JP2005273021A - 掛止具、衣料、掛止具の配設方法 - Google Patents

掛止具、衣料、掛止具の配設方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 例えば厚手の生地で成型されたズボンやスカートのウエストサイズを調整できる掛止具を提供する。
【解決手段】 一方生地に配設され所定長さの長手方向を有するベース部200と、ボタン頭部310およびボタン頭部310から立設するボタン首部320を有するボタン部300と、ベース部200に配設されボタン部300をベース部200の長手方向に沿ってスライド移動させるスライド手段400と、を備え、ベース部200は、収納空間と、ベース部200の長手方向に沿った所定長さを有し収納空間を外部に連通させる窓部221と、を備え、スライド手段400は、ベース部200の収納空間内に配設され、ボタン部300は、ボタン首部320の端部がスライド手段400に取り付けられるとともにボタン首部320が窓部221を通過する状態でベース部200から立ち上がる状態に設けられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、掛止具、衣料および掛止具の配設方法に関し、例えば、ズボンあるいはスカート等のウエストサイズを調整可能とする掛止具等に関する。
従来、ズボンあるいはスカート等の衣服のウエストサイズを調整可能とする構成が知られている(例えば、特許文献1、2、3、4)。
特許文献1、3、4には、上前地の内側面(うら面)に取り付けられる雄フックと下前地の外側面(おもて面)に取り付けられる雌フックとの掛け止めによりウエストの打合わせを留める掛止手段が記載されている。
そして、この掛止手段の雄フックは、前記上前地に取り付けられウエスト周方向に沿った摺動レールを有する基体部と、前記摺動レールに摺動可能に設けられ前記雌フックの門型ホルダに掛止する鉤部を有する雄フック主体と、を備え、当該雄フック主体はウエストを縮径する方向(ウエスト引き締め方向)に付勢されている。
特許文献2には、ウエストの打合わせ部とは別の位置においてウエストの周方向に直交する切込みが設けられ、この切込みの間隔を調整できる構成が記載されている。
すなわち、前記切込みを挟んだ一方の生地に取り付けられウエスト周方向にガイド孔を有する基体部と、前記ガイド孔に係合する突子を有するとともに前記基体部から切込みを挟んだ他方の生地に向けて突出する突出部を有するスライド片と、このスライド片の突出部を他方の生地に固着する固着手段と、を備え、前記スライド片は基体部に対してウエスト周方向にスライド移動可能であってウエスト引き締め方向に付勢されている。
このような構成によれば、特許文献1、3、4では雄フックのスライド移動により、また、特許文献2ではスライド片のスライド移動によりウエストサイズが調整される。
特開2000−050913号公報 特開2003−102520号公報 特開2001−087010号公報 特開2002−085114号公報
特許文献1、3、4に開示されるように、雄フックの鉤部を雌フックのホルダに掛止する構成にあっては、例えば、ジーンズに使用されるデニム地等の厚手の生地には適用できないという問題がある。これは、厚手の生地では雄フックの鉤部および雌フックが生地に埋もれてしまい、鉤部をホルダに嵌めにくくなってしまうからである。
また、特許文献2に開示されるように、スライド片が切込み部において露出する構成では、洗濯時にスライド片が変形されるおそれがあり、特に、ジーンズにあっては、縫製後に風合いを出すために研磨剤となる石を洗濯槽に入れて洗濯するので、薄いスライド片が外部に露出する構成を採用することはできない。さらに、スライド片が切込み部に露出するところ、スライド片の周囲を縫製する際にスライド片が邪魔になるので完全なる縫製が不可能であるとともに縫製効率が低下するという問題が生じる。
さらには、衣服においてはデザイン性が重要であり、特にジーンズ等の衣服においてはそのデザイン性が売れ行きを大いに左右するところ、スライド片が切込み部において外部に露出していると、美観性を大いに損なうという問題がある。
このように、ジーンズのデニム地に代表される厚手の生地からなる衣服(例えば、スカートやズボン)において、ウエストサイズを調整可能とする構成が望まれていた。
本発明の目的は、ボタン部をスライド移動させて例えば厚手の生地で成型されたズボンやスカートのウエストサイズを調整できるとともに、衣料への配設が容易となる掛止具、この掛止具を備えた衣料、および、この掛止具の配設方法を提供することにある。
本発明の掛止具は、一方生地に配設されるとともに前記一方生地に配設された状態で当該一方生地の面方向に沿った所定長さの長手方向を有するベース部と、ボタン頭部および当該ボタン頭部から立設するボタン首部を有するボタン部と、前記ベース部に配設され前記ボタン部を前記ベース部の長手方向に沿ってスライド移動させるスライド手段と、を備え、前記一方生地と他方生地との合わせ部において前記他方生地に形成されたボタンホールに掛け外し可能に掛止して前記合わせ部を留め合わせる掛止具であって、前記ベース部は、内部に設けられた収納空間と、前記ベース部の長手方向に沿った所定長さを有し前記収納空間を外部に連通させる窓部と、を備え、前記スライド手段は、前記ベース部の前記収納空間内に配設され、前記ボタン部は、前記ボタン首部の端部が前記スライド手段に取り付けられるとともに前記ボタン首部が前記窓部を通過する状態で前記ベース部から立ち上がる状態に設けられることを特徴とする。
このような構成において、ベース部が打合せ部の一方生地に配設される。すると、ボタン部がベース部から立ち上がる状態に設けられているところ、生地からボタン部が立ち上がる状態になる。このボタン部と他方生地のボタンホールとを掛け止めると、一方生地と他方生地とが留められる。
この状態で、一方生地に対して他方生地の相対位置が変化すると、ボタン部がボタンホールに引っ張られる。すると、ベース部の収納空間内に配設されたスライド手段によりボタン部がスライド移動する。すなわち、一方生地と他方生地とが掛け止ったままで一方生地と他方生地との相対位置の変化が許容される。
例えば、ズボンのウエスト部の打合せ部において、ウエストの打ち合わせが留まったままでボタンがスライド移動し、ウエストサイズが増減される。
