JP2005268271A - 光または放射線用二次元検出器 - Google Patents

光または放射線用二次元検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電気の影響を抑制することができる光または放射線用二次元検出器を提供することを目的とする。
【解決手段】 導電板21を、印加電極3を封止する絶縁膜7の放射線や光の入射側の表面に積層して、かつ、接地する。かかる構成によって、絶縁膜7の入射側の表面であって、印加電極3に対向する範囲に発生する静電気も除電することができる。よって、静電気の放電等を防止し、半導体厚膜1によって放射線や光から変換される電荷情報にノイズ成分が重畳することを抑えることができる。したがって、静電気の影響を抑制して、アクティブマトリクス基板5は電荷情報を読み出すことができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野等に用いられる光または放射線用二次元検出器に関する。
放射線二次元検出器を例に、図2を参照して説明する。図2は、従来の放射線用二次元検出器の概略断面図である。放射線二次元検出器は放射線感応型の放射線変換層(半導体層)1を備えている。この放射線変換層1に積層される印加電極3に電圧を印加した状態で放射線を入射すると、放射線変換層1において放射線は電荷情報に変換される。この電荷情報はアクティブマトリクス基板5に読み出される。読み出された電荷情報は微小であるため、図示しない増幅器によって増幅される等により、放射線を検出する。このようにして得られた放射線検出信号は、透視画像等の生成に供される。
電荷情報は放射線によって発生するのであるが、このほかに、印加電極3の放電等によっても電荷の移動として放射線変換層1が検知してしまい、同様の電荷情報が発生してしまう。この意図しない電荷情報は、ノイズ成分となって放射線によって発生した電荷情報に重畳する。上述したように放射線から変換される電荷情報は微小であるため、かかるノイズ成分の影響は大きい。よって、電荷情報から得られる透視画像等の画質を低下させる原因となる。したがって、印加電極3を絶縁膜7によって封止して、放電を防止している。また、ノイズ成分を除去するために、ノイズ成分のみを読み出すダミーを使用することが多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−46075号公報
このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の放射線二次元検出器は、電圧を印加したときに、印加電極3を封止する絶縁膜7の入射側の表面7Sに静電気が発生する。この静電気が、たとえば、放射線二次元検出器の図示省略の筐体等に放電すると、やはり、ノイズ成分が発生する。
そのため、絶縁膜7の表面7Sとその近傍、例えば放射線二次元検出器の筐体との電位差が大きくならないようにして、静電気放電の防止を図っている。図2では、放射線を検出できる有効領域から外れた、絶縁膜7の周縁部に導電板31を積層し、接地極に落としている。また、アクティブマトリクス基板5を駆動する図示しない駆動部や、読み出した電荷情報を増幅する増幅部の周囲を接地する方法も採られている。
しかしながら、上述した種々の対策は、静電気が帯電することを防ぐものではない。絶縁膜7の表面7Sに帯電している静電気は、周囲から埃を吸い寄せて、新たな放電を招いている。したがって、電荷情報には、なおノイズ成分が重畳されてしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、静電気の影響を抑制することができる光または放射線用二次元検出器を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光または放射線の入射により光情報または放射線情報を電荷情報に変換する半導体層と、前記半導体層の入射側に積層形成され、前記半導体層に電圧を印加するための印加電極と、前記印加電極の入射側の面を前記半導体層とともに覆うように形成され、前記印加電極を封止する絶縁層と、前記半導体層の入射側と反対の面に積層形成され、変換された電荷情報を読み出すアクティブマトリクス基板とを備えて、光または放射線を検出する、光または放射線用二次元検出器において、前記絶縁層の入射側であって、前記印加電極と対向した第1領域に積層される導電体とを備え、前記導電体は接地されていることを特徴とする。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、印加電極を封止する絶縁層の入射側であって、印加電極と対向した第1領域に導電体を積層して、かつ、接地する。