JP2012524883A - 腎臓障害生物マーカとしてのwnt1 - Google Patents

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Abstract

本発明は慢性腎障害のモニタ、予知および/または診断における生物マーカとしてのWNT1の使用を含む。本発明はインビトロの予知および診断方法、並びにそれを実施するためのキットを提供する。本発明はまた、慢性腎障害治療用の薬物製造のための有効成分のスクリーニングにおいて、WNT1を使用すること、および前記スクリーニングを実施する方法を含む。

Description

本発明は、慢性腎不全(CRF)の患者、とりわけ、移植治療を受けている患者の腎機能の診断およびモニタをするための臨床手段の分野に属する。
慢性腎不全(CRF)は、糸球体濾過率(GFR)の低下を特徴とする緩慢な進行性腎機能喪失から成り立つ。腎不全が極めて重症(末期腎疾患、ESRD)である場合には、置換療法が必要であり、それは透析または腎移植から構成されるものであってもよい。
腎移植療法は結果の良好な代替療法であり、一部の事例では15年以上も患者の寿命を引き延ばすことができる。しかし、そこには多くのリスクと合併症が存在する。組織適合性試験が近年改善されてきたという事実にも拘わらず、移植した臓器の腎機能不全につながり得る急性または慢性の拒絶反応を防止するために、並行して、引き続き免疫抑制療法を開発する必要がある。移植後、血清クレアチニンが高いレベルにあることは、移植した腎臓の機能が障害されていることを示している。しかし、このクレアチニン法は感度が劣り、また特異的でもない。従って、移植腎臓の腎機能をモニタするためのモニタ手段、および移植片の生存率を評価するための評価手段を開発することが、臨床上必要となっている。慢性の同種異系移植腎障害(CAN)は、間質性線維症および尿細管萎縮を特徴とし、移植臓器を失うにいたる主たる原因である。CANは、多因子性病因を有し、免疫学的因子(同種異系移植拒絶反応)および非免疫学的因子の両方、とりわけカルシニューリンインヒビタによる腎毒性が関与している。今日、患者の免疫系の特異活性に基づく移植臓器の拒絶反応を検出し得る多くのモニタ手段が、診断キットの形態で存在する。例えば、特許出願WO2004074815A1は、炎症と関連するタンパク質をコードする1種以上の遺伝子の発現レベルを測定することを含む、組織生検または血液サンプルから、移植臓器の機能不全もしくは拒絶反応リスクを評価する方法を教示している。同様に、特許出願WO2006099421A1は、移植臓器の進捗を評価し、例えば、同種異系移植腎障害などの慢性の機能的障害の存在を同定し、急性拒絶反応(AR)の重症度と部類を同定することを含む方法を記載している。そこに記載された方法は、表1および表2に特定されている少なくとも1種の遺伝子を、血中または生検中のタンパク質もしくは核酸レベルで検出することを含む。表2は、腎臓生検からの血液もしくは組織を用いる前記方法のための30種の予測遺伝子を特定する。これらの遺伝子はすべて免疫系の活性と顕著に関係している。それらは、サイトカイン−もしくはケモカイン−誘発遺伝子と、またはMHC複合体の部分を形成する遺伝子、補体もしくは免疫グロブリンの遺伝子と一致する。表3の479種の遺伝子は、全体として、同種異系移植腎障害(AR、CAN)に特徴的な他の遺伝子として表1および表2の両方の遺伝子を含む「移植体チップ」の例を表す。文献の再調査において判明した正常機能の免疫系の制御遺伝子とモジュレーター遺伝子もまた、これらの中に包含される。
上記のタイプの臨床手段は、サンプルを入手するために、侵襲的方法を必要とする;例えば、生検は、相当の経済的コストを要することに加えて、相当の関連する病的状態を伴う。血液または組織サンプルに替わり得るものとして、尿サンプルがある;しかし、今日、尿サンプルから移植した臓器の状態を診断するための信頼し得る臨床手段はない。移植腎臓の場合には、炎症過程と関連するタンパク質の尿中の存在を検出する高感度技法が開発されている。カナダのニッカーソン(Nickerson)博士のチームの研究では、ARと関連する尿中タンパク質の検出のためのプロテオミクス技法が用いられた(Schaub et al., J Am Soc Nephrol. 2004 Jan; 15(1):219-27)。生物医学技法に関心をもつ一部の企業もまた、この方向にその努力を注いでいる(WO07121922A2およびWO07104537A2;Am J Transplant. 2005 Oct; 5(10): 2479-88; CA2473814A1)。これらの出願および研究は、免疫系の機能に関連する生物マーカを尿中に検出する可能性を企図するものであるが、この技法を用いる信頼し得る市販の臨床的方法は存在しない。このことは、プロテオミクス技術が病態生理学的過程の複雑な側面を明らかにすること、また新しい生物マーカを開示することの可能性を有するにも拘わらず、腎臓移植の病態の尿中プロテオームの現状が、このような目的を達成するにはなお遥か彼方にあるからである(Schaub et al., Contrib Nephrol. 2008; 160:65-75)。
