JP2005272851A - ポリアミド組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(1)約30〜約70重量%の合成脂肪族ポリアミド (2)約15〜約40重量%の補強剤 (3)(a)約20〜約30重量%のメラミンホスフェートおよび約0.1〜約10重量%のチャー化触媒(b)約15〜約30重量%のメラミンホスフェート、約0.1〜約10重量%以下のチャー化触媒、および約0.1〜約10重量%以下のチャー形成体(c)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェートおよび約0.1〜約10重量%以下のチャー化触媒(d)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、約0.1〜約10重量%以下のチャー化触媒、および約0.1〜約10重量%以下のチャー形成体、および(e)約10重量%以下のメラミンシアヌレートまたはメラミンの少なくとも一つと組合せて使用される約20〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、からなる難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な物理的性質および良好な耐火性の双方を併せ持つ樹脂組成物に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、係属中の先行出願第08/577,357号(1995年12月 22日出願、現在では許可されている)の一部継続出願であり、さらに、米国仮出願第60/023,395号(1996年8月13日出願)の特典を権利請求するものである。
ポリエステル、脂肪族ポリアミド(例えば、ナイロン−6,6およびナイロン−6)およびそれらのコポリマーなどの合成樹脂は、成形製品および繊維に用いられることが多い。多くの用途、特に成形製品においては、樹脂が、該樹脂単独の場合と比較して改善された耐火性を有することが好ましい。これは、樹脂の基本的な耐火性を向上させる種々の薬剤の添加により達成される場合が多いが、これらの薬剤は該樹脂の他の物理的性質を劣化または低下させることがある。樹脂は広範囲に使用されるため、改善された耐火性は有するが依然として樹脂の望ましい物理的特性を保持する組成物が常に探索されている。
特許文献1および特許文献2ならびに非特許文献1には、ポリアミドの耐火性を向上させるために、ある特定のタングステン化合物が種々な方法で使用しうることが報告されている。これらの参考文献には、以下に記載する薬剤の組み合わせは開示されていない。特許文献3には、ポリアミドとメラミンシアヌレートとを含有する化合物が開示されており、これは良好な耐火性を有すると言われている。特許文献4には、ポリアミドと、シリコタングステン酸およびリンタングステン酸などの種々のタングステンまたはモリブデン化合物とを含有する組成物が開示されている。これら組成物は良好な変色耐性を有し、かつ光に対して安定であると言われている。
メラミンホスフェートを合成樹脂に添加して該樹脂の難燃性を改善することが可能であるが、該メラミンホスフェートは、通常のエンジニアリングポリマーの加工温度(processing temperature)にまで加熱されると多量の水を放出して、結果として得られる該樹脂とメラミンホスフェートとの混合物の物理的特性が非常に低くなってしまう。したがって、従来技術の問題および欠点を有さない難燃性樹脂組成物が必要とされている。
ドイツ特許第2,150,484号 ドイツ特許第2,130,793号 米国特許第4,298,518号 米国特許第3,458,470号 A.E.Lipska, Comb. Inst. Arizona State Univ., West. State Sect. Combust, Inst. WSCI, 1973
本発明は、ポリアミド組成物用の難燃剤に関し、さらに詳細には、(1)約30〜約70重量%の合成脂肪族ポリアミドと;(2)約15〜約40重量%のガラスまたは無機補強剤と;(3)(a)約20〜約30重量%のメラミンホスフェートおよび約10重量%以下のチャー化触媒(charring catalyst) 、(b)約15〜約30重量%のメラミンホスフェート、約10重量%以下のチャー化触媒、および約10重量%以下のチャー形成体(char former) 、(c)約5〜約45重量%のメラミンピロホスフェート、(d)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェートおよび約10重量%以下のチャー化触媒、(e)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、約10重量%以下のチャー化触媒および約10重量%以下のチャー形成体、もしくは(f)約20〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、および約10重量%以下のメラミンシアヌレート、メラミンまたはホウ酸亜鉛の少なくとも1種[但し、全ての重量%は(1)+(2)+(3)のみの合計重量に対するものである]を含有する組成物に関する。
これらの組成物は良好な耐火性を示し、成形用樹脂として有用である。これらの組成物は、当業界において一般的に公知である他の追加充填剤および添加剤を含有してもよい。
本明細書に記載の組成物は、良好な物理的性質および良好な難燃性の双方を併せ持つ樹脂組成物である。該組成物は、3種の成分、すなわち、(1)ポリエステル、合成脂肪族ポリアミドまたはそれらの混合物;(2)ガラスまたは無機補強剤;および(3)メラミンホスフェート化合物、ならびに任意でチャー化触媒、チャー化触媒およびチャー形成体、メラミンシアヌレート、メラミンまたはホウ酸亜鉛を含む難燃剤を有する。上記の第1の成分は、ポリエステル、合成脂肪族ポリアミドまたはそれらの混合物であり、これは組成物の約30〜約70重量%の量で存在する。