このような構成によれば、ボタン部が一方生地から立ち上がっているので、ボタンホールに掛け止めやすくなる。例えば、生地が厚い場合、雄フックと雌フックとの掛止手段では両フックが生地に埋もれて掛止不能となるところ、本発明の構成によれば、厚手の生地であってもボタン部の掛止が容易である。
スライド手段がベース部の収納空間に収納されているので、スライド手段が保護される。スライド手段は、ボタン部をスライドさせるための可動部が存在するので破損の危険性が高く、特に衣料にあっては洗濯等により相当の衝撃が与えられることが考えられる。この点、スライド手段がベース部の内部に収納されているので、十分に保護され故障等が防止される。
また、スライド手段がベース部の収納空間に収納されており外部に露出する部分がないので、当該掛止具を生地に取り付ける場合でもベース部を単純に取り付けるだけでよく、例えば、ベース部の周囲を縫製する作業が非常に簡便となる。その結果、縫製の効率が向上される。
なお、本発明の掛止具の用途は特に限定されず、カバン、靴、ベルト、など、互いに打合せられる一方生地と他方生地との打合せ部を掛止する掛止具として利用できるが、特に、デニム地等の厚手の生地で成型されたズボンやスカートのウエスト部の打合せ部を留める掛止具として好適である。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段の少なくとも一部は、前記ベース部の収納空間内において、前記一方生地と前記他方生地とが打ち合わされたときの前記他方生地の側に配設されていることが好ましい。
このような構成において、一方生地と他方生地とが打ち合わされて掛止具のボタン部とボタンホールで留められた状態で、ボタン部がボタンホールによって他方生地の側に向けて引っ張られると、ボタン部とともにスライダ部も他方生地の側に引かれる。このとき、ガイド手段は、収納空間内において他方生地側に配設されているので、スライダ部が他方生地の側に引かれたときにでもガイド手段として機能し、さらには、スライダ部が他方生地に引かれた状態で適切にスライダ部をガイドすることができる。すなわち、他方生地のボタンホールでボタン部が引かれたときに、ガイド手段はスライダ部をより適切にガイドするので、ボタン部のスライド移動が適切に案内される。その結果、ボタン部のスライド移動が滑らかとなり、例えば、ズボンのウエスト調整が適切に行われる。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段の少なくとも一部は、前記ベース部および前記スライダ部に対して一体成型されていることが好ましい。
このような構成によれば、ガイド手段を収納空間内に別体として設ける場合に比べて、ベース部を小型、薄型化することができる。特に、当該掛止具が衣料に配設される場合には、掛止具が小型かつ薄型となるので衣料の着心地を損なうことがない。また、ガイド手段が、ベース部およびスライダ部に一体成型されるので、部品点数が少なく、組み立て効率が向上される。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段は、前記ベース部および前記スライダ部のいずれか一方に凹設され前記ベース部の長手方向に長さを有する溝と、前記ベース部および前記スライダ部のいずれか他方に凸設され前記溝に係合する係合凸部と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、溝および係合凸部がベース部およびスライダ部に一体成型され、当該掛止具を小型化、薄型化することができる。
ここで、ベース部が一面を開口させた表ケースと表ケースの開口を閉塞する裏ケースとにて構成される場合、表ケースにガイド溝が凹設され、スライダ部に係合凸部となる膨出部が膨出形成されていてもよく、あるいは、裏ケースにガイドレールが凸設され、スライダ部に溝条が凹設されていてもよい。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能な略扁平板状のスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段は、前記スライダ部の両脇において前記ベース部に配設され前記ベース部の長手方向に長さを有するガイド溝と、前記スライダ部の面に沿って当該スライダ部から両脇方向へそれぞれ延出して設けられ前記ガイド溝へ係合する方向へ突起する係合凸部を先端に有する腕部と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、スライダ部に対してガイド溝が両脇に配設されるので、スライダ部がガイド溝と重ならず、薄型化される。
ここで、ボタンがボタンホールとの掛止で他方生地側に引っ張られると、ボタンが引っ張られる方向によっては、スライダ部を斜めに傾斜させるような回転トルクが働くことが考えられる。この点、スライダ部は、両脇のガイド溝に腕部で支持されているので姿勢が安定し、滑らかなスライド移動が確保される。
なお、スライダ部の両脇とは、スライダ部が収納空間内に配設された状態で、ベース部の長手方向に直交する方向へスライダ部の面に沿ってスライダ部から離間する位置である。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段は、前記スライダ部の両脇において前記ベース部に配設され前記ベース部の長手方向に長さを有するガイド溝と、前記スライダ部の面に沿って当該スライダ部から両脇方向へそれぞれ延出して設けられ前記ガイド溝へ係合する方向へ突起する係合凸部を先端に有する腕部と、前記スライダ部の両脇において前記ベースに配設され前記スライダ部の両脇を挟持して前記スライダ部の可動方向をガイドするガイド壁と、を備え、前記ガイド壁は、前記スライダ部の少なくとも一端側を両脇から挟んでガイドし、前記腕部は、前記スライダ部の他端側に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、スライダ部は、一端側においてガイド壁に挟持され、他端側において両脇の係合凸部が両脇のガイド溝に係合されることにより可動方向にガイドされる。ここで、ボタンが引っ張られる方向によっては、スライダ部の端部を左右に振るような回転トルクが作用するところ、スライダ部の一端側も他端側もガイドされているので、スライダ部の姿勢が安定する。その結果、スライダ部の滑らかなスライド移動が確保される。
なお、ガイド溝とガイド壁を設けるにあたって、ガイド溝の側壁から連続してガイド壁が立設されると、デッドスペースを排して小型化される。