これにより、絶縁層の入射側であって、印加電極に対向する範囲に発生する静電気を除電することができる。したがって、静電気の影響を抑制することができる。なお、勿論、導電体は、光または放射線の入射を許容するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光または放射線用二次元検出器において、さらに、前記アクティブマトリクス基板を駆動させる駆動手段と、前記アクティブマトリクス基板によって読み出された前記電荷情報を増幅する増幅手段と、前記アクティブマトリクス基板と前記駆動手段との間、及び前記アクティブマトリクス基板と前記増幅手段との間をそれぞれ接続する配線とを備え、前記導電体は、さらに、前記アクティブマトリクス基板及び前記配線と対向した領域を少なくとも含み、かつ、前記第1領域を除いた第2領域にも積層されることを特徴とする。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、導電体を、アクティブマトリクス基板と配線とに対向した領域であって、第1領域を除いた第2領域にも、積層形成する。これによって、電荷情報を読み出すアクティブマトリクス基板自体と、アクティブマトリクス基板と駆動手段とを接続する配線及び、アクティブマトリクス基板と増幅手段とを接続する配線とに対する、静電気の影響を抑制することができる。よって、電荷情報にノイズ成分が重畳することを防止できる。なお、第2領域は、第1領域を除く、絶縁層の入射側の表面全体であってもよい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記半導体層は、放射線情報を電荷情報に直接変換することを特徴とする。
[作用・効果]放射線から電荷を直接生成する、いわゆる直接変換型の半導体層に対しては、比較的、印加電圧が高圧となり静電気の影響が大きい。したがって、請求項3に記載の発明によれば、静電気の影響を抑制して、ノイズ成分を著しく低減できるという利益も大きい。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体は樹脂を主成分とし、かつ、導電性を有する物質であることを特徴とする。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、導電体は樹脂を主成分とするので、金属の場合に比べて放射線の遮蔽率が低く、入射する放射線はほとんど透過する。よって、第1領域にかかる導電体を配置しても、放射線から変換される電荷情報が微弱になることを防止できる。また、導電体は樹脂を主成分とするので、金属の場合に比べて比抵抗が大きく、静電気がゆるやかに除電される。よって、静電気の変化による影響も抑制することができる。さらに、印加電極と導電体の間に発生する電気力線が、金属を用いる場合に比べて集中することがないので、貫通放電等を招くおそれもなくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体は、さらに弾性を有する物質であることを特徴とする。
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、導電体は弾性を有するので、半導体層等を振動、衝撃等から保護することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体において、第1領域に積層されるものを第1導電体とし、第2領域に積層されるものを第2導電体として、前記第2導電体は、第1導電体に比べて比抵抗が低いことを特徴とする。
[作用・効果]絶縁層の入射側の表面において、第1領域は、印加電極に対向する領域であるので、最も静電気が発生する。一方、第2領域は、第1領域に比べて静電気が発生しにくい。それでも、アクティブマトリクス基板や配線に対向する範囲であるので、第1領域と同様に静電気の影響を抑制することが好ましい。請求項6に記載の発明によれば、この第1領域には、比較的、比抵抗の高い物質を積層するので、静電気をゆるやかに除電することができ、静電気の変化による影響も抑制する。一方、第2領域には、比較的、比抵抗の低い物質を積層するので、速やかに除電できる。なお、このとき、静電気の変化は、発生する静電気も少ないので大きくならないので、その影響も小さい。
なお、本明細書は、次のような構成をとる発明も開示している。
