JP2001295857A - クラッチレス圧縮機の動力伝達装置 - Google Patents

クラッチレス圧縮機の動力伝達装置

Info

Publication number
JP2001295857A
JP2001295857A JP2000108835A JP2000108835A JP2001295857A JP 2001295857 A JP2001295857 A JP 2001295857A JP 2000108835 A JP2000108835 A JP 2000108835A JP 2000108835 A JP2000108835 A JP 2000108835A JP 2001295857 A JP2001295857 A JP 2001295857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
transmission device
hub
power transmission
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000108835A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Kiyoshima
修二 清島
Shoichi Kito
昇一 喜渡
Masanori Amemori
雅典 雨森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Valeo Climate Control Corp filed Critical Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority to JP2000108835A priority Critical patent/JP2001295857A/ja
Publication of JP2001295857A publication Critical patent/JP2001295857A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/32Friction members
    • F16H55/36Pulleys
    • F16H2055/366Pulleys with means providing resilience or vibration damping

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 破断部が疲労しにくく、破断部の強度を設定
し易いクラッチレス圧縮機の動力伝達装置を提供するこ
とである。 【解決手段】 プーリ10からシャフト2へ至る駆動力
伝達経路中に弾性部材32を含め、シャフト2の先端部
に固定されたハブ20のつば部20aに複数の円弧状の
長溝34を設け、プーリ10のフロント側端面10aに
固定したピン33を長溝34に摺動可能に設けた。駆動
力伝達経路中の弾性部材32によってトルクダンピング
機能が働くので、破断部がほとんど疲労しない。圧縮機
側の負荷トルクが過大になった場合、ピン33がつば部
20aの長溝34の一端に当たり、ハブ20に回転力が
伝わるので、破断部が破断して、つば部20aが長溝3
7を境にして半径方向外側部分と半径方向内側部分とに
分断される。その結果、プーリ10からシャフト2への
駆動力の伝達経路が断たれ、プーリ10が空転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はクラッチレス圧縮
機の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクラッチレス圧縮機の動力伝達装
置として特開平10−259830号公報に開示された
ものが知られている。
【0003】この動力伝達装置では、プーリが2つの可
破断線材を介して円筒状のブッシュに動力伝達可能に連
結されている。2つの可破断線材は互いに周方向に18
0度離れた位置にある。
【0004】ブッシュは圧縮機のシャフトの先端部に固
定されている。
【0005】プーリには破断促進材として1つのピンが
固定されている。このピンは一方の可破断線材の後側
(プーリの回転方向に対して後側)に配置されている。
【0006】圧縮機内部に焼付等の異常が発生し、圧縮
機側負荷トルクが過大になったとき、上述の一方の可破
断線材にピンが食い込み、その可破断線材が大きく屈曲
した後、破断する。この破断の直後、他方の可破断線材
も過大な圧縮機側負荷トルクのために破断する。
【0007】その結果、ベルトの破断やエンジンストー
ルが回避される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のクラ