本発明では、前記ボタン部を、前記ベース部の長手方向のいずれか一方向へ付勢する付勢手段を備えることが好ましい。
このような構成によれば、ボタン部が一方に付勢されることから、一方生地に対する他方生地の相対位置を偏倚させることができる。例えば、ズボンのウエスト部の打合せ部において、ボタン部がウエスト引き締め方向に付勢されると、着衣者のウエストサイズにズボンのウエストサイズが合わせられる。そして、着衣者のウエストサイズが増加する場合に他方生地のボタンホールによってボタン部が引かれると、付勢手段の付勢力に抗してスライダ部がスライドし、着衣者のウエストサイズに合わせてズボンのウエストサイズが調整される。
本発明では、前記ボタン部を、前記ベース部の長手方向のいずれか一方向へ付勢する付勢手段を備え、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能な略扁平板状のスライダ部と、前記スライダ部の可動方向を前記ベース部の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段と、を備え、前記ガイド手段は、前記スライダ部の両脇において前記ベース部に配設され前記ベース部の長手方向に長さを有するガイド溝と、前記スライダ部の面に沿って当該スライダ部から両脇方向へそれぞれ延出するとともに前記ガイド溝へ係合する方向へ突起する係合凸部を有する腕部と、を備え、前記付勢手段は、前記ガイド溝に配設されるとともに前記腕部を介して前記スライダ部を付勢することが好ましい。
このような構成によれば、スライダ部をガイドするガイド溝に付勢手段が配設されるので、別途に付勢手段の配置スペースを設ける場合に比べて空間利用効率が向上され、当該掛止具が小型化、薄型化される。
付勢手段は、スライダ部の脇に設けられるので、掛止具の長手方向の長さを短くすることができる。また、付勢手段は、スライダ部の両脇を付勢するので、例えば、スライダ部の中心線に沿う位置のみを付勢する場合にくらべて、スライダ部をバランスよく付勢することができ、スライダ部の移動方向を安定させることができる。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部を備え、前記スライダ部は、前記窓部の開口の周囲部分に所定の面積で当接する幅広部を有することが好ましい。
このような構成において、ボタン部が窓部を通過してスライダ部に取り付けられているところ、ボタン部が引っ張られると窓部の開口縁をスライダ部が押し上げるので窓部の開口縁に大きな力がかかる。この点、スライダ部は、幅広な面積で窓部の開口の周囲に当接するので、窓部の開口縁の破損が防止される。
本発明では、前記スライド手段は、前記ボタン首部の端部が取り付けられるとともに前記ベース部の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部を備え、前記ベース部は、前記ボタン部が取り付けられた状態の前記スライダ部を前記収納空間に出し入れ可能であることが好ましい。
このような構成によれば、スライダ部とともにボタン部を交換することができる。すると、利用者の好みに合わせてボタン部のデザインを替えることができる。
例えば、ベース部が表ケースと裏ケースとで構成されている場合、表ケースと裏ケースとを取り外し可能としてもよく、あるいはベース部に開閉可能な蓋部を設けてもよく、あるいはベース部の収納空間は常時開放されていてもよい。
そして、種々の異なるボタン部とスライダ部を組み合わせたユニットを用意しておけば、好みに合わせていつでもボタン部を交換することができる。
本発明の衣料は、前記いずれかの掛止具を有することを特徴とする。
このような衣料としては、ズボンやスカートなどが例示され、この掛止具を備えた衣料によれば、ウェストサイズを調整することができる。
本発明では、前記一方生地は、少なくとも前記ベース部よりも広い大きさを有する布地の周縁部が当該一方生地に縫着されて形成される袋空間を備え、前記掛止具は、袋空間に収納されていることが好ましい。
このような構成によれば、掛止具を袋空間に挿入するだけなので、簡便に掛止具を衣料に配設(取付)することができる。そして、袋空間に収納されてしまえば、掛止具が外部から見えなくなるので、美観性を損なうことがない。
なお、袋空間が一方生地の裏側に設けられる場合、前記一方生地は、前記一方生地の裏側から表側にボタン頭部を露出させるとともにボタン部のスライド移動を確保する長孔を有することが好ましい。
本発明の掛止具の配設方法は、少なくとも前記ベース部よりも広い大きさを有する布地の周縁部を前記一方生地に一部未縫着の状態で縫着して袋空間を形成する工程と、前記袋空間に掛止具を収納する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、袋空間を形成する工程で形成された袋空間は未縫着部分から外部に通じている。そこで、この未縫着部分から袋空間に掛止具を挿入すれば、簡便に掛止具を生地に配設することができる。また、掛止具が無い状態で先に布地を縫着するので、ミシン針が掛止具に当たって破損するような事態も起こりようがなく、縫製の効率が向上される。
なお、この未縫着部分は掛止具が挿入可能な広さであることはもちろんである。
また、掛止具を袋空間に収納した後、前記未縫着部分を完全に縫着してもよい。このように掛止具が完全に袋空間に閉じ込められてしまえば、掛止具の盗難を防止することができる。あるいは、未縫着部分は、そのまま未縫着とされてもよく、簡易な仮縫いで縫着されてもよい。すると、掛止具を簡便に交換することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
本発明の一実施形態について説明する。
図1に、本発明の掛止具に係る一実施形態の使用状態を示す。
この掛止具100は、例えば、ズボン600等のウエスト部610において、ウエストの打ち合せ620を留めるとともにウエストサイズを調整する。
図1において、ズボン600のウエスト部610は、打合せ部620において下前地(一方生地)630と上前地(他方生地)640とが打ち合わされている。そして、上前地640に設けられたボタンホール650と下前地630に設けられた掛止具100のボタン300部とが掛止され、打合せ部620が留められる。本発明の掛止具100は、このように打合せ部620がボタン部300とボタンホール650との掛止で留められた状態でウエストサイズを調整可能にする掛止具である。
