JP2005271543A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、圧電素子によりインクに圧力を加えてインク滴を飛翔させ、印刷媒体にインク像を形成するインクジェットプリンタの高密度化および高周波数での吐出特性の改善に関する。
従来から、圧電素子などの圧力発生手段により、圧力室の容積を変化させ、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図10に圧電素子を用いたインクジェットヘッドの例を示す。インク流路は一枚以上の薄板を接合して形成する。図10の例では、ノズル1を有するノズルプレート2、圧力室4が形成されたチャンバプレート5、及び共通インク通路13と圧力室4とを連結して圧力室4へのインク流入を制御するリストリクタ6を形成したリストリクタプレート7とを位置決めして接合する。更に、圧電アクチュエータ14の圧力を圧力室4に伝えるための振動板8を形成したダイアフラムプレート10と、振動板8の振動領域を規定する穴部11aを有するサポートプレート11とを位置決めして接合する。これらの薄板を貼り合わせることで流路形成基板3を形成し、共通インク通路13を形成したハウジング12を同じように位置決めして接合する。
最後に、複数の圧電素子15とそれを固定する支持基板16からなる圧電アクチュエータ14を位置決めして接合する。圧電アクチュエータ14は複数の圧電素子15からなり、各々の圧電素子15は圧力室4の一つずつに対応するようになっている。各圧電素子15は個別電極17及び裏側に共通電極が接続されており、個別電極17に選択的な電気信号を加えることで、圧電素子15を変形させる。圧電素子15の変形が振動板8を介し圧力室4に伝わり、インクはノズル1からインク滴として吐出する。
しかしながら、この圧電素子15の変形を利用したインクジェットヘッドは、高密度化に伴い、2つの原因により、単独駆動時のインク滴吐出速度と複数ノズル駆動時のインク滴吐出速度とが異なってしまう、クロストークの課題を有している。さらに、高周波数で駆動した時、駆動ノズル自身の影響を受けて速度が変化してしまう周波数依存性、いわゆる自分自身とのクロストークの課題を有している。
1つ目の原因による第1のクロストークは、流路形成基板3の剛性が不足し、圧電素子15の駆動本数に応じて振動板8だけでなく、流路形成基板3自体が変形してしまう問題である。流路形成基板3が変形してしまうと、圧電素子15の見かけの変形量が減少してしまい吐出速度の低下となる。流路形成基板3の剛性はハウジング12の開口部の幅に大きく依存する。ハウジング12の開口部の精度は、一般的な機械加工の場合、±0.1mm程度である。開口部の広いものはクロストーク特性が悪く、狭いものは相対的に良くなる結果となり、インクジェットヘッド毎にもクロストーク特性がばらついてしまっていた。
2つ目の原因による第2のクロストークは、圧電素子15を用いたインクジェットヘッドには、圧電素子15同士が接着剤で繋がり、繋がった接着剤を介して隣接する圧電素子15の変形が振動板8に伝わってしまう問題である。隣接する圧電素子15の変形が振動板8に伝わってしまうと、圧電素子15の見かけの変形量が増加してしまい速度の増加となる。
自分自身とのクロストークは、第1のクロストークと同様の原因で発生する。流路形成基板3の剛性不足により、吐出後も流路形成基板3に残留振動が発生する。残留振動によりノズル1内のインクのメニスカス全体が振動し、高周波数で駆動すると吐出速度が低下してしまった。従って、インクジェットヘッドをより高い駆動周波数で駆動する妨げとなっていた。
上記したクロストークを解決するものとして、従来、以下のような発明が開示されている。
上記1つ目の原因によるクロストークを解決するものとしては、圧電素子と不動圧電素子を交互に列状に配置して流路形成基板の変形を防ぐ方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。その例を、図11に示す。圧電素子115の間に配置される不動圧電素子130が流路形成3を直接支えるため、圧電素子115の駆動による変形を防ぐ効果がある。しかしながら、この方法では圧電素子115のピッチを倍にする必要があり、高密度化には不向きである。
