JPWO2006098464A1 - 前立腺がんの診断方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、被験者の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法を提供する。本発明はまた、被験者の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法を提供する。本発明は、前立腺がんの診断をより簡易、迅速、安価にする。

Description

本発明は、前立腺がんの診断方法に関し、特に、被験者の体液(例えば、血液、尿)試料中のPCA−1をマーカーとして前立腺がんを診断する方法およびそのためのキットに関する。
前立腺がんは、欧米では男性がん死亡者の約20%を占める頻度の高いがんであり、日本でも食事の欧米化および高齢化社会に伴い、その頻度は増加傾向にある。泌尿器科領域におけるがんでは、日本においても最も多いがんであり、罹患者の早期発見は医学上重要な意義がある。
現在、前立腺がんの診断には、前立腺特異抗原(PSA)が一般的に使用されており、抗原抗体反応を用いた血液成分中のPSA検出キットが多数市販されている。血中PSA測定は、鋭敏に前立腺がんの存在を検出できる検査であり、また、がんの進行とともにPSA値も上昇するため、病期までも予測できるなどの利点がある。
しかしながら、血中PSA値は前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇することがしばしばあり、また前立腺がんの初期段階ではPSA値は正常である場合もあるため、偽陰性の診断を生じるという問題がある。したがって、前立腺がんの確定診断のためには、さらに、穿刺吸引生検法や経直腸または経会陰的針生検にて前立腺の組織を採取し、顕微鏡で検査する組織診断をしなければならない。
一方、がんにおいて発現が亢進しているタンパク質のどれが抗原性でありまたは体液中で濃度増加することがあるかについて予測できる知見はほとんどない。前立腺がんの細胞または組織において発現が亢進している遺伝子およびタンパク質は極めて多数存在するが、これらの極多数の増幅遺伝子またはタンパク質の全てが前立腺がんの診断マーカーとして利用可能であるわけではない。例えば、現在、Invitrogen社から前立腺がんで発現している多数のcDNAが販売されているが、これらの遺伝子の前立腺がん患者における動態は全く未知である。なお、PCA−1(prostate cancer antigen−1)が前立腺がん細胞または組織において発現が亢進している遺伝子として同定されたという報告がある(第123回日本薬学会年会要旨集4、p15、2003年)。
現状では、前立腺がんの診断は、患者および医師にとって負担が大きく、労力と時間がかかるものである。そこで、前立腺がんの診断をより簡易、迅速、かつ患者および医師の負担を少なくするための新たな方法が求められている。特に、体液(例えば、血液、尿)試料を用いて迅速、確実な診断を可能にするための、あらたな前立腺がんマーカーの開発が望まれている。
上記のような従来の課題を解決するために、本発明は、以下のような、被験者の体液試料中のPCA−1、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、または抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出する方法および検出用キット、ならびに診断剤を提供する。
(1)被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法。
(2)前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、(1)に記載の方法。
(3)前記体液試料が、尿である、(1)に記載の方法。
(4)質量分析装置を用いて、PCA−1を検出および/または定量する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)抗PCA−1抗体を用いて、PCA−1を検出および/または定量する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6)前記体液試料と抗PCA−1抗体とを接触させる工程、および
前記体液試料中のPCA−1と前記抗PCA−1抗体との結合を検出および/または定量する工程
を包含する、(5)に記載の方法。
(7)前記検出および/または定量する工程が、標識された抗PCA−1抗体を用いて、PCA−1と抗PCA−1抗体との結合を検出および/または定量することを包含する、(6)に記載の方法。
(8)ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従う、(5)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前立腺がんの診断に用いるための、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)抗PCA−1抗体を含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤。
(11)PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤。
(12)前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、(10)または(11)に記載の診断剤。
(13)前記体液試料が、尿である、(10)または(11)に記載の診断剤。
(14)抗PCA−1抗体を含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット。
(15)標識された抗PCA−1抗体をさらに含有する、(14)に記載のキット。
(16)ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従って前記検出および/または定量を行うための、(14)または(15)に記載のキット。
(17)PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット。
(18)前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、(14)〜(17)のいずれかに記載のキット。
(19)前記体液試料が、尿である、(14)〜(17)のいずれかに記載のキット。
(20)前立腺がんの診断に用いるための、(14)〜(19)のいずれかに記載のキット。
(21)被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法。
(22)前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、(21)に記載の方法。
(23)前記体液試料が、尿である、(21)に記載の方法。
(24)PCA−1抗原を用いて、前記抗PCA−1自己抗体を検出および/または定量する、(21)〜(23)のいずれかに記載の方法。
(25)前記体液試料とPCA−1抗原とを接触させる工程、および
前記体液試料中の抗PCA−1自己抗体とPCA−1抗原との結合を検出および/または定量する工程
を包含する、(24)に記載の方法。
(26)前記検出および/または定量する工程が、抗PCA−1自己抗体に対する標識された抗体を用いて、PCA−1と抗PCA−1自己抗体との結合を検出および/または定量することを包含する、(25)に記載の方法。
(27)ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従う、(21)〜(26)のいずれかに記載の方法。
(28)前立腺がんの診断に用いるための、(21)〜(27)のいずれかに記載の方法。
