JP2005268094A - 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物 - Google Patents

非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005268094A
JP2005268094A JP2004080284A JP2004080284A JP2005268094A JP 2005268094 A JP2005268094 A JP 2005268094A JP 2004080284 A JP2004080284 A JP 2004080284A JP 2004080284 A JP2004080284 A JP 2004080284A JP 2005268094 A JP2005268094 A JP 2005268094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
ococf
electrolytic solution
less
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004080284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4586388B2 (ja
Inventor
Teppei Yamada
鉄兵 山田
Takashi Fujii
隆 藤井
Kunihisa Shima
邦久 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2004080284A priority Critical patent/JP4586388B2/ja
Publication of JP2005268094A publication Critical patent/JP2005268094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4586388B2 publication Critical patent/JP4586388B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】 充放電に伴うガス発生量を抑制する。
【解決手段】 電解質と非水溶媒とを含有し、更に、式(1)で表される化合物を含有する非水電解液。
0(OCOR)n ・・・式(1)
(nは2以上6以下の整数を表し、Rはそれぞれ独立に少なくとも1個のハロゲン原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。R0は置換されていてもよいn価の炭化水素基を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水電解液及びリチウムイオン二次電池並びにそれに用いる新規のフッ素含有エステル化合物に関する。詳しくは、充放電に伴うガス発生量が従来よりも少ない非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池、並びにそれに用いるフッ素含有エステル化合物に関するものである。
リチウムをドープ及び脱ドープ可能な正極及び負極と、リチウムイオンを伝達することのできる非水電解液とを用いたリチウムイオン二次電池は、高電圧で高エネルギー容量の電池であり、現在では携帯電話をはじめとする携帯情報端末にとって、なくてはならないものとなっている。
リチウムイオン二次電池は、非水電解液を用いることにより、他の二次電池に比べて原理的に高電圧・高エネルギー容量を有することが可能であるため、今後もその用途はますます広がっていくと考えられる。また、今後は更なる高電圧・高エネルギー容量が要求され、また用途の拡大に伴って難燃性、過充電防止、フクレ防止など、安全性に対する要求が増大していくと考えられる。
さて、リチウムイオン二次電池内においては、非水電解液の分解が起こり、劣化やガス発生の原因となるため、これを抑制することが安全性向上のために望まれる。そのため、従来、カーボネート系の化合物を用いて電極表面に保護被膜を形成することにより、非水電解液の分解を抑制することがなされてきた。しかし、安全性向上のため、更なる改良が求められている。
また、特許文献1には、分子内に複数のハロアルキルカルボニル部分構造を有するハロゲン含有化合物及び含フッ素ポリマーを非水電解液に混合することにより、リチウムイオン二次電池の熱安定性の向上に寄与しうることが報告されている。
特開2002−302650号公報
特許文献1に記載の化合物を用いた場合、充放電容量の劣化が見られ、また充放電に伴って多量のガス発生が見られるなど、電池として実用に供するには大きな課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、充放電に伴うガス発生量が従来よりも少ない非水電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池、並びにそれに使用できる化合物を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の構造を有するエステル化合物を非水電解液に含有させることにより、充放電に伴うガスの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、電解質と非水溶媒とを含有し、更に、下記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする、非水電解液に存する(請求項1)。
0(OCOR)n ・・・式(1)
(但し、nは2以上6以下の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。また、R0は置換されていてもよいn価の炭化水素基を表す。)
このとき、上記R0は、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる基によって置換されていることが好ましい(請求項2)。
さらに、該非水電解液は、非水電解液中の濃度として、該化合物を、0.01重量%以上20重量%以下含有することが好ましい(請求項3)。
また、該化合物は、下記式(2)〜(12)からなる群より選ばれる式で表される化合物であることが好ましい(請求項4)。
CF3COO(CH2pOCOCF3 ・・・式(2)
CF3COO(CH2CH2O)qCOCF3 ・・・式(3)
CF3COO(CF2rOCOCF3 ・・・式(4)
CF3COOCH2C(CH3)(CH2OCOCF32 ・・・式(5)
CF3COOCH2C(CH2OCOCF33 ・・・式(6)
CH2(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH2(OCOCF3) ・・・式(7)
CF3COOCH2CH=CHCH2OCOCF3 ・・・式(8)
CF3COOCH2C≡CCH2OCOCF3 ・・・式(9)
25COOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCOC25 ・・・式(10)
CF3COOCH2CH2SCH2CH2OCOCF3 ・・・式(11)
CF3COOCH2CF2CF2CF2CF2CH2OCOCF3 ・・・式(12)
(但し、pは2以上10以下の自然数を表し、q及びrはそれぞれ独立に1以上10以下の自然数を表す。)
さらに、該非水電解液は、不飽和環状カーボネートを含有することが好ましい(請求項5)。
本発明の別の要旨は、上述した非水電解液と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極及び負極とを備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池に存する(請求項6)。
本発明のさらに別の要旨は、上記式(5)又は式(12)で表されることを特徴とする、フッ素含有エステル化合物に存する(請求項7)。
本発明の非水電解液及びそれを用いたリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物によれば、充放電によるガスの発生量を従来よりも少なくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明は以下の実施態様に限定されず、任意に変形して実施することができる。
[I.非水電解液]
本発明の非水電解液は、電解質と非水溶媒とからなる非水電解液であって、下記式(1)で表される化合物(以下適宜、「本発明のエステル化合物」という)を含有することを特徴とする。
0(OCOR)n ・・・式(1)
(但し、nは2以上6以下の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。また、R0は置換されていてもよいn価の炭化水素基を表す。)
[1.本発明のエステル化合物]
[種類]
本発明のエステル化合物は、上記式(1)で表される化合物である。
式(1)においてRは、1個又は2個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアリール基を表す。これらの中でも、特に、アルキル基が好ましい。
また、Rの炭素数は、通常1以上、好ましくは3以上、また、通常10以下、好ましくは6以下である。この範囲の上限を越えるとリチウムの伝導性が悪化する虞がある。
さらに、Rに置換するハロゲン原子に制限は無く、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子といったハロゲン原子を任意に置換基として有することができる。なかでも、被膜形成能力の点から、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。なお、ハロゲン原子はRに1種だけで置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
また、Rに置換しているハロゲン原子の数も任意であるが、通常1以上、好ましくは3以上、通常15以下、好ましくは10以下である。この範囲の下限を下回ると被膜を形成しない虞があり、上限を上回ると本発明のエステル化合物が非水溶媒と混ざらない虞がある。
ここで、Rにハロゲン原子が置換していることが好ましい理由を説明する。酢酸エチルなどの通常のカルボン酸エステルは、例えばカーボネート系の非水溶媒中では丈夫な被膜を形成しない。しかし、ハロゲン原子を置換基として有することにより、本発明のエステル化合物は還元電位を調整され、電極表面にカルボン酸エステル系の被膜を形成することができるようになる。それにより、本発明のエステル化合物以外の非水溶媒と電極との反応を抑制し、電池容量の保持やガス発生の抑制が可能となる。
さらに、本発明のエステル化合物内のRは、同種であっても異なっていても良い。ただし、製造コストの点から、同種であることが好ましい。
以下にRの具体例を挙げるが、本発明は以下の例示物に何ら限定されるものではない。なお、下記化学式において、Aは置換基の結合部分を表す。
Rがハロゲン置換アルキル基である場合は、Rの具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2005268094
この中でも、A−CF3,A−CF2H,A−CFH2及びA−CF2CF3が好ましい。
また、Rがハロゲン置換アルコキシアルキル基である場合には、Rの具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2005268094
さらに、Rがハロゲン置換アリール基である場合には、Rの具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2005268094
