JP2005265531A - 中性アミノ酸トランスポーターによる癌の検出法、及びそのためのキット - Google Patents

中性アミノ酸トランスポーターによる癌の検出法、及びそのためのキット Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、悪性腫瘍、特に悪性の程度(悪性度)を確実に検出する方法、及びそのための診断用キットを提供するものである。また、本発明は、患者の負担が少なくて、かつ確実な悪性腫瘍、特に悪性の程度(悪性度)を検出する方法、及びそのための診断用キットを提供するものである。
【解決手段】 本発明は、被検体から試料を採取し、採取した試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することからなる試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量する方法、及びこれらの値を定量して得られる両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法、並びにそのための検出・同定又は定量するためのキットに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、簡便で、かつ確実な腫瘍の検出方法に関する。より詳細には、本発明は、被検体から試料を採取し、採取した試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することからなる試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量する方法、及びこれらの値を定量して得られる両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法、並びに試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセット、及び腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを含有してなる被検体から採取した試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量するためのキットに関する。
世界的に増え続けている悪性腫瘍(癌)に対する対策はエイズと並んで人類の克服すべき重要課題である。日本においては、現在死亡原因(死因)の第一位は癌である。他方、癌の診断と治療法の開発は着実に進歩しつつも、満足出来る状態には達していない。癌の治療のためには、早期発見が必要とされ、各種の腫瘍マーカーなどの開発が行われてきている。また、腫瘍の発生しやすい臓器の組織を摘出して、病理学的に組織診断により行う方法も実施されているが、この方法では癌の悪性度の診断は必ずしも癌の増殖と一致しないことがあった。
これらの診断方法は、いずれも血液や組織を採取するものであり、患者の負担も大きく、また医療機関によらなければ検査できなどの欠点があり、癌の早期発見のためにネックになっており、簡便に行うことができ、かつ確実な癌の診断方法の開発が求められていた。
一方、中性アミノ酸トランスポーター(L-type amino acid transporter(LAT))は、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、L−ドーパなどの中性アミノ酸を細胞内に取り込むための膜貫通型のタンパク質である。
本発明者らは、各種の中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の探索を行ってきており、今までのLAT1及びそのアイソフォームであるLAT2を見出してきた。
LAT1は、アミノ酸輸送活性化因子4F2hcと共存することにより、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンなどの大型の中性アミノ酸、及びL−ドーパをNa非依存的に輸送する能力を有する12回膜貫通蛋白質である。また、LAT1は生体内においては胎盤、脾臓、大腸、精巣及び血液・脳関門に主に発現している。また、LAT1はヒト胃印環細胞癌細胞株、肺小細胞癌細胞株、黒色腫細胞株、神経芽細胞腫瘍細胞株に発現が認められ、さらに、腎癌、膀胱癌及び前立腺癌の腫瘍組織において、免疫組織化学染色により、その発現が確認されている(特許文献1、並びに非特許文献1及び2参照)。中性アミノ酸トランスポーターLAT1をメルファラン、BCHなどの抑制薬によって抑制することにより、LAT1を発現する培養細胞の増殖速度が著しく低下することから、LAT1による細胞内への必須アミノ酸取り込みは細胞増殖にとって必要不可欠であり、癌細胞は本LAT1を高発現することにより正常細胞に比べ優位な栄養状態を獲得し、増殖を優位に行うことができると考えられている。
中性アミノ酸トランスポーターLAT2はLAT1と同様、12回膜貫通構造を有し、4F2hcとの共存により大型のアミノ酸に加え、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミンなどの小型のアミノ酸も含めた中性アミノ酸全般をNa非依存的に輸送する広い基質選択性を有する第2のアイソフォームである。LAT2は脳、骨格筋、腎臓、空腸、回腸、精巣および胎盤の正常組織における発現が確認されているが、腫瘍組織においてはその発現は確認されていない(特許文献2,及び非特許文献3参照)。
LAT2の基質との親和性は、LAT1に比べ低いことから、LAT2は活発な細胞増殖を必要としない正常組織の細胞における中性アミノ酸の輸送を担っていると考えられている。
また、本発明者らは、LAT1の阻害剤であるBCHによってその増殖が疎外されないヒト肝癌由来細胞株FLC4から同定された、Na非依存性のトランスポーターである中性アミノ酸トランスポーターLAT3を見出してきた(特許文献3、及び非特許文献4参照)。LAT3は、LAT1及び2とは異なり、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する。LAT3はすい臓、肝臓および骨格筋に強く発現しており、LAT1の発現していない器官においてそれらのアミノ酸輸送を担っていると考えられる。LAT3はすい臓、肝臓および骨格筋に強く発現しているが、胎盤、腎臓、脳に強く発現するLAT4も本発明者は見出してきた(特許文献3参照)。非特許文献4及び特許文献3(特願2003−62379号)の記載を参照して本明細書に取り込む。
