JP2002054711A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2002054711A
JP2002054711A JP2000296763A JP2000296763A JP2002054711A JP 2002054711 A JP2002054711 A JP 2002054711A JP 2000296763 A JP2000296763 A JP 2000296763A JP 2000296763 A JP2000296763 A JP 2000296763A JP 2002054711 A JP2002054711 A JP 2002054711A
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尚樹 袴田
Yuichi Aoki
祐一 青木
Yasuo Tabuchi
泰生 田渕
Manabu Saeki
学 佐伯
Junichi Oguchi
純一 大口
Takuo Sakai
拓生 酒井
Naoto Yasugata
直人 安形
Mikio Matsuda
三起夫 松田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H35/00Gearings or mechanisms with other special functional features
    • F16H35/10Arrangements or devices for absorbing overload or preventing damage by overload
    • F16H2035/103Arrangements or devices for absorbing overload or preventing damage by overload with drive interruption by structural failure of overload preventing means, e.g. using shear pins

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  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力ディスクのインナハブ22それ自体にト
ルクリミッタ機構を持たせることで、動力伝達装置の製
品コストを低減する。 【解決手段】 動力伝達装置の出力ディスクを構成する
樹脂製のアウタハブの内径側に、コンプレッサのシャフ
トの外周に結合されるインナリング101、このインナ
リング101の外周側に設けられるアウタリング10
2、およびインナリング101とアウタリング102と
を連結するブリッジ103よりなる金属製のインナハブ
22をインサート成形している。そして、そのインナハ
ブ22のブリッジ103のインナリング101側の根元
部135、136に所定の大きさの切欠き部(トルクリ
ミッタ機構)131、132を形成することにより、リ
ミッタ作動トルクが働くと、より確実にインナリング1
01とブリッジ103との継ぎ目(絞り部171)で破
損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動源から回転装
置の回転軸へ回転動力を伝達する動力伝達装置に関する
もので、特に回転装置の回転軸がロックする等の過負荷
トルクが生じると、駆動源から回転装置の回転軸への動
力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構を備えた動力
伝達装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば0%容量まで冷媒の吐
出容量を変化させることが可能な可変容量型冷媒圧縮機
を備えた冷凍サイクルでは、エンジンから冷媒圧縮機の
駆動軸へ回転動力(トルク)の伝達を断続するクラッチ
機構が不要となる。しかるに、クラッチ機構を廃止した
場合には、冷媒圧縮機が焼き付き故障を生起する等して
冷媒圧縮機の駆動軸のロックが発生すると、通常の伝達
トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ作動
トルク)が生じる。それによって、冷媒圧縮機の駆動軸
を駆動するためのプーリの回転が止まるので、エンジン
に駆動されるベルトが滑り、ベルトに摩耗が生じ、ベル
トが発熱する等してベルトが破断する可能性がある。
【0003】そこで、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする
等の過負荷トルクが生じ、プーリと冷媒圧縮機の駆動軸
との間に設定トルク以上のトルク差が生じると、エンジ
ンから冷媒圧縮機の駆動軸への動力伝達経路を遮断する
トルクリミッタ機構を備えた自動車空調用圧縮機の動力
伝達装置(特開平11−257369号公報等)が提案
されている。この動力伝達装置としては、エンジンによ
りベルト駆動されるプーリ、このプーリに固定されたア
ウタハブ、このアウタハブとの間にゴム系の弾性体を介
して連結されたフランジ部材、冷媒圧縮機の駆動軸に連
結されたインナハブ、およびフランジ部材とインナハブ
との間に設けられた多板式の摩擦部材とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の動力
伝達装置においては、冷媒圧縮機の駆動軸がロックする
等の過負荷トルクが生じると、エンジンから冷媒圧縮機
の駆動軸への動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機
構を、フランジ部材とインナハブとの間に新たに追加し
て設けられた多板式の摩擦部材によって構成している
が、この従来構造においては、トルクリミッタ機構が複
雑な構造となると共に、部品点数や組付工数が多く、製
品コストを上昇させるという問題が生じている。さら
に、摩擦力によってリミッタ作動トルクが決まるため、
油または水がかかる等、使用環境によるリミッタ作動ト
ルクのバラツキが大きいという懸念も生じている。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、従動側回転体それ自体
に簡易な構造のトルクリミッタ機構を設けることによ
り、あるいは、従動側回転体それ自体にトルクリミッタ
機能を持たせることにより、駆動側回転体および従動側
回転体の他に新たに部品を追加する必要のない動力伝達
装置を提供することにある。また、従動側回転体それ自
体にトルクリミッタ機構を有する点と、使用環境に左右
されず安定したリミッタ作動トルクで破損部が破損する
点を兼ね備えた動力伝達装置を得ることを目的とする。
また、塑性的性質を有する材料で、応力集中する構成で
は、リミッタ作動トルクが上昇するという問題に対し、
塑性歪みの小さい材料を用いるか、あるいは熱処理にて
塑性歪みを小さくすることにより、リミッタ作動トルク
を低減することのできる動力伝達装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、回転装置の回転軸に結合される従動側回転体
に、その従動側回転体に通常の伝達トルクよりも非常に
大きい過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じた際
に優先的に破損する破損部を設けている。これにより、
駆動源から回転装置の回転軸への動力伝達経路を遮断す
るトルクリミッタ機構が簡易な構造で実現することがで
きる。それによって、トルクリミッタ機構を構成するた
めに駆動側回転体および従動側回転体の他に新たに部品
を追加する必要はない。この結果、動力伝達装置全体の
部品点数および組付工数を軽減できるので、動力伝達装
置の製品コストを低減することができる。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、従動側回
転体に通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トル
ク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損す
る破損部として、従動側回転体が受けるトルク伝達によ
る応力が比較的に高い部位を設けることにより、従動側
回転体に過負荷トルクが生じた際に確実に破損する。ま
た、請求項3に記載の発明によれば、トルク伝達による
応力が比較的に高い部位が、回転装置の回転軸の軸方向
に平行な軸線に対して傾斜している。例えばその傾斜を
回転装置側が小径となるように設けることにより、従動
側回転体に過負荷トルクを受けて破損した後に、その破
損部よりも外径側の部位が駆動側回転体より外れること
を防止できる。
【0008】請求項4に記載の発明によれば、トルク伝
達による応力が比較的に高い部位よりも内周側に、回転
装置の回転軸に従動側回転体を締め付け固定するための
締め付け工具が係合する係合部を設けることにより、破
損部位よりも内径側の部位が回転装置の回転軸より外れ
ることを防止できる。また、請求項5に記載の発明によ
れば、回転装置の回転軸の外周側に結合されるインナハ
ブ、およびこのインナハブの外周側に設けられたアウタ
ハブによって従動側回転体が構成されているので、従動
側回転体の軽量化を図ることができる。
【0009】請求項6に記載の発明によれば、インナハ
ブの内輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいはインナハ
ブの外輪部とブリッジ部との繋ぎ目、あるいはインナハ
ブのブリッジ部の途中に、インナハブに過負荷トルクが
生じた際に優先的に破損する破損部を設けている。ま
た、請求項7に記載の発明によれば、インナハブの内周
に、回転装置の回転軸の外周に設けられた外周ねじ部に
螺合する内周ねじ部を設けることにより、動力伝達装置
の軸方向寸法を短縮することができ、インナハブと回転
装置の回転軸とのガタ付きを解消することができる。さ
らに、請求項8に記載の発明によれば、インナハブのア
ウタハブとの結合部に、周方向に所定の間隔で複数の穴
部を設けることにより、インナハブとアウタハブとの結
合力が高まる。
【0010】請求項9に記載の発明によれば、インナハ
ブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク
(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損する
破損部として、インナハブのブリッジ部の所定の位置に
切欠き部を設けることにより、切欠き部付近の引張り力
方向がより周接線方向に対し、垂直になり、すなわち、
亀裂が周接線方向に入り、破損し易くなる。これによ
り、使用環境に左右されず、より確実に所定の場所で破
損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくす
ることができる。
【0011】請求項10に記載の発明によれば、インナ
ハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トル
ク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損す
る破損部として、インナハブのブリッジ部の所定の位置
に溝部を設けることにより、溝部の応力が高くなり、確
実に溝部で亀裂が生じると共に、溝部に対し内輪部の強
度が高いため、亀裂がより周接線方向に沿って進展す
る。これにより、使用環境に左右されず、より確実に所
定の場所で破損するので、リミッタ作動トルクのバラツ
キを小さくすることができる。
【0012】請求項11に記載の発明によれば、インナ
ハブの内輪部または外輪部の強度をブリッジ部の強度と
比べて高く設定している。また、請求項12に記載の発
明によれば、インナハブの内輪部または外輪部の厚さを
ブリッジ部の厚さと比べて大きく設定している。さら
に、請求項13に記載の発明によれば、インナハブの内
輪部または外輪部の硬さをブリッジ部の硬さと比べて大
きく設定している。これらにより、内輪部または外輪部
の強度がブリッジ部よりも高くなり、亀裂が強度の弱い
方向に沿って進展する。したがって、使用環境に左右さ
れず、より確実にブリッジ部の所定の位置で破損するの
で、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることが
できる。