上記のように、CANの特徴的な兆候は、間質性線維症と尿細管萎縮である。CANの病因は、一部、移植の拒絶にある。しかしながら、移植組織における初期の損傷を、とりわけ尿分析などの非侵襲技法により検出する利用可能な直接的手段はない。免疫系活性に関係する生物マーカの使用に由来する問題の一つは、急性感染症と拒絶反応との間で識別ができないことである。さらに、これらの方法は、腎臓機能の状態を直接に反映しておらず、また自分自身の腎臓を保持している患者の評価には適用できない。
それ故、日常の臨床業務において、専門家にとっての主要な問題は、かれらが腎臓障害の存在を示す十分な非侵襲的診断手段をもたないということである。すでに示したように、免疫系活性の機能として拒絶反応を検出する手段は存在するが、侵襲的方法によるものである。
驚くべきことに、本出願の発明者は、尿分析にて特異的線維症マーカを同定した。2D−DIGEプロテオミクス技法による腎臓移植患者サンプルの分析は、慢性同種異系移植腎障害に罹患するこれら患者の尿中に、タンパク質WNT1の明確に区別し得る存在を示した。WNT1タンパク質は成人の腎臓では発現されないが、成長の間には、それが後腎間葉織を誘導し、尿細管上皮と糸球体上皮に分化し(Herzlinger et al., 1994; Dev. Biol. 166:815-818)、それが肺の繊維化と組織萎縮過程に関与することとなる(Konigshoff et al., PLoS ONE. 2008 May 14; 3(5): e2142)。
国際公開第2004/074815号パンフレット 国際公開第2006/099421号パンフレット 国際公開第2007/121922号パンフレット 国際公開第2007/104537号パンフレット カナダ国特許出願公開2473814号明細書
Schaub et al., J Am Soc Nephrol. 2004 Jan; 15(1):219-27 Am J Transplant. 2005 Oct; 5(10): 2479-88 Schaub et al., Contrib Nephrol. 2008; 160:65-75 Herzlinger et al., 1994; Dev. Biol. 166:815-818 Konigshoff et al., PLoS ONE. 2008 May 14; 3(5): e2142
従って、本発明は、患者の尿サンプルの分析により、初期段階で腎臓の組織障害を直接測定し得る新規の非侵襲的臨床手段を提供する。
本発明の第一の態様は、腎機能障害の予知における、および/または前記障害と関連する腎障害の診断における生物マーカとしてのWNT1の使用である。好適な実施態様において、本発明は腎移植患者での本使用を含んでなる。
本発明の別の態様は、腎機能障害を予知する方法および/または前記障害と関連する腎障害を診断する方法であって、患者から単離した生体サンプル中に、生物マーカWNT1もしくはそのフラグメントの存在または不存在を測定することを含む方法である。好適な実施態様において、使用する生体サンプルは、尿、血液、血清または組織生検であり、それについて、WNT1のタンパク質、RNAもしくはDNAまたはそのフラグメントの存在または不存在を測定することを含む。
好適な実施態様において、本発明の方法は、腎移植患者から単離した生体サンプルを含んでなる。なおさらに好適な実施態様において、本発明の方法は、サンプル中のWNT1を定量することを含む。
本発明の第三の態様は、慢性同種異系移植腎障害をインビトロで診断する方法であって、前記方法は:
a)患者から単離した生体サンプル中のWNT1またはそのフラグメントを定量すること;
b)工程a)のサンプル中のWNT1量を、健常個体から単離したサンプル中のWNT1量と比較すること;
を含む。
本方法において、WNT1が存在すること、またはその量が相対的に増大していることは、腎機能障害の兆候を示している。
とりわけ好適な実施態様において、本方法は、患者の尿サンプルを用いて実施する。他の実施態様においては、血液、血清または生検組織サンプルを本方法で使用する。
本発明のさらなる態様は、腎機能障害および前記障害と関連する腎障害をモニタ、予知および/または診断するためのキットであって、WNT1の生物学的形状のいずれかに相当し、配列番号1、配列番号2、配列番号3、またはそのフラグメントから選択される配列に結合し、認識し得る少なくとも1種の分子または組成物を含んでなるキットである;前記分子は、選択肢として、その検出を容易にするために標識してもよい。
本発明の別のさらなる態様は、腎機能障害および前記障害と関連する腎障害をモニタ、予知および/または診断するためのキットであって、生物マーカWNT1またはそのフラグメントを含んでなるキットである。
本発明の特定の実施態様は、線維形成過程から生じる疾患の処置を企図する薬物を製造または開発するための、有効成分のスクリーニングにおける前記キットの使用から構成される。
本発明の一態様は、薬物の製造または開発のために、有効成分をスクリーニングする方法であって、前記有効成分をWNT1に結合させアッセイすることを含む方法である。
好適な実施態様において、本発明のキットは、腎機能障害と関連する同種異系移植腎障害をモニタし、予知し、および/または診断すること、またはそれを治療するための薬物製造用の有効成分をスクリーニングすることを目的とする。
本発明の最終の態様は、腎障害処置のための薬物製造用の有効成分をスクリーニングする際に、WNT1またはそのフラグメントを使用することである。好適な実施態様において、前記腎障害は慢性同種異系移植腎障害である。