ッチレス圧縮機の動力伝達装置には、次のような問題が
ある。
【0009】上述の通り動力伝達経路中にダンパが含ま
れておらず、トルクダンパ機能が働かず、可破断線材が
直接トルクを伝達するため、圧縮機側負荷トルクが設定
値以下であっても、可破断線材の疲労が進行して、可破
断線材が破断するおそれがある。
【0010】また、可破断線材が破断促進材のピンによ
って破断されるためにはプーリが圧縮機のシャフトに対
して相対回転する必要があるが、可破断線材のトルク伝
達部材としての強度と破断促進材のピンによって破断さ
れる部材としての強度とのバランスをとりにくい。
【0011】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は、破断部が疲労しにくく、しかも
破断部の強度を設定し易いクラッチレス圧縮機の動力伝
達装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項1記載の発明は、圧縮機ハウジングに回転可能
に装着されたプーリを介して外部駆動源の駆動力を前記
ハウジングに収容されたシャフトに伝達するクラッチレ
ス圧縮機の動力伝達装置において、 前記ハウジングか
ら外部へ突出する前記シャフトの端部に設けられ、前記
シャフトと一体に回転するハブと、前記ハブのつば部に
設けられた第1の保持プレートと、前記プーリのフロン
ト側端面に設けられた第2の保持プレートと、 前記両
保持プレートによって保持されたトルク伝達用弾性体と
を備えたクラッチレス圧縮機の動力伝達装置において、
前記ハブのつば部に周方向に形成され、圧縮機側に過大
な負荷トルクが生じたときに破断して前記ハブのつば部
を半径方向に2つに分断させるための破断部と、前記ハ
ブのつば部に周方向に形成された複数の円弧状の長溝
と、前記プーリのフロント側端面に設けられ、かつ前記
長溝に挿入されて、圧縮機側に過大な負荷トルクが生じ
たときに前記長溝内を摺動する破断促進凸部とを備えて
いることを特徴とする。
【0013】圧縮機側の負荷トルクが所定値以下のと
き、駆動力伝達経路中の弾性部材によってトルクダンピ
ング機能が働くので、破断部がほとんど疲労しない。
【0014】圧縮機側の負荷トルクが過大になったと
き、破断促進凸部がつば部の長溝の一端に当たり、ハブ
に回転力が伝わるので、破断部が破断して、つば部が半
径方向外側部分と半径方向内側部分とに分断される。そ
の結果、プーリからシャフトへの駆動力の伝達経路が断
たれ、プーリが空転する。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、前記プーリが合成樹脂で成型され、その
内部に金属部品の一部又は全部がインサートされている
ことを特徴とする。
【0016】前述のようにプーリが合成樹脂で成型され
るので、プーリの重量が軽くなり、錆を防ぐための表面
処理も不要になる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2に記載の
発明において、前記金属部品が軸受であることを特徴と
する。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項2又は3に
記載の発明において、前記金属部品がねじをねじ込むた
めのめねじ部材であることを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項2から4の
いずれか1記載の発明において、前記金属部品が前記破
断促進凸部としてのピンであることを特徴とする。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項2から5の
いずれか1項記載の発明において、前記金属部品が補強
用の骨材であることを特徴とする。
【0021】上述の発明の動力伝達装置に使用できるプ
ーリの発明として次のものがある。
【0022】ベルトを介して伝達された外部駆動源の動
力をシャフトに伝達するプーリにおいて、前記プーリが
合成樹脂で成型され、その内部に金属部品の一部又は全
部がインサートされていることを特徴とするプーリ。
【0023】請求項7記載の発明は、圧縮機ハウジング
に回転可能に装着されたプーリを介して外部駆動源の駆
動力を前記ハウジングに収容されたシャフトに伝達する
クラッチレス圧縮機の動力伝達装置において、前記ハウ
ジングから外部へ突出する前記シャフトの端部に設けら
れ、前記シャフトと一体に回転するハブと、前記ハブの
つば部に設けられた第1の保持プレートと、前記プーリ
のフロント側端面に設けられた第2の保持プレートと、
前記両保持プレートによって保持されたトルク伝達用弾
性体とを備えたクラッチレス圧縮機の動力伝達装置にお
いて、前記ハブのつば部に周方向に形成され、圧縮機側
