JP2005271725A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビード部の耐久性を向上する。
【解決手段】 カーカス6及びビードコア5のタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8を具えた空気入りタイヤ1であって、ビードエーペックス8は、タイヤ半径方向内側に位置する内側ゴム部9と、タイヤ半径方向外側に位置する外側ゴム部11と、これらの間の中間ゴム部10とから構成される。外側ゴム部11と内側ゴム部9とは互いに接することなく配される。中間ゴム部10は、外側ゴム部11及び内側ゴム部9よりもJISA硬さが大きい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ビード部の耐久性を向上しうる空気入りタイヤに関する。
図4には、従来の空気入りタイヤのビード部aの一般的な構造が示されている。ビード部aには、ビードコアcの周りで折り返されて係止された1ないし複数枚のカーカスプライb1、b2と、ビードコアcの外面からタイヤ半径方向に先細状でのびるビードエーペックスdとが設けられている。負荷走行時、ビード部aは、リムフランジfと接触して大きな曲げ変形が生じるため、ビードエーペックスdやカーカスプライb1、b2において剥離等が生じやすい。
この対策として、従来、ビードエーペックスdに、より硬度の大きなゴム材を用いることが提案されている。しかしながら、このような対策は、乗り心地の悪化やロードノイズを大きくするといった欠点を伴う。また、硬度の大きいビードエーペックスdは、ビード部4の曲げ変形を減じるのには役立つものの、ビードエーペックスdとサイドウォールゴムeとの剛性差が大きくなってしまい、ビードエーペックスdの外端部dtの近傍などに応力が集中し損傷が生じやすくなる。また図5に略示されるように、ビードエーペックスdをタイヤ半径方向内側の硬質なゴムdiと、その外側に配された柔軟なゴムdoで構成することが下記特許文献1の図4に記載されているが、この構造についてもさらなる改善の余地がある。即ち、図5のビードエーペックスは、タイヤ半径方向外側の柔軟なゴムdoにより乗心地やノードノイズを向上し得たとしても、ビードコアcに当接するゴムdiは硬いため上記効果も充分ではない。
特開2003−291613号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ビードエーペックスを、タイヤ半径方向内側に位置する内側ゴム部と、タイヤ半径方向外側に位置する外側ゴム部と、これらの間の中間ゴム部とから構成し、かつ前記外側ゴム部と前記内側ゴム部とは互いに接することなく配されるとともに中間ゴム部のJISA硬さを外側ゴム部及び内側ゴム部よりも大とすることを基本として、耐久性と乗り心地さらには操縦安定性をもバランス良く向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部に連なりビードコアの周りで折り返された折返し部とを有する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス、及び前記本体部と折返し部の間に配されかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスを具えた空気入りタイヤであって、前記ビードエーペックスは、タイヤ半径方向内側に位置する内側ゴム部と、タイヤ半径方向外側に位置する外側ゴム部と、これらの間の中間ゴム部とから構成され、かつ前記外側ゴム部と前記内側ゴム部とは互いに接することなく配されるとともに、中間ゴム部は、前記外側ゴム部及び前記内側ゴム部よりもJISA硬さが大きいことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を負荷した負荷状態におけるタイヤ子午線断面において、前記中間ゴム部は、前記正規リムのリムフランジとビード部の外面とが接触する最もタイヤ半径方向外側の点であるリム離反点から前記カーカスプライの本体部に立てた法線と交わる位置に配されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記外側ゴム部及び前記内側ゴム部は、前記法線と交わらない位置に配されていることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記中間ゴム部は、JISA硬さが90〜99゜であり、かつ前記外側ゴム部及び内側ゴム部のJISA硬さが75〜88゜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