JPWO2007063664A1 - 血管老化の予知因子およびその利用 - Google Patents
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Abstract
血管老化の予知因子および血管老化に起因する早期病変の検査方法を提供する。具体的には、チオール基がグルタチオン化されているヒトアポリポタンパクB100からなる血管老化の予知因子;血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているヒトアポリポタンパクB100を測定することを含む、血管老化に起因する病変の検査方法;チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体;チオール基がグルタチオン化されているヒトアポリポタンパクB100を認識する抗体を含む、血管老化に起因する早期病変の診断薬または診断用キットを提供する。
Description
本発明は、血管老化の予知因子およびその利用に関するものである。具体的には、ヒトアポリポタンパクB100の特定のチオール基のグルタチオン化を指標とする血管老化の予知因子およびその検出方法に関するものである。
今後益々増加の一途を辿ると想定されているメタボリックシンドロームにおいて、その基因となる糖尿病(耐糖能低下)、高血圧、高脂血症、肥満などは、いずれも共通して血管老化の促進因子となっている。血管老化は、動脈硬化や動脈の閉塞等を引き起こすことによって、心筋梗塞や脳梗塞を発症させる。しかしながら、この血管老化の客観的な指標は、頚動脈の超音波診断などによる形態学的測定によるものであり、患者血清を試料とした簡便な測定法は確立されていない。即ち、メタボリックシンドロームの先に待ち構えている重篤で不可逆的な組織障害である脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの発症を予知する因子は、従来全く確立されてこなかった。
酸化ストレスは、生活習慣病を含む多くの疾患や、老化の原因の一つとされている。血管老化においても、酸化ストレスが促進因子となっていることが知られている。酸化ストレスマーカーとしては、従来、カルボニル化タンパク質を免疫学的に測定する方法や、脂質過酸化を測定するTBAS法などがよく知られている。しかしながら、これらの測定方法は、血清を試料とする際には特異性と再現性に問題があった。更に、近年はLDL中の脂質やタンパク画分の酸化変性に対する特異抗体を用いた手法が開発されている。これらの酸化変性はタンパクや脂質が不可逆的に変性、分解を受ける過程を示しており、粥状動脈硬化病変の進展に関与することは知られているが、血管老化の早期の血管老化の指標とはいえない部分がある。
タンパク質のチオール基は酸化ストレスで非酵素学的に酸化修飾され、タンパク質分子内の架橋や酵素タンパクの不活性化を生じてタンパクの機能変化へと向かう。チオール基は時として不可逆的な酸化修飾を生じる。S-glutationylation(protein-SSG、グルタチオン化)は、この不可逆的な酸化修飾からタンパク質の機能と構造を守る役割を担っている。すなわち、過酸化水素はタンパクのシステインのチオール基を修飾し、スルフェン酸(sulfenic acid:-SOH)、さらにスルフィン酸(sulfinic acid:-SO2H)やスルホン酸(sulfonic acid:-SO3H)と不可逆的な変性過程を進める。チオール基がグルタチオンで修飾されることは、可逆的変化であり、還元型グルタチオン(GSH)と酸化型グルタチオン(GSSG)の濃度によっても調節されている。これを「レドックス」という。レドックスは生体あるいは細胞の機能や活性と結びつき、細胞分化増殖や細胞死を制御する重要な機構である。即ち、タンパク質のチオール基が酸化修飾されることは、生体のレドックス状態の不均衡を示すものである。レドックスの破綻は、組織細胞のアポトーシス更にはリモデリングに向かうものであり、血管老化の機序にもこの破綻が強く関与すると考えられている。
従来より、グルタチオンで修飾されたタンパク質のチオール基を測定する方法が報告されている。
1)抗グルタチオン化ウシアルブミン抗体を用いる免疫学的手法(非特許文献1)。これは特異性と測定感度に問題があり、実用的ではない。
2)ビオチン化グルタチオン S−トランスフェラーゼを用いる方法(非特許文献2)。グルタチオン S−トランスフェラーゼが酵素反応でグルタチオン化したチオール基を認識することから応用を図ったものであるが、感度と特異性に問題が多い。
Heille, OPら、Eur. J. Neurosci.、vol.6、p.793-804 (1994) Cheng, Gら、Archiv. Biochem. Biophys.、vol.435、p.42-49 (2005)
1)抗グルタチオン化ウシアルブミン抗体を用いる免疫学的手法(非特許文献1)。これは特異性と測定感度に問題があり、実用的ではない。
2)ビオチン化グルタチオン S−トランスフェラーゼを用いる方法(非特許文献2)。グルタチオン S−トランスフェラーゼが酵素反応でグルタチオン化したチオール基を認識することから応用を図ったものであるが、感度と特異性に問題が多い。
Heille, OPら、Eur. J. Neurosci.、vol.6、p.793-804 (1994) Cheng, Gら、Archiv. Biochem. Biophys.、vol.435、p.42-49 (2005)
