JP2005272709A - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リードフレーム等への良好な密着性を示すと同時に良好な低応力性を示す樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチ材料とすることにより耐半田クラック性等の信頼性に優れた半導体装置を提供する。
【解決手段】
主鎖骨格に一般式(1)で示される構造を含み、かつ少なくとも2つのラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物(A)、液状エポキシ化合物(B)、フェノール系化合物(C)、融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)、光重合開始剤ではないラジカル重合開始剤(E)、充填材(F)を必須成分とする樹脂組成物。
【化1】
Figure 2005272709

一般式(1)中のR1は炭素数3〜6の炭化水素基であり、nは2〜20の整数である。

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
環境対応の一環として半導体製品からの鉛撤廃が進められている中、半導体パッケージの外装めっきからの脱鉛化の目的でリードフレームのめっきをNi−Pdに変更する場合が増えてきている。ここでNi−Pdめっきは表面のPd層の安定性を向上する目的で薄く金めっき(金フラッシュ)が行われるが、Ni−Pdめっきそのものの平滑性および表面の金の存在のため通常の銀めっき銅フレーム等と比較すると接着力が低下する。また基板実装時に使用する半田も鉛フリー半田が使用されるため、錫−鉛半田の場合よりリフロー温度を高くする必要がある。接着力の低下およびリフロー温度の高温化に基づくストレスの増加のため、リフロー中に半導体パッケージ中に剥離ひいてはクラックが発生しやすくなるため半導体パッケージの構成材料はより高いリフロー耐性を有する必要がある。
そこで従来より使用されているダイアタッチペースト(例えば特許文献1参照)よりも特にNi−Pdめっきフレームへの密着性に優れ、同時に増加するストレスに耐えられる低応力性の材料が望まれているが、満足なものはなかった。
特開2000−273326号公報
本発明は、大面積の接着用途に使用しても十分な低応力性を有し、かつ良好な接着性を示す樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチ材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[5]に記載の本発明により達成される。
[1] (A)主鎖骨格に一般式(1)で示される構造を含み、かつ少なくとも2つのラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物、(B)液状エポキシ化合物、(C)フェノール系化合物、(D)融点が180℃以上のイミダゾール化合物、(E)光重合開始剤ではないラジカル重合開始剤及び(F)充填材を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
Figure 2005272709
一般式(1)中のR1は炭素数3〜6の炭化水素基であり、nは2〜20の整数である。
[2] 一般式(1)で示される繰り返しユニットのR1がテトラメチレンである[1]項記載の樹脂組成物。
[3] 融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)が一般式(2)で示される化合物である[1]又は[2]項記載の樹脂組成物。
Figure 2005272709
一般式(2)中のR2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R3、R4はそれぞれ水素又はメチル基である。
[4] 融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)が一般式(3)で示される化合物である[1]又は[2]項記載の樹脂組成物。
Figure 2005272709
一般式(3)中のR5は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R6は水素又はヒドロキシメチル基である。
[5] [1]〜[4]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料として用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
本発明により、低応力性、接着性に優れた樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチ材料として使用した信頼性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
本発明に用いる主鎖骨格に一般式(1)で示される構造、かつ少なくとも2つのラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物(A)のR1部は炭素数が3から6の炭化水素基に限定されるが、これは炭素数がこれより少ない場合には極性が強すぎ得られた樹脂組成物の耐湿性が悪化するため好ましくなく、これより多い場合には逆に極性が低くなりすぎ目的とする接着力が得られず好ましくないためである。一般式(1)中のR1は、炭素数が3から6の炭化水素基の中でも、テトラメチレンであることが好ましい。繰り返し単位数nは2〜20の整数に限定されるがこれは繰り返し単位がこれより少ない場合に目的とする柔軟性を発揮し得ず、逆に多い場合には粘度が高くなりすぎ作業性上好ましくないためである。
本発明では室温で液状のエポキシ化合物(B)を使用するが、これはエポキシ化合物を併用することによって始めて十分な接着力と低応力性を両立できるからで、エポキシ化合物を配合しない場合には十分な接着力を得られない。また室温で液状に限定しているが、これは室温で液状でないと樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ実用上問題があるためである。ここで室温で液状のエポキシ化合物とは他のエポキシ化合物と混合等することで液状であれば問題なく使用することができる。成分(A)と成分(B)の配合量は十分な低応力性と接着性を両立するために、成分(A)に対し30〜1000重量%が好ましいが特に限定されるわけではない。
本発明では化合物(B)の硬化剤としてフェノール系化合物(C)を使用するが、1分子に含まれる官能基数が2以上6以下が好ましい。これより少ないと硬化物の凝集力が向上せず良好な接着力を得ることができず、これより多いと粘度が高くなりすぎ実用上問題となる。良好な接着性と低応力性を両立するためには2以上4以下がさらに好ましい。このような化合物としては、ビスフェノールAおよびその誘導体、ビスフェノールFおよびその誘導体、ビフェノールおよびその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタンおよびその誘導体等があげられるが、これらに限定されるわけではない。また配合量については特に限定されるわけではないが、化合物(B)に対して1−30重量%が接着力と低応力性両立の観点から好ましい。
本発明に用いるイミダゾール化合物(D)は融点が180℃以上のものに限定される。これは融点が180℃以下のものを使用すると保存性が悪く、あるいは保存性が悪くない場合には硬化性が悪く、保存性と硬化性の両立ができないからである。融点が180℃以上のイミダゾール化合物のなかでも、一般式(2)あるいは一般式(3)の構造のものが、保存性、硬化性の観点から好ましい。これらイミダゾール化合物の配合量は化合物(B)に対して0.1−10重量%が好ましい。これより少ないと硬化性が悪化し、これより多いと接着力が悪化するためである。
