JP2005271647A - ベビーカー - Google Patents
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Abstract
【課題】 車体幅を削減するとともに高剛性を有するベビーカーを提供する。
【解決手段】 ベビーカー10は、手押し杆11と、手押し杆11に回動自在に連結された左右一対のアームレスト40と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の前脚21と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の後脚31と、各前脚21の下端に車輪キャスターホルダー26を介して設けられた前車輪23と、各後脚31の下端に車輪キャスターホルダー36を介して設けられた後車輪33とを備えている。 一対の前脚21および一対の後脚31のうち少なくとも一方の一対の脚は、下方に向けて脚間が幅方向に広がるように傾斜している。該一対の脚に取り付けられる車輪キャスターホルダーはベビーカー10の幅方向内側に折れ曲がり、その下方部において該一対の脚の軸線L上より幅方向内側で車輪を保持する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ベビーカー10は、手押し杆11と、手押し杆11に回動自在に連結された左右一対のアームレスト40と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の前脚21と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の後脚31と、各前脚21の下端に車輪キャスターホルダー26を介して設けられた前車輪23と、各後脚31の下端に車輪キャスターホルダー36を介して設けられた後車輪33とを備えている。 一対の前脚21および一対の後脚31のうち少なくとも一方の一対の脚は、下方に向けて脚間が幅方向に広がるように傾斜している。該一対の脚に取り付けられる車輪キャスターホルダーはベビーカー10の幅方向内側に折れ曲がり、その下方部において該一対の脚の軸線L上より幅方向内側で車輪を保持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は折り畳み式ベビーカーに係り、とりわけ高剛性で車体幅を削減することができるベビーカーに関する。
一般に、乳幼児を散歩や買い物等のために屋外に連れ出す場合に使用されるベビーカーにおいては、必要に応じて折り畳み、収納や携帯が容易になるようにしたものが種々提案されている。
ところが、従来のベビーカーにおいては、ベビーカーを正面から見た場合に脚が接地面に対して垂直となっているため、特に左右方向の剛性が低く、ベビーカーの進行が不安定になる等の問題がある。しかも、ベビーカーの幅が狭くなるように折り畳めるようにした所謂三つ折りタイプのベビーカーにおいては、多数の枢着部が設けられているので車体の剛性がさらに低くなる。一方、車体の剛性を高くしようとすると車体の重量が重くなり、さらに折り畳み操作時に多くの操作が必要となることから使い勝手が悪くなる等の問題がある。
このような問題点を考慮し、左右一対の前脚および左右一対の後脚がそれぞれ下方に向けて脚間が幅方向に広がるように傾斜したベビーカーも開発されている(特許文献1)。
特開2003−182588
特許文献1に開示されたベビーカーにおいては、下方に向けて各脚間が幅方向に広がるように傾斜しているため、ベビーカー使用時には、各脚間を広げる方向にのみ荷重が加えられ、ベビーカーを高剛性とすることができる。
しかしながら、左右一対の前脚および左右一対の後脚をそれぞれ下方に向けて脚間が幅方向に広がるように傾斜させた場合、脚部下端における車体幅が広くなってしまう。この場合、混み合った場所でのベビーカーの使用が不便となり、またベビーカーを展開した状態で改札等を通過することができないという不都合も生じる。
また、特許文献1に開示されたベビーカーは脚間にX字状のリンクを有し、ベビーカーを折り畳む際には、このX字状のリンクが左右一対の前脚および左右一対の後脚をベビーカーの幅方向中央に引き寄せる構造となっている。このため、折り畳み時にはベビーカーの前後方向だけでなく幅方向にも縮小することができるが、この場合、上述した車体幅を小さくするため脚部の傾斜を緩くすると、脚部と脚間に配置されたリンクが接触してベビーカーを折り畳むことができないという不都合が生じる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、車体幅を削減することができ、かつ高剛性を有するベビーカーを提供することを目的とする。
