側の切欠き部131を鈍角形状または半径の大きい円弧溝形状に形成し、回転方向と逆側の切欠き部132を鋭角形状または半径の小さい円弧溝形状に形成しても良い。
ここで、第6実施例のインナハブ22のブリッジ103の破損部107の場合には、ブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向に対し反対側の根元部136(A)に亀裂が入り、その亀裂が周接線方向に対し内側に入る可能性がある。この第6実施例では、インナハブ22の材質によっては、図21(a)に示したように、亀裂が引張り応力方向に対して垂直に入る性質を有するためである。
さらに、亀裂が進展すると、ブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向側の根元部135(B)に圧縮応力が働き、図21(b)に示したように、V字型に破損してしまう。この結果、V字型の亀裂のV字部分Cで引っ掛かり、予め決められた過負荷トルク(リミッタ作動トルク)よりも大きなトルクが作用しないとブリッジ103がインナリング101の外周部より離脱せず、ベルト摩耗等の不具合を回避できない懸念がある。
このような第6実施例のインナハブ22のトルクリミッタ機構(ブリッジ103)に対し、第7実施例では、ブリッジ103のインナリング101側に形成された2つの切欠き部131、132により図21(c)に示したように、切欠き部131、132付近の引張り応力方向がより周接線方向に対して直角方向になり、すなわち、亀裂方向(破損方向)が、インナリング101の周接線方向に入り、破損し易くなる。
この結果、より確実に予め定めた所定のリミッタ作動トルクで、ブリッジ103の2つの切欠き部131、132に挟まれた絞り部171が破損することになる。さらに、絞り部171(切欠き部131、132)以外のブリッジ103に対し、明確に応力が集中的に大きくなり、すなわち、応力分散がないため、より確実に所定の場所で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第8実施例〕
図22は本発明の第8実施例を示したもので、図22(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図22(b)、(c)は本発明の第8実施例のインナハブを示した図である。
この第8実施例では、図22(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図22(b)、(c)に示したように、インナハブ22のインナリング101の回転軸方向の厚さ寸法を、ブリッジ103の厚さ寸法と比べて所定量分だけ厚くしていることを特徴としている。これにより、インナリング101の強度がブリッジ103よりも高くなる。
つまり、ブリッジ103の強度がインナリング101よりも低くなるので、リミッタ作動トルクが働くと、インナリング101とブリッジ103との継ぎ目付近に生じた亀裂が強度の弱い方向(インナリング101の外周部の周接線方向)に沿って進展する。したがって、より確実に所定の場所(破損部172)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。なお、インナハブ22の形状を、図20(a)に示した第6実施例と同じにして、インナハブ22のインナリング101を焼入れ等により強度または硬さを高くしても、第8実施例と同様な効果を達成することは言うまでもない。
〔第9実施例〕
図23は本発明の第9実施例を示したもので、図23(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図23(b)、(c)は本発明の第9実施例のインナハブを示した図である。
この第9実施例では、図23(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図23(b)、(c)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側の軸方向の端面(表面)に所定の幅を持った溝部(凹状部)173を略周方向に向けて形成していることを特徴としている。その溝部173は、本発明の破損部を構成する。
これにより、溝部173の引張り応力が高くなり、確実に溝部173で亀裂が生じると共に、溝部173と比較してインナリング101の強度が高くなるため、亀裂がよりインナリング101の外周部の周接線方向に沿って、つまり溝部173に沿って進展することにより、より周接線方向に沿って破損させることができる。したがって、より確実に所定の場所(溝部173)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第10実施例〕
図24は本発明の第10実施例を示したもので、図24(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図24(b)は本発明の第10実施例のインナハブを示した図である。
この第10実施例では、図24(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図24(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向の両側に所定の大きさの2つの切欠き部131、132を追加し、2つの切欠き部131、132間にブリッジ103の幅を漸減(徐々に小さく)した絞り部(本発明の破損部に相当する)174を設けたことを特徴としている。
これにより、絞り部174には、ブリッジ103の曲げによる引張り応力よりも剪断応力が働くので、よりインナリング101の外周部の周接線方向に向かって破損することになる。さらに、第10実施例の場合には、絞り部174に形成される亀裂が周接線方向に対し、内側に入った場合においても、絞り部174の発生応力が全体的に高く、亀裂が進展する前に絞り部174で破損する。したがって、より確実に所定の場所(絞り部174)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第11実施例〕