本明細書で用いられる「ポリエステル」には、0.3以上の固有粘度を有するポリマー類が含まれ、それらは通常グリコールとジカルボン酸との直鎖状飽和縮合物またはそれらの反応性誘導体である。好ましくは、それらは炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールおよび式HO(CH) OH[式中、nは2〜10の整数である]の脂肪族グリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のグリコールとの縮合物を含有する。該芳香族ジカルボン酸の最大50モル%が炭素数8〜14の別の芳香族ジカルボン酸の少なくとも1 種で置き換えられてもよく、および/または最大20モル%が炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸で置き換えられてもよい。
最も一般的なポリエステル組成物は、ポリエチレンテレフタレート・ホモポリマー、ポリブチレンテレフタレート・ホモポリマー、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート・コポリマー、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート混合物およびそれらの混合物をベースとするものであるが、他のポリエステルも同様に、単独で、互いに組み合わせて、または上記掲載のポリエステルと組み合わせて使用可能である。
本明細書で用いられる「合成ポリアミド」には人造ポリマーが含まれ、ウールや絹のような天然繊維は含まれない。「脂肪族ポリアミド」とは、主鎖にアミド基を含む繰り返し単位を有し、そこにおいてこれらのアミド基の少なくとも一 部、好ましくは50モル%が(アミド基の窒素原子および/またはカルボニル炭素原子を介して)脂肪族炭素原子に結合しているポリマーを意味する。好ましいポリアミドとしては、ナイロン−6,6、ナイロン−6、ナイロン6,12お よびナイロン−6,6とナイロン6とのコポリマーが挙げられる。ナイロン−6,6、ナイロン−6およびこれらのコポリマーが特に好ましく、ナイロン−6,6が最も好ましい。
ポリエステルと合成ポリアミドとの混合物またはブレンドも使用可能である。該ポリエステルの最大約40重量%が、機械的特性または難燃性に有害な影響を及ぼさないポリアミドで置き換え可能である。好ましくは、該ポリエステルの約5〜約30重量%が上記ポリアミドで置き換えられてもよい。ポリエステル/ポリアミド・ブレンドの好ましい実施形態では、ポリエステルはポリブチレンテレフタレートであり、ポリアミドはナイロン−6,6である。
本発明の第2の成分は、ガラスまたは無機補強剤のような補強剤であり、ガラス、炭素、マイカおよび/またはアラミド繊維が挙げられる。該補強剤は約15〜約40重量%の量で存在し、本発明の組成物において所望の良好な物理的特性および改善された耐火性の両特性を獲得することにおいて重要である。
本発明の第3の成分は難燃剤であり、メラミンホスフェート化合物、ならびに任意でチャー化触媒もしくはチャー化触媒とチャー形成体のいずれか一方が含まれる。1つの実施形態では、該メラミンホスフェート化合物は、チャー化触媒で、もしくはチャー化触媒およびチャー形成体でドープする。上記メラミンホスフェート化合物は、メラミンホスフェート、メラミンピロホスフェートまたはメラミンホスフェートとメラミンピロホスフェートとの混合物であってもよい。
上記難燃剤成分は、典型的には、本発明の組成物の総重量に対して約5〜約45重量%のメラミンホスフェート化合物を含有する。15重量%未満のメラミンホスフェート化合物が存在する場合、該組成物は、UL94のもとでは難燃剤として有効ではない。しかしながら、国際規格IEC 695-2-1/0 1994(International Standard IEC 695/-2-1/0 1994) のグローワイヤー試験(glow wire test)のようなUL94よりも厳しくない難燃性試験のもとでは、それよりも少ない量の難燃剤が有効なこともある。合成ポリアミドの場合では、メラミンホスフェート成分の上限量は約30重量%である。その理由は、30重量%より多いメラミンホスフェート化合物が使用可能であるが、そのような量のメラミンホスフェート化合物を用いることはコスト高になるため、そのような量は実用的ではないと考えられるからである。しかしながら、特にポリエステルが使用される場合には、多量のメラミンホスフェートであっても使用することが可能である。
難燃剤の一部である本発明組成物の1つの任意成分はチャー化触媒である。メラミンピロホスフェートが上記メラミン化合物として使用される場合、チャー化触媒の存在は本発明には必ずしも必須ではないが、チャー化触媒をメラミンピロホスフェートと共に使用すると、以下で論じるように、必要とされるメラミンピロホスフェートの量が多大に低減される。
本明細書で用いられる「チャー化触媒」という用語には、タングステン酸もしくはタングステンとメタロイドとの錯体酸化物酸の金属塩、酸化すず塩(例えば、酸化すずナトリウム)および/またはアンモニウムスルファメートが含まれる。好ましい金属塩としてはタングステン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、タングステン酸ナトリウムが特に好ましい。タングステンとメタロイドとの錯体酸化物酸とは、メタロイド(例えば、リンまたはケイ素)とタングステンとによって形成される錯体酸化物酸を意味する。好ましい錯体酸化物酸としては、シリコタングステン酸およびリンタングステン酸が挙げられ、シリコタングステン酸が特に好ましい。該チャー化触媒が本発明組成物の難燃剤成分の一部として存在する場合、本発明組成物の総重量に対して約10重量%以下の量で存在する。好ましい範囲は約0.1〜約10重量%であり、さらに好ましい範囲は約0.1〜約2重量%である。