本発明は、ベビーカーにおいて、手押し杆と、手押し杆に回動自在に連結された左右一対のアームレストと、各アームレストに回動自在に連結された左右一対の前脚と、各アームレストに回動自在に連結された左右一対の後脚と、各前脚の下端に車輪キャスターホルダーを介して設けられた前車輪と、各後脚の下端に車輪キャスターホルダーを介して設けられた後車輪とを備え、一対の前脚および一対の後脚のうち少なくとも一方の一対の脚は、下方に向けて脚間がベビーカーの幅方向に広がるように傾斜しており、該一対の脚に取り付けられる車輪キャスターホルダーはベビーカーの幅方向内側に折れ曲がり、その下方部において該一対の脚の軸線上より幅方向内側で車輪を保持することを特徴とするベビーカーである。
本発明は、上記一対の車輪キャスターホルダーは、各々対応する脚を受ける脚受け部と、対応する車輪を保持する保持部と、脚受け部と保持部とを連結しベビーカーの幅方向外側から幅方向内側に折れ曲がった連結部とを有していることを特徴とするベビーカーである。
本発明によれば、下方に向けて脚間がベビーカーの幅方向に広がるように傾斜した脚の下端に、車輪が脚の軸線上よりベビーカーの幅方向内側にて保持されている。これにより、ベビーカーを高剛性に維持しつつ、ベビーカーの車体幅を削減することができる。
以下添付図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図12は本発明による折り畳み式のベビーカーの実施の形態を示す図である。
このうち図1はベビーカーの展開した状態を示す正面図であり、図2はベビーカーの展開した状態を示す側面図であり、図3はベビーカーの展開した状態を示す斜視図であり、図4はベビーカーの折り畳んだ状態を示す側面図であり、図5はベビーカーの折り畳んだ状態を示す正面図であり、図6はベビーカーの前脚の下端部分を示す正面図である。
図1乃至図5に示すように、ベビーカー10は、手押し杆11と、後端を手押し杆11に回動自在に連結された左右一対のアームレスト40と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の前脚21と、各アームレスト40に回動自在に連結された左右一対の後脚31と、各前脚21の下端に前車輪キャスターホルダー26を介して設けられた前車輪23と、各後脚31の下端に後車輪キャスターホルダー36を介して設けられた後車輪33とを備えている。
まず手押し杆11について説明する。手押し杆11は一対の管部11aと各管部11a同士を連結する水平杆部11bとを有する略逆U字状からなっている。図2乃至図4に示すように、手押し杆11の各管部11aの下端はブラケット13の一端部近傍と回動自在に連結されている。一方、各ブラケット13の他端部近傍は一対の後脚31の中間部と回動自在に連結されている。
図3に示すように、この各ブラケット13は各手押し杆11の管部11aおよび後脚31を挟む一対の略V字状の部材13a,13bからなっている。各略V字状部材13a,13bは、手押し杆11および後脚31への2本の連結軸によって互いに対して固定された状態で、手押し杆11および後脚31に対して回動する。外側の略V字状部材13aの一端には係合溝13cが設けられており(図2および図3)、内側の略V字状部材13bの他端には突出部13dが設けられている(図3)。
また、特に図3に示すように、手押し杆11のブラケット13との連結箇所より上方には、延長杆15が取り付けられている。延長杆15は手押し杆11への取り付け部15aと、取り付け部15aから延びる延長部15bとからなる。延長部15bは、ブラケット13の内側の略V字状部材13bよりもベビーカーの幅方向内側に配置され、手押し杆11の管部11aと平行な方向を下方に向けて延びている。延長杆15の取り付け部15aは、ベビーカー10を展開した状態においてブラケット13の上方に隣接して配置され、延長杆15はブラケット13の係合溝13cと係合する係合ピン15cをさらに有している(図2および図3)。
係合ピン15cは手押し杆11内に設けられた図示しないバネにより下方に向けて付勢されており、ベビーカー10を展開した状態においては、係合ピン15cはブラケット13の係合溝13c内に配置される。また、ベビーカー10を展開した状態において、手押し杆11の管部11a下端が後脚31に当接している(図3)。これらにより、ベビーカー10を展開した状態における、手押し杆11とブラケット13および後脚31との位置関係が固定される。
