JP3978971B2 - 2次元画像検出器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療分野、工業分野、さらに原子力分野などに用いられる2次元画像検出器に係り、特に、この種の2次元画像検出器などに備えられ放射線、可視光線、赤外線、紫外線などの電磁波に感応する半導体膜の特性の劣化を抑制する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2次元画像検出器は、放射線(例えばX線)が入射することによりキャリア(電子−正孔対)が生成される半導体膜を備え、この半導体膜の表面に形成され電圧印加電極にバイアス電圧が印加されるとともに、半導体膜の裏面に縦・横2次元マトリックス配置された多数個のキャリア収集電極ごとに電荷蓄積用のコンデンサと通常オフ(OFF)状態の電荷読み出し用のスイッチ素子(例えば薄膜トランジスタ)とがそれぞれ接続されていて、放射線照射に伴ってコンデンサに蓄積された電荷が、オン(ON)状態に移行したスイッチ素子を経由して放射線信号として読み出される構成となっている(例えば、文献「L.S.Jeromin,et al., ”Application of a-Si Active-Matrix Technology in a X-Ray Detector Panel”,SID 97 DIGEST,pp.91-94,1997」、「特開平6−342098号公報」参照)。
【0003】
大面積の2次元画像検出器の場合、各製造工程などで、アクティブマトリックス基板の上にアモルファス・セレン(a−Se)のような半導体膜などが積層形成された薄くて撓み易い状態で取り扱われている。
【0004】
また、大面積の2次元画像検出器の場合、アクティブマトリックス基板の表面に各種真空蒸着法によりアモルファス・セレン(a−Se)のような半導体厚膜を積層形成している。すなわち、図6(a)に示すように、一般的な真空蒸着法による成膜では、真空下でアクティブマトリックス基板20を吸着固定することができないので、蒸着用材料を配置した上側にアクティブマトリックス基板20の両端を器具70で挟み込むように固定して配置し、アクティブマトリックス基板20が蒸着物と対向する面(図6(a)ではアクティブマトリックス基板20の下側の面)にアモルファス半導体厚膜11を積層形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、大面積で厚みの薄い2次元画像検出器の場合、各製造工程で取り扱う際に負荷が加わり2次元画像検出器が撓み、半導体膜に応力が生じて特性の劣化を生じるといった問題がある。
【0006】
また、2次元画像検出器の製造過程では、アクティブマトリックス基板20自体の厚みが薄いために、図6(a)の実線に示すように、その自重によりアクティブマトリックス基板20は下方向に数mm程度の撓みが生じ、そのままの状態でアモルファス半導体厚膜11が積層形成されてゆく。通常、2次元画像検出器は、図6(b)に示すように、アモルファス半導体厚膜11をX線などの入射側に向けて上向きで設置される。すなわち、撓みの凸面を上向けに設置されるので、アクティブマトリックス基板20はその自重により水平状態に戻り、アモルファス半導体厚膜11に応力が生じる。そのために、アモルファス半導体厚膜10にクラックなどが発生して特性の劣化を生じるといった問題がある。
【0007】
また、a−Seは、成膜時のアクティブマトリックス基板20の温度により特性が変化するという性質がある。すなわち、上述のようにアクティブマトリックス基板20に撓みの生じたまま成膜が行われると、アクティブマトリックス基板20上の温度分布が均一に保てないので均一な膜特性が得られないといった問題もある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電磁波感応用の半導体膜の特性を劣化させることのない2次元画像検出器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、請求項1に係る2次元画像検出器は、電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜と、前記電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板とを備えた2次元画像検出器において、前記アクティブマトリックス基板を、1.0(W/mk)以上の熱伝導性を有するゲル状物質を介して、ガラスまたは金属からなるベース基板