上記式(1)において、nは通常2以上、また、通常10以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下の整数を表す。nが大きいほど被膜の安定性を高めることができると考えられるが、上限を上回ると被膜が薄くなりすぎ、耐溶媒かつリチウムイオン伝導性の被膜としての能力が落ちると考えられる。
さらに、上記式(1)において、R0はn個の結合手を有する、即ち、n価の任意の炭化水素基を表す。R0について特に制限は無く、例えば、公知の任意の炭化水素から水素をn個取り除いて結合部分をn箇所持たせた基が挙げられる。具体的には、n価の脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。ただし、R0の基本骨格としては、電気化学的安定性の点から、脂肪族飽和炭化水素基や、エーテル結合を有する脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。
また、R0は別の置換基で置換されていても良い。置換基の種類としては、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などの原子が好ましい。なかでも、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子は、これらの原子がリチウムと結合した際、解離エネルギーが軽減されることにより、被膜のリチウム伝導性向上が見込まれるという点から好ましい。なお、R0に置換する原子は、1種のみが置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。
また、R0に置換する原子の数は、電気化学的安定性という点から、通常10以下、好ましくは4以下である。
以下にR0の具体例を挙げるが、本発明は以下の例示物に何ら限定されるものではない。なお、下記化学式において、XはR0の結合部分を表す。
0が2価の場合、即ち、式(1)においてnが2の場合には、R0としては、例えば以下のものが例示される。
Figure 2005268094
Figure 2005268094
Figure 2005268094
Figure 2005268094
また、R0が3価の場合、即ち、式(1)においてnが3の場合には、R0としては、例えば以下のものが例示される。
Figure 2005268094
また、R0が4価の場合、即ち、式(1)においてnが4の場合には、R0としては、例えば以下のものが例示される。
Figure 2005268094
また、R0が5価の場合、即ち、式(1)においてnが5の場合には、R0としては、例えば以下のものが例示される。
Figure 2005268094
また、R0が6価の場合、即ち、式(1)においてnが6の場合には、R0としては、例えば以下のものが例示される。
Figure 2005268094
さらに、本発明のエステル化合物の分子量は、通常160以上、好ましくは200以上、また、通常2000以下、好ましくは1000以下である。上記式(1)で表される構造を有するためには分子量が最低160以上である事が必要であり、また、分子量が大きすぎると粘度が高くなり電池特性が低下する虞があるためである。
以下に、上記式(1)で表される本発明のエステル化合物の具体例を挙げるが、本発明のエステル化合物は以下に示す例示物に限定されるものではない。
上記式(1)において、nが2の場合、本発明のエステル化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Rがアルキル基のものとしては、エチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル、ジエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル、トリエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル、2−ブテン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル、2−ブチン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル、オクタフルオロブタン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル、ビス(2−(ペンタフルオロプロピオニルオキシ)エチル)メチルアミン、ビス(2−(トリフルオロアセトキシ)エチル)スルフィドなどが挙げられる。
また、Rがアルコキシアルキル基のものとしては、エチレングリコール2−(ペンタフルオロエトキシ)酢酸ジエステル、エチレングリコール2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)酢酸ジエステルなどが挙げられる。
また、Rがアリール基のものとしては、エチレングリコールペンタフルオロ安息香酸ジエステルなどが挙げられる。
また、上記式(1)において、nが3の場合、本発明のエステル化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Rがアルキル基のものとしては、ペンタグリセロールトリフルオロ酢酸トリエステル、グルシノールトリフルオロ酢酸トリエステル、シクロペンタン−1,2,3−トリオールトリフルオロ酢酸トリエステルなどが挙げられる。
Rがアルコキシアルキル基のものとしては、ペンタグリセロール2−(ペンタフルオロエトキシ)酢酸トリエステル、ペンタグリセロール2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)酢酸トリエステルなどが挙げられる。
Rがアリール基のものとしては、ペンタグリセロールペンタフルオロ安息香酸トリエステルなどが挙げられる。
さらに、上記式(1)において、nが4の場合、本発明のエステル化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Rがアルキル基のものとしては、ペンタエリスリトールトリフルオロ酢酸テトラエステル、エリスリトールトリフルオロ酢酸テトラエステル、キシローストリフルオロ酢酸テトラエステルなどが挙げられる。
Rがアルコキシアルキル基のものとしては、ペンタエリスリトール2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)酢酸テトラエステル、エリスリトール2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)酢酸テトラエステルなどが挙げられる。
Rがアリール基のものとしては、ペンタエリスリトールペンタフルオロ安息香酸テトラエステル、エリスリトールペンタフルオロ安息香酸テトラエステルなどが挙げられる。
また、上記式(1)において、nが5の場合、本発明のエステル化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Rがアルキル基のものとしては、ペンタキス(トリフルオロアセトキシ)ベンゼン、グルコーストリフルオロ酢酸ペンタエステルなどが挙げられる。
Rがアルコキシアルキル基のものとしては、ペンタキス(2,2,2−トリフルオロエトキシアセトキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
Rがアリール基のものとしては、ペンタキス(ペンタフルオロベンジルオキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
さらに、上記式(1)において、nが6の場合、本発明のエステル化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Rがアルキル基のものとしては、ヘキサキス(トリフルオロアセトキシ)ベンゼン、ヘキサキス(トリフルオロアセトキシ)ベンゼン、ガラクシトールトリフルオロ酢酸ヘキサエステルなどが挙げられる。
Rがアルコキシアルキル基のものとしては、ヘキサキス(2,2,2−トリフルオロエトキシアセトキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
Rがアリール基のものとしては、ヘキサキス(ペンタフルオロベンジルオキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
さらに、本発明のエステル化合物の中でも、特に、下記式(2)〜(12)で表されるものが、コストや電気化学的安定性の観点から好ましい。
CF3COO(CH2pOCOCF3 ・・・式(2)
CF3COO(CH2CH2O)qCOCF3 ・・・式(3)
CF3COO(CF2rOCOCF3 ・・・式(4)
CF3COOCH2C(CH3)(CH2OCOCF32 ・・・式(5)
CF3COOCH2C(CH2OCOCF33 ・・・式(6)
CH2(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH2(OCOCF3) ・・・式(7)
CF3COOCH2CH=CHCH2OCOCF3 ・・・式(8)
CF3COOCH2C≡CCH2OCOCF3 ・・・式(9)
25COOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCOC25 ・・・式(10)
CF3COOCH2CH2SCH2CH2OCOCF3 ・・・式(11)
CF3COOCH2CF2CF2CF2CF2CH2OCOCF3 ・・・式(12)
但し、pは通常2以上、また、通常10以下、好ましくは6以下の自然数を表す。また、q及びrはそれぞれ独立に、通常1以上、また、通常10以下、好ましくは6以下の自然数を表す。
[非水電解液中の濃度]
また、本発明の非水電解液中におけるエステル化合物の濃度は、非水電解液に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、また、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。下限を下回ると、被膜形成のためのエステル化合物の絶対量が不足することにより、本発明のエステル化合物の効果が有効に現れない虞がある。また、上限を上回ると、本発明のエステル化合物が非水電解液中に余剰に残存し、保存後の電池特性に悪影響を及ぼしやすい。
なお、本発明のエステル化合物を非水電解液中に含有させる場合、本発明のエステル化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。併用する場合には、本発明のエステル化合物の濃度の合計が、上記の濃度範囲内となるようにすることが望ましい。
[製造方法]
本発明のエステル化合物の製造方法について特に制限は無く、本発明のエステル化合物は、任意の製造方法により製造することができる。製造方法の例を挙げると、本発明のエステル化合物は、例えば、ハロゲン置換カルボン酸無水物と、多価アルコール類又は糖類とを反応させることにより製造することができる。この反応を化学反応式で表すと、以下のようになる。
Figure 2005268094
また、製造方法の別の例としては、ハロゲン置換カルボン酸と、多価アルコール類又は糖類とを、直接脱水縮合させることによっても製造することができる。
なお、本発明のエステル化合物の同定は、質量分析ガスクロマトグラフ法(GC−MS)のスペクトルを測定することにより行なうことが出来る。
[従来技術との比較]
ところで、特許文献1には、ハロゲン化カルボニル化合物と含珪素化合物とからハロゲン化多価カルボン酸を合成する方法が示されている。しかし、この方法は反応にシリケートを用いるためにコストが嵩むことから、工業的に利用することは困難である。