一方、係合ピン15cは手押し杆11内に延在する図示しないワイヤを介して手押し杆11の水平杆部11b中央に設けられたロック操作装置100に連結されている。ロック操作装置100を操作すると、係合ピン15cはバネの力に抗して延長杆15の取り付け部15a内に引き込まれ、ブラケット13の手押し杆11に対する回動が可能となる。
また、手押し杆11の各管部11a下端には左右一対のフレーム17の一端が回動自在に連結されている。本実施の形態において、フレーム17は延長杆15の内側に配置され、フレーム17の手押し杆11に対する回動軸は、ブラケット13の手押し杆11に対する回動軸と同一軸上となっている。なお、この各フレーム17の他端は前脚21の中間部に回動自在に連結されている。
さらに、手押し杆11は水平杆部11bの中央に、すなわちロック操作装置100のケース内に図示しないヒンジが設けられており、手押し杆11の一対の管部11aはこのヒンジを中心として互いに接近するように揺動することができる。
次に図8乃至図11を参照してアームレスト40について説明する。このうち図8はアームレスト40の斜視図であり、図9はアームレスト40の先端部分の分解斜視図であり、図10はアームレスト40の先端部分の下面図であり、図11はアームレスト40の先端部分の断面斜視図である。なお、一対のアームレスト40は左右対称な構造となっており、図8乃至図11に図示したアームレスト40はベビーカー10を正面から見た場合に右側に配置されるアームレストである。
図8乃至図11に示すように、アームレスト40は、後端を手押し杆11に連結されたアームレスト本体41と、アームレスト本体41の先端に支持されガードアーム56を取り外し自在に係止するアームレスト接合部46とを有している。
図10および図11に示すように、アームレスト本体41は先端部を除き下方に開口しており、その先端面42は曲面状となっている。また、図9に示すように、アームレスト本体41はその先端面42の略中央に設けられた横長の貫通孔43と、貫通孔43の上方に設けられた開口からなるバネホルダ44とを有している。
一方、アームレスト接合部46は、アームレスト本体41の貫通孔43に挿入される軸部47と、アームレスト本体41の先端面42に係合しガードアーム56の端面に当接するつば部49と、ガードアーム56に挿入されガードアーム56を係止する係合部51とからなる(特に図9参照)。
このうち、軸部47は一端側が半球状となった円筒状からなり、その中間部に上下に延びる孔47aを有している。つば部49の後面49aはアームレスト本体41の先端面42に対応した曲面状となっている。この後面49aの上方幅方向内側にはバネ当てリブ49bが設けられており、このバネ当てリブ49bはアームレスト本体41のバネホルダ44内に配置される(図11)。アームレスト接合部46の係合部51は円筒状からなり、その先端近傍に一対の係合突起51aが設けられている。この係合突起51aは係合部51内に設けられた図示しないバネによって両側方に向けて付勢され、係合部51の側面から突出している。一方、この係合突起51aは、図示しないバネの弾発力に抗して押し込まれることにより、係合部51内に収納され得る。
また、アーレスト本体41の貫通孔43内にアームレスト接合部46の軸部47が挿入され、この状態で軸部47の孔47aにピン53が挿入されている(図10(a)(b))。ピン53は孔47aを貫通し、アームレスト本体41の内側に設けられた図示しない溝に係合して位置決めされるとともに、割ピン54によってアームレスト本体41に固定される(図10(a)(b))。上述の措置により、アームレスト接合部46はピン53を中心として、アームレスト本体41に対しベビーカー10の幅方向に揺動することができる。
また、アームレスト本体41の内側には一対の規制ピン45a,45bが突設されている。図10(a)(b)において右側の規制ピン45aは、アームレスト接合部46の幅方向内側への揺動を規制するものであり、図10(a)(b)において左側の規制ピン45bは、アームレスト接合部46の幅方向外側への揺動を規制するものである。
図10(a)はベビーカー10を展開した場合におけるアームレスト接合部46の状態を示す図であり、アームレスト接合部46はアームレスト本体41の略正面に配置されている。アームレスト接合部46がこのような展開位置にある場合、アームレスト本体41の規制ピン45aはアームレスト接合部46の軸部47に当接し、アームレスト接合部46のさらなる幅方向内側への揺動は規制されている。すなわち、アームレスト接合部46の展開位置は、揺動範囲の中で最も幅方向内側となっている。
