JP2007234842A - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特に弾性率が低く、応力緩和特性、接着性に優れる半導体用ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料、及び特に耐リフロー性等の信頼性に優れた半導体装置を提供することである。
【解決手段】半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であって、一般式(1)で示される化合物(A)、重合開始剤(B)及び銀粉(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用して作製した半導体装置である。
【化1】
Figure 2007234842

1は水素又はメチル基、
2は炭素数3〜10の炭化水素基で芳香族を含まない、
nは1〜50
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
半導体製品の大容量、高速処理化及び微細配線化に伴い半導体製品作動中に発生する熱の問題が顕著になってきており、半導体製品から熱を逃がす、いわゆるサーマルマネージメントがますます重要な課題となってきている。このため半導体製品にヒートスプレッダー、ヒートシンク等の放熱部材を取り付ける方法等が一般的に採用されているが放熱部材を接着する材料自体の熱伝導率もより高いものが望まれてきている。一方半導体製品の形態によっては半導体素子そのものを金属製のヒートスプレッダーに接着したり、半導体素子を接着したリードフレームのダイパッド部にヒートスプレッダーを接着したり、ダイパッド部がパッケージ表面に露出しており放熱板をかねる場合もあり、さらにはサーマルビア等の放熱機構を有する有機基板等に接着したりする場合もある。この場合も同様に半導体素子を接着する材料に高熱伝導率が要求される。このようにダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料に高熱伝導率が要求されているが、同時に半導体製品の基板搭載時のリフロー処理に耐える必要があり、さらには大面積の接着が要求される場合も多く構成部材間の熱膨張係数の違いによる反り等の発生を抑制するため低応力性も併せ持つ必要がある。
ここで通常高熱伝導性接着剤には、銀粉、銅粉といった金属フィラーや窒化アルミ、窒化ボロン等のセラミック系フィラー等を有機系のバインダーに高い含有率で添加するが、含有可能な量に限界があり高熱伝導率が得られない場合、多量の溶剤を含有し硬化物単体の熱伝導率は良好だが半導体製品中では硬化物中に溶剤が残存あるいは揮発した後がボイドになり熱伝導率が安定しない場合、高フィラー含有率に基づき低応力性が不十分な場合等満足なものはなかった(例えば特許文献1参照)。
特開平11−43587号公報
本発明は、十分な低応力性、接着性を有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することである。
このような目的は、下記[1]〜[10]に記載の本発明により達成される。
[1]半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であって、一般式(1)で示される化合物(A)、重合開始剤(B)及び銀粉(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
Figure 2007234842
1は水素又はメチル基、
2は炭素数3〜10の炭化水素基で芳香族を含まない、
nは1〜50
[2]前記化合物(A)の分子量が500〜2000である[1]項に記載の樹脂組成物。
[3]前記化合物(A)が脂肪族ジオールと炭酸ジアルキルとの反応により得られたポリカーボネートジオールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応物である[1]又は[2]項に記載の樹脂組成物。
[4]前記脂肪族ジオールがブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、及びシクロヘキサンジメタノールから選ばれる少なくとも1種である[3]項に記載の樹脂組成物。
[5]さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを含む[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6]前記水酸基を有する(メタ)アクリレートが一般式(2)又は一般式(3)で示される[5]項に記載の樹脂組成物。
Figure 2007234842
3は水素又はメチル基
4は炭素数1〜3のアルキル基
x、y、zはx+y+z=3、1≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦2を満たす。
Figure 2007234842
5は水素又はメチル基
[7]さらにカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートを含む[1]〜[6]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[8]さらにカップリング剤を含む[1]〜[7]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[9]前記カップリング剤がS−S結合を有するシランカップリング剤である[8]項に記載の樹脂組成物。
[10][1]〜[9]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料として用いて作製したことを特徴とする半導体装置。
本発明の樹脂組成物は、低弾性率で応力緩和特性、接着性に優れるため、ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料として使用した場合、得られた半導体装置は耐リフロー性に優れており、その結果高信頼性の半導体装置を得ることができる。
本発明は、一般式(1)で示される化合物、重合開始剤及び銀粉を含むことを特徴とする半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物で、特に弾性率が低く応力緩和特性、接着性に優れる樹脂組成物を提供するものである。ここで、支持体とは、半導体素子を接着する場合は、リードフレーム、有機基板などであり、放熱部材を接着する場合は、半導体素子、リードフレーム、有機基板、半導体製品などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる一般式(1)で示される化合物(A)は、−R2−(OCOOR2)n−で示される構造を有するがこれは硬化物に柔軟性を与えるために導入され、同様の目的で導入されるポリエーテルやポリエステルに比較して加水分解されにくいため特に高温高湿の条件に長時間曝された後でも劣化が少なく好適である。R2は炭素数が3〜10の炭化水素基であり芳香族環を含まない。これより少ない場合には親水性が高く硬化物の吸水率が高くなりすぎ、これより多い場合には疎水性が高く接着性の悪化に繋がるためであり、芳香族環を含む場合には分子鎖間の凝集力が高くなり硬化物の弾性率が高くなりすぎるためである。繰り返し数nは1〜50であり、より好ましくはnが1〜15の場合である。これより少ない場合には目的とする柔軟性を十分に発揮することができず、これより多い場合には粘度が高くなりすぎるためである。
化合物(A)の分子量は500〜2000が好ましく、より好ましい分子量は500〜1500であり、さらに好ましくは800〜1500である。分子量がこれより低い場合には目的とする硬化物の柔軟性が十分でなく、これより高い場合には粘度が高くなりすぎるので樹脂組成物の作業性の悪化につながるからである。