また、後で比較例2に示すように、特許文献1に記載されたハロゲン多価カルボン酸をリチウムイオン二次電池に用いた場合、ハロゲン多価カルボン酸が電極表面に強固な被膜を形成したとしても、充放電の初期から大きな容量劣化が生じるため、二次電池としての電池性能は低下する。そのため、特許文献1の技術は、実際のリチウムイオン二次電池に用いるには不十分であった。
これに対して、上記の本発明のエステル化合物の製造方法では、出発物質として多価アルコールを用いる。多価アルコールは、2官能基は無論、3官能基以上の多価アルコールも非常に容易に調達可能である。具体的には、2価のものとしてグリコール類、3価のものとしてグリセロール類やグリコール類、4価以上のものとしては糖類があるためである。そのため、上記の製造方法を用いれば、本発明のエステル化合物を工業的に非常に有利に製造することができる。
さらに、実施例において後述するように、本発明のエステル化合物をリチウムイオン二次電池に用いた場合には、充放電後においても容量劣化も見られず、さらにガス発生量を抑制するなど、有用な性能が見られる。以上のように、本発明は、実際に使用するために大きなステップを越えたという点で重要である。
[2.電解質]
電解質について特に制限は無く、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができるが、通常は、リチウム塩を用いる。その具体例を挙げると、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、Li2CO3及びLiBF4等の無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiN(CF3SO22 、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C25SO2)、LiC(CF3SO23、LiPF4(CF32、LiPF4(C252、LiPF4(CF3SO22、LiPF4(C25SO22、LiBF2(CF32、LiBF2(C252、LiBF2(CF3SO22及びLiBF2(C25SO22等の含フッ素有機リチウム塩;KPF6、NaPF6、NaBF4及びNaCF3SO3等のナトリウム又はカリウム塩の電解質などが挙げられる。これらのうち、特にLiPF6およびLiBF4が特に好ましい。なお、電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
特に、本発明の非水電解液に用いる電解質としては、電解質全体に対して、LiPF6又はLiBF4を70重量%以上100重量%以下を含むものが好ましい。さらに、LiPF6又はLiBF4に加えてLiCF3SO3、LiN(CF3SO22及びLiN(C25SO22から選ばれる含フッ素有機リチウム塩を0重量%以上30重量%以下含むものがより好ましい。
また、非水電解液中の電解質の濃度は任意であるが、通常0.2mol/L以上、好ましくは0.5mol/L以上、また、通常3mol/L以下、好ましくは2mol/L以下である。濃度が低すぎると非水系電解液の電気伝導率が不十分になる虞がある。一方、濃度が高すぎると粘度上昇のため電気伝導率が低下し、また、低温での析出が起こりやすくなり、リチウムイオン二次電池の性能が低下する傾向がある。
なお、電解質を2種以上併用する場合、用いた電解質の濃度の合計が上記範囲内となるようにすることが望ましい。
[3.非水溶媒]
非水溶媒について特に制限は無く、公知の非水溶媒を任意に用いることができるが、通常は、有機溶媒を用いる。非水溶媒の例を挙げると、鎖状及び環状カーボネート、鎖状及び環状カルボン酸エステル、鎖状及び環状エーテル等が挙げられる。
環状カーボネートの具体例としては、PC(プロピレンカーボネート)、EC(エチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート、フルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、鎖状カーボネートの具体例としては、DEC(ジエチルカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)、ジ−n−プロピルカーボネートなどが挙げられる。
さらに、環状カルボン酸エステルの具体例としては、GBL(γ−ブチロラクトン)、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
また、鎖状カルボン酸エステルの具体例としては、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどが挙げられる。
さらに、鎖状エーテルの具体例としては、DME(ジメトキシエタン)、DEE(ジエトキシエタン)、DMM(ジメトキシメタン)などが挙げられる。
また、環状エーテルの具体例としてはTHF(テトラヒドロフラン)、2−メチルTHF(2−メチルテトラヒドロフラン)などが挙げられる。
また、非水溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
非水溶媒としては、複数の化合物を併用するのが好ましい。一般的には、環状カーボネートや環状カルボン酸エステル等の高誘電率溶媒と、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、エーテル等の低粘度溶媒とを併用するのが好ましい。中でも、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせ、若しくは、環状カーボネートと環状エステルとの組み合わせがより好ましい。
また、環状カーボネートとして、アルキレン基を有する環状アルキレンカーボネートと、鎖状カーボネートとしてアルキル基を有するジアルキルカーボネートとを混合した混合溶媒がさらに好ましい。この際、環状アルキレンカーボネートが有するアルキレン基の炭素数は、2以上4以下が好ましい。また、ジアルキルカーボネートが有するアルキル基の炭素数も、2以上4以下が好ましい。さらに、環状アルキレンカーボネートとジアルキルカーボネートとの重量比率は、通常10:90以上、好ましくは20:80以上、また、通常60:40以下、好ましくは50:50以下が望ましい。これにより、サイクル特性、大電流放電特性及びガス発生抑制のバランスが向上する。
さらに、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して非水溶媒とする場合の具体的な好ましい組み合わせの例を挙げると、ECとDMC、ECとEMC、ECとDEC、ECとDMCとEMC、ECとDMCとDEC、ECとEMCとDEC、ECとDMCとEMCとDECなどが挙げられる。また、これらの組み合わせに、さらにPCを加えた組み合わせも、好ましい組み合わせとして挙げられる。PCを含有する場合には、ECとPCとの重量比率は、通常1:99以上、好ましくは40:60以上、また、通常99:1以下、好ましくは95:5以下である。
鎖状カーボネートを非水溶媒に用いる場合、非水溶媒中の鎖状カーボネートの濃度は、通常40重量%以上、好ましくは45重量%以上、より好ましくは50重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。この範囲の下限を下回ると粘度上昇による注液性の低下が生じる虞があり、上限を上回ると抵抗上昇が生じる虞がある。
さらに、鎖状カルボン酸エステルを非水溶媒に用いる場合、非水溶媒中の鎖状カルボン酸エステルの濃度は、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。この範囲の上限を上回ると伝導度の低下が生じる虞がある。なお、鎖状カルボン酸エステルは非水溶媒の必須成分ではなく、非水溶媒は鎖状カルボン酸エステルを含有していなくてもよい。
また、環状カルボン酸エステルを非水溶媒に用いる場合、非水溶媒中の環状カルボン酸エステルの濃度は、通常60重量%以下、好ましくは55重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。この範囲の上限を上回ると注液性の低下もしくは低温時の出力特性の悪化が生じる虞がある。なお、環状カルボン酸エステルは非水溶媒の必須成分ではなく、非水溶媒は環状カルボン酸エステルを含有していなくてもよい。
さらに、鎖状エーテルを非水溶媒に用いる場合、非水溶媒中の鎖状エーテルの濃度は、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。この範囲の上限を上回ると伝導度の低下が生じる虞がある。なお、鎖状エーテルは非水溶媒の必須成分ではなく、非水溶媒は鎖状エーテルを含有していなくてもよい。
また、環状エーテルを非水溶媒に用いる場合、非水溶媒中の環状エーテルの濃度は、通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。この範囲の上限を上回ると伝導度の低下が生じる虞がある。なお、環状エーテルは非水溶媒の必須成分ではなく、非水溶媒は環状エーテルを含有していなくてもよい。
また、非水溶媒として有機溶媒を用いる場合、その有機溶媒の炭素数は通常2以上、好ましくは3以上、また、通常12以下、好ましくは10以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒の電気化学的安定性が低下する虞があり、上限を上回ると伝導度の低下を生じる虞がある。
[4.助剤]
本発明の非水電解液は、本発明の効果を損ねない範囲で、他の助剤を含有させても良い。なお、助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
例えば、助剤として被膜形成剤を含有させても良い。被膜形成剤に制限は無く、公知のものを任意に使用することができるが、具体例としては、不飽和環状カーボネート、含硫黄化合物などが挙げられる。これらを非水電解液中に含有させることで、本発明のエステル化合物と共に電極表面に被膜を形成し、より欠点の少ない被膜の形成が可能になると考えられる。
不飽和環状カーボネートの具体例を挙げると、VC(ビニレンカーボネート)、フルオロビニレンカーボネート、ジフルオロビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ジビニルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート及びその誘導体;4,4−ジメチル−5−メチレンエチレンカーボネート、4,4−ジエチル−5−メチレンエチレンカーボネートなどの4−メチレンエチレンカーボネート及びその誘導体;ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネートなどのビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;4−(2−プロピレン)エチレンカーボネート、5−メチル−4−(2−プロピレン)エチレンカーボネートなどのアリレンカーボネート及びその誘導体などが挙げられる。
また、含硫黄化合物の具体例を挙げると、エチレンサルファイト、プロパンスルトン、ブタンスルトン、ジメチルスルホン、スルホランなどが挙げられる。
これらの中でも特に、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロパンスルトンが好ましい。
また、非水電解液中における被膜形成剤の濃度は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、また、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。この範囲の下限を下回ると被膜形成に不十分である場合があり、また、上限を上回ると余剰の被膜形成剤が電池特性の低下を招く虞がある。
