しかしながら、上記特許文献1に記載の発明においては、中央タブやオーバーベルトといった余分な部材が外から見えるため、見た目がすっきりとせず、人によっては見栄えを損なうと感じるという問題点があった。
そこで、本発明は、見た目は通常のズボン(パンツ)等の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができる、さらには連続的にウエストサイズを変化させることができる状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えることができるとともに、ボタンがとれた場合にも容易に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服の提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻き(ボタンの糸足に硬く巻き付けて止めたもの)をとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記第2のボタンホールは前記衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴であり、前記円形部分は前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する位置にあって、前記一方のファスナーテープの上端はスライディングテープ及びゴムテープによって前記衣服の上前の上端に縫付けられ、前記スライディングテープは外方向に傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項2の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記第2のボタンホールは前記衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴であり、前記円形部分は前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する位置にあって、前記一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項3の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に縫付けられた上下方向に伸びる略筒状の調節布と、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールと、前記衣服の上前に縫付けられた前記調節布に縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の他方に縫代となる他のファスナーテープが縫付けられたファスナーとを具備し、前記第2のボタンホールは前記衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴であり、前記円形部分は前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する位置にあって、前記一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項4の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記第2のボタンホールは前記衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴であり、前記円形部分は前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する位置にあって、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項5の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記第2のボタンホールとしてのハトメ穴の円形部分に相当する前記衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられたものである。
請求項6の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する前記衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられ、前記一方のファスナーテープの上端はスライディングテープ及びゴムテープによって前記衣服の上前の上端に縫付けられ、前記スライディングテープは外方向に傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項7の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する前記衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられ、前記一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項8の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に縫付けられた上下方向に伸びる略筒状の調節布と、前記衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールと、前記衣服の上前に縫付けられた前記調節布に縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の他方に縫代となる他のファスナーテープが縫付けられたファスナーとを具備し、前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する前記衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられ、前記一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられており、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項9の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、衣服の下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に所定長さの糸足または根巻きをとって縫付けられたボタンと、前記衣服の下前ベルト部表地に設けられ、前記ボタンが裏側から表側に通されて、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記ボタンが移動可能な第2のボタンホールとを具備し、前記弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの前記移動布の中心付近に相当する前記衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられ、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと、前記衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールとからなるものである。
請求項10の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記移動布は所定寸法の生地にほぼ同じ寸法の薄く硬い芯を貼り合わせ、及び/または周囲をロック縫いして縫い合わせてなるものである。
請求項11の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記弾性材には、その最大伸びを制限する伸び止め材を並設したものである。
請求項12の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項11のいずれか1つの構成において、前記伸び止め材は、前記弾性材及び前記移動布に縫合わされて前記移動布から突出して前記衣服の下前ベルト部見返しに縫付けられており、全長に亘って長手方向両縁をロック縫いされているものである。
請求項13の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項12のいずれか1つの構成において、前記移動布の上下方向への振れと前記第2のボタンホールからの噴き出しを防止するために前記下前ベルト部に縦テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に横方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記縦テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。
請求項14の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項12のいずれか1つの構成において、前記移動布の上下方向への振れと前記第2のボタンホールからの噴き出しを防止するために前記下前ベルト部の前記上前のベルト部に設けられたボタンホールの位置に横テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に縦方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記横テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。