ウエスタンブロットによるwnt−1タンパク質を検出する詳細を示す図である。研究試験対象患者基準に合致する患者の各群の2件のランダムサンプルをwnt−1を検出するために選択した。図a)はCANではない2人の腎移植患者(CAN 0)の詳細に相当し;b)は初期CANの2人の腎移植患者(CAN I)の詳細に相当し;またc)は進行したCANの2人の腎移植患者(CAN II−III)の詳細に相当する(CAN:慢性同種異系移植腎障害)。 デサイダ(DeCyder;登録商標)イメージ分析ソフトウエア(GEヘルスケア)が提供する画像を示す図である。境界線により範囲を定めた領域は、wnt−1として同定されたタンパク質の部分に相当する。CANの重症度が増大するにつれ、領域の高さが増大することが観察されるが、この領域の増大は、尿中タンパク質量の増加に相当する。図a)はCANではない腎移植患者(CAN 0)の詳細図に相当し;b)は初期CANの腎移植患者(CAN I)の詳細図に相当し;またc)は進行したCANの腎移植患者(CAN II−III)の詳細図に相当する(CAN:慢性同種異系移植腎障害)。
[定義]
本発明に関連して、用語WNT1は、他に明確に特定しない限り、遺伝子無翅関連MMTV組込み部位1の生物学的形状(遺伝子座12q12−q13;ホモサピエンス)およびその組合せのいずれかに関係する。前記生物学的形状は、限定されるものではないが、DNA、その変異体および突然変異体、その制御領域(例えば、レギュレータ、モジュレータープロモータ及びエンハンサ);cDNAおよびそれを含んでなる構築物;RNAとその翻訳物のいずれか(mRNAおよびそのタンパク質を含む)、翻訳後修飾体、突然変異体およびその変異体とそのフラグメントである。生物マーカはまた、生理病理学的過程を識別する生物学的分子とも理解される。本発明の場合、前記過程は間質性線維症および尿細管萎縮に相当し、これらは腎機能障害の特徴である。
本発明は、CAN患者の尿中にWNT1タンパク質の存在することを、本発明者らが予期せずに観察したことに基づいている(図1)。慢性同種異系移植腎障害に罹患していない患者、または慢性同種異系移植腎障害のない腎移植患者、または正常腎機能を有する一般的な移植集団の尿中にWNT1が存在しないことは、WNT1を前記患者にとっての高い診断価値および予測価値を有する生物マーカとする。本発明者らは、移植腎が成人腎臓のものである場合に、生検で観察される間質性線維症、尿細管萎縮、および硬化性病変形成に導く再生過程が、WNT1発現の原因であるとする。かかる再生過程は、移植腎臓において、急性の拒絶反応および/または他の有害な傷害を原因とする最初の病変と共に直ちに始まる。リンパ球の増殖に呼応して、内膜層の肥厚と弾性層の破壊が起こる。従って、本発明者らは、前記技術分野で使用されている他のマーカと違って、患者のサンプル中のWNT1の存在または不存在に関しては、腎機能を遂行する構造の損傷と萎縮を直接測定し得ることを観察した。発明者らの推測は、WNT1が慢性拒絶反応の極初期段階で観察される新しい媒体と新しい動脈内膜の形成に関与しているということである。
WNT1の発現は移植の外科的力学の結果ではあり得ず、むしろ腎臓の内因性の生理病理に相当することから、これらの知見から推定して、もともと腎臓の障害を受けている患者にもこれらの知見を適用することができる。
日常の臨床実務においてとりわけ望ましいことは、患者の生活水準にマイナスの影響を与えず、患者にとって病的状態とならず、また高い経済的負担とならない患者からのサンプル採取により、例えば、尿サンプルなど、患者から単離されるサンプルから得ることのできる分析手段を手にすることである。これらの望ましい改善に相応して、本発明の第一の態様は、腎機能障害の予知に、および/または前記障害と関連する腎障害の診断において、WNT1を生物マーカとして使用することである。
本発明によると、腎機能障害と関連する腎障害は、とりわけ、糖尿病性腎障害、腎血管硬化症、IgA腎症、膜性腎症、病巣分節糸球体硬化症、ループス腎炎(全身性エリテマトーデスと関連)、ANCA陽性乏免疫性半月形糸球体腎炎(血漿における抗好中性細胞質抗体と関連)および慢性同種異系移植腎障害である。これらの腎障害の一部のものは、移植患者および非移植患者の両方に起こり得る。
間質性線維症および尿細管萎縮と共に表れる障害のあるものは、さらにAIDSなどの感染性疾患、または上記の全身性エリテマトーデスなどの慢性自己免疫疾患を含む。
また日常の臨床実務において望ましいことは、CANの初期段階を提示し得て、急性の感染症と移植拒絶反応を識別可能とするために、免疫系活性を測定するものではない分析手段を入手することであろう。この改善によると、一部の実施態様において、本発明は、腎臓移植患者において、腎臓移植機能障害の予知、および/または前記障害と関連する腎障害の診断に、WNT1を生物マーカとして使用することを含む。
本発明によると、腎機能障害と関連する腎障害は、既述のものに加えて、間質性線維症および尿細管萎縮と共に表れるいずれもの障害を含む。
腎機能障害の特異的な症候を査定し、評価し、判定する一助とすることを目的に、本発明の別の態様は、患者から単離した生体サンプルにおいて、WNT1またはそのフラグメントの存在または不存在を判定することを含む、腎機能障害をモニタする、予知する方法、および/または前記障害と関連する腎障害を診断する方法を包含する。
本方法を予知に適用する場合、本発明は、本発明について記載した疾患もしくは障害の1つに前記患者が罹患するリスクについて、WNT1のいずれかの生物学的形状の存在または不存在についての特定のデータを提供することにより評価する上での技術的な一助とすることを企図する。