さらに、本発明者らは、L−体及びD−体アミノ酸を輸送するナトリウム非依存性小型中性アミノ酸トランスポーター(特許文献4参照)、シスチン、塩基性アミノ酸及び中性アミノ酸を基質とするトランスポーター(特許文献5参照)などの各種のトランスポーターも見出してきている。
トランスポーターは、細胞が必要とする各種の物質を物質特異的に細胞に取り込むための機能を有する膜貫通型のタンパク質であり、生体組織の維持や増殖に不可決なものである。このために、各種のトランスポーターにより疾患を診断する方法も提案されている。例えば、腫瘍細胞、腫瘍組織または腫瘍を有する臓器若しくはその一部からなる試料中のタンパクの発現の有無または発現量を調べる方法(特許文献1参照)、アニオントランスポーターの抗体を使用することを特徴とする肺・胸部疾患の診断方法(特許文献6参照)、赤血球尿素トランスポーターのタンパク質若しくはその断片又は核酸の定量値を指標として被験者が精神分裂病に罹患しているか否かを診断する方法(特許文献7参照)、体腔液から細胞学的調製物を調製し、膜貫通グルコーストランスポーターGLUT−1に結合する抗体を用いて、同一タイプの組織からの非悪性組織の切片から取得された組織試料でのGLUT−1発現レベルと比較して、GLUT−1を過剰発現する悪性腫瘍から良性腫瘍を識別する方法(特許文献8参照)などが報告されている。しかし、これらの方法は特定のトランスポーターのみに着目したものであり、確実に疾患の有無を検定することができるものではない。さらに、これらの方法は、組織切片の採取などの患者の負担の大きな手法であり、簡便でかつ確実な疾患、特に悪性腫瘍の診断のための方法が求められていた。
特開2000−157286号 特開2000−342270号 特願2003−62379号 特開2001−211886号 特開2001−46070号 特開2001−228146号 特開2001−245661号 特表平11−511245号 Kanai, Y., Segawa, et al., J. Biol. Chem., 273: 23629-23632, 1998 Yanagida O, Kanai Y, et al., Biochim. Biophys. Acta., 1514(2):291-302, 2001 Segawa, H., Fukasawa, et al., J. Biol. Chem., 274(28): 19745-19751, 1999 Babu, E., Kanai, Y., et al., J. Biol. Chem., 278:43838-43845, 2003.
本発明は、悪性腫瘍、特に悪性の程度(悪性度)を確実に検出する方法、及びそのための診断用キットを提供するものである。より詳細には、本発明は、腎、前立腺、膀胱などにおける癌の鑑別と悪性度の新規な検出方法、及びそのための診断用キットを提供する。さらに、本発明は、患者の負担が少なくて、かつ確実な悪性腫瘍、特に悪性の程度(悪性度)を検出する方法、及びそのための診断用キットを提供するものである。
本発明者らは、腎や膀胱癌に特異的な必須アミノ酸トランスポーターのLAT1、及び正常細胞に存在するLAT2を見出してきた。そして、本発明者らは、新たに前立腺癌に発現するLAT3、及び正常細胞に発現するLAT4の各トランスポータを見出した。本発明者らは、これらの腫瘍細胞に発現するLAT1やLAT3による腫瘍の検出・同定を検討してきたが、これらを単独した場合には十分な精度をえることは困難であったが、驚くべきことにこれらに正常細胞で発現するLAT2やLAT4を組み合わせて使用することにより、確実な判定を行うことができ、かつ腫瘍の悪性度をも判定することができることを見出した。
即ち、本発明は、被検体から試料を採取し、採取した試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することからなる試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量する方法に関し、より詳細には、本発明は、被検体から尿又は尿の細胞成分(沈渣)を採取し、採取した尿又は尿の細胞成分(沈渣)中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することからなる試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量する方法に関する。
また、本発明は、被検体から試料を採取し、採取した試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の存在量を定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の存在量を定量し、両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法に関し、より詳細には、本発明は、被検体から尿又は尿の細胞成分(沈渣)を採取し、採取した尿又は尿の細胞成分(沈渣)中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の存在量を定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の存在量を定量し、両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明の各方法のいずれかの方法を実施するための、試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセット、及び腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを含有してなる被検体から採取した試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量するためのキットに関する。