一方、図10(b)はベビーカー10を折り畳んだ場合におけるアームレスト接合部46の状態を示す図であり、アームレスト接合部46はアームレスト本体41に対してベビーカー10の幅方向外側に配置されている(図5)。アームレスト接合部46がこのような折り畳み位置にある場合、アームレスト本体41の規制ピン45bはアームレスト接合部46の軸部47に当接し、アームレスト接合部46のさらなる幅方向外側への揺動は規制されている。すなわち、アームレスト接合部46の折り畳み位置は、揺動範囲の中で最も幅方向外側となっている。
さらに、アームレスト本体41のバネホルダ44には圧縮された圧縮コイルバネ45が設けられている。図11に示すように、圧縮コイルバネ45はバネホルダ44内でベビーカー10の幅方向に延び、圧縮コイルバネ45の幅方向内側端部にはアームレスト接合部46のバネ当てリブ49bが当接している。これにより、アームレスト接合部46は圧縮コイルバネ45により展開位置に向けて付勢されている。なお、図11(a)はアームレスト接合部46が展開位置にある状態を示す図であり、図11(b)はアームレスト接合部46が折り畳み位置にある状態を示す図である。図11(a)および図11(b)に示すように、アームレスト接合部46は展開位置から折り畳み位置へ揺動するにしたがって、圧縮コイルバネを圧縮していくようになっている。
次に、ガードアーム56について説明する。図3および図5に示すように、ガードアーム56はアームレスト40へ接合される一対のガードアーム接合部58と、一対のガードアーム接合部58間に設けられたガードアーム本体57とを有している。
図12はアームレスト40への取り付け構造を示すガードアーム56の部分断面図である。図12に示すように、ガードアーム接合部58はそのアームレスト側の端面にアームレスト接合部46の係合部51を受ける開口59を有し、またガードアーム接合部58は開口59の設けられた部分よりアームレスト40から離れた位置においてベビーカー10の幅方向内側に向けて曲がっている。開口59は、開口端に設けられ外方に向けて開口径が広がる案内部59aを有し、また開口59の底面近傍において段差59bを介して径が大きくなっている。この段差59bと係合部51の係合突起51aが係合し、ガードアーム56はアームレスト40に係止される。ガードアーム接合部58には解除ボタン59cが設けられており、解除ボタン59cは、係合突起51aが段差59bに係合した状態において、係合突起51aの先端に対面する。この解除ボタン59cはガードアーム接合部58内をガードアーム接合部58に対して横方向に摺動することができ、解除ボタン59cをガードアーム接合部58内に押し込むことにより、係合ピン51aが図示しないバネの力に抗して係合部51内に収納される。
ガードアーム本体57は心となる骨材57bと骨材57bを覆うガード材57aとからなる。骨材57bは略中央部に設けられた2つの関節57e,57eを介し、互いに揺動自在に連結された3つの部材57c,57d,57cからなる(図5)。このうち両側の部材57c,57cは一対のガードアーム接合部58とそれぞれ一体に成形されている。ガード材57aはゴム等の可撓性材料からなり、ベビーカー10を展開した場合(例えば図3)に撓みが生じていない状態となっている。したがって、力を加えることにより、ガード材57aを変形させるとともに、骨材57bの3つの部材57c,57d,57cを互いに対して揺動させ、ガードアーム本体57を曲げることができる(図5)。
次に図1により、前脚21について詳述する。前脚21は、特に図1に示すように、下方に向けて脚間がベビーカー10の幅方向に広がるように傾斜している。図1および図6に示すように、前脚21の下端に設けられた前車輪キャスターホルダー26は、前脚21を受ける脚受け部27と、前車輪23を下方部において保持する保持部29と、脚受け部27と保持部29とを連結する連結部28とからなっている。このうち保持部29は接地面に対して略垂直に配置され、また連結部28は保持部29が前脚21の軸線L上に配置された脚受け部27よりベビーカー10の幅方向内側に配置されるよう折れ曲がっている。これにより、保持部29は前脚21の軸線Lよりベビーカー10の幅方向内側で前車輪23を保持することができ、ベビーカー10の車体幅を削減することができる。
次に図7(a)(b)により、前車輪キャスターホルダー26ついてさらに説明する。ここで図7(a)はベビーカー10を展開した状態における前車輪キャスターホルダー26を示す断面図であり、図7(b)はベビーカー10を折り畳んだ状態における前車輪キャスターホルダー26を示す断面図である。