本発明の目的は、血管老化を予知する有用なバイオマーカーおよび当該バイオマーカーを指標とする血管老化に起因する病変の検査方法などを提供することである。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特に低比重リポタンパク質(LDL)に局在するアポリポタンパクB100に着目し、予めそのグルタチオン化したチオール基のドメインを明らかにした上で、その部位に対する特異抗体を作製して、高感度の免疫学的測定法を確立し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する:
〔1〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部からなる血管老化の予知因子、
〔2〕前記アポリポタンパクB100およびその一部が、少なくとも配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むものであり、前記グルタチオン化部位が当該アミノ酸配列中のシステインのチオール基である、上記〔1〕記載の予知因子、
〔3〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を生体試料を用いて測定することを含む、血管老化に起因する病変の検査方法、
〔4〕前記生体試料が血液である、上記〔3〕記載の検査方法、
〔5〕当該血管老化に起因する病変が、糖尿病、脳血管障害、心血管障害、閉塞性動脈硬化症、認知症、粥状動脈硬化症、高血圧、肥満などからなる群より選択される疾患に付随するものである、上記〔3〕または〔4〕に記載の検査方法、
〔6〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部を特異的に認識する抗体、
〔7〕配列番号2で表されるアミノ酸配列中システインのチオール基のグルタチオン化を特異的に認識する抗体、
〔8〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体を含む、血管老化に起因する病変の診断薬または診断用キット。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する:
〔1〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部からなる血管老化の予知因子、
〔2〕前記アポリポタンパクB100およびその一部が、少なくとも配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むものであり、前記グルタチオン化部位が当該アミノ酸配列中のシステインのチオール基である、上記〔1〕記載の予知因子、
〔3〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を生体試料を用いて測定することを含む、血管老化に起因する病変の検査方法、
〔4〕前記生体試料が血液である、上記〔3〕記載の検査方法、
〔5〕当該血管老化に起因する病変が、糖尿病、脳血管障害、心血管障害、閉塞性動脈硬化症、認知症、粥状動脈硬化症、高血圧、肥満などからなる群より選択される疾患に付随するものである、上記〔3〕または〔4〕に記載の検査方法、
〔6〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部を特異的に認識する抗体、
〔7〕配列番号2で表されるアミノ酸配列中システインのチオール基のグルタチオン化を特異的に認識する抗体、
〔8〕チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体を含む、血管老化に起因する病変の診断薬または診断用キット。
本発明によれば、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100と血管病変との相関関係を明らかにしたことにより、チオール基が修飾されているアポリポタンパクB100またはその一部を血管老化の予知因子として用いることができる。このような予知因子を指標とする本発明の検査方法は、簡便かつ高精度に血管老化に起因する病変があるまたは血管老化のリスクがあることを判定することができ、血管老化に起因する病変の診断、経過観察、予後の予測、発症前診断、保因者診断などに有効である。さらに、本発明の抗体ならびに該抗体を含む診断薬および診断用キットは、本発明の検査方法に適するツールとなり得る。
本発明は、血管老化の新しい予知因子を提供するものである。本発明は、特に血管老化を促進すると考えられる「酸化ストレス」によって不可逆的に変化してしまう変性タンパクとは異なり、可逆的な酸化修飾を受けた部位を標的とするものである。生体は高い還元力を有し、酸化ストレスを防御している。そのストレスセンサーにタンパク質のチオール基がある。そこで、血中タンパク質のチオール基に着目して、その修飾を測定しようとするものである。
アポリポタンパクB100とは、低比重リポタンパク質(LDL)を構成しているタンパク質であり、例えばヒトでは、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質である。酸化ストレスは、アポリポタンパクB100において、不可逆的な修飾を引き起こして変性LDLとなり、血管内皮細胞や血管マクロファージなどの細胞表面に発現するスカベンジャー受容体によってそれらの細胞に取り込まれ、血管内にプラークを形成して動脈硬化病変の進展に関連する。また、酸化ストレスは、血管老化を始めとする様々な病変をもたらす。後述の実施例で示されているように、血管病変を有する糖尿病患者血清中では、血管病変を有しない糖尿病患者血清中のタンパク質と比べて、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の有意な上昇が観察された。従って、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100は、優れた血管老化の予知因子となり得る。