(1)光または放射線の入射により光情報または放射線情報を電荷情報に変換する半導体層と、前記半導体層の入射側に積層形成され、前記半導体層に電圧を印加するための印加電極と、前記印加電極の入射側の面を前記半導体層とともに覆うように形成され、前記印加電極を封止する絶縁層と、前記半導体層の入射側と反対の面に積層形成され、変換された電荷情報を読み出すアクティブマトリクス基板とを備えて、光または放射線を検出する、光または放射線用二次元検出器において、前記絶縁層の入射側であって、前記印加電極と対向した第1領域に積層される導電体と、前記半導体層、前記印加電極、前記絶縁層、前記アクティブマトリクス基板、及び前記導電体を収容する筐体とを備え、前記導電体は前記筐体と電気的に接続されていることを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
(作用・効果)上記に記載の発明によれば、導電体を、印加電極を封止する絶縁層の入射側でって、前記印加電極と対向した第1領域に積層して、かつ、筐体と電気的に接続することで、導電体と絶縁層を同電位とすることができる。したがって、静電気が筐体に放電しないようにして、静電気の影響を抑制することができる。
この発明に係る光または放射線用二次元検出器によれば、導電体を、印加電極を封止する絶縁層の入射側であって、前記印加電極と対向した第1領域に積層して、かつ、接地することで、絶縁層の入射側に起きる静電気を除電することができる。したがって、静電気の放電を防止することにより、静電気の影響を抑制することができる。
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る放射線用二次元検出器の概略構成を示す図である。図3は、アクティブマトリクス基板とゲートドライバと増幅器との概略構成を示す平面図である。
本実施例の放射線用二次元検出器は、図1に示す実線の矢印方向に入射する放射線を検出する。放射線は、例えばX線である。この放射線情報を電荷情報に変換する放射線感応型の半導体厚膜1と、半導体厚膜1の放射線の入射側(以下、単に「入射側」という)に積層形成される印加電極3と、半導体厚膜1の入射側と反対の面である裏面に設けられ、電荷情報を収集して読出すアクティブマトリクス基板5とを備えている。また、印加電極3の入射側の面を半導体厚膜1とともに覆うように形成され、印加電極3を封止する絶縁膜7と、この絶縁膜7の入射側に積層され、接地されている2種類の導電板21、23とを備えている。半導体厚膜1、印加電極3、及び絶縁膜7は、それぞれこの発明における半導体層、印加電極、絶縁層に相当する。また、導電板21、23は、併せてこの発明の導電体に相当する。
この他に、図3に示すように、放射線用二次元検出器は、アクティブマトリクス基板5を駆動させるゲートドライバ11とアクティブマトリクス基板5が読み出した電荷情報を増幅させる増幅器13と、ゲートドライバ11とアクティブマトリクス基板5とを接続するゲート配線15と、増幅器13とアクティブマトリクス基板5とを接続するデータ配線17とを備えている。ゲートドライバ11はこの発明における駆動手段に、また、増幅器13はこの発明における増幅手段に相当する。
アクティブマトリクス基板5は、電荷情報を蓄積するコンデンサCaと、この電荷情報を取り出すスイッチ素子である薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistors))Trと、薄膜トランジスタTrのゲートに接続されるゲート線16と、薄膜トランジスタTrのソースに接続されるデータ線18とを有している。コンデンサCaは、図示しないキャリア収集電極に接続されている。このようなコンデンサCaと薄膜トランジスタTrとを一単位として、アクティブマトリクス基板5上に縦・横式二次元マトリクス状配列で多数個(1024個×1024個)分離形成されている。また、各ゲート線16は、横(X)方向に複数本に並列して形成されており、データ線18は、縦(Y)方向に複数本に並列して形成されている。各ゲート線16及びデータ線18の他端側は、図示しない半導体厚膜1の周縁部に形成されたスルーホールを貫通して、半導体厚膜1の入射側に立ち上げられる。その部位を、図1において、符号Lで示す。アクティブマトリクス基板5は、この発明におけるアクティブマトリクス基板に相当する。
立ち上げられたゲート線16及びデータ線18は、それぞれゲート配線15およびデータ配線17に電気的に接続される。図1に示すように、このゲート配線15、またはデータ配線17は、フレキシブル基板19に形成されている。したがって、ゲート線16とゲート配線15、または、データ線18とデータ配線17とは、アクティブマトリクス基板5上に形成されているか、または、フレキシブル基板19上に形成されているかの相違はあるが、それぞれ同一の信号を転送する。ゲート配線15とデータ配線17とは、併せてこの発明における配線に相当する。
このゲート配線15及びデータ配線17の他端側は、上述の通り、それぞれゲートドライバ11及び増幅器13に接続されている。なお、図1においては、図示を省略しているが、このゲートドライバ11や増幅器13もフレキシブル基板19上に実装されている。