図7(a)に示すように、前車輪23は双輪構造となっており、各輪23a,23aは車輪軸23bにより連結され、車輪軸23bの中央部には略球状の軸支持体23cが固着されている。前車輪キャスターホルダー26の保持部29には、この軸支持体23cに係合する凹部29aと、凹部29aの両側に配置されたスリット29bが設けられている。また、軸支持体23cは凹部29aに収納されるとともに、保持部29内の軸支持体23c上方に配置されたバネ30により凹部29aに向けて押圧されている。このような構成により、前車輪23は前車輪キャスターホルダー26に回転自在に支持されるとともに、前車輪23の車輪軸23bは常に接地面に対して平行に配置される。これにより、前脚21が接地面に対してなす傾斜角度が変化したとしても、常に走行をスムースに行うことができる(図7(b))。
また、図1に示すように前脚21とフレーム17との回動軸線上には、一対のボス61がフレーム17の内側に設けられている。ボス22はフレーム17と前脚21との回動軸と同一軸上で、前脚21およびフレーム17に対して回動自在となっている。また、このボス61間にこれらを連結する前脚ステー62が設けられており、前脚ステー62は中央部62aと、中央部62aの両側に配置された一対の両側部62b,62bとからなる。中央部62aと両側部62bとの連結箇所および両側部62bとボス61との連結箇所は、中央部62aが前方上方にせり出すことができる方向に屈曲自在となっているが、逆方向には屈曲することができない(図4および図5)。
図1に示すように、各前脚21の下端部近傍には一対のボス64が設けられ、このボス64間にこれらを連結するフットレスト65が設けられている。フットレスト65はフットレスト部65aと、フットレスト部65aの両側に配置された一対の両側部65b,65bとからなっている。フットレスト部65aと両側部65bとの連結箇所および両側部65bとボス64との連結箇所は、フットレスト部65aが前脚21と平行な方向に沿って上方にせり出すことができる上方向に屈曲自在となっているが、下方向には屈曲することができない(図4および図5)。
また、図3に示すように、フレーム17とフットレスト65の側部65bとの間に、これらを連結する連結杆66が設けられている。連結杆66の上方端は、フレーム17と前脚21との連結箇所より後方側のフレーム17上に回動自在に取り付けられている。一方、連結杆66の下方端は、フットレスト65の側部65bとボス64との連結箇所より幅方向外側の側部65b上に連結されている。これにより、フレーム17が後方側を下げるように前脚21に対して回動した場合、フットレスト65はフットレスト部65aが上方にせり出すように連結杆66により付勢される。
次に後脚31について、特に図1および図3を参照してさらに詳述する。後脚31は、前脚21と同様に下方に向けて脚間がベビーカー10の幅方向に広がるように傾斜している。また、後車輪キャスターホルダー36も前車輪キャスターホルダー26の保持部29と同様の構成を有しており、双輪構造の後車輪33の各輪33a,33aを連結する車輪軸33bも常に接地面に対して平行に配置されるようになっている。
各後脚31の下端部近傍には一対のボス67が設けられ、このボス67間にこれらを連結する後脚ステー68が設けられている。後脚ステー68は中央部68aと、中央部68aの両側に配置された一対の両側部68b,68bとからなる。中央部68aと両側部68bとの連結箇所および両側部68bとボス67との連結箇所は、中央部68aが前方上方にせり出すことができる方向に屈曲自在となっているが、逆方向には屈曲することができない(図4および図5)。
また、図3に示すように、ブラケット13の内側の略V字状部材13bと後脚ステー68の側部68bとの間に連結杆69が設けられている。連結杆69の上方端は、ブラケット13の内側の略V字状部材13bの突出部13dに回動自在に取り付けられており、一方、連結杆69の下方端は、後脚ステー68の側部68bとボス67との連結箇所より幅方向内側の側部68b上に連結されている。このような構成により、ブラケット13が後脚31に対して回動して突出部13dが上方に移動すると、後脚ステー68は中央部68aが上方に持ち上げられるように連結杆69により付勢される。
ところで、特に図3に示すように、左右の前脚21と手押し杆11の下方に取り付けられた延長杆15との間に、ベビーカー10の展開状態時に後方下方にわずかに傾斜したX字状リンク71が設けられている。このX字状リンク71は、ほぼ中央部が互いに対して回動自在に連結された2本のリンク71a,71bにより構成されている。