好適な実施態様において、生体サンプルは、尿、血液、血清または組織生検であり、WNT1のタンパク質、RNAもしくはDNAまたはそのフラグメントの存在または不存在の測定が含まれる。
本発明の方法の可能な実施態様は以下から構成される:
a)患者からのサンプル採取。サンプルはその性質に応じて、直ちに使用するか、または適当に保存する。
例えば、サンプルは直ちに処理してもよいし、またはWNT1の生物学的形状の分解を防止するために、その分析時まで真空包装するか、もしくは−80℃で凍結することができる。それらの採取後のサンプル処理は、如何なる場合にも本発明の目的を制限するものではなく、本発明の方法を実施する時点で、当業者周知の最良のプロトコールに従って実施されよう。
b)サンプルからのフラクションの単離およびその中のWNT1の選択した生物学的形状の検出。
例えば、タンパク質WNT1の存在または不存在を分析のために選択する場合は、サンプルを遠心分離し、タンパク質濃縮プロトコールに付す。サンプルが血液サンプルである場合には、前記濃縮に先立ち、細胞フラクションを取り除くことが必要である。腎臓組織生検の場合には、免疫組織化学のプロトコールに記載されている特別の処理または前記技術分野で既知の組織中タンパク質の他の検出技術に従う。市販の特異的抗−WNT1抗体をこの目的に使用する。これらの抗体は他の試薬と共に前記サンプルフラクションの処理のための溶液に希釈するか、または抗体を固形支持体に固定化して、前記支持体へのタンパク質の結合と引き続くその展開(例えば、ELISA型またはアフィニティクロマトグラフィ型アッセイ)をし易くする。しかし、WNT1の遺伝子発現を分析に選択する場合には、強力なRNアーゼ・インヒビタを後者に加えることなどを含む適切なmRNA抽出プロトコールが選択される。前記プロトコールは、前記技術分野において既知であり、サンプルの性質に従って変わり得る。例えば、生検の場合、組織の均一化とRT−PCRプロトコールが必要であり、該プロトコールは定量的であって、当業者がその最善の知識に従って選択する適切なプライマが必要とされる。
c)選択肢として、工程b)にて単離したフラクション中のWNT1の選択した生物学的形状の定量。
サンプル中のmRNAまたはWNT1タンパク質の存在は、単に腎機能障害の兆候を示すに過ぎないので、その定量を可能とする手段が望まれる;その理由は、かかる定量が腎機能喪失の程度の判定に役立ち得るからである。このことにより、本発明は、各患者において、最も適切な診断のための、症候の評価における臨床手段として、WNT1を定量することを含む。
臨床上の腎臓病学において、腎不全に罹患している患者の診断を担当する専門家は、腎臓の構造的劣化について、客観的な技術データを提供する十分な手段を欠いている。本発明は、この臨床上の欠陥を改善するために、WNT1の検出と定量を使用する可能性を提供する。それ故、本発明の一実施態様は、慢性同種異系移植腎障害のインビトロ診断方法であって:
c)患者から単離した生体サンプル中のWNT1またはそのフラグメントの定量;
d)工程a)のサンプル中のWNT1量と、健常個体から単離したサンプル中のWNT1量の比較;
[この場合、WNT1量の存在または相対的増加は、腎機能障害の兆候を示す]
を含む方法を含む。
この定量の例は、図2に見ることができる。
患者の特に不快な局面は、患者が腎臓組織の劣化の程度について、客観的な技術データを提供する目的で、腎生検を得るために全身の検査を受けねばならず、生活水準が低下することである。本発明では、尿サンプルからデータを得ることが可能であるため、その意味では改善がある。極めて好適な実施態様において、慢性同種異系移植腎障害をインビトロで診断する本発明方法は、患者から得た尿サンプルを使用することを含む。
患者からのサンプル中、WNT1の存在は、選択した試薬のセットを使用することにより、迅速かつ特異的に検出することができる。それを受けて、別の態様において、本発明は、腎機能障害または前記障害と関連する腎障害のモニタ、予知および/または診断を補助する分子データを得るための試薬のセットまたはキットを含む。この試薬のセットは、WNT1の生物学的形状の1つ、すなわち、配列番号1;配列番号2;配列番号3;から選択される配列、またはそのフラグメントと結合し、認識することの可能な少なくとも1種の分子または組成物を含む。前記分子は選択肢として、その検出のために標識してもよい。
これらの試薬は、それが核酸である場合、従来、放射性分子または放射性写真フィルムをプリントし得る分子が含まれている人工的に合成された配列フラグメントから構成される。同様の方法で、タンパク質の検出に使用する試薬は、放射性、蛍光性または発光性分子で標識し得る従来の抗体である。本発明はこれらの抗体を固形支持体に結合し、ELISA型アッセイに使用し得るキットを創製することを企図する。
上記のキットは、腎障害の進行するリスクのある個体を同定する上で、とりわけ有用である。それを受けて、前記キットは、前記個体を検出し、非可逆的損傷の発生する前に、または疾患が進行する前に作用する予防手段または介在治療の戦略を開発するための手段として役立ち得る。特に、このキットは、疾患の進行の、および選択した治療法の成功率または無効率の追跡またはモニタにおいて、臨床スタッフの一助として役立ち得る。