なお、本掛止具100は、ズボン600やスカート等に代表される衣服のウエストを留める掛止具として利用されるのみならず、カバンや靴などについても一方の生地と他方の生地とをボタンおよびボタンホールの掛止によって留める場合に利用できる。
図2は掛止具100の全体斜視図であり、図3は掛止具100の分解斜視図であり、図4は裏ケース250を外した状態の内部を示す図である。また、図5は図2中のV-V線における断面図であり、図6は図2中VI-VI線における断面図であり、図7は図2中のVII-VII線における断面図である。
掛止具100は、ズボン600のウエスト部610に取り付けられるベース部200と、ボタンホール650に掛止するボタン部300と、ボタン部300をウエストの周方向にスライド移動させるスライド手段400(図3参照)と、ボタン部300をウエスト引き締め方向に付勢する付勢手段としてのコイルバネ500(図3参照)と、を備えている。
ベース部200は、図3に示されるように、内部に収納空間を有するケース状であって、例えば一面である背面側が開口する略扁平箱状の表ケース210と、表ケース210の開口を閉塞する長方形平板状の裏ケース250と、を備えている。
表ケース210は、長方形平板状の天板部220と、天板部220の長手方向の両側辺から連続一体的に折曲形成された側板部230と、天板部220の長手方向の両端縁から連続一体的に折曲形成された端板部240と、天板部220の略中央よりもやや一端側よりの位置から他端側の途中まで長手方向に長さを有する長孔状に開口した窓部221と、四隅に開口形成された係合孔222(図2参照)と、を備える。
図2に示されるように、天板部220に対して側板部230および端板部240は、外表面において滑らかな曲線により連続し、また、側板部230から端板部240への連続も外表面において滑らかに連続している。
ここで、表ケース210の長手方向の一方を一端とし、長手方向の他方を他端とし、図2中では、手前側(左側に位置する方)を一端側、奥側(右側に位置する方)を他端側とする。このとき、一端側において側板部230と端板部240とは比較的大きな曲率半径で連続し、他端側において側板部230と端板部240とは比較的小さな曲率半径で連続している。
窓部221の両側辺は直線状に形成され、両端は円弧状に形成されている。窓部221は、長手方向に所定長さL2を有し、短手方向に所定の幅W3を有するが、短手方向の幅W3は天板部220の短手方向長さの略3分の1程度であり、天板部220の側辺と窓部221との間に所定距離を残す。
係合孔222は、表ケース210の四隅にそれぞれ設けられるところ、図2に示されるように、主として天板部220から端板部240を切り欠くように形成されている。このとき、図7に示されるように、表ケース210の内方から端板部240を長手方向に切り込むようにして、天板部220に平行な係止面223が形成されている。また、一端側の両隅の係合孔222には、天板部220から係合孔222の内方に向けて垂下する押し板224が設けられている(図3または図7参照)。
裏ケース250は、表ケース210の開口を閉塞する面積および形状であり、表ケース210の係合孔222に係合する係合爪260を四隅に有する。
係合爪260は、ベース部200を組み立てたときにベース部200の内方となる裏ケース250の背面において、裏ケース250の四隅から長手方向に突起する形状である。ここで、一端側に設けられる係合爪260は、裏ケース250の背面から突起形成された係合突起部262であり、係合孔222に挿嵌されたときに係止面223に引っ掛かる係る爪が長手方向に突き出ている。
また、他端側に設けられる係合爪260は、裏ケース250の背面から長手方向へ突き出た舌状片261である。
ボタン部300は、円形平板状のボタン頭部310と、ボタン頭部310の背面から軸状に伸びるボタン首部320と、を備える。
ボタン頭部310の直径は窓部221の幅よりも大きく、ボタン頭部310は窓部221を通過しない大きさである。
ここで、ボタン頭部310の表面において略中央には浅い凹部が凹設され、凹部の内部や凹部の周辺に文字、図形等の装飾が施される。なお、ボタン頭部310の形状や装飾は特に限定されず、ボタン頭部310を円形、三角、四角、星型、各種キャラクターの形状にしたり、これらの装飾をボタン頭部310に施してもよい。 ボタン首部320は、中空の筒状に形成され、ボタン頭部310とは反対側において縮径する凸条330を有する(図6参照)。
スライド手段400は、ベース部200の内部(収納空間内)に設けられており、ボタン部300をスライド移動させる。
スライド手段400は、ベース部200の内部で長手方向にスライド移動可能に設けられたスライダ部410と、スライダ部410を可動方向に案内するガイド手段440と、を備える。
スライダ部410は、略長方形平板状で、長手方向の長さL1は窓部221の長さL2よりも若干長めであり、表ケース210の端板部240の内壁間距離に対して半分よりやや長めである。また、スライダ部410の短手方向の幅W1は、窓部221の幅W3よりも広めである。そして、スライダ部410は、一端側から他端側の途中までがやや幅狭の矩形状に形成されているとともに、他端側に向かう途中から所定の曲率で幅方向に膨らむ幅広部425を有する。
スライダ部410は、ベース部200に収納されたときに表ケース210側になるおもて面から隆起した隆起部421と、ボタン部300をスライダ部410に取り付けるための取付孔422と、を備える。
隆起部421は、スライダ部410の他端側においておもて面から略円柱状に隆起している。隆起部421は、窓部221に挿通され、隆起部421の幅および曲率は、窓部221の幅および両端の曲率に略一致している。
取付孔422は、隆起部421の略中心を貫通して形成され、内径を縮径させる凸条423を有する(図6参照)。
取付孔422は、スライダ部410の他端側に設けられているところ、ボタン部300が取付孔422に取り付けられた状態でスライダ部410の他端が窓部221を通過できる。このような取付孔422の位置およびボタン首部320の径についての関係は特に明示しないが、ボタン首部320(あるいは隆起部421)が十分に細く、かつ、取付孔422が十分にスライダ部410の他端に寄っていればよい。