各リンク71a,71bの後端部は、ボス72を介して延長杆15の延長部15b下端と連結されている。なお、このボス72はベビーカー10の略幅方向に伸びる軸を中心として延長杆15に対し回動自在であり、また、各リンク71a,71bはこのボス72に対して揺動自在となっている。一方、各リンク71a,71bの前端部は前脚ステー62の側部62bとボス61との連結箇所より幅方向内側の側部62b上に、側部62bに対して揺動自在に連結されている。これにより、X字状リンク71の各リンク71a,71bが前後方向に向くよう閉方向に回動した場合、前脚ステー62は中央部62aが上方前方にせり出すようにX字状リンク71により付勢される。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、ベビーカー10を展開した状態から折り畳む方法について説明する。
この場合、まずブラケット13が後脚31との連結軸を中心として、後脚31に対し図2において時計回り方向に回動するように、ロック操作装置100を操作しながら手押し杆11をいったん手前方向に引き上げた後、押し下げる。このとき、ブラケット13の後脚31に対する回動に伴い、手押し杆11が下方位置に移動されながら後脚31に対して略平行に配置されるようになる。
また、手押し杆11に枢着されたアームレスト40及びフレーム17は手押し杆11に対して図2おいて時計回り方向に回動し、後方が下方に配置されるように傾斜する。これによって前脚21と手押し杆11が略平行状態を保ちながら接近するように移動され、図4に示すようにベビーカー10の前後方向の寸法が縮小される。
一方、図2および図4に示すように、上記フレーム17の手押し杆11に対する回動に伴い、X字状リンク71のベビーカー10の側方から見た長さは長くなる。このとき、X字状リンク71の各リンク71a,71bはそれぞれベビーカー10の前後方向に延びるように互いに対して回動する。このようなX字状リンク71の閉方向の回動に伴い、延長杆15を介してX字状リンク71に連結された手押し杆11は、下端における間隔を狭めるよう水平杆部11bに設けられた図示しないヒンジを中心として揺動する。
また、アームレスト40を介して手押し杆11に連結された前脚21および後脚31も、手押し杆11の水平杆部11bに設けられた図示しないヒンジを中心として揺動するようにして間隔を狭める。これによって、図5に示すようにベビーカー10の幅方向の寸法が縮小される。
このとき、X字状リンク71の閉方向の回動により、前脚ステー62は中央部62aが上方前方にせり出すよう付勢される。また、フレーム17の回動に伴い連結杆66が押し下げられることにより、フットレスト65のフットレスト部65aは上方にせり出すよう付勢される。さらに、ブラケット13の回動に伴い連結杆69が引き上げられることにより、後脚ステー68は中央部68aが上方前方にせり出すよう付勢される。一対の前脚21間および一対の後脚31間を連結する前脚ステー62、後脚ステー68およびフットレスト65がこのように動作することにより、前脚21および後脚31はスムースに接近することができる。
また、前脚21および後脚31は展開した状態において下方に向けて脚間が広がるよう傾斜して配置されている。したがって、前脚21および後脚31が手押し杆11の図示しないヒンジを中心として揺動するようにして間隔を狭めても、図5に示すように、一対の前脚21同士または一対の後脚31同士が接触してしまうことを防止することができ、あるいは前脚21または後脚31が脚間に配置される部材等に接触してしまうことを防止することができる。
さらに、手押し杆11の水平杆部11bに設けられた図示しないヒンジを中心とし、アームレスト40が揺動して間隔を狭める際、ガードアーム本体57をコンパクトに小さく曲げる必要がある。本実施の形態によれば、ガードアーム56を係止するアームレスト接合部46がアームレスト本体41に対して、展開位置から折り畳み位置へ揺動することができる。したがって、ベビーカー10を折り畳む際には、ガードアーム本体57の曲げ抵抗により、アームレスト接合部46が折り畳み位置へ、すなわちアームレスト本体41に対してベビーカー10の幅方向外側へ押圧される。これにより、ベビーカー10を折り畳むことによって曲げられるガードアーム本体57の曲がりを緩くすることができ、ベビーカー10の折り畳み抵抗を軽減することができる。
また、ガードアーム本体57を小さくきつく曲げる必要がないため、ガードアーム本体57の骨材57bの関節数を減ずることができ、また可撓性材料57aとして剛性の高いものを使用することもできる。これにより、ガードアーム56の剛性を高めることができるので、幼児をより安全に防護することができる。