【0013】請求項14に記載の発明によれば、インナ
ハブのブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに
従って連続的または段階的に小さくした幅狭部、あるい
はブリッジ部の幅を内輪部または外輪部に向かうに従っ
て連続的または段階的に大きくした幅広部を設けること
により、ブリッジ部に絞り部が形成される。これによ
り、絞り部にはブリッジ部の曲げによる応力よりも、剪
断応力が強く働き、より周接線方向に破損する。したが
って、使用環境に左右されず、より確実にブリッジ部の
所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルクのバラ
ツキを小さくすることができる。
【0014】請求項15に記載の発明によれば、インナ
ハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トル
ク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損す
る破損部として、ブリッジ部の途中、あるいは内輪部、
あるいはブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ目に
穴部を設けることにより、応力が穴部近傍に集中し、穴
部に向かって亀裂が進展する。したがって、使用環境に
左右されず、より確実に所定の位置で破損するので、リ
ミッタ作動トルクのバラツキを小さくすることができ
る。
【0015】請求項16に記載の発明によれば、インナ
ハブのブリッジ部に、第1番目に発生応力が大きくなる
部位、および第2番目に発生応力が大きくなる部位を設
けていることにより、第1番目に発生応力が大きくなる
部位に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるために、
ブリッジ部がブリッジ部と内輪部または外輪部との継ぎ
目を支点にして回転方向に倒れ込むが、同時に第2番目
に発生応力が大きくなる部位に亀裂が入り、最終的にブ
リッジ部は内輪部または外輪部から欠落し、つっぱりに
よってリミッタ作動トルクが上昇することはなく、所定
のトルクでトルクリミッタ機構が作動する。したがっ
て、使用環境に左右されず、より確実に所定の位置で破
損するので、リミッタ作動トルクのバラツキを小さくす
ることができる。
【0016】請求項17に記載の発明によれば、第1番
目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と内
輪部との継ぎ目付近に第1切欠き部を設けており、第2
番目に発生応力が大きくなる部位として、ブリッジ部と
外輪部との継ぎ目付近に第2切欠き部を設けている。そ
れによって、請求項16に記載の発明と同様な作用およ
び効果を得ることができる。
【0017】請求項18に記載の発明によれば、インナ
ハブに通常の伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トル
ク(リミッタ作動トルク)が生じた際に優先的に破損す
る破損部として、ブリッジ部の外周側に外径側切欠き部
を設け、この外径側切欠き部よりも内周側に内径側切欠
き部を設けることにより、リミッタ作動トルクが働く
と、亀裂が外径側切欠き部から内径側切欠き部に向かっ
て進展する。したがって、使用環境に左右されず、より
確実に所定の位置で破損するので、リミッタ作動トルク
のバラツキを小さくすることができる。
【0018】請求項19に記載の発明によれば、インナ
ハブのブリッジ部を、半径方向に対して回転方向側へ所
定の角度だけ傾けることにより、ブリッジ部と内輪部と
の継ぎ目を支点にして、ブリッジ部が回転方向に倒れ込
む時、それを外輪部によって阻止する力が外輪部とブリ
ッジ部との継ぎ目に働かず、所定のトルクよりも大きな
リミッタ作動トルクが発生しない。また、請求項20に
記載の発明によれば、所定の角度は、ブリッジ部の内輪
部側で、且つ回転方向側の端点とその対角上にある端点
とを結ぶ直線が、回転方向側の端点を支点として前記イ
ンナハブが回転した時、外輪部に食い込まないように設
定することが望ましい。さらに、請求項21に記載の発
明によれば、インナハブの回転方向に対し反対側の面は
直線で切欠きが無く、回転方向側の面は外周に向かって
ブリッジ幅が徐々に大きくなる構成としても良い。そし
て、請求項22に記載の発明によれば、インナハブの回
転方向側の面に所定の大きさの切欠きを設けることが望
ましい。
【0019】請求項23に記載の発明によれば、従動側
回転体を構成する樹脂製のアウタハブにインサート成形
された金属製のインナハブに、そのインナハブに通常の
伝達トルクよりも非常に大きい過負荷トルク(リミッタ
作動トルク)が生じた際に優先的に破損する破損部を設
けている。これにより、駆動源から回転装置の回転軸へ
の動力伝達経路を遮断するトルクリミッタ機構が簡易な
構造で実現することができる。それによって、トルクリ
ミッタ機構を構成するために駆動側回転体および従動側
回転体の他に新たに部品を追加する必要はない。この結
果、動力伝達装置全体の部品点数および組付工数を軽減
できるので、動力伝達装置の製品コストを低減すること
ができる。
【0020】請求項24に記載の発明によれば、従動側
回転体に設けられたディスクカバーによって、破損部を
有するインナハブの軸方向の一端面が覆われているの
で、リミッタ作動後に生成されるインナハブの破片の飛
散を防止することができる。また、ディスクカバーに、
インナハブの軸方向の一端面より所定の隙間を隔てて配
設されて、インナハブの軸方向の一端面に対向するよう
に凸状の環状部を設けることにより、リミッタ作動後に
生成されるインナハブの破断部とディスクカバーとが接
触することはなく、リミッタ作動トルクに影響が出るこ
とはない。
【0021】請求項25に記載の発明によれば、ディス
クカバーに、従動側回転体を回転装置の回転軸へ取り付
けるためのハブ取付治具が係合または挿通可能な穴部を
設けている。また、請求項26に記載の発明によれば、
駆動側回転体の軸方向の一端面に設けられた凹状嵌合部
と、従動側回転体を構成するアウタハブの軸方向の他端
面に設けられた凸状嵌合部との間に、弾性変形が可能な
ゴム系弾性体を装着することにより、駆動側回転体から
従動側回転体へのトルク変動を吸収することができる。
【0022】請求項27に記載の発明によれば、駆動側
回転体の凹状嵌合部の内面の一部に凹部を設け、ゴム系
弾性体の外面の一部に凸部を設け、従動側回転体を構成
するアウタハブの凸状嵌合部の外面の一部に突起部を設
けている。そして、ゴム系弾性体の凸部を凹状嵌合部の
凹部に嵌め込むことで、ゴム系弾性体が駆動側回転体に
保持される。また、ゴム系弾性体とアウタハブの凸状嵌
合部とを、駆動側回転体の凹状嵌合部に圧入すること
で、凸状嵌合部に設けられた突起部がゴム系弾性体に押
し付けられて駆動側回転体の凹状嵌合部内に保持され
る。
【0023】請求項28に記載の発明によれば、インナ
ハブを、外輪部に向かって引張り力が働く構成としても
良い。また、請求項29に記載の発明によれば、インナ
ハブを、略回転接線方向に傾斜させるようにしても良
い。そして、請求項30に記載の発明によれば、インナ
ハブの材料として疲労限度比が比較的に大きい材料を用
いることにより、リミッタ作動トルクを低減できる。ま
た、請求項31に記載の発明によれば、インナハブの材
料として塑性歪み量が比較的に小さい材料を用いること
により、リミッタ作動トルクを低減できる。また、請求
項32に記載の発明によれば、塑性歪み量が小さくなる
熱処理をインナハブに施すことにより、リミッタ作動ト
ルクを低減できる。
【0024】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図4は本発明の第1実
施例を示したもので、図1および図2はコンプレッサプ
ーリ装置を示した図である。
【0025】本実施例のコンプレッサプーリ装置は、エ
ンジン(本発明の駆動源に相当する)を搭載する自動車
等の車両のエンジンルーム内に配設されて、エンジン補
機(以下コンプレッサと言う)へエンジンの回転動力を
伝達する動力伝達装置で、後記するトルクリミッタ機構
を備えている。
【0026】ここで、本実施例で使用されるコンプレッ
サは、本発明の回転装置に相当するもので、車両用空調
装置の冷凍サイクルの一構成部品である。このコンプレ
ッサは、冷媒圧縮部(図示せず)と、0%容量まで冷媒
の吐出容量を変化させることが可能な吐出容量可変手段
(図示せず)と、冷媒圧縮部および吐出容量可変手段を
収容する円筒形状のコンプレッサハウジング(以下ハウ
ジングと略す)1とから構成された可変容量型冷媒圧縮
機である。
【0027】ハウジング1は、例えばコンプレッサプー
リ装置側から順に、フロントハウジング、シリンダおよ
びリヤハウジング等よりなる。そして、冷媒圧縮部は、
シャフト2を回転させることにより吸入した冷媒を圧縮
し吐出する。そのシャフト2は、本発明の回転軸に相当
するもので、先端部に外周ねじ部(雄ねじ部)3を有し
ている。
【0028】ハウジング1の前端部には、中央部より軸
方向外方側に突出するように円筒形状のスリーブ部4が
一体的に形成されている。このスリーブ部4は、外周側
においてボールベアリング5を保持する軸受保持部であ
る。なお、スリーブ部4の外周には、ボールベアリング
5をハウジング1の円環状の段差部分との間に挟み込ん
だ状態で係止するサークリップ6が嵌め込まれている。
【0029】コンプレッサプーリ装置は、エンジンの運
転時に常時回転するVプーリ(入力ディスク、ロータ)
7と、このVプーリ7からトルクを受けると回転する出
力ディスク8と、Vプーリ7と出力ディスク8との間に
装着された複数個(本例では6個)のゴムダンパ9とか
ら構成されている。
【0030】Vプーリ7は、本発明の駆動側回転体に相
当するもので、図3および図4に示したように、例えば
鉄系の金属材料、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂材料
またはアルミニウム系の金属材料により所定の形状に一
体成形されている。このVプーリ7は、エンジンに常時
駆動される略円筒形状の筒壁部11、この筒壁部11よ
りも内径側に設けられた側壁部12、およびこの側壁部
12よりも内径側に設けられた軸受保持部13等を有し
ている。
【0031】筒壁部11の外周には、多段式のVベルト
(図示せず)が掛けられている。このため、筒壁部11
の外周には、Vベルトの内周面に形成された複数のV字
状溝部に対応した複数のV字状溝部14が形成されてい
る。そして、そのVベルトは、エンジンのクランク軸に
取付けられたクランクプーリ(図示せず)に掛け渡され
ている。なお、Vベルトは、コンプレッサプーリ装置だ
けでなく、他のエンジン補機類(例えばオルタネータ、
エンジン冷却装置のウォータポンプ、パワーステアリン
グ装置の油圧ポンプ等)のVプーリ装置にも共掛けされ
ている。
【0032】側壁部12には、図4に示したように、複
数個のゴムダンパ9がそれぞれ装着される軸方向穴(本
発明の凹状嵌合部に相当する)15が複数個(本例では
6個)形成されている。複数個の軸方向穴15は、図3
に示したように、周方向に等間隔(例えば60°間隔)
で設けられている。軸受保持部13は、ボールベアリン
グ5の外周側を保持する。
【0033】出力ディスク8は、本発明の従動側回転体
に相当するもので、Vプーリ7の側壁部12よりも前方
側で、側壁部12の前壁面に対向するように配置された
ハブ部材である。この出力ディスク8は、この出力ディ
スク8において外周側(外径側)に配された樹脂製のア
ウタハブ21、およびコンプレッサのシャフト2の外周
に結合する金属製のインナハブ22等から構成されてい
る。
【0034】アウタハブ21は、例えばナイロン樹脂等
の熱可塑性樹脂またはフェノール系樹脂等の熱硬化性樹
脂により所定の形状に一体成形されている。このアウタ
ハブ21の後壁面からは、図1および図4に示したよう
に、図示右側に突出する複数個(本例では6個)のピン
部(本発明の凸状嵌合部に相当する)23が周方向に等
間隔(例えば60°間隔)で設けられている。
【0035】インナハブ22は、例えば焼結金属、鋳鉄
またはアルミニウム製鋳物等の金属により一体的に設け
られて、アウタハブ21にインサート成形されている。
このインナハブ22は、このインナハブ22において内
周側(内径側)に配される略円環板状の内輪部(以下イ