本実施例では、図2に示すように、アクティブマトリクス基板5のX方向の片側にゲートドライバ11を配置し、Y方向の片側に増幅器13を配置する。しかし、ゲートドライバ11をアクティブマトリクス基板5のX方向の両側に複数個配置してもよい。また、増幅器13もアクティブマトリクス基板5のY方向の両側に複数個配置してもよい。この場合、ゲート配線15またはデータ配線17も、ゲートドライバ11や増幅器13の配置に応じて、アクティブマトリクス基板5の周囲に配置される。
これら半導体厚膜1やアクティブマトリクス基板5などで形成された放射線二次元検出器を作成する場合にはアクティブマトリクス基板5の表面に、各種真空蒸着法による薄膜形成技術やフォトリソグラフィ法によるパターン技術を利用して、ゲート線16及びデータ線18を形成し、薄膜トランジスタTr、コンデンサCa、半導体厚膜1、印加電極3、絶縁膜7などを順に積層形成する。
半導体厚膜1を形成する半導体については、アモルファス型の半導体や多結晶型の半導体などに例示されるように、用途や耐電圧などに応じて適宜選択することができる。また、半導体厚膜1を形成する物質についても、セレン(Se)などに例示されるように、特に限定されない。本実施例の場合には直接変換型の放射線二次元検出器であるのでアモルファスセレンで半導体厚膜1を形成する。一方、アクティブマトリクス基板5としては、電気的絶縁性を有するガラスなどが例示され、絶縁膜7としては、絶縁樹脂を主材とする不活性モールド樹脂や不活性ガスが例示される。
そして、絶縁膜7の入射側の表面には、導電板21、23を積層する。ここで、図1に示すように、絶縁膜7の入射側の表面において、印加電極3に対向する領域を第1領域とする。また、第2領域を、アクティブマトリクス基板5、ゲート配線15、及びデータ配線17と対向した領域を含み、かつ、前記第1領域を除いた領域とする。
第1領域は、静電気が最も発生しやすい領域であるとともに、半導体厚膜1が入射された放射線を電荷情報に変換できる領域とほぼ等しい。一方、第2領域については、図2において、アクティブマトリクス基板5の範囲を符号5Aで、ゲート配線15の範囲を符号15Aで、データ配線17の範囲を符号17Aで示す。そして、第2領域は、これらの範囲を完全に覆う領域である。これからわかるように、第2領域は、第1領域と同様に、静電気の影響から保護することが好ましい範囲である。図1では、フレキシブル基板19が絶縁膜7の端面まで配置されるので、第2領域も、絶縁膜7の縁端部までとなっている。
そして、第1領域及び第2領域に積層される導電板を第1導電板21と言い、第2領域にのみ積層される導電板を第2導電板23と言って、区別する。図1に示すように、第2領域においては、絶縁膜7、第2導電板23、第1導電板21の順に積層されている。
第1導電板21と第2導電板23とは、ともに接地されている。接地極には、どのように落としてもよく、例えば、直接接地極に接続してもよいし、図示省略の筐体が接地されている場合は、この最寄りの筐体に電気的に接続して、筐体と接地極を共用してもよい。
第1導電板21は、比抵抗が高く、導電率の低いの物質で形成されている。よって、帯電した静電気をゆるやかに除電することができる。具体的には、表面抵抗値が105Ωから108Ωの範囲内であることが好ましい。表面抵抗値が105Ω未満であると、静電気の移動速度が速い。第1領域は、静電気が最も帯電しやすい範囲であるので、静電気の移動量が大きく、かつ、その変化が急激となるおそれがある。一方、表面抵抗値が108Ωより大きいと、静電気が帯電しても除電を完全に行うことが困難で、常に帯電した状態になってしまい、逆に電位上昇を招くおそれもある。すなわち、絶縁膜7の表面に静電気が帯電することと同様の現象が発生し、結果、静電気の影響を抑制することができないからである。これに対し、表面抵抗値が105Ωから108Ωの範囲内であれば、静電気の移動速度を適度に抑えて除電することができるので、静電気の変化が小さくノイズ成分の発生を防止できる。
さらに、高比抵抗、低導電率の物質で第1導電板21を形成することで、印加電極3に電圧が印加されたとき、電気力線が、印加電極3と第1導電板21との間に集中することを抑制できる。これによって、貫通放電等を招くおそれをなくすことができる。
本実施例では、第1導電板21は、樹脂を主成分とした導電性物質で、表面抵抗値が105Ωから108Ωの範囲内にあるものを使用している。樹脂を主成分とした物質は、一般にアルミニウム等の金属に比べて放射線の遮蔽率が低く、半導体厚膜1は放射線を的確に電荷情報に変換することができるので、導電板21の材料として好適である。