また、ベビーカー10を折り畳むことにより前脚21および後脚31の傾斜角度が変化するが、車輪23,33の車輪軸23b,33bは常に接地面に対して平行に配置されるようになっている。したがって、ベビーカー10の折り畳み時および展開時のいずれの場合においても、車輪23,33による走行を常にスムースに行うことができる。また、本実施の形態においては、各車輪23,33を製造上の制度が要求される双輪構造としているが、各キャスターホルダー26,36を上述したように構成することにより、常に車輪軸23b,33bが接地面に対して平行に配置されるため、製造上の誤差を補正することができ、ひいては品質の向上を図ることができる。
一方、折り畳まれたベビーカー10を展開する場合には、手押し杆11を引き上げ、ブラケット13を後脚31との連結軸を中心として、後脚31に対し図4において反時計回り方向に回動させる。これにより、折り畳む場合と逆の手順でベビーカー10が展開され、図2に示す状態となる。この場合、手押し杆11の管部11a下端が後脚に当接するとともに手押し杆11の係合ピン15cがブラケット13の係合溝13cに係合する。これにより手押し杆11と、後脚31およびブラケット13の位置関係が固定される。
このように、手押し杆11を引き上げおよび押し下げることにより、ベビーカー10を容易に折り畳むことができるとともに、容易に展開することができる。
またこのとき、圧縮コイルバネ45によるバネ当てリブ49bの押圧およびガードアーム本体57の復元力により、アームレスト接合部46は展開位置に戻される。
次にベビーカー10を使用する場合について説明する。ベビーカー10に幼児を乗せる場合には、ガードアーム56を一度アームレスト40から取り外す。この場合、まずガードアーム接合部58の解除ボタン59cを押す。これにより、アームレスト接合部46の係合突起51aが係合部51内に入り込むので、ガードアーム56をアームレスト40から容易に引き抜くことができる。
幼児をベビーカーに乗せた後、ガードアーム56を再度アームレスト40に取り付ける。この場合、アームレスト接合部46は圧縮コイルバネ45に付勢されて、常に展開位置、すなわちアームレスト本体41の略正面に配置されている。このため、保護者がアームレスト接合部46の位置を調整する必要はなく、あるいはガードアーム本体57を変形させることなく、ガードアーム56をアームレスト40に容易に取り付けることができる。
また、ガードアーム接合部58の開口59は、外方に向けて開口径が広がる案内部59aを有しているので、案内部59aの傾斜面に沿って、係合部51の係合突起51aは係合部51内に入り込むことができ、係合突起51aは係合部51の開口59への挿入を妨げることはない。一方、係合突起51aは開口59の底面近傍における径が大きくなっている部分において、図示しないバネの付勢力により側方に突出して段差59bに係合する。これにより、ガードアーム接合部58はアームレスト接合部46に係止される。このように、本実施の形態によれば、ガードアーム接合部58の開口59内にアームレスト接合部46の係合部51を押し入れるだけで容易にガードアーム56をアームレスト40に取り付けることができる。
また、ベビーカー10を展開した状態においては、前脚21及び後脚31はともに下方に向けて脚間が幅方向に広がるように傾斜しているので、ベビーカー10を使用する場合には脚間が開く方向のみに力が作用する。これにより、一対の前脚21間および一対の後脚31間を連結する前脚ステー62、後脚ステー68、フットレスト65およびX字状リンク71に加わる荷重は引っ張り方向のみに限定され、車体を高剛性とすることができ、安定した走行を行うことができる。
さらにまた、前車輪23は前車輪キャスターホルダー26により、前脚21の軸線L上よりベビーカー10の幅方向内側で保持されているので、前脚21を下方に向けて脚間が広がるように傾斜させたとしても、ベビーカー10の車幅を狭めることができる。
また、左右一対の前脚21および後脚31を連結する前脚ステー62、後脚ステー68、フットレスト65およびX字状リンク71は車体の補強材としても機能し、車体の強度を増加させることもできる。
以上のように本実施の形態によれば、ベビーカー10を展開した状態において、前脚21及び後脚31はともに下方に向けて脚間がベビーカー10の幅方向に広がるように傾斜しているので、ベビーカー10を使用する場合には脚間が開く方向のみに力が作用する。これにより、前脚ステー62、後脚ステー68、フットレスト65およびX字状リンク71に加わる荷重は引っ張り方向のみに限定され、ベビーカー10を高剛性とすることができ、安定した走行を行うことができる。
また、下方に向けて脚間が広がるように大きく傾斜した前脚21の下端には、前車輪キャスターホルダー26を介して前車輪23が保持されている。この前車輪キャスターホルダー26はベビーカー10の幅方向外側から幅方向内側に折れ曲がり、前脚21の軸線Lよりベビーカー10の幅方向内側で前車輪23を保持することができるので、ベビーカー10の車体幅を削減することができる。