上記難燃剤の一部である本発明組成物のそれ以外の任意成分は、多価アルコールのようなチャー形成体である。その他の例としては、ノボラック、ビニルアルコールおよびデンプンが挙げられる。本発明においては、上記多価アルコールは、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールであることが好ましい。該組成物中に存在する場合、該チャー形成体は、本発明組成物の総重量に対して10重量%以下の量で存在する。好ましい範囲は約0.1〜10重量%であり、さらに好ましい範囲は約0.1〜約2重量%である。上記難燃剤の一部である本発明組成物のさらにそれ以外の任意成分は、メラミンシアヌレート、メラミンおよびホウ酸亜鉛である。
上記の組成物は優れた難燃特性を有する。しかしながら、この組成物は、必ずしも許容しうる電気的特性を有しているわけではない。樹脂組成物の電気的特性の重要な指標は比較トラッキングインデックス(Comparative Tracking Index) (CTI)である。トラッキング(tracking)は、絶縁体の汚染または分解によって引き起こされる2つの電極間の絶縁体表面での導電性路の形成として定義される。坑トラッキング性は、そのような電流を防止する絶縁体の能力である。
CTIはASTM UL 746Aにより測定されるが、このASTM UL 746Aとは、固体電気絶縁性材料の表面を、電気応力下で、汚染物質を添加した水に曝した場合の、600以下の電圧でのトラッキングに対する該固体電気絶縁性材料の相対抵抗を示す試験方法である。この試験は、厚さが>3mmで15×15mmの樹脂試験片(この試験片には両電極間で電圧がかけられている)上で、汚染物質として溶液A(塩化アンモニウム)を用いて行う。0.5Aの電流が2秒より長く流れて過電流リレーを作動させる場合には、トラッキングは試験操作の間に起こったと考えられる。電流が流れずリレーが作動しなかったのに試験片が燃えている場合にも、不合格(failure) が生じる。CTIは、溶液Aを50滴垂らした後でトラッキングが起こらない電圧であって、但し、それよりも25V低い電圧では溶液Aを100滴垂らした後でもトラッキングが起こらない電圧として定義される。良好な電気特性を有さない樹脂組成物は、典型的には約300V以下のCTIを有する。本発明の樹脂組成物は、予想外にも350V〜600VのCTIを有する。
本発明の難燃剤成分は、メラミンホスフェート化合物と、チャー化触媒、チャー化触媒およびチャー形成体、メラミンシアヌレート、メラミンまたはホウ酸亜鉛のいずれかとの以下の組み合わせを含む。すなわち、(a)約20〜約30重量%のメラミンホスフェートおよび約10重量%以下のチャー化触媒;(b)約15〜約30重量%のメラミンホスフェート、約10重量%以下のチャー化触媒および約10重量%以下のチャー形成体;(c)約5〜約45重量%(好ましくはUL−94でのV0等級に対して約25〜約45重量%)のメラミンピロホスフェート;(d)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェートおよび約10重量%以下のチャー化触媒;(e)約15〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、約10重量%以下のチャー化触媒および約10重量%以下のチャー形成体;または(f)約20〜約30重量%のメラミンピロホスフェート、および約10重量%以下の、メラミンシアヌレート、メラミンまたはホウ酸亜鉛の少なくとも一つである。
「チャー化触媒でドープしたメラミン化合物」とは、チャー化触媒がメラミンホスフェートに結合するように製造されたメラミンピロホスフェートのようなメラミンホスフェート化合物を意味する。チャー化触媒でドープしたメラミン化合物は、メラミンの水溶液を調製すること、シリコタングステン酸またはリンタングステン酸の水溶液を調製すること、およびHPO(酸85%)等のリン化合物の水溶液を調製することにより製造されてもよい。上記タングステン酸溶液を上記リン溶液に添加し、次いでその混合物を上記メラミン溶液に添加し、そこで、メラミンホスフェートは水分子を失うことによりメラミンピロホスフェートに変換される。得られた溶液を減圧乾燥して、ドープされたメラミンホスフェート化合物が得られる。該溶液中でのメラミンとリンとのモル比は2:1〜1:2にすべきである。チャー化触媒のモル数は、メラミンホスフェート化合物のモル当たり0.01〜0.5モル、好ましくはメラミン化合物のモルあたり0.1モルとすべきである。ドープされたメラミン化合物を製造する場合、メラミンホスフェートからメラミンピロホスフェートへの100%の変換は起こらない可能性があり、そのため、ドープされたメラミンは主にメラミンピロホスフェートであるもの、未変換のメラミンホスフェートも含む場合がある。
チャー化触媒でドープしたメラミン化合物は、水系媒質中で、メラミンと、シリコタングステン酸またはリンタングステン酸とを、該タングステン化合物のモル当たり約1〜約24モルのメラミンというモル比で接触させてタングステン酸の「メラミン塩」を調製することによって製造してもよい。この接触は約50℃〜約100℃で行うことが好ましい。該メラミンは、用いられるタングステン化合物と塩を形成するだけでなく、水が水和物を形成するように十分に、その得られた塩を溶媒和すると考えられる。該メラミンがシアヌール酸および該シリコタングステン酸またはリンタングステン酸と“混合塩”を形成するように、シアヌール酸が存在してもよい。