ガイド手段440は、スライダ部410から短手方向に突出した腕部430と、スライダ部410がベース部200に収納されたときに裏ケース250側になるスライダ部410の背面に凹設された溝条(溝)424と、表ケース210の背面において両側辺に設けられたガイド溝(溝)441と、表ケース210の背面において短手方向で所定間隔離間して一端から他端に向かう途中まで立設されたガイド壁443と、裏ケース250の背面において一端から他端にわたって立設されたガイドレール(係合凸部)444(図5参照)と、を備える。
腕部430は、スライダ部410の両脇に二本設けられ、スライダ部410の他端側から突出して設けられている。腕部430は、スライダ部410のおもて面側方向(表ケース側方向)に向けて僅かに膨らんだ膨出部(係合凸部)431と、腕部430から一端側方向に向けて伸出されたピン432と、を備える。
なお、腕部430を含めたスライダ部410の短手方向の幅(短手方向で腕部とスライダ部とを足した長さ、図4、図3中のW2)は、側板部230の内壁間距離に略一致する。また、腕部430を含めたスライダ部410の短手方向の幅W2は、窓部221の長さL2よりも短い。
溝条424は、スライダ部410の背面において、一端から他端にわたって凹設されている。
ガイド溝441は、天板部220の背面において両側辺が一端側から他端側にわたって凹まされることで形成され、そして、側板部230の内壁がガイド溝441の側壁となっている。ガイド溝441の底面は、図5に示されるように、断面において円弧状に形成されている。
また、ガイド溝441の長手方向の両端には係合孔222が位置するところ、ガイド溝441の両端には仕切板442が設けられ、ガイド溝441と係合孔222とが仕切板442で仕切られている。
スライダ部410が、表ケース210の内側に配設されたときに、腕部430の膨出部431がガイド溝441に嵌合する。
ガイド壁443は、天板部220の背面から二本立設されており、互いの距離がスライダ部410の短手方向幅に略一致している。そして、スライダ部410が表ケース210の内側に配置されたときに、二本のガイド壁443がスライダ部410を挟んでガイドする。また、スライダ部410が他端側に寄った状態であっても、スライダ部410の少なくとも一端側を挟める位置までガイド壁443は立設されている。
ガイドレール444は、表ケース210の内側に配設されたスライダ部410を表ケース210と裏ケース250とにて挟持したときに、スライダ部410の溝条424に嵌合する。
コイルバネ500は、ガイド溝441内に配設され、コイルバネ500の自然長は、ガイド溝441の長さに略等しい。コイルバネ500にはピン432が挿通され、ガイド溝441内において腕部430は、コイルバネ500の他端側に位置する。ベース部200の内部において、スライダ部410はコイルバネ500により腕部430を介して他端側に向けて付勢される。
次に、掛止具100の組み立てについて簡便に説明する。
まず、スライダ部410にボタン部300を取り付ける。このとき、ボタン首部320とスライダ部410とは、取付具700により一体化される。取付具700は、ボタン首部320と取付孔422とが連通した状態で取付孔422の凸条423とボタン首部320の凸条330とのそれぞれに係合する頭部を有する。なお、この取付具700は、例えばリベットであり、ボタン部320とスライダ部410とをリベット締めするものである。これにより、ボタン部300がスライダ部410に一体化され、容易には抜けなくなる(図6参照)。
次に、ボタン部300が取り付けられたスライダ部410を表ケース210の内側に配置する。このとき、ボタン頭部310は、窓部221を通過できないところ、表ケース210のおもて面側からスライダ部410の一端を窓部221に通し、続けて、ボタン部300のボタン首部320およびスライダ部410の他端を窓部221に通す。すると、ボタン頭部310は表ケース210のおもて側に、スライダ部410は表ケース210の背面側に配置され、ボタン頭部310とスライダ部410とは窓部221を通過するボタン首部320で繋がる。
次に、腕部430が表ケース210の他端側に位置する向きにスライダ部410の方向を調整して、ピン432にコイルバネ500を取り付ける。そして、スライダ部410を表ケース210の背面に載置し、コイルバネ500と腕部430の膨出部431とをガイド溝441にセットするとともに、スライダ部410の一端側をガイド壁443の間に置く(図4参照)。すると、スライダ部410が、表ケース210の背面にセットされ、このとき、隆起部421が窓部221に嵌まる。
この状態において裏ケース250で表ケース210の開口を閉塞する。このとき、他端側の係合爪260(舌状片261)を他端側の係合孔222に挿入したのち、一端側の係合爪260(係合突起部262)を一端側の係合孔222に挿入する。すると、一端側の係合爪260(係合突起部262)は押し板224に押されるので、一端側の係合爪260(係合突起部262)が係止面223から外れなくなり、表ケース210と裏ケース250とが嵌め殺しとなる(図7参照)。この状態で、スライダ部410は表ケース210と裏ケース250とにてスライダ部410の摺動を許容する程度の隙間をもって挟持され、スライダ部410の背面の溝条424に裏ケース250のガイドレール444が嵌合する。
次に、掛止具100のズボン600への取り付けについて図8を参照して簡便に説明する。
図8は、打合せ部620の下前地630を内側(うら面側)から見た図である。
図8において、ボタン部300のスライド移動を確保するスリット状の長孔631がズボン600の下前地630に形成されている。また、下前地630の内側に布地660が袋貼りされ、下前地630と布地660とにて形成される袋空間661に掛止具100が収納される。布地660は、平面視において掛止具100の大きさよりも僅かに大きく、掛止具100に重なったときに布地660の周縁が掛止具100の外側にはみ出る程度の大きさを有する長方形形状である。
ここで、ボタン部300は、掛止具100の他端側に向けて付勢されているところ、掛止具100の一端側が上前地640に近接する側に位置し、掛止具100の他端側が上前地640から離隔する側に位置するように掛止具100が袋空間661に収納される。すると、ボタン部300は常にウエスト引き締め方向に付勢されることになる。