(29)PCA−1抗原を含有する、被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット。
(30)抗PCA−1自己抗体に対する標識された抗体をさらに含み、当該抗体を、前記PCA−1抗原と前記抗PCA−1自己抗体との結合を検出および/または定量するために利用する、(29)に記載のキット。
(31)ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従って前記検出および/または定量を行うための、(29)または(30)に記載のキット。
(32)前立腺がんの診断に用いるための、(29)〜(31)のいずれかに記載のキット。
(33)PCA−1抗原を含有する、被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤。
本発明により、PCA−1を被験者の体液(例えば、血液、尿)試料中の前立腺がんマーカーとして利用する方法が初めて提供される。本発明は、単独の検査によって前立腺がんの診断が可能な正確な前立腺がん診断方法を提供し得る。また、必要に応じて既存の前立腺がんの診断方法と組み合わせることにより、より確実な前立腺がんの診断を可能にする。本発明は、体液試料を用いて非浸襲的または浸襲性の程度の低い測定形態を採り得るため、患者および医者の両方にとって負担が少なく、迅速かつ簡易な前立腺がんの診断方法を提供し得る。本発明は、前立腺がんの診断のみならず、予後評価、がんの疾病素質を有する被験者の同定、およびがんの治療を受けている患者の観察のために有用である。
図1は、LC−MS質量分析装置によりモニタリングした前立腺がんを有する被験者由来の血液試料の溶出プロファイルを示す図である。
図2は、(A),(B)PCA−1のin silicoトリプシン分解ペプチド断片及び当該ペプチドから生じ得る開裂ペプチドの質量を有する分子をLC−MS質量分析装置で選択的にモニタリングした場合、ならびに(C),(D)比較のために、PSAのin silicoトリプシン分解ペプチド断片及び当該ペプチドから生じ得る開裂ペプチドの質量を有する分子をLC−MS質量分析装置で選択的にモニタリングした場合の、溶出プロファイルを示す図である。
図3は、図2(A)で保持時間68分付近に観察されたPCA−1ピークに対するMSMS解析によって決定されたアミノ酸配列を示す図である。
図4は、図2(B)で保持時間62分付近に観察されたPCA−1ピークに対するMSMS解析によって決定されたアミノ酸配列を示す図である。
図5は、比較のために、図2(C)及び(D)で保持時間64分付近に観察されたPSAピークに対するMSMS解析によって決定されたアミノ酸配列を示す図である。
図6は、図2に示す実験の比較例として、前処理およびトリプシン処理を施した健常者由来の血液試料について、図2に示す実験と同様の設定で特定の質量を有する分子のモニタリングを行った場合の溶出プロファイルを示す図である。
図7は、前立腺がん患者由来の尿試料中のPCA−1の存在を示すウェスタンブロット分析の結果を示す写真である。
本発明者らは、血液中の標的ポリペプチドの存在とその量を迅速に解析するための手法として、質量分析装置を用いた新たな解析手法を開発し、これを用いて血液試料中のPCA−1の検出を試みた。その結果、前立腺がん患者由来の血液試料中にPCA−1が存在すること、および健常者由来の血液試料中ではPCA−1が実質的に検出されないことを確認した。本発明は、このような新たな知見に基づくものであり、PCA−1が血液のような体液試料中の前立腺がんマーカーとして使用し得ることを初めて実証するものである。
さらに本発明者らは、前立腺がん患者の尿試料中においてもPCA−1が検出され得ること、および健常者由来の尿試料中ではPCA−1がわずかに検出されるのみかまたは実質的に検出されないことを確認した。このように、本発明はまた、PCA−1が尿のような体液試料中においても前立腺がんマーカーとして使用し得ることを初めて実証するものである。
したがって、本発明は、1つの態様において、被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法を提供する。本発明の方法は、前立腺がんの診断または予後評価等に適用し得る。
本発明はまた、別の態様において、被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法を提供する。すなわち、本発明は、前立腺がんの診断または予後評価等に適用するための抗PCA−1自己抗体の体液中発現を検出および/または定量する方法を提供する。
(体液中のPCA−1または抗PCA−1自己抗体の検出および/または定量)
被験者から採取された血液または尿のような体液試料中のPCA−1タンパク質の検出には、多くの方法があり、そのいずれかを用いて検出を行うことが可能である。上記のような質量分析装置を用いた検出法のほかに、例えば、PCA−1タンパク質がPCA−1タンパク質に特異的に結合する抗体(抗PCA−1抗体)によって検出される免疫測定法が使用され得る。本発明に有用な抗体は、PCA−1タンパク質またはその断片の存在を定量的にまたは定性的に検出するために使用され得る。したがって、1つの態様において、本発明は、抗PCA−1抗体を用いて、被験者由来の体液試料中の前立腺がんマーカーを検出する方法を提供する。
また、被験者から採取された血液または尿のような体液試料中のPCA−1ポリヌクレオチドの検出には、多くの方法があり、そのいずれかを用いて検出を行うことが可能である。検出可能なポリヌクレオチドには、例えば、PCA−1遺伝子またはその断片、PCA−1 mRNA、選択的スプライス変異型のPCA−1 mRNA、およびPCA−1ポリヌクレオチドを含む組換えDNAまたはRNA分子が含まれる。
PCA−1ポリヌクレオチドの増幅および/またはその存在の検出を行うための数多くの方法が当該分野で周知であり、本発明のこの局面の実施において使用し得る。例えば、1つの態様において、体液試料中のPCA−1 mRNAを検出するための方法は、少なくとも1つのプライマーを使用する逆転写によって試料からcDNAを作製する工程、そのようにして作製したcDNAをその中のPCA−1 cDNAを増幅するためにPCA−1ポリヌクレオチドをセンスおよびアンチセンスプライマーとして用いて増幅する工程、ならびに増幅されたPCA−1 cDNAの存在を検出する工程を包含する。さらに、別の態様において、体液試料中のPCA−1遺伝子を検出するための方法は、体液試料からゲノムDNAをまず単離する工程、単離されたゲノムDNAをその中のPCA−1遺伝子を増幅するためにPCA−1ポリヌクレオチドをセンスおよびアンチセンスプライマーとして使用して増幅する工程、ならびに増幅されたPCA−1遺伝子の存在を検出する工程を含む。
本明細書中、「PCA−1」または「PCA−1タンパク質」とは、その遺伝子がGenBank Accession No.AB042029で特定されるヒトPCA−1タンパク質のことをいい、PCA−1タンパク質のアミノ酸配列は、公にアクセス可能なタンパク質データベースのAccession No.NP_631917(配列番号:2)で特定される。また、本明細書中、体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして使用する態様で「PCA−1」という場合には、PCA−1の全長タンパク質に限らず、体液試料中のプロテアーゼによるPCA−1の分解産物もしくはPCA−1の断片、またはこれらの誘導体をも含むものとする。ここで、「誘導体」とは、PCA−1タンパク質またはその断片のアミノ酸配列において1または数個(例えば、6個)のアミノ酸残基の変異、置換、欠失および/または付加を含み、実質的にPCA−1タンパク質と同じ抗原特異性を有するペプチドまたはポリペプチドを含むものとする。誘導体の典型的な例には、PCA−1多型、スプライシングなどによる配列変化がある。