さらに、合成脂肪族ポリアミドとガラスまたは無機補強剤とを含有する組成物では、メラミンピロホスフェートは、約25〜約30重量%の比率で用いられるならば、それ単独でも、難燃剤としてUL−94でのV0を得るのに有効であることがわかった。上記で論じたように、約5重量%以上のメラミンピロホスフェートの量でも、グローワイヤー試験などのあまり厳しくない難燃性試験に合格するのに有効な場合がある。
ポリエステルとガラスまたは無機補強剤とを含有する組成物では、約25〜約45重量%の比率で用いられるならば、メラミンピロホスフェート単独でもUL−94のもとでの難燃剤として有効であることがわかった。上記で論じたように、約5重量%以上のメラミンピロホスフェートの量でも、グローワイヤー試験などのあまり厳しくない難燃性試験に合格するのに有効な場合がある。
本明細書に記載する組成物は、樹脂単独と比較して改善された耐燃性を有するものであり、電気および電子部品(例えば、ボビン、コイル体(coil forms)、コネクタ、ファスナー等)などの部品、および遮断機などの装置の部品を製造するための成形樹脂として特に有用である。これらの組成物は、該樹脂の良好な物理的特性、すなわち望ましい機械的特性(特に靭性)も保持している。靭性は、引張強度と伸び率との積に比例するものと大まかに推定することができ、したがって、これらの一方または双方が大きくなるに従って、そのポリマーは靭性が高くなる。組成物は、0.16cm(1/16インチ)の厚みで、アンダーライターズ・ラボラトリー試験UL−94(Underwriters Laboratory test UL-94)におけるV0の等級を有するように、十分に耐火性であることが好ましい。
低レベルの本明細書に開示の難燃剤をうまく用いて、アンダーライターズ・ラボラトリー試験UL−94よりも要求が厳しくない難燃性試験を満足する組成物が調製可能であることは周知である。例えば、少量の本発明の難燃剤を、樹脂および補強剤と組み合わせて用いても、特に960℃よりも低い温度および/または1.5mmよりも大きな厚さにおいて、要求がそれ程厳しくない条件下で、グローワイヤー試験に合格する場合がある。このグローワイヤー試験は、国際基準IEC 695-2-1/0 1994(International Standard IEC 695/-2-1/0 1994)である。
さらに、上記のメラミンホスフェート化合物、補強剤、およびチャー化触媒のような難燃剤が樹脂中に比較的十分に分散していることが好ましい。好ましい程度の分散は、材料をポリマー中に分散させるのに通常用いられる多数の各種タイプの装置のいずれかの中で組成物を製造することによって達成することが可能である。例えば、適切な混合スクリュー部を有する2軸スクリュー押出機を使用して、成分を十分に溶融混合することができる。さらに、ポリマー中へのチャー化触媒の分散は、比較的小さな粒径のタングステン化合物を用いて開始することによって補助されるとも考えられている。
本発明の組成物から製造される成形棒(molded bars) の伸び率は、該組成物にシラン化合物のような相溶化剤を添加することにより、予想外に増大することもわかった。許容しうるシラン化合物の例は、Aldrich Chemical Company (Milwaukee, Wisconsin)よりA1100の商標名で販売されているトリエトキシ(3−アミノプロピル)シランである。このシラン化合物は、如何なる慣用の方法により該組成物に添加されてもよい。好ましい方法は、メラミンホスフェート化合物を本発明の他の成分に添加する前に、該シランをまず該メラミンホスフェート化合物にコーティングすることである。あるいはまた、該シランを上記樹脂および/または補強剤に添加してもよく、次いでそれを該メラミンホスフェート化合物と混合する。
該シラン化合物は、上記の樹脂、補強剤、難燃剤およびシラン化合物のみの合計重量に対して約0.4重量%以下のいずれかの量で存在しうる。好ましい範囲は0.01〜0.4重量%であり、さらに好ましい範囲は0.1〜0.3重量%である。
好ましい実施形態では、流動性を改善するために、上記組成物に流動性向上剤を添加することが可能である。許容しうる流動性向上剤の例は、E.I. du Pont de Nemours and Company (Wilmington, Delaware) より入手可能なドデカン二酸(DDDA)である。本発明の組成物と共に流動性向上剤を使用する場合には、その流動性向上剤は、上記の樹脂、補強剤、難燃剤、および(存在する場合には)シラン化合物の合計重量に対して約0.25〜約0.5の量で使用するのが好ましい。
以下の略語が実施例および以下に掲載する表において使用される。
RM−補強物質
MPC−メラミンホスフェート化合物
CC−チャー化触媒
CF−チャー形成体
MP−メラミンホスフェート
MPP−メラミンピロホスフェート
PTA−リンタングステン酸
STA−シリコタングステン酸
NYADG−ウォラストナイト(珪灰石)
NATO−酸化すずナトリウム
MC−メラミンシアヌレート
M−メラミン
ZB−ホウ酸亜鉛
PBT−ポリブチレンテレフタレート
PET−ポリエチレンテレフタレート
TS−引張強度
EL−伸び率
EBS−アクラワックスC(Acrawax C)
特に指示しないかぎり、実施例では以下の手順を用いた。実施例で用いられる樹脂を粉砕し、次いで該樹脂、補強物質、メラミンホスフェート化合物、チャー化触媒、チャー化触媒とチャー形成体、メラミンシアヌレート、メラミンまたはホウ酸亜鉛を十分に混合するが、これは通常は約30分ほどかかった。ドープしたメラミン化合物を用いた実施例では、該ドープしたメラミン化合物は実施例において説明するように調製し、次いで該樹脂および該補強物質と共に十分に混合した。