さらに、本実施例の第1導電板21は、さらに、弾性を有する物質である。したがって、半導体厚膜1等を振動、衝撃等から保護することもできる。このような物質としては、樹脂に金属や炭素材料等の導電性フィラーを練り込む等によって発泡体に成形した、導電性ポリエチレンフォーム等が例示される。さらに、この導電性ポリエチレンフォーム等の発泡体であれば、入射する放射線はほとんど遮蔽されない。
第2導電板23も、導電性の物質で形成される。第2領域は、上述したように、第1領域と同様に、静電気の影響を抑制する必要がある。本実施例では、第2導電板23は、一般に比抵抗の低く、導電率のよい、金属で形成している。よって、静電気を直ちに除去することができる。なお、このとき、静電気の変化は、発生する静電気も少ないので大きくならない。第2領域は、X線が入射されないため減衰を考えなくてよく、金属としてはアルミニウム板や銅板等が好ましい。さらに、アルミニウムや銅等の厚さが数100μm程度の金属薄膜や金属テープであれば、取り扱いも容易である。
続いて、本実施例の作用について説明する。放射線二次元検出器において、印加電極3に電圧を印加した状態で、放射線を入射する。
電圧を印加したことにより、絶縁膜7の入射側の表面には、第1領域を中心に静電気が帯電する。帯電した静電気は、接地されている第1導電板21に移動する。このとき、第1導電板21は表面抵抗が高いので、静電気は、ゆっくり移動する。そして、第1導電板21が接地されている接地極に逃げる。したがって、第1領域に発生した静電気をゆるやかに除電することができる。
また、第2領域に帯電した静電気は、第2導電板23に移動する。第2導電板23は、良導体である金属で形成されているので、静電気は、直ちに移動し、接地極に逃げる。したがって、第2領域に発生した静電気を速やかに除電することができる。
一方、放射線は、第1導電板21や第2導電板23を透過する。第1導電板21は、樹脂を主成分とした導電性物質であるので、放射線はほとんど減衰せずに透過する。これに対し、第2導電板23は金属で形成されているので、放射線は若干、減衰する。このうち、半導体厚膜1に達する放射線は、主として、第1導電板21のみを透過するものである。したがって、第2導電板23による放射線の減衰は、変換される電荷情報にほとんど影響を与えない。
半導体厚膜1は、入射された放射線を電荷情報に変換する。変換された電荷情報を、アクティブマトリクス基板5が読み出す。具体的には、変換された電荷情報を、まず、コンデンサCaが蓄積する。ゲートドライバ11は、順次ゲート配線15を選択して、走査信号を送る。この信号は、そのままゲート線16を通じて、薄膜トランジスタTrのゲートに入力される。これによって、オン状態に移行した薄膜トランジスタTrを経由して、コンデンサCaが蓄積した電荷情報をデータ線18が読み出す。読み出された電荷情報を、そのままデータ配線17を介して、増幅器13が受取る。増幅器13においては、まず、電荷情報を電圧情報に変換したあと、電圧を増幅してデジタル信号に変えるという一連の作業を行う。そして、外部に放射線検出信号として送り出される。
上述の動作によって、たとえば、X線透視撮影装置の透視X線像の検出に実施例の放射線二次元検出器を用いた場合、増幅器13等を経て外部に渡される放射線検出信号は、画像情報としてX線透視画像の生成に用いられる。
上述した放射線二次元検出器によれば、印加電極3を封止する絶縁膜7の入射側であって、印加電極3と対向した第1領域に第1導電板21を積層し、この第1導電板21を接地しているので、絶縁膜7の入射側に起きる静電気を除電することができる。したがって、静電気の放電を防止することができ、静電気の影響を抑制することができる。
さらに、第1導電板21は、比抵抗が高く、導電率の低いの物質で形成されているので、この第1領域に発生する静電気をゆるやかに除電することができる。
また、比抵抗が低く導電率のよい金属で形成された第2導電板23を、アクティブマトリクス基板5、ゲート配線15、及びデータ配線17と対向した領域を含み、かつ、前記第1領域を除いた第2領域に積層したので、静電気を速やかに除電することができる。
これによって、絶縁膜7の入射側の表面に発生する静電気の影響を抑制することができる。また、第1領域に発生した静電気はゆるやかに除電するので、静電気の変化による影響も抑制できる。
また、本実施例のように、直接変換型の放射線二次元検出器であり、アモルファスセレンで半導体厚膜1を形成している。この場合、半導体厚膜1の膜厚が比較的厚くなるため、印加電圧を高くする必要があるので、静電気による影響を抑制するのに、とくに有用である。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)本実施例では、第1導電板21と第2導電板23とを区別して異なる物質を用いたが、第1導電板と第2導電板とを区別せず、共通の導電性の物質としてもよい。たとえば、第1導電板21として例示した物質のみを、第1、第2領域に配置する構成であってもよい。これによって、構成を簡素化できる。また、本実施例の第2領域のように、複数種類の導電性の物質を積層して、導電板を形成する構成であってもよい。さらには、第1領域にのみ、導電板を積層する構成であってもよい。