また、例えば、助剤として過充電防止剤を含有させても良い。過充電防止剤に制限は無く、公知のものを任意に使用することができるが、具体例としては、芳香族化合物、芳香族化合物の部分水素化物、芳香族化合物及びその部分水素化物の部分フッ素化物、アニソール類及びアニソール類の部分フッ素化物などが挙げられる。
過充電防止剤に用いられるものの具体例を挙げると、芳香族化合物としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ターフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンゾフランなどが挙げられる。
また、芳香族化合物の部分水素化物としては、シクロヘキシルベンゼンなどが挙げられる。
また、芳香族化合物及びその部分水素化物の部分フッ素化物としては、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンなどが挙げられる。
また、アニソール類及びアニソール類の部分フッ素化物としては、例えば、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、ペンタフルオロアニソールなどが挙げられる。
また、非水電解液中における過充電防止剤の濃度は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。この範囲の下限を下回ると安全性向上が得られない虞があり、上限を上回ると電池の保存特性が低下する可能性がある。
[II.リチウムイオン二次電池]
本発明の非水電解液は、通常の電解液の用途に広く用いることができるが、特に、リチウムイオン二次電池の電解液として用いて好適である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述した本発明の非水電解液と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極及び負極とを備えることを特徴とする。また、本発明のリチウムイオン二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウムイオン二次電池は、通常、セパレータを備えている。
[1.正極]
正極は、通常、集電体上に正極活物質層を設けて構成される。なお、正極は適宜その他の層を備えていてもよい。
[1−1.正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含んで構成される。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。例えば、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などを用いることができる。
また、リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルト、ニッケル、またはマンガンの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等の他の金属で置き換えることにより、その構造が安定化させることができるので好ましい。
なお、これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質の比表面積は、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上であり、また、通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招く虞があり、また、大きすぎると非水系電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。
正極活物質の平均2次粒径は、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。平均2次粒径が小さすぎるとリチウムイオン二次電池のサイクル劣化が大きくなったり、取り扱いが難しくなったりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
また、正極活物質層の厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくなることがある。一方、厚すぎるとレート特性が低下する虞がある。
正極活物質層は、上述の正極活物質と、結着剤(バインダー)と、必要に応じて増粘剤、導電材などの各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化して塗布液とし、その塗布液を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、通常は、塗布液の乾燥後、プレスして高密度化する。以下、スラリーを正極集電体に塗布・乾燥する場合について説明する。
結着剤としては、非水系電解液に用いる非水溶媒や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、その種類は特に制限されないが、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等を考慮して選択するのが好ましい。具体例としては、シリケート、水ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマー;SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
なお、結着剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、結着剤として樹脂を用いる場合、その樹脂の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また、通常300万以下、好ましくは100万以下である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難になることがある。
さらに、結着剤の使用量は、正極活物質(負極に用いる場合は、負極活物質。以下、正極活物質と負極活物質とを区別せずにいう場合、単に「活物質」という)100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。結着剤の量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、結着剤の量が多すぎると重量あたりの充放電容量低下を招き、イオン伝導度が低下する傾向にある。
また、電極には、上記のように各種の助剤を含有させても良い。助剤に制限は無く、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、増粘剤や導電材を用いる。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコ−ル、酸化スターチ、リン酸化スターチおよびガゼイン等が挙げられる。
また、導電材としては、銅またはニッケル等の金属材料;グラファイトまたはカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
なお、これらの助剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
スラリーを形成するための溶媒としては、活物質、結着剤、並びに必要に応じて使用される助剤等を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等が挙げられる。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、正極活物質層の充填密度は、通常3.0g/cm3以上である。これにより、リチウムイオン二次電池の電池容量が増加する。なお、正極活物質層の充填密度とは、リチウムイオン二次電池に組立てる時点での密度をいう。
[1−2.集電体]
集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル及びこれらの合金等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウム及びその合金が好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、集電体と表面に形成された活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
また、正極集電体の形状としては、金属材料の場合、例えば金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が挙げられ、炭素材料の場合、例えば炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。
正極集電体としては、上記例示の中でも、金属薄膜が、現在工業化製品に使用されているため好ましい。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良い。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下の範囲が好適である。上記範囲よりも薄いと、正極集電体として必要な強度が不足する虞がある一方で、上記範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる虞がある。
[2.負極]
負極は通常、正極の場合と同様に、負極集電体上に負極活物質層を設けて構成される。なお、正極同様、負極も適宜その他の層を備えていてもよい。
[2−1.負極活物質層]
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な材料であれば他に制限は無く、公知の負極活物質を任意に用いることができる。例えば、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金などを使用することがでくる。なお負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、負極活物質として用いる炭素質材料としては、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛もしくは精製天然黒鉛、またはこれらの黒鉛にピッチその他の有機物で表面処理を施した後炭化して得られるものが好ましい。
ここで黒鉛は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.338nm、特に0.335〜0.337nmであるものが好ましい。灰分は、通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下であるものが望ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、通常30nm以上である。50nm以上、特に100nm以上であるのが好ましい。
さらに、負極活物質として用いる炭素質材料が粉末状態である場合、レーザー回折・散乱法によって測定した炭素質材料粉体のメジアン径は、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
また、負極活物質として用いる炭素質材料が粉末状態である場合、炭素質材料粉末のBET法比表面積は、通常0.3m2/g以上、好ましくは0.5m2/g以上、より好ましくは0.7m2/g以上、さらに好ましくは0.8m2/g以上、また、通常25.0m2/g以下、好ましくは20.0m2/g以下、より好ましくは15.0m2/g以下、さらに好ましくは10.0m2/g以下である。