間質性線維症および尿細管萎縮が腎不全の原因であるとすれば、それらを惹き起こす因子を遮断することが好都合であろう。この意味で、本発明の別の実施態様では、上記のキットに替わり得るキットとして、その試薬中に少なくとも1種のWNT1の生物学的形状を含んでなるキットが提供される。この代替キットは、例えば、WNT1遺伝子のプロモータに結合して遺伝子発現を促進もしくは阻害し得る分子;または該遺伝子の翻訳もしくは転写を防止し得る分子、またはWNT1タンパク質の分泌もしくはその受容体への結合を遮断し得る分子;をスクリーニングするためのアッセイの開発に有用である。このキットはさらに、治療標的としてのWNT1を有する新しい薬物の製造に有用である。同様に、この代替キットは臨床家と患者双方にとって有益であり、腎損傷の初期の検出または移植腎臓の進捗についてのアッセイ法の開発手段を提供する。従って、このキットは、WNT1の生物学的形状のいずれか、および別途他の既知の生物マーカが結合するマトリックスまたは固形支持体を含んでなる。それ故、本発明の別の態様は、薬物の製造または開発のための有効成分をスクリーニングする方法であって、WNT1に対する前記有効成分の結合アッセイを含む方法である。
本発明により提供される技術により、患者、例えば、腎移植患者を、かれらの移植腎臓の機能的進捗を追跡するためのプログラムに組入れられるようになり、そのことにより拒絶反応または機能不全事象への早期の介入が可能となる。従って、本発明の好適な実施態様は、同種異系移植腎障害の予知および/または診断、並びに移植臓器のモニタを特に目的とするキットを含んでなる。
それ故、本発明の最終の態様は、腎臓患者が慢性同種異系移植腎障害を発症している場合には治療有用性を含んでなる。本発明によると、前記治療有用性は、有効成分のスクリーニングにおいて、および/または腎障害の処置もしくは予防のための薬物の製造および選択において、WNT1を使用することを含む。本発明の実施態様は、特に好ましくは、該腎障害が慢性同種異系移植腎障害である場合の前記使用を含んでなる。
<実施例1:CAN罹患または未罹患移植患者の尿中wnt−1の検出>
1.1 患者
腎移植患者の朝の2回目の尿を、移植後の異なる時間で採取した。試験対象患者基準は以下の通りとした:1)男性;2)安定な腎機能;3)6ヶ月以上の移植後の時間;4)正常沈降物および非血尿;5)Tac+MMF±Pdでの免疫抑制剤処置;および6)最近、腎生検に急性の拒絶反応がなく、慢性病変の評価をバンフ(Banff)分類に従って実施。
サンプルは、CAN0の移植患者8名から、CANIの移植患者8名から、CANIIの移植患者5名から、およびCANIIIの患者3名から採取した。患者は3つのグループに分けた:CAN0(n=8);CANI(n=8);およびCANII〜III(n=8)。
本研究は、バルセローナ・ホスピタル・クリニック(Hospital Clinic de Barcelona)の倫理委員会により承認を受け、実施した。インフォームドコンセントはすべての患者から得られた。
1.2 ヒト尿サンプルの調製
感染と血尿のないことを試験片(コンバーテスト;Combur-Test;ロシュ)により確認する。プロテアーゼインヒビタ(コンプリートミニ(Complete Mini)およびペファブロック(Pefabloc);ロシュ)処置患者から2回目の朝尿から100ml採取した。尿はワットマン3mm濾紙(ワットマン、メイドストーン、英国)で濾過し、尿から可能な溶質を除去し、次いで、1,000gで5分間遠心分離した。上清を使用時まで40mlずつとして−80℃で保存した。
1.3 タンパク質沈殿物
尿タンパク質は、最終濃度10%としてTCA(フルカ)で沈殿させる。タンパク質沈殿物は、−20℃のアセトンにより2回洗った。次いで、沈殿物を4℃で乾燥放置し、再懸濁バッファ(7M尿素(GEヘルスケア)、2Mチオウレア(GEヘルスケア)、4%CHAPS(GEヘルスケア)、0.1%DTT(シグマ)、および0.2%両性電解質(pH4〜7の範囲;GEヘルスケア)含有)に溶解した。サンプルのpHを1M−NaOHでpH8〜8.5として、DIGEアッセイの蛍光色素での標識を最適化した。タンパク質濃度をRcDcキット(バイオラッド;販売業者のプロトコールに従う)により定量した。30μlずつを採り、その使用時まで−80℃で保存した。
1.4 分取用ゲル
[等電点電気泳動]
24cmのポリアクリルアミドゲルストリップを、2%(w/v)CHAPS(GEヘルスケア)、7M尿素(GEヘルスケア)、2Mチオウレア(GEヘルスケア)、0.5%(v/v)両性電解質(pH4〜7の範囲;GEヘルスケア),2mg/mlジチオトレイトール(シグマ)および痕跡量のブロモフェノールブルー(GEヘルスケア)含有再水和バッファ(450μl)により、pH4から7の直線pH勾配により受動的に再水和した(IPGストリップ;GEヘルスケア)。タンパク質250μgをカップ−ローディング法により負荷した(GEヘルスケア)。IGPストリップを表1に特定した等電点電気泳動プログラムにより、エッタン(Ettan)IPGフォア(GEヘルスケア)中、20℃で等電点電気泳動に付した。等電点電気泳動後、直ちに、二次元SDS−PAGEを実施するまでストリップを−80℃に凍結する。
Figure 2012524883
[二次元:SDS−PAGE]