図25は本発明の第11実施例を示したもので、図25(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図25(b)は本発明の第11実施例のインナハブを示した図である。
この第11実施例では、図25(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図25(b)に示したように、インナハブ22のインナリング101とブリッジ103との継ぎ目(結合部、接合部)に所定の大きさの丸穴部175を設けている。また、第11実施例では、ブリッジ103のインナリング101側の回転方向の反対側の根元部136から丸穴部175、この丸穴部175からブリッジ103のインナリング101側の回転方向側の根元部135までが本発明の破損部を構成する。
これにより、リミッタ作動トルクが加わった時の発生応力をブリッジ103の根元部136および丸穴部175近傍に集中させ、ブリッジ103の根元部136から丸穴部175に向かって亀裂を進展させ、更に丸穴部175からブリッジ103の根元部135に向かって亀裂を進展させることにより、さらにインナリング101の外周部の周接線方向に沿って破損させることができる。したがって、より確実に所定の場所(丸穴部175)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第12実施例〕
図26および図27は本発明の第12実施例を示したもので、図26(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図26(b)は本発明の第12実施例のインナハブを示した図で、図27(a)〜図27(c)は本発明の第12実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
この第12実施例では、図26(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図26(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のアウタリング102側で、且つ回転方向の両側に所定の大きさの2つの切欠き部133、134を追加し、2つの切欠き部133、134間にブリッジ103の幅を小さくした絞り部(本発明の破損部に相当する)176を設けたことを特徴としている。
本実施例の場合、リミッタ作動トルクが働くと、第6実施例と同様にして、図27(a)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向に対し反対側に亀裂が入り、その亀裂がインナリング101の外周部の周接線方向に対して内側に入る可能性がある。さらに、亀裂が進むと、回転方向側に圧縮応力が働き、V字型に破損してしまう。
しかし、その後に、図27(b)に示したように、発生応力が他の部位と比べて高い切欠き部133にも亀裂が生じ、図27(c)に示したように、ブリッジ103は欠落するため、V字部分Cで回転力が伝達することはない。したがって、確実に所定の場所(絞り部176)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第13実施例〕
図28および図29は本発明の第13実施例を示したもので、図28(a)は本発明の第10実施例のインナハブを示した図で、図28(b)は本発明の第13実施例のインナハブを示した図で、図29(a)〜図29(c)は本発明の第13実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図で、図29(d)はトルクと時間との関係を示した図である。
この第13実施例では、図28(a)に示した第10実施例の回転方向側の切欠き部131を、回転方向の反対側の切欠き部132に対して内周側に設置したことを特徴としている。
本実施例の場合、図29(a)に示したように、例えばコンプレッサのシャフトがロックする等の過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じると、すなわち、リミッタ作動トルクが働くと、亀裂が切欠き部132から絞り部174を通り切欠き部131に向かって進展する。その後、図29(b)に示したように、インナリング101の外周部の周接線方向に対して内側に亀裂が進んだ場合には、絞り部174がインナリング101の外周部に形成された凸部113に衝突する。その後、図29(c)に示したように、絞り部174の外周側に亀裂が入り、斜線部が欠落する。したがって、確実に所定の場所(絞り部174)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第14実施例〕
図30は本発明の第14実施例を示したもので、図30(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図30(b)は本発明の第14実施例のインナハブを示した図である。
ここで、図31は本発明の第6実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。図31(a)に示したように、リミッタ作動トルクが働くと、インナハブ22のブリッジ103の根元部136に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、図31(b)に示したように、ブリッジ103がインナリング101とブリッジ103との継ぎ目(結合部、接合部)111を支点にして回転方向に倒れ込む。