また、流路形成基板の隔壁に厚肉部を設け、流路形成基板自体の剛性を高める方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。その例を、図12に示す。隣接する圧力室104を隔てる隔壁105の一部に厚肉部105aを設けることで剛性を高めている。しかしながら、この方法では、圧力室104の構造が限定される上、高密度化の制約下で、剛性を高めるには限界が有り、クロストークを有効に防止できない。
また、圧力室形成部材とノズル形成部材の間に強化部材を設ける方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。その例を、図13に示す。複数の圧力室をもつ圧力室形成部材105と各圧力室に対応した複数のノズル101の間に、ノズル101に対応した連通穴141を有する強化部材140を設けることで剛性を高めている。しかしながら、この方法も強化部材140がインク流路の一部を形成するため、剛性を高めようと厚みを増せば、圧力室からノズルまでの距離を延ばすこととなり、充分な吐出性能が得られない。
また、ノズル基板101上に強化部材140を設ける方法もあるが、ノズル101と印刷媒体との間を広げることとなり、インク着地位置精度の悪化の要因となる。
また、弾性板の圧電素子が接着される面側に枠状の弾性板を配置する方法も知られている(例えば、特許文献5参照)。その例を、図14に示す。枠111aは、圧力室104の隔壁を支持し、流路形成基板の剛性を補う。且つ、枠111aは、振動板108の長手方向の振動領域を規定する。しかしながら、振動領域はコンプライアンスを確保するために、高密度化と共に低密度の場合と比べ細長くなり、枠111aが細くなる。一方で、枠111aを両端で支えるハウジング開口部112a、112bを狭めるのは困難である。従って、高密度化により、枠111aの剛性が低下してしまう。さらに、ステンレス材の薄板単体のエッチング加工法、精密プレス法、レーザ加工等で枠111aを製作する場合、厚さが0.2mm程度までとなり、枠111aのみで十分な強度が得られない問題があった。さらに、枠111aは振動板108の振動領域を規定し、間に圧電素子115が挿入されることから精度が必要である。板の厚さと精度の間にトレードオフの関係があるため、十分な剛性と精度とを同時に両立させることが困難であった。
また、上記2つ目の原因によるクロストークを解決するものとして、従来、以下のような発明が開示されている。
接着剤の広がりを規定する枠を設置する方法が知られている(例えば、特許文献6参照)。図15に、その例を示す。接着剤150は硬化時に振動板108上に広がるが、枠111aにより広がりが規定される。接着剤130は枠111a内の振動板108を全面覆うことでインク吐出のばらつきが低減される。しかしながら、振動板108全面を覆う程接着剤150を塗布すると、従来の枠111aでは、枠111aを乗り越えて接着剤150同士で繋がり、圧電素子115の駆動時に接着剤150を介して隣接する振動板108に変形が伝わり、結果、第2のクロストークを引き起こす問題があった。
解決しようとする問題点は、インクジェットヘッドの高密度化に伴う、流路形成基板の変形及び圧電素子間の接着剤を介したクロストークの増大である。
上記課題を解決する為、本発明では、インク滴を吐出するノズルが複数個列状に配列されるノズル基板と、前記ノズルに対応してインクを蓄える圧力室と、電気信号の印加により前記圧力室内に圧力変動を発生させる圧電素子と、前記圧力室の壁面の一部を形成して前記圧電素子と接着剤で連結されている振動板と、前記振動板上に配置され、前記圧力室に対向する部分に前記圧電素子が挿入される穴部を有し、該穴部により振動板の少なくとも一部の変形領域を規定するサポート部と、前記圧力室にインクを供給する流路であるリストリクタと、前記リストリクタにインクを供給する共通インク通路及び前記圧電素子群が挿入される開口部を有するハウジングと、を有するインクジェットプリンタにおいて、前記サポート部に設けられた穴部に対応するスリット穴部を有し、かつ、前記サポート部より高剛性の補強部材を、前記サポート部と前記ハウジングとの間に少なくとも1枚以上配置したことを特徴とする。