請求項15の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項14のいずれか1つの構成において、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記第2のボタンホールを通して表側に出された前記ボタンと前記衣服の上前のベルト部に設けられた前記ボタンホールと、前記上前のベルト部に取付けられた受構成体または鉤構成体と前記衣服の下前ベルト部の裏側に取付けられた鉤構成体または受構成体とからなるものである。
請求項16の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項15のいずれか1つの構成において、前記移動布と前記伸び止め材としてベルト部表地と同系色の裏地を用いたものである。
請求項17の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項16のいずれか1つの構成において、前記衣服の下前ベルト部の上半分及び/または下半分及び/または移動布を硬めの芯で補強したものである。
請求項1の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられたハトメ穴形状の第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、ハトメ穴形状の第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、一方のファスナーテープの上端は、上前ベルト部の裏地の内側でスライディングテープ及びゴムテープによって上前の上端に縫付けられている。スライディングテープは、上前の端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部の内側に挟んで縫付けられている。そして、上前ベルト部には穴かがりされたボタンホールが設けられるが、ボタンホールは上前ベルト部内に取付けられたスライディングテープ及びゴムテープの一部を貫通しており、ボタンホールの穴かがりによってスライディングテープ及びゴムテープも共に縫付けられてしまう。しかし、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服においては、一方のファスナーテープがスライディングテープのみでなくゴムテープによっても支持されているため、タックの折り重なり部分が引き延ばされる際には、ゴムテープの伸縮力によって一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。このように、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
さらに、第2のボタンホールを衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴として、円形部分が弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにしたことによって、ボタンが取れた場合でも第2のボタンホールの円形部分において掬い縫いしてボタンを縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタンを付け直すことができるため、ボタンが取れた場合にボタンを付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にも容易に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項2の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられたハトメ穴形状の第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、ハトメ穴形状の第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられているため、タックの折り重なり部分が引き延ばされる際には、一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。さらに、スライディングテープが設けられていないために、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
さらに、第2のボタンホールを衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴として、円形部分が弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにしたことによって、ボタンが取れた場合でも第2のボタンホールの円形部分において掬い縫いしてボタンを縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタンを付け直すことができるため、ボタンが取れた場合にボタンを付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にも容易に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項3の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前に略円筒形状の調節布を縫付けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられたハトメ穴形状の第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、ハトメ穴形状の第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられているため、略円筒形状の調節布が変形する際には、一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。さらに、スライディングテープが設けられていないために、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
さらに、第2のボタンホールを衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴として、円形部分が弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにしたことによって、ボタンが取れた場合でも第2のボタンホールの円形部分において掬い縫いしてボタンを縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタンを付け直すことができるため、ボタンが取れた場合にボタンを付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にも容易に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項4の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられたハトメ穴形状の第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、ハトメ穴形状の第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。
さらに、第2のボタンホールを衣服の上前から遠い側の端に円形部分が設けられたハトメ穴として、円形部分が弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにしたことによって、ボタンが取れた場合でも第2のボタンホールの円形部分において掬い縫いしてボタンを縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタンを付け直すことができるため、ボタンが取れた場合にボタンを付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にも容易に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項5の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、第2のボタンホールとしてのハトメ穴の円形部分に相当する衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられたものである。
これによって、ボタンが取れた場合でも第2のボタンホールの円形部分に相当する位置にある貫通穴としての菊穴またはリング穴を目安として、ぶち抜きで針を通してボタンを付け直すことができるため、ボタンがより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項6の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられた第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、第2のボタンホールは、バチ穴のような眠り穴等を始めとしてどのような形状のものでも良い。