それをアウタリング102の内周部によって阻止する力がアウタリング102とブリッジ103との継ぎ目(結合部、接合部)121に働く。すなわち、ブリッジ103が継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込む時、インナリング101とブリッジ103との継ぎ目111でつっぱり、所定のリミッタ作動トルク(亀裂が入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが発生する可能性がある。
この第14実施例では、図30(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図30(b)に示したように、ブリッジ103を所定の角度(θ)だけ回転方向側へ傾けた点を特徴としている。この所定の角度(θ)は、ブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向側の端点161とその対角上にある端点162を結ぶ直線が、回転方向側の端点161を支点として回転(インナハブ22の回転方向)した時、アウタリング102に食い込まないように設定する。
すなわち、ブリッジ103がインナリング101とブリッジ103との継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込む時、それをアウタリング102によって阻止する力がアウタリング102とブリッジ103との継ぎ目121に働かず、所定のリミッタ作動トルク(亀裂が入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが発生しない。したがって、確実に所定の場所(絞り部171)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。
〔第15実施例〕
図32および図33は本発明の第15実施例を示したもので、図32(a)は本発明の第7実施例のインナハブを示した図で、図32(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した図で、図33(a)〜図33(d)は本発明の第15実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
第7実施例は、上述したように、第6実施例のインナハブ22の構成例に対して、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側に2つの切欠き部131、132を設けている点を特徴としている。ここで、図34(a)〜図34(c)は本発明の第7実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
第7実施例の場合には、図34(a)、(b)に示したように、リミッタ作動トルクが働くと、ブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方向の逆側に形成された切欠き部132に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、図34(c)に示したように、ブリッジ103がインナリング101とブリッジ103との継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込む。それをアウタリング102によって阻止する力がアウタリング102とブリッジ103との継ぎ目121に働く。すなわち、ブリッジ103が継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込む時に、継ぎ目121(D)でつっぱり、所定のリミッタ作動トルク(亀裂が入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが発生する可能性がある。
第15実施例では、図32(a)に示した第7実施例のインナハブ22の構成例に対し、図32(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ103のインナリング101側に2つの切欠き部(本発明の内径側切欠き部に相当する)131、132を設けるだけでなく、ブリッジ103のアウタリング102側に2つの切欠き部(本発明の外径側切欠き部に相当する)133、134を設けている点を特徴としている。また、切欠き部(第1切欠き部)132に発生する応力に対し、切欠き部132に亀裂が入るまでは、切欠き部(第2切欠き部)133の方が小さい発生応力となるような切欠き形状に設定している。
本実施例の場合、上述したように、図33(a)、(b)に示したように、リミッタ作動トルクが働くと、ブリッジ103のインナリング101側の切欠き部132に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、ブリッジ103がインナリング101とブリッジ103との継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込むが、図33(c)に示したように、同時にブリッジ103のアウタリング102側の切欠き部133に亀裂が入る。そして、図33(d)に示したように、最終的にブリッジ103はアウタリング102、インナリング101から欠落し、つっぱりによってリミッタ作動トルクが上昇することはなく、所定のリミッタ作動トルクでブリッジ103が欠落(破損)する。
〔第16実施例〕
図35ないし図37は本発明の第16実施例を示したもので、図35(a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図35(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した図で、図36(a)は本発明の第16実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図で、図36(b)は応力と歪みとの関係を示した図である。