記中間ゴム部は、そのタイヤ半径方向の外端までの高さがビードエーペックスの高さの40〜70%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記中間ゴム部は、タイヤ軸方向の内側面が前記本体部に、かつ、タイヤ軸方向の外面が前記折返し部にそれぞれ接触するとともに、前記内面と前記本体部との接触部分のタイヤ半径方向の長さが3〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、JISA硬さが大きい中間ゴム部により、ビードエーペックスの主たる曲げ剛性を確保し、リムフランジとの接触による過度の曲げ変形を抑制する。これは、操縦安定性及び耐久性の向上に役立つ。また中間ゴム部のタイヤ半径方向内、外に配された柔軟な内側ゴム部と外側ゴム部とによって周囲の剛性差を緩和して耐久性をさらに高め、かつ乗り心地やロードノイズの向上を図り得る。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態における右半分断面図、図2にはそのビード部4の部分拡大図がそれぞれ示されている。ここで「正規状態」とは、タイヤの姿勢を一義的に定めるもので、正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態とし、以下、特に言及しない場合にはタイヤの各部の寸法等は、この正規状態で測定された値とする。
また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るラジアル構造のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8とを具えたチューブレスタイプのものが例示される。またこの実施形態の空気入りタイヤ1は、例えば乗用車用タイヤであって、とりわけその中でも4WD車などに用いられ比較的大きな荷重が負荷されるものが例示される。
前記カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコアに至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の周りで折り返された折返し部6bとを有する少なくとも1枚、この例では複数枚(2枚)のカーカスプライ6A、6Bで構成されたものが例示される。各カーカスプライ6A、6Bの折返し部6bは、例えばタイヤ最大幅となる最大幅位置Mをタイヤ半径方向外側に超えた位置まで折り返されている。
各カーカスプライ6A、6Bは、平行に配列されたカーカスコードをトッピングゴムにて被覆して形成され、カーカスコードにはナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維が好適に用いられる。カーカスコードは、本実施形態では、タイヤ赤道Cに対して80〜90度、より好ましくは85〜90度の角度で傾けて配列されたラジアル構造である。
前記ベルト層7は、本例ではスチールからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜程度で傾けて配列した2枚のベルトプライ7A、7Bから構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差するように重ね合わされる。これにより、ベルト層7は、カーカス6を強くタガ締めしてトレッド部2の剛性を増し、ラジアルタイヤとしての利点を発揮させる。また前記ベルトコードは、スチール材料以外にも、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
前記ビードエーペックス8は、カーカスプライ6A、6Bの本体部6aと折返し部6bとの間に配されている。ビードベースラインBLからビードエーペックス8の外端8Tまでのタイヤ半径方向の高さであるビードエーペックスの高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎると基本的なビード部4の曲げ剛性が得られず、逆に大きすぎてもビードエーペックス8の外端8Tが走行時の歪の大きな最大幅位置Mに接近しやすくなる。このような観点より、ビードエーペックスの高さhaは、タイヤ断面高さHの10%以上、より好ましくは20%以上が望ましく、上限については70%以下、より好ましくは60%以下が望ましい。
またビードエーペックス8は、タイヤ半径方向内側に位置する内側ゴム部9と、タイヤ半径方向外側に位置する外側ゴム部11と、これらの間に位置する中間ゴム部10とを用いて構成される。