また、一方のファスナーテープの上端は、上前ベルト部の裏地の内側でスライディングテープ及びゴムテープによって上前の上端に縫付けられている。スライディングテープは、上前の端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部の内側に挟んで縫付けられている。そして、上前ベルト部には穴かがりされたボタンホールが設けられるが、ボタンホールは上前ベルト部内に取付けられたスライディングテープ及びゴムテープの一部を貫通しており、ボタンホールの穴かがりによってスライディングテープ及びゴムテープも共に縫付けられてしまう。しかし、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服においては、一方のファスナーテープがスライディングテープのみでなくゴムテープによっても支持されているため、タックの折り重なり部分が引き延ばされる際には、ゴムテープの伸縮力によって一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。このように、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
そして、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられているため、ボタンが取れた場合でも貫通穴としての菊穴またはリング穴を目安として、ぶち抜きで針を通してボタンを付け直すことができ、ボタンがより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項7の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられた第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられているため、タックの折り重なり部分が引き延ばされる際には、一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。さらに、スライディングテープが設けられていないために、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
また、第2のボタンホールは、バチ穴のような眠り穴等を始めとしてどのような形状のものでも良い。
そして、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられているため、ボタンが取れた場合でも貫通穴としての菊穴またはリング穴を目安として、ぶち抜きで針を通してボタンを付け直すことができ、ボタンがより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項8の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前に略円筒形状の調節布を縫付けるとともに、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられた第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
ここで、一方のファスナーテープの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられているため、略円筒形状の調節布が変形する際には、一方のファスナーテープもそれにつれて移動することができる。さらに、スライディングテープが設けられていないために、上前ベルト部にボタンホールを設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープの移動を妨げることがない。
また、第2のボタンホールは、バチ穴のような眠り穴等を始めとしてどのような形状のものでも良い。
そして、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられているため、ボタンが取れた場合でも貫通穴としての菊穴またはリング穴を目安として、ぶち抜きで針を通してボタンを付け直すことができ、ボタンがより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項9の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布にボタンを縫付け、下前ベルト部表地に設けられた第2のボタンホールからボタンを表に出し、上前のベルト部に設けられたボタンホールにボタンを係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内でボタンが第2のボタンホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、第2のボタンホールは、ボタンを上前のベルト部のボタンホールに係合することによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。
ここで、第2のボタンホールは、バチ穴のような眠り穴等を始めとしてどのような形状のものでも良い。
そして、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する衣服の下前ベルト部見返しに貫通穴としての菊穴またはリング穴が設けられているため、ボタンが取れた場合でも貫通穴としての菊穴またはリング穴を目安として、ぶち抜きで針を通してボタンを付け直すことができ、ボタンがより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項10の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布が所定寸法の生地にほぼ同じ寸法の硬くて薄い芯を貼り合わせ、及び/または周囲をロック縫いして縫い合わせてなる。これによって、移動布が薄くて丈夫なものとなるため、ベルト部内をスムーズに移動することができ、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。さらに、移動布が薄く硬い芯で補強されることによって噴き出しが防止される。
請求項11の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、弾性材には、その最大伸びを制限する伸び止め材を並設したものである。
したがって、ボタンが移動可能な第2のボタンホールの長さ以上に引張られないように弾性材の伸びの長さを制限することができるから、皺がよったりしてウエスト周りの見栄えが損なわれることがない。また、弾性材に過度の引っ張り力がかかるのを防止することができるから、弾性材の寿命が長くなる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに弾性材の寿命を長くすることができ、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項12の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、伸び止め材が、弾性材及び移動布に縫合わされて移動布から突出して衣服の下前ベルト部見返しに縫付けられており、全長に亘って長手方向両縁をロック縫いされている。
このように、伸び止め材をベースにしてその上に弾性材及び移動布を縫付けることによって、移動布ユニットをより容易に製造することができ、さらに伸び止め材が全長に亘って長手方向両縁をロック縫いされていることによって、薄い一枚の生地で伸び止め材を構成することができ、移動布から突出した部分は引張り部材として機能するため、薄いことによってベルト部内をスムーズに移動することができる。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項13の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布の上下方向への振れと第2のボタンホールからの噴き出しを防止するために下前ベルト部に縦テープの両端を縫付けて、移動布の裏側に横方向に一または二以上の噴き出し防止テープを縦テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。したがって、ボタンに無理な力が掛かって上方に引張られても、ボタンが縫付けられている移動布や弾性材が第2のボタンホールから外へ引き出されてしまう所謂「噴き出し」が防止される。
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができ、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項14の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布の上下方向への振れと第2のボタンホールからの噴き出しを防止するために下前ベルト部の上前のベルト部に設けられたボタンホールの位置に横テープの両端を縫付けて、移動布の裏側に縦方向に一または二以上の噴き出し防止テープを横テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。したがって、ボタンに無理な力が掛かって上方に引張られても、ボタンが縫付けられている移動布や弾性材が第2のボタンホールから外へ引き出されてしまう噴き出しが防止される。