図35(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例において発生する、『V字型で破損し、V字部で回転力が伝達されてしまい、設定トルク以上のトルクが作用し、ベルト滑り等の不具合を回避できない。』という問題は、曲げ力にてブリッジ103を破損させ、引張り応力と圧縮応力との双方が発生するということに起因している。
そこで、第16実施例では、図35(a)に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図35(b)に示した構成を採用し、引張り力で破損させるようにしたことを特徴としている。すなわち、ブリッジ103を回転接線方向に傾斜させ、アウタリング102からのトルクをブリッジ103の長手方向に引っ張る引張り力(F)としてインナリング101に伝達するように構成している。これにより、例えばコンプレッサのシャフトがロックする等の過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じると、すなわち、リミッタ作動トルクが働くロック時には、図36(a)に示したA部のように、ブリッジ103の途中に亀裂が入り破損する。
また、材料特性として、図36(b)に示すように、歪みと応力との関係で、ブリッジ103が破損するまでに塑性的性質を持つ材料を用いた場合、第6実施例のように、応力集中する構成においては、以下の問題がある。すなわち、塑性域においては、応力集中部(亀裂開始部位)が受け持つ力が減少し、リミッタ作動トルクが上昇してしまう。ここで、図37(a)はインナリング101とブリッジ部103の継ぎ目111の各応力集中部の応力を表した図で、図37(b)は主応力とトルクとの関係を示した図である。弾性域においては各応力集中部で応力はトルクに比例し、トルクの受け持ち割合は一定である。
しかし、塑性域においては、応力集中部()のトルク受け持ち割合が減少し、リミッタ作動トルクが上昇し、設定トルク以上のトルクが作用し、ベルト滑り等の不具合を回避できない。これを回避しようとリミッタ作動トルクを下げるようにブリッジ103の強度を下げると、疲労破壊が生じてしまうという問題が発生する。これに対し、第16実施例では、アウタリング102に向かって引張り力が働くため、その引張り力はブリッジ103の断面全体に一様に作用する。このため、リミッタ作動トルクは上昇せず、所定のリミッタ作動トルクでブリッジ103が破損する。
〔第17、第18実施例〕
図38および図39は本発明の第17、第18実施例を示したもので、図38(a)は本発明の第17実施例のインナハブを示した図で、図38(b)は本発明の第18実施例のインナハブを示した図で、図39は本発明の第18実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
第17実施例は、第16実施例と同じ目的で、図38(a)で示したインナハブ22の構成を採用している。すなわち、インナハブ22のブリッジ103を所定の角度(θ)だけ傾けると共に、回転方向に対し反対側のブリッジ面141は直線で、切欠き部がなく、回転方向側のブリッジ面142は切欠き部131を有し、切欠き部131の上面から外側に向かって、ブリッジ103の幅が徐々に大きくなっていくように構成している。
これにより、例えばコンプレッサのシャフトがロックする等の過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じると、すなわち、リミッタ作動トルクが働いた場合、図38(a)に示したように、ブリッジ面141のA部に引張り力と曲げ力が働き、但し、直線で切欠き部がないため、引張り応力の集中は弱く、また、回転方向側のブリッジ面142のB部において引張り応力が働き、結局A部+B部の全体でほぼ一様に引張り応力が作用するため、第16実施例と同様な効果がある。
また、第18実施例は、図38(b)で示したインナハブ22のように、図38(a)で示した第17実施例のインナハブ22の構成例に対して、切欠き部139を追加したことを特徴としている。これは、図39(a)に示したように、リミッタ作動トルクが働いた時、ブリッジ103の途中に亀裂が円周接線方向に入らず、内側(インナリング101側)に向かって入った場合、ブリッジ103が破損した後に、図39(b)に示すように、アウタリング102側のブリッジ122とインナリング101側のブリッジ112とが衝突するが、このとき、図38(a)の第17実施例のインナハブ22の構成例に対して新たに追加した切欠き部139があるため、ブリッジ112が破損し易く、最初のブリッジ103が破損した時のリミッタ作動トルクよりも大きなトルクが発生しない。
ここで、第16〜第18実施例において、記載した塑性的性質を有する材料で、応力集中する構成では、リミッタ作動トルクが上昇するという問題に対し、塑性歪みの小さい材料(例えばセラミック材料)を用いる。あるいは、熱処理(例えば軟窒化処理)にて塑性歪みを小さくすることにより、リミッタ作動トルクを低減できる。
さらに、疲労に対する安全率を確保しつつ、リミッタ作動トルクを小さくするためには、図40に示したように、疲労限度比の小さい材料(B)よりも疲労限度比の大きい材料(A)を用いることが有効である。すなわち、通常運転時に発生する応力(図40に示したC)に対し、疲労の安全率が、疲労限度比の小さい材料(B)よりも疲労限度比の大きい材料(A)の方が確保できると共に、インナハブ22のブリッジ112の破損時の応力(図40に示したD、D’)は、疲労限度比の小さい材料(B)よりも疲労限度比の大きい材料(A)の方が小さく(D<D’)、リミッタ作動トルクが小さくなる。
〔変形例〕