次いで、この樹脂混合物を標準的な条件下で乾燥し、次いで28mmまたは30mmのワーナー&フライデール(Werner & Pflederer)型2軸スクリュー押出機で、中点値(mid-range) のスクリュー厳密性を有するスクリューデザインを用いて、270〜300℃の溶融温度、11.3〜15.9kg/時間の速度にて押出した。1/16インチの棒を、0.043kg(1.5oz)の成形機上で成形した。この樹脂混合物にとって標準的な成形条件を用いた。
次いで、これら樹脂混合物を、実験室サイズの機械から商業的サイズの機械の範囲の典型的な射出成形機を用いて成形して棒にした。溶融温度は典型的には約280〜300℃であり、成形温度は典型的には45〜100℃であった。次いで、成形棒を、特に指示しないかぎり、厚さ0.16cmでUL−94試験において易燃性の等級について試験した。
(実施例 − ナイロン6,6樹脂)
以下の実施例では、DuPont製のZytel(登録商標)101ナイロン6,6樹脂を用いた。これらの実施例からのデータを表1および表2にまとめる。
(実施例1〜3)
これらの実施例では、ガラスを補強材料として、Chemie Linz of Linz (Austria) からMELAPUR-MPH という商標名で販売されているメラミンホスフェートをメラミンホスフェート化合物として、そしてリンタングステン酸をチャー化触媒として用いて成形棒を製造した。これらの実施例における組成物は全て、UL94においてV0であった。
(実施例4)
チャー化触媒としてシリコタングステン酸を用いた以外は、実施例1〜3のようにして成形棒を製造した。この組成物はUL94にV0の等級で合格した。
(実施例5および比較例6)
補強剤として30.0重量%のNYADG充填剤を用いた以外は、実施例4のようにして成形棒を製造した。実施例5は25.0重量%のメラミンホスフェートおよび1重量%のシリコタングステン酸を有し、UL94にV0で合格したが、実施例6は15.0重量%のメラミンホスフェートおよび1重量%のシリコタングステン酸しか有さず、UL94に合格しなかった。
(参考例7〜10)
これらの参考例では、メラミンホスフェート化合物としてメラミンピロホスフェートを用いて成形棒を製造し、チャー化触媒は用いなかった。メラミンピロホスフェートはCytek of West Patterson (NJ)から入手可能であり、AEROGUARD MPP という商標名で販売されている。これらの参考例から、メラミンホスフェート化合物の配合が25〜30重量%では、組成物は全てV0であることがわかる。参考例7および8は、押出の際に多少の気泡を生じた。参考例9および10では、メラミンピロホスフェートは、270℃で15分間加熱した後で上記樹脂およびガラスに添加し、その結果、メラミンピロホスフェートの難燃性において有意な改善がもたらされた。
(実施例11)
この実施例では、チャー化触媒を組成物に添加した以外は、参考例7のようにして成形棒を製造した。本実施例では、参考例7および8と比較して気泡が非常に低減し、この組成物はV0であった。
(実施例12)
ガラスと、98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および12gのシリコタングステン酸を12gの水に混ぜた溶液をつくり、後者の溶液を84gのHPO(酸85%)を300gの水に混ぜた溶液に添加することによって製造したチャー化触媒でドープしたメラミンホスフェート化合物とを用いて成形棒を製造した。上記2つの溶液は混合し、次いで、90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(実施例13)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および2gのシリコタングステン酸を12gの水に混ぜた溶液をつくり、後者の溶液を84gのH PO(酸85%)を300の水に混ぜた溶液に添加することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、実施例1のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(実施例14)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および12gのシリコタングステン酸を12gの水に混ぜた溶液をつくり、後者の溶液を84gのHPO(酸85%)を300の水に混ぜた溶液に添加することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、実施例13のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(実施例15)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液と5gのNaSnOを300gの水に混ぜた溶液および84gのH PO(酸85%)を300gの水に混ぜた溶液を製造することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、実施例13のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(実施例16〜17)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および16gのリンタングステン酸を20gの水に混ぜた溶液をつくり、後者の溶液を、84gのH PO(酸85%)を300の水に混ぜた溶液に添加することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、実施例13のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。これらの組成物はV0であった。