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができ、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項15の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、結合具が、移動布に縫付けられ第2のボタンホールを通して表側に出されたボタンと衣服の上前のベルト部に設けられたボタンホールと、上前のベルト部に取付けられた受構成体または鉤構成体と衣服の下前ベルト部の裏側に取付けられた鉤構成体または受構成体とからなるものである。
したがって、ボタンとボタンホールのみを嵌合させた場合には、弾性材の伸縮可能な範囲内で連続的にウエストサイズを変化させることができる(フリーサイズ)。また、下前または上前のベルト部に取り付けられた鉤構成体を上前または下前ベルト部に取り付けられた受構成体に係止した場合には、ウエストサイズは一定のサイズに固定される。
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるフリーサイズ状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えることができ、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項16の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布と伸び止め材としてベルト部表地と同系色の裏地を用いたものである。裏地は滑りが良く薄手なので嵩張らないため、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われる。また、ベルト部表地と同系色としたため、衣服の前明を開いて第2のボタンホールが見えた場合でも内部の移動布や伸び止め材が目立たないため、見栄えを損なわずに済む。
このようにして、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われ、第2のボタンホールが目立たないとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
請求項17の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服の下前ベルト部の上半分及び/または下半分及び/または移動布を硬めの芯で補強したものである。これによって、移動布の移動がスムーズになり、また移動布が弾性材の伸びる方向に移動したときに衣服の下前ベルト部に皺がよることが防止される。さらに、上半分及び/または移動布を硬めの芯で補強することによって噴き出しが防止される。
このようにして、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われ、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明のウエストサイズ調節機構付衣服は、主に婦人用ズボン(婦人用パンツ)に適用されるものであるが、紳士用ズボンにも適用することができる。
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1について、図1乃至図12を参照して説明する。本発明の実施の形態1は、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を主に婦人用パンツに適用した場合を例示するものである。
図1(a)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の前明を外した状態を示す部分正面図、(b),(c),(d),(e)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の様々な変形例を示す図である。図2は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前部分の構造を示す説明図である。図3は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における上前部分に設けられたタックの構造を示す斜視図である。図4は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の第1変形例のタック部分の構造を示す斜視図である。
図5は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の第1変形例のファスナー部分の構造を示す図である。図6は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の第2変形例のファスナー部分の構造を示す図である。図7(a)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットを作製するための部品を示す図、(b)は移動布ユニットの完成状態を示す図である。図8(a),(b),(c)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部の作製方法を裏側から見て示す図である。
図9(a),(b),(c),(d),(e)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部の種々の変形例を示す図である。図10(a),(b)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部を表側から見たところを示す図である。図11(a),(b)は本発明の実施の形態1にかかる下前ベルト部に設けられる移動布ユニットの変形例を示す図である。図12(a),(b)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の前明を外した状態を裏側から見たところを示す図、(b)は本発明の実施の形態1の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の前明を外した状態を裏側から見たところを示す図である。
図1(a)に示されるように、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1は、上前ベルト部2に通常のボタンホール(バチ穴(眠り穴の1種)またはハトメ穴)6が設けられ、下前ベルト部3に第2のボタンホールとしてのハトメ穴5が設けられて、下前ベルト部3内部に設けられた移動布に縫付けられたボタン4(直径1.5cm)が第2のボタンホール5から外へ出ており、ボタン4は第2のボタンホール5内で移動可能となっている。そして、この第2のボタンホールとしてのハトメ穴5の円形部分5aが、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にある。
このボタン4を上前ベルト部2のボタンホール6に係合して、下前にファスナーテープFaが縫付けられたファスナーFbを上前に縫付けられた図示しないファスナーと合わせて閉じることによって、婦人用パンツ1は連続的にウエストサイズが変化してゆったりとした着用感が得られる。そして、第2のボタンホール5は、ボタン4を上前ベルト部2のボタンホール6に係合することによって隠れるので、見た目は通常のパンツと何等変わるところがない。しかも、後で詳しく説明するように、ウエストサイズの変化に伴って上前のファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
そして、この第2のボタンホールとしてのハトメ穴5の円形部分5aが、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにしたことによって、ボタン4が取れた場合でも第2のボタンホール5の円形部分5aにおいて掬い縫いしてボタン4を縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタン4を付け直すことができるため、ボタン4が取れた場合にボタン4を付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
図1(b),(c),(d),(e)は婦人用パンツ1の変形例を示すもので、図1(b)に示されるように、婦人用パンツ1Bは下前ベルト部3に2.5cmの持ち出しを付けて、その持ち出し部分に鉤構成体としてのカギホックの雄側(ホック)8を縫付け、対応する上前ベルト部2の裏側には受構成体としてのカギホックの雌側(メンカン)7を縫付けてあり、両者を嵌合させることによって連続的にウエストサイズが変化する状態から容易にウエストサイズが固定された状態に切り替えられる。なお、第2のボタンホール5の長さは1.5cmであるため、第2のボタンホール5は上前ベルト部2に隠されて見えない。
図1(c)に示されるように、婦人用パンツ1Cも下前ベルト部3に2.5cmの持ち出しを付けて、同様にメンカン7とホック8が縫付けられており、さらに上前ベルト部2には三角形のポイント9を設けている。これによって、第2のボタンホール5の長さは2.0cmであるが、ウエストサイズが変化して上前ベルト部2が移動しても、第2のボタンホール5はポイント9に隠されて外からは見えない。そして、メンカン7とホック8を嵌合させることによって連続的にウエストサイズが変化する状態から容易にウエストサイズが固定された状態に切り替えられる。