に過大な負荷トルクが生じたときに破断して前記ハブの
つば部を半径方向に2つに分断させるための破断部が、
前記ハブのつば部に周方向に沿って形成されていること
を特徴とする。
【0024】圧縮機側の負荷トルクが所定値以下のと
き、駆動力伝達経路中の弾性部材によってトルクダンピ
ング機能が働くので、破断部がほとんど疲労しない。
【0025】圧縮機側の負荷トルクが過大になったと
き、弾性部材を介してハブに回転力が伝わるので、破断
部が破断して、つば部が半径方向外側部分と半径方向内
側部分とに分断される。その結果、プーリからシャフト
への駆動力の伝達経路が断たれ、プーリが空転する。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項7に記載の
発明において、前記破断部が前記ハブのハブ本体の近傍
に位置していることを特徴とする。
【0027】上述のように破断部がハブのハブ本体の近
傍に位置しているので、破断部をハブ本体から半径方向
へ離れた位置に設ける場合に較べ、破断部の周方向幅が
大きくなり、その分高い加工精度が要求されない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0029】図1はこの発明の第1実施形態に係るクラ
ッチレス圧縮機の動力伝達装置を示す正面図、図2は図
1のII−II線に沿う断面図、図3はこの第1実施形態の
動力伝達装置を圧縮機ハウジングに取り付けた状態を示
す断面図、図4はこの第1実施形態の動力伝達装置の分
解斜視図である。
【0030】クラッチレス圧縮機のハウジング1のボス
部1aにはプーリ10が軸受(金属部品)12を介して
回転可能に装着されている。プーリ10はシャフト2を
回転中心として図示しないエンジン(外部駆動源)から
の回転力によって回転する。プーリ10は、熱硬化性の
合成樹脂(例えばフェノール樹脂等)で成型されてい
る。プーリ10の内周面には軸受(金属部品)12が、
プーリ10のフロント端面10aには金属製のめねじ部
材(金属部品)13及びピン(金属部品、破断促進凸
部)33が、それぞれインサート成型によって固定され
ている。
【0031】めねじ部材13は、後述する第2の保持プ
レート31をプーリ10に固定するためのものであり、
めねじ13aを有する。また、めねじ部材13の外周面
には抜け止めのためにローレット加工が施されている。
更に、めねじ部材13の開口面13bはフロント端面1
0aより引っ込んでいる(図2参照)。
【0032】ピン33の先端部はプーリ10のフロント
端面10aから軸方向へ突出し、後述するハブ20のつ
ば部20aの長溝34に挿入されている。
【0033】軸受12、めねじ部材13及びピン33は
前述のようにプーリ10の樹脂成型時にインサートされ
るが、軸受12、めねじ部材13及びピン33の外周面
には予め表面処理が施され、樹脂との密着性が高められ
ている。軸受12の内輪12aは圧縮機ハウジング1の
ボス部1aに固定されている。
【0034】軸受12、めねじ部材13及びピン33を
インサートしてプーリ10を樹脂成型する際、樹脂を注
入する入口の位置をプーリ10のフロント端面10a側
にする。また、樹脂成型の際に生じる歪を取るための歪
取り温度を約150℃にする。
【0035】シャフト2の先端部は圧縮機ハウジング1
から突出し、その先端部にはハブ20がボルト6で固定
されている。ボルト6はストッパ36及びワッシャ6a
を介してシャフト2の先端部のめねじ2aにねじ込まれ
ている。
【0036】ハブ20は、円筒状のハブ本体20bと、
このハブ本体20bに一体に成形されたつば部20aと
を有する。つば部20aには、複数の円弧状の長溝37
が周方向に一定間隔で形成されているともに、複数の円
弧状の長溝34が周方向に一定間隔で形成されている。
【0037】長溝37と長溝37との間に位置する連結
部38の強度(破断部の強度)は、圧縮機側の負荷トル
クが過大でないとき、プーリのトルクを伝達し、圧縮機
側の負荷トルクが過大になったときに、連結部38が破
断して、つば部20aが長溝37を境にして半径方向外
側部分と半径方向内側部分とに分断されるように、設定
されている。この実施形態では破断部を長溝37と連結
部38とで構成したが、変形例として、破断部を長溝3
7に代え、図示しない丸孔と連結部38とを周方向に沿
って交互に設ける構成にしてもよい。
【0038】長溝34は長溝37よりも半径方向外側に
位置し、長溝34の周方向長さは長溝37の周方向長さ
に較べ極端に短い。長溝34にはピン33の先端部が摺
動可能に挿入されている。通常負荷トルク時、ピン33
は長溝34のほぼ中間部に位置し、プーリ10の回転力
はピン33を介してハブ20のつば部20aに伝わらな
い。
【0039】弾性部材(トルク伝達用弾性体)32は、