さらにまた、このようなキャスターホルダー26を用いるとともに前脚21および後脚31を下方に向けて脚間が広がるように大きく傾斜させていることから、脚間にリンク等を配置するスペースを充分確保することができる。また、幅方向に縮小されるようにベビーカー10を折り畳んだとしても、前脚21または後脚31が脚間に配置されるリンク等に接触してしまうことを防止することができる。
また、ベビーカー10を折り畳む際には、ガードアーム本体57の曲げ抵抗により、アームレスト接合部46が折り畳み位置へ、すなわちアームレスト本体41に対してベビーカー10の幅方向外側へ押圧される。これにより、ベビーカー10を折り畳むことによって曲げられるガードアーム本体57の曲がりを緩くすることができ、ベビーカー10の折り畳み抵抗を軽減することができる。
さらに、ガードアーム本体57を小さくきつく曲げる必要がないため、ガードアーム本体57の骨材57bの関節数を減ずることができ、また可撓性材料57aとして剛性の高いものを使用することもできる。これにより、ガードアーム56の剛性を高めることができるので、幼児をより安全に防護することができる。
さらにまた、ベビーカー10を展開した状態でガードアーム56をアームレスト40に取り付ける場合、アームレスト接合部46は圧縮コイルバネ45に付勢されて、常に展開位置、すなわちアームレスト本体41の略正面に配置されている。このため、保護者がアームレスト接合部46の位置を調整する必要はなく、あるいはガードアーム本体57を変形させることなく、ガードアーム56をアームレスト40に容易に取り付けることができる。
なお、本実施の形態においては、前脚21と後脚31の両方が下方に向けて脚間が広がるように傾斜した例を示したが、これに限らず、前脚21または後脚31のいずれかのみを傾斜させてもよい。
また、本実施の形態においては、前車輪キャスターホルダー26のみを脚軸線L上よりベビーカー10の幅方向内側に折り曲げる例を示したが、これに限らず、前車輪キャスターホルダー26および後車輪キャスターホルダー36の両方を対応する脚軸線上よりベビーカー10の幅方向内側に折り曲げてもよいし、あるいは後車輪キャスターホルダー36のみを脚軸線上よりベビーカー10の幅方向内側に折り曲げてもよい。
さらに、本実施の形態においては、アームレスト接合部46はアームレスト本体41に対してベビーカー10の幅方向に揺動する例を示したが、これに限らず、所謂三つ折りタイプのベビーカー等に用いる場合には、アームレスト接合部46がアームレスト本体41に対して上下方向に揺動するようにしてもよい。
さらにまた、アームレスト接合部46がアームレスト本体41に対して揺動する例を示したが、これに限らず、ガードアーム接合部58がガードアーム本体57に対して揺動するようにしてもよいし、アームレスト接合部46がアームレスト本体41に対して揺動するとともにガードアーム接合部58がガードアーム本体57に対して揺動するようにしてもよい。
10 ベビーカー
11 手押し杆
21 前脚
23 前車輪
26 キャスターホルダー
27 脚受け部
28 連結部
29 保持部
31 後脚
33 後車輪
36 キャスターホルダー
40 アームレスト
L 軸線
11 手押し杆
21 前脚
23 前車輪
26 キャスターホルダー
27 脚受け部
28 連結部
29 保持部
31 後脚
33 後車輪
36 キャスターホルダー
40 アームレスト
L 軸線
Claims (2)
- ベビーカーにおいて、
手押し杆と、
手押し杆に回動自在に連結された左右一対のアームレストと、
各アームレストに回動自在に連結された左右一対の前脚と、
各アームレストに回動自在に連結された左右一対の後脚と、
各前脚の下端に車輪キャスターホルダーを介して設けられた前車輪と、
各後脚の下端に車輪キャスターホルダーを介して設けられた後車輪とを備え、
一対の前脚および一対の後脚のうち少なくとも一方の一対の脚は、下方に向けて脚間がベビーカーの幅方向に広がるように傾斜しており、
該一対の脚に取り付けられる車輪キャスターホルダーはベビーカーの幅方向内側に折れ曲がり、その下方部において該一対の脚の軸線上より幅方向内側で車輪を保持することを特徴とするベビーカー。 - 上記一対の車輪キャスターホルダーは、各々対応する脚を受ける脚受け部と、対応する車輪を保持する保持部と、脚受け部と保持部とを連結しベビーカーの幅方向外側から幅方向内側に折れ曲がった連結部とを有していることを特徴とする請求項1記載のベビーカー。
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