二次元分離に先立って、亜硫酸水素塩架橋を除去するために、SDS(50mMトリス−Cl pH8.8(GEヘルスケア)、6M尿素(GEヘルスケア)、30%(v/v)グリセロール(GEヘルスケア)、2%(w/v)SDS(フルカ)、痕跡量のブロモフェノールブルー(GEヘルスケア)、0.5%(w/v)1−4ジチオトレイトール(DTT)(GEヘルスケア))を含む平衡化バッファ中、タンパク質を室温で15分間インキュベートした。次いで、IPGストリップをヨードアセトアミドを含む平衡化バッファで15分間インキュベートする(該バッファは、DTTの代わりに2.5%ヨードアセトアミド(GEヘルスケア)を含む以外、先のバッファと正確に同じとする)。バッファ溶液IIはバッファ溶液Iと同一であるが、ただし、DTTよりもむしろヨードアセトアミドを含んでいる。タンパク質はエッタンDALTシステム(GEヘルスケア)において、12.5%ポリアクリルアミドゲル中、ゲルあたり2W、20℃で、ブロモフェノールブルー前端が溶出されるまで(10〜14時間)、二次元で分離した。
[銀染色]
分離したタンパク質は常套の銀染色により可視化した。簡単に説明すると、タンパク質は定着液(40%エタノール(メルク)および10%酢酸(パンクレアック))により30分間、ゲルに固定した;ゲルは増感液(30%エタノール、0.2%(w/v)Na(アマーシャム・バイオサイエンス)および6.8%(w/v)酢酸ナトリウム(アマーシャム・バイオサイエンス))により30分間増感した。mQ水にて5分ずつ3回洗浄した後、ゲルを2.5%(w/v)硝酸銀溶液(フルカ)に20分間、含侵した。次いで、mQ水にて1分ずつ2回洗浄した。現像液(2.5%重炭酸ナトリウム(フルカ)および0.4mL/Lのホルムアルデヒド(シグマ))が複数スポットを示した。現像液を1.46%(w/v)EDTA−Na・HO液(フルカ)と10分間置き換えて、反応停止させた。最後に、脱イオン水でそれぞれ5分間ずつ3回洗浄し、モレキュラー・イメージャ(登録商標)GS−800(商標)校正濃度計(バイオ−ラッド)により走査した。
1.5 CAN患者の尿中プロテオームのDIGE二次元分析
[蛍光標識]
DIGE法により6枚のゲルを調製した;それぞれのゲルにおいて、1群から合計2人の患者のプロテオームを、別の1群からの合計2人の患者と比較する(表2参照)。各サンプルはDIGE蛍光色素、Cy2、Cy3、またはCy5(GEヘルスケア)のそれぞれで標識する。タンパク質は、指定された蛍光色素(1μgタンパク質当たり8pmolの蛍光色素の最終濃度)と暗所、4℃にてインキュベーションすることにより標識した。反応は、蛍光色素1mole当たり25moleのリジンにより停止させた。分析すべき異なる群に相当するサンプルは、疾患の段階に応じて発現の変化を分析する目的で、蛍光色素Cy3およびCy5で標識する。蛍光色素Cy2はゲル間対照を標識するために保存する。これは同一比率のすべてのアッセイサンプルを混合することにより実施する。各ゲルにおいて、このゲル間対照50μgを2つの目的で各ゲルに負荷した。第一に、ゲル間対照は、対照と実験条件双方のすべてのタンパク質を含んでいるため、分析用および分取用ゲル双方のパターンを比較するための参照用パターンを生じる。第二に、Cy2で染色したスポットの強度は、対照および実験条件の強度を比較するための役割を有する。ゲルに負荷する前に、3種の蛍光色素で染色したサンプルを、表2に示すように混合した。
Figure 2012524883
[等電点電気泳動およびSDS−PAGE]
等電点電気泳動および二次元分離は、すでに記載した通りに実施したが、その工程はすべて暗所にて実施した。
[画像分析]
二次元分離が終了した後、直ちに、ゲルを蒸留水で洗い、DIGE対応タイフーン・スキャナ(GEヘルスケア)により走査した。タンパク質は、タイフーン・バリアブルモード・イメージャ(GEヘルスケア)で可視化した。デサイダ(DeCyder)示差ゲル内分析ソフトウエア(GEヘルスケア)を用いて、スポットの強度を分析した。異なるゲルのスポットは、Cy2で標識したアッセイ間のパターンを用いて整列させた。特に、発現はゲルそれぞれについて分析したが、その際、存在する1000個のスポットの初期値を用いるデサイダプログラムのDIAモジュールを並行して使用した。DIA分析を用いて、1枚の同一ゲルの異なるサンプル間の特異的スポット強度を直接比較した。この場合、比較したタンパク質の強度は、CANI、CANII−IIIおよびCAN0の群の尿中プロテオームの強度である。これらのDIA分析は、次いで、デサイダのBVAモジュールにより分析した;このモジュールは、3条件間の発現比率を包括的に分析することを可能とする。
[差別したタンパク質の同定:MALDI−TOF−MSによるペプチド質量フィンガープリンティング(PMF)]
(ゲル内消化)
目標のタンパク質は、手動スポット採取器により、直径1.5mmに切り出した(ゲルカンパニ)。タンパク質は、インベスティゲータープロゲスト(Investigator ProGest)ロボット(ゲノミックソリューション)中、トリプシン(修飾した配列決定等級;プロメガ)により消化した。簡単に説明すると、切り出したスポットを重炭酸アンモニウムとアセトニトリルで連続的に洗った。10mM−DTTと30分間インキュベートしてタンパク質を還元し、さらに55mMヨードアセトアミドと30分間インキュベートした後、タンパク質を逐次バッファとアセトニトリルの洗浄に付した。タンパク質は、0.27nmolのトリプシンにより、37℃で一夜、消化した。トリプシン消化により得られたペプチドを、10%ギ酸とアセトニトリルによりゲルから抽出し、抽出物をプールし、真空遠心分離により乾燥した。
(スペクトル取得)