第1の保持プレート30の凹部30aと第2の保持プレ
ート31の凹部31aとによって保持され、トルク伝達
用弾性体として機能するとともに、トルクダンパとして
も機能する。
【0040】プーリ10の外周面にはベルト(図示せ
ず)が巻き掛けられ、プーリ10はベルトを介して図示
しないエンジンのクランクシャフトに連結される。
【0041】圧縮機側の負荷トルクが所定値以内である
場合、プーリ10の回転力は第2の保持プレート31、
弾性部材32、第1の保持プレート30及びハブ20を
介してシャフト2に伝達され、シャフト2が回転する。
【0042】このように駆動力伝達経路中に弾性部材3
2が含まれているので、圧縮機側の負荷トルクの変動は
緩和されてプーリ10に伝達される。
【0043】圧縮機側の負荷トルクが所定値以上になっ
た場合(負荷トルクが過大になった場合)、ピン33が
つば部20aの長溝38の一端に当たり、ハブ20に回
転力が伝わるので、連結部38が破断して、つば部20
aが長溝37を境にして半径方向外側部分と半径方向内
側部分とに分断される。その結果、プーリ10からシャ
フト2への駆動力の伝達経路が断たれ、プーリ10が空
転する。
【0044】この実施形態は以下の効果を奏する。
【0045】駆動力伝達経路中に弾性部材32が含ま
れ、トルクダンピング機能が働くので、圧縮機側の負荷
トルクが所定値以下のとき、連結部38がほとんど疲労
(金属疲労)しない。
【0046】また、弾性部材32によってトルクダンピ
ング機能が働くので、破断部を構成する連結部38の強
度の設定が容易である。
【0047】更に、プーリ10が合成樹脂であるので、
駆動力伝達装置の重量が軽くなり、自動車の燃費が良く
なる。また、錆を防ぐための表面処理が不要になるの
で、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】また、プーリ10のインジェクション成型
が可能であり、製造が容易になる。
【0049】更に、軸受12及びめねじ部材13等をイ
ンサートしてプーリ10を樹脂成型するので、プーリ1
0に対して軸受12を圧入する必要がなくなり、軸受1
2の変形のおそれがない。更に、後加工でプーリ10に
めねじを形成する必要がないので、プーリ10の強度、
工数及びコストの上で有利である。
【0050】また、破断部を構成する長溝37と連結部
38とがハブ20のハブ本体20bの近傍に位置してい
るので、破断部をハブ本体120bから半径方向へ離れ
た位置に設ける場合に較べ、破断部の半径方向幅が大き
くなって、高い加工精度が要求されない。したがって、
破断部(連結部38)の強度の設定が容易である。
【0051】図5はこの発明の第2実施形態に係る駆動
力伝達装置を示す断面図である。上述の第1実施形態と
共通する部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。また、圧縮機ハウジング1、第1、第2の保持プレ
ート30,31及びハブ20等は第1実施形態と共通す
るので、それらの図示を省略する。
【0052】この第2実施形態では金属部品として軸受
12、めねじ部材13及びピン33の他に補強用の骨材
14の全部がプーリ10の内部にインサートされてい
る。
【0053】この第2実施形態によれば、プーリ110
の剛性が高くなり、信頼性が向上する。例えば、プーリ
110に局部的に亀裂が生じたとしても、骨材14が亀
裂の拡大を抑える。
【0054】図6はこの発明の変形例に係るプーリを示
す断面図である。なお、圧縮機ハウジング1、第1、第
2の保持プレート30,31、ハブ20、めねじ部材1
3及びピン33等は第1実施形態と共通するので、それ
らの図示を省略する。
【0055】この変形例では金属部品としての薄肉の金
属体215が環状のプーリ本体211のフロント端面2
11aを残して包み込むように配置されている。金属体
215は、ベルトを掛けるための環状のリム部215a
と、圧縮機ハウジング1のボス部1aに図示しない軸受
12を介して装着されるボス部215cと、リム部21
5aとボス部215cとを一体に連結する連結部215
bとで構成されている。金属体215には合成樹脂が充
填される空間部200が形成されている。
【0056】この変形例によれば、プーリ210の剛性
が高くなりとともに、ベルトの摩耗を少なくすることが
できる。
【0057】なお、上述の各実施形態では、樹脂として
熱硬化性の合成樹脂を用いたが、熱硬化性の合成樹脂以
外の合成樹脂を用いてもよい。ただ、熱硬化性の合成樹
脂の方がエンジンルームのように高温に晒される環境に
おいては有利である。
【0058】図7はこの発明の第3実施形態に係る駆動
力伝達装置を示す断面図である。上述の第1実施形態と