また、本発明は、Na非依存性で、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する能力を有する中性アミノ酸トランスポーター3(LAT3)、及びそれをコードするDNAに関する。さらに、本発明は、Na非依存性で、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する能力を有し、胎盤、腎臓、脳に強く発現することを特徴とする中性アミノ酸トランスポーター4(LAT4)及びそれをコードするDNAに関する。
本発明で用いる中性アミノ酸トランスポーター(LAT)は、細胞の増殖に必要な必須アミノ酸の細胞膜輸送能を有する機能性タンパクで、とりわけ癌細胞に特異的に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)は癌の増殖を裏づける必須アミノ酸の細胞膜輸送能と一致する機能性タンパクなので、これらの中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の異なる種類からなる2種以上を用いる本発明の方法により、癌の有無だけでなく、癌の悪性度を適格に評価することが可能となる。即ち、本発明の方法は、試料中の、LAT2やLAT4などの正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量こと、及びLAT1やLAT3などの腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することを特徴とするものである。
本発明における正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)としては、LAT2、及び/又はLAT4が挙げられる。また、本発明における腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)としては、LAT1、及び/又はLAT3が挙げられる。したがって、本発明の方法に使用される中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の組み合わせとしては、LAT2及びLAT4の少なくとも1種、並びにLAT1及びLAT3の少なくとも1種からなる組み合わせである。好ましい組み合わせとしては、LAT1とLAT2の組み合わせ、LAT3とLAT4の組み合わせ、並びにLAT1、LAT2、LAT3及びLAT4からなる組み合わせが挙げられるがこれに限定されるものではない。
中性アミノ酸トランスポーター1(L-type amino acid transporter 1(LAT1))は、アミノ酸輸送活性化因子4F2hcと共存することにより、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンなどの大型の中性アミノ酸、及びL−ドーパをNa非依存的に輸送する能力を有する12回膜貫通蛋白質である。また、LAT1は生体内においては胎盤、脾臓、大腸、精巣及び血液・脳関門に主に発現している。また、LAT1はヒト胃印環細胞癌細胞株、肺小細胞癌細胞株、黒色腫細胞株、神経芽細胞腫瘍細胞株に発現が認められ、さらに、腎癌、膀胱癌及び前立腺癌の腫瘍組織において、免疫組織化学染色により、その発現が確認されている。
中性アミノ酸トランスポーターLAT1をメルファラン、BCHなどの抑制薬によって抑制することにより、LAT1を発現する培養細胞の増殖速度が著しく低下することから、LAT1による細胞内への必須アミノ酸取り込みは細胞増殖にとって必要不可欠であり、癌細胞は本LAT1を高発現することにより正常細胞に比べ優位な栄養状態を獲得し、増殖を優位に行うことができると考えられている。
中性アミノ酸トランスポーターLAT2は、LAT1と同様、12回膜貫通構造を有し、4F2hcとの共存により大型のアミノ酸に加え、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミンなどの小型のアミノ酸も含めた中性アミノ酸全般をNa非依存的に輸送する広い基質選択性を有する第2のアイソフォームである。
LAT2は脳、骨格筋、腎臓、空腸、回腸、精巣および胎盤の正常組織における発現が確認されているが、腫瘍組織においてはその発現は確認されていない。LAT2の基質との親和性は、LAT1に比べ低いことから、LAT2は活発な細胞増殖を必要としない正常組織の細胞における中性アミノ酸の輸送を担っていると考えられている。
中性アミノ酸トランスポーターLAT3は、LAT1の阻害剤であるBCHによってその増殖が疎外されないヒト肝癌由来細胞株FLC4から同定された、Na非依存性のトランスポーターである。LAT3は、LAT1及び2とは異なり、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する。LAT3はすい臓、肝臓および骨格筋に強く発現しており、LAT1の発現していない器官においてそれらのアミノ酸輸送を担っていると考えられる。また、LAT3のcDNAであるPOV1が前立腺癌で発現していることが報告されている。
本発明のLAT3は、Na非依存性で、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する能力を有し、すい臓、肝臓および骨格筋に強く発現していることを特徴とするものである。LAT3は、アオキら(Aoki, Y., Aizaki, H., et al., Virology 250: 140-150, 1998)によるヒト肝癌由来細胞株FLC4から発現クローニング法により、そのcDNAをクローニングすることができる(Babu, E., Kanai, Y., J Biol. 278 : 43838-43845, 2003)。LAT3についての詳細は、非特許文献4(Babu, E., Kanai, Y., et al., J. Biol. Chem., 278:43838-43845, 2003)及び特許文献3(特願2003−62379号)に記載されており、当該文献の記述を参照して本明細書に取り入れる。
LAT3の抗体は、後述する一般的な製造方法に準じて製造することができる。
中性アミノ酸トランスポーターLAT4は、LAT3と同様、シャペロンとの共有を必要としないNa非依存性のトランスポーターである。LAT4は胎盤、腎臓、脳に強く発現し、他の臓器にも弱くではあるが発現している。