また、前記ノズル基板および圧力室、リストリクタ、振動板、サポート部からなる流路形成基板と、前記補強部材とを合わせた剛性は、圧電素子の変形によってノズル基板表面に発生する静的な変形量を、圧電素子の変形量の5%以下とする剛性を有することを特徴とする。
また、前記補強部材のスリット穴部の長手方向長さは、前記サポート部の穴部の長手方向長さ以下であることを特徴とする。
また、前記補強部材のスリット穴部の短手方向幅は、前記サポート部の穴部の短手方向幅以上であることを特徴とする。
また、前記圧電素子と振動板とを接合する接着剤は、前記サポート部によって囲まれる振動板全面を覆うことを特徴とする。
さらに、前記接着剤の厚さはサポート部の厚さ以上で、かつ、サポート部と補強部材の合計の厚さ以下であることを特徴とする。
本発明により、クロストークを抑制することができ、これによってノズル毎のインク吐出速度や吐出重量のばらつきを小さくすることが可能である。従って、例えば、ベタ印刷を行なう場合に、一定の吐出量で印刷濃度や膜厚のバラツキの小さい印刷が可能となる。
高密度化を図りつつ、クロストークを抑制する目的を、インク流路の設計に制約を与えることなく、実現した。
以下、本発明の一例について図面を参考にしながら説明する。
図1は、本発明のインクジェットヘッドの主要部の構造を説明する分解斜視図である。
流路形成基板3は一枚以上の薄板を接合して形成する。
複数のノズル1が形成されたノズル基板2と、圧力室4が形成されたチャンバプレート5とを位置決めして接合する。次に、共通インク通路13と圧力室4とを連結して圧力室4へのインク流入を制御するリストリクタ6を形成したリストリクタプレート7と接合する。また、圧電アクチュエータ14の圧力を効率よく圧力室4に伝えるための振動板8と共通インク通路13からリストリクタ6に流入するインク中のゴミ等を取り除くフィルタ部9を形成したダイアフラムプレート10と、振動板8の振動領域を規定する穴部11aを有するサポートプレート11とを位置決めして接合する。これらの薄板を貼り合わせることで流路形成基板3を形成する。
流路形成基板3は一枚以上の薄板を接合して形成する。
複数のノズル1が形成されたノズル基板2と、圧力室4が形成されたチャンバプレート5とを位置決めして接合する。次に、共通インク通路13と圧力室4とを連結して圧力室4へのインク流入を制御するリストリクタ6を形成したリストリクタプレート7と接合する。また、圧電アクチュエータ14の圧力を効率よく圧力室4に伝えるための振動板8と共通インク通路13からリストリクタ6に流入するインク中のゴミ等を取り除くフィルタ部9を形成したダイアフラムプレート10と、振動板8の振動領域を規定する穴部11aを有するサポートプレート11とを位置決めして接合する。これらの薄板を貼り合わせることで流路形成基板3を形成する。
また、複数の圧電素子15とそれを固定する支持基板16からなる圧電アクチュエータ14を備え、圧電アクチュエータ14をハウジング12に形成された穴部に挿入して、振動板8に接合する。
流路形成基板3とハウジング12との間には、前記サポートプレートより高剛性の補強プレート20が少なくとも1枚配置され、同じように位置決めして接合されている。補強プレート20は、サポートプレート11の穴部11aに対応するスリット穴部20aを有する。
ノズル基板2は、ステンレスの精密プレス法、レーザ加工法、あるいはニッケルの電鋳加工等により形成される。チャンバプレート5、リストリクタプレート7、ダイアフラムプレート10、サポートプレート11、補強プレート20は、ステンレス材のエッチング加工法、精密プレス法、レーザ加工またはニッケル材の電鋳加工法で作られる。