ンナリングと言う)31、このインナリング31よりも
外周側(外径側)に配される略円環板状の外輪部(以下
アウタリングと言う)32、およびインナリング31の
外周とアウタリング32の内周とを連結する複数個(本
例では3個)のブリッジ(本発明のブリッジ部に相当す
る)33を有している。
【0036】インナリング31の中央部の前壁面には、
コンプレッサのシャフト2の外周にインナハブ22を締
め付け固定するための締め付け工具が係合する六角部
(本発明の係合部に相当する)34が形成されている。
このインナリング31の内周には、コンプレッサのシャ
フト2の外周に設けられた外周ねじ部3に螺合する内周
ねじ部35が成形されている。
【0037】本実施例のアウタリング32および複数個
のブリッジ33の表面(本発明の結合部に相当する)
は、アウタハブ21を構成する樹脂材料で覆われてい
る。そして、アウタリング32には、アウタハブ21を
構成する樹脂材料との結合力を高めるための複数個(本
例では12個)の丸穴部36が設けられている。これら
の丸穴部36は、周方向に等間隔(例えば30°間隔)
で形成されている。
【0038】複数個のブリッジ33は、インナリング3
1の外周面よりアウタリング32の内周面にかけて径方
向に放射状に設けられている。これらのブリッジ33
は、出力ディスク8のインナハブ22が受けるトルク伝
達による応力がその他の箇所に比べて高い複数個(本例
では3個)の破損部37を設けている。これらの破損部
37は、ブリッジ33のインナリング31側の根元部分
に設けられ、周方向に形成された略円弧状の貫通孔38
間に設けられている。
【0039】これらの破損部37は、出力ディスク8の
インナハブ22に通常の伝達トルク(例えば15Nm)
よりも非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm)が
生じた際に優先的に破損してインナハブ22の外径側と
内径側とが分離することで、エンジンからコンプレッサ
のシャフト2への動力伝達経路を遮断するトルクリミッ
タ機構を構成する。
【0040】また、複数個の破損部37は、図1に示し
たように、コンプレッサのシャフト2の軸方向に平行な
軸線に対してコンプレッサ側が小径となるように傾斜し
て設けられている。複数個の破損部37は、ブリッジ3
3の前壁面から後壁面にかけて形成されている。
【0041】複数個のゴムダンパ9は、例えば塩素化ブ
チルゴム、スチレンブタジエンゴムまたは天然ゴム等を
略U字形状となるように一体成形されたゴム系の弾性体
である。これらのゴムダンパ9は、図4に示したよう
に、アウタハブ21の後壁面より後方側に突出するピン
部23が嵌め合わされる凹状の被嵌合部39を有してい
る。複数個のゴムダンパ9は、アウタハブ21のピン部
23の外周面とVプーリ7の側壁部12の前壁面に形成
された軸方向穴15の内周面との間の横U字状の中空部
にそれぞれ圧入または接着等により装着されて、Vプー
リ7から出力ディスク8へのトルク変動を吸収する。
【0042】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例のコ
ンプレッサプーリ装置の作用を図1ないし図4に基づい
て簡単に説明する。
【0043】コンプレッサプーリ装置の通常作動時に
は、出力ディスク8のインナハブ22が駆動可能な状態
に保持されている。したがって、エンジンが始動するこ
とによりクランク軸が回転し、クランクプーリおよびV
ベルトを介してVプーリ7の筒壁部11にエンジンの回
転動力(トルク)が伝達される。そして、Vプーリ7の
側壁部12の軸方向穴15の周方向の内壁面からゴムダ
ンパ9にトルクが伝わり、更に、ゴムダンパ9の凹状の
被嵌合部39の内側面から出力ディスク8のアウタハブ
21のピン部23の外周面にトルクが伝わる。これによ
り、アウタハブ21が回転するので、アウタハブ21に
インサート成形されたインナハブ22のインナリング3
1、アウタリング32および複数個のブリッジ33も回
転する。
【0044】そして、インナハブ22のインナリング3
1の内周ねじ部35がコンプレッサのシャフト2の外周
ねじ部3に螺合しているので、出力ディスク8のインナ
ハブ22に追従してコンプレッサのシャフト2が回転す
る。このため、コンプレッサが、エバポレータ(冷媒蒸
発器)より吸引した冷媒を圧縮して高温、高圧の冷媒ガ
スをコンデンサ(冷媒凝縮器)に向けて吐出するので、
自動車等の車両の車室内の冷房が成される。
【0045】ここで、コンプレッサが焼き付き故障を生
起する等してコンプレッサのシャフト2のロックが生じ
ると、出力ディスク8の回転が停止したままVプーリ7
が回転をし続けようとするため、出力ディスク8のイン
ナハブ22に通常の伝達トルク(例えば15Nm)より
も非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm:衝撃ト
ルク)が発生する。すなわち、出力ディスク8のインナ
ハブ22のインナリング31とアウタリング32との間
に設定トルク以上のトルク差が発生すると、インナハブ
22のブリッジ33のインナリング31側の根元部分に
設けられた複数個の破損部37、つまりトルク伝達によ
る応力がその他の箇所に比べて高い部位に多大な応力が
加わり、複数個の破損部37は優先的に破損する(折れ
る)。
【0046】このため、インナハブ22のインナリング
31とアウタリング32とが分離され、Vプーリ7、複
数個のゴムダンパ9、出力ディスク8のアウタハブ21
およびインナハブ22のアウタリング32がインナリン
グ31に対してフリーで自転する。このように、インナ
ハブ22のインナリング31とアウタリング32との間
に設定トルク以上のトルク差が発生した時には、ブリッ
ジ33に設けた破損部37が優先的に破損する。つま
り、トルクリミッタ機構が作動することにより、Vプー
リ7からコンプレッサのシャフト2へのトルクの伝達が
遮断されるので、エンジンからコンプレッサのシャフト
2への動力伝達経路が遮断される。
【0047】なお、破損してインナハブ22のインナリ
ング31およびブリッジ33の内径側より離れた出力デ
ィスク8のアウタハブ21、インナハブ22のアウタリ
ング32およびブリッジ33の外径側は、コンプレッサ
のシャフト2の軸方向に平行な軸線に対してコンプレッ
サ側が小径となるように複数個の破損部37が傾斜して
設けられている。それによって、出力ディスク8のアウ
タハブ21、インナハブ22のアウタリング32および
ブリッジ33の外径側がVプーリ7の筒壁部11の前端
面よりも前方側(図1において図示左側)へ移動するこ
とはなく、Vプーリ7の筒壁部11よりも内径側に保持
される。したがって、出力ディスク8のアウタハブ2
1、インナハブ22のアウタリング32およびブリッジ
33の外径側は、Vプーリ7の回転に伴って複数個のゴ
ムダンパ9と共に回転する。
【0048】〔第1実施例の効果〕以上のように、本実
施例のコンプレッサプーリ装置は、トルクリミッタ機構
(破損部37)を、出力ディスク8のアウタハブ21に
インサート成形されて、コンプレッサのシャフト2の外
周に結合されるインナハブ22のブリッジ33に一体的
に設けることにより、コンプレッサプーリ装置の主要部
品の他にトルクリミッタ機構を構成する多板の摩擦部材
等の新たな部品が不要となる。それによって、コンプレ
ッサプーリ装置に設けられるトルクリミッタ機構を簡易
な構造で構成でき、しかも部品点数を低減でき、組付工
数を低減できるので、コンプレッサプーリ装置の製品コ
スト(製品価格)を著しく低減することができる。
【0049】また、トルクリミッタ機構を構成する出力
ディスク8のインナハブ22のブリッジ33に設けられ
る複数個の破損部37をVプーリ7の筒壁部11の内径
側に収まる軸方向寸法としているので、Vプーリ7の筒
壁部11よりも大きくなってしまう多板式の摩擦部材を
備えた従来のプーリ装置と比較して、コンプレッサプー
リ装置全体の軸方向寸法を縮小化することができ、トル
クリミッタ機構を備えたコンプレッサプーリ装置のサイ
ズをコンパクト化(軽量、小型化)することができる。
【0050】ここで、トルクリミッタ機構を備えたコン
プレッサプーリ装置が、コンプレッサ以外の種々なエン
ジン補機類(例えばオルタネータ、エンジン冷却装置の
ウォータポンプ、パワーステアリング装置の油圧ポンプ
等)と共通のVベルトにて、エンジンからのトルクが伝
達されるように構成されている場合でも、インナハブ2
2のインナリング31とアウタリング32との間に設定
トルク以上のトルク差が発生した時に、トルクリミッタ
機構が作動する。これにより、Vベルトの摩耗や破断を
防止できるので、自動車等の車両の走行不能という重大
な故障を引き起こすことはない。
【0051】そして、本実施例のコンプレッサプーリ装
置は、出力ディスク8のインナハブ22の中央部の前壁
面に形成した六角部34に締め付け工具を係合させて締
め付けることによって、コンプレッサのシャフト2の外
周ねじ部3と出力ディスク8のインナハブ22の内周ね
じ部35とを螺合させることにより、コンプレッサのシ
ャフト2の外周に出力ディスク8のインナハブ22を結
合している。それによって、従来のようなコンプレッサ
のシャフトの外周に設けたアウタスプラインと出力ディ
スクのインナハブの内周に設けたインナスプラインとの
スプライン嵌合に対して、インナハブにシャフトの軸方
向の当接部が不要となるので、軸方向寸法を縮小化する
ことができ、トルクリミッタ機構を備えたコンプレッサ
プーリ装置のサイズをコンパクト化することができる。
【0052】また、スプライン嵌合に対してねじ結合は
ガタ付きを防止することができ、固定用ボルトを廃止す
ることができるので、部品点数を減少できると共に、加
工工数を低減できるので、コンプレッサプーリ装置の製
品コストを著しく低減することができる。
【0053】〔第2実施例〕図5は本発明の第2実施例
を示したもので、コンプレッサプーリ装置を示した図で
ある。
【0054】ここで、Vプーリ7を回転自在に支持する
ためのボールベアリング(ラジアル玉軸受)5付近に水
が浸入し、更に、ボールベアリング5の内輪25と外輪
26との間に水が浸入してボール等の転動体27が転動
する軌道面を腐食させてしまい、ボールベアリング5の
耐久寿命を低下させる可能性がある。
【0055】そこで、本実施例のコンプレッサプーリ装
置では、出力ディスク8のインナハブ22の前方側に、
インナハブ22に周方向に複数個(本例では3個)形成
された略円弧状の貫通孔38を閉塞するように略円環板
形状のシールカバー24を装着している。これにより、
このシールカバー24の存在によって、ボールベアリン
グ5の内部およびコンプレッサのシャフト2の外周とハ
ウジング1のスリーブ部4の内周との間に水や油等の異
物が浸入することを防止できる。
【0056】〔第3実施例〕図6ないし図9は本発明の
第3実施例を示したもので、図6および図7はコンプレ
ッサプーリ装置を示した図である。
【0057】本実施例の出力ディスク8は、樹脂製のア
ウタハブ41の内径側に金属製のインナハブ42をイン
サート成形している。そのアウタハブ41の後端面から
は、第1実施例と同様にして、図8および図9に示した
ように、図示右側に突出する複数個(本例では6個)の
凸状の嵌合部43が周方向に等間隔(例えば60°間
隔)で設けられている。
【0058】なお、本実施例の複数個のゴムダンパ9
は、第1実施例と同様にして、図9に示したように、嵌
合部43が嵌め合わされる凹状の被嵌合部39を有して
いる。また、アウタハブ41の内径側には、複数個(本
例では3個)の凹み部44が設けられている。これらの
凹み部44は、強度の高い樹脂材料が後記するインナハ
ブ42の貫通孔58内に入ると、後記する破損部57が
破損し難くなる可能性があるので、アウタハブ41の一
部を薄肉化して強度を弱めるために設けられている。
【0059】インナハブ42は、第1実施例と同様にし
て、インナハブ42において内周側(内径側)に配され
る略円環板状の内輪部(以下インナリングと言う)5
1、このインナリング51よりも外周側(外径側)に配
される略円環板状の外輪部(以下アウタリングと言う)
52、およびインナリング51の外周とアウタリング5
2の内周とを連結する複数個(本例では3個)のブリッ
ジ部(以下ブリッジと言う)53を有している。
【0060】インナリング51の中央部の前壁面には、
第1実施例と同様にして、締め付け工具が係合する六角