(実施例18)
成形棒を1/32インチの厚さにした以外は実施例14のようにして成形棒を製造した。この組成物はV0であった。
(実施例19〜20)
98gのメラミンホスフェートを700gの水に混ぜた溶液および1gのシリコタングステン酸を20gの水に混ぜた溶液を製造することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、先の実施例のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。これらの組成物はV0であった。
(参考例−ポリエステル樹脂)
DuPont (Wilmington, Delaware) から販売されているRynite(登録商標)3934ポリエステルまたはShell (Houston, Texas)から販売されているCrystar(登録商標)3935ポリエステルを樹脂として用いた以外は、先の実施例のようにして成形棒を製造した。これらの結果を表3および表4にまとめる。
(参考例21)
Rynite(登録商標)3934ポリエステル樹脂およびメラミンホスフェートを用い、チャー化触媒を用いずに成形棒を製造した。この組成物はUL94に不合格であった。
(参考例22〜27)
これらの参考例では、シリコタングステン酸をチャー化触媒として用いた以外は参考例21のようにして成形棒を製造した。参考例22および24はV0であった。参考例23はほぼV0であったが、チャー化触媒に対してメラミンホスフェートが少量であったためにV2であった。参考例25はチャー化触媒に対してメラミンホスフェートが少量であったため、不合格であった。参考例26および27はV0であった。
(参考例28〜30)
シリコタングステン酸およびジペンタエリスリトールのチャー形成体を樹脂と配合した以外は、参考例21のようにして成形棒を製造した。参考例28および29の成形棒はV0であった。比較例30は存在するメラミンホスフェートの量が不十分であったため、不合格であった。
(参考例31〜32)
メラミンホスフェート化合物をメラミンピロホスフェートとした以外は参考例21のようにして成形棒を製造した。これらの組成物はV0であった。
(参考例33)
チャー化触媒を組成物に添加した以外は参考例31のようにして成形棒を製造した。この組成物はV0であった。
(参考例34)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および16gのシリコタングステン酸を20gの水に混ぜた溶液を製造し、後者の溶液を、84gのHPO(酸85%)を300gの水に混ぜた溶液に添加することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、参考例21のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(参考例35)
98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および16gのリンタングステン酸を20gの水に混ぜた溶液を製造し、後者の溶液を、84gのH PO(酸85%)を300の水に混ぜた溶液に添加することによってメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、参考例21のようにして成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(参考例36〜37)
Crystar(登録商標)3935ポリエステル樹脂を用い、かつメラミンホスフェート化合物を実施例16のようにして製造したチャー化触媒でドープした以外は、参考例21のようにして成形棒を製造した。これらの組成物はV0であった。
(参考例38〜39)
メラミンホスフェート化合物を実施例19のようにして製造したチャー化触媒でドープした以外は、参考例36のようにして成形棒を製造した。これらの組成物はV0であった。
(参考例40〜42)
Rynite(登録商標)3934ポリエステル樹脂を用いた以外は先の参考例のようにして成形棒を製造した。これらの組成物はV0であった。参考例42は15重量%のドープしたメラミンホスフェート化合物を含んでおり、UL試験に不合格であった。
(実施例−ナイロン6樹脂)
BASF (Ludwigshafen, Germany)から販売されているUltramid B3 ナイロン6を樹脂として用いた以外は、先の参考例のようにして成形棒を製造した。これらの結果を表5にまとめる。
(実施例43)
Ultramidナイロン6樹脂と、ガラス補強材料と、98gのメラミンを700gの水に混ぜた溶液および16gのシリコタングステン酸を30gの水に混ぜた溶液を製造し、後者の溶液を、84gのH PO(酸85%)を300gの水に混ぜた溶液に添加することによって製造した、チャー化触媒でドープしたメラミンホスフェート化合物とから、成形棒を製造した。上記2つの溶液は共に混合し、次いで90℃にて減圧乾燥した。この組成物はV0であった。
(実施例44〜45)
実施例16のようにメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、先の実施例のようにして、成形棒を製造した。実施例44からの組成物はV0であったが、実施例45からの組成物はUL94で不合格であった。
(実施例46〜47)
実施例19のようにメラミンホスフェート化合物をチャー化触媒でドープした以外は、実施例43のようにして、成形棒を製造した。実施例46からの組成物はV0であったが、実施例47からの組成物はUL94に不合格であった。
(実施例−ナイロン6,6およびCTI測定値)
ナイロン6,6を樹脂として用い、成形棒のCTIを測定した以外は先の実施例のようにして成形棒を製造した。これらの実施例のデータを表6にまとめる。