本明細書中、体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして使用する態様で使用する「抗PCA−1抗体」には、PCA−1、ならびにプロテアーゼによるPCA−1の分解産物もしくはPCA−1の断片、またはこれらの誘導体に特異的に結合する抗体が含まれるものとする。これらのプロテアーゼ分解産物または断片の長さとしては、抗PCA−1抗体に特異的な抗原として認識され得る長さであれば制限はないが、好ましくは6アミノ酸以上、より好ましくは8アミノ酸以上、さらに好ましくは10アミノ酸以上である(例えば、アミノ酸配列:RRAPEPRVIDREG(配列番号34)またはその部分配列を含む断片)。また、これらの分解産物または断片は、PCA−1タンパク質の任意の部分であり得るが、PCA−1タンパク質のエピトープに対応するか、エピトープに対応する部分を含んでいることがより好ましい。また、「誘導体」とは、PCA−1タンパク質またはそのプロテアーゼ分解産物もしくは断片のアミノ酸配列において、1または数個(例えば、6個)のアミノ酸残基の変異、置換、欠失および/または付加を含み、実質的にPCA−1タンパク質と同じ抗原特異性を有するペプチドまたはポリペプチドを含むものとする。
本明細書中、体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして使用する態様で使用する「PCA−1」、「PCA−1タンパク質」または「PCA−1抗原」には、PCA−1タンパク質のみならず、PCA−1タンパク質のエピトープを含むかまたはエピトープとして抗PCA−1抗体に認識され得る断片、およびこれらの誘導体をも含むものとする。ここで、断片の長さとしては、抗PCA−1抗体に特異的な抗原として認識され得る長さであれば制限はないが、好ましくは6アミノ酸以上、より好ましくは8アミノ酸以上、さらに好ましくは10アミノ酸以上である。また、これらの分解産物または断片は、PCA−1タンパク質の任意の部分であり得るが、PCA−1タンパク質のエピトープに対応するか、エピトープに対応する部分を含んでいることがより好ましい。また、「誘導体」とは、PCA−1タンパク質またはその断片のアミノ酸配列において1または数個(例えば、6個)のアミノ酸残基の変異、置換、欠失および/または付加を含み、実質的にPCA−1タンパク質と同じ抗原特異性を有するペプチドまたはポリペプチドを含むものとする。
本明細書中、抗体があるタンパク質または分解産物または断片に「特異的に結合する」とは、その抗体が他のアミノ酸配列に対するその親和性よりも、これらのタンパク質または分解産物または断片の特定のアミノ酸配列に対して実質的に高い親和性で結合することを意味する。ここで、「実質的に高い親和性」とは、所望の測定装置によって、その特定のアミノ酸配列を他のアミノ酸配列から区別して検出することが可能なほどに高い親和性を意味する。
本明細書中、「前立腺がんマーカー」とは、被験者の体液(例えば、血液、尿、リンパ液、唾液、汗、精液等)または細胞もしくは組織中における、正常前立腺組織に由来していないか、あるいは前立腺がん細胞または組織において選択的に発現の亢進している分子のことをいい、被験者の体液または細胞もしくは組織中における当該分子の存在が前立腺がんの存在を示すかまたは示唆するものをいう。
本明細書中、「体液試料」には、被験者由来の血液、尿、リンパ液、唾液、汗、精液等の体液試料が含まれるものとする。本発明において使用される体液試料の好ましい例は、血液または尿であり、特に好ましくは血液試料である。
本明細書中、「血液試料」とは、被験者から得られた血液試料を指すが、全血に限定されず、血清、血漿等の血液成分分画、もしくはさらにアルブミン、イムノグロブリン等を除いた血液成分分画または血液製剤等をも含むものとする。
本明細書中、「前立腺がん」とは、前立腺において発生したがんを広く包含する概念であり、前立腺に発生した腺がんのみならず、扁平上皮がん、移行上皮がん、神経内分泌がん、未分化がん等をも包含する。好ましくは、前立腺がんは、前立腺に発生した腺がんである。
本明細書中、「被験者」とは、広く本発明の方法を用いた検査の対象となる体液試料を採取されるヒトをさすが、主として、男性ヒトであり、より具体的には、健康診断等の被験男性ヒト、あるいは前立腺がんの自覚症状(例えば、残尿感)、触診検査(前立腺のしこり等)、血清中等のPSA濃度検査(高値のPSA濃度等)等により、前立腺がんを発症していることが疑われる男性ヒトなどが含まれる。
(抗体)
本発明において使用する抗PCA−1抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。さらに、「抗体」とは一般に、任意の抗体断片または誘導体、特に、実質的に同じ抗原特異性を示す前記モノクローナルまたはポリクローナル抗体の断片または誘導体を含む。後者は、抗体断片(Fab、Fab’、CDRなど)、ヒト化抗体、多機能抗体、単鎖抗体(ScFv)などを含む。本発明に使用する抗体は、動物を免疫化し、血清(ポリクローナル)または脾臓細胞を回収すること(適切な細胞系との融合によるハイブリドーマの作製のため)を含む、従来の方法により作製することができる。
抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMであり、精製の容易性等を考慮すると、より好ましくはIgGである。
マウス、げっ歯類、霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、家禽などを含む種々の種に由来するポリクローナル抗体の作製法は、例えばVaitukaitisら(Vaitukaitis、Robbinsら、J Clin Endocrinol Metab. 33(6):988−91,1971)に見いだすことができる。抗原をアジュバント(例えばフロイントのアジュバント)と合わせ、動物に、典型的には皮下注射により投与する。繰り返し注射してもよい。血液試料を回収し、免疫グロブリンまたは血清を単離する。
異なる種からモノクローナル抗体を作製する方法は、例えばHarlowら(Harlow and Lane (ed.), Antibodies: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y p. 139−282. 1988)またはKohlerら(KohlerおよびMilstein Nature. 256(5517):495−7,1975)に見いだすことができる。この方法は、動物を抗原で免疫化し、その後、脾臓細胞を回収し、これをその後、骨髄腫細胞などの不死化細胞と融合することを含む。得られたハイブリドーマはモノクローナル抗体を生じ、限界希釈により選択して個々のクローンを単離することができる。抗体はまた、例えばWardら(Ward、Gussowら Nature. 341(6242):544−6,1989)に開示されているようなコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリーの選択により作製することができる。
FabまたはFab’断片は、従来の方法によるプロテアーゼ(例えば、ペプシンまたはパパイン)を用いた消化により作製することができる。ヒト化抗体は、例えばRiechmannら(Riechmann J Mol Biol. Oct 5;203(3):825−8,1988)、およびJonesら(Jonesら Nature 321:522−525,1986)に記載のような方法の1つにより調製することができる。