ハウジング12は、共通インク通路13を有し、ステンレス材の切削加工等で形成され、図示されないインクカートリッジからインクを共通インク通路13まで導くインク導入パイプ18が接合されている。
図5に、従来の例として、補強プレート20のない従来構造において、同時に駆動する圧電素子の駆動本数を増やしていった時の、ノズルプレート2表面の変形及び吐出速度の変化を示す。
本従来例において各流路基板3を構成する各プレートの材質はステンレス材とし、ダイアフラムプレートを除いて、各々の厚さは0.075から0.25mm程度で、流路形成基板全体の厚さは約0.5mmである。ノズルプレート2の変形量は有限要素法を用いた解析により求めた。図5の横軸は、同時に駆動する圧電素子の本数を示している。左側の縦軸は、単独駆動の時の吐出速度を100%とした時の複数ノズル駆動時の吐出速度(%)を示す。右側の縦軸は、圧電素子の変形量を100%とした時のノズルプレート2表面に発生する変形量(%)を示す。同時に駆動する圧電素子の本数増加に伴い、クロストークにより吐出速度が低下する。吐出速度の低下にあわせて、ノズルプレート2の変形量が増加している。図5の例では、単独駆動時に比べて、30%程にまで吐出速度が低下している。
ノズルプレート2の変形は圧電素子15が収縮した時に、振動板8を介して流路形成基板3に力がかかるために発生する。流路形成基板3の剛性が不足する程、ノズルプレート2表面の変形は大きくなる。流路形成基板3が変形すると、振動板8の変形量が減少し、圧力室4の圧力変動が小さくなり吐出速度の減少となる。
図6は、流路形成基板3の剛性を変えたサンプルによる実験及び剛性解析の結果を示す。
図6の縦軸は、単独駆動で吐出速度に対する複数ノズル駆動時の吐出速度の比(%)を、横軸は圧電素子の変形量に対するノズルプレート2表面の最大変形量の比(%)を示している。これより、ノズルプレートに発生する変形が小さくなればなるほど、吐出速度の変動が小さくなることが分かる。
図6の縦軸は、単独駆動で吐出速度に対する複数ノズル駆動時の吐出速度の比(%)を、横軸は圧電素子の変形量に対するノズルプレート2表面の最大変形量の比(%)を示している。これより、ノズルプレートに発生する変形が小さくなればなるほど、吐出速度の変動が小さくなることが分かる。
一般的に、インクジェットヘッドの実用的な速度変動の許容値は、10%以内であることが知られている。この実験結果より、クロストークによる速度変動を10%以内に抑えるためにはノズルプレート2の変形を圧電素子の変形量の5%以下に抑えることが必要であることが分かった。
補強プレート20の厚さの設計は以下の手順で行えばよい。初めに、流路形成基板3を構成する各薄板の板厚や流路の幅等の寸法を、吐出速度や重量など所望のインク吐出特性が得られるよう設計する。次に、補強プレート20を含めた剛性解析により、必要な補強プレート20の厚さを計算すればよい。
図7は、補強プレート20の厚さを変えた時の、ノズルプレート2に発生する変形を示す。
この例の場合、流路形成基板3と補強プレート20とで十分な剛性を有するためには、補強プレートは少なくとも0.3mm以上必要であるといえる。ただし、ここで示した補強プレート20の厚さは一例であり、必要な厚さは圧電素子15のピッチやハウジング12の開口部の幅、流路形成基板3の各薄板の材質や形状に依存する。
この例の場合、流路形成基板3と補強プレート20とで十分な剛性を有するためには、補強プレートは少なくとも0.3mm以上必要であるといえる。ただし、ここで示した補強プレート20の厚さは一例であり、必要な厚さは圧電素子15のピッチやハウジング12の開口部の幅、流路形成基板3の各薄板の材質や形状に依存する。
サポートプレート11と補強プレート20を分けて構成することで、サポートプレート11は精度を重視した加工法、例えばより薄い板厚でのエッチング加工や精密プレス加工等が可能となる。振動板8の振動領域をサポートプレート11で精度良く規定しつつ、独立して補強プレート20で剛性を持たせることができる。