本発明は、新規な中性アミノ酸トランスポーターLAT4を提供するものであり、ヒトLAT4のアミノ酸配列を配列表の配列番号2に示し、それをコードする塩基配列を配列番号1に示す。また、マウスLAT4のアミノ酸配列を配列表の配列番号4に示し、それをコードする塩基配列を配列番号3に示す。
LAT4は、Na非依存性で、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する能力を有し、胎盤、腎臓、脳に強く発現していることを特徴とするものである。本発明の好ましいLAT4としては、配列番号2又は4に記載のアミノ酸配列、又は、その一部のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加され、又はこれらの組み合わせからなり、配列番号2に記載のアミノ酸配と70%以上、80%以上、好ましくは85%以上、90%以上、さらには95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、Na非依存性で、4F2hcのようなシャペロンとの共有を必要とせず、単独でメチオニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニンなどの中性アミノ酸を輸送する能力を有し、胎盤、腎臓、脳に強く発現していることを特徴とするタンパクである。
LAT4についての詳細は、特許文献3(特願2003−62379号)に記載されており、当該明細書の記述を参照して本明細書に取り入れる。
LAT4の抗体は、後述する一般的な製造方法に準じて製造することができる。
本発明における試料としては、ヒトなどの哺乳動物の細胞又はその断片、好ましくは細胞膜が含まれるものであれば特に制限はなく、例えば、腫瘍の発生が予測される臓器、器官などからの組織や細胞、血液、リンパ液、便、尿などが挙げられる。本発明の好ましい試料としては、尿、より詳細には尿を遠心分離で液成分と細胞成分に分けたうちの細胞成分(沈査)が挙げられる。尿は、特別の医療設備を必要とせず、ヒトなどの哺乳動物から簡単に採取することができ、かつ何らの苦痛も伴わないことから試料として好ましいものである。
本発明における試料中の中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の検出・同定又は定量としては、LATを検出・同定又は定量できる方法であれば特に制限はないが、好ましい方法としては当該中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の抗体を使用する方法が挙げられる。LATの抗体としては、LATタンパクの全長またはその一部に反応性を有する抗体であり、LATに特異性があれば特に制限はなく、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体、あるいはこの両者を使用することができるが、より精度よく行うためには特異性の高いモノクローナル抗体を使用するのが好ましい。
本発明の抗体は、公知の抗体の製造手法に準じて製造することができる。具体的には、る。本発明のLAT若しくはその一部(天然体、組換体、化学合成物を含む)、または該タンパクを発現している細胞を免疫原として用い、常法に従って、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ウサギ、ヤギあるいはヒツジ等の非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られる天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得る組換えキメラモノクローナル抗体及び組換えヒト型モノクローナル抗体(CDR-grafted抗体)、並びにヒト抗体産生トランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体のいずれであってもよい。またモノクローナル抗体の場合には、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有するモノクローナル抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMである。
このような抗体を使用する場合には、この結果を検出・同定又は定量可能なシグナルとさせるために、標識化又は標識化可能なものとしておくことが好ましい。
本発明の標識化抗体としては、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、又は、H、14C、125I等の放射性同位体などで標識してなる抗体又はこのような標識化物質と結合能を有する抗体である。
本発明の抗体を標識するための「単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質」とは、それらを、前記した抗体に物理的又は化学的な結合等により結合させることにより該モノクローナル抗体の存在を検出可能にするために用いられる物質を意味する。具体的には、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、又は、前記した放射性同位体等である。具体的には、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ、若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、H 、14C、125I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質が挙げられる。