図1(d)に示されるように、婦人用パンツ1Dも下前ベルト部3に2.5cmの持ち出しを付けて、同様にメンカン7とホック8が縫付けられているが、第2のボタンホール5の長さが2.5cmとさらに長くなっているにも関わらず、上前ベルト部2にはポイントが設けられていない。したがって、メンカン7とホック8を嵌合させた状態において、上前ベルト部2の下から第2のボタンホール5の一部が見えてしまう。しかし、この程度見えても気にならないという顧客も多いので、婦人用パンツ1Dにおいては敢えて第2のボタンホール5を隠すことはしていない。
図1(e)に示されるように、婦人用パンツ1Eにおいては下前ベルト部3には持ち出しを付けていない代わりに、上前ベルト部2に4cmの持ち出しを設けている。これによって、第2のボタンホール5を下前ベルト部3の端からずっと離れた位置に設けることができるので、下前ベルト部3の端にホック8を縫付けることができる。そして、対応する上前ベルト部2の裏側にメンカン7を縫付けて両者を嵌合させることによって、連続的にウエストサイズが変化する状態から容易にウエストサイズが固定された状態に切り替えられる。なお、第2のボタンホール5の長さは1.8cmであるため、第2のボタンホール5は上前ベルト部2の持ち出し部分に隠されて見えない。
以上、いずれの変形例1B,1C,1D,1Eにおいても、第2のボタンホール5はハトメ穴であり、その円形部分5aが、弾性材の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布の中心付近に相当する位置にあるようにされている。これによって、ボタン4が取れた場合でも、第2のボタンホール5の円形部分5aにおいて掬い縫いしてボタン4を縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタン4を付け直すことができるため、ボタン4が取れた場合にボタン4を付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
次に、本実施の形態1のウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1,1B,1C,1D,1Eにおけるファスナーテープ移動機構について、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2においては、上前ベルト部2に設けられるボタンホール6と取付けられるメンカン7は、図示省略されている。
図2に示されるように、本実施の形態1の婦人用パンツ1においては、上前裏側34aにタック(フラシ)30を縦方向に設けて、このタック30にファスナーテープFaを縫付けている。図3に示すように、タック30は、上前34aの生地を外側の折り返し部分30aと内側の折り返し部分30bの2箇所で折り返すことによって、折り返し部分30aから折り返し部分30bの区間で折り重なり部分を生ぜしめ、この折り重なり部分が引き延ばされることによって婦人用パンツ1のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在としたものである。図に示すように、この折り重なり部分はタック30の上端で最も幅が大きく、下方に行くにしたがって小さくなり下端で消滅する。
図3に示すように、一方のファスナーテープFaはタック30の折り重なり部分の上側において、上前34aに縫付けられる。一方のファスナーテープFaに沿って並ぶ複数のむしFbと噛み合う他方のファスナーテープFaは、図示しない下前に縫付けられる。そして、婦人用パンツ1の前明は、各ファスナーテープFaの複数のむしFbを噛み合わせて2つのファスナーテープFaを結合するスライダーFcを上下動することによって開閉できるようになっている。
さらに、図2に示すように一方のファスナーテープFaの上端は、上前ベルト部2の裏地の内側でスライディングテープ35及びゴムテープ35aによって上前34aの上端に縫付けられている。スライディングテープ35は、上前34aの端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部2の内側に挟んで縫付けられている。ここで、上前ベルト部2には穴かがりされたボタンホール6(図示省略)が設けられるが、ボタンホール6は上前ベルト部2内に取付けられたスライディングテープ35及びゴムテープ35aの一部を貫通しており、ボタンホール6の穴かがりによってスライディングテープ35及びゴムテープ35aも共に縫付けられてしまう。
しかし、本実施の形態1の婦人用パンツ1においては、一方のファスナーテープFaがスライディングテープ35のみでなくゴムテープ35aによっても支持されているため、タック30の折り重なり部分が引き延ばされる際には、ゴムテープ35aの伸縮力によって一方のファスナーテープFaもそれにつれて移動することができる。このように、上前ベルト部2にボタンホール6を設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープFaの移動を妨げることがない。
このようにファスナーテープFaのタック30に縫付けられた部分は、折り重なり部分による余長分の長さの範囲内で、図3において矢印で示すように、上前34aの端縁の外方向に向かって、引いて移動させることができる。即ち、タック30がファスナーテープFaを介して上前34aの端縁の外側に引張られることで、タック30の折り重なり部分が引き延ばされ、ファスナーテープFaを上前34aの端縁の外方向に向かって移動させることができる。また、上前34aに縫付けられているスライディングテープ35は、上前34aの端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部2の内側に挟んで縫付けられているので、ファスナーテープFaのタック30への縫付け部分が上前34aの端縁の外方向に向かって移動することが、ゆとり方向への移動となるから、その移動を妨げることがない。
タック30によれば、スライダーFcを上げてファスナーFで前明を閉じた状態において、婦人用パンツ1のウエストベルトを広げる方向に外力を加えると、ファスナーテープFaの下にタック30が形成されている領域で、タック30の折り重なり部分を引き延ばせる長さの範囲内で婦人用パンツ1のウエストサイズが長くなり、ウエストベルトの下部もそのサイズが広くなる。これによって、着用する人の腰周り寸法に合わせてパンツ等の腰周り寸法を移動布によって調節し、同時に着用する人の腰の下部周りの寸法をタックによってファスナーテープを適宜動かすことによって調節することができる。
さらに、実施の形態1にかかる婦人用パンツ1において、タック30の内側の折り返し部分30bにプリーツ加工を施しても良い。プリーツ加工を施すことによってタック30の内側の折り返し部分30bの折り目30cは、より強固なものとなる。したがって、ファスナーテープFaが上前2の端縁方向に引っ張られて、タック30の折り重なり部分が引き延ばされた場合にも、タック30の内側の折り返し部分30bの折り目30cは弛むことなく保持される。このため、タック30の内側の折り返し部分30bが弛んで外側へ飛び出してしまう不具合を防止することができる。しかもプリーツ加工を施したことによって、婦人用パンツ1を洗濯やクリーニングしても折り目30cは弛むことがないため、かかる作用効果を半永久的に維持できる。
次に、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の第1変形例について、図4及び図5を参照して説明する。
図4に示されるように、実施の形態1の第1変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1Lは、タック30の内側の折り返し部分30bが折り返し線(折り目)30cの近傍において、折り返し線30cに沿ってステッチ40によって縫付けられているものである。したがって、ファスナーテープFaが上前ベルト部2の端縁方向に引っ張られて、タック30の折り重なり部分が引き延ばされた場合にも、タック30の内側の折り返し部分30bの折り目30cは強固に保持される。このため、タック30の内側の折り返し部分30bが弛んで外側へ飛び出してしまう不具合をより確実に防止することができる。
ここで、ステッチ40によって縫付ける位置は折り返し線(折り目)30cから1〜2mm離れた位置が好ましい。ステッチ40を折り返し線30cから余り大きく離して縫付けると、タック30による形状変化自在な範囲が小さくなってしまい、実用上好ましくない。
また、第1変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1Lではステッチ40でタック30の下端まで縫付けているが、ステッチ40で縫付ける範囲をタックの上端から略3/4〜2/3までとして、それより下方は縫付けを省略しても同様の作用効果が得られるものと考えられる。
そして、図5に示されるように、このようにして形成されたタック30に沿ってファスナーテープFaが縫付けられており、さらにファスナーテープFaの上部は「く」の字形に曲がって縫付けられている。即ち、一方のファスナーテープFaの上端は、外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられている。このように、一方のファスナーテープFaの上端が外方向に向かって傾斜した状態で縫付けられているため、タック30の折り重なり部分が引き延ばされる際には、一方のファスナーテープFaもそれにつれて移動することができる。さらに、スライディングテープが設けられていないために、上前ベルト部2にボタンホール6を設けて穴かがりをしても一方のファスナーテープFaの移動を妨げることがない。