また、キメラ抗体は、例えば、「実験医学(臨時増刊号)、Vol.1.6,No.10,1988」、特公平3−73280号公報等を、ヒト化抗体は、例えば、「Nature Genetics,Vol.15,p.146−156,1997」、「Nature Genetics,Vol.7,p.13−21,1994」、特表平4−504365号公報、国際出願公開WO94・25585号公報等、「日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、1995年」、「Nature,Vol.368,p.856−859,1994」、特表平6−500233号公報等を参考にそれぞれ製造することができる。
(免疫アッセイ)
1.PCA−1検出のためのアッセイ
本発明の実施に有用な免疫測定法の1つの態様では、被験者由来の体液試料と抗PCA−1抗体とを接触させ、次いで、体液試料中のPCA−1と抗PCA−1抗体との免疫複合体が検出される。
本発明の上記態様の免疫アッセイには、ウエスタンブロット法のような手法を用いた測定システムに限らず、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、プロテインA免疫検定法等が使用され得る。このような手法では、通常、抗PCA−1抗体は標識されており、標識の種類としては、例えば、蛍光基、発光基、フリーラジカル基、粒子、バクテリオファージ、細胞、金属、酵素、補酵素、ラジオアイソトープなどが挙げられる。
さらに、例えば、PCA−1タンパク質に特異的に結合するポリペプチドのような抗体以外の薬剤がPCA−1タンパク質発現のレベルを測定するために使用され得る。
PCA−1の発現を検出するための免疫測定は、代表的には、前立腺がんを有すると疑われるか、前立腺がんの危険性を有する被験体から採取した体液試料を、特異的抗原−抗体結合を生じさせる条件下で抗PCA−1抗体と接触させ、次いで、抗体による免疫特異的結合量を測定することを包含する。特定の態様において、例えば、このような抗体の結合を使用して、PCA−1タンパク質の存在および/または増大した発現が検出される。この場合、増大したPCA−1タンパク質発現の検出が疾病状態の指標となる。必要に応じて、体液試料中のPCA−1タンパク質のレベルを、前立腺がんを有しない健常者のレベルと比較してもよい。
上記免疫測定法の1つの態様では、血清試料などの体液試料を、試料中に存在する全部のタンパク質を固定する目的で、ニトロセルロースなどの固相支持体または担体と接触させる。次いで、この支持体を緩衝液で洗浄し、続いて検出可能に標識した抗PCA−1抗体により処理する。次いで、この固相支持体を緩衝液で2回洗浄し、未結合抗体を除去する。固相支持体上の結合した抗体の量を、周知の方法に従って測定する。各測定に適する検出条件は、慣用的な試験方法を使用して当業者により適宜決定され得る。
抗PCA−1抗体を検出可能に標識する方法の1つにおいて、当該抗体を、酵素、例えば、酵素イムノアッセイ(EIA)に使用されるもののような酵素に結合させる[Voiler,A.による「酵素標識した免疫吸着アッセイ」(“The Enzyme Linked Immunosorbent Assay)(ELISA),1978,Diagnostic Horizons,2:1〜7,Microbiological Associates Quarterly Publication,Walkersville.MD; Voiler,A.によるJ.Clin.Pathol.,31:507〜520,1978:Butier,J.E.によるMeth.Enzymol.,73:482〜523,1981]。抗体に結合する酵素を、例えば分光光度測定により、可視手段による蛍光測定により検出することができる化学分子が生成されるような方法で、適当な基質、好ましくは色素原性基質と反応させる。抗体に検出可能な標識を付けるために使用することができる酵素は、ペルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼを包含するが、これらに限定されない。この検出はまた、酵素に対する色素原性基質を用いる比色法により達成することができる。
抗PCA−1抗体の検出はまた、その他の種々の方法を用いて行うことができる。一例として、抗体または抗体断片を放射性物質で標識することによって、放射線イムノアッセイ(RIA)の使用によりPCA−1タンパク質発現を検出することができる[例えば、Weintrsub,B.による放射線免疫検定の原理、ラジオリガンド検定技術に関する第7回トレーニング コース(Principles of Radioimmunoassays,Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques),The Endocrine Society,1986年3月参照]。放射性同位元素は、ガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターのような手段の使用により、もしくはオートラジオグラフイにより検出することができる。
抗体はまた、蛍光化合物により標識することができる。最も慣用の蛍光標識化合物の中には、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエワトリンおよびフルオレスカミンがある。同様に、生体発光性化合物を用いて、抗体PCA−1抗体を標識することもできる。生体発光性タンパク質の存在は、蛍光の存在を検出することによって測定される。この標識目的に重要な生体発光性化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびイエクオリンである。
本発明の特定の態様において、体液試料中のPCA−1タンパク質の発現水準は、二次元電気泳動法により分析することができる。二次元ゲル電気泳動法は、当業者に公知である。血清試料などの体液試料を、第一段階で電荷に基づいてタンパク質を分離する等電点焦点化分離用電気泳動用ゲル上に装填する。不動化した勾配に基づく分離用のゲルストリップまたは担体両性電解質に基づく分離用の管状ゲルを包含する多数の第一段階ゲル標本を使用することができる。第一次分離後、タンパク質を第二段階ゲル上に移し、次いで平衡化し、次いでタンパク質をその分子量に基づいて分離するSDS−PAGEを用いて分離する。異なる被験者から採取した血清試料を比較する場合、複数のゲルを各血清試料から調製する。
分離後、この第二段階ゲルからウエスタンブロティッング法に慣用の膜上にタンパク質を移す。ウエスタンブロティッング法および引き続くタンパク質の可視化はまた、当業者に周知である[Sambrookらによる「分子クローニング。実験指針」(Molecular Cloning.A laboratory manual),第2版、第3巻、1989,Cold Spring Harbor]。標準的方法を用いることができ、またはこの方法を特定の種類のタンパク質、例えば高度に塩基性または酸性、もしくは脂質可溶性などの種類のタンパク質の同定にかかわり当該技術で知られているように修正することもできる[例えば、Ausubelらによる「分子生物学における現在の方法」(Current Protocols in Molecular Biology),Green Publishing Associates and Wiley Interscience,N.Y.参照]。PCA−1タンパク質に結合する抗体を、ウエスタンブロッティング分析法におけるようなインキュベーション工程に用いる。第一の抗体に対して特異性の第二の抗体をウエスタンブロッティング分析法で使用し、第一抗体と反応するタンパク質を可視化する。
2.抗PCA−1自己抗体検出のためのアッセイ
本発明は、別の態様において、被験者の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法を提供する。この本発明の方法は、前立腺がんの診断に使用することができる。さらに抗PCA−1自己抗体レベルのモニタリングにより、前立腺がんの進行を予知することができる。