ここで、放射性同位体及び蛍光物質は、単独で検出可能なシグナルをもたらすことができるが、酵素、化学発光物質、ビオチン及びアビジンは、単独では検出可能なシグナルをもたらすことができないため、さらに1種以上の他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことが可能となる。例えば、酵素の場合には少なくとも基質が必要であり、酵素活性を測定する方法(比色法、蛍光法、生物発光法あるいは化学発光法等)に依存して種々の基質が用いられる。例えば、ペルオキシダーゼの場合には、基質として過酸化水素を用いる。また、ビオチンの場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジン(例えば、ストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼ(Streptoavidin-β-galactosidase))を基質として反応させるのが一般的であるが、この限りではない。必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色物質が用いられる。例えば、ビオチンの基質としてストレプトアビジン−β−ガラクトシダーゼを用いる場合には、発色物質として4−メチル−ウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド(4-Methyl-umbelliferyl-β-D-galactoside)を用いることができる。
本発明の標識化抗体は、本発明のLATを検出・同定又は定量するために用いることができ、そのための測定方法としては、慣用されている免疫組織学的技術を用いて常法に従って実施することができる(例えば、実験医学別冊、「細胞工学ハンドブック」、羊土社、p.201-213、1992年参照)。また、本発明の標識化抗体は、前記の免疫組織学的試験だけでなく、試料中の細胞、組織または臓器若しくはその一部から、常法にしたがって可溶性膜タンパクを調製し、当該可溶性膜タンパクに標識化抗体を反応させることにより可溶性膜タンパク中の本発明のLATの存否を確認するウェスターンブロッティング法においても用いることができる。前記のような免疫学的測定方法においては、上記のいずれの標識物質で標識した標識化抗体をも使用可能であるが、検出感度あるいは定量感度の高さ及び操作の利便性の点を考慮すると、ペルオキシダーゼ等の酵素あるいはビオチンで標識したモノクローナル抗体を用いるのが好ましい。
本発明のLATの検出・同定又は定量する方法としては、前記した免疫組織学的技術などによりおこなうことができるが、具体的には、例えば下記(1)及び(2)の工程を含む方法が挙げられる。
(1)試料に本発明の標識化抗体を接触させる工程;及び
(2)当該試料中のLATに結合した標識化抗体を、当該標識化抗体に結合している標 識物質の種類に応じて、蛍光、化学発光若しくは放射活性を検出することにより測 定する工程。
さらに具体的には、例えば下記のような工程を含むことができる。
(工程1)被検体から採取された試料を、パラフォルムアルデヒド等により固定化し、 固定化試料を作製する工程;
(工程2)当該固定化試料に、ビオチンあるいはペルオキシダーゼ等の酵素により標識 した本発明の標識化抗体を加え抗原抗体反応を行わせる工程;
(工程3)次いで、当該固定化試料を必要に応じ洗浄した後、用いた酵素の種類に応じ て種々の基質またはアビジン若しくはストレプトアビジン−β−ガラクトシダ ーゼ等の酵素修飾アビジンを加え、該基質、アビジンまたは酵素修飾アビジン と標識抗体上の標識物質とを反応させる工程;
(工程4)工程3で酵素修飾アビジンを加えた場合には、該修飾に用いた酵素の種類に 応じて種々の基質(例えば、4−メチル−ウンベリフェリル−β−D−ガラク トシドなど)を加え、アビジンに結合した酵素と基質を反応させる工程;
(工程5)必要に応じ、固定化試料を洗浄し、酵素反応及び発色反応を停止させる工程 ;及び
(工程6)固定化試料を、顕微鏡下で観察することにより、比色強度、蛍光強度あるい は発光強度を測定する工程。
本発明の検出・同定又は定量方法として、免疫染色法を用いた、尿中の癌細胞の検出法を例としてさらに詳細に説明する。
本発明の方法は、腫瘍組織から尿中に脱落する細胞の中から癌細胞およびその破片を検出し、その悪性度を診断するものである。現在行われている尿中細胞の癌診断法は、尿中細胞をPAS染色法で染色し、その細胞質および核の染色様相から、癌細胞か正常細胞かを診断するものであるが、この方法では、その判断に経験を要し、特別な技能を必要とする。それに比べ、本発明の方法ではLAT1およびLAT3の有無を免疫染色により直接視覚的に観察することができることから、陰性、陽性の判断に特殊な能力を必要としせず、簡便にかつ確実に行うことができる。
本発明の検出・同定又は定量方法の具体例としては、次の(1)〜(4)の方法を例示することができる。
(1)スメア法による癌細胞の検出
尿を遠心分離機で分離し、細胞成分と液成分に分け、細胞成分(沈渣)について免疫染色を行う。すなわち、沈渣をスライドガラス上に塗布し、固定した後、それぞれアミノ酸トランスポーターに特異的に結合する抗LAT1、LAT2、LAT3およびLAT4抗体で処理する(一次抗体処理)。一次抗体処理後、サンプルをそれぞれの一次抗体に特異的に結合する酵素もしくは蛍光色素などで標識された二次抗体により処理する(標識二次抗体処理)。酵素標識した二次抗体を用いた場合は基質溶液を加え、発色させた後、光学顕微鏡を用いて細胞を観察し陽性、陰性の判定を行う。蛍光色素により標識した二次抗体を用いる場合は二次抗体処理後、蛍光顕微鏡を用いて観察し、癌細胞の有無を判定する。
(2)凍結包埋法による癌細胞の検出
尿を遠心分離機で分離し、沈渣成分に10%ホルマリンで固定した後、再度遠心して、上清を捨てて細胞成分得る。細胞成分をヒートブロックなどで温めながら、2%アガロースを50μL加えて混和し、4℃下で固化させ、沈渣成分をゲル内に封入する。
固化したゲルをOCTコンパウンドで封入し、凍結ブロックを作製し、凍結ブロックをクリオスタットを用いて薄切してスライド標本を作製する。
スライド標本上の細胞を定法に従って処理し、免疫組織蛍光染色を行った後、染色後の標本を蛍光顕微鏡で観察し、癌細胞の有無を判定する。
(3)パラフィン包埋法による癌細胞の検出
状況に応じ、沈渣を封入したゲルを以下の方法で処理し、パラフィン標本での検査も可能である。ゲルを4%ホルマリンにより4℃、一晩処理した後、PBSで洗浄し、定法に従って脱水、透徹を行う。透徹後、ゲルを定法に従い、パラフィンに包埋してパラフィンブロックを作製する。作製したブロックをミクロトームで薄切し、スライド標本を作製する。作製したスライド標本を定法に従って脱パラフィン処理した後、免疫組織蛍光染色を行った後、染色後の標本を蛍光顕微鏡で観察し、癌細胞の有無を判定する。
(4)ELISA法を用いた癌細胞の検出