なお、第1変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1Lにおいては、タック30の内側の折り返し部分30bが折り返し線(折り目)30cの近傍において、折り返し線30cに沿ってステッチ40によって縫付けられている場合について説明したが、ウエストサイズ調節機構付衣服1と同様に、タック30の内側の折り返し部分30bが縫付けられていなくても良い。
次に、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の第2変形例について、図6を参照して説明する。図6(a)に示されるように、実施の形態1の第2変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1Mにおいては、タックを設ける代わりに筒状の調節布41を上前内側に縫付けている。そして、図6(b)に示されるように、第2変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1Mにおいては、ファスナーFの上前側に縫付けられるファスナーテープFaの上端が、外方向に向かって角度θで傾斜する上前ベルト部2の裏地の内側に挟んで調節布41に縫付けられている。
即ち、調節布41に角度θで上方が開くようにファスナーテープFaで縫付けることにより、下前ベルト部3の第2のボタンホール5から出ているボタン4と上前ベルト部2に設けられた通常のボタンホール6との掛止め状態に応じた変化量が得られる。特に、ボタン4と通常のボタンホール6との掛止め状態に応じた変化量が、調節布41とファスナーテープFaの縫付けで得られるから、調節布41に角度θ=0として平行にファスナーテープFaを縫付けたものでは、無駄なゆとりのために着座したとき浮き上がりが生ずる可能性があるが、調節布41に角度θで上方が開くようにファスナーテープFaで縫付けることにより、ボタン4と通常のボタンホール6との掛止め状態に応じた変化量が得られ、上記無駄が生じない。
このようにして、本実施の形態1及びその変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズが変化してもファスナーテープが移動することによって、ウエスト周りに皺がよることもない。そして、ボタン4が取れた場合でも、第2のボタンホール5の円形部分5aにおいて掬い縫いしてボタン4を縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタン4を付け直すことができるため、ボタン4が取れた場合にボタン4を付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
次に、本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1の製造方法について、図7乃至図10を参照して説明する。
図7(a)に示されるように、移動布ユニット10の材料としては、幅2.5cm・長さ3cmのテープ布11、同じ寸法の補強用の薄く硬い芯12、幅2.5cm・長さ7cmの弾性材としてのオペロンゴム13、幅2.5cm・長さ11.5cmの伸び止め材14を用意する。ここで、テープ布11と伸び止め材14としては婦人用パンツ1の表地と同系色の裏地を用いて、伸び止め材14の上辺・下辺はロック始末14aを施しておく。
次に、図7(b)に示されるように、テープ布11と補強用の薄く硬い芯12を接着剤で貼り合わせ、さらに周囲をロック縫い11aして縫い付けて移動布とした後、伸び止め材14(右寄りに1.5cm分のタック14bを形成しておく)、オペロンゴム13、テープ布11と薄く硬い芯12を貼り合わせた移動布を重ねて、移動布11,12の左側に一本、右側に二本のミシンステッチ11bを掛けて、一体に縫付ける。そして、移動布11,12の中央に直径1.5cmのボタン4を縫付ける。こうして製造された移動布ユニット10を婦人用パンツ1のベルト部に取付ける際には、オペロンゴム13と伸び止め材14の端を、二本のミシンステッチ14cでベルト部に縫付ける。
一方、図8(a)に示されるように、下前ベルト部3は、折り返し見返し部分3aを含む下前ベルト表布3dの裏側全体に芯15が接着剤で貼り付けられ、この芯15をも貫通して第2ボタンホールとしてのハトメ穴5が開けられ、さらにハトメ穴5の円形部分5aに接するように、補強芯16が芯15の上から接着剤で貼り付けられている。この補強芯16と境を同じくして、下前ベルト見返し3bが下前ベルト表布3dに縫い付けられており、図8(b)に示されるように、移動布ユニット10が裏返しに、即ちボタン4が向こう側へ出るように取付けられる。
具体的な手順としては、まずボタン4がハトメ穴5に嵌められて、ハトメ穴5の円形部分5aに位置するようにセットされる。続いて、伸び止め材14の左端が、折り返し見返し部分3aの折り返し線3cを越えた部分において、ステッチ18によって折り返し見返し部分3aに縫付けられる。そして、右寄りに1.5cm分のタック14bを形成した状態で、図8(c)に示されるように、オペロンゴム13と伸び止め材14の端が二本のミシンステッチ14cで、折り返された下前ベルト見返し3bに縫付けられる。
そして、折り返し見返し部分3aを折り返し線3cで折り返して下前ベルト見返し3bに縫付ければ、下前ベルト部3が完成する。これによって、ステッチ18も、二本のミシンステッチ14cも、下前ベルト部3の裏側に表れ、表からは見えないので本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1の見栄えが良くなる。また、補強芯16は移動布ユニット10が引張られて弾性材13が伸び、弾性材13の付勢力で移動布ユニット10が縮んだ場合に、下前ベルト部3の表側3dに皺がよるのを防止する役目をしている。したがって、図8(a)に示される以外にも、様々な貼り付け方の変形例がある。
本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1の下前ベルト部における、補強芯の変形例について、図9を参照して説明する。なお、図9(a)〜(e)においては、下前ベルト表布3dの裏側に貼り付けられている芯15は、図示省略されている。
図9(a)に示されるように、下前ベルト部の第1の変形例3Aにおいては、補強芯16Aは下前ベルト表布3dの裏側ではなく、下前ベルト見返し3bの裏側に接着剤で貼り付けられている。これによって、図8に示されるように移動布ユニット10を下前ベルト見返し3bに縫付ける場合に、補強芯16Aをも通して縫付けられるので、より丈夫になる。図9(b)に示されるように、下前ベルト部の第2の変形例3Bにおいては、補強芯16Bは補強芯16Aより幅が大きくなって、下前ベルト見返し3bの裏側の縫い代まで覆って接着剤で貼り付けられている。
また、図9(c)に示されるように、下前ベルト部の第3の変形例3Cにおいては、補強芯16Cは約2倍の幅を有しており、下前ベルト表布3dの裏側から下前ベルト見返し3bの裏側にかけて接着剤で貼り付けられている。これによって、補強の効果が倍増するとともに、移動布ユニット10を下前ベルト見返し3bに縫付ける場合にも、下前ベルト表布3dに縫付ける場合にも、補強芯16Cをも通して縫付けられるので、より丈夫になる。図9(d)に示されるように、下前ベルト部の第4の変形例3Dにおいては、補強芯16Dは補強芯16Cよりさらに幅が大きくなって、下前ベルト見返し3b及び下前ベルト表布3dの裏側の縫い代まで覆って接着剤で貼り付けられている。
さらに、図9(e)に示されるように、下前ベルト部の第4の変形例3Eにおいては、補強芯16Eは、図8に示される補強芯16より幅が大きくなって、下前ベルト表布3dの裏側の縫い代まで覆って接着剤で貼り付けられている。
図10は、図8に示される下前ベルト部3を表側から見たところを示しており、図10(a)に示されるように、移動布ユニット10(図示されず)の先端が折り返し見返し部分3aの折り返し線3cを越えた部分において、ステッチ18によって折り返し見返し部分3aに縫付けられ、オペロンゴム13と伸び止め材14の端が二本のミシンステッチ14cで、折り返された下前ベルト見返し3bに縫付けられる。
続いて、折り返し見返し部分3aを折り返し線3cで折り返して下前ベルト見返し3bに縫付ければ、図10(b)に示されるように、下前ベルト部3が完成する。これによって、ステッチ18も、二本のミシンステッチ14cも、下前ベルト部3の裏側に表れ、表からは見えないので本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1の見栄えが良くなる。
次に、本実施の形態1にかかる下前ベルト部3に設けられる移動布ユニットの変形例について、図11を参照して説明する。図11(a)に示されるように、本実施の形態1の第1の変形例にかかる移動布ユニット10Aにおいては、伸び止め材14が移動布11,12及び弾性材としてのオペロンゴム13よりも幅が狭く、かつオペロンゴム13と移動布11,12が重ねられずに突き合わされて、それぞれ伸び止め材14に縫付けられて固定されている。