掛止具100をズボン600に取り付けるにあたっては、まず、ズボン600の下前地630にボタン部300のスライド移動を確保するスリット状の長孔631を形成しておく。そして、下辺において上前地から離隔する部分662および上前地から離隔する一辺663を未縫着とし、残りの部分について布地660を下前地630に縫着する。すなわち、上前地640から離隔する部分にL字状の未縫着部分を残す(袋空間を形成する工程)。
そして、布地660と下前地630とにて形成される袋空間661に掛止具100を挿入して(掛止具を収納する工程)、ボタン頭部310を長孔631から下前地630のおもて面側に露出させる。この際、表ケース210をズボンの下前地の側に向けて、裏ケース250を布地660の側に向ける。
その後、L字状の未縫着部分を完全に縫着して袋空間を閉塞する。すると、掛止具100がズボン600に配設(取付け)される。
このような掛止具の動作について説明する。
掛止具100が取り付けられたズボン600を利用者(着衣者)が着衣して、ボタン部300をボタンホール650に掛ける。このとき、ボタン部300は、コイルバネ500の付勢力によって掛止具100の他端側、すなわち、ウエスト引き締め方向に付勢されている。すると、利用者の体型あるいは腹圧にあわせてズボン600のウエストサイズが利用者のウエストサイズに適合するサイズとなる。
利用者が起立姿勢から着座姿勢に移ったり、食事により空腹から満腹になったりすると、利用者のウエストサイズが増大する。このとき、ズボン600のウエストサイズを増大させる方向、すなわち、ズボン600の上前地640と下前地630とを離隔する方向へズボン600のウエスト部に力がかかり、上前地640のボタンホール650がボタン部300を一端側に引っ張ることとなる。
ボタン部300が一端側に引かれると、ボタン部300に一体化されたスライダ部410が一端側に引かれる。
スライダ部410は、コイルバネ500の付勢力に抗して引かれることにより、ガイド手段440(腕部430、溝条424、ガイド溝441、ガイド壁443、ガイドレール444)のガイドに従って一端側にスライド移動する。スライダ部410のスライドによりボタン部300が一端側に移動され、ズボン600のウエストサイズが増大される。そして、ズボン600のウエストサイズが利用者のウエストサイズに適合するサイズに調整される。
このような掛止具によれば、次の効果を奏する。
(1)掛止具100がズボン600に配設された状態でボタン部300がベース部200から立ち上がっているので、生地(下前地630)からボタン部300が立ち上がる状態になる。従って、例えば、生地が厚い場合でもボタン部300を手でつまみ易くなり、ボタンの掛止が容易になる。
(2)ボタン部300がスライド手段400によりスライド移動可能であるので、ウエストの打合せ部620が留まったままでボタン部300がスライド移動し、ウエストサイズが増減される。
(3)スライド手段400(スライダ部410およびガイド手段440)がベース部200に収納され、スライド手段400が外部に露出しないので、スライド手段400が保護される。よって、洗濯等により相当の衝撃が与えられた場合でも故障等が防止される。
(4)スライド手段400がベース部200に収納されており外部に露出する部分がないので、掛止具100を生地(下前地630)に取り付ける作業が簡便になる。つまり、掛止具100を袋空間611に収納するだけでよい。その結果、縫製の効率が向上される。
(5)ガイド溝441が表ケース210の背面に配設され、膨出部431がこのガイド溝441に係合する構成となっており、また、ガイド壁443が表ケース210の背面に設けられている。従って、ボタン部300が上前地640のボタンホール650によって引っ張られたときに、ガイド溝441と膨出部431とがより強く係合され、スライダ部410がガイド壁443の間により強く挟まることになる。従って、ボタン部300がボタンホール650に引かれてスライド移動するときに、スライダ部410がガイド溝、膨出部431およびガイド壁443によって適切にガイドされる。
(6)ガイド手段440として、ガイド溝441およびガイド壁443は表ケース210に一体成型され、溝条424および腕部430はスライダ部410に一体成型され、ガイドレール444は裏ケース250に一体成型されている。よって、部品点数が削減され、掛止具100が小型、薄型化され、さらに、組み立て作業が簡便になる。
(7)ガイド溝441がスライダ部410の両脇に設けられ、このガイド溝441に腕部430が係合することによりスライダ部410の両脇が支持される。また、腕部430によりスライダ部の他端側がガイド溝441に対して支持され、ガイド壁443によりスライダ部410の一端側が支持される。このように、スライダ部410の前後左右(一端側、他端側、両脇)が支持されることによりスライダ部410の姿勢が安定し、スライダ部の滑らかなスライド移動が可能となる。
(8)ガイド壁443がガイド溝441の側壁から連続して立設されているので、デッドスペースを排して掛止具100が小型化される。
(9)ベース部200の収納空間内に仕切り板442あるいはガイド壁443等が立設され、これらのリブ構造により構造的補強が図られる。従って、ベース部200(表ケース250および裏ケース250)をプラスチックの樹脂等で形成しても十分な強度が確保される。そして、ベース部200が樹脂等で形成される結果、材料コストを安価とし、また、射出成型等により製造コストが削減される。
(10)スライダ部410から延出される腕部はスライダ部410の幅広部425から両脇に延出されているので、腕部430の長さが短くてよく、腕部430の強度が保たれる。
(11)コイルバネ500によりボタン部300が一方に付勢されているので、ズボン600のウエスト部610の打合せ部620において、ボタン部300がウエスト引き締め方向に付勢され、着衣者のウエストサイズにズボンのウエストサイズが合わせられる。そして、着衣者のウエストサイズが増加する場合にボタンホール650によってボタン部300が引かれると、コイルバネ500の付勢力に抗してスライダ部410がスライドし、着衣者のウエストサイズに合わせてズボンのウエストサイズが調整される。
(12)コイルバネ500は、ガイド溝441に配設されるので、別途にコイルバネ500の配置スペースを設ける場合に比べて空間利用効率が向上され、当該掛止具100が小型化、薄型化される。また、コイルバネ500は、スライダ部410の脇に設けられるので、スライダ部410に対して長手方向の前後に付勢手段が配設される場合に比べて、掛止具100の長手方向の長さを短くすることができる。また、コイルバネ500は、スライダ部410の両脇を付勢するので、例えば、スライダ部410の中心線に沿う位置のみを付勢する場合に比べて、スライダ部410をバランスよく付勢することができ、スライダ部410の移動方向および姿勢を安定させることができる。