また、負極活物質として用いる炭素質材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルで分析したとき、1570〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)および1300〜1400cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0.01以上0.7以下であることが好ましく、また、1570〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が26cm-1以下、特に25cm-1以下であることが好ましい。
特に好ましい負極材料としては、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである炭素質材料を核材とし、その表面に該核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、且つ、核材と、核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料との割合(核材の重量/炭素質材料の重量)が重量比で99/1〜80/20であるものが挙げられる。この黒鉛材料を用いると、高い容量を有し、且つ、非水電解液と反応しにくい負極を製造することができる。
負極活物質層は、通常は正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、結着剤(バインダー)と、必要に応じて増粘剤、導電材などの各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化して塗布液とし、その塗布液を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、通常は、塗布液の乾燥後、プレスして高密度化する。スラリーを形成する溶媒や結着剤、助剤等としては、正極活物質について上述したものと同様のものを使用することができる。
また、負極活物質層の厚さは任意であるが、その好ましい範囲は正極活物質層の厚さと同様である。
負極活物質層の充填密度は、通常1.45g/cm3以上、好ましくは1.55g/cm3以上、より好ましくは1.60g/cm3以上である。これにより、リチウムイオン二次電池の容量が増加する。なお、負極活物質層の充填密度も、電池に組立てる時点での密度をいう。
[2−2.集電体]
負極集電体の材質としては、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、銅、ニッケル、ステンレス、等の金属材料が用いられる。中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
負極集電体は、正極の集電体と同様、その形状に制限は無く、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が挙げられる。中でも、金属箔が、現在工業化製品に使用されているため好ましい。負極集電体として金属薄膜を使用する場合、その好適な厚さの範囲は、正極集電体について上述した範囲と同様である。
[3.セパレータ]
電極同士の短絡を防止するために、正極と負極との間には通常、セパレータが介装される。セパレータの材質や形状は特に制限されないが、上述の非水電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。好ましい例としては、各種の高分子材料からなる多孔性のフィルム、シート、不織布等が挙げられる。高分子材料の具体例としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子が用いられる。
[4.リチウムイオン二次電池の製造方法]
本発明の非水系電解液二次電池は、上述した二次電池用非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
本発明の非水系電解液二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。一般的に採用されている形状の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ若しくは直方体型、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極をラミネートフィルムで包装したシートタイプなどが挙げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
[III.フッ素含有エステル化合物]
本発明のフッ素含有エステル化合物は、上記の式(5)又は式(12)で表されることを特徴とする。
これらの本発明のフッ素含有エステル化合物は、従来知られていない新規な化合物である。上述したように、この本発明のフッ素含有エステル化合物を非水電解液に混合することにより、電極表面に被膜を形成させることができる。それにより、非水電解液中の本発明のフッ素含有エステル化合物以外の化合物と電極との反応性を抑制することができ、充放電時のガスの発生量を減少させることができる。
式(5)で表される本発明のフッ素含有エステル化合物の製造方法に特に制限は無く、式(5)で表される化合物を製造することができれば具体的な手法は任意である。通常は、以下の化学反応式にしたがって製造する。
Figure 2005268094
(但し、上記反応式において、CF3C(=O)Xは、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物若しくはトリフルオロ酢酸ハライドを示す。)
即ち、(a)トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物及びトリフルオロ酢酸ハライドから選ばれるもの{以下適宜「(a)成分」という}と、(b)ペンタグリセロール{以下適宜「(b)成分」という}とを反応させることにより、式(5)で表される本発明のフッ素含有エステル化合物を製造することができる。但し(a)成分の化合物としてトリフルオロ酢酸を用いる場合は、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の助剤を用いることが反応が速やかに進行するため好ましい。また、(a)成分と(b)成分との添加順序については、どちらにどちらを加えても良い。さらに、(a)成分は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、(a)成分と(b)成分との使用量比{(a)成分:(b)成分}は、通常1:10以上、好ましくは1:2以上、また、通常10:1以下、好ましくは2:1以下とすることが望ましい。
上記反応の反応条件は任意であるが、通常は、以下のとおりである。
反応時の温度条件は、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは60℃以下である。適切な反応速度を得るためである。
また、反応時間は、通常1分以上、好ましくは5分以上、また、通常30時間以下、好ましくは20時間以下である。
さらに、反応圧力は通常0.05MPa〜1MPaである。
また、反応溶媒は特に必要ないが、使用する場合には、反応溶媒としては任意の溶媒を使用できる。具体例を挙げると、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルムなどがコストの面から好ましい。
さらに、反応時の原料の濃度は特に制限はないが、好ましくは0.1mol/L以上5mol/L以下が、適切な反応速度を得るために好ましい。
さらに、上記の反応により製造した場合の収率は、通常60%以上、好ましくは70%以上である。
目的物は、蒸留、溶媒抽出、再結晶等の公知の任意の手法により分離することができる。
なお、製造されたフッ素含有エステル化合物の同定は、質量分析ガスクロマトグラフ法(GC−MS)のスペクトルを測定することにより行なうことが出来る。
一方、式(12)で表される本発明のフッ素含有エステル化合物の製造方法に特に制限は無く、式(12)で表される化合物を製造することができれば具体的な手法は任意である。通常は、以下の化学反応式にしたがって製造する。
Figure 2005268094
(但し、上記反応式において、CF3C(=O)Xは、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物若しくはトリフルオロ酢酸ハライドを示す。)
即ち、(c)トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物及びトリフルオロ酢酸ハライドから選ばれるもの{以下適宜「(c)成分」という}と、(d)2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオール{以下適宜「(d)成分」という}とを反応させることにより、式(12)で表される本発明のフッ素含有エステル化合物を製造することができる。但し(c)成分の化合物としてトリフルオロ酢酸を用いる場合は、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の助剤を用いることが、反応が速やかに進行するため好ましい。また、(c)成分と(d)成分の添加順序については、どちらにどちらを加えても良い。さらに、(c)成分は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、(c)成分と(d)成分との使用量比{(c)成分:(d)成分}は、通常1:10以上、好ましくは1:2以上、また、通常10:1以下、好ましくは2:1以下とすることが望ましい。
上記反応の反応条件は任意であるが、通常は、以下のとおりである。
反応時の温度条件は、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは60℃以下である。適切な反応速度を得るためである。
また、反応時間は、通常1分以上、好ましくは5分以上、また、通常30時間以下、好ましくは20時間以下である。
さらに、反応圧力は通常0.05MPa〜1MPaである。
また、反応溶媒は特に必要ないが、使用する場合には、反応溶媒としては任意の溶媒を使用できる。具体例を挙げると、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルムなどがコストの面から好ましい。
さらに、反応時の原料の濃度は特に制限はないが、好ましくは0.1mol/L以上5mol/L以下が、適切な反応速度を得るために好ましい。
さらに、上記の反応により製造した場合の収率は、通常60%以上、好ましくは70%以上である。
目的物は、蒸留、溶媒抽出、再結晶等の公知の任意の手法により分離することができる。
なお、製造されたフッ素含有エステル化合物の同定は、質量分析ガスクロマトグラフ法(GC−MS)のスペクトルを測定することにより行なうことが出来る。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
(実施例1)
負極活物質として、X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、結晶子サイズ(Lc)が、652nm、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が7.5m2/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1570〜1620cm-1の範囲のピークPA(ピーク強度IA)および1300〜1400cm-1の範囲のピークPB(ピーク強度IB)の強度比R=IB/IAが0.12、1570〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が19.9cm-1である天然黒鉛粉末を用いた。この黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させてスラリー状とした。これを負極集電体である厚さ18μmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により負極層の密度が1.5g/cm3になるようにプレスして負極とした。