に貼り合わせたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の2次元画像検出器において、前記ベース基板は、アルミニウムと鉛とを貼り合せたものであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜と、前記電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板とを備えた2次元画像検出器の製造方法において、電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板を、1.0(W/mk)以上の熱伝導性を有するゲル状物質を介して、ガラスまたは金属からなるベース基板に貼り合わせた後に、前記アクティブマトリックス基板上に電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜を生成することを特徴とする。
【0011】
【作用】
この発明の作用は次のとおりである。
すなわち、請求項1に記載の2次元画像検出器の場合、2次元画像検出器自体が熱伝導性を有する粘弾性体を介して、剛性および熱伝導性を有するベース基板に貼り合わされたままの状態で各種装置類に組み込まれるため、各工程などで取り扱われる際に半導体膜に応力が生じない。
【0012】
また、熱伝導性を有する粘弾性体であるシリコーンを主体とするゲル状物質を用いることにより、エポキシ系やSi系の接着剤のように硬化に時間を要する必要もなく、加工なども容易に行なわれるので、作業効率の向上が図られる。
【0013】
また、請求項3に記載の2次元画像検出器の場合、各種真空蒸着法によりアクティブマトリックス基板の表面を覆うように半導体膜が生成される際に、アクティブマトリックス基板に剛性および熱伝導性の優れたベース基板を、熱伝導性を有する粘弾性体を用いて予め貼り合わせた状態で行なわれる。
【0014】
すなわち、成膜時にアクティブマトリックス基板の表面が下向きにされたその表面に半導体膜が積層される。このとき、アクティブマトリックス基板の自重による撓みと、半導体膜などの積層に伴って加わる荷重による撓みとは、前記剛性を有するベース基板と貼り合わさることにより解消されるとともに、アクティブマトリックス基板の撓みによるアクティブマトリックス基板自体の温度分布のバラツキも解消される。さらに、ベース基板自体は熱伝導性のよい材料を用いているので成膜時にアクティブマトリックス基板の温度分布のバラツキが生じない。
【0015】
また、前記貼り合わせ材料は熱伝導性を有しているので、アクティブマトリックス基板の温度分布のバラツキを生じることはなく、アクティブマトリックス基板とベース基板とをしっかりと接着している。また、粘弾性体は弾力性を有しているので、アクティブマトリックス基板とベース基板との熱膨張係数の差異による接合面での反りによる負荷が解消される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1は、この発明の2次元画像検出器の正面図である。
この実施例に係る2次元画像検出器は大きく分けて、検出対象のX線などの入射側から順にX線などをキャリア(電子−正孔対)に変換・蓄積する膜構造の検出部10と、前記検出部10で変換・蓄積された電荷を検出信号として読み出すアクティブマトリックス基板20と、前記アクティブマトリックス基板20がゲルシート40を介して貼り合わされるベース基板50とから構成されている。また、アクティブマトリックス基板20には、FPC30(Flexible Printed Circuit)が接続されいる。なお、ゲルシート40はこの発明の粘弾性体に相当する。
【0017】
以下各部の構成および機能についての説明する。
検出部10は、図3に示すように、放射線(例えばX線)が入射することによりキャリアが生成される放射線感応型のアモルファス半導体厚膜11と、このアモルファス半導体厚膜11の放射線入射側に設けられて注入キャリアを選択する選択性高抵抗膜12と、アモルファス半導体厚膜11の放射線入射側の選択性高抵抗膜12の表面に設けられた電圧印加電極13と、アモルファス半導体厚膜11の放射線入射側とは反対側に設けられたキャリア収集電極14とを備えている。以下、アモルファス半導体厚膜11の構成を具体的に説明する。
【0018】
アモルファス半導体厚膜11は膜厚が0.3〜1.0mm前後の高純度アモルファス・セレン(a−Se)厚膜である。このa−Se厚膜は特に検出エリアの大面積化に対する適正に優れている。アモルファス半導体厚膜11は、仮に薄いと検出対象の放射線の素通りする量が多くなり、放射線を十分に捕捉できなくなることから、0.3〜1.0mm前後の厚めの膜が用いられる。