このような化合物(A)としては脂肪族ジオールと炭酸ジアルキルをエステル交換反応によりポリカーボネートジオールを得た後(メタ)アクリル酸又はその誘導体と反応することにより得られる化合物が好ましいがこれらに限定されるものではない。脂肪族ジオールとしては炭素数3〜10のものが好適に使用されるが、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジエタノール、1,3−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノールなどが挙げられるが、なかでも炭素数が4〜8のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましく、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもかまわない。炭酸ジアルキルとしては反応性の点から炭酸ジメチルが好ましい。反応にはエステル交換触媒として一般的に使用される触媒を使用する。例えばジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ金属塩あるいは炭酸アルカリ土類金属塩、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルキルアルコキシド、ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン等の3級アミン、アセチルアセトンハフニウム等のハフニウムの有機金属錯体などである。脂肪族ジオールを複数使用する場合には複数の脂肪族ジオールを同時に仕込むことでランダム共重合体を得ることも、それぞれ短鎖のポリカーボネートジオール同士を反応させることでブロック共重合体を得ることも可能である。ポリカーボネートジオールは(メタ)アクリル酸とエステル化反応によりポリカーボネートジ(メタ)アクリレートとすることも可能であるし、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとエステル交換反応によりポリカーボネートジ(メタ)アクリレートとすることも可能である。
本発明で用いる重合開始剤(B)は、不飽和結合を反応させるものであればその種類については特に限定されない。本発明の樹脂組成物は、通常蛍光灯等の照明下で使用されるので光重合開始剤が含まれていると使用中の反応により粘度上昇が観察されるため実質的に光重合開始剤を含有することは好ましくない。実質的にとは、粘度上昇が観察されない程度で光重合開始剤が微量に存在してもよく、好ましくは、含有しないことである。
このため熱ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)における分解温度が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、樹脂組成物の常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くなるため好ましくない。これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチ−ルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらは単独又は硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。特に限定されるわけではないが樹脂組成物中0.001重量%以上、2重量%以下含有されるのが好ましい。
本発明で用いる銀粉(C)は、樹脂組成物を使用する際にノズルを使用して吐出する場合があるので、ノズル詰まりを防ぐために平均粒径は30μm以下が好ましく、ナトリウム、塩素といったイオン性の不純物が少ないことが好ましい。通常電子材料用として市販されている銀粉であれば、還元粉、アトマイズ粉等が入手可能で、好ましい粒径としては平均粒径が1μm以上、30μm以下である。下限値以下では樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、上限値以上では上述のようにディスペンス時にノズル詰まりの原因となりうるからであり、電子材料用以外の銀粉ではイオン性不純物の量が多い場合があるので注意が必要である。形状はフレーク状、球状等特に限定されないが、好ましくはフレーク状のものを使用し、通常樹脂組成物中70重量%以上、95重量%以下含まれる。銀粉の割合が下限値より少ない場合には導電性が悪化し、上限値より多い場合には樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるためである。
本発明で用いる水酸基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジエタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、前記一般式(2)、前記一般式(3)などが挙げられる。これらは、良好な接着性を得るために好適に使用される。特に前記一般式(2)、前記一般式(3)といった水酸基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。本発明で用いるカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートは、水酸基を有する(メタ)アクリレートとジカルボン酸を反応することでカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートが得られる。ここで使用可能なジカルボン酸としては、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびこれらの誘導体が挙げられ、なかでもこれらジカルボン酸を脱水した酸無水物は水酸基と容易に反応しハーフエステル化物を得ることができるので好適に用いられる。水酸基を有する(メタ)アクリレートおよびカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートはどちらか一方でも併用しても差し支えなく、それぞれ複数種を使用しても差し支えない。また、これらを併用するものは接着性が優れている。
これ以外にも水酸基及びカルボキシ基を有しない(メタ)アクリレート又はビニル基を有する化合物を使用することも可能である。例えば下記のような化合物である。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体。
本発明で用いるカップリング剤は、一般的に使用されるシランカップリング剤、チタン系カップリング剤である。特にS−S結合を有するシランカップリング剤は、銀粉表面との結合も生じるため、被着体表面との接着力向上のみならず硬化物の凝集力も向上するため好適に使用することが可能である。具体的には、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。S−S結合を有するシランカップリング剤以外との併用も好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要により、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤等の添加剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、リードフレームの所定の部位に樹脂組成物をディスペンス塗布した後、チップをマウントし、加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形することによって半導体装置を製作する。又はフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGAなどのチップ裏面に樹脂組成物をディスペンスしヒートスプレッダー、リッドといった放熱部品を搭載し加熱硬化するなどといった使用方法も可能である。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。配合割合は重量部で示す。