部(本発明の係合部に相当する)54が形成されてい
る。このインナリング51の内周には、コンプレッサの
シャフト2の外周ねじ部3に螺合する内周ねじ部55が
成形されている。本実施例のインナリング51の外径
側、アウタリング52および複数個のブリッジ53の表
面(本発明の結合部に相当する)は、アウタハブ41を
構成する樹脂材料で覆われている。そして、アウタリン
グ52には、樹脂材料との結合力を高めるための複数個
(本例では9個)の丸穴部56が設けられている。
【0061】複数個のブリッジ53は、インナリング5
1の外周面よりアウタリング52の内周面にかけて径方
向に放射状に設けられている。これらのブリッジ53の
インナリング51側の根元部分には、複数個(本例では
3個)の破損部57が設けられている。これらの破損部
57は、他のブリッジ53と比較して細い部位で、出力
ディスク8のインナハブ42が受けるトルク伝達による
応力がその他の箇所に比べて高い部位である。
【0062】そして、複数個の破損部57は、隣設する
2個の貫通孔58の内径側間にそれぞれ設けられてい
る。なお、本実施例の破損部57は、図6に示したよう
に、コンプレッサのシャフト2の軸方向に平行な軸線に
対してコンプレッサ側が小径となるように傾斜して設け
られ、ブリッジ53のインナリング51側の根元部分の
周方向の両側を切り欠いた一対の切欠き部分である。
【0063】これらの破損部57は、出力ディスク8の
インナハブ42に通常の伝達トルク(例えば15Nm)
よりも非常に大きい過負荷トルク(例えば40Nm)が
生じた際に、優先的に破損してインナハブ42の外径側
と内径側とが分離することで、エンジンからコンプレッ
サのシャフト2への動力伝達経路を遮断するトルクリミ
ッタ機構を構成する。
【0064】〔第4実施例の構成〕図10ないし図12
は本発明の第4実施例を示したもので、図10および図
11はコンプレッサプーリ装置の主要構造を示した図
で、図12(a)、(b)は本発明の第4実施例のディ
スクカバーを示した図である。
【0065】本実施例のコンプレッサプーリ装置におい
ては、Vプーリ7から複数個のゴムダンパ9を介して回
転動力が伝達される出力ディスク8を構成する樹脂製の
アウタハブ21の内径側にインサート成形された例えば
焼結金属製のインナハブ22の軸方向の一端面(前端
面)、特に複数個の破損部(リミッタ破断部)37付近
の前端面を覆うように略円環板形状のディスクカバー6
0が設けられている。このディスクカバー60の外周部
には、アウタハブ21の内径側に埋設される被埋設部6
1が略円環状に設けられている。また、ディスクカバー
60の外径側には、複数個(本例では3個)の鍔状部6
2と複数個(本例では3個)の切欠き部63とが交互に
設けられている。
【0066】そして、ディスクカバー60の内径側に
は、インナハブ22の軸方向の一端面より所定の隙間を
隔てて、インナハブ22の軸方向の一端面(前端面)に
対向して配された凸状の環状部64が設けられている。
また、凸状の環状部64には、出力ディスク8をコンプ
レッサのシャフト2へ取り付けるためのハブ取付治具の
係合部が係合可能な複数個(本例では3個)の丸穴部6
5が、等間隔(例えば120°間隔)で形成されてい
る。さらに、ディスクカバー60の内周部には、コンプ
レッサのシャフト2の軸方向の一端面(前端面)とディ
スクカバー60とが干渉しないように丸穴部66が設け
られている。
【0067】なお、本実施例では、ディスクカバー60
の外径側をアウタハブ21の内径側に樹脂によるインサ
ート成形により固定したが、ディスクカバー60の外径
側をアウタハブ21の内径側または破損部37よりも外
径側のインナハブ22の外径側に締結具を用いて締め付
け固定しても良く、また、接着または溶接により接合し
ても良く、また、かしめ等により機械的に固定しても良
い。また、ディスクカバー60の材質については、破片
を保持できる強度を持つものである以外に何ら制約はな
く、例えば鉄系金属、アルミニウム合金、66ナイロン
樹脂等の熱可塑性樹脂材料またはフェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂材料等が考えられる。
【0068】さらに、ボールベアリング5等の軸受部の
ベアリングシールを保護する必要性のある場合には、デ
ィスクカバー60を、図11の破線Aに示したように、
インナハブ22の軸方向の他端面(後端面)を覆うよう
に、出力ディスク8の後端面に設けても良い。この場合
には、複数個の破損部37が破断した後に生じる破片が
ボールベアリング5(図1参照)等の軸受部のベアリン
グシールに衝突してベアリングシールを傷付けることを
防ぐことができ、ベアリングシールの防水性の低下を防
止できる。
【0069】〔第4実施例の特徴〕ここで、第1実施例
のコンプレッサプーリ装置では、出力ディスク8の前端
面を覆うディスクカバーを設けていない構造のために、
リミッタ作動して複数の破損部37が破断した後に、ア
ウタハブ21の内径側とインナハブ22の外径側とが接
合されているため、アウタハブ21の内径側やインナハ
ブ22の外径側も同時に破損する可能性があったり、リ
ミッタ作動トルク(過負荷トルク:例えば40Nm)が
変化する可能性があったりするという不具合が生じる。
【0070】そこで、例えば焼結金属製のインナハブ2
2を、インナハブ22の前端面を覆うディスクカバー6
0と共に樹脂製のアウタハブ21により一体化した構造
を採用することで、リミッタ作動して複数の破損部37
が破断した後に、アウタハブ21の内径側やインナハブ
22の外径側も同時に破損しても、それらの破片が飛散
することを防止できる。これにより、より確実な飛散防
止構造を提供することができる。また、ディスクカバー
60の内径側(中心部)に凸状の環状部64を設けるこ
とで、複数の破損部(リミッタ破断部)37とディスク
カバー60とが接触することはなく、リミッタ作動トル
クに影響が出ることはない。
【0071】〔第5実施例の構成〕図13ないし図17
は本発明の第5実施例を示したもので、図13および図
14はコンプレッサプーリ装置の主要構造を示した図
で、図15は本発明の第5実施例のVプーリの主要構造
を示した図で、図16(a)、(b)は本発明の第5実
施例の出力ディスクを示した図で、図17(a)、
(b)は本発明の第5実施例のゴムダンパを示した図で
ある。
【0072】本実施例のVプーリ7の側壁部12の肉厚
部分には、複数個の軸方向穴(本発明の凹状嵌合部に相
当する)15がそれぞれ形成されている。これらの軸方
向穴15の周方向の両内壁面は、径方向の内径側から外
径側に向かって徐々に間隔が拡がるように傾斜してい
る。そして、複数個の軸方向穴15の周方向の両内壁面
には、ゴムダンパ(本発明のゴム系弾性体に相当する)
9に圧縮変形(弾性変形)を与えるための一対の突起部
70が設けられている。これらの突起部70は、通常作
動時のトルク伝達を行うと共に、リミッタ作動時にピン
部(本発明の凸状嵌合部に相当する)23にトルク伝達
を行う伝達部として機能する。一対の突起部70には、
軸方向穴15の奥側から開口側に向けて一対の突起部7
0の隙間(間隔)を徐々に拡げるようにテーパ部が設け
られ、ゴムダンパ9を軸方向穴15内に圧入し易くして
いる。
【0073】そして、軸方向穴15の外径側端部で、且
つ周方向の両端部には、ゴムダンパ9の外径側を保持す
るための一対の第1保持部(R部)71が設けられてい
る。また、軸方向穴15の内径側端部で、且つ周方向の
両端部には、ゴムダンパ9の内径側を保持するための一
対の第2保持部(R部)72が設けられている。なお、
これらの第1、第2保持部71、72は、R形状の内壁
面を有している。また、周方向の一方側の第1保持部7
1には、ゴムダンパ9の外径側に設けられる球形状の凸
部99が嵌め込まれる球面形状の凹部73が形成されて
いる。
【0074】そして、軸方向穴15の外径側端面は、ゴ
ムダンパ9の外径側端面(第1凹状部74)との間に第
1空隙が形成され、軸方向穴15の内径側端面は、ゴム
ダンパ9の内径側端面(第2凹状部75)との間に第2
空隙が形成されている。なお、軸方向穴15とゴムダン
パ9との第1、第2空隙の大きさを変更することによ
り、ゴムダンパ9のバネ特性(ダンパ特性)を変えるこ
とができる。そして、本実施例の出力ディスク8のアウ
タハブ21の後壁面からは、軸方向穴15内に差し込ま
れるピン部23が軸方向に突出している。
【0075】このピン部23の根元部分および中間部分
は平板形状の断面を有し、その先端部分は円形状の断面
を有している。そして、ピン部23の根元部分の周方向
の両外壁面には、先端側に向けて外径が漸減するように
一対のテーパ部76が設けられている。また、ピン部2
3の中間部分は、ゴムダンパ9内に挿入されて、その外
壁面の一部に突起部77が設けられている。さらに、ピ
ン部23の先端部分には、ゴムダンパ9の丸穴部95内
に嵌め込まれる円柱形状の頭部79が設けられている。
【0076】そして、軸方向穴15の内壁面とピン部2
3の外壁面との間に挟み込まれるゴムダンパ9は、例え
ば塩素化ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴ
ム等のゴム系弾性体を所定の形状となるように一体成形
されている。ゴムダンパ9の外径側端部で、且つ周方向
の両端部には、一対の第1保持部71に保持固定される
一対の第1被保持部91が一対の第1保持部71の内壁
面形状に対応した形状に形成されている。
【0077】なお、第1被保持部91には、軸方向穴1
5の周方向の一方側の第1保持部71に形成された凹部
73内に嵌め込まれる球形状の凸部99が一体的に形成
されている。また、ゴムダンパ9の内径側端部で、且つ
周方向の両端部には、一対の第2保持部72に保持固定
される一対の第2被保持部92が一対の第2保持部72
の内壁面形状に対応した形状に形成されている。
【0078】そして、ゴムダンパ9には、軸方向穴15
の両内壁面(一対の突起部70)に当接する一対の側壁
部93が設けられている。これらの側壁部93の外壁面
は、内径側から外径側に向かって徐々に両側壁部93の
外形側の間隔が拡がるように傾斜している。また、一対
の側壁部93の内壁面(対向面)は、内径側から外径側
に向かって徐々に両側壁部93の外形線の間隔が拡がる
ように傾斜している。なお、一対の側壁部93の内壁面
の傾斜よりも外壁面の傾斜の方が大きい。さらに、一対
の側壁部93の内壁面の開口側には、奥側から開口側に
向けて間隔が漸増するように一対のテーパ部94が設け
られている。
【0079】そして、ゴムダンパ9の一対の側壁部93
の奥側には、略中央部分に丸穴部95が形成された底壁
部(連結部)96が一体的に形成されている。この底壁
部96の奥側面は、軸方向穴15の奥側の底壁面に当接
すると共に、丸穴部95内にピン部23の頭部79が差
し込まれる。そして、一対の側壁部93の内壁面(対向
面)と底壁部96の底壁面との間には、ピン部23の一
対のテーパ部76および平板状の中間部分よりも周方向
の寸法がやや小さく、内径側から外径側に貫通した中空
部97が設けられている。
【0080】ここで、本実施例では、第4実施例と同様
にして、出力ディスク8を構成する樹脂製のアウタハブ
21の内径側にインサート成形された焼結金属製のイン
ナハブ22の軸方向の一端面(前端面)、特に複数個の
破損部(リミッタ破断部)37付近の前端面を覆うよう
に略円環板形状のディスクカバー60(図12参照)が
設けられている。
【0081】〔第5実施例の組付方法〕次に、本実施例
のVプーリ7に出力ディスク8、ゴムダンパ9およびデ
ィスクカバー60を組み付ける組付方法を図13ないし
図17に基づいて簡単に説明する。
【0082】先ず、複数個のゴムダンパ9を、Vプーリ
7の側壁部12の肉厚部分に形成された複数個の軸方向
穴15内に差し込む。これにより、軸方向穴15の4隅
に設けられた一対の第1、第2保持部71、72に、ゴ
ムダンパ9の4隅に設けられた一対の第1、第2被保持
部91、92が保持固定される。さらに、ゴムダンパ9
の凸部99が軸方向穴15の内壁面に形成された凹部7
3内に嵌め込まれることで、一対の突起部70によって
圧縮変形(弾性変形)が与えられたゴムダンパ9が軸方
向穴15内に強固に保持固定される。
【0083】次に、出力ディスク8を構成する樹脂製の
アウタハブ21の内径側にインサート成形された焼結金
属製のインナハブ22および鉄系の金属製のディスクカ
バー60をVプーリ7の側壁部12に組み込む際には、