本実施例では、本発明を、自動車等の車両に搭載されるエンジン等の駆動源によりベルト駆動されるコンプレッサプーリ装置に適用した例を説明したが、本発明を、前記の車両または工場等の定位置に置かれる内燃機関や電動モータ等の駆動源によりベルト駆動または出力軸により直接駆動される動力伝達装置に適用しても良い。また、本実施例では、駆動側回転体として多段式のVプーリ(所謂Vリブドプーリ)を用いたが、駆動側回転体として1個のV溝を有するVプーリを用いても良い。この場合には、そのVプーリの外周形状に対応した内周形状のVベルトを使用する。
本実施例では、本発明を、車両用空調装置の冷凍サイクルの一構成部品を成すコンプレッサのシャフト2を常時駆動するトルクリミッタ機構を備えたコンプレッサプーリ装置(動力伝達装置)に適用した例を説明したが、本発明を、その他の回転装置(例えばオルタネータ、ウォータポンプ、油圧ポンプ、ブロワまたはファン)を常時駆動するリミッタ機構を備えた動力伝達装置に適用しても良い。
本実施例では、インナハブ22のブリッジ33、103の中で折れ易い破損部37、107、あるいはインナハブ42のブリッジ53の根元部分に切り込みを入れた破損部57を設けたが、破損部として、貫通孔38、58、109のコーナー部分が小さい部位、周方向の肉厚を他の部分よりも薄くした部位、多数の貫通孔に囲まれた部位を設けても良い。
尚、上記の例においては、インナハブの内輪部または外輪部の硬さをブリッジ部の硬さと比べて大きく設定している。
また、上記の例においては、従動側回転体に通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、従動側回転体が受けるトルク伝達による応力が比較的に高い部位を設けることにより、従動側回転体に過負荷トルクが生じた際に確実に破損する。
また、上記の例によれば動力伝達装置の軸方向寸法を短縮することができる。
また、上記の例によれば、従動側回転体の軽量化を図ることができる。
また、上記の例によれば、インナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、インナハブのブリッジ部の所定の位置に溝部を設けることにより、溝部の応力が高くなり、確実に溝部で亀裂が生じると共に、溝部に対し内輪部の強度が高いため、亀裂がより周接線方向に沿って進展する。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、上記の例によれば、インナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、インナハブのブリッジ部の所定の位置に溝部を設けることにより、溝部の応力が高くなり、確実に溝部で亀裂が生じると共に、溝部に対し内輪部の強度が高いため、亀裂がより周接線方向に沿って進展する。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、上記の例によれば、インナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、ブリッジ部の途中、あるいは内輪部、あるいはブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ目に穴部を設けることにより、応力が穴部近傍に集中し、穴部に向かって亀裂が進展する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、上記の例によれば、インナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、ブリッジ部の外周側に外径側切欠き部を設け、この外径側切欠き部よりも内周側に内径側切欠き部を設けることにより、リミッタ作動トルクが働くと、亀裂が外径側切欠き部から内径側切欠き部に向かって進展する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、上記の例によれば、インナハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部として、インナハブのブリッジ部の所定の位置に切欠き部を設けることにより、切欠き部付近の引張り力方向がより周接線方向に対し、垂直になり、すなわち、亀裂が周接線方向に入り、破損し易くなる。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができる。
また、上記の例によれば、インナハブのブリッジ部に、第1番目に発生応力が大きくなる部位、および第2番目に発生応力が大きくなる部位を設けていることにより、第1番目に発生応力が大きくなる部位に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、ブリッジ部がブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ目を支点にして回転方向に倒れ込むが、同時に第2番目に発生応力が大きくなる部位に亀裂が入り、最終的にブリッジ部は内輪部または外輪部から欠落し、つっぱりによってリミッタ作動トルクが上昇することはなく、所定のトルクでトルクリミッタ機構が作動する。したがって、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができ、さらに第1番目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と内輪部との継ぎ目付近に第1切欠き部を設けており、第2番目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と外輪部との継ぎ目付近に第2切欠き部を設けている。
また、インナハブを、外輪部に向かって引張り力が働く構成としても良い。
また、インナハブの材料として疲労限度比が比較的に大きい材料を用いることにより、リミッタ作動トルクを低減できる。
また、インナハブの材料として塑性歪み量が比較的に小さい材料を用いることにより、リミッタ作動トルクを低減できる。