【0019】
選択性高抵抗膜12は、アモルファス半導体厚膜11と電圧印加電極13との間にアモルファス半導体厚膜11を全面的に覆うようにして、この実施例ではp型キャリア選択性高抵抗膜12として形成されている。すなわち、放射線検出に寄与しない多数キャリアの注入を阻止し、少数キャリアの注入を許容する構成となっている。なお、選択性高抵抗膜12は、Sb2 S3 、SbTe、ZeTe、CdTe、AsSe、CdZnTeなどの膜や、有機膜が適当である。なお、半導体の極性および選択性高抵抗膜12は上の例示のものに限られない。
【0020】
電圧印加電極13およびキャリア収集電極14においては、図3に示すように、電圧印加電極13の方は全検出素子Duの共通電極として全面的に形成されているが、キャリア収集電極14の方は個別電極として2次元マトリックス状に各検出素子Duごとに分離形成されている。その結果、放射線強度の2次元分布の検出が可能となる。
【0021】
なお、電圧印加電極13およびキャリア収集電極14は、Au、Pt、Ni、Inなどの金属やITO(インジウム錫酸化物)などの導電性材料などで形成される。なお、電極の材料は上の例示のものに限られない。
【0022】
アクティブマトリックス基板20は、図3および図4に示すように、誘電体基板21と、前記キャリア収集電極14からの収集キャリアを溜めるコンデンサCsと、コンデンサCsに蓄積された電荷を取り出すための通常時オフ(遮断)の電荷取り出し用のスイッチ素子22である薄膜トランジスタ(TFT)を備えている。また、実施例の検出部10は、電圧印加電極13にVA のバイアス電圧が印加された状態で放射線照射に伴う生成キャリアがキャリア収集電極14からコンデンサCsに送り込まれて蓄積されるとともに、読み出しタイミングになった時にスイッチ素子22がオン(接続)となって蓄積電荷が放射線検出信号として読み出される構成となっている。
【0023】
なお、図4では、説明の便宜上、縦3×横3マトリックス構成で合計9個分のマトリックス構成が示されているだけであるが、実際の場合、必要に応じて、例えば縦1024×横1024程度のマトリックス構成をとなる。
【0024】
以下、アクティブマトリックス基板20の構成を具体的に説明する。
アクティブマトリックス基板20は、図3および図4に示すように、検出素子Duのスイッチ素子22用薄膜トランジスタのソースがX軸方向に配列した縦の読み出し配線23に接続され、ゲートがY軸方向に配列した横の読み出し配線26に接続されている。読み出し配線23は電荷−電圧変換器群(プリアンプ群)24を介してマルチプレクサ25に接続されているとともに、読み出し配線26はゲートドライバ27に接続されている。なお、電荷−電圧変換器群24では、1本の読み出し配線23に対して、図示しないが、電荷−電圧変換器24が1個それぞれ接続されている。
【0025】
そして、2次元画像検出器の場合、マルチプレクサ25およびゲートドライバ27へ信号取り出し用の走査信号が送り込まれることになる。検出部10の各検出素子Duの特定は、X方向・Y方向の配列に沿って各検出素子Duへ順番に割り付けられているアドレス(例えば、0〜1023)に基づいて行なわれるので、取り出し用の走査信号は、それぞれX方向アドレスまたはY方向アドレスを指定する信号となる。
Y方向の走査信号に従ってゲートドライバ27からY方向の読み出し配線26に対し取り出し用の電圧が印加されるのに伴い、各検出素子Duが列単位で選択される。そして、X方向の走査信号に従ってマルチプレクサ25が切り替えられることにより、選択された列の検出素子DuのコンデンサCsに蓄積された電荷が、電荷−電圧変化器群24およびマルチプレクサ25の順に経て外部に送りだされることになる。
【0026】
なお、上述の誘電体基板21はガラス基板などからなり、前記コンデンサCsはSiO2 層などからなる。
【0027】
次ぎに、FPC30には半導体集積回路のチップなどがマウントされた回路基板であり、前記アクティブマトリックス基板20と異方導電性フィルム(ACF)などにより接合されている。また、FPC30はアクティブマトリックス基板20の端から折り曲げらた状態でベース基板50の側面に接着固定されることが好ましい。すなわち、FPC30上のマウント部品や回路に直に照射されるX線などの影響による劣化を回避することができる。また、FPC30が固定されていることにより、FPC30自体の柔軟性が原因で発生する振動による振動ノイズを低減することもできる。