(2)本実施例では、第1導電板21と接地極の間、または、第2導電体と接地極の間に、抵抗器等を介装すること等については触れていないが、適宜抵抗器を介装してもよい。かかる電流制限手段に備えることによっても、静電気の除電をゆるやかに行うことができるので、第1導電板21等に用いる物質を、比抵抗が高く導電率の低い物質としなくても、同様の効果を得ることができる。
(3)本実施例では、第1導電板21と第2導電板23とは接地しているが、かかる構成に限られない。すなわち、絶縁膜7の近傍に配置される部品等、例えば、放射線二次元検出器を収容する筐体等と、各導電板21、23が同電位であれば、発生した静電気の放電を防止することができる。したがって、各導電板21、23は、接地しなくても、筐体等と電気的に接続することにより、第1領域に発生した静電気の放電を抑止する効果がある。
(4)上述した実施例では、入射した放射線を半導体厚膜1によって電荷情報に直接的に変換した直接変換型の放射線二次元検出器であったが、入射した放射線をシンチレータによって光に変換し、光感応型の物質で形成された半導体層によってその光を電荷情報に変換する間接型の放射線二次元検出器であってもよい。また、単なる光の入射を検出する光二次元検出器に適用してもよい。
実施例に係る放射線用二次元検出器の概略構成を示す図である。 従来の放射線用二次元検出器の概略断面図である。 アクティブマトリクス基板とゲートドライバと増幅器との概略構成を示す平面図である。
符号の説明
1 …半導体厚膜(放射線変換層)
3 …印加電極
5 …アクティブマトリクス基板
7 …絶縁膜
11 …ゲートドライバ
13 …増幅器
15 …ゲート配線
17 …データ配線
21 …第1導電板
23 …第2導電板

Claims (6)

  1. 光または放射線の入射により光情報または放射線情報を電荷情報に変換する半導体層と、前記半導体層の入射側に積層形成され、前記半導体層に電圧を印加するための印加電極と、前記印加電極の入射側の面を前記半導体層とともに覆うように形成され、前記印加電極を封止する絶縁層と、前記半導体層の入射側と反対の面に積層形成され、変換された電荷情報を読み出すアクティブマトリクス基板とを備えて、光または放射線を検出する、光または放射線用二次元検出器において、前記絶縁層の入射側であって、前記印加電極と対向した第1領域に積層される導電体とを備え、前記導電体は接地されていることを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
  2. 請求項1に記載の光または放射線用二次元検出器において、さらに、前記アクティブマトリクス基板を駆動させる駆動手段と、前記アクティブマトリクス基板によって読み出された前記電荷情報を増幅する増幅手段と、前記アクティブマトリクス基板と前記駆動手段との間、及び前記アクティブマトリクス基板と前記増幅手段との間をそれぞれ接続する配線とを備え、前記導電体は、さらに、前記アクティブマトリクス基板及び前記配線と対向した領域を少なくとも含み、かつ、前記第1領域を除いた第2領域にも積層されることを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記半導体層は、放射線情報を電荷情報に直接変換することを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体は樹脂を主成分とし、かつ、導電性を有する物質であることを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
  5. 請求項4に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体は、さらに弾性を有する物質であることを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
  6. 請求項2または請求項3に記載の光または放射線用二次元検出器において、前記導電体において、第1領域に積層されるものを第1導電体とし、第2領域に積層されるものを第2導電体として、前記第2導電体は、第1導電体に比べて比抵抗が低いことを特徴とする光または放射線用二次元検出器。
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