(比較例48および実施例49〜51および比較例52)
これらの実施例では、メラミンピロホスフェートをメラミンホスフェート化合物として、そしてガラスを補強材料として用いた成形棒を製造した。これらの組成物を、UL94試験手順を用いて易燃性について試験し、上記のASTM UL 746A試験法を用いて該棒のCTIを測定した。比較例48では、メラミンピロホスフェートは単独で用いた。この組成物は許容しうるUL94の等級を有していたが、許容不可能な程低いCTIの結果を有していた。実施例49では、成形棒は、メラミンピロホスフェートに加えて5重量%のメラミンシアヌレートを用いて製造し、その結果、許容しうるUL94およびCTIの結果を有する組成物が得られた。実施例51では、10重量%のメラミンシアヌレートを用いることにより、同様の許容しうる結果が得られた。実施例50では、メラミンを実施例49のメラミンシアヌレートの代わりに用いて、許容しうるUL94およびCTIの結果を有する組成物が得られた。同様に、実施例51では、ホウ酸亜鉛を実施例49のメラミンシアヌレートの代わりに用いて、許容しうるUL94およびCTIの結果を有する組成物が得られた。
(参考例−ポリブチレンテレフタレート)
以下の実施例では、用いた樹脂がポリブチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの混合物であった以外は、先の実施例のようにして、成形棒を製造した。用いたポリブチレンテレフタレートはGeneral Electricから入手可能なValox 307 であり、用いたポリエチレンテレフタレートはDuPontから入手可能なCrystar 3934であった。これらの実施例からのデータを表7にまとめる。
(参考例53〜63)
これらの参考例では、種々の量のガラス繊維補強材料とメラミンピロホスフェートと共にPBTまたはPBTとPETを用いて、成形棒を製造した。これらの成形棒は全て3.2mmにおいてV0であった。1.6mmにおいて、参考例55で製造された組成物がV1であった以外は、これら組成物は全てV0であった。
(参考例−ポリブチレンテレフタレート/ナイロン−6,6ブレンド)
以下の参考例では、用いた樹脂をポリブチレンテレフタレートとナイロン−6,6とのブレンドとした以外は、先の参考例53〜67のようにして成形棒を製造した。
(参考例64〜67)
これらの参考例では、PBTとナイロン−6,6とのブレンドを用いて、成形棒を製造した。これらの棒は、約20重量%のガラス繊維および約32重量%のメラミンピロホスフェートを含んでいた。1.6mmにおける試験において、参考例67でV1であった以外、これらの成形棒はV0であった。これらの参考例から、PBTの一部をナイロン−6,6で置き換えることによって難燃性が改善されることが実証される。このナイロン−6,6はPBT/ナイロン−6,6混合物の約30重量%以下を構成することが好ましい。
(実施例−シラン添加剤)
組成物が相溶化剤としてシラン化合物も含有した以外は参考例7のようにして、ナイロン−6,6、ガラスおよびメラミンピロホスフェートを用いて成形棒を製造した。この組成物は、樹脂、ガラス、メラミンピロホスフェートおよびシラン化合物のみの合計重量に対して約0.14〜0.28重量%のシラン化合物、約46.7重量%のナイロン−6,6、約25.1重量%のガラス、および約28重量%のメラミンピロホスフェートを含んでいた。これらの実施例では、上記シランは、Aldrich Chemical Company (Milwaukee, Wisconsin) からA1100 の商標名で販売されているトリエトキシ(3−アミノプロピル)シランであった。
実施例68〜79の各々において、流動性向上剤を組成物に添加して、流動性を改善した。実施例68〜79において用いた流動性向上剤は、E.I. du Pont de Nemours and Company (Wilmington, Delaware) から入手可能なドデカン二酸(DDDA)であり、配合量は0.25重量%であった。流動性向上剤を本発明の組成物と共に用いる場合、該流動性向上剤は、樹脂、補強剤、難燃剤および(存在する場合には)シラン化合物のみの合計重量に対して約0.25〜約0.5重量%の量で用いることが好ましい。
(比較例68〜71)
実施例68〜71は比較例であり、そこにおいて、シラン化合物は用いなかった。ASTM D638 を用いて成形棒の伸び率および引張強度を測定し、ASTM D256 を用いてノッチ付きアイゾッドのデータを測定した。
(実施例72〜75)
これらの実施例では、ナイロン−6,6を存在させずにMPP粉末およびA1100 シランを一緒に添加し、そのMPPとシランとをWell-X Corporation製の高速ミキサー内で混合することによってMPPをシランでコーティングした。これらの実施例の結果からは、これらの組成物がV0であったことが示される。これらの実施例の伸び率のデータから、MPPをシランでコーティングした場合に、伸び率において最大24%の改善があり、それ以外の機械的特性の低下は全くなかったことが示される。
(実施例76〜79)
これらの実施例では、MPPを存在させずにシランをナイロン−6,6に添加した以外は、実施例72〜75のようにして、成形棒を製造した。ナイロン−6,6とシランとを15分間混合し、次いでMPPおよびガラスをその容器に添加して激しく混合した。先の実施例のようにして成形棒を製造した。伸び率のデータから、比較例と比較して、伸び率において最大約8%の改善があり、成形棒の機械的特性には低下が全くないことが示される。これら組成物は全てV0であった。
(実施例−ナイロン6,6およびウォーラストナイト)
以下の実施例では、補強剤としてウォーラストナイト(NYADG)を用いた。
(実施例80〜82)