被験者からの体液試料中の抗PCA−1自己抗体の検出は、任意の多くの方法で行うことができるが、代表的な方法には、免疫アッセイがあり、例えば、ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ、ELISA、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、プロテインA免疫検定法等が挙げられる。
このようなイムノアッセイは、様々な方法で実施することができる。例えば、このようなアッセイを実施するための1つの方法は、PCA−1タンパク質の固相支持体上への繋留、およびそれに対して特異的な抗PCA−1抗体の検出を包含する。本発明のアッセイに用いられるPCA−1タンパク質は、当該分野において周知の組換えDNA技術によって調製し得る。例えば、PCA−1タンパク質をコードするDNAを適当な発現ベクター中に遺伝子組換え技術により導入して、PCA−1タンパク質を大規模に発現することができる。好ましくは、PCA−1の標識、固定化または検出を容易にすることができる融合タンパク質が遺伝子操作される(例えば、Sambrookら、1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載された技術を参照)。別法として、PCA−1タンパク質は天然の供給源から精製することができる。たとえば、当該分野において周知のタンパク質分離技術を用いて前立腺がん細胞から精製する。このような精製技術には、分子シーブクロマトグラフィーおよび/またはイオン交換クロマトグラフィーが包含されるが、これらに限定されない。実際にはPCA−1タンパク質の固体支持体としては、マイクロタイタープレートが好都合に使用される。
上記本発明のPCA−1検出のためのアッセイまたは抗PCA−1自己抗体検出のためのアッセイは、単独で、前立腺がんの診断および/または予後評価等に使用し得る新たな方法であり得るが、本発明はそのような形態に限定されず、例えば、他の前立腺がんの診断方法と組み合わせて用いることで、診断の精度をさらに向上させることもできる。そのような他の前立腺がんの診断方法としては、触診検査、PSA検査、前立腺がん生検試料を用いた病理検査(病理学的Tステージ)、グレーソン癌スコア、超音波検査、MRI、CT、骨シンチ等が挙げられる。
(診断剤)
本発明はまた、1つの態様において、抗PCA−1抗体を含有する、被験者の体液試料中のPCA−1タンパク質またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤を提供する。
さらに本発明は、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する、被験者の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤を提供する。
本発明はさらに別の態様において、PCA−1またはその断片を含有する、被験者の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤を提供する。
本発明の診断剤は、被験者の体液試料(例えば、血液、尿)中の例えば、PCA−1タンパク質、PCA−1遺伝子、または抗PCA−1自己抗体を検出するための成分を含有する。
(1)抗PCA−1抗体を用いる診断剤
例えば、被験者の体液試料中のPCA−1タンパク質またはその断片がELISAで検出および/または定量される場合、このような成分は、例えば、血液や尿のような体液試料中のPCA−1のレベルを検出および/または定量するために使用され得るPCA−1タンパク質のエピトープに向けられた抗体から構成される。抗体はそれ自体で検出可能なように放射能、蛍光、比色、または酵素標識で標識されていてもよい。
(2)核酸(またはヌクレオチド)プローブまたはプライマーを用いる診断剤
例えば、被検者の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片がプローブとのハイブリダイゼーションによって検出および/または定量される場合、このような成分は、例えば、PCA−1遺伝子の塩基配列に基づいて設計されるプローブ又はプライマーから構成される。このようなプローブまたはプライマーは、配列番号1に示されるPCA−1遺伝子のヌクレオチド配列から、任意の数の適した(センスまたはアンチセンスの)プローブまたはプライマーを設計して得ることができる。このような診断剤を用いる診断は、具体的には、例えば、(a)被験者由来の体液試料と、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチド(プローブ)とを接触させる工程、および(b)前記試料中での前記ポリヌクレオチドと、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片とのハイブリダイゼーションを検出および/または定量する工程を包含する方法を実施することによって行われる。
本発明の診断剤を用いる診断方法では、被験者由来の生体試料中のPCA−1遺伝子のDNA(もしくはその断片)またはmRNA(もしくはその断片)等を、上記プローブを使用して検出および/または定量する。プローブとして用いる塩基配列の長さは、例えば、12塩基以上、15塩基以上、18塩基以上、21塩基以上、24塩基以上、27塩基以上、30塩基以上、またはさらに長い長さのポリヌクレオチド断片であり得る。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning Third Edition,J.Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Lab. Press.2001)に記載の方法などに従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができる。ここで、「ストリンジェントな条件」は、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。これらの条件において、温度を上げるほど高い相同性を有するDNAが効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、イオン強度、時間、塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、本明細書中、「PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列」には、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列に相補的な塩基配列(アンチセンスDNA)も含まれるものとする。プローブおよび核酸のハイブリダイゼーションの方法は当業者に知られており、例えば国際公開公報第89/06698号、EP−A0200362、米国特許第2,915,082号、EP−A0063879、EP−A0173251、EP−A0128018に記載されている。
上記本発明の診断剤および診断方法を用いるに際しては、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片に対する特異的プローブまたはプライマーを用いて、公知の手法を用いて標的配列を検出または定量することができる。そのような公知の手法として、例えば、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、RT−PCR法、PCR−SSCP法(Genomics,第5巻,874〜879頁(1989年))、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,第86巻,2766〜2770頁(1989年))、FISH法、DNAチップあるいはアレイCGH法などを用いることができる。定量的な検出は、定量RT−PCRによって実施可能である。