アウタハブ21の外径側の後壁面から突出した複数個の
ピン部23を、複数個のゴムダンパ9の中空部97内に
圧入する。これにより、ピン部23の中間部分の外壁面
の一部に一体的に形成された突起部77がゴムダンパ9
の周方向の一方側の側壁部93の内壁面に押し付けられ
るので、各ピン部23が各ゴムダンパ9を介してVプー
リ7の側壁部12に保持固定される。
【0084】〔第5実施例の特徴〕本実施例のコンプレ
ッサプーリ装置においては、第4実施例と同様にして、
インナハブ22の前端面を覆うディスクカバー60と共
にインナハブ22を樹脂製のアウタハブ21によりイン
サート成形することで、リミッタ作動して複数の破損部
37が破断した後に、アウタハブ21の内径側やインナ
ハブ22の外径側が同時に破損しても、それらの破片が
飛散することを防止することができる。
【0085】また、本実施例のコンプレッサプーリ装置
においては、上述したように、ゴムダンパ9の凸部99
が軸方向穴15の内壁面に形成された凹部73内に嵌め
込まれ、且つピン部23の突起部77がゴムダンパ9の
側壁部93の内壁面に押し付けられることにより、各ピ
ン部23が各ゴムダンパ9を介してVプーリ7の側壁部
12に強固に保持固定されているので、リミッタ作動後
もVプーリ7にゴムダンパ9を介して保持固定された出
力ディスク8の一部が飛散することを防止することがで
きる。
【0086】〔第6、第7実施例〕図18ないし図21
は本発明の第6実施例および第7実施例を示したもの
で、図18および図19はコンプレッサプーリ装置の主
要構造を示した図で、図20(a)は本発明の第6実施
例のインナハブを示した図で、図20(b)は本発明の
第7実施例のインナハブを示した図で、図21(a)〜
図21(c)は本発明の第6、第7実施例のトルクリミ
ッタ機構の作動を示した図である。
【0087】本実施例の出力ディスク8は、本発明の従
動側回転体に相当するもので、外周側(外径側)に配さ
れた熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等の樹脂材料によ
り一体的に樹脂成形されたアウタハブ21、およびこの
アウタハブ21の内周側(内径側)にインサート成形さ
れたインナハブ22等から構成されている。そして、イ
ンナハブ22は、例えば焼結金属、鋳鉄またはアルミニ
ウム製鋳物(アルミニウムダイカスト)等の金属材料に
より一体的に形成されて、インナリング(本発明の内輪
部に相当する)101、アウタリング(本発明の外輪部
に相当する)102および複数個(本例では3個)のブ
リッジ(本発明のブリッジ部に相当する)103を有し
ている。
【0088】インナリング101の内周部には、コンプ
レッサのシャフト2の外周ねじ部3に螺合する内周ねじ
部35が形成されている。また、インナリング101の
外周面には、複数個(本例では3個)の略円弧形状の溝
部151が形成されている。また、アウタリング102
には、半径方向の長さが他の箇所よりも広い幅広部15
2が形成されている。そして、アウタリング102の幅
広部152および外周部には、アウタハブ21を構成す
る樹脂材料との結合力を高めるための複数個(本例では
6個)の丸穴部106および複数個の円弧状切欠き部
(凹状部)108が略円周方向に所定の間隔で設けられ
ている。そして、複数個のブリッジ103は、インナリ
ング101の外周面よりアウタリング102の内周面に
かけて径方向に放射状に設けられている。
【0089】各ブリッジ103の所定の位置(例えば各
ブリッジ103とインナリング101との継ぎ目)は、
出力ディスク8のインナハブ22に所定の過負荷トルク
(リミッタ作動トルク)が働いた際に優先的に破損する
複数個(本例では3個)の破損部(トルクリミッタ機構
を構成する)107を構成している。また、インナリン
グ101の外周面とアウタリング102の内周面との間
には、略円周方向に複数個(本例では3個)形成された
所定の形状の貫通孔109が形成されている。なお、こ
れらの破損部107は、ブリッジ103のインナリング
101側の根元部分に設けられ、隣設する2つの貫通孔
109間に設けられている。
【0090】第7実施例は、図20(a)に示した第6
実施例のインナハブ22の構成例に対し、図20(b)
に示したように、インナハブ22のブリッジ103のイ
ンナリング101側で、且つ回転方向側およびその反対
側に所定の大きさの2つの切欠き部131、132を追
加し、2つの切欠き部131、132間にブリッジ10
3の幅を小さくした絞り部(本発明の破損部に相当す
る)171を設けたことを特徴としている。ここで、各
ブリッジ103にそれぞれ設けられた2つの切欠き部1
31、132は、ブリッジ103のインナリング101
側の所定の位置、つまり、ブリッジ103のインナリン
グ101側の根元部135、136に所定の曲率を有す
るように凹状に形成されている。なお、本実施例では、
2つの切欠き部131、132の大きさ、形状を同じも
のとしたが、2つの切欠き部131、132の大きさ、
形状を異なるものとしても良い。例えば回転方向側の切
欠き部131を鈍角形状または半径の大きい円弧溝形状
に形成し、回転方向と逆側の切欠き部132を鋭角形状
または半径の小さい円弧溝形状に形成しても良い。
【0091】ここで、第6実施例のインナハブ22のブ
リッジ103の破損部107の場合には、ブリッジ10
3のインナリング101側で、且つ回転方向に対し反対
側の根元部136(A)に亀裂が入り、その亀裂が周接
線方向に対し内側に入る可能性がある。この第6実施例
では、インナハブ22の材質によっては、図21(a)
に示したように、亀裂が引張り応力方向に対して垂直に
入る性質を有するためである。
【0092】さらに、亀裂が進展すると、ブリッジ10
3のインナリング101側で、且つ回転方向側の根元部
135(B)に圧縮応力が働き、図21(b)に示した
ように、V字型に破損してしまう。この結果、V字型の
亀裂のV字部分Cで引っ掛かり、予め決められた過負荷
トルク(リミッタ作動トルク)よりも大きなトルクが作
用しないとブリッジ103がインナリング101の外周
部より離脱せず、ベルト摩耗等の不具合を回避できない
懸念がある。
【0093】このような第6実施例のインナハブ22の
トルクリミッタ機構(ブリッジ103)に対し、第7実
施例では、ブリッジ103のインナリング101側に形
成された2つの切欠き部131、132により図21
(c)に示したように、切欠き部131、132付近の
引張り応力方向がより周接線方向に対して直角方向にな
り、すなわち、亀裂方向(破損方向)が、インナリング
101の周接線方向に入り、破損し易くなる。
【0094】この結果、より確実に予め定めた所定のリ
ミッタ作動トルクで、ブリッジ103の2つの切欠き部
131、132に挟まれた絞り部171が破損すること
になる。さらに、絞り部171(切欠き部131、13
2)以外のブリッジ103に対し、明確に応力が集中的
に大きくなり、すなわち、応力分散がないため、より確
実に所定の場所で破損し、リミッタ作動トルクのバラツ
キが小さくなる。
【0095】〔第8実施例〕図22は本発明の第8実施
例を示したもので、図22(a)は本発明の第6実施例
のインナハブを示した図で、図22(b)、(c)は本
発明の第8実施例のインナハブを示した図である。
【0096】この第8実施例では、図22(a)に示し
た第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図22
(b)、(c)に示したように、インナハブ22のイン
ナリング101の回転軸方向の厚さ寸法を、ブリッジ1
03の厚さ寸法と比べて所定量分だけ厚くしていること
を特徴としている。これにより、インナリング101の
強度がブリッジ103よりも高くなる。
【0097】つまり、ブリッジ103の強度がインナリ
ング101よりも低くなるので、リミッタ作動トルクが
働くと、インナリング101とブリッジ103との継ぎ
目付近に生じた亀裂が強度の弱い方向(インナリング1
01の外周部の周接線方向)に沿って進展する。したが
って、より確実に所定の場所(破損部172)で破損
し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくなる。な
お、インナハブ22の形状を、図20(a)に示した第
6実施例と同じにして、インナハブ22のインナリング
101を焼入れ等により強度または硬さを高くしても、
第8実施例と同様な効果を達成することは言うまでもな
い。
【0098】〔第9実施例〕図23は本発明の第9実施
例を示したもので、図23(a)は本発明の第6実施例
のインナハブを示した図で、図23(b)、(c)は本
発明の第9実施例のインナハブを示した図である。
【0099】この第9実施例では、図23(a)に示し
た第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図23
(b)、(c)に示したように、インナハブ22のブリ
ッジ103のインナリング101側の軸方向の端面(表
面)に所定の幅を持った溝部(凹状部)173を略周方
向に向けて形成していることを特徴としている。その溝
部173は、本発明の破損部を構成する。
【0100】これにより、溝部173の引張り応力が高
くなり、確実に溝部173で亀裂が生じると共に、溝部
173と比較してインナリング101の強度が高くなる
ため、亀裂がよりインナリング101の外周部の周接線
方向に沿って、つまり溝部173に沿って進展すること
により、より周接線方向に沿って破損させることができ
る。したがって、より確実に所定の場所(溝部173)
で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さくな
る。
【0101】〔第10実施例〕図24は本発明の第10
実施例を示したもので、図24(a)は本発明の第6実
施例のインナハブを示した図で、図24(b)は本発明
の第10実施例のインナハブを示した図である。
【0102】この第10実施例では、図24(a)に示
した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図2
4(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ1
03のインナリング101側で、且つ回転方向の両側に
所定の大きさの2つの切欠き部131、132を追加
し、2つの切欠き部131、132間にブリッジ103
の幅を漸減(徐々に小さく)した絞り部(本発明の破損
部に相当する)174を設けたことを特徴としている。
【0103】これにより、絞り部174には、ブリッジ
103の曲げによる引張り応力よりも剪断応力が働くの
で、よりインナリング101の外周部の周接線方向に向
かって破損することになる。さらに、第10実施例の場
合には、絞り部174に形成される亀裂が周接線方向に
対し、内側に入った場合においても、絞り部174の発
生応力が全体的に高く、亀裂が進展する前に絞り部17
4で破損する。したがって、より確実に所定の場所(絞
り部174)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキ
が小さくなる。
【0104】〔第11実施例〕図25は本発明の第11
実施例を示したもので、図25(a)は本発明の第6実
施例のインナハブを示した図で、図25(b)は本発明
の第11実施例のインナハブを示した図である。
【0105】この第11実施例では、図25(a)に示
した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図2
5(b)に示したように、インナハブ22のインナリン
グ101とブリッジ103との継ぎ目(結合部、接合
部)に所定の大きさの丸穴部175を設けている。ま
た、第11実施例では、ブリッジ103のインナリング
101側の回転方向の反対側の根元部136から丸穴部
175、この丸穴部175からブリッジ103のインナ
リング101側の回転方向側の根元部135までが本発
明の破損部を構成する。
【0106】これにより、リミッタ作動トルクが加わっ
た時の発生応力をブリッジ103の根元部136および
丸穴部175近傍に集中させ、ブリッジ103の根元部
136から丸穴部175に向かって亀裂を進展させ、更
に丸穴部175からブリッジ103の根元部135に向
かって亀裂を進展させることにより、さらにインナリン
グ101の外周部の周接線方向に沿って破損させること