正極活物質として、LiCoO2を用いた。このLiCoO2 85重量部にカーボンブラック6重量部及びポリフッ化ビニリデンKF−1000(呉羽化学社製)9重量部を加え混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布した。乾燥後、プレス機により正極層の密度が3.0g/cm3になるようにプレスして正極とした。
乾燥アルゴン雰囲気下、非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、上記式(3)においてq=1で表されるエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。
上記の正極、負極、およびポリエチレン製のセパレーターを、負極、セパレーター、正極、セパレーター、負極の順に積層して電池要素を作製し、この電池要素を袋状のアルミニウムの両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルム内に、正極負極の端子を取り出しながら設置後、電解液を注液して真空封止を行い、シート状電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(実施例2)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(3)においてq=2で表されるジエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例3)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(3)においてq=3で表されるトリエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例4)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(2)においてp=5で表されるペンタンジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例5)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(4)においてr=4で表されるオクタフルオロブタンジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例6)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(6)で表されるペンタエリスリトールトリフルオロ酢酸テトラエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例7)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(7)で表されるエリスリトールトリフルオロ酢酸テトラエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例8)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(8)で表される2−ブテン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例9)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(9)で表される2−ブチン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例10)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(10)で表されるビス(ペンタフルオロプロピオニルオキシエチル)メチルアミン2重量部を添加し、次いで、電解質として十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例11)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(11)で表されるビス(トリフルオロアセトキシエチル)スルフィド2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例1)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)に、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解し、電解液を調整した。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例2)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、特許文献1に記載のエステル化合物であるヘキサフルオログルタル酸ジメチル2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例12)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、式(3)においてq=1で表されるエチレングリコールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部、及び、不飽和環状カーボネートであるビニレンカーボネート2重量部を添加し、次いで、非水溶媒として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例13)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)96重量部に、式(8)で表される2−ブテン−1,4−ジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部、及び、不飽和環状カーボネートであるビニレンカーボネート2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(比較例3)
非水溶媒であるエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、不飽和環状カーボネートであるビニレンカーボネート2重量部を添加し、次いで、電解質として、十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例14)
200ミリリットル四つ口フラスコに、大気下でジクロロメタン120mLに溶解したペンタグリセロール12.0g(0.10モル)を混合し、攪拌しながらトリフルオロ酢酸無水物66.6g(0.32モル)を滴下した。反応混合物は発熱により温度上昇が見られたので、フラスコを氷浴に適宜漬け、反応混合物の温度が30℃を超えないようにした。
8時間攪拌後、反応混合物を分液ロートに移し、水約100mLで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液約100mLで1回振って油層を取り出すことにより、未反応のトリフルオロ酢酸無水物及び生成トリフルオロ酢酸を除いた。取り出した油層は無水硫酸マグネシウム約10gを加え2時間攪拌した。これを濾過し、得られた溶液を減圧蒸留により生成した。生成物は降温により固化した。得られたペンタグリセロールトリフルオロ酢酸トリエステルは29gであった。生成物のGC−MSスペクトルを図1に示す。
図1に示すスペクトルより、m/e=167、181、281及び295のピークが見られることから、生成物が式(5)で表されるペンタグリセロールトリフルオロ酢酸トリエステルのフラグメントパターンであることが分かり、構造が同定された。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、得られたペンタグリセロールトリフルオロ酢酸トリエステル2重量部を添加し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
(実施例15)
ペンタグリセロールの代わりに2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−1,6−ジオール29.8g(0.10モル)を用い、懸濁下で反応を行ない、滴下するトリフルオロ酢酸無水物の量を45.4g(0.22モル)とした他は、実施例14と同様に反応を行なった。得られたオクタフルオロヘキサンジオールトリフルオロ酢酸ジエステルは33.6gであった。生成物のGC−MSスペクトルを図2に示す。
図2より、m/e=387及び127にピークが見られることから、式(12)で表されるオクタフルオロヘキサンジオールトリフルオロ酢酸ジエステルのフラグメントパターンであることが分かり、構造が同定された。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比1:2)98重量部に、得られたオクタフルオロヘキサンジオールトリフルオロ酢酸ジエステル2重量部を添加し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0mol/Lの割合となるように溶解して電解液とした。実施例1で調整した電解液の代わりに、この電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状電池を作製した。
[電池評価方法]
実施例1〜15及び比較例1〜3で作製したシート状電池を、ガラス板ではさんだ状態で、25℃において0.2C相当の定電流で充電終止電圧4.2Vまで充電した後、0.2Cに相当する定電流で終止電圧3Vまで放電し、安定させた。ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。以降のサイクルの充電はすべて0.7Cに相当する定電流で終止電圧4.2Vまで充電し、4.2Vに達した後は電位を4.2Vに保ち、充電電流値が0.05Cに相当する電流になるまで充電を行なう4.2V定電流−定電圧充電(CCCV充電)(0.05Cカット)により充電を行なった。放電は、0.2C、1.0C、1.5C及び2.0Cに相当する定電流で3Vまでそれぞれ1サイクルずつ行い、放電容量を調べると共に、サイクル前後の電池の体積を計ることにより発生した総ガス量を測定した。
このサイクルにおける0.2Cに相当する電流における放電容量およびサイクル後の発生ガス量を表1に示す。
Figure 2005268094
比較例1と比較例2とを比較すれば明白なように、特許文献1のエステル化合物(ジカルボン酸のエステル化合物)であるヘキサフルオログルタル酸ジメチルを非水電解液に混合すると、添加剤を何も加えていない比較例1に比べて、放電容量が大きく減少し、また、そのガス発生量が増大するため、リチウムイオン二次電池として実用に供するためにはデメリットが大きい。
これに対して、実施例1〜15では、十分な放電容量を得ることができる上に、ガスの発生を抑制することができる。
また、不飽和環状カーボネートであるVCを含まない系について検討すると、添加剤を使用しない非水電解液を用いた比較例1において、ガス発生量は180μLである。これに対し、実施例1〜11,14,15のように、本発明のエステル化合物を含有する場合は、ガス発生量は40〜100μLとなり、比較例1に比べて44%〜78%減少させることに成功している。