(3)PCA−1抗原を用いる診断剤
例えば、自己抗体がELISAによって検出および/または定量される場合、このような成分は、固相支持体に結合された少なくとも1種、好ましい複数種の異なるPCA−1抗原またはそれらのエピトープの形態における標的抗原、および標的抗原に結合する抗PCA−1自己抗体を検出するための手段から構成される。このような検出手段は、例えば、抗PCA−1自己抗体の定常部領域に向けられた抗体(例えば、ウサギ抗ヒトIgG抗体)であり、それ自体で検出可能なように標識されている(例えば、放射能、蛍光、比色、または酵素標識)か、または標識された二次抗体(例えば、ヤギ抗−ウサギ抗体)によって検出される。この診断剤は、上述の免疫学的手法により、前立腺がんマーカーを検出するために用いられる。
(キット)
本発明はまた、1つの態様において、抗PCA−1抗体を含有する、被験者の体液試料中のPCA−1タンパク質またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキットを提供する。このキットは、上述の免疫学的手法により、前立腺がんマーカーを検出するために用いられる。
さらに、本発明は別の態様において、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列を含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキットをも提供する。このキットは、上述のハイブリダイゼーション法により、前立腺がんマーカーを検出するために用いられる。
さらに、本発明はさらに別の態様において、PCA−1またはその断片を含有する、被験者の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキットを提供する。このキットは、上述の免疫学的手法により、前立腺がんマーカーを検出するために用いられる。
上記第一の態様のキットは、被験者からの体液試料中のPCA−1抗原を検出および/または定量する成分を含有する。例えば、PCA−1タンパク質がELISAで検出および/または定量される場合、このような成分は、例えば、血液や尿のような体液試料中のPCA−1のレベルを検出および/または定量するために使用され得るPCA−1タンパク質のエピトープに向けられた抗体から構成される。抗体はそれ自体で検出可能なように放射能、蛍光、比色、または酵素標識で標識されていてもよい。別法として、キットは、標識された二次抗体を含有していてもよい。
上記第二の態様のキットは、被験者からの体液試料中のPCA−1遺伝子もしくはその断片、または該遺伝子の転写産物(mRNA)もしくはその断片等を検出および/または定量する成分を含有する。このような成分は、例えば、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドから構成される。例えば、本発明のキットは、DNAチップ上に固定された上記ポリヌクレオチドを含有し得る。
上記第三の態様のキットは、被験者からの体液試料中の抗PCA−1自己抗体を検出および/または定量するために必要な成分を含有する。例えば、自己抗体がELISAによって検出および/または定量される場合、このような成分は、固相支持体に結合された少なくとも1種、好ましい複数種の異なるPCA−1抗原またはそれらのエピトープの形態における標的抗原、および標的抗原に結合する抗PCA−1自己抗体を検出するための手段から構成される。このような検出手段は、例えば、抗PCA−1自己抗体の定常部領域に向けられた抗体(例えば、ウサギ抗ヒトIgG抗体)であり、それ自体で検出可能なように標識されている(例えば、放射能、蛍光、比色、または酵素標識)か、または標識された二次抗体(例えば、ヤギ抗−ウサギ抗体)によって検出される。
本発明のキットは、抗PCA−1抗体、PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチド、PCA−1抗原または抗PCA−1自己抗体に対する抗体等の他に、容器およびラベル等を含んでいてもよい。容器上のまたは容器に伴うラベルには、薬剤が前立腺がんマーカーの検出に使用されることが示されていてもよい。また、他のアイテム、例えば、使用説明書、標識二次抗体等がさらに含まれていてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されない。
(実施例1)
(質量分析装置を用いた血中PCA−1の検出)
1.試料の前処理
(血球成分、アルブミン、IgG等の除去)
前立腺がんの罹患者由来の血清は、採血直後の血液を室温で40分間静置させた後、遠心分離によって血球成分を除去し調製した。検体サンプル(血清)12.5μlを、予め100mM 炭酸水素アンモニウムで平衡化したBlue Sepharose 6 Fast Flow樹脂(Amersham Biosciences社)50μlに加えて、穏やかに混合して静置した。5分後、1.5mlのマイクロチューブにセットしたミニカラム(Wizard Minicolumns,Promega社)にBlue Sepharose 6 Fast Flow樹脂と一緒に移し、遠心分離によってアルブミンを分離除去した。
次に、1.5mlマイクロチューブに回収された分画を、予め100mM 炭酸水素アンモニウムで平衡化したProtein G Sepharose 4 Fast Flow樹脂(Amersham Biosciences社)50μlに加えて、穏やかに混合して静置し、上記と同様の遠心分離を行って、IgGを分離除去した。
最終的に、これらの操作から得られた分画の液量は65μl程度になった。
(トリプシン処理)
上記の処理から得られた分画から25μlを取り、25μlの100mM炭酸水素アンモニウムと混合し、0.5μgのトリプシンを加えて、37℃で一晩保温をした。直ちに測定を行わない場合は、これを−80℃で保存した。
2.血中PCA−1の検出
本実施例においては、HPLCで分離した試料中の成分をイオン化してその質量を計測するHPLCと結合した質量分析装置を用いた。具体的には、イオン源としてnanoESIイオン源およびガラスキャピラリーとしてPicoTip needle(本体内径20μm、先端内径10μm)(LC Packings社)を装備したイオントラップ型の液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)であるHCTplus(ブルーカー・ダルトニクス社)を、キャピラリー電圧1.2kV〜1.5kVで使用した。プレカラムとして、0.1%蟻酸を含有する2%アセトニトリルで平衡化させた0.3×10mmカラムを、流速30μL/分で使用した。本カラムとして、0.075×150mmのカラムを200nL/分の流速で使用した。試料の溶出液として、溶出液A(0.1%蟻酸を含有する2%アセトニトリル)および溶出液B(0.1%蟻酸を含有する80%アセトニトリル)を、以下のような勾配に従って使用した:0/0−5/0−90/50−95/100−100/100−100.1/0−120/0(分/B%)。
上記質量分析装置のLCカラムの試料ホルダに、上記のようにトリプシン処理した試料をセットして、測定を開始した。
(結果)
図1は、上記LC−MS質量分析装置によりモニタリングした前立腺がんを有する被験者由来の血液サンプルの溶出プロファイルを示す。グラフの縦軸はイオン強度、そして横軸は保持時間に対応する。図示されるように、血液サンプル中にはトリプシン分解ペプチド断片のピークが多数存在している。当該前立腺がん患者の血液試料中にPCA−1が存在しているとすれば、これらのピークのいずれかはPCA−1由来のトリプシン分解ペプチド断片であるはずである。