二次元ゲルから切り出したタンパク質をESI−MS−MS(Q−TOFグローバル、マイクロマス−ウォーターズ)により分析した。トリプシン消化由来のペプチドを質量分析法と組み合わせた液体クロマトグラフィ(CapLC−ナノ−ESI−Q−TOF)(CapLC、マイクロマス−ウォーターズ)により分析した。この場合、サンプルは15μlの1%ギ酸に再懸濁し、4μLをクロマトグラフに注入し、C18(内径75μm、長さ15cm;ペップマップカラム;LCパッキングス)での逆相分離を実施した。溶出したペプチドをナノ針(ピコチップ(PicoTip;商標)、ニューオブジェクティブ)によりイオン化した。1800〜2200Vの電圧を80Vの錘状電圧と共にキャピラリに負荷した。CID(衝突解離)の衝突は20〜35eVであり、使用した衝突ガスはアルゴンである。記述されるデータはPKLフォーマットを有し、MASCOTまたはNCBI−エントレッズなどの検索手段を用いるデータベース検索に付すことができる。
1.6 wnt−1のウエスタンブロット
厚さ1.55mmの12%アクリルアミドミニゲル(ミニプロテアン、バイオラッド)を調製した。異なる程度のCAN患者からの尿タンパク質抽出物25μgを負荷し、60Vで10分間移動させ、引き続き100Vで移動させた。ブロモフェノールブルー前端が溶出した際、直ちにタンパク質をニトロセルロース膜(プロタン、直径45μm)に、トランスブロット・セミドライ(バイオラッド)により、10Vで30分間転写した。
引き続き、膜はPBS中の4%脱脂粉乳溶液により、室温で90分間、ブロックした。続いて、一次抗体(ウサギから得たヒトwnt−1;ロックランド)のインキュベーションを、1%脱脂粉乳溶液中、1:500に希釈して、緩やかに撹拌しながら、4℃で一夜(10時間)実施した。10分ずつ3回、それぞれ1%脱脂粉乳溶液で洗った後、二次抗体(抗−ウサギ;シグマ)とのインキュベーションを、1%脱脂粉乳溶液中、1:2000に希釈して実施した。10分間2回の洗浄を、それぞれPBS中の1%脱脂粉乳溶液で行った後、最後の洗浄をPBSで実施した。その呈色にはECLシステム(GEヘルスケア)を用いた。引き続き、LARS画像入手システムにて画像を入手した。
CAN0、CANIおよびCANII−IIIの2人の患者におけるwnt−1の同定結果は、図1から観察することができる。
<実施例2:尿中に存在するwnt−1定量のためのELISAアッセイ>
ELISAプレートをwnt−1抗体で被覆するために、該抗体(ロークランド)の適切な希釈液を4℃で一夜インキュベート放置する。ウエルをddHOで洗い、プレートはPBS−トリトンで2回洗う。プレートは1%BSA/PBSにより、室温で30〜60分間、ブロックする。標準液(既知のバイオノバwnt−1タンパク質希釈液)100μlおよび100μl(希釈が必要な場合には実施する)。これを4℃で1時間インキュベートする。サンプルを除去し、アルカリ性ホスファターゼ(AP)またはペルオキシダーゼ(共にシグマから)に結合した二次抗体の適当な希釈液と1時間インキュベートする。抗体に結合しない要素を除去し、ウエスタンの呈色に必要な基質100μlを加える。これを暗所で1時間、4℃に放置し、インキュベートする。引き続き、プレートをプレートにより、適当な波長で読み取り、各サンプルの横軸が補間された校正直線を得る;この直線は、wnt−1の定量を可能とする。結果はwnt−1のμg/カルニチンとして表す。
<実施例3:腎生検におけるwnt−1の免疫組織化学的検出>
ロークランドの市販抗−ヒトwnt−1抗体を一次抗体として使用する。切片を正に荷電したスライド(ジェネックス−ブランド;登録商標)上に載せた。
3.1 パラフィン除去処理:
パラフィン除去処理は、切片をキシレン(10分間)に通過させ、エチルアルコールの強度を低下させること(100℃ 10分間、96℃ 5分間、および70℃ 5分間)により実施した。
3.2 内在性ペルオキシダーゼ活性の遮断:
切片をメタノール中の3%過酸化水素溶液中で15分間インキュベートし、さらに蒸留水中で10分間インキュベートする。
3.3 抗原の回収:
切片を10mMクエン酸バッファ溶液(pH6)に浸漬し、オートクレーブ中、121℃に15分間加熱する。5分間、冷却放置し、次いで、TBSTバッファ溶液(50mMトリス−HCl、300mM−NaCl、0.1%トゥイーン20、pH7.6)浴に15分間留めて洗浄した。
3.4 免疫標識:
非特異的結合部位を遮断する目的で、組織切片をTBSTバッファ中の1%ウシ血清アルブミンフラクションV溶液(シグマ)と5分間インキュベートした。次いで、抗−wnt−1抗血清を適当に希釈して、4℃の湿潤チャンバ中に一夜放置する。
3.5 反応の進展:
ダコ(DAKO)LSAB2(登録商標)法を色素原基質としてのAECと共に使用する。
3.6 対比染色:
切片をメイヤのヘマトキシリンに15秒間浸漬し、次いで、呈色のために流水下に置いた。
3.7 マウンティング:
マウンティング(配置)は水性マウント媒体(ベクタマウント(商標)AQ、ベクターラボ・インダストリ)により実施する。
3.8 読み取り:
標本はライツ・ダイアラックス(Leitz Dialux)20EB顕微鏡下で観察する。顕微鏡に装着したオリンパスC4000デジタルカメラで写真撮影する。
<実施例4:尿中WNT−1RNAの抽出と定量>
4.1 尿中RNA抽出プロトコール:
少なくとも30mlの新鮮尿を採取し、その最初の処理加工時(採取後1時間未満に開始)まで冷蔵庫に保管する。