本発明に用いる光重合開始剤ではないラジカル重合開始剤(E)としては、通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)における分解温度が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、樹脂組成物の常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くため好ましくない。
これを満たすラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシバレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらは単独或いは硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。特に限定されるわけではないが成分(A)に対して0.5〜5重量配合されるのが好ましい。本発明は通常蛍光灯等の照明下で使用されるので光開始剤が含まれていると使用中に反応により粘度上昇が観察されるため配合することはできない。更に樹脂組成物の保存性を向上するために各種重合禁止剤、酸化防止剤を予め添加してもよい。
本発明に用いる充填材(F)としては、通常銀粉が使用されるが、金粉、窒化アルミニウム、ボロンアイトライド、シリカ、アルミナ等も使用可能である。 本発明の樹脂組成物には、必要により反応性希釈剤、カップリング剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。
[実施例1、2]
成分(A)としてはNKエステル A−PTMG65(新中村化学工業(株)製、繰り返し単位がテトラメチレンオキサイド、以下、A−PTMG65)、成分(B)としてはエピコート630(ジャパンエポキシレジン(株)製、以下E−630)ならびにビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られるジグリシジルビスフェノールA(エポキシ当量180、室温で液体、以下ビスAエポキシ)、成分(C)としてはDIC−BPF(大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールF、以下BPF)、成分(D)としてはキュアゾール2MZ−A(四国化成工業(株)製、一般式(2)のR2がメチル、R3、R4がそれぞれ水素で融点248〜258℃、以下2MZ−A)、成分(E)としてはジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解温度:126℃、以下開始剤)、成分(F)としては、平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)を使用した。ラウリルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルLA、以下LA)、メタクリル基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503、以下メタクリルシラン)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。配合割合は重量部である。
[実施例3]
使用する成分(D)としてキュアゾール2P4MHZ(四国化成工業(株)製、一般式(3)のR5がフェニル、R6がメチルで融点191〜195℃、以下2P4MHZ)を使用する以外は実施例1と同様に樹脂組成物を作成した。
[比較例1、2]
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に樹脂組成物を得た。
[比較例3]
使用する成分(D)イミダゾールとしてキュアゾール2MZ(四国化成工業(株)製、融点137〜145℃、以下2MZ)を使用する以外は実施例1と同様に樹脂組成物を作成した。
得られた樹脂組成物(ダイアタッチペースト)を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
評価方法
・粘度:E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値をダイアタッチペースト作製直後と25℃、48時間放置後に測定した。作製直後の粘度が15〜25Pa.sの範囲内で、かつ48時間後の粘度増加率が20%未満の場合を合格とした。粘度増加率の単位は%。
・接着強度:ペーストを用いて、6×6mmのシリコンチップを金フラッシュしたNi−Pdフレームにマウントし、150℃オーブン中15分硬化した。硬化後ならびに吸湿(85℃、85%、72時間)処理後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップ。
・反り量及び耐リフロー性:表1に示す樹脂組成物を用い、下記の基板とシリコンチップを150℃15分間硬化し接着した。硬化後のチップ表面の反り量を表面粗さ計にて測定し、反り量が40μm以下のものを合格とした。また同様にしてダイボンドしたリードフレームを封止材料(スミコンEME−7026、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、60℃、相対湿度60%、192時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行なった。処理後のパッケージを超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。ダイアタッチ部の剥離面積が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%。
パッケージ:QFP(14x20x2.0mm)
リードフレーム:金フラッシュしたNi−Pdフレーム
チップサイズ:6×6mm
ダイアタッチペースト硬化条件:オーブン中150℃、15分
Figure 2005272709
本発明の樹脂組成物は、各種リードフレーム等と良好な接着力を示すとともに低応力性にも優れるので、本発明をダイアタッチ材料として使用することでこれまでにない高信頼性の半導体パッケージの提供が可能となる。

Claims (5)

  1. (A)主鎖骨格に一般式(1)で示される構造を含み、かつ少なくとも2つのラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物、(B)液状エポキシ化合物、(C)フェノール系化合物、(D)融点が180℃以上のイミダゾール化合物、(E)光重合開始剤ではないラジカル重合開始剤及び(F)充填材を必須成分とすることを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2005272709
    一般式(1)中のR1は炭素数3〜6の炭化水素基であり、nは2〜20の整数である。
  2. 一般式(1)で示される繰り返しユニットのR1がテトラメチレンである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)が一般式(2)で示される化合物である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
    Figure 2005272709
    一般式(2)中のR2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R3、R4はそれぞれ水素又はメチル基である。
  4. 融点が180℃以上のイミダゾール化合物(D)が一般式(3)で示される化合物である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
    Figure 2005272709
    一般式(3)中のR5は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R6は水素又はヒドロキシメチル基である。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料として用いて製作されることを特徴とする半導体装置。
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