共通する部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。プーリ310を除きこの実施形態の駆動力伝達装置
の構造は図1の実施形態と同じである。
【0059】第1実施形態では合成樹脂製のプーリ10
を用いたが、この第3実施形態ではプーリ310が鉄系
の材料だけで形成されている。
【0060】この第3実施形態によれば、合成樹脂製の
プーリ10に較べて剛性が高く、破損しにくい。
【0061】また、駆動力伝達経路中に弾性部材32が
含まれ、トルクダンピング機能が働くので、圧縮機側の
負荷トルクが所定値以下のとき、破断部を構成する連結
部38がほとんど疲労しない。更に、連結部38の強度
の設定が容易である。
【0062】図8はこの発明の第4実施形態に係る駆動
力伝達装置を示す正面図、図9は図8のIX−IX線に沿う
断面図である。上述の第1実施形態と共通する部分には
同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】この第4実施形態では、プーリ410が鉄
系の材料だけで形成されている。プーリ410の内周面
には軸受12が固定され、プーリ410のフロント端面
410aにはめねじ113が形成されている。
【0064】ハブ120は、円筒状のハブ本体120b
と、このハブ本体120bに一体に形成されたつば部1
20aとを有する。つば部120aには、複数の円弧状
の長溝137が周方向に一定間隔で形成されている。長
溝137と長溝137との間に位置する連結部138の
強度(破断部の強度)は、圧縮機側の負荷トルクが過大
でないとき、プーリ10のトルクを伝達し、圧縮機側の
負荷トルクが過大になったとき、連結部138が破断し
て、つば部120aが長溝137を境にして半径方向外
側部分と半径方向内側部分とに分断されるように、設定
されている。この実施形態では破断部を長溝137と連
結部138とで構成したが、変形例として、破断部を、
長溝137に代え、図示しない丸孔と連結部138とを
円周方向に沿って交互に設ける構成にしてもよい。
【0065】弾性部材(トルク伝達用弾性体)132
は、環状の第1の保持プレート130と環状の第2の保
持プレート131とによって保持され、トルク伝達用弾
性体として機能するとともに、トルクダンパとしても機
能する。弾性部材132は第1、第2の保持プレート1
30,131に接着されている。上述の第1実施形態で
はトルク伝達用弾性体として円弧状の3つの弾性部材3
2を採用したが、この第4実施形態ではトルク伝達用弾
性体として環状の1つの弾性部材132を採用した。
【0066】圧縮機側の負荷トルクが所定値以内である
場合、プーリ410の回転力は第2の保持プレート13
1、弾性部材132、第1の保持プレート130及びハ
ブ120を介してシャフト2に伝達され、シャフト2が
回転する。
【0067】このように駆動力伝達経路中に弾性部材1
32が含まれているので、圧縮機側の負荷トルクの変動
は緩和されてプーリ410に伝達される。
【0068】圧縮機側の負荷トルクが所定値以上になっ
た場合(負荷トルクが過大になった場合)、第2の保持
プレート131、弾性部材132及び第1の保持プレー
ト130を介してハブ120に回転力が伝わるので、連
結部138が破断して、つば部120aが長溝137を
境にして半径方向外側部分と半径方向内側部分とに分断
される。その結果、プーリ410からシャフト2への駆
動力の伝達経路が断たれ、プーリ410が空転する。
【0069】この実施形態は以下の効果を奏する。
【0070】駆動力伝達経路中に弾性部材132が含ま
れ、トルクダンピング機能が働くので、圧縮機側の負荷
トルクが所定値以下のとき、連結部138がほとんど疲
労しない。
【0071】また、弾性部材132によってトルクダン
ピング機能が働くので、連結部138の強度(破断部の
強度)の設定が容易である。
【0072】更に、第1実施形態のピン33やつば部2
0aの長溝38に相当する構成部分はないので、その分
動力伝達装置の構成が簡単になり、製造が容易になる。
【0073】また、合成樹脂製のプーリ10に較べ剛性
が高く、破損しにくい。
【0074】更に、破断部を構成する長溝137と連結
部138とがハブ120のハブ本体120bの近傍に位
置しているので、破断部をハブ本体120bから半径方
向へ離れた位置に設ける場合に較べ、破断部の周方向幅
が大きくなり、その分高い加工精度が要求されない。し
たがって、破断部(連結部138)の強度の設定が一層
容易になる。
【0075】図10は第4実施形態の変形例に係る駆動
力伝達装置を示す断面図である。上述の第1、第4実施
形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省
略する。
【0076】プーリ510を除きこの変形例の駆動力伝
