JP2005271310A - 樹脂発泡体複合板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽量で高い剛性を有し、パネルや芯材として用いた場合に、寸法安定性に優れ、そりが発生し難い樹脂発泡体複合板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなる樹脂発泡体複合板、及び、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルム(好ましくは、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルム)を介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程と、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含む樹脂発泡体複合板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなる樹脂発泡体複合板、及び、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルム(好ましくは、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルム)を介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程と、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含む樹脂発泡体複合板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、樹脂発泡体複合板に関し、建材用パネル、車両部材用パネル、土木資材用パネル、襖や屏風の芯材などに好適に用いられる樹脂発泡体複合板及びその製造方法に関する。
従来、建材用パネル、車両部材用パネル、土木資材用パネルなどに用いられる材料としては、例えば特許文献1に開示されているように、繊維強化樹脂シートが接着された発泡パネルからなる軽量補強材などが用いられ、繊維強化樹脂シートとしてはガラス繊維で強化されたものが多用されていた。
また、襖や屏風などの芯材としては、上記軽量補強材のほか、ベニヤ板や木桟などの表面に紙を貼着したものが多用されていた。
しかし、上記のような軽量補強材は、リサイクルが困難な点や、分別廃棄処理が必要な点などの問題があるため、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料が求められ、例えばポリオレフィン系の樹脂シートなどが検討されていたが、一般にポリオレフィン系の樹脂シートは、強度が不十分であるとともに、熱伸縮などの度合いが大きく寸法安定性が劣るという問題があった。
このため、例えば、ポリオレフィン系樹脂シートが接着された発泡パネルを合板などの木材に貼合して建材用パネルとして用いた場合、ポリオレフィン系樹脂シートが接着された面の熱伸縮が大きくなりすぎて、パネルが湾曲しそりが発生したりし易くなると言う問題もあった。
また、ベニヤや木桟などの木質材料は、重量が重いという問題や、吸湿により反りが発生し易いという問題があった。
このため、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い剛性を有し、木材などの被着体に貼合してパネルとして用いた場合、或いは、襖や屏風などの芯材として用いた場合に、そりが発生しにくく寸法安定性に優れた、建材用パネル、車両部材用パネル、土木資材用パネル、襖や屏風の芯材などに好適な材料が求められていた。
本発明者は上記従来の問題を解決すべく検討の結果、熱可塑性樹脂発泡体と特定の延伸オレフィン系樹脂シート、熱可塑性樹脂フィルム、及び紙を用いた樹脂発泡体複合板において上記問題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い剛性を有し、パネルや芯材として用いた場合に、寸法安定性に優れ、そりが発生し難い樹脂発泡体複合板及びその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、リサイクル性に優れた樹脂を用いた材料であって、軽量で高い剛性を有し、パネルや芯材として用いた場合に、寸法安定性に優れ、そりが発生し難い樹脂発泡体複合板及びその製造方法を提供することにある。
請求項1記載の樹脂発泡体複合板は、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなることを特徴とする。
請求項2記載の樹脂発泡体複合板の製造方法は、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程と、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含むことを特徴とする。
請求項3記載の樹脂発泡体複合板の製造方法は、請求項2記載の樹脂発泡体複合板の製造方法であって、熱可塑性樹脂フィルムがエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムであることを特徴とする。
請求項4記載の樹脂発泡体複合板の製造方法は、請求項3記載の樹脂発泡体複合板の製造方法であって、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムのメルトインデックス(MI)が1.0〜10.0であることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、上記延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は、10〜40倍が好ましく、より好ましくは15〜35倍である。延伸倍率が小さ過ぎると充分な引張弾性率が発揮されないことがあり、また、熱伸縮が大きくなりすぎることがある。延伸倍率が大きくなり過ぎると延伸成形時にシートが破断し易くなることがある。