コンプレッサプーリ装置を示した断面図である(第1実施例)。 コンプレッサプーリ装置を示した正面図である(第1実施例)。 図2のコンプレッサプーリ装置から樹脂製のアウタハブを取り除いた状態を示した正面図である(第1実施例)。 本発明の第1実施例のゴムダンパの周辺部を示した断面図である。 コンプレッサプーリ装置を示した断面図である(第2実施例)。 コンプレッサプーリ装置を示した断面図である(第3実施例)。 コンプレッサプーリ装置を示した正面図である(第3実施例)。 図7のコンプレッサプーリ装置から樹脂製のアウタハブを取り除いた状態を示した正面図である(第3実施例)。 本発明の第3実施例のゴムダンパの周辺部を示した断面図である。 コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した正面図である(第4実施例)。 コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した断面図である(第4実施例)。 (a)および(b)は本発明の第4実施例のディスクカバーを示した正面図および断面図である。 コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した部分正面図である(第5実施例)。 コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した断面図である(第5実施例)。 本発明の第5実施例のVプーリの主要構造を示した部分正面図である。 (a)は本発明の第5実施例の出力ディスクを示した正面図で、(b)は本発明の第5実施例の出力ディスクの主要構造を示した部分側面図である。 (a)および(b)は本発明の第5実施例のゴムダンパを示した正面図および断面図である。 コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した正面図である(第6実施例)。 図18のA−A断面図である(第6実施例)。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第7実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)および(b)は本発明の第6実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図で、(c)は本発明の第7実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第8実施例のインナハブを示した正面図で、(c)は(b)のB−B断面図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第9実施例のインナハブを示した正面図で、(c)はC−C断面図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第10実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第11実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第12実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)ないし(c)は本発明の第12実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 (a)は本発明の第10実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第13実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)ないし(c)は本発明の第13実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図で、(d)はトルクと時間との関係を示したグラフである。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第14実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)および(b)は本発明の第6実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 (a)は本発明の第7実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)ないし(d)は本発明の第15実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 (a)ないし(c)は本発明の第7実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 (a)は本発明の第6実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)は本発明の第16実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図で、(b)は応力と歪みとの関係を示したグラフである。 (a)はインナリングとブリッジ部の継ぎ目の各応力集中部の応力を表した模式図で、(b)は主応力とトルクとの関係を示したグラフである。 (a)は本発明の第17実施例のインナハブを示した正面図で、(b)は本発明の第18実施例のインナハブを示した正面図である。 (a)、(b)は本発明の第18実施例のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。 振幅応力と平均応力との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 ハウジング
2 シャフト(回転軸)
3 外周ねじ部
7 Vプーリ(駆動側回転体)
8 出力ディスク(従動側回転体)