ELISA法を用いて、尿中LATタンパクを検出することにより、尿中のLATタンパク質量を数値化することができ、より定量的な判定が可能になる。
サンプル尿を界面活性剤および超音波で処理した後、超遠心で4℃、100,000×gで遠心し、上清を捨てて尿タンパクペレットを得る。ペレットに10%BSA/PBSTを適宜量加えて、超音波処理により懸濁させる。これをサンプルとして、ELISA法を行う。
まず、サンプルをイムノプレートに100μL/ウエル添加し、4℃下で一晩放置する。サンプル溶液を捨て、ブロッキング溶液を添加し、室温で1時間放置する。well内のブロッキング溶液を捨て、適宜希釈した抗LAT一次抗体溶液を添加して、室温で2時間放置する(この間に抗LAT抗体が、ウエルの底面の各LATタンパク質に結合する)。一次抗体液を捨て、PBSTで洗浄した後、適宜希釈した標識二次抗体を加え、室温で1時間放置する。ウエル内をPBSTで洗浄し、基質溶液を加えで発色もしくは化学発光させ、その色素量、もしくは発光の度合いを分光光度計またはルミノメーターで測定することにより、LATタンパク質の存在の有無を確認し、判定する。
本発明の方法を尿をサンプルとして用いた場合を例としてより具体的に示したものが、図1に示す、本発明の方法における尿サンプルの処理方法及び検査方法の作業工程の例の流れ図である。
まず、採取してきた尿を遠心分離(例えば、4℃で、1500rpmで、5分間)して、細胞成分と液性成分に分離する。細胞成分は、前記したスメア法、薄切法、又はELISA法により測定することができ、液性成文はELISA法により測定することができる。
本発明の方法により、検出・同定又は定量される腫瘍細胞としては、試料として尿又はその細胞成分を使用した場合には尿中に排出される腎、前立腺、膀胱由来の癌細胞(前立腺癌、腎癌、膀胱癌)を免疫組織化学の手法などで識別することができる。本発明の腫瘍細胞はこれらの癌細胞に限定されるものではなく、試料により幅広い癌組織の検出・同定又は定量を行うこともできる。
本発明の他の特徴は、試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定することが可能であることである。本発明の試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法は、正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量することにより、正常細胞の量を知ることができ、また腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量することにより、腫瘍細胞の量をしることができる。しかも、これらの細胞は同種の中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を必要とするものであるから、この両者の定量値から、全体のどの程度が腫瘍細胞化しているかを知ることができる。したがって、本発明は、試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量し、両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法をも提供するものである。
さらに、本発明は、前記してきた本発明の各方法のいずれかを行うための診断や計測用のキットを提供するものである。即ち、本発明は、試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセット、及び腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを含有してなる被検体から採取した試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量するためのキットを提供する。
本発明の中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットは、LATを検出・同定又は定量することができるための資材からなるものであり、例えば、前記で説明してきた単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識してなる標識化抗体などを含有するものである。本発明のキットにおける、正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセット、及び腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットは、いずれも中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットの1種であり、定量するためには同じ種類の測定用のセットとすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
例えば、正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを蛍光物質で標識化したものとし、腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを放射性同位体で標識化したものとすることができるが、波長の異なる蛍光物質で標識化すたものとは、異なる放射性同位体で標識化したものとすることが好ましい。
本発明におけるLATの作用についてより具体的に説明する。まず、本発明者らは、LATのの免疫組織学的検討を行った。
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した腎細胞癌の組織標本を脱パラフィン及びブロッキングを行った後、最終濃度2mg/mLの抗LAT抗体(LAT1はマウスモノクローナル、LAT2、LAT3及びLAT4はラットポリクローナル抗体)で4℃下一晩処理した。PBSによる洗浄の後、LAT1については抗マウスIgG−HRP標識抗体を、他には抗ウサギIgG−HRP標識抗体(DAKO ENVISION System HRP kit)を添加し、室温で1時間処理後、DAB基質溶液により発色した。観察及び写真撮影は光学顕微鏡を用いた。