本発明において、上記延伸オレフィン系樹脂シートの延伸倍率は、10〜40倍が好ましく、より好ましくは15〜35倍である。延伸倍率が小さ過ぎると充分な引張弾性率が発揮されないことがあり、また、熱伸縮が大きくなりすぎることがある。延伸倍率が大きくなり過ぎると延伸成形時にシートが破断し易くなることがある。
延伸オレフィン系樹脂シートを構成するオレフィン系樹脂としては、シート形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
上記高密度ポリエチレン樹脂の密度は小さくなると延伸しても形状追随性が向上しなくなるので、0.94g/cm3以上が好ましい。
また、高密度ポリエチレン樹脂の重量平均分子量は、小さくなり過ぎると延伸しても剛性があまり向上せず、大きくなり過ぎると成形や延伸がしにくくなるので、20万〜50万が好ましく、メルトインデックス(MI)は成形性が優れている0.1〜20が好ましく、より好ましくは0.2〜10である。
本発明においては、上記高密度ポリエチレンを単独で用いてもよいが、他のポリオレフィンを高密度ポリエチレン100重量部に対し30重量部以下の割合で混入させてもよい。併用される他のポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることができる。
更に上記高密度ポリエチレンは架橋されたものが用いられてもよい。この場合得られる樹脂シートのゲル分率は20%以上であることが好ましい。
上記オレフィン系樹脂シートの延伸方法は従来公知の任意の方法が採用されてよいが、10〜40倍と高度に延伸する場合には、オレフィン系樹脂シートを圧延した後、延伸又は延伸を複数回繰り返す多段延伸する方法が好ましい。
上記圧延は、オレフィン系樹脂シートを一対の反対方向に回転するロールに供給し、押圧してシートの厚みを薄くすると共に伸長する方法であり、圧延されたシートは延伸シートとは異なり、オレフィン系樹脂が配向されることなく緻密になっているので、高度に延伸しやすくなっている。
圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。
尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
又、圧延倍率は小さいと後の延伸に負担がかかり、大きくするのは圧延が困難になるので4〜10倍が好ましい。尚、本発明において、圧延倍率及び延伸倍率は、圧延又は延伸前のシートの断面積を圧延又は延伸後のシートの断面積で除した値である。
上記延伸は、従来公知の任意の方法でよく、例えば、ロール延伸法、ゾーン延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
又、圧延後の延伸倍率は、全体の延伸倍率が10〜40倍であることが好ましいことから、圧延倍率を考慮し、全体の延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、圧延後の延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、2倍以上が好ましく、より好ましくは3倍以上である。尚、全体の延伸倍率は圧延倍率と圧延後の延伸倍率を乗じた数値である。
延伸オレフィン系樹脂シートは、薄くなると機械的強度が低下し、厚くなると延伸方向に割れやすくなるため、その厚みは一般に0.05〜1.5mmであり、好ましくは0.15〜0.7mmである。
本発明の樹脂発泡体複合板は、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなるものである。この場合、熱可塑性樹脂発泡体と延伸オレフィン系樹脂シート、及び/又は、延伸オレフィン系樹脂シートと紙との間に熱可塑性樹脂フィルムを介在させることもでき、積層する際の熱融着性や接着性を向上することができる。
また、本発明の樹脂発泡体複合板においては、上記延伸オレフィン系樹脂シート及び熱可塑性樹脂フィルムからなる積層シートが、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に積層されてなるものであってもよい。上記積層シートが用いられることにより、延伸オレフィン系樹脂シートの割れを防止し、また、熱可塑性樹脂発泡体に積層する際の熱融着性や接着性を向上することができる。
本発明において、熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、延伸オレフィン系樹脂シート及び熱可塑性樹脂発泡体との積層性に優れる点で、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムが用いられる。エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムを用いることにより、低温での融着や接着が可能となり、加熱による発泡体の破泡を防止できるだけでなく、延伸シートの緩和が抑制され寸法変化の増大や弾性率の減少を抑制することができる。
上記熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、特に限定されないが、厚過ぎると得られる積層シートの剛性が大きくなり過ぎる傾向があるので、一般に0.01〜0.3mmであり、好ましくは0.02〜0.1mmである。
上記熱可塑性樹脂フィルムは、延伸オレフィン系樹脂シートの片面に積層されたものであってもよいし、両面に積層されたものであってもよい。