9 ゴムダンパ(ゴム系弾性体)
15 軸方向穴(凹状嵌合部)
21 アウタハブ
22 インナハブ
23 ピン部(凸状嵌合部)
31 インナリング(内輪部)
32 アウタリング(外輪部)
33 ブリッジ(ブリッジ部)
34 六角部(係合部)
35 内周ねじ部
36 丸穴部
37 破損部
41 アウタハブ
42 インナハブ
51 インナリング(内輪部)
52 アウタリング(外輪部)
53 ブリッジ(ブリッジ部)
54 六角部(係合部)
55 内周ねじ部
56 丸穴部
57 破損部
60 ディスクカバー
64 環状部
65 丸穴部
73 凹部
77 突起部
99 凸部
101 インナリング(内輪部)
102 アウタリング(外輪部)
103 ブリッジ(ブリッジ部)
106 丸穴部
107 破損部(トルクリミッタ機構)
131 切欠き部(内径側切欠き部)
132 切欠き部(内径側切欠き部、第1切欠き部)
133 切欠き部(外径側切欠き部、第2切欠き部)
134 切欠き部(外径側切欠き部)
135 根元部
136 根元部
171 絞り部(破損部、幅狭部)
173 溝部
175 丸穴部

Claims (28)

  1. 駆動源から回転動力を受けて回転する駆動側回転体と、前記駆動側回転体と連結するとともに、回転装置の回転軸に結合される従動側回転体とを備え、
    前記駆動側回転体の回転を前記従動側回転体に伝達する動力伝達装置であって、
    前記従動側回転体は、その従動側回転体に過負荷トルクが生じた際に優先的に破損する破損部と、
    前記破損部よりも内周側の前記従動側回転体に設けられ、前記回転装置の回転軸と螺合するねじ部と、
    前記破損部よりも内周側の前記従動側回転体に設けられ、前記ねじ部を締め付け固定するための締め付け工具が係合する係合部と
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記従動側回転体は、前記ねじ部が設けられた内輪部、この内輪部よりも外周側に配される外輪部、および前記内輪部の外周と前記外輪部の内周とを連結するブリッジ部を有し、
    前記破損部は、前記内輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ目、あるいは前記外輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ目、あるいは前記ブリッジ部の途中に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記従動側回転体は、前記回転装置の回転軸の外周側に結合される円環状のインナハブ、およびこのインナハブの外周側に設けられて、前記インナハブと一体に結合された円環状のアウタハブよりなり、
    前記インナハブの前記アウタハブとの結合部には、周方向に所定の間隔で、前記アウタハブとの結合力を高めるための複数の穴部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記従動側回転体は、前記ブリッジ部が設けられたインナハブと、ゴム系弾性体が装着されて前記駆動側回転体に接続するアウタハブよりなることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記ブリッジ部は、前記回転装置の回転軸の軸方向に平行な軸線に対して傾斜していることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項2ないし請求項5のうちいずれかに記載の動力伝達装置において、前記破損部は、前記ブリッジ部の所定の位置に設けられた切欠き部であることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項2ないし請求項5のうちいずれかに記載の動力伝達装置において、
    前記破損部は、前記ブリッジ部の所定の位置に設けられた溝部であることを特徴とする動力伝達装置。
  8. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、前記内輪部または前記外輪部の強度を前記ブリッジ部の強度と比べて高く設定していることを特徴とする動力伝達装置。
  9. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、前記内輪部または前記外輪部の厚さを前記ブリッジ部の厚さと比べて大きく設定していることを特徴とする動力伝達装置。
  10. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、前記ブリッジ部の幅を前記内輪部または前記外輪部に向かうに従って連続的または段階的に小さくした幅狭部、あるいは前記ブリッジ部の幅を前記内輪部または前記外輪部に向かうに従って連続的または段階的に大きくした幅広部を有していることを特徴とする動力伝達装置。
  11. 請求項2ないし請求項5のうちいずれかに記載の動力伝達装置において、
    前記破損部は、前記ブリッジ部の途中、あるいは前記内輪部、あるいは前記ブリッジ部と前記内輪部または前記外輪部との継ぎ目に設けられた穴部であることを特徴とする動力伝達装置。
  12. 請求項6に記載の動力伝達装置において、
    前記切欠き部は、前記ブリッジ部の外周側に設けられた外径側切欠き部、およびこの外径側切欠き部よりも内周側に設けられた内径側切欠き部を有していることを特徴とする動力伝達装置。
  13. 請求項6に記載の動力伝達装置において、
    前記ブリッジ部と前記内輪部との継ぎ目付近に設けられた第1切欠き部と、
    前記ブリッジ部と前記外輪部との継ぎ目付近に設けられた第2切欠き部と
    を備えることを特徴とする動力伝達装置。