十分な剛性を持つ厚さでステンレス等の薄板を、エッチング加工法、精密プレス法、レーザ加工等により精度よく加工するのは困難な場合がある。いずれも0.1から0.25mm程度の厚さが加工の限界である。この場合、補強プレート20は、必要な剛性が得られるよう複数枚重ねて構成してもよい。
図8は、補強プレート20を設けない従来の場合と、設けた本発明の場合の、駆動本数と速度変動の関係を示す図である。◆印は補強プレート20を設けない場合で、□印は補強プレート20を設けた場合の速度変動である。補強プレート20を設けることで、クロストーク特性が大幅に改善されることが分かる。
さらに、補強プレート20を設けることで、クロストークを抑制できることに加えて、インクジェットヘッド毎のクロストーク特性のバラツキを抑えることができる。ハウジング12開口部の幅の精度が、±0.1mm程度であるのに対し、補強プレート20の精度は一般に0.01から0.05mm程度である。補強プレート20自身に剛性があり、クロストーク特性のバラツキは補強プレート20の幅の精度により依存するため、ヘッド毎のクロストーク特性のバラツキが小さくなる効果がある。
また、ハウジング12より補強プレート20の方が、加工精度が高いため、圧電素子15または支持基板16との距離を小さくでき、流路形成基板3を支える効果をより高めることができる。すなわち、ハウジングがブロック形状で比較的厚みを有する構成であるのに対し、補強プレートは例えば、厚さ0.2mmの板状であって、補強プレート20の加工精度をハウジングより高くすることは、比較的容易である。そのため、ハウジングの開口部の精度(±0.1mm)よりも、補強プレートの穴寸法の加工を高精度に作製することで、圧電素子15との距離を小さくでき、流路形成基板3を支える効果をより高めることが可能となる。
図2、図3は本実施例のインクジェットヘッドの断面図であり、図4は圧電素子側から見た構造図である。
図2は、ノズル列に垂直な方向での断面図を示している。
補強プレート20のスリット穴部20aの長手方向長さL1は、サポートプレート11の穴部11aの長手方向長さL2以下である。このような構造とすることで、補強プレート20の剛性がより高くなり、同じ厚さで比較した際に、クロストークの発生をより抑える効果がある。L1の長さは、位置ずれや寸法誤差、組立精度等の累積誤差を見込んだときに、補強プレート20と圧電素子15とが触れない程度とすればよい。
補強プレート20のスリット穴部20aの長手方向長さL1は、サポートプレート11の穴部11aの長手方向長さL2以下である。このような構造とすることで、補強プレート20の剛性がより高くなり、同じ厚さで比較した際に、クロストークの発生をより抑える効果がある。L1の長さは、位置ずれや寸法誤差、組立精度等の累積誤差を見込んだときに、補強プレート20と圧電素子15とが触れない程度とすればよい。
図3は、ノズル列方向での断面図を示している。
補強プレート20のスリット穴部20aの短手方向の幅W1は、サポートプレート11の穴部11aの短手方向の幅W2以上である。補強プレート20内の位置ずれや寸法誤差、及びサポートプレート11との貼り合わせずれにより、補強プレート20のスリット穴部20aとサポートプレート11の穴部11aとにずれが生じる。ずれが生じると補強プレート20と圧電素子15とが接触する可能性がある。補強プレート20のスリット穴部20aの幅W1をサポートプレート11の穴部11aの幅W2以上とすることで、補強プレート20と圧電素子15とが接触することがなくなる。幅W1は補強プレート20の位置ずれ、寸法誤差、貼り合わせ精度等の累積誤差を見込んだときに、補強プレート20が穴部11a上にかからないようにすればよい。