達装置の構造は図9の第4実施形態と同じである。
【0077】第4実施形態ではプーリ410が鉄系の材
料だけで形成されているが、この変形例ではプーリ10
が合成樹脂で形成されている。このプーリは図1の第1
実施形態のプーリ10と同じものである。
【0078】この変形例によれば、駆動力伝達経路中に
弾性部材132が含まれ、トルクダンピング機能が働く
ので、圧縮機側の負荷トルクが所定値以下のとき、連結
部138(破断部)がほとんど疲労しない。更に、連結
部138の強度(破断部の強度)の設定が容易である。
【0079】また、次のように第1実施形態と同様の効
果を奏する。すなわち、それは駆動力伝達装置の重量が
軽くなること、錆を防ぐための表面処理が不要になるこ
と、プーリ10のインジェクション成型が可能であり、
製造が容易になること、プーリ10に対して軸受12を
圧入する必要がなくなり、軸受12の変形のおそれがな
くなること、プーリ10の強度、工数及びコストの上で
有利であることである。
【0080】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1記載の発
明によれば、駆動力伝達経路中に弾性部材が含まれ、ト
ルクダンピング機能が働くので、破断部がほとんど疲労
しない。また、破断部の強度の設定が容易である。
【0081】請求項2〜6記載の発明によれば、軽くて
作り易く、しかも表面処理が不要なプーリを提供するこ
とができ、延いてはクラッチレス圧縮機の動力伝達装置
の製造を容易にすることができるとともに、軽量化を図
ることができる。
【0082】請求項7記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加え、破断促進凸部やこの破断促進凸
部が挿入される長溝に相当する構成部分がないので、そ
の分動力伝達装置の構成が簡単であり、製造が容易であ
る。
【0083】請求項8記載の発明によれば、破断部をハ
ブのハブ本体の近傍に配置したので、破断部の周方向幅
が大きくなり、その分高い加工精度が要求されず、破断
部の強度の設定が更に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1実施形態に係るクラッチ
レス圧縮機の動力伝達装置を示す正面図である。
【図2】図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は第1実施形態の動力伝達装置を圧縮機ハ
ウジングに取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】図4は第1実施形態の動力伝達装置の分解斜視
図である。
【図5】図5はこの発明の第2実施形態に係る駆動力伝
達装置を示す断面図である。
【図6】図6はこの発明の変形例に係るプーリを示す断
面図である。
【図7】図7はこの発明の第3実施形態に係る駆動力伝
達装置を示す断面図である。
【図8】図8はこの発明の第4実施形態に係る駆動力伝
達装置を示す正面図である。
【図9】図9は図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図10は第4実施形態の変形例に係る駆動力
伝達装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機ハウジング 2 シャフト 10,110,210,310,410 プーリ 12 軸受 13 めねじ部材(金属部) 14 骨材(金属部) 20,120 ハブ 20a,120a つば部 20b,120b ハブ本体 30,130 第1の保持プレート 31,131 第2の保持プレート 32,132 弾性部材(トルク伝達用弾性体) 33 ピン(金属部、破断促進凸部) 34 長溝 37,137 長溝(破断部) 38,138 連結部(破断部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨森 雅典 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル空調内 Fターム(参考) 3H076 AA05 BB04 BB28 BB43 CC12 CC15 CC20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機ハウジングに回転可能に装着され
    たプーリを介して外部駆動源の駆動力を前記ハウジング
    に収容されたシャフトに伝達するクラッチレス圧縮機の
    動力伝達装置において、 前記ハウジングから外部へ突出する前記シャフトの端部
    に設けられ、前記シャフトと一体に回転するハブと、 前記ハブのつば部に設けられた第1の保持プレートと、 前記プーリのフロント側端面に設けられた第2の保持プ