本発明の予知因子は、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部からなることを特徴とする。具体的には、少なくとも配列番号2(VPSCKLDFRE)のアミノ酸配列中システインのチオール基がグルタチオン化したアミノ酸配列を含むポリペプチドであることが好ましい。
「チオール基のグルタチオン化」とは、アポリポタンパクB100のシステインのチオール基が酸化ストレス等により通常の還元型(-SH)から可逆的な-S-SGの状態を示すものを指している。酸化ストレスによって更に不可逆的に修飾された状態とは異なる。
血管老化とは、加齢に伴う血管(動脈)の生理的変化や、高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、喫煙、肝硬変、自己免疫疾患等により引き起こされる血管の病的変化をいう。
また、本発明は、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を生体試料を用いて検出することを特徴とする、血管老化に起因する病変の検査方法に関する。なお、本発明の方法では、血管老化に起因する病変である可能性のみならず、血管老化に起因する病変のリスクをも検査し得る。
血管老化に起因する病変では、血管内皮細胞の損傷、血栓形成、内膜肥厚、血管閉塞、プラーク形成等の動脈硬化性変化が認められる。
血管老化に起因する病変に付随する疾患とは、糖尿病、脳血管障害、心血管障害、閉塞性動脈硬化症、認知症、粥状動脈硬化症、高血圧、肥満等が挙げられる。
本発明の検査方法を適用することができる対象としては、好ましくはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。このような哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ミニブタ、無毛ブタ、サル等が挙げられる。
本発明の検査対象は、特に限定されるものでなく、ヒトにおいては一般の健康診断の対象者、血管老化のリスクを有する者、ないし血管老化に起因する病変を有する者等であり得る。
「血管老化のリスクを有する者」とは、好ましくは、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、メタボリックシンドロームであるヒト等をいう。
本発明の方法に用いられ得る生体試料は、アポリポタンパクB100が存在しうる組織・体液であり、好ましくは血液試料である。血液としては、全血、血清、血漿のいずれであってもよく、これらは、対象から採取した血液を常法に従って処理することで、適宜、得ることができる。特に限定されないが、血液試料は、好ましくは血清である。このような試料中でチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100は、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100自体のみならず「チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を含むLDL(グルタチオン化LDL)」の形態でも存在し得るが、本発明の方法では、いずれの形態も測定することが可能である。
本発明において、ヒトから分離された血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の検出は、特に制限されず、たとえば、免疫化学的方法等の方法によって行うことができる。その中でも特に、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体を利用する免疫化学的方法により検出を行うのが好ましい。なお、本明細書において「チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の検出」は、ある一定濃度以上のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の存否を定性的に検出することのみならず、定量的にチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100濃度を測定することをも意味する。
血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100濃度の測定に使用される免疫化学的方法としては、特に制限はなく、従来公知の例えば、ドットブロット法、ウエスタンブロット法、酵素免疫測定法(ELISA法)、ラテックス凝集法、免疫クロマト法、放射免疫測定法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)、抗原抗体複合体形成に伴う濁度を測定する比濁法等が挙げられる。これらの中でも、既知の濃度の抗原をコントロールとして、ウエスタンブロット法またはドットブロット法により、発色量の差からチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100濃度を測定するのが好ましい。