また、図11(b)に示されるように、本実施の形態1の第2の変形例にかかる移動布ユニット10Bにおいては、やはり伸び止め材14が移動布11,12及び弾性材としてのオペロンゴム13よりも幅が狭く、移動布11,12とオペロンゴム13の端同士が重ねられて縫付けられている。
次に、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部及び下前ベルト部の変形例について、図12を参照して説明する。図12(a)に示されるように、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1においては、上前ベルト部2及び下前ベルト部3のいずれについても、見返し部分を設けて端を折り返して二重にしてから、上前のボタンホール6を設けるとともに、下前ベルト部3に移動布ユニットを二本のステッチ14cで見返し側に縫付けて、ボタン4を図示しない第2のボタンホールから向こう側に出している。
これに対して、図12(b)に示されるように、本実施の形態1の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1Aにおいては、上前ベルト部2A及び下前ベルト部3Kのいずれについても、別の生地2a,3gを接いで二重にして、上前のボタンホール6を設けるとともに、下前ベルト部3Kに移動布ユニットを二本のステッチ14cで接いだ生地3gに縫付けて、ボタン4を図示しない第2のボタンホールから向こう側に出している。
このように、ウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部及び下前ベルト部の作製方法には、様々なやり方があるが、いずれも二本のステッチ14cが下前ベルト部の裏側にしか表れず、表からは見えないため、ウエストサイズ調節機構付衣服の見栄えを損なうことはない。
そして、本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1,1A,1B,1C,1D,1Eにおいては、下前ベルト部3及び変形例にかかる下前ベルト部3A,3B,3C,3D,3E,3Kのいずれにおいても、第2のボタンホール5がハトメ穴であり、その円形部分5aが弾性材13の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布11,12の中心付近に相当する位置にあるように設定されている。これによって、ボタン4が取れた場合でも、第2のボタンホール5の円形部分5aにおいて掬い縫いしてボタン4を縫付けることにより、移動布11,12の中心付近に確実にボタン4を付け直すことができる。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について、図13を参照して説明する。図13(a),(b)は本発明の実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部を表側から見たところを示す図である。なお、本発明の実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部以外の構造は、上記実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図13(a)に示されるように、本実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の下前ベルト部3Fは、上記実施の形態1にかかる下前ベルト部3とほぼ同一の構造を有している。異なるのは、移動布ユニット10(図示されず)のオペロンゴム13と伸び止め材14の端を縫付ける二本のミシンステッチ14cが、折り返された下前ベルト見返し3bでなく、下前ベルト表布3dに縫付けられる点である。
これによって、図13(a)に示されるように、下前ベルト部3Fの表側に二本のミシンステッチ14cが表れることになるが、本実施の形態2にかかる下前ベルト部3Fにおいては、図13(b)に示されるように、その上からベルト通し19が取付けられるため、二本のミシンステッチ14cがベルト通し19で隠されて見えなくなり、本実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の見栄えを損なうことがない。
このようにして、本実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズが変化してもファスナーテープが移動することによって、ウエスト周りに皺がよることもない。そして、ボタン4が取れた場合でも、第2のボタンホール5の円形部分5aにおいて掬い縫いしてボタン4を縫付けることにより、移動布の中心付近に確実にボタン4を付け直すことができるため、ボタン4が取れた場合にボタン4を付け直す位置を探す必要がなく、容易にボタンの付け直しを行うことができる。
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について、図14を参照して説明する。図14(a),(b),(c)は本発明の実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における下前ベルト部の製造方法を示す説明図である。
図14(a)に示されるように、本実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における下前ベルト部3Gの構造は、図8(a)に示される実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服1における下前ベルト部3の構造とほぼ同様である。異なるのは、折り返し見返し部分3aに貫通穴としての菊穴20が設けられている点である。後は、図14(b)に示されるように、実施の形態1にかかる下前ベルト部3と同様に、移動布ユニット10が裏返しに、即ちボタン4が向こう側へ出るように取付けられる。
具体的な手順としては、まずボタン4がハトメ穴5に嵌められて、ハトメ穴5の円形部分5aに位置するようにセットされる。続いて、伸び止め材14の左端が、折り返し見返し部分3aの折り返し線3cを越えた部分において、ステッチ18によって折り返し見返し部分3aに縫付けられる。そして、右寄りに1.5cm分のタック14bを形成した状態で、図14(c)に示されるように、オペロンゴム13と伸び止め材14の端が二本のミシンステッチ14cで、折り返された下前ベルト見返し3bに縫付けられる。
そして、折り返し見返し部分3aを折り返し線3cで折り返して下前ベルト見返し3bに縫付ければ、実施の形態3にかかる下前ベルト部3Gが完成する。このとき、折り返し見返し部分3aに設けられた菊穴20が、ちょうどハトメ穴5の円形部分5aの位置に来るように設定されている。これによって、ボタン4が取れた場合でも第2のボタンホール5の円形部分5aに相当する位置にある貫通穴としての菊穴20を目安として、ぶち抜きで針を通してボタン4を付け直すことができるため、ボタン4がより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
また、ステッチ18も、二本のミシンステッチ14cも、下前ベルト部3Gの裏側に表れ、表からは見えないので本実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の見栄えが良くなる。このようにして、本実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができる。
なお、本実施の形態3においては、折り返し見返し部分3aに設けられる貫通穴として菊穴20を設けた場合について説明したが、貫通穴として菊穴20の代わりに金属リングからなるリング穴を設けても良い。
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4について、図15及び図16を参照して説明する。図15(a),(b),(c)は本発明の実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における下前ベルト部の製造方法を示す説明図である。図16(a)は本発明の実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機構付衣服のファスナーを開いて裏側から見たところを示す部分拡大図、(b)は本発明の実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服のファスナーを開いて裏側から見たところを示す部分拡大図である。
図15(a)に示されるように、本実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における下前ベルト部3Hの構造は、図14(a)に示される実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における下前ベルト部3Gの構造とほぼ同様である。異なるのは、第2ボタンホールとしてハトメ穴でなく、眠り穴22が設けられている点である。後は、図15(b)に示されるように、実施の形態3にかかる下前ベルト部3Gと同様に、移動布ユニット10が裏返しに、即ちボタン4が向こう側へ出るように取付けられる。
具体的な手順としては、まずボタン4が眠り穴22に嵌められて、続いて、伸び止め材14の左端が、折り返し見返し部分3aの折り返し線3cを越えた部分において、ステッチ18によって折り返し見返し部分3aに縫付けられる。そして、右寄りに1.5cm分のタック14bを形成した状態で、図15(c)に示されるように、オペロンゴム13と伸び止め材14の端が二本のミシンステッチ14cで、折り返された下前ベルト見返し3bに縫付けられる。