[実施例1]
化合物(A)として1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1(モル比))と炭酸ジメチルから合成した分子量約900のポリカーボネートジオールのジメタクリレート(宇部興産(株)製、UM−90(1/1)DM、一般式(1)のR1がメチル基、R2が−(CH26−と−CH2−C610−CH2−の1対1の混合でnが約4、以下化合物A1)、重合開始剤(B)としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解温度:126℃、以下重合開始剤)、銀粉(C)として、平均粒径8μm、最大粒径30μmのフレーク状銀粉(以下銀粉)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成(株)製、CHDMMA、一般式(3)のR5が水素である水酸基を有するアクリレート、以下化合物Y1)、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、カルボキシ基を有するメタクリレート、以下化合物Y2)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル1、6HX、以下化合物Y3)、テトラスルフィド結合を有するカップリング剤(日本ユニカー(株)製、A−1289、以下カップリング剤1)、グリシジル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403E、以下カップリング剤2)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。配合割合は重量部である。得られた樹脂組成物を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜4及び比較例1、2]
表1に示す割合で配合し実施例1と同様に樹脂組成物を得た。
なお実施例2ではグリセリンジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルG−101P、一般式(2)のR3がメチル基、x=2、y=1、z=0である水酸基を有するメタクリレート、以下化合物Y4)を、実施例3では1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルから合成した分子量約1000ポリカーボネートジオールのジメタクリレート(宇部興産(株)製、UH−100DM、一般式(1)のR1がメチル基、R2が−(CH26−でnが約5、以下化合物A2)を、実施例4では2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−HH、カルボキシ基を有するメタクリレート、以下化合物Y5)を、また比較例2ではポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDT−800、以下化合物X)を用いた。
得られた樹脂組成物を以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
評価方法
・接着強度:表1に示す樹脂組成物を用いて6×6mmのシリコンチップをNi−Pd/Auめっきした銅フレームにマウントし、150℃オーブン中30分硬化した。硬化後及び吸湿処理(85℃、85%、72時間)後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が30N/チップ以上の場合を合格とした。接着強度の単位はN/チップである。
・弾性率:表1に示す樹脂組成物を用いて4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件150℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:−100〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
25℃における貯蔵弾性率を弾性率とし3000MPa以下の場合を合格とした。弾性率の単位はMPaである。
・耐リフロー性:表1に示す樹脂組成物を用いて、下記のリードフレームとシリコンチップを150℃30分間硬化し接着した。封止材料(スミコンEME−7026、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、パッケージを作製した。このパッケージを30℃、相対湿度60%、168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後のパッケージを超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。ダイアタッチ部の剥離面積が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
パッケージ:QFP(14×20×2.0mm)
リードフレーム:Ni−Pd/Auめっきした銅フレーム
チップサイズ:6×6mm
樹脂組成物の硬化条件:オーブン中150℃、30分
Figure 2007234842
本発明の樹脂組成物は、特に弾性率が低く応力緩和特性、接着性に優れるため、半導体用ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 半導体素子又は放熱部材を支持体に接着する樹脂組成物であって、一般式(1)で示される化合物(A)、重合開始剤(B)及び銀粉(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2007234842
    1は水素又はメチル基、
    2は炭素数3〜10の炭化水素基で芳香族を含まない、
    nは1〜50
  2. 前記化合物(A)の分子量が500〜2000である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記化合物(A)が脂肪族ジオールと炭酸ジアルキルとの反応により得られたポリカーボネートジオールと(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応物である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ジオールがブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、及びシクロヘキサンジメタノールから選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記水酸基を有する(メタ)アクリレートが一般式(2)又は一般式(3)で示される請求項5に記載の樹脂組成物。
    Figure 2007234842
    3は水素又はメチル基
    4は炭素数1〜3のアルキル基
    x、y、zはx+y+z=3、1≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦2を満たす。
    Figure 2007234842
    5は水素又はメチル基
  7. さらにカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. さらにカップリング剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記カップリング剤がS−S結合を有するシランカップリング剤である請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペースト又は放熱部材接着用材料として用いて作製したことを特徴とする半導体装置。
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