さらに、不飽和環状カーボネートであるVCを含む系について検討すると、添加剤としてVCを添加した比較例3では、ガス発生量は380μLにまで増加する。このように、添加剤として不飽和環状カーボネートを用いると、通常はガス発生量が大幅に増加する。しかし、VCを含む場合においても、実施例12,13のように、本発明のエステル化合物を含有させれば、ガス発生量を40〜150μLとすることができ、比較例3に比べて61〜89%減少させることに成功している。
以上のように、本発明のエステル化合物は、非水溶媒が不飽和環状カーボネートを含有する場合及び含有しない場合のいずれにおいても、充放電に伴うガスの発生量を抑制することができる。したがって、本発明のエステル化合物を用いれば、ガス発生の少ない電池を提供することが可能となる。また、これをもとに、充放電効率が高く、しかも電池のフクレが小さく液漏れ等の虞が小さいリチウムイオン二次電池を作ることが可能になる。
このように、本発明のエステル化合物が、電池の充放電に伴うガス発生を抑制することができる理由については明らかではないが、発明者の推察するところでは、以下の理由が考えられる。即ち、本発明のエステル化合物を非水溶媒に含有させた実施例を見ると、VCを添加した実施例においても、ガス発生量は増加していない。このことから、本発明のエステル化合物は還元により負極被膜を形成しているものと考えられる。この負極被膜は電極と溶媒との反応を抑制するものであり、また、負極被膜は充放電を繰り返しても比較的安定に保たれるため、ガス発生が少ないものと考えられる。なお、比較例2のような特許文献1のエステル化合物が大量のガスを発生させる理由は、特許文献1のエステル化合物が還元する際に生じるラジカル若しくはモノアルコールが、負極活物質と反応して充放電効率を下げるか、または、負極若しくは正極と反応してガス発生源となると考えられる。
本発明の非水電解液、リチウムイオン二次電池、及びフッ素含有エステル化合物の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。
実施例14で測定したGC−MSスペクトルである。 実施例15で測定したGC−MSスペクトルである。

Claims (7)

  1. 電解質と非水溶媒とを含有し、更に、下記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする非水電解液。
    0(OCOR)n ・・・式(1)
    (但し、nは2以上6以下の整数を表し、Rはそれぞれ独立に、少なくとも1個のハロゲン原子で置換された炭素数1以上10以下のアルキル基を表す。また、R0は置換されていてもよいn価の炭化水素基を表す。)
  2. 上記R0が、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる基によって置換されていることを特徴とする、請求項1記載の非水電解液。
  3. 該化合物を、該非水電解液中の濃度として、0.01重量%以上20重量%以下含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の非水電解液。
  4. 該化合物が、下記式(2)〜(12)からなる群より選ばれる式で表される化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解液。
    CF3COO(CH2pOCOCF3 ・・・式(2)
    CF3COO(CH2CH2O)qCOCF3 ・・・式(3)
    CF3COO(CF2rOCOCF3 ・・・式(4)
    CF3COOCH2C(CH3)(CH2OCOCF32 ・・・式(5)
    CF3COOCH2C(CH2OCOCF33 ・・・式(6)
    CH2(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH(OCOCF3)CH2(OCOCF3) ・・・式(7)
    CF3COOCH2CH=CHCH2OCOCF3 ・・・式(8)
    CF3COOCH2C≡CCH2OCOCF3 ・・・式(9)
    25COOCH2CH2N(CH3)CH2CH2OCOC25 ・・・式(10)
    CF3COOCH2CH2SCH2CH2OCOCF3 ・・・式(11)
    CF3COOCH2CF2CF2CF2CF2CH2OCOCF3 ・・・式(12)
    (但し、pは2以上10以下の自然数を表し、q及びrはそれぞれ独立に1以上10以下の自然数を表す。)
  5. 不飽和環状カーボネートを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解液と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極及び負極とを備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  7. 下記式(5)又は式(12)で表されることを特徴とする、フッ素含有エステル化合物。
    CF3COOCH2C(CH3)(CH2OCOCF32 ・・・式(5)
    CF3COOCH2CF2CF2CF2CF2CH2OCOCF3 ・・・式(12)
JP2004080284A 2004-03-19 2004-03-19 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物 Expired - Lifetime JP4586388B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004080284A JP4586388B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004080284A JP4586388B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005268094A true JP2005268094A (ja) 2005-09-29
JP4586388B2 JP4586388B2 (ja) 2010-11-24

Family

ID=35092407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004080284A Expired - Lifetime JP4586388B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4586388B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005310546A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
JP2008277004A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Mitsubishi Chemicals Corp 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP2010506373A (ja) * 2006-10-09 2010-02-25 エルジー・ケム・リミテッド 非水電解液及びこれを用いた二次電池
WO2013141165A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 三菱化学株式会社 非水系電解液及び非水系電解液電池
KR101435708B1 (ko) * 2009-06-10 2014-09-01 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 전해액 및 그것을 이용한 리튬 이온 이차 전지
WO2015068487A1 (ja) * 2013-11-07 2015-05-14 関東電化工業株式会社 3,3,3-トリフルオロプロピオネート基を有するエステルとその製造方法
US9093716B2 (en) 2007-04-05 2015-07-28 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
WO2016006315A1 (ja) * 2014-07-08 2016-01-14 関東電化工業株式会社 3,3,3-トリフルオロプロピオネート基を有するエステルを含む非水電解液、及びそれを用いた非水電解液電池
CN107417530A (zh) * 2016-05-23 2017-12-01 微宏动力系统(湖州)有限公司 一种非水电解液用双羧酸酯化合物、包含其的非水电解液及二次电池
CN108905882A (zh) * 2018-06-21 2018-11-30 汕头大学 一类非离子氟碳表面活性剂及其制备
WO2019150896A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール
CN111937215A (zh) * 2018-03-27 2020-11-13 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池以及组件
CN114195658A (zh) * 2021-12-30 2022-03-18 湖北孚诺林新材料有限公司 一种连续制备五氟丙酸烷基二元醇胺酯的方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6430178A (en) * 1987-07-27 1989-02-01 Nippon Telegraph & Telephone Electrolyte for lithium battery
JPH10116627A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
JP2000123869A (ja) * 1998-10-20 2000-04-28 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池
WO2000038264A1 (de) * 1998-12-19 2000-06-29 Solvay Fluor Und Derivative Gmbh Elektrolytsystem für lithiumbatterien und dessen verwendung sowie verfahren zur erhöhung der sicherheit von lithiumbatterien
JP2001118599A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Sony Corp 非水電解液二次電池
JP2003059532A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Yuasa Corp 非水電解質電池

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6430178A (en) * 1987-07-27 1989-02-01 Nippon Telegraph & Telephone Electrolyte for lithium battery
JPH10116627A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
JP2000123869A (ja) * 1998-10-20 2000-04-28 Hitachi Maxell Ltd 非水二次電池