図2に示されるように、本実施形態の内側ゴム部9は、そのタイヤ半径方向の内面9iがビードコア5の外面5oの実質的全域に接して配されている。また内側ゴム部9は、内面9iで最も大きい厚さを有し、そこからタイヤ半径方向外側に向かって徐々に厚さが漸減する断面先細状で形成されている。内側ゴム部9のタイヤ軸方向の内面は、カーカスプライ6Bの本体部6aに接してかつこれに沿ってのびている。また内側ゴム部9のタイヤ軸方向の外面は、タイヤ軸方向外側に向かってタイヤ半径方向内側に傾く斜面をなし、そこには中間ゴム部10が接続されている。
また外側ゴム部11は、ビードエーペックス8の外端8Tを構成するとともに、本実施形態では、タイヤ軸方向外側に向かってタイヤ半径方向外側に傾く内面11iで終端している。この内面11iには、中間ゴム部10が接続されている。また外側ゴム部11のタイヤ軸方向の内面11aはカーカスプライ6Bの本体部6aに接触するとともに外面11bは折返し部6bに接している。
中間ゴム部10は、カーカスプライ6Bの本体部6aに接触したタイヤ軸方向の内面10aと、カーカスプライ6Bの折返し部6bに接触したタイヤ軸方向の外面10bと、前記内側ゴム部9のタイヤ軸方向の外面に接続されたタイヤ半径方向の内面10cと、前記外側ゴム部11の内面11iに接続された外面10dとを有している。これにより、外側ゴム部11と内側ゴム部9とは、その間には中間ゴム部10が介在し両者は互いに接することなく配される。また中間ゴム部10は、そのタイヤ半径方向の内端10iが先細状で前記ビードコア5までのびている。
また中間ゴム部10は、外側ゴム部11及び内側ゴム部9よりもJISA硬さが大きいゴム組成物により構成される。図3に示されるように、荷重の負荷走行時において、ビード部4はリムフランジJfを支点として大きな曲げ変形が生じるが、本実施形態の空気入りタイヤ1では、JISA硬さの大きい前記中間ゴム部10がこの部分の曲げ剛性を効果的に高め、曲げ変形量を小さく抑制する。これにより、負荷走行時のビード部4の発熱が抑制され、ゴム剥離やカーカスコードの破断等を防止して耐久性が向上しうる。またビード部4の横剛性が向上するため操縦安定性が高められる。
また、ビードエーペックス8の外端8Tないしその近傍を構成する外側ゴム部11や、ビードコア5に広い面積で接している内側ゴム部9は、中間ゴム部10よりもJISA硬さが小さいゴム組成物からなる。このため、外側ゴム部11はその周囲に配されている柔軟なサイドウォールゴム3Gとの剛性差を減じることができ、前記部位に応力ないし歪が集中するのを効果的に防止する。また内側ゴム部9は、トレッド部2から入力された走行時の振動ないし衝撃をビードコア5の手前で効率良く緩和、吸収し、リムJへの振動伝達を妨げるのに役立つ。これは、乗り心地の向上とロードノイズの低減に特に有効である。
上述の作用をより効果的に発揮させるために、例えば図3に示されるように、正規状態から正規荷重を負荷してタイヤ1を平面に接地させた負荷状態におけるタイヤ子午線断面において、中間ゴム部10は、リム離反点Pからカーカスプライ6A、6Bの本体部6aに立てた法線Nと交わる位置に配されていることが特に望ましい。ここで、「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とするが、タイヤが乗用車用の場合には、それらの値の0.88倍の値とする。また、「リム離反点」とは、リムJのリムフランジJfとビード部4の外面とが接触する最もタイヤ半径方向外側の点であり、通常、接地面の近傍でこの位置が得られる。
タイヤの負荷走行時では、前記法線Nを中心としてビード部4に曲げが生じるため、この法線Nと交わる位置にJISA硬さの大きな中間ゴム部10を配することにより、曲げ強度をより一層効果的に高めることができる。言い換えれば、外側ゴム部11及び内側ゴム部9は、前記法線Nと交わらない位置に配されるのが望ましい。
特に好ましい態様としては、図3に示される負荷状態におけるリム離反点Pを含むタイヤ子午線断面において、前記法線Nによってタイヤ半径方向内、外に区分される中間ゴム部10のタイヤ半径方向の内側の面積Aiと、外側の面積Aoとが30:70〜70:30、より好ましくは40:60〜60:40の比率で形成されるのが望ましい。これにより、中間ゴム部10がよりバランス良く走行時のビード部4の曲げ変形を抑制し、耐久性と操縦安定性とを向上させることができる。
また中間ゴム部10のJISA硬さHcは、好ましくは90゜以上、より好ましくは92゜以上であるのが望ましく、上限については好ましくは99゜以下、より好ましくは97゜以下であるのが望ましい。即ち、中間ゴム部10のJISA硬さHcが90゜未満であると、ビード部4の曲げ剛性を向上する効果が十分に得られず、ひいては操縦安定性や耐久性が低下する傾向があり、逆に前記JISA硬さHcが99゜を超えると、ビード部4の剛性が著しく大きくなってしまい乗り心地の悪化を招く傾向がある。