    レートと、 前記両保持プレートによって保持されたトルク伝達用弾
    性体とを備えたクラッチレス圧縮機の動力伝達装置にお
    いて、 前記ハブのつば部に周方向に形成され、圧縮機側に過大
    な負荷トルクが生じたときに破断して前記ハブのつば部
    を半径方向に2つに分断させるための破断部と、 前記ハブのつば部に周方向に形成された複数の円弧状の
    長溝と、 前記プーリのフロント側端面に設けられ、かつ前記長溝
    に挿入されて、圧縮機側に過大な負荷トルクが生じたと
    きに前記長溝内を摺動する破断促進凸部とを備えている
    ことを特徴とするクラッチレス圧縮機の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記プーリが合成樹脂で成型され、その
    内部に金属部品の一部又は全部がインサートされている
    ことを特徴とする請求項1記載のクラッチレス圧縮機の
    動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記金属部品が軸受であることを特徴と
    する請求項2記載のクラッチレス圧縮機の動力伝達装
    置。
  4. 【請求項4】 前記金属部品がねじをねじ込むためのめ
    ねじ部材であることを特徴とする請求項2又は3記載の
    クラッチレス圧縮機の動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記金属部品が前記破断促進凸部として
    のピンであることを特徴とする請求項2から4のいずれ
    か1項記載のクラッチレス圧縮機の動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 前記金属部品が補強用の骨材であること
    を特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載のクラ
    ッチレス圧縮機の動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 圧縮機ハウジングに回転可能に装着され
    たプーリを介して外部駆動源の駆動力を前記ハウジング
    に収容されたシャフトに伝達するクラッチレス圧縮機の
    動力伝達装置において、 前記ハウジングから外部へ突出する前記シャフトの端部
    に設けられ、前記シャフトと一体に回転するハブと、 前記ハブのつば部に設けられた第1の保持プレートと、 前記プーリのフロント側端面に設けられた第2の保持プ
    レートと、 前記両保持プレートによって保持されたトルク伝達用弾
    性体とを備えたクラッチレス圧縮機の動力伝達装置にお
    いて、 前記ハブのつば部に周方向に形成され、圧縮機側に過大
    な負荷トルクが生じたときに破断して前記ハブのつば部
    を半径方向に2つに分断させるための破断部が、前記ハ
    ブのつば部に周方向に沿って形成されていることを特徴
    とするクラッチレス圧縮機の動力伝達装置。
  8. 【請求項8】 前記破断部が前記ハブのハブ本体の近傍
    に位置していることを特徴とする請求項7項記載のクラ
    ッチレス圧縮機の動力伝達装置。
JP2000108835A 2000-04-11 2000-04-11 クラッチレス圧縮機の動力伝達装置 Withdrawn JP2001295857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000108835A JP2001295857A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 クラッチレス圧縮機の動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000108835A JP2001295857A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 クラッチレス圧縮機の動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001295857A true JP2001295857A (ja) 2001-10-26

Family

ID=18621611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000108835A Withdrawn JP2001295857A (ja) 2000-04-11 2000-04-11 クラッチレス圧縮機の動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001295857A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100723814B1 (ko) * 2002-07-12 2007-05-31 한라공조주식회사 동력전달장치