結果を図2に図面に代わる写真で示す。図2の左側上段は抗LAT1抗体で処理した場合であり、図2の右側上段は抗LAT2抗体で処理した場合であり、図2の左側下段は抗LAT3抗体で処理した場合であり、図2の右側下段は抗LAT4抗体で処理した場合である。
この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた(図2の左側の写真参照)。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった(図2の右側の写真参照)。
次にヒト膀胱癌の免疫組織学的検討を行った。
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した膀胱癌の組織標本を前記の腎細胞癌と同様に処理し、観察した。
結果を図3に図面に代わる写真で示す。図3の左側上段は抗LAT1抗体で処理した場合であり、図3の右側上段は抗LAT2抗体で処理した場合であり、図3の左側下段は抗LAT3抗体で処理した場合であり、図3の右側下段は抗LAT4抗体で処理した場合である。
この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた(図3の左側の写真参照)。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった(図3の右側の写真参照)。
次に、ヒト前立腺癌の免疫組織学的検討を行った。
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した前立腺癌の組織標本を前記と同様に処理し、観察した。
結果を図4に図面に代わる写真で示す。図4の左側上段は抗LAT1抗体で処理した場合であり、図4の右側上段は抗LAT2抗体で処理した場合であり、図4の左側下段は抗LAT3抗体で処理した場合であり、図4の右側下段は抗LAT4抗体で処理した場合である。
この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた(図4の左側の写真参照)。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった(図4の右側の写真参照)。
次に、ヒト膀胱癌由来の培養細胞T24を用いたスメア法による細胞染色の検討を行った。T24細胞をシャーレより剥離し、PBSで洗浄した後、4℃、1500rpm、5分間遠心し、ペレットを沈渣として回収した。ペレットを懸濁後、サイトスピン法を用いて、スライドガラス表面に貼り付け、4%ホルマリンで固定した。0.1%TritonX−100/PBSで5分間処理して細胞膜の抗体透過性を高めてから、定法に従い、ブロッキング、一次抗体処理、二次抗体処理を行った。一次抗体は前記した腎細胞癌の場合と同様のものを5mg/mLの濃度で使用した。二次抗体は、LAT1には抗マウスAlexa 488標識ヤギ抗体を、他には抗ウサギAlexa 488標識ヤギ抗体をそれぞれ用いた。
結果を図5に図面に代わる写真で示す。図5の左側上段は抗LAT1抗体で処理した場合であり、図5の右側上段は抗LAT2抗体で処理した場合であり、図5の左側下段は抗LAT3抗体で処理した場合であり、図5の右側下段は抗LAT4抗体で処理した場合である。
この結果、LAT1及びLAT3抗体によるT24細胞膜の特異的な染色が認められた(図5の左側の写真参照)。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった(図5の右側の写真参照)。
以上のように、癌腫瘍組織におけるLAT1、LAT2、LAT3およびLAT4の発現を確認することができた。各組織切片について、一次抗体として各アミノ酸トランスポーターに特異的結合する抗体を用い、さらに二次抗体としてペルオキシダーゼ標識したラットおよびマウス抗体を用いて、前立腺癌、腎癌、膀胱癌のいずれの組織切片においてもLAT1抗体およびLAT3抗体により、癌細胞の細胞膜が特異的に染色された。LAT2およびLAT4抗体を用いた染色では、癌細胞の細胞膜に陽性の染色性は認められなかった。
以上のことにより、いままで、mRNAレベルでのみ論じられていたLAT1およびLAT3の癌細胞膜における高発現性を蛋白質レベルで確認することが可能であることが確認された。
これらの結果から、LAT1及びLAT3は、癌細胞膜に高発現し、癌の増殖を裏付ける必須アミノ酸の輸送能と一致する機能性タンパク質である。このことから、LAT1およびLAT3は癌診断のためのマーカーとしての有用性が確認された。従来の癌診断は当該臓器または組織を摘出し、病理学的に組織診断により実施されている。また、従来の腫瘍マーカーは、癌の増殖と必ずしも一致しない可能性を持っている。しかし、本発明の方法を使用することにより、組織を摘出することなく、癌の増殖と一致する診断を行うことが可能になる。
また、LAT2およびLAT4はほとんどの正常細胞に均等に発現していることから、LAT1およびLAT3に加え、LAT2およびLAT4を用いることにより、より正確な癌細胞と正常細胞の分類が可能になる。
本発明の方法は、従来の方法では得られない癌細胞の増殖能を裏付ける情報を加味した新しい診断法を臨床検査医学に加える事になり、癌の診断と癌治療の効果の判定に大きく寄与する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
ヒト腎癌の免疫組織学的試験
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した腎細胞癌の組織標本をミクロトームで薄切し、パラフィン切片標本を作成した。切片標本を定法に従って、脱パラフィン及びブロッキングを行った後、最終濃度2mg/mLの抗LAT抗体(LAT1はマウスモノクローナル、LAT2、LAT3及びLAT4はラットポリクローナル抗体)で、4℃下、一晩処理した。PBSによる洗浄の後、LAT1については抗マウスIgG−HRP標識抗体を、他には抗ウサギIgG−HRP標識抗体(DAKO ENVISION System HRP kit)を添加し、室温で1時間処理後、DAB基質溶液により発色した。観察及び写真撮影は光学顕微鏡を用いた。
結果を図2に示す。この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった。
ヒト膀胱癌の免疫組織学的試験