WO2000038264A1 (de) * 1998-12-19 2000-06-29 Solvay Fluor Und Derivative Gmbh Elektrolytsystem für lithiumbatterien und dessen verwendung sowie verfahren zur erhöhung der sicherheit von lithiumbatterien
JP2001118599A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Sony Corp 非水電解液二次電池
JP2003059532A (ja) * 2001-08-10 2003-02-28 Yuasa Corp 非水電解質電池

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005310546A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
US9337510B2 (en) 2006-10-09 2016-05-10 Lg Chem, Ltd. Non-aqueous electrolyte and secondary battery using the same
JP2010506373A (ja) * 2006-10-09 2010-02-25 エルジー・ケム・リミテッド 非水電解液及びこれを用いた二次電池
US8524400B2 (en) 2006-10-09 2013-09-03 Lg Chem, Ltd. Non-aqueous electrolyte and secondary battery using the same
US10468720B2 (en) 2007-04-05 2019-11-05 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US11367899B2 (en) 2007-04-05 2022-06-21 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US9093716B2 (en) 2007-04-05 2015-07-28 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US9853326B2 (en) 2007-04-05 2017-12-26 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US11616253B2 (en) 2007-04-05 2023-03-28 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US9281541B2 (en) 2007-04-05 2016-03-08 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
US9590270B2 (en) 2007-04-05 2017-03-07 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte for secondary battery and nonaqueous-electrolyte secondary battery employing the same
JP2008277004A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Mitsubishi Chemicals Corp 二次電池用非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
KR101435708B1 (ko) * 2009-06-10 2014-09-01 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 전해액 및 그것을 이용한 리튬 이온 이차 전지
WO2013141165A1 (ja) * 2012-03-19 2013-09-26 三菱化学株式会社 非水系電解液及び非水系電解液電池
JPWO2013141165A1 (ja) * 2012-03-19 2015-08-03 三菱化学株式会社 非水系電解液及び非水系電解液電池
US10056646B2 (en) 2012-03-19 2018-08-21 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolyte solution and nonaqueous electrolyte battery
WO2015068487A1 (ja) * 2013-11-07 2015-05-14 関東電化工業株式会社 3,3,3-トリフルオロプロピオネート基を有するエステルとその製造方法
US20170162909A1 (en) * 2014-07-08 2017-06-08 Kanto Denka Kogyo Co., Ltd. Nonaqueous electrolytic solution including ester having 3,3,3-trifluoropropionate group and nonaqueous electrolyte battery using same
CN106537680A (zh) * 2014-07-08 2017-03-22 关东电化工业株式会社 包含具有3,3,3‑三氟丙酸酯基的酯的非水电解液、以及使用其的非水电解液电池
WO2016006315A1 (ja) * 2014-07-08 2016-01-14 関東電化工業株式会社 3,3,3-トリフルオロプロピオネート基を有するエステルを含む非水電解液、及びそれを用いた非水電解液電池
CN107417530A (zh) * 2016-05-23 2017-12-01 微宏动力系统(湖州)有限公司 一种非水电解液用双羧酸酯化合物、包含其的非水电解液及二次电池
WO2019150896A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール
US20210246098A1 (en) * 2018-01-30 2021-08-12 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte, electrochemical device, lithium ion secondary battery, and module
EP3731328A4 (en) * 2018-01-30 2021-09-08 Daikin Industries, Ltd. ELECTROLYTE, ELECTROCHEMICAL DEVICE, SECONDARY LITHIUM-ION BATTERY AND MODULE
US11945776B2 (en) * 2018-01-30 2024-04-02 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte, electrochemical device, lithium ion secondary battery, and module
CN111937215A (zh) * 2018-03-27 2020-11-13 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池以及组件
CN111937215B (zh) * 2018-03-27 2024-04-19 大金工业株式会社 电解液、电化学器件、锂离子二次电池以及组件
CN108905882A (zh) * 2018-06-21 2018-11-30 汕头大学 一类非离子氟碳表面活性剂及其制备
CN114195658A (zh) * 2021-12-30 2022-03-18 湖北孚诺林新材料有限公司 一种连续制备五氟丙酸烷基二元醇胺酯的方法
CN114195658B (zh) * 2021-12-30 2022-12-09 湖北孚诺林新材料有限公司 一种连续制备五氟丙酸烷基二元醇胺酯的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4586388B2 (ja) 2010-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9941544B2 (en) Nonaqueous electrolytic solution and nonaqueous electrolyte secondary battery
JP5605221B2 (ja) 二次電池用非水電解液および二次電池
JP5391944B2 (ja) 非水系電解液およびそれを用いた電池
EP2278652B1 (en) Non-aqueous liquid electrolyte and non-aqueous liquid electrolyte secondary battery using the same
JP5699465B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
US20130071731A1 (en) Nonaqueous electrolytic solution and nonaqueous electrolyte secondary battery
US20120219866A1 (en) Nonaqueous electrolytic solution and nonaqueous-electrolyte battery employing the same
JP5391938B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JPWO2015045989A1 (ja) 電池用非水電解液、及びリチウム二次電池
JP4797403B2 (ja) 非水系電解液二次電池及び非水系電解液二次電池用電解液
JP2007019012A (ja) 非水系電解液及び非水系電解液二次電池
JP5764526B2 (ja) 非水二次電池用電解液及び二次電池
JP4586388B2 (ja) 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物
JP2012064472A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5790135B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2005322610A (ja) リチウム二次電池
JP4867208B2 (ja) リチウム二次電池
JP2006339020A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5532584B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4407237B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いる非水系電解液二次電池
JP4513386B2 (ja) 非水系電解液及びリチウム二次電池
JP4534527B2 (ja) リチウムイオン二次電池用非水系電解液及びリチウムイオン二次電池
JP5725215B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
KR20080011693A (ko) 리튬 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100608

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4586388

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term