上記積層シートは、上記延伸オレフィン系樹脂シートと熱可塑性樹脂フィルムとが複数用いられ、例えば交互に積層された多層構成であってもよい。また、延伸オレフィン系樹脂シートの延伸方向が直交するように重ね合わせて積層された構成であってもよい。上記の多層構成や積層構成によれば、得られる樹脂発泡体複合板の剛性が向上する点で好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂発泡体としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡体、アクリル系樹脂発泡体、熱可塑性ウレタン系樹脂発泡体、ネオプレンゴム系発泡体、ブチルゴム系発泡体等が挙げられれ、中でも、熱融着性と剛性のバランスの点でポリスチレン系樹脂発泡体、アクリル系樹脂発泡体、熱可塑性ウレタン系樹脂発泡体であることが好ましい。また、これらの樹脂発泡体は単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせた積層体として用いられてもよい。
樹脂発泡体の発泡倍率は、特に限定されないが、10〜60倍であることが好ましく、より好ましくは20〜50倍である。発泡倍率が10倍よりも低いと断熱性や保温性が低下し易くなり、一方、60倍を超えると剛性が不十分になることがある。
熱可塑性樹脂発泡体の厚みは、特に限定されないが、軽量性と剛性のバランスの点で、上記延伸オレフィン系樹脂シートや熱可塑性樹脂フィルムが用いられた積層シートの厚みよりも厚くされることが好ましく、通常10〜50mmとされる。
本発明の樹脂発泡体複合板の製造方法においては、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程を含む。この工程により、熱可塑性樹脂発泡体と延伸オレフィン系樹脂シートとが、熱可塑性樹脂フィルムにより熱融着され、強固に積層される。
上記工程において、発泡体の面積が大きい場合には、複数の延伸オレフィン系樹脂シートを並列に並べ、発泡体の積層面を覆うように配設して加熱積層してもよいが、この場合、発泡体の線膨張を考慮して、配設時の並列するシート同士の隙間を0.5〜5mm程度開けておくことが好ましい。隙間を空けておくことで、加熱終了後に、発泡体の線膨張の影響で、シート同士が重なり合ったり皺になったりすることを防止することができ、表面性の良好な樹脂発泡体複合板を得ることができる。
また、本発明の樹脂発泡体複合板の製造方法においては、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含む。この工程により延伸オレフィン系樹脂シートと紙とが、熱可塑性樹脂フィルムにより熱融着され、強固に積層される。
上記の製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムがエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムであると、加熱により溶融させやすくなり、より強固に積層される点で好ましい。
また、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムのメルトインデックス(MI)は、小さすぎると流動性が不足し積層不良になることがあり、大きすぎると積層時に端部からはみ出し製品不良が発生することがあるので、1.0〜10.0であることが好ましい。
(作用)
本発明によれば、特定のオレフィン系樹脂シートと紙、及び/又は、熱可塑性樹脂フィルムが用いられるので、リサイクル性に優れると共に、高度なレベルに延伸されることで、オレフィン系樹脂シートの欠点である熱伸縮性が改善され、この延伸オレフィン系樹脂シートと紙、及び/又は、熱可塑性樹脂フィルムからなる積層シートが熱可塑性樹脂発泡体に積層されると、熱可塑性樹脂発泡体が補強されるとともに、積層面の寸法安定性を向上することができる。この作用機構については必ずしも明らかではないが、オレフィン系樹脂からなる材料を極めて高度に延伸することによる高度な分子配向によって、熱伸縮特性の変化が生じるものと考えられる。
本発明によれば、特定のオレフィン系樹脂シートと紙、及び/又は、熱可塑性樹脂フィルムが用いられるので、リサイクル性に優れると共に、高度なレベルに延伸されることで、オレフィン系樹脂シートの欠点である熱伸縮性が改善され、この延伸オレフィン系樹脂シートと紙、及び/又は、熱可塑性樹脂フィルムからなる積層シートが熱可塑性樹脂発泡体に積層されると、熱可塑性樹脂発泡体が補強されるとともに、積層面の寸法安定性を向上することができる。この作用機構については必ずしも明らかではないが、オレフィン系樹脂からなる材料を極めて高度に延伸することによる高度な分子配向によって、熱伸縮特性の変化が生じるものと考えられる。
また、一般にポリオレフィン系材料は他の材料との接着性が不十分になることがあるが、上記のような延伸ポリオレフィン系樹脂シート及び熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、熱可塑性樹脂発泡体との融着性や接着性が向上し、低温での積層が可能となり、良好な積層体を得ることが可能となる。
本発明によれば、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなるので、寸法安定性に優れ、そりが発生し難い樹脂発泡体複合板を提供することができる。
本発明の樹脂発泡体複合板の製造方法は、熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程と、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含むことを特徴とするので、上記同様の性能を有する樹脂発泡体複合板が得られる。