本発明者らは、これらのピークの中にPCA−1に由来するペプチド断片のピークが存在しているか否かを確認するために、PCA−1に特有のトリプシン分解ペプチド断片の質量をそのアミノ酸配列に基づいて算出し、その特定の質量を有するペプチド断片を選択的にモニタリングすることを試みた。
表1は、in silicoでの算出により得られたPCA−1のトリプシン分解ペプチド断片(ペプチド質量600以上)、ならびに予想される質量、予想される2価のイオン質量電荷比(m/z)、および各ペプチド断片のPCA−1アミノ酸配列中での位置を示す。
上記質量分析装置では、HPLCから溶出されるペプチドの質量のみならず、そのペプチドをイオン化する際に当該ペプチドに過剰なエネルギーを与えることによってそのペプチドが開裂して生じる様々な長さの断片化ペプチド(開裂ペプチド)の質量も測定することができる。そして、これらの開裂ペプチドの質量の差を解析することによって、ペプチドを構成するアミノ酸配列を決定することができる。
一方、この原理を利用すれば、多数の異なる質量を有するペプチドの混合物の中から、アミノ酸配列の分かっている特定のペプチドを、そのアミノ酸配列の質量および当該ペプチドから生じ得る開裂ペプチドの質量とを用いて検出することができるはずである。すなわち、PCA−1のトリプシン分解ペプチド断片のアミノ酸配列から予測される質量と、当該ペプチドから予測される開裂ペプチドの質量とを用いて、前立腺がん患者からの血液サンプル中にPCA−1に特有の配列を有する分子が存在するか否かを確認することができる。
そこで、表1に示されるPCA−1ペプチド断片の中から、PCA−1のアミノ酸位置75−89位のペプチド断片:EGVYEISLSPTGVSR(配列番号:10)およびアミノ酸位置10−19位のペプチド断片:VQGAWAAPVK(配列番号:16)を任意に選び、これらの分子のアミノ酸配列から導かれる質量(それぞれ、1592.805および1025.566)からさらに予想される開裂ペプチドの質量を有する分子を選択的にモニタリングした。図2AおよびBはその溶出プロファイルを示す。
図2Aに示されるように、配列番号10の質量から予測される2価時の質量電荷比797.4m/zおよび当該ペプチドから生じ得る開裂ペプチドの1価時の質量電荷比703m/zを選択的に捕捉するように測定条件を設定すると、保持時間68分付近に単一の強いピーク(図中、矢印を付した)を観察した。これは、PCA−1に特有の配列を有するペプチドが被検サンプル中に存在することを強く示唆する。また、図2Bに示されるように、配列番号16の質量から予測される2価時の質量電荷比513.8m/zおよび当該ペプチドから生じ得る開裂ペプチドの1価時の質量電荷比799m/zを選択的に捕捉するように設定すると、保持時間62分付近に単一の強いピーク(図中、矢印を付した)を観察した。これもまた、PCA−1に特有の配列を有するペプチドが被検サンプル中に存在することを強く示唆する。
なお、比較のために、同じ被験者からのサンプルに対して、PSAに特有のペプチド:HSQPWQVLVASR(表1の配列番号29)の質量から予測される2価時の質量電荷比704.3m/zおよび、当該ペプチドから生じ得る二つの開裂ペプチドの1価時の質量電荷比695m/zおよび1055m/zについて選択的にモニタリングした。その結果、695m/zについては、保持時間52分、59分、および64分付近にそれぞれピークが観察された(図2C)。また、1055m/zについては、保持時間64分付近に単一のピークを観察した(図2D)。これらから64分付近のピーク(図中、矢印を付した)が2価時の質量電荷比704.3m/zを持つPSA特有のペプチド(HSQPWQVLVASR)であることを示し、それが被験者からの血液サンプル中に存在することを強く示唆する。
3.MSMSによるデータ解析
上記の結果は、特定のアミノ酸残基の組み合わせから算出される質量を有する分子が存在することは示すが、特定の配列を有するペプチドが被検試料中に存在することを示すには、上記の結果だけでは不十分である。
そこで、さらに図2Aで観察された単一のピーク(図中、矢印を付した)に対するMSMSのデータ解析を行った。結果を図3に示す。示されるように、y5、y6、y7、y8、y9、y10等に強いシグナルが観察され、また、これらのシグナル間の幅の大きさから質量が推定され、それにより、その質量に相当するアミノ酸残基が決定された。その結果、少なくともC末端側からPSLSIという部分配列を決定することができた。この配列は、配列番号10のペプチド断片の一部と一致しており、これによって、配列番号10のペプチド断片が被検サンプル中に存在したことが確認できた。
なお、上記y5、y6などの開裂イオンの名称は、次の化学式に示す方式に基づいている。
図4は、図2Bで観察された単一のピーク(図中、矢印を付した)に対するMSMSのデータ解析を示す。図4に示されるように、この場合には、適切な配列決定はできなかった。
図5は、比較のために、図2C及びDで観察された保持時間64分付近のピークに対するMSMSデータを示す。図5に示されるように、y3、y4、y5、y6、y7、y8、y9、y10、y11等に強いシグナルが観察され、これらのシグナル間の幅の大きさから、質量が推定されるため、その質量に相当するアミノ酸残基が推定された。その結果、少なくともC末端側からVLVQWPQSという部分配列を決定することができた。これは、配列番号29のペプチド断片の一部と一致しており、これにより、配列番号29のペプチド断片が被検サンプル中に存在したことが確認できた。
図6は、図2に示す実験の比較例として、前処理およびトリプシン処理を施した健常者由来の血液試料について、図2に示す実験と同様の測定条件で特定の質量を有する分子のモニタリングを行った場合の溶出プロファイルを示す。図示されるように、特定の高強度のピークは観察されなかった。これは、健常者の血液試料中に予測されるPCA−1トリプシン分解ペプチド断片およびPSAトリプシン分解ペプチド断片の質量に相当する質量を有する分子が、本発明者らの開発したLC−MS質量分析装置による検出法では検出できないほど微量に存在するかもしくは存在しないことを示す。
このように、本発明者らの開発した、LC−MS質量分析装置による血液試料中の特定配列の検出方法により、PCA−1が前立腺がん患者由来の血液中に存在すること、そして健常者の血液試料中には検出可能には存在しないことが示された。
このことは、PCA−1が血中の前立腺がんマーカーとして、PSAと同様に使用され得ることを示す。さらに、この結果は、PCA−1タンパク質自体が前立腺がん患者中で自己抗原になり得ること強く示唆するものである。それゆえPCA−1に対する自己抗体もまた、血中の前立腺がんマーカーとして使用し得ることも示すことを当業者は理解し得る。
(実施例2)
(ウエスタンブロッティングによる尿中PCA−1の検出)
(手順)
尿検体16μl(健常人2検体、前立腺がん患者2検体)を12% NuPAGE Novex Bis−Tris GelならびにNuPAGE Novex Bis−Tris電気泳動システム(Invitrogen社製)を用いて電気泳動した。泳動後、セミドライブロティング装置(BioRad)を用いてPVDF(polyvinylidene fluoride)膜(BioRad)に蛋白質を転写した。PVDF膜は、3%ウシ血清アルブミン−リン酸緩衝生理食塩水を用いて4℃一昼夜ブロッキングした。TBS−T(20mM Tris−HCl、pH8.0、137mM NaCl、0.1% Tween20)により3回洗浄後、抗PCA−1ポリクローナル抗体(1μg/ml)とともに室温で1時間インキュベートし、TBS−Tで3回洗浄した。抗原抗体結合を検出するために当該膜をTBS−Tで希釈した0.1μg/ml HRP(Horseradish peroxidase)架橋抗ウサギIgG(Santa Cruz Biotech社製)中で室温1時間インキュベートした。TBS−Tにて3回洗浄後、ECLPlus Western Blotting Detection System(Amersham Bioscience社製)を用いて化学発光を惹起し、Light−Capture(ATTO社製)を用いてその化学発光を検出した。