CN100354553C (zh) * 2004-03-18 2007-12-12 汉拏空调株式会社 无离合器式压缩机的动力传递装置
US7311625B2 (en) * 2003-01-16 2007-12-25 Denso Corporation Rotating apparatus with a torque limiter function
KR101111951B1 (ko) 2005-08-31 2012-02-13 한라공조 주식회사 클러치리스 압축기의 동력전달장치
KR101164692B1 (ko) * 2006-09-25 2012-07-12 한라공조주식회사 압축기의 동력전달구조
FR2991018A1 (fr) * 2012-05-24 2013-11-29 Skf Ab Dispositif de poulie pour compresseur de climatisation

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100723814B1 (ko) * 2002-07-12 2007-05-31 한라공조주식회사 동력전달장치
US7311625B2 (en) * 2003-01-16 2007-12-25 Denso Corporation Rotating apparatus with a torque limiter function
CN100354553C (zh) * 2004-03-18 2007-12-12 汉拏空调株式会社 无离合器式压缩机的动力传递装置
KR101111951B1 (ko) 2005-08-31 2012-02-13 한라공조 주식회사 클러치리스 압축기의 동력전달장치
KR101164692B1 (ko) * 2006-09-25 2012-07-12 한라공조주식회사 압축기의 동력전달구조
FR2991018A1 (fr) * 2012-05-24 2013-11-29 Skf Ab Dispositif de poulie pour compresseur de climatisation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6875113B2 (en) Torsional vibration damper
EP1327790A2 (en) Torque limiter
JP4081473B2 (ja) コンプレッサーに対してエンジンの回転トルクを伝達するための装置
JPH08506649A (ja) 応力散逸ギア及びその製造方法
BRPI0606764B1 (pt) conjunto desacoplador para transferir o torque entre um eixo e uma correia de transmissão
JP2008528881A (ja) 弾性継手部材
US20130337953A1 (en) Pulley device for an air conditioning compressor
KR920000974B1 (ko) 탄성축 커플링
JP2003161333A (ja) トルク伝達装置
JP4349322B2 (ja) 動力伝達装置
JP2001295857A (ja) クラッチレス圧縮機の動力伝達装置
JP2001059560A (ja) 動力伝達装置
JP2007071263A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP4078761B2 (ja) 動力伝達装置
JP2002054711A (ja) 動力伝達装置
JP4134470B2 (ja) 動力伝達装置
US20040192479A1 (en) Power transmission
JP2007224937A (ja) 回転トルク伝達装置
JP2001173759A (ja) 動力伝達装置
JP2019065904A (ja) アイソレーション付きプーリ
JP2001317456A (ja) クラッチレス圧縮機
KR100653695B1 (ko) 파단부가 형성된 연결부재를 구비한 클러치리스 압축기
JP5003882B2 (ja) トーショナルダンパ
JP2006194265A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JPH11230188A (ja) クラッチレス圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703