【0028】
ゲルシート40は、シリコーンを主体にセラミック(Al2 O3 )などと混ぜ合された混合物である。すなわち、シリコーンの特性である接着性と弾力性とを備えるとともに、セラミック(Al2 O3 )など熱伝導性の両方の特性を兼ね備えている。この実施例に使用されるゲルシート40の特性は、弾力性を示す硬度(針入度)は60以上で、熱伝導率は1.0(W/mk)以上で、体積抵抗率は1.0×1013(Ω・cm)以上である。また、このゲルシート40は、常温で接着するといった特性も備えている。
【0029】
なお、前記ゲルシート40の代わりに液体のゲルを塗布して熱処理を施し、適度に溶剤を蒸発させたものなどを使用してもよい。
【0030】
ベース基板50は、図1に示すように、アクティブマトリックス基板20の各4辺よりも短い4辺を備えており、アクティブマトリックス基板20の周縁よりも内側に収まる形状をしている。このベース基板50の材料は、剛性および熱伝導性を兼ね備えたものであり、ガラス基板またはAl(アルミニウム)やSUS(ステンレス鋼)などの金属が用いられる。また、X線などの遮蔽を行ないたい場合には、数十mm程度の厚みのPb(鉛)やW(タングステン)などの焼結合金が用いられる。さらに、加工の容易性と軽量化を図るために数mm程度のAlにPbを貼り合わせたものを用いてよい。
【0031】
なお、この発明の2次元画像検出器は、前記ベース基板50と貼り合わせて一体成型したものを装置類に組み込むことを前提としているため、ベース基板50に前記剛性の優れた金属を用いることにより、装置類に組み込むための締結部品用のタップなどの加工も容易に行なうことができる。さらに、装置類に2次元画像検出器を組み込む工程でベース基板50を剥がすといった余計な加工を必要としない。その結果、組み込み工程でアモルファス半導体厚膜11に余計に負荷が加わることも回避できる。
また、ベース基板50にアクティブマトリックス基板20と同じ材料を用いることが好ましい。すなわち、熱膨張係数が同一であり、熱膨張係数の差異による負荷がアモルファス半導体厚膜11に加えられない。
【0032】
なお、ベース基板50のサイズは、前記サイズに限定されるものではなく、アクティブマトリックス基板20と同じサイズやそれ以上であってもよい。
【0033】
次いで、上記実施例の2次元画像検出器の概略製造方法について説明する。
ベース基板50に予めゲルシート40を貼り付けておき、アクティブマトリックス基板20と貼り合わせる。なお、ゲルシート40はベース基板50もしくはアクティブマトリックス基板20のいずれか一方に貼り合わせておけばよく、そのサイズはベース基板50を全て覆う1枚ものであってもよいし、数ミリ角の形状に裁断されたものを等間隔に複数枚貼り付けたものであってもよい。
【0034】
前記ベース基板50と貼り合わされて一体成型されているアクティブマトリックス基板20は、各種真空蒸着用の成膜装置内に設置される。このとき、アクティブマトリックス基板20に直接にアモルファス半導体厚膜11を生成するために、積層されるべく配置された成膜材料の上方向に前記アクティブマトリックス基板20の表面が対面するように設置される。
【0035】
次ぎに、前記アクティブマトリックス基板20の表面に薄膜形成技術やフォトリソグラフィ法によるパターン化技術を利用して、キャリア収集電極14、アモルファス半導体厚膜11、キャリア選択性高抵抗膜12、電圧印加電極13の順で積層形成されてゆく。
【0036】
すなわち、アクティブマトリックス基板20と剛性および熱伝導性の優れたベース基板50とを、熱伝導性を有する粘弾性体であるゲルシート40を介して貼り合わせることにより、アモルファス半導体厚膜11の成膜時のアクティブマトリックス基板20自体の自重による撓みと、この撓みより起因するアクティブマトリックス基板20の温度分布の不均一によるアモルファス半導体厚膜11の特性の劣化を抑制することができる。さらに、アクティブマトリックス基板20とベース基板50との熱膨張係数の差異による前記両基板20、50との接合面での反りによる負荷もゲルシート40の弾力性により解消することができるので、アモルファス半導体厚膜11に余計な応力のかかっていない2次元画像検出器が実現される。
【0037】
この発明は、上記実施例に限らず、次のように変形実施することもできる。