(結果)
図7にその結果を示す。示されるように、前立腺がん患者の尿検体において、抗PCA−1抗体により検出される顕著な単一バンドが認められた。マーカーを用いた解析により、その位置はPCA−1タンパク質の推定分子量に一致した。一方、健常人の尿においては1例で弱いながら前立腺がん患者の尿検体で検出されたバンドと同じ位置にバンドが認められたが、もう1例は検出限界以下であった。
このように、PCA−1は、健常人の尿検体中ではわずかに検出されるのみかまたは実質的に検出されなかったが、前立腺がん患者由来の尿検体では顕著に検出された。この結果は、PCA−1が尿中の前立腺がんマーカーとして使用し得ることを示す。
本発明は、前立腺がんの診断を、正確かつ迅速、簡易に行い得、また患者および医師の両方の負担を軽減し得る前立腺がんマーカーとして有用である。
[配列表]

Claims (32)

  1. 被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法。
  2. 前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記体液試料が、尿である、請求項1に記載の方法。
  4. 質量分析装置を用いて、PCA−1を検出および/または定量する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 抗PCA−1抗体を用いて、PCA−1を検出および/または定量する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記体液試料と抗PCA−1抗体とを接触させる工程、および
    前記体液試料中のPCA−1と前記抗PCA−1抗体との結合を検出および/または定量する工程
    を包含する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記検出および/または定量する工程が、標識された抗PCA−1抗体を用いて、PCA−1と抗PCA−1抗体との結合を検出および/または定量することを包含する、請求項6に記載の方法。
  8. ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従う、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前立腺がんの診断に用いるための、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 抗PCA−1抗体を含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための、前立腺がん診断剤。
  11. PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するための前立腺がん診断剤。
  12. 前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、請求項10または11に記載の診断剤。
  13. 前記体液試料が、尿である、請求項10または11に記載の診断剤。
  14. 抗PCA−1抗体を含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット。
  15. 標識された抗PCA−1抗体をさらに含有する、請求項14に記載のキット
  16. ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従って前記検出および/または定量を行うための、請求項14または15に記載のキット。
  17. PCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片の塩基配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズ可能な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含有する、被験者由来の体液試料中のPCA−1遺伝子、PCA−1 mRNA、またはその断片を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット。
  18. 前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、請求項14〜17のいずれかに記載のキット。
  19. 前記体液試料が、尿である、請求項14〜17のいずれかに記載のキット
  20. 前立腺がんの診断に用いるための、請求項14〜19のいずれかに記載のキット
  21. 被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量する方法。
  22. 前記体液試料が、全血、血清、または血漿である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記体液試料が、尿である、請求項21に記載の方法。
  24. PCA−1抗原を用いて、前記抗PCA−1自己抗体を検出および/または定量する、請求項21〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記体液試料とPCA−1抗原とを接触させる工程、および
    前記体液試料中の抗PCA−1自己抗体とPCA−1抗原との結合を検出および/または定量する工程
    を包含する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記検出および/または定量する工程が、抗PCA−1自己抗体に対する標識された抗体を用いて、PCA−1と抗PCA−1自己抗体との結合を検出および/または定量することを包含する、請求項25に記載の方法。
  27. ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従う、請求項21〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 前立腺がんの診断に用いるための、請求項21〜27のいずれかに記載の方法。
  29. PCA−1抗原を含有する、被験者由来の体液試料中の抗PCA−1自己抗体を前立腺がんマーカーとして検出および/または定量するためのキット
  30. 抗PCA−1自己抗体に対する標識された抗体をさらに含み、当該抗体を、前記PCA−1抗原と前記抗PCA−1自己抗体との結合を検出および/または定量するために利用する、請求項29に記載のキット。
  31. ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、サンドイッチ免疫測定法、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TRFIA)、酵素免疫測定法(EIA)、発光免疫測定法(LIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、ラテックス凝集法、免疫沈降アッセイ、沈降素反応法、ゲル拡散沈降素反応法、免疫拡散検定法、凝集素検定法、補体結合検定法、免疫放射分析検定法、蛍光免疫検定法、およびプロテインA免疫検定法からなる群から選択される免疫測定法に従って前記検出および/または定量を行うための、請求項29または請求項30に記載のキット。
  32. 前立腺がんの診断に用いるための、請求項29〜31のいずれかに記載のキット。
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