ができる。したがって、より確実に所定の場所(丸穴部
175)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小
さくなる。
【0107】〔第12実施例〕図26および図27は本
発明の第12実施例を示したもので、図26(a)は本
発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図26
(b)は本発明の第12実施例のインナハブを示した図
で、図27(a)〜図27(c)は本発明の第12実施
例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
【0108】この第12実施例では、図26(a)に示
した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図2
6(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ1
03のアウタリング102側で、且つ回転方向の両側に
所定の大きさの2つの切欠き部133、134を追加
し、2つの切欠き部133、134間にブリッジ103
の幅を小さくした絞り部(本発明の破損部に相当する)
176を設けたことを特徴としている。
【0109】本実施例の場合、リミッタ作動トルクが働
くと、第6実施例と同様にして、図27(a)に示した
ように、インナハブ22のブリッジ103のインナリン
グ101側で、且つ回転方向に対し反対側に亀裂が入
り、その亀裂がインナリング101の外周部の周接線方
向に対して内側に入る可能性がある。さらに、亀裂が進
むと、回転方向側に圧縮応力が働き、V字型に破損して
しまう。
【0110】しかし、その後に、図27(b)に示した
ように、発生応力が他の部位と比べて高い切欠き部13
3にも亀裂が生じ、図27(c)に示したように、ブリ
ッジ103は欠落するため、V字部分Cで回転力が伝達
することはない。したがって、確実に所定の場所(絞り
部176)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが
小さくなる。
【0111】〔第13実施例〕図28および図29は本
発明の第13実施例を示したもので、図28(a)は本
発明の第10実施例のインナハブを示した図で、図28
(b)は本発明の第13実施例のインナハブを示した図
で、図29(a)〜図29(c)は本発明の第13実施
例のトルクリミッタ機構の作動を示した図で、図29
(d)はトルクと時間との関係を示した図である。
【0112】この第13実施例では、図28(a)に示
した第10実施例の回転方向側の切欠き部131を、回
転方向の反対側の切欠き部132に対して内周側に設置
したことを特徴としている。
【0113】本実施例の場合、図29(a)に示したよ
うに、例えばコンプレッサのシャフトがロックする等
の過負荷トルク(リミッタ作動トルク)が生じると、す
なわち、リミッタ作動トルクが働くと、亀裂が切欠き部
132から絞り部174を通り切欠き部131に向かっ
て進展する。その後、図29(b)に示したように、
インナリング101の外周部の周接線方向に対して内側
に亀裂が進んだ場合には、絞り部174がインナリング
101の外周部に形成された凸部113に衝突する。そ
の後、図29(c)に示したように、絞り部174の
外周側に亀裂が入り、斜線部が欠落する。したがって、
確実に所定の場所(絞り部174)で破損し、リミッタ
作動トルクのバラツキが小さくなる。
【0114】〔第14実施例〕図30は本発明の第14
実施例を示したもので、図30(a)は本発明の第6実
施例のインナハブを示した図で、図30(b)は本発明
の第14実施例のインナハブを示した図である。
【0115】ここで、図31は本発明の第6実施例のト
ルクリミッタ機構の作動を示した図である。図31
(a)に示したように、リミッタ作動トルクが働くと、
インナハブ22のブリッジ103の根元部136に亀裂
が入った後、更に亀裂が大きくなるために、図31
(b)に示したように、ブリッジ103がインナリング
101とブリッジ103との継ぎ目(結合部、接合部)
111を支点にして回転方向に倒れ込む。
【0116】それをアウタリング102の内周部によっ
て阻止する力がアウタリング102とブリッジ103と
の継ぎ目(結合部、接合部)121に働く。すなわち、
ブリッジ103が継ぎ目111を支点にして回転方向に
倒れ込む時、インナリング101とブリッジ103との
継ぎ目111でつっぱり、所定のリミッタ作動トルク
(亀裂が入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが
発生する可能性がある。
【0117】この第14実施例では、図30(a)に示
した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、図3
0(b)に示したように、ブリッジ103を所定の角度
(θ)だけ回転方向側へ傾けた点を特徴としている。こ
の所定の角度(θ)は、ブリッジ103のインナリング
101側で、且つ回転方向側の端点161とその対角上
にある端点162を結ぶ直線が、回転方向側の端点16
1を支点として回転(インナハブ22の回転方向)した
時、アウタリング102に食い込まないように設定す
る。
【0118】すなわち、ブリッジ103がインナリング
101とブリッジ103との継ぎ目111を支点にして
回転方向に倒れ込む時、それをアウタリング102によ
って阻止する力がアウタリング102とブリッジ103
との継ぎ目121に働かず、所定のリミッタ作動トルク
(亀裂が入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが
発生しない。したがって、確実に所定の場所(絞り部1
71)で破損し、リミッタ作動トルクのバラツキが小さ
くなる。
【0119】〔第15実施例〕図32および図33は本
発明の第15実施例を示したもので、図32(a)は本
発明の第7実施例のインナハブを示した図で、図32
(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した図
で、図33(a)〜図33(d)は本発明の第15実施
例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
【0120】第7実施例は、上述したように、第6実施
例のインナハブ22の構成例に対して、インナハブ22
のブリッジ103のインナリング101側に2つの切欠
き部131、132を設けている点を特徴としている。
ここで、図34(a)〜図34(c)は本発明の第7実
施例のトルクリミッタ機構の作動を示した図である。
【0121】第7実施例の場合には、図34(a)、
(b)に示したように、リミッタ作動トルクが働くと、
ブリッジ103のインナリング101側で、且つ回転方
向の逆側に形成された切欠き部132に亀裂が入った
後、更に亀裂が大きくなるために、図34(c)に示し
たように、ブリッジ103がインナリング101とブリ
ッジ103との継ぎ目111を支点にして回転方向に倒
れ込む。それをアウタリング102によって阻止する力
がアウタリング102とブリッジ103との継ぎ目12
1に働く。すなわち、ブリッジ103が継ぎ目111を
支点にして回転方向に倒れ込む時に、継ぎ目121
(D)でつっぱり、所定のリミッタ作動トルク(亀裂が
入る時の過負荷トルク)よりも大きなトルクが発生する
可能性がある。
【0122】第15実施例では、図32(a)に示した
第7実施例のインナハブ22の構成例に対し、図32
(b)に示したように、インナハブ22のブリッジ10
3のインナリング101側に2つの切欠き部(本発明の
内径側切欠き部に相当する)131、132を設けるだ
けでなく、ブリッジ103のアウタリング102側に2
つの切欠き部(本発明の外径側切欠き部に相当する)1
33、134を設けている点を特徴としている。また、
切欠き部(第1切欠き部)132に発生する応力に対
し、切欠き部132に亀裂が入るまでは、切欠き部(第
2切欠き部)133の方が小さい発生応力となるような
切欠き形状に設定している。
【0123】本実施例の場合、上述したように、図33
(a)、(b)に示したように、リミッタ作動トルクが
働くと、ブリッジ103のインナリング101側の切欠
き部132に亀裂が入った後、更に亀裂が大きくなるた
めに、ブリッジ103がインナリング101とブリッジ
103との継ぎ目111を支点にして回転方向に倒れ込
むが、図33(c)に示したように、同時にブリッジ1
03のアウタリング102側の切欠き部133に亀裂が
入る。そして、図33(d)に示したように、最終的に
ブリッジ103はアウタリング102、インナリング1
01から欠落し、つっぱりによってリミッタ作動トルク
が上昇することはなく、所定のリミッタ作動トルクでブ
リッジ103が欠落(破損)する。
【0124】〔第16実施例〕図35ないし図37は本
発明の第16実施例を示したもので、図35(a)は本
発明の第6実施例のインナハブを示した図で、図35
(b)は本発明の第15実施例のインナハブを示した図
で、図36(a)は本発明の第16実施例のトルクリミ
ッタ機構の作動を示した図で、図36(b)は応力と歪
みとの関係を示した図である。
【0125】図35(a)に示した第6実施例のインナ
ハブ22の構成例において発生する、『V字型で破損
し、V字部で回転力が伝達されてしまい、設定トルク以
上のトルクが作用し、ベルト滑り等の不具合を回避でき
ない。』という問題は、曲げ力にてブリッジ103を破
損させ、引張り応力と圧縮応力との双方が発生するとい
うことに起因している。
【0126】そこで、第16実施例では、図35(a)
に示した第6実施例のインナハブ22の構成例に対し、
図35(b)に示した構成を採用し、引張り力で破損さ
せるようにしたことを特徴としている。すなわち、ブリ
ッジ103を回転接線方向に傾斜させ、アウタリング1
02からのトルクをブリッジ103の長手方向に引っ張
る引張り力(F)としてインナリング101に伝達する
ように構成している。これにより、例えばコンプレッサ
のシャフトがロックする等の過負荷トルク(リミッタ作
動トルク)が生じると、すなわち、リミッタ作動トルク
が働くロック時には、図36(a)に示したA部のよう
に、ブリッジ103の途中に亀裂が入り破損する。
【0127】また、材料特性として、図36(b)に示
すように、歪みと応力との関係で、ブリッジ103が破
損するまでに塑性的性質を持つ材料を用いた場合、第6
実施例のように、応力集中する構成においては、以下の
問題がある。すなわち、塑性域においては、応力集中部
(亀裂開始部位)が受け持つ力が減少し、リミッタ作動
トルクが上昇してしまう。ここで、図37(a)はイン
ナリング101とブリッジ部103の継ぎ目111の各
応力集中部の応力を表した図で、図37(b)は主応力
とトルクとの関係を示した図である。弾性域においては
各応力集中部で応力はトルクに比例し、トルクの受け持
ち割合は一定である。
【0128】しかし、塑性域においては、応力集中部
()のトルク受け持ち割合が減少し、リミッタ作動ト
ルクが上昇し、設定トルク以上のトルクが作用し、ベル
ト滑り等の不具合を回避できない。これを回避しようと
リミッタ作動トルクを下げるようにブリッジ103の強
度を下げると、疲労破壊が生じてしまうという問題が発
生する。これに対し、第16実施例では、アウタリング
102に向かって引張り力が働くため、その引張り力は
ブリッジ103の断面全体に一様に作用する。このた
め、リミッタ作動トルクは上昇せず、所定のリミッタ作
動トルクでブリッジ103が破損する。
【0129】〔第17、第18実施例〕図38および図
39は本発明の第17、第18実施例を示したもので、
図38(a)は本発明の第17実施例のインナハブを示
した図で、図38(b)は本発明の第18実施例のイン
ナハブを示した図で、図39は本発明の第18実施例の
トルクリミッタ機構の作動を示した図である。
【0130】第17実施例は、第16実施例と同じ目的
で、図38(a)で示したインナハブ22の構成を採用
している。すなわち、インナハブ22のブリッジ103
を所定の角度(θ)だけ傾けると共に、回転方向に対し
反対側のブリッジ面141は直線で、切欠き部がなく、
回転方向側のブリッジ面142は切欠き部131を有
し、切欠き部131の上面から外側に向かって、ブリッ
ジ103の幅が徐々に大きくなっていくように構成して