(13)スライダ部410は幅広部425を有する形状とされ、窓部221の開口の周囲に対して幅広の部分で当接するので、窓部221の開口縁に大きな力が掛からず、窓部221の破損が防止される。
(14)掛止具100をズボン600に配設(取付)するにあたっては、掛止具100を袋空間661に挿入すればよいだけなので、簡便に掛止具をズボンに配設(取付)することができる。
このとき、先に布地660を縫いつけるので、縫製作業中にミシン針が掛止具100に当たって折れるような事態が起こらず、縫製効率が向上される。
また、掛止具100を袋空間661に挿入する場合に、掛止具100の一端側は角の曲率半径が大きく形成されているので、挿入が滑らかとなる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、ベース部200やスライダ部410等の材料は特に限定されず、プラスチック等の樹脂でもよく、金属であってもよい。
そして、ボタン部300とスライダ部410とは別体であっても一体であってもよい。例えば、ボタン部300とスライダ部410とが樹脂で一体成型されてもよく、金属で一体成型されてもよい。また、ボタン部300とスライダ部410とが別体であり場合、ボタン部300とスライダ部410との接合方法は特に限定されないのはもちろんである。
ガイド溝441等は表ケース210に凹設されることによりベース部200に一体化して設けられていたが、ガイド溝441が別体としてベース部200の内部に配置されていてもよい。
ボタン頭部310とボタン首部320とは一体であってもよく、ボタン頭部310とボタン首部320とは別体であってもよい。そして、ボタン頭部310とボタン首部320とを別体とする場合、ボタン頭部310を首振り可能にしてもよい。例えば、図9に示されるように、ボタン首部320を筒状にして、ボタン頭部310から延出された取付筒部312をボタン首部320に回転可能かつ首振り可能に嵌挿してもよい。
掛止具をズボンに配設するに当たって布地660の未縫着部分をL字型にしたが、布地の一辺だけを未縫着部分としてもよいのはもちろんである。そして、未縫着部分を未縫着のままに残しておけば、掛止具100を取り換え可能にできる。また、下前地630に布地660のうえから裏地(裏布)を設けることにより、袋空間661(の未縫着部分)を外部から遮蔽してもよい。
付勢手段は、コイルバネ500に限られず、ゴムなどの弾性部材であってもよい。コイルバネ500は、スライダ部410を一端側から他端側に向けて押すように付勢しているが、逆に他端側からスライダ部410を引付けるように付勢してもよい。
また、特に、付勢手段を設けることなく、スライダ部410の位置をベース部200の中で段階的に変更可能とする構成であってもよい。たとえば、ガイド溝441に複数の凹部を設けておいて、腕部430がこれら凹部に嵌合する位置でスライダ部410が位置決めされるとしてもよい。
ベース部200を構成する表ケース210と裏ケース250とを嵌め殺しとしたが、表ケース210と裏ケース250とを取り外し可能にしてもよい。すると、スライダ部410とともにボタン部300を交換することができる。
掛止具100は、袋空間661に収納されることでズボン600に配設されるとしたが、ベース部200をズボン600の生地に直接縫い付けてもよい。この場合、ベース部200の周縁部に縫い付け用の小孔が複数設けられていてもよい。
ベース部200内の収納空間にスライド手段400を配設する構成は上記実施形態に限定されないのはもちろんである。例えば、溝(ガイド溝、溝条)および係合凸部(膨出部やガイドレールなど)は、ベース部およびスライダ部のいずれに設けられていてもよい。
本発明は、ズボンあるいはスカート等のウエストサイズを調整可能とする掛止具等に関するに利用できる。
本発明の掛止具に係る一実施形態の使用状態を示す図。 掛止具の全体斜視図。 掛止具の分解斜視図。 掛止具の裏ケースを外した状態の内部を示す図。 図2中のV-V線における断面図。 図2中のVI-VI線における断面図。 図2中のVII-VII線における断面図。 掛止具をズボンに配設する様子を示す図。 掛止具の変形例として首振りタイプのボタン部を示す図。
符号の説明
100…掛止具、200…ベース部、210…表ケース、220…天板部、221…窓部、222…係合孔、223…係止面、224…押し板、230…側板部、240…端板部、250…表ケース、250…裏ケース、260…係合爪、261…舌状片、262…係合突起部、300…ボタン部、310…ボタン頭部、312…取付筒部、320…ボタン首部、330…凸条、400…スライド手段、410…スライダ部、421…隆起部、422…取付孔、423…凸条、424…溝条、425…幅広部、430…腕部、431…膨出部、432…ピン、440…ガイド手段、441…ガイド溝、442…仕切板、443…ガイド壁、444…ガイドレール、500…コイルバネ、600…ズボン、610…ウエスト部、611…袋空間、620…打合せ部、630…下前地、631…長孔、640…上前地、650…ボタンホール、660…布地、661…袋空間、700…取付具。

Claims (13)

  1. 一方生地630に配設されるとともに前記一方生地630に配設された状態で当該一方生地630の面方向に沿った所定長さの長手方向を有するベース部200と、ボタン頭部310および当該ボタン頭部310から立設するボタン首部320を有するボタン部300と、前記ベース部200に配設され前記ボタン部300を前記ベース部200の長手方向に沿ってスライド移動させるスライド手段400と、を備え、前記一方生地630と他方生地640との合わせ部において前記他方生地640に形成されたボタンホール650に掛け外し可能に掛止して前記合わせ部620を留め合わせる掛止具100であって、
    前記ベース部200は、内部に設けられた収納空間と、前記ベース部200の長手方向に沿った所定長さを有し前記収納空間を外部に連通させる窓部221と、を備え、
    前記スライド手段400は、前記ベース部200の前記収納空間内に配設され、