4.1.1 尿からの細胞の単離:
キットが許容する30mlを、ZR URINE RNA単離キット(ザイモ・リサーチカタログNo.R1038)が備えるフィルタ(ZRC GF(商標)フィルタ)に通過させる。
濾過した尿は、他の工程で使用する予定のない限り、廃棄する。
4.1.2 RNA抽出:
キット(RNA抽出バッファプラス(商標))の溶解バッファ700μLを、1mL容量のシリンジを用いてカラムに通し、清浄に調製した無RNアーゼ・エッペンドルフ・チューブに細胞溶解液を集める。この溶解液に1容量(700μl)の95〜100%エタノールを加え、暫時よく混合し、混合物をアフィニティカラム(ザイモ−スピンIC(商標)カラム)に通し、そこでRNAを保持する。カラムを採集チューブに取り付ける。≧10,000rpmで1分間、遠心分離する。濾液を除去する。洗浄バッファ(RNA洗浄バッファ)300μlをカラムに加える。≧10,000rpmで1分間、遠心分離する。濾液を除去する。さらに300μlの洗浄バッファ(RNA洗浄バッファ)をカラムに加える。≧10,000rpmで1分間、遠心分離する。濾液を除去する。カラムを清浄に調製した無RNアーゼ・エッペンドルフ・チューブに取り付ける。20μLの溶出バッファを加え、1分間待つ。≧10,000rpmで1分間、遠心分離する。溶出したRNAを含有する濾液を集める。分光光度計(ナノドロップ)により定量する。直ちに使用するか、または−80℃で保存する。
4.2 光サイクラによる定量
cDNAは、100Uの逆転写酵素スーパースクリプトIIRNアーゼH−、および40Uのリボヌクレアーゼインヒビタ(インビトロジェン)と共に、プライマとして20pmolのオリゴdTsを供給元の説明書に従って使用し、総RNA1μgから20μlの最終容量で得た。
光サイクラによる定量のため、反応を20μlの最終容量で実施した;その際、0.2μlのユニバーサル・プローブ・ライブラリno.13(ロシュ・アプライド・サイエンス)、8.8μlの水(PCR等級)、プライマ:左:cacctcctggccttctcc(配列番号4)および右:ggggcaggtacatggtgt(配列番号5)、4μlのマスターミックスおよび最後に5μlの先に得たcDNAを加える(試薬類はすべてロシュ・アプライド・サイエンスからのものである)。使用温度は59℃である。

Claims (15)

  1. 腎機能の障害の予知における、および/または前記障害と関連する腎障害の診断における生物マーカとしてのWNT1の使用。
  2. 前記腎機能または腎障害が移植腎臓のものである請求項1記載の使用。
  3. 腎機能の障害を予知する方法および/または前記障害と関連する腎障害を診断する方法であって、患者から単離した生体サンプル中に、生物マーカWNT1もしくはそのフラグメントの存在または不存在を測定することを特徴とする方法。
  4. 前記生体サンプルが、尿、血液、血清または組織生検であり、WNT1のタンパク質、RNAもしくはDNAまたはそのフラグメントの存在または不存在を測定することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記患者が、腎臓移植治療を受けた患者である請求項3または4のいずれかに記載の方法。
  6. 生物マーカWNT1を定量することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 慢性同種異系移植腎障害をインビトロで診断する方法であって、
    a)患者から単離した生体サンプル中のWNT1またはそのフラグメントを定量すること;
    b)工程a)のサンプル中のWNT1量を、健常個体から単離したサンプル中のWNT1量と比較すること;ここで、WNT1が存在すること、またはその量が相対的に増大していることは、腎機能の障害の兆候を示している、
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記生体サンプルが尿サンプルである請求項7記載の方法。
  9. 腎機能の障害または前記障害と関連する腎障害の予知および/または診断をモニタするためのキットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、またはそのフラグメントから選択され、その検出のために標識されていてもよい配列に結合し、認識し得る少なくとも1種の分子または組成物を含んでなるキット。
  10. 腎機能の障害または前記障害と関連する腎障害をモニタ、予知および/または診断するためのキットであって、生物マーカWNT1またはそのフラグメントを含んでなるキット。
  11. 線維形成過程から生じる疾患の処置を企図する薬物を製造または開発するための、有効成分のスクリーニングにおける請求項9または10に記載のキットの使用。
  12. 薬物の製造または開発のために、有効成分をスクリーニングする方法であって、前記有効成分をWNT1に結合させアッセイすることを特徴とする方法。
  13. 腎機能の障害と関連する腎障害が、同種異系移植腎障害である請求項9または10のいずれかに記載のキット。
  14. 腎障害の処置または予防のための薬物の製造および/または選択におけるWNT1またはそのフラグメントの使用。
  15. 前記腎障害が慢性同種異系移植腎障害である請求項14記載の使用。
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