血液試料中にチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100が一定レベル以上検出された場合、当該血液試料の由来する対象は、血管老化に起因する病変があるまたは血管老化のリスクがあると判断することができる。この場合、血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100濃度が高いほど前記病変を有する確率またはリスクが高い。また、血液試料中にチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100が一定レベル以上検出された場合、当該血液試料の由来する対象は、生体においてグルタチオン化アポリポタンパクB100を還元する能力が低下していると判断することもできる。この場合、血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100濃度が高いほど前記還元力が低下している確率が高い。逆に、血液試料中にチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100が一定レベル未満で検出された場合、当該血液試料の由来する対象は、血管老化に起因する病変を有する確率またはリスクが低いと判断することができ、また、生体においてグルタチオン化アポリポタンパクB100を還元する能力が上昇しているかまたは維持されていると判断することができる。
また、血液試料中にチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100が検出された場合において、血液試料中のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100量が多い場合は、当該量が少ない場合と比較して、血管老化に起因する病変を有する確率またはリスクがより高いと判断することができ、また、生体におけるグルタチオン化アポリポタンパクB100の還元力が低下している確率がより高い。
また、本発明では、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を検出する物質を含む、血管老化に起因する病変の診断薬が提供される。
該物質としては、上述の方法においてチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の検出を達成しうるものであれば特に限定されないが、好ましくはチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体(以下、「本発明の抗体」)である。
本発明における「抗体」とは、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、ヒト抗体産生トランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体、Fab発現ライブラリーによって作製された抗体断片、およびこれらの結合性断片が含まれるが、これらに限定されない。
前記診断薬中に含まれる本発明の抗体は、哺乳動物、好ましくはヒト由来の、チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100と特異的に結合するものであれば、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の何れでも良い。
結合性断片とは、前述した抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab')2、Fab'、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised Fv)、dAb(single domain antibody)等が挙げられる(Exp. Opin. Ther. Patents,Vol.6, No.5, p.441-456, 1996)。
抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMであり、精製の容易性等を考慮するとより好ましくはIgGである。
ポリクローナル抗体あるいはモノクローナル抗体は、既存の一般的な製造方法によって製造することができる。即ち、例えば、免疫原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freund's Adjuvant)とともに、哺乳動物、例えばポリクローナル抗体の場合、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ヤギ、ウマあるいはウシ等、好ましくはマウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヤギ、ウマまたはウサギに、モノクローナル抗体の場合、マウス、ラット、ハムスターに免疫する。
免疫原は、必要に応じて、担体に架橋させて用いられる。担体としては、例えばBSA、KLH等が挙げられる。また、免疫される動物由来のタンパク質(例えば血清タンパク質等)を担体として用いてもよい。
本発明の抗体の製造に用いられる免疫原としては、配列番号1のアミノ酸配列またはその部分配列を有するポリペプチドが用いられる。好ましくは、当該ポリペプチドは配列番号2(VPSCKLDFRE)のシステインのチオール基をグルタチオン化したアミノ酸配列またはその部分配列を含むポリペプチドである。具体的には、本発明の抗体の製造に用いられる免疫原としては、配列番号2(VPSCKLDFRE)で表されるアミノ酸配列またはその部分配列からなるペプチドである。部分配列の長さは、エピトープとして免疫原性を有する長さであれば特に限定されないが、好ましくは6アミノ酸以上、より好ましくは8アミノ酸以上、更に好ましくは10アミノ酸である。
また、上記ペプチドを担体に架橋する等の目的で、1個または複数個のアミノ酸を付加してもよい。付加されるアミノ酸の数は、特