    前記ボタン部300は、前記ボタン首部320の端部が前記スライド手段400に取り付けられるとともに前記ボタン首部320が前記窓部221を通過する状態で前記ベース部200から立ち上がる状態に設けられる
    ことを特徴とする掛止具100。
  2. 請求項1に記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440の少なくとも一部は、前記ベース部200の収納空間内において、前記一方生地630と前記他方生地640とが打ち合わされたときの前記他方生地640の側に配設されている
    ことを特徴とする掛止具100。
  3. 請求項1または請求項2に記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440の少なくとも一部は、前記ベース部200および前記スライダ部410に対して一体成型されている
    ことを特徴とする掛止具100。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440は、前記ベース部200および前記スライダ部410のいずれか一方に凹設され前記ベース部200の長手方向に長さを有する溝441、424と、
    前記ベース部200および前記スライダ部410のいずれか他方に凸設され前記溝441、424に係合する係合凸部431、444と、を備える
    ことを特徴とする掛止具100。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能な略扁平板状のスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440は、前記スライダ部410の両脇において前記ベース部200に配設され前記ベース部200の長手方向に長さを有するガイド溝441と、
    前記スライダ部410の面に沿って当該スライダ部410から両脇方向へそれぞれ延出して設けられ前記ガイド溝441へ係合する方向へ突起する係合凸部431を先端に有する腕部430と、を備える
    ことを特徴とする掛止具100。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440は、
    前記スライダ部410の両脇において前記ベース部200に配設され前記ベース部200の長手方向に長さを有するガイド溝441と、
    前記スライダ部410の面に沿って当該スライダ部410から両脇方向へそれぞれ延出して設けられ前記ガイド溝441へ係合する方向へ突起する係合凸部431を先端に有する腕部430と、
    前記スライダ部410の両脇において前記ベース200に配設され前記スライダ部410の両脇を挟持して前記スライダ部410の可動方向をガイドするガイド壁443と、を備え、
    前記ガイド壁443は、前記スライダ部410の少なくとも一端側を両脇から挟んでガイドし、
    前記腕部430は、前記スライダ部410の他端側に設けられている
    ことを特徴とする掛止具100。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記ボタン部300を、前記ベース部200の長手方向のいずれか一方向へ付勢する付勢手段500を備えた
    ことを特徴とする掛止具100。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記ボタン部300を、前記ベース部200の長手方向のいずれか一方向へ付勢する付勢手段500を備え、
    前記スライド手段400は、
    前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能な略扁平板状のスライダ部410と、
    前記スライダ部410の可動方向を前記ベース部200の長手方向に沿う方向にガイドするガイド手段440と、を備え、
    前記ガイド手段440は、前記スライダ部410の両脇において前記ベース部200に配設され前記ベース部200の長手方向に長さを有するガイド溝441と、
    前記スライダ部410の面に沿って当該スライダ部410から両脇方向へそれぞれ延出して設けられ前記ガイド溝441へ係合する方向へ突起する係合凸部431を先端に有する腕部430と、を備え、
    前記付勢手段500は、前記ガイド溝441に配設されるとともに前記腕部430を介して前記スライダ部410を付勢する
    ことを特徴とする掛止具100。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410を備え、
    前記スライダ部410は、前記窓部221の開口の周囲部分に所定の面積で当接する幅広部425を有することを特徴とする掛止具100。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の掛止具100において、
    前記スライド手段400は、前記ボタン首部320の端部が取り付けられるとともに前記ベース部200の前記収納空間内でスライド移動可能なスライダ部410を備え、
    前記ベース部200は、前記ボタン部300が取り付けられた状態の前記スライダ部410を前記収納空間に出し入れ可能である
    ことを特徴とする掛止具100。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の掛止具100を有する衣料600。
  12. 請求項11に記載の衣料600において、
    前記一方生地630は、少なくとも前記ベース部200よりも広い大きさを有する布地660の周縁部が当該一方生地630に縫着されて形成される袋空間661を備え、
    前記掛止具100は、袋空間661に収納されている
    ことを特徴とする衣料600。
  13. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の掛止具100を衣料600に配設する方法であって、
    少なくとも前記ベース部200よりも広い大きさを有する布地660の周縁部を前記一方生地630に一部未縫着の状態で縫着して袋空間661を形成する工程と、
    前記袋空間661に掛止具100を収納する工程と、
    を備えた掛止具100の配設方法。
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