いる。
【0131】これにより、例えばコンプレッサのシャフ
トがロックする等の過負荷トルク(リミッタ作動トル
ク)が生じると、すなわち、リミッタ作動トルクが働い
た場合、図38(a)に示したように、ブリッジ面14
1のA部に引張り力と曲げ力が働き、但し、直線で切欠
き部がないため、引張り応力の集中は弱く、また、回転
方向側のブリッジ面142のB部において引張り応力が
働き、結局A部+B部の全体でほぼ一様に引張り応力が
作用するため、第16実施例と同様な効果がある。
【0132】また、第18実施例は、図38(b)で示
したインナハブ22のように、図38(a)で示した第
17実施例のインナハブ22の構成例に対して、切欠き
部139を追加したことを特徴としている。これは、図
39(a)に示したように、リミッタ作動トルクが働い
た時、ブリッジ103の途中に亀裂が円周接線方向に入
らず、内側(インナリング101側)に向かって入った
場合、ブリッジ103が破損した後に、図39(b)に
示すように、アウタリング102側のブリッジ122と
インナリング101側のブリッジ112とが衝突する
が、このとき、図38(a)の第17実施例のインナハ
ブ22の構成例に対して新たに追加した切欠き部139
があるため、ブリッジ112が破損し易く、最初のブリ
ッジ103が破損した時のリミッタ作動トルクよりも大
きなトルクが発生しない。
【0133】ここで、第16〜第18実施例において、
記載した塑性的性質を有する材料で、応力集中する構成
では、リミッタ作動トルクが上昇するという問題に対
し、塑性歪みの小さい材料(例えばセラミック材料)を
用いる。あるいは、熱処理(例えば軟窒化処理)にて塑
性歪みを小さくすることにより、リミッタ作動トルクを
低減できる。
【0134】さらに、疲労に対する安全率を確保しつ
つ、リミッタ作動トルクを小さくするためには、図40
に示したように、疲労限度比の小さい材料(B)よりも
疲労限度比の大きい材料(A)を用いることが有効であ
る。すなわち、通常運転時に発生する応力(図40に示
したC)に対し、疲労の安全率が、疲労限度比の小さい
材料(B)よりも疲労限度比の大きい材料(A)の方が
確保できると共に、インナハブ22のブリッジ112の
破損時の応力(図40に示したD、D’)は、疲労限度
比の小さい材料(B)よりも疲労限度比の大きい材料
(A)の方が小さく(D<D’)、リミッタ作動トルク
が小さくなる。
【0135】〔変形例〕本実施例では、本発明を、自動
車等の車両に搭載されるエンジン等の駆動源によりベル
ト駆動されるコンプレッサプーリ装置に適用した例を説
明したが、本発明を、前記の車両または工場等の定位置
に置かれる内燃機関や電動モータ等の駆動源によりベル
ト駆動または出力軸により直接駆動される動力伝達装置
に適用しても良い。また、本実施例では、駆動側回転体
として多段式のVプーリ(所謂Vリブドプーリ)を用い
たが、駆動側回転体として1個のV溝を有するVプーリ
を用いても良い。この場合には、そのVプーリの外周形
状に対応した内周形状のVベルトを使用する。
【0136】本実施例では、本発明を、車両用空調装置
の冷凍サイクルの一構成部品を成すコンプレッサのシャ
フト2を常時駆動するトルクリミッタ機構を備えたコン
プレッサプーリ装置(動力伝達装置)に適用した例を説
明したが、本発明を、その他の回転装置(例えばオルタ
ネータ、ウォータポンプ、油圧ポンプ、ブロワまたはフ
ァン)を常時駆動するリミッタ機構を備えた動力伝達装
置に適用しても良い。
【0137】本実施例では、インナハブ22のブリッジ
33、103の中で折れ易い破損部37、107、ある
いはインナハブ42のブリッジ53の根元部分に切り込
みを入れた破損部57を設けたが、破損部として、貫通
孔38、58、109のコーナー部分が小さい部位、周
方向の肉厚を他の部分よりも薄くした部位、多数の貫通
孔に囲まれた部位を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンプレッサプーリ装置を示した断面図である
(第1実施例)。
【図2】コンプレッサプーリ装置を示した正面図である
(第1実施例)。
【図3】図2のコンプレッサプーリ装置から樹脂製のア
ウタハブを取り除いた状態を示した正面図である(第1
実施例)。
【図4】本発明の第1実施例のゴムダンパの周辺部を示
した断面図である。
【図5】コンプレッサプーリ装置を示した断面図である
(第2実施例)。
【図6】コンプレッサプーリ装置を示した断面図である
(第3実施例)。
【図7】コンプレッサプーリ装置を示した正面図である
(第3実施例)。
【図8】図7のコンプレッサプーリ装置から樹脂製のア
ウタハブを取り除いた状態を示した正面図である(第3
実施例)。
【図9】本発明の第3実施例のゴムダンパの周辺部を示
した断面図である。
【図10】コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した
正面図である(第4実施例)。
【図11】コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した
断面図である(第4実施例)。
【図12】(a)および(b)は本発明の第4実施例の
ディスクカバーを示した正面図および断面図である。
【図13】コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した
部分正面図である(第5実施例)。
【図14】コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した
断面図である(第5実施例)。
【図15】本発明の第5実施例のVプーリの主要構造を
示した部分正面図である。
【図16】(a)は本発明の第5実施例の出力ディスク
を示した正面図で、(b)は本発明の第5実施例の出力
ディスクの主要構造を示した部分側面図である。
【図17】(a)および(b)は本発明の第5実施例の
ゴムダンパを示した正面図および断面図である。
【図18】コンプレッサプーリ装置の主要構造を示した
正面図である(第6実施例)。
【図19】図18のA−A断面図である(第6実施
例)。
【図20】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第7実施例のインナ
ハブを示した正面図である。
【図21】(a)および(b)は本発明の第6実施例の
トルクリミッタ機構の作動を示した模式図で、(c)は
本発明の第7実施例のトルクリミッタ機構の作動を示し
た模式図である。
【図22】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第8実施例のインナ
ハブを示した正面図で、(c)は(b)のB−B断面図
である。
【図23】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第9実施例のインナ
ハブを示した正面図で、(c)はC−C断面図である。
【図24】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第10実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図25】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第11実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図26】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第12実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図27】(a)ないし(c)は本発明の第12実施例
のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。
【図28】(a)は本発明の第10実施例のインナハブ
を示した正面図で、(b)は本発明の第13実施例のイ
ンナハブを示した正面図である。
【図29】(a)ないし(c)は本発明の第13実施例
のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図で、(d)
はトルクと時間との関係を示したグラフである。
【図30】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第14実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図31】(a)および(b)は本発明の第6実施例の
トルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。
【図32】(a)は本発明の第7実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第15実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図33】(a)ないし(d)は本発明の第15実施例
のトルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。
【図34】(a)ないし(c)は本発明の第7実施例の
トルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。
【図35】(a)は本発明の第6実施例のインナハブを
示した正面図で、(b)は本発明の第15実施例のイン
ナハブを示した正面図である。
【図36】(a)は本発明の第16実施例のトルクリミ
ッタ機構の作動を示した模式図で、(b)は応力と歪み
との関係を示したグラフである。
【図37】(a)はインナリングとブリッジ部の継ぎ目
の各応力集中部の応力を表した模式図で、(b)は主応
力とトルクとの関係を示したグラフである。
【図38】(a)は本発明の第17実施例のインナハブ
を示した正面図で、(b)は本発明の第18実施例のイ
ンナハブを示した正面図である。
【図39】(a)、(b)は本発明の第18実施例のト
ルクリミッタ機構の作動を示した模式図である。
【図40】振幅応力と平均応力との関係を示したグラフ
である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 シャフト(回転軸) 3 外周ねじ部 7 Vプーリ(駆動側回転体) 8 出力ディスク(従動側回転体) 9 ゴムダンパ(ゴム系弾性体) 15 軸方向穴(凹状嵌合部) 21 アウタハブ 22 インナハブ 23 ピン部(凸状嵌合部) 31 インナリング(内輪部) 32 アウタリング(外輪部) 33 ブリッジ(ブリッジ部) 34 六角部(係合部) 35 内周ねじ部 36 丸穴部 37 破損部 41 アウタハブ 42 インナハブ 51 インナリング(内輪部) 52 アウタリング(外輪部) 53 ブリッジ(ブリッジ部) 54 六角部(係合部) 55 内周ねじ部 56 丸穴部 57 破損部 60 ディスクカバー 64 環状部 65 丸穴部 73 凹部 77 突起部 99 凸部 101 インナリング(内輪部) 102 アウタリング(外輪部) 103 ブリッジ(ブリッジ部) 106 丸穴部 107 破損部(トルクリミッタ機構) 131 切欠き部(内径側切欠き部) 132 切欠き部(内径側切欠き部、第1切欠き部) 133 切欠き部(外径側切欠き部、第2切欠き部) 134 切欠き部(外径側切欠き部) 135 根元部 136 根元部 171 絞り部(破損部、幅狭部) 173 溝部 175 丸穴部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 田渕 泰生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 佐伯 学 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 大口 純一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 酒井 拓生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 安形 直人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 松田 三起夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 3H075 AA18 CC35 DB04 DB37 3H076 BB41 CC12 CC17