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した膀胱癌の組織標本を実施例1と同様に処理し、観察した。
結果を図3に示す。この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった。
ヒト前立腺癌の免疫組織学的試験
外科的処置により摘出し、パラフィン包埋した前立腺癌の組織標本を実施例1と同様に処理し、観察した。
結果を図4に示す。この結果、LAT1及びLAT3抗体での癌細胞の特異的な染色が認められた。LAT2及びLAT4については特異的な染色は認められなかった。
ヒト膀胱癌由来の培養細胞T24を用いたスメア法による細胞染色の試験
T24細胞をシャーレより剥離し、PBSで洗浄した後、4℃、1500rpm、5分間遠心し、ペレットを沈渣として回収した。ペレットを懸濁後、サイトスピン法を用いて、スライドガラス表面に貼り付け、4%ホルマリンで固定した。0.1%TritonX−100/PBSで5分間処理して細胞膜の抗体透過性を高めてから、定法に従い、ブロッキング、一次抗体処理、二次抗体処理を行った。一次抗体は実施例1と同様のものを5mg/mLの濃度で使用した。二次抗体は、LAT1には抗マウスAlexa 488標識ヤギ抗体を、他には抗ウサギAlexa 488標識ヤギ抗体をそれぞれ用いた。
結果を図5に示す。この結果、LAT1及びLAT3によるT24細胞膜の特異的な染色が観察された。
本発明は、正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)と、腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することにより、癌の有無のみならず、癌の進行の程度を示す悪性度を併せて定量できる新規な癌の診断手法を提供するものであり、この方法に適用される本発明の方法や本発明のキットは、癌の早期発見に極めて有用であり、産業上有用なものである。
図1は、本発明の方法における、尿を試料した場合の処理方法及び検査方法の工程の流れ図を例示したものである。 図2は、外科処置により摘出したヒト腎細胞癌について、4種類のLAT抗体を用いて免疫組織化学染色を行って、各トランスポーターの発現の有無を確認した図面に代わる写真である。 図3は、外科処置により摘出したヒト膀胱癌について、4種類のLAT抗体を用いて免疫組織化学染色を行って、各トランスポーターの発現の有無を確認した図面に代わる写真である。 図4は、外科処置により摘出したヒト前立腺癌について、4種類のLAT抗体を用いて免疫組織化学染色を行い、各トランスポーターの発現の有無を確認した図面に代わる写真である。 図5は、ヒト膀胱癌由来の培養細胞であるT24細胞について、スメア法を用いて、免疫蛍光染色を行い、細胞膜での各トランスポーターの発現の有無及び、サンプル処理法を確認した図面に代わる写真である。
配列番号1: ヒトのLAT4の塩基配列
配列番号2: ヒトのLAT4のアミノ酸配列
配列番号3: マウスのLAT4の塩基配列
配列番号4: マウスのLAT4のアミノ酸配列

Claims (13)

  1. 被検体から試料を採取し、採取した試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量することからなる試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量する方法。
  2. 試料中の中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の検出・同定又は定量が、当該中性アミノ酸トランスポーター(LAT)の抗体によるものである請求項1に記載の方法。
  3. 抗体が、モノクローナル抗体である請求項2に記載の方法。
  4. 抗体が、標識化又は標識化可能なものである請求項2又は3に記載の方法。
  5. 正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)が、LAT2及び/又はLAT4である請求項1〜4に記載のいずれかの方法。
  6. 腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)が、LAT1及び/又はLAT3である請求項1〜4に記載のいずれかの方法。
  7. 被検体から採取した試料が、尿又は尿の細胞成分(沈渣)である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 腫瘍細胞が、前立腺癌、腎癌、膀胱癌のいずれかである請求項1〜7のいずれかに記載の方法
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法において、試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量し、かつ腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を定量し、両者の定量値を比較することからなる試料中の細胞の腫瘍の悪性度を判定する方法。
  10. 試料中の正常細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセット、及び腫瘍細胞に発現する中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットを含有してなる被検体から採取した試料中の腫瘍細胞を検出・同定又は定量するためのキット。
  11. 中性アミノ酸トランスポーター(LAT)を検出・同定又は定量するためのセットが、単独でまたは他の物質と反応することにより検出・同定又は定量可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識してなる標識化抗体を含有するものである請求項10に記載のキット。
  12. 標識物質が、酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、または放射性同位体である標識化抗体である請求項11に記載のキット。
  13. 抗体が、モノクローナル抗体である請求項11又は12に記載のキット。
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