すなわち、図5に示すように、ベース基板50の両端に別途Pb(鉛)などの金属のダミーベース60を設けてもよい。ダミーベース60はネジなどによりベース基板50に連結されており、そのサイズはアクティブマトリックス基板から数ミリ程度はみ出す程度の直方体の形状をしている。このダミーベース60を設けることにより2次元画像検出器としてX線などを検出する際に、アモルファス半導体厚膜11に斜め方向から入射して抜け出た余計なX線などを遮蔽することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明の2次元画像検出器によれば、2次元画像検出器自体が、熱伝導性を有する粘弾性体を介して、剛性および熱伝導性を有するベース基板に貼り合わされたままの状態で各種装置類に組み込まれるため、各工程などの取り扱いの際に加わる負荷外力による反りのために発生する半導体膜の応力を回避することができる。その結果、半導体膜の特性の劣化を生じない。また、アクティブマトリックス基板とベース基板とを貼り合わせている粘弾性体が熱伝導性を有しているので、アクティブマトリックス基板に不均一な温度分布を生じることがない。また、粘弾性体の弾力性により、アクティブマトリックス基板とベース基板との熱膨張係数の差異により接合面で生じる基板同士の反りよる負荷も解消することができる。
【0039】
また、貼り合わせ材料に熱伝導性を有する粘弾性体であるシリコーンを主体とするゲル状物質を用いることにより、硬化時間を必要せずに常温での貼り付けが可能なので、加工が容易に行なえることから作業効率の向上を図ることができる。
【0040】
また、請求項3に記載の2次元画像検出器によれば、アクティブマトリックス基板に剛性を有するベース基板を貼り合わせた状態で、半導体膜が積層形成されるので、基板の撓みが解消されるとともに、基板の撓みに起因するアクティブマトリックス基板自体の温度分布のバラツキも解消される。その結果、半導体膜に与える温度分布のバラツキによる特性の劣化も回避することができる。また、ベース基板は熱伝導性にも優れていおり、温度分布のバラツキといった影響をアクティブマトリックス基板に与えることがない。また、この発明の2次元画像検出器を用いて電磁波情報を検出する際に、電磁波の入射面側である半導体膜の面を上向きに設置しても、基板が変形しないので、半導体膜にクラックなども生じない。すなわち、半導体膜の特性の劣化の生じない2次元画像検出器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の2次元画像検出器の断面図である。
【図2】この発明の一実施例の2次元画像検出器の平面図である。
【図3】アモルファス半導体厚膜の構成を示す断面図である。
【図4】アクティブマトリックス基板の等価回路を示す電気回路図である。
【図5】変形例の2次元画像検出器の断面図である。
【図6】従来例の2次元画像検出器の概略図であり、(a)は真空蒸着法による成膜時の様子を示す図、(b)は2次元画像検出器の製品装着時の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 … 検出部
20 … アクティブマトリックス基板
30 … FPC
40 … ゲルシート
50 … ベース基板
Claims (3)
- 電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜と、前記電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板とを備えた2次元画像検出器において、前記アクティブマトリックス基板を、1.0(W/mk)以上の熱伝導性を有するゲル状物質を介して、ガラスまたは金属からなるベース基板に貼り合わせたことを特徴とする2次元画像検出器。
- 請求項1に記載の2次元画像検出器において、前記ベース基板は、アルミニウムと鉛とを貼り合せたものであることを特徴とする2次元画像検出器。
- 電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜と、前記電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板とを備えた2次元画像検出器の製造方法において、電荷情報を読み出すアクティブマトリックス基板を、1.0(W/mk)以上の熱伝導性を有するゲル状物質を介して、ガラスまたは金属からなるベース基板に貼り合わせた後に、前記アクティブマトリックス基板上に電磁波情報を電荷情報に変換する半導体膜を生成することを特徴とする2次元画像検出器の製造方法。
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