補強プレート20のスリット穴部20aの短手方向の幅W1は、サポートプレート11の穴部11aの短手方向の幅W2以上である。補強プレート20内の位置ずれや寸法誤差、及びサポートプレート11との貼り合わせずれにより、補強プレート20のスリット穴部20aとサポートプレート11の穴部11aとにずれが生じる。ずれが生じると補強プレート20と圧電素子15とが接触する可能性がある。補強プレート20のスリット穴部20aの幅W1をサポートプレート11の穴部11aの幅W2以上とすることで、補強プレート20と圧電素子15とが接触することがなくなる。幅W1は補強プレート20の位置ずれ、寸法誤差、貼り合わせ精度等の累積誤差を見込んだときに、補強プレート20が穴部11a上にかからないようにすればよい。
図4は、圧電素子側から見た構造図である。図2および図3で説明したように、補強プレート20は長手方向においてはサポートプレート11のスリット穴部20aを覆う。また、短手方向においては、サポートプレート20のスリット穴部20aにかからない。
図9は、補強プレート20を設けない従来の場合と設けた本発明の場合の、駆動周波数と吐出速度の関係を示している。
従来例においては、いわゆるヘルムホルツ振動に起因する速度の変動に加えて、駆動周波数が高くなるにつれて徐々に吐出速度が低下している。一方、本発明においては、ヘルムホルツ振動による速度変動はあるが、吐出速度の全体的な低下はない。
流路形成基板3の剛性を補強プレート20で補っているため、圧電素子15の駆動による流路形成基板3の残留振動が小さく、メニスカス振動が小さくなり速度の低下が少なくなる。従って、従来例と比べより高い周波数まで使用が可能となる。
図16に、圧電素子15と振動板8との間の接着剤50を考慮した概略図を示す。
接着剤50は一定の厚さに管理し、圧電素子15に転写することで、均一な量で圧電素子15と振動板8とを接着する。
ここで、接着剤50が少なくサポートプレート11の穴部11aで囲まれた振動板8を埋めない場合、接着剤の流れ出しのばらつきにより、振動板8と接着剤50とを合わせたコンプライアンスがばらつく。コンプライアンスがばらつくとノズル毎のインク吐出特性がばらつく。
従って、ノズル毎の吐出特性をそろえるためには、接着剤50で振動板8全面を覆うことが望ましい。さらに、接着剤50と振動板8とを合わせた時のコンプライアンスを確保するため、接着剤50はショア硬度80度以下の柔らかい接着剤であることが望ましい。
振動板8全面を埋める程度の量の接着剤50を圧電素子15に転写した場合、圧電素子15の間にも接着剤50が入りこむ。さらには、接着剤50の厚さがサポートプレート11の穴部11aを越えてしまう場合がある。
従来構造の場合、圧電素子15が接着剤50で繋がると、隣接する振動板8に変形が伝播してしまい、第2のクロストークが発生してしまっていた。
しかし、本発明の場合、圧電素子15の間に補強プレート20を有する構造としたため、補強プレート20が無い場合と比べて、隣り合う圧電素子15の変形が伝わりにくくなる。補強プレート20が圧電素子15同士を仕切る効果があり、接着剤50を介して発生する第2のクロストークを効果的に抑制できる。また、接着剤50の厚さは、サポートプレート11の厚さ以上塗布することが可能で、望ましくはサポートプレート11と補強プレート20の合計の厚さ以下とすればよい。
クロストークは駆動本数のみならず、駆動するノズルの位置でもその影響度が異なる。本発明により、クロストークを抑制することで、ノズル毎のインク吐出速度や吐出重量のばらつきも小さくすることが可能である。従って、例えば、ベタ印刷を行なう場合に、一定の吐出量で印刷濃度や膜厚のバラツキの小さい印刷が可能となる。
1はノズル、2はノズルプレート、3は流路形成基板、4は圧力室、5はチャンバプレート、6はリストリクタ、7はリストリクタプレート、8は振動板、9はフィルタ部、10はダイアフラムプレート、11はサポートプレート、12はハウジング、13は共通インク通路、14は圧電アクチュエータ、15は圧電素子、16は支持基板、17は個別電極、18はインク導入パイプ、20は補強プレート、50は接着剤である。
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