上記製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムがエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムである場合には、加熱により溶融させやすくなり、上記効果は更に確実なものとなる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ6.0mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
重量平均分子量(Mw)3.3×105、融点135℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製)を押出機に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、Tダイを用いてシート状に吐出し、吐出されたシート状の溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて幅340mm、厚さ6.0mmのシートに成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
得られたポリエチレン樹脂シートを120℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.4倍に圧延し、幅340mm、厚み640μmの圧延シートを得た。
得られた圧延シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて倍率が1.8倍の多段延伸を行い、総延伸倍率17.0倍、幅240mm、厚さ0.5mmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向の引張弾性率は15GPaであった。
上記延伸ポリエチレン樹脂シートの片面にホットメルト型のエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルム(軟化温度110℃、180℃での溶融粘度900mPa・s)を積層して、幅240mm、厚さ0.53mmの積層シートを得た。
アクリル系樹脂発泡体(発泡倍率25倍、厚さ20mm)の両面に、上記積層シートを並列に並べ、発泡体の両面を覆うように配設し、115℃で3分間プレス加工して複合発泡体を得た。この時、発泡体の線膨張を考慮して、配設時の並列するシート同士の隙間を2mmとした。その結果、加熱終了後のシート同士の隙間は発泡体の線膨張の影響により1.0mmとなった。
更に、複合発泡体の両面に、エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルム(東セロ社製「VE−300」、MI=6)を介在させた状態で、和紙を115℃で3分間プレス加工して貼り合わせた。この時、発泡体の線膨張の影響により、上記積層シート同士の隙間がほぼ無い状態(0.5mm以下)になり、表面性に優れた襖用芯材を得た。
(比較例1)
襖用芯材として、従来使用されている合板(通称ベニア板、t=12mm)を用いた。
襖用芯材として、従来使用されている合板(通称ベニア板、t=12mm)を用いた。
上記実施例及び比較例について、以下の評価を行った。
(重量)
得られた襖用芯材を幅910mm、長さ1820mmに切断し重量を測定した。
(吸湿線膨張)
得られた襖用芯材から幅910mm、長さ1820mmの試料を切り出し、室温(23℃)、湿度(95%RH)の恒温恒湿状態で24時間放置して吸湿させ、吸湿後の線膨張量(伸び)を測定した。
(芯材のそり)
得られた襖用芯材を幅910mm、長さ1820mmに切断し、5℃〜80℃の温度変化をさせた場合のそりの発生状況について目視評価した。
(曲げ弾性率)
得られた襖用芯材について、JIS K 7171に準拠し、試験速度5mm/min、スパン間180mmで測定を行い、曲げ弾性率を算出した。
(重量)
得られた襖用芯材を幅910mm、長さ1820mmに切断し重量を測定した。
(吸湿線膨張)
得られた襖用芯材から幅910mm、長さ1820mmの試料を切り出し、室温(23℃)、湿度(95%RH)の恒温恒湿状態で24時間放置して吸湿させ、吸湿後の線膨張量(伸び)を測定した。
(芯材のそり)
得られた襖用芯材を幅910mm、長さ1820mmに切断し、5℃〜80℃の温度変化をさせた場合のそりの発生状況について目視評価した。
(曲げ弾性率)
得られた襖用芯材について、JIS K 7171に準拠し、試験速度5mm/min、スパン間180mmで測定を行い、曲げ弾性率を算出した。
表1より明らかなように、本発明の襖用芯材は、従来のものに比べ軽量であり、吸湿などによる寸法安定性に優れ、良好な曲げ強度を有することが判明した。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、延伸オレフィン系樹脂シートが積層され、その外側に紙が積層されてなることを特徴とする樹脂発泡体複合板。
- 熱可塑性樹脂発泡体の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により前記熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ延伸オレフィン系樹脂シートを積層する工程と、積層された延伸オレフィン系樹脂シートの外側に、熱可塑性樹脂フィルムを介在させ、加熱により熱可塑性樹脂フィルムを溶融させつつ紙を積層する工程を含むことを特徴とする樹脂発泡体複合板の製造方法。
- 熱可塑性樹脂フィルムがエチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項2記載の樹脂発泡体複合板の製造方法。
- エチレン酢酸ビニル系樹脂フィルムのメルトインデックス(MI)が1.0〜10.0であることを特徴とする請求項3記載の樹脂発泡体複合板の製造方法。
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