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源から回転動力を受けて回転する駆動
    側回転体と、回転装置の回転軸に結合される従動側回転
    体とを備え、 前記駆動側回転体と前記従動側回転体とを連結して前記
    駆動側回転体の回転を前記従動側回転体に伝達する動力
    伝達装置であって、 前記従動側回転体は、その従動側回転体に過負荷トルク
    が生じた際に優先的に破損する破損部を有していること
    を特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の動力伝達装置において、 前記破損部は、前記従動側回転体が受けるトルク伝達に
    よる応力が比較的に高い部位であることを特徴とする動
    力伝達装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の動力伝達装置において、 前記トルク伝達による応力が比較的に高い部位は、前記
    回転装置の回転軸の軸方向に平行な軸線に対して傾斜し
    ていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3に記載の動力伝達
    装置において、 前記従動側回転体は、前記トルク伝達による応力が比較
    的に高い部位よりも内周側に係合部を有し、 前記係合部は、前記回転装置の回転軸に前記従動側回転
    体を締め付け固定するための締め付け工具が係合するこ
    とを特徴とする動力伝達装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のうちいずれかに
    記載の動力伝達装置において、 前記従動側回転体は、前記回転装置の回転軸の外周側に
    結合される円環状のインナハブ、およびこのインナハブ
    の外周側に設けられて、前記インナハブと一体に結合さ
    れた円環状のアウタハブよりなることを特徴とする動力
    伝達装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記回転装置の回転軸の外周側に結
    合される略円環板状の内輪部、この内輪部よりも外周側
    に配される略円環板状の外輪部、および前記内輪部の外
    周と前記外輪部の内周とを連結するブリッジ部を有し、 前記破損部は、前記内輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ
    目、あるいは前記外輪部と前記ブリッジ部との繋ぎ目、
    あるいは前記ブリッジ部の途中に設けられていることを
    特徴とする動力伝達装置。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の動力伝達
    装置において、 前記インナハブの内周には、前記回転装置の回転軸の外
    周に設けられた外周ねじ部に螺合する内周ねじ部が設け
    られていることを特徴とする動力伝達装置。
  8. 【請求項8】請求項5ないし請求項7のうちいずれかに
    記載の動力伝達装置において、 前記インナハブの前記アウタハブとの結合部には、周方
    向に所定の間隔で、前記アウタハブとの結合力を高める
    ための複数の穴部が設けられていることを特徴とする動
    力伝達装置。
  9. 【請求項9】請求項6ないし請求項8のうちいずれかに
    記載の動力伝達装置において、 前記破損部は、前記ブリッジ部の所定の位置に設けられ
    た切欠き部であることを特徴とする動力伝達装置。
  10. 【請求項10】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記破損部は、前記ブリッジ部の所定の位置に設けられ
    た溝部であることを特徴とする動力伝達装置。
  11. 【請求項11】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記内輪部または前記外輪部の強度
    を前記ブリッジ部の強度と比べて高く設定していること
    を特徴とする動力伝達装置。
  12. 【請求項12】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記内輪部または前記外輪部の厚さ
    を前記ブリッジ部の厚さと比べて大きく設定しているこ
    とを特徴とする動力伝達装置。
  13. 【請求項13】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記内輪部または前記外輪部の硬さ
    を前記ブリッジ部の硬さと比べて大きく設定しているこ
    とを特徴とする動力伝達装置。
  14. 【請求項14】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記ブリッジ部の幅を前記内輪部ま
    たは前記外輪部に向かうに従って連続的または段階的に
    小さくした幅狭部、あるいは前記ブリッジ部の幅を前記
    内輪部または前記外輪部に向かうに従って連続的または
    段階的に大きくした幅広部を有していることを特徴とす
    る動力伝達装置。
  15. 【請求項15】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記破損部は、前記ブリッジ部の途中、あるいは前記内
    輪部、あるいは前記ブリッジ部と前記内輪部または前記
    外輪部との継ぎ目に設けられた穴部であることを特徴と
    する動力伝達装置。
  16. 【請求項16】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記ブリッジ部に、第1番目に応力
    が大きくなる部位、および第2番目に応力が大きくなる
    部位を有していることを特徴とする動力伝達装置。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記第1番目に応力が大きくなる部位とは、前記ブリッ
    ジ部と前記内輪部との継ぎ目付近に設けられた第1切欠
    き部であり、 前記第2番目に応力が大きくなる部位とは、前記ブリッ
    ジ部と前記外輪部との継ぎ目付近に設けられた第2切欠
    き部であることを特徴とする動力伝達装置。
  18. 【請求項18】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記破損部は、前記ブリッジ部の所定の位置に設けられ
    た切欠き部であり、 前記切欠き部は、前記ブリッジ部の外周側に設けられた
    外径側切欠き部、およびこの外径側切欠き部よりも内周
    側に設けられた内径側切欠き部を有していることを特徴
    とする動力伝達装置。
  19. 【請求項19】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記ブリッジ部を、半径方向に対し
    て回転方向側へ所定の角度だけ傾いた状態で設けられて
    いることを特徴とする動力伝達装置。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記所定の角度は、前記ブリッジ部の内輪部側で、且つ
    回転方向側の端点とその対角上にある端点とを結ぶ直線
    が、前記回転方向側の端点を支点として前記インナハブ
    が回転した時、前記外輪部に食い込まないように設定し
    ていることを特徴とする動力伝達装置。
  21. 【請求項21】請求項19に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記インナハブは、回転方向に対し反対側の面は直線で
    切欠きが無く、回転方向側の面は外周に向かってブリッ
    ジ幅が徐々に大きくなる構成としていることを特徴とす
    る動力伝達装置。
  22. 【請求項22】請求項21に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記インナハブは、回転方向側の面に所定の大きさの切
    欠きを有していることを特徴とする動力伝達装置。
  23. 【請求項23】駆動源から回転動力を受けて回転する駆
    動側回転体と、回転装置の回転軸に結合される従動側回
    転体とを備え、 前記駆動側回転体と前記従動側回転体とを連結して前記
    駆動側回転体の回転を前記従動側回転体に伝達する動力
    伝達装置であって、 前記従動側回転体は、その従動側回転体において外径側
    に配された樹脂製のアウタハブ、および前記従動側回転
    体において内径側に配されて、前記アウタハブにインサ
    ート成形された金属製のインナハブを有し、 前記インナハブは、前記回転装置の回転軸に結合すると
    共に、前記インナハブに過負荷トルクが生じた際に優先
    的に破損する破損部を有していることを特徴とする動力
    伝達装置。
  24. 【請求項24】請求項23に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記従動側回転体は、前記インナハブの軸方向の一端面
    を覆うディスクカバーを有し、 前記ディスクカバーは、前記インナハブの軸方向の一端
    面より所定の隙間を隔てて、前記インナハブの軸方向の
    一端面に対向して配設される凸状の環状部を有すること
    を特徴とする動力伝達装置。
  25. 【請求項25】請求項23に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記従動側回転体は、前記インナハブの軸方向の一端面
    を覆うディスクカバーを有し、 前記ディスクカバーには、前記従動側回転体を前記回転
    装置の回転軸へ取り付けるためのハブ取付治具が係合ま
    たは挿通可能な穴部が設けられていることを特徴とする
    動力伝達装置。
  26. 【請求項26】請求項23ないし請求項25のうちいず
    れかに記載の動力伝達装置において、 前記駆動側回転体の軸方向の一端面には、凹状嵌合部が
    設けられ、 前記アウタハブの軸方向の他端面には、前記凹状嵌合部
    内に嵌め込まれる凸状嵌合部が設けられ、 前記凹状嵌合部と前記凸状嵌合部との間には、弾性変形
    が可能なゴム系弾性体が装着されていることを特徴とす
    る動力伝達装置。
  27. 【請求項27】請求項26に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記凹状嵌合部の内面の一部には、凹部が設けられ、 前記ゴム系弾性体の外面の一部には、前記凹部に圧入さ
    れる凸部が設けられ、 前記凸状嵌合部の外面の一部には、前記ゴム系弾性体に
    食い込むように突起部が設けられていることを特徴とす
    る動力伝達装置。
  28. 【請求項28】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブは、前記外輪部に向かって引張り力が働
    く構成としていることを特徴とする動力伝達装置。
  29. 【請求項29】請求項28に記載の動力伝達装置におい
    て、 前記インナハブは、略回転接線方向に傾斜していること
    を特徴とする動力伝達装置。
  30. 【請求項30】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブの材料は、疲労限度比が比較的に大きい
    材料であることを特徴とする動力伝達装置。
  31. 【請求項31】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブの材料は、塑性歪み量が比較的に小さい
    材料であることを特徴とする動力伝達装置。
  32. 【請求項32】請求項6ないし請求項8のうちいずれか
    に記載の動力伝達装置において、 前記インナハブには、塑性歪み量が小さくなる熱処理が
    施されていることを特徴とする動力伝達装置。
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