これらの実施例では、補強剤がNYADGであった以外は参考例7のようにして、形成棒を製造した。実施例80および81では、ホウ酸亜鉛が組成物に含まれており、成形棒は1.6mmにおいてV0であった。実施例83はDDDAを含んでいたがホウ酸亜鉛は含んでおらず、成形棒は0.8mmにおいてV0であった。
(実施例−グローワイヤー試験)
上記で論じたように、グローワイヤー試験は、UL94ほど厳しくない難燃性試験である。以下の実施例から、少ない配合量の難燃剤を有する本発明の組成物はグローワイヤー試験に合格することが示される。
(実施例84〜89)
参考例7のようにして成形棒を製造する。用いた樹脂はナイロン−6,6であり、補強材料はNYADGであり、難燃剤はMPPである。これら成形棒を、グローワイヤー試験IEC 695-2-1 を用いて、960℃にて、棒の厚さ1.5mmで試験する。これら成形棒は全てグローワイヤー試験に合格する。
(実施例80〜95)
補強剤としてガラスを用いる以外は先の実施例84〜89のようにして、成形棒を製造する。これらの組成物も0.25重量%のDDDAを含む。これら成形棒は全てグローワイヤー試験に合格する。
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本発明の特定の実施形態は上記の記載に記述してあるが、当業者であれば、本発明の精神または本質的な特性から逸脱しないかぎり、本発明が多数の改変、置き換え、および再構成が可能であると理解されよう。本発明の範囲を示すものとして、上記の明細書ではなく、添付の請求の範囲を参照すべきである。
本発明の組成物は、上記で論じた成分以外にも、合成樹脂と共に通常用いられる特定の添加剤(例えば、着色剤、離型剤、酸化防止剤、強化剤、成核剤、紫外線安定化剤および熱安定化剤など)を含有しうる。一般的な充填剤の例は水酸化マグネシウムである。

Claims (15)

  1. (1)30〜70重量%の合成脂肪族ポリアミドと、
    (2)15〜40重量%の補強剤と、
    (3)(a)20〜30重量%のメラミンホスフェートおよび0.1〜10重量%のチャー化触媒、
    (b)15〜30重量%のメラミンホスフェート、0.1〜10重量%のチャー化触媒、および0.1〜10重量%のチャー形成体、
    (c)15〜30重量%のメラミンピロホスフェートおよび0.1〜10重量%のチャー化触媒、
    (d)15〜30重量%のメラミンピロホスフェート、0.1〜10重量%のチャー化触媒、および0.1〜10重量%のチャー形成体、および、
    (e)10重量%以下のメラミンシアヌレートまたはメラミンの少なくとも一つと組合せて使用される20〜30重量%のメラミンピロホスフェート、
    からなる群から選ばれる難燃剤と[但し、全ての重量%は(1)+(2)+(3)のみの合計重量に対するものである]、を含有することを特徴とする組成物。
  2. (1)30〜70重量%の合成脂肪族ポリアミドと、
    (2)15〜40重量%の補強剤と、
    (3)5〜45重量%のメラミンピロホスフェートと、
    (4)0.01〜0.4重量%のシラン化合物と、
    [但し、全ての重量%は(1)+(2)+(3)+(4)のみの合計重量に対するものである]、を含有することを特徴とする組成物。
  3. 前記チャー化触媒は、ホスホタングステン酸またはシリコタングステン酸であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記チャー化触媒は、タングステン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記チャー化触媒の量が、0.1〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記チャー形成体が多価アルコールであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記多価アルコールがペンタエリトリトールであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. 前記チャー形成体の量が、0.1〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記ポリアミドが、ナイロン−6,6、ナイロン−6、これらのコポリマー、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  10. 前記補強剤が、ガラス、炭素物、マイカ、アラミド繊維、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  11. さらに(4)シラン化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 前記シラン化合物が0.01〜0.4重量%の量で存在する[但し、全ての重量%は(1)+(2)+(3)+(4)のみの合計重量に対するものである]、ことを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 0.16cmの厚さにおいて、V-0のUL-94等級を有することを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
  14. 960℃以下の温度で国際規格IEC695−2−1/0 1994グローワイヤー試験に合格すること、および/または1.5mmより大きい厚さであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載の組成物から製造された成型品。
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