  14. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、前記ブリッジ部を、半径方向に対して回転方向側へ所定の角度だけ傾いた状態で設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  15. 請求項14に記載の動力伝達装置において、
    前記所定の角度は、前記ブリッジ部の内輪部側で、且つ回転方向側の端点とその対角上にある端点とを結ぶ直線が、前記回転方向側の端点を支点として前記インナハブが回転した時、前記外輪部に食い込まないように設定していることを特徴とする動力伝達装置。
  16. 請求項14に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、回転方向に対し反対側の面は直線で切欠きが無く、回転方向側の面は外周に向かってブリッジ幅が徐々に大きくなる構成としていることを特徴とする動力伝達装置。
  17. 請求項16に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、回転方向側の面に所定の大きさの切欠きを有していることを特徴とする動力伝達装置。
  18. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記ブリッジ部は、前記内輪部の接線方向に傾斜していることを特徴とする動力伝達装置。
  19. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブには、軟窒化処理が施されていることを特徴とする動力伝達装置。
  20. 駆動源から回転動力を受けて回転する駆動側回転体と、前記駆動側回転体と連結するとともに、回転装置の回転軸に結合される従動側回転体とを備え、
    前記駆動側回転体の回転を前記従動側回転体に伝達する動力伝達装置であって、
    前記従動側回転体は、その従動側回転体に過負荷トルクが生じた際に優先的に破損する破損部が設けられたインナハブと、ゴム系弾性体を介して前記駆動側回転体に接続するアウタハブとを有し、
    前記インナハブは、前記駆動側回転体と連結する内輪部、この内輪部よりも外周側に配される外輪部、および前記内輪部の外周と前記外輪部の内周とを連結するブリッジ部を有し、
    前記破損部は、前記内輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ目、あるいは前記外輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ目、あるいは前記ブリッジ部の途中に設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  21. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記アウタハブは、前記従動側回転体において外径側に配された樹脂製のアウタハブであり、前記インナハブは、前記従動側回転体において内径側に配されて、前記アウタハブにインサート成形された金属製のインナハブであることを特徴とする動力伝達装置。
  22. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記従動側回転体は、前記インナハブの軸方向の一端面を覆うディスクカバーを有し、
    前記ディスクカバーは、前記インナハブの軸方向の一端面より所定の隙間を隔てて、前記インナハブの軸方向の一端面に対向して配設される凸状の環状部を有することを特徴とする動力伝達装置。
  23. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記従動側回転体は、前記インナハブの軸方向の一端面を覆うディスクカバーを有し、
    前記ディスクカバーには、前記従動側回転体を前記回転装置の回転軸へ取り付けるためのハブ取付治具が係合または挿通可能な穴部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  24. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記駆動側回転体の軸方向の一端面には、凹状嵌合部が設けられ、
    前記アウタハブの軸方向の他端面には、前記凹状嵌合部内に嵌め込まれる凸状嵌合部が設けられ、
    前記ゴム系弾性体は、前記凹状嵌合部と前記凸状嵌合部との間に装着されていることを特徴とする動力伝達装置。
  25. 請求項24に記載の動力伝達装置において、
    前記凹状嵌合部の内面の一部には、凹部が設けられ、前記ゴム系弾性体の外面の一部には、前記凹部に圧入される凸部が設けられ、
    前記凸状嵌合部の外面の一部には、前記ゴム系弾性体に食い込むように突起部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  26. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブは、前記ブリッジ部の幅を前記内輪部または前記外輪部に向かうに従って連続的または段階的に小さくした幅狭部、あるいは前記ブリッジ部の幅を前記内輪部または前記外輪部に向かうに従って連続的または段階的に大きくした幅広部を有していることを特徴とする動力伝達装置。
  27. 請求項20に記載の動力伝達装置において、
    前記インナハブの前記アウタハブとの結合部には、周方向に所定の間隔で、前記アウタハブとの結合力を高めるための複数の穴部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  28. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記破断部は、前記回転装置の回転軸の軸方向に平行な軸線に対して傾斜していることを特徴とする動力伝達装置。
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