また外側ゴム部11のJISA硬さHo及び内側ゴム部9.0のJISA硬さHiは、75゜以上、より好ましくは80゜以上であるのが望ましく、上限については好ましくは88゜以下、より好ましくは86゜以下であるのが望ましい。前記JISA硬さHo及びHiが、75゜未満になると、中間ゴム部10との剛性差が大きくなり、ゴム界面で歪の集中が生じて耐久性が低下しやすい傾向があり、逆に86゜を超えると、乗り心地が悪化する傾向があるほか、外側ゴム部11の外端部近傍においてサイドウォールゴム3Gとの剛性差が大きくなり、この部分に損傷が生じやすくなる。なお本実施形態では、内側ゴム部9と外側ゴム部11とはJISA硬さが同一のゴムが用いられているが、違えても良い。好ましくは、外側ゴム部11のJISA硬さHoは、内側ゴム部9のJISA硬さHiよりも小さいことが望ましい。外側ゴム部11は、走行時のノイズ性能や乗心地性能への寄与が大きいため、その硬さHoを小として乗心地等を向上することが望ましい。一方、内側ゴム部9はビードコア5と接触しているため、中間ゴム部10よりも小としつつ、外側ゴム部11よりも大として操縦安定性を高めるのが望ましい。
また中間ゴム部10のJISA硬さHcと外側ゴム部11のJISA硬さHoとの差(Hc−Ho)、又は、中間ゴム部10のJISA硬さHcと内側ゴム部9のJISA硬さHiとの差(Hc−Hi)は、特に限定はされないが、小さすぎると操縦安定性又は乗り心地のいずれかが低下しやすい傾向があり、逆に大きすぎると、各ゴム部の接合部の界面において歪が集中しやすくなる。このような観点より、前記JISA硬さの差(Hc−Ho)又は(Hc−Hi)は2〜24゜、より好ましくは7〜22゜が望ましい。
また好ましい態様として、ビードエーペックス8の各ゴム部9、10及び11の高さなどは次のように定めることが望ましい。先ずビードベースラインBLから内側ゴム部9の外端9Tまでのタイヤ半径方向の高さh1は、前記ビードエーペックスの高さhaの20〜80%、より好ましくは25〜75%であるのが望ましい。前記高さh1がビードエーペックスの高さhaの20%未満であると、内側ゴム部9のゴムボリュームが十分に確保できないため、乗り心地やロードノイズ性能の悪化が生じやすくなり、逆に80%を超えると、操縦安定性が低下する傾向がある。
またビードベースラインBLから中間ゴム部10のタイヤ半径方向の外端10Tまでの高さh2は、前記高さh1よりも大であるが、特に好ましくはビードエーペックスの高さhaの40〜70%、より好ましくは50〜60%であるのが望ましい。前記高さh2が40%未満であると、中間ゴム部10のゴムボリュームが低下し、操縦安定性や乗り心地が悪化する傾向があり、逆に70%を超えると、外側ゴム部11のゴムボリュームが低下し、ビードエーペックス8の外端8Tの近傍における歪の緩和能力が低下し損傷が生じやすくなる。
また中間ゴム部10のタイヤ軸方向の内面10aとカーカスプライの本体部6aとの接触部のタイヤ半径方向の長さLiも特に限定はされないが、この長さLiが小さいと、図3からも明らかなように、負荷走行時において本体部6aのカーカスコードが中間ゴム部10の内面10aを支点として局部的に大きな曲げが生じやすく、その結果、カーカスコードの破断や周囲ゴムとの剥離が生じやすくなる。このような観点より、前記長さLiは、3mm以上、より好ましくは5mm以上が望ましく、上限については10mm以下が望ましい。
また中間ゴム部10は、この実施形態のように、タイヤ軸方向の内面10aのタイヤ半径方向の長さLiよりもタイヤ軸方向の外面10bのタイヤ半径方向の長さLoを大とすることが望ましい。そして、タイヤ半径方向の内面10c及び外面10dの各斜面によって、中間ゴム部10は断面略三日月状を呈し、負荷走行時の曲げ変形に対して効果的な強度を発揮しうる。
上記実施形態では、2枚のカーカスプライ6A、6Bでカーカス6を構成した例を示したが、1枚のカーカスプライで構成することもできる。また前記実施形態では、乗用車用のタイヤを例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。
サイズが265/65R17の4WD車用の空気入りタイヤを表1の仕様により試作するとともに、各タイヤについてビード耐久性、操縦安定性及び乗り心地についてテストし性能を比較した。テストの方法は次の通りである。
<ビード耐久性>