そして、折り返し見返し部分3aを折り返し線3cで折り返して下前ベルト見返し3bに縫付ければ、実施の形態4にかかる下前ベルト部3Gが完成する。このとき、折り返し見返し部分3aに設けられた菊穴20が、眠り穴22の裏側で、ちょうど弾性材13の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布11,12の中心付近に相当する位置に来るように設定されている。これによって、ボタン4が取れた場合でも移動布11,12の中心付近に相当する位置にある貫通穴としての菊穴20を目安として、ぶち抜きで針を通してボタン4を付け直すことができるため、ボタン4がより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。
そして、図15(c)及び図16(a)に示されるように、菊穴20も、ステッチ18も、二本のミシンステッチ14cも、下前ベルト部3Hの裏側に表れ、表からは見えないので本実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機構付衣服21Aの見栄えが良くなる。このようにして、本実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機構付衣服21Aは、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができる。
本実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服21Bにおける下前ベルト部3Iにおいては、図15(a)に示される菊穴20の位置に、金属リングからなる貫通穴としてのリング穴23が設けられる。その結果、図16(b)に示されるように、本実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服21Bにおいては、リング穴23が、眠り穴22の裏側で、ちょうど弾性材13の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布11,12の中心付近に相当する位置に来るように設定されている。
これによって、ボタン4が取れた場合でも移動布11,12の中心付近に相当する位置にある貫通穴としてのリング穴23を目安として、ぶち抜きで針を通してボタン4を付け直すことができるため、ボタン4がより付け易く、かつより丈夫に付けることができる。このようにして、本実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服21Bは、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、ボタンがとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができる。
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5について、図17乃至図21を参照して説明する。
図17(a),(b),(c)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットの作製方法を裏側から見て示す図である。図18(a)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の噴き出し防止テープの取付け方を示す図、(b),(c)は噴き出し防止テープの変形例を示す図である。図19(a)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットを取付けた状態を示す図、(b)はボタンの根巻きの高さを示す図である。図20(a)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットと噴き出し防止テープの関係を示す図、(b)はボタンの付いた移動布を弾性材の引張り力に抗して伸び止め材の長さ一杯まで移動させた状態を示す図、(c)はその斜視図である。図21(a)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の噴き出し防止テープを縫付けたところを示す図、(b)はボタンを第2のボタンホールから外へ出したところを示す図である。
まず、図17(b)に示されるように、移動布ユニット25の中心となるテープ布28に補強用の薄く硬い芯29を貼り付けた移動布28,29を用意する。ここで、図17(a)に示される伸び止め材27とテープ布28としてはウエストサイズ調節機構付衣服の表地と同系色の裏地を用いて、それぞれの上辺・下辺をロック始末しておく。次に、図17(a)に示されるように、オペロンゴム26、伸び止め材27、テープ布28を重ねて、オペロンゴム26と伸び止め材27の端をミシンステッチ26aで仮止めする。そして、オペロンゴム26と伸び止め材27をテープ布28の縫代で包んで2本のミシンステッチ28aを掛ける。
次に、図17(b)に示されるように、補強用の薄く硬い芯29の周囲をミシンステッチ29aで押えて剥がれないようにし、図17(c)に示されるように、テープ布28の上に5cmの長さの2本の噴き出し防止テープ32をセットして、左端から1cmの位置で頑丈にミシンステッチ32aを掛けて止める。この段階では、右端から1cmの位置のミシンステッチ32bはまだ掛けないでおく。
次に、図18(a)に示されるように、下前ベルト部3Jに縦方向の噴き出し防止テープ31を、前記2本の噴き出し防止テープ32を通すために、4本のステッチ31aで縫付ける。変形例として、図18(b)に示されるように、横方向の噴き出し防止テープ32を1本としたり、図18(c)に示されるように、3本としても良い。
続いて、図19(a)に示されるように、図17(c)の移動布ユニット25を下前ベルト部3Jにセットしてオペロンゴム26と伸び止め材27の端を2本ステッチ26bで止め、所定位置にボタン4を縫付ける。ここで、図19(b)に示されるように、ボタン4の根巻き4aの長さは、第2のボタンホール(ハトメ穴)5の中を左右へ移動しやすいために、0.3cm〜0.5cmにする。また、第2のボタンホール(ハトメ穴)5の円形部分5aは、ちょうど弾性材26の弾性力によって原位置に復帰したときの移動布28,29の中心付近に相当する位置に来るように設定されている。
次に、図20(a)に示されるように、右端をまだ止めていない2本の噴き出し防止テープ32を縦方向の噴き出し防止テープ31の下を通す。図20(b)は、伸び止め材27の長さ一杯までオペロンゴム26を伸ばした状態を示す図である。これを斜視図で示すと図20(c)のようになる。後は、図21(a)に示されるように、2本の噴き出し防止テープ32を右端から1cmの位置のミシンステッチ32bを掛けて止め、ウエストサイズ調節機構付衣服の身頃17にウエストベルト布3Jを縫い、移動布28,29に縫付けたボタン4を、図21(b)に示されるように第2のボタンホール5から出して、下前端ベルト布3eを縫えば完成である。
このようにして、ボタン4に引張り力が掛かってもボタン4が縫付けられた移動布28,29が第2のボタンホール5から外へ出てしまう「噴き出し」を防止するために、横方向の2本の噴き出し防止テープ32と縦方向の噴き出し防止テープ31が設けられたウエストサイズ調節機構付衣服となる。なお、噴き出し防止テープ31,32の素材としては、滑りが良く丈夫なことから、片面繻子テープが好ましい。
このようにして、本実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1Fにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズが変化してもファスナーテープが移動することによって、ウエスト周りに皺がよることもない。また、ボタン4に引張り力が掛かってもボタン4が縫付けられた移動布28,29が第2のボタンホール5から外へ出てしまう噴き出しを確実に防止することができるとともに、ボタン4がとれた場合にもより容易に、かつ丈夫に付け直しをすることができる。
上記各実施の形態においては、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を婦人用パンツに適用した場合について説明したが、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服は衣服全般について適用できるものであり、紳士用ズボン、Gパン、綿パン、スカート、キュロットスカート、ワンピース等にも適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、弾性材としてオペロンゴムを所定の大きさに裁ち切ったものを用いているが、その他のゴムテープ等を用いても良い。
さらに、上記各実施の形態においては、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けた例について説明したが、必ずしもウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できる構造でなくても構わない。
ウエストサイズ調節機構付衣服のその他の部分の構造、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。