各供試タイヤをリム(17×8.0)に装着し内圧190kPaを充填するとともに、縦荷重12.7kN、速度70km/Hで直径1.7mのドラムを3万km走行させ、目視にて確認可能な損傷が発生するまでの走行距離を測定した。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
<操縦安定性>
排気量2400ccの国産四輪駆動車に各供試タイヤを4輪装着するとともに、内圧 kPaを充填してドライアスファルト路面のテストコースをドライバー1名乗車で走行し、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により評価した。結果は、比較例1を6.0とする10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。
<乗り心地>
前記と同様のテスト車両を用いてドライアスファルト路面の段差路、ベルジャソ路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、比較例1を6.0とする10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。
<ロードノイズ>
上記テスト車両にて、スムース路面を速度50km/hにて走行させ、運転席左耳許位置にて1/3オクターブの250Hzバンドの騒音レベル(dB)を測定した。評価は、比較例1を基準とした増減値で表示している。
テストの結果等を表1〜2に示す。
Figure 2005271725
Figure 2005271725
テストの結果より、実施例のタイヤは、比較例に比べてビード耐久性が向上されていることが確認できる。また同時に、操縦安定性、乗り心地及びロードノイズについても比較例を上回る結果が確認できた。
本発明の実施形態を示す正規状態の空気入りタイヤの右半分断面図である。 そのビード部の部分拡大図である。 その荷重負荷状態の部分断面図である。 従来のビード部の構造を示す部分断面図である。 従来のビード部の構造を示す部分断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
9 内側ゴム部
10 中間ゴム部
11 外側ゴム部

Claims (6)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部に連なりビードコアの周りで折り返された折返し部とを有する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス、
    及び前記本体部と折返し部の間に配されかつ前記ビードコアのタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスを具えた空気入りタイヤであって、
    前記ビードエーペックスは、タイヤ半径方向内側に位置する内側ゴム部と、タイヤ半径方向外側に位置する外側ゴム部と、これらの間の中間ゴム部とから構成され、
    かつ前記外側ゴム部と前記内側ゴム部とは互いに接することなく配されるとともに、中間ゴム部は、前記外側ゴム部及び前記内側ゴム部よりもJISA硬さが大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を負荷した負荷状態におけるタイヤ子午線断面において、
    前記中間ゴム部は、前記正規リムのリムフランジとビード部の外面とが接触する最もタイヤ半径方向外側の点であるリム離反点から前記カーカスプライの本体部に立てた法線と交わる位置に配されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記外側ゴム部及び前記内側ゴム部は、前記法線と交わらない位置に配されていることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記中間ゴム部は、JISA硬さが90〜99゜であり、かつ前記外側ゴム部及び内側ゴム部のJISA硬さが75〜88゜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記中間ゴム部は、そのタイヤ半径方向の外端までの高さがビードエーペックスの高さの40〜70%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記中間ゴム部は、タイヤ軸方向の内面が前記本体部に、かつ、タイヤ軸方向の外面が前記折返し部にそれぞれ接触するとともに、前記内面と前記本体部との接触部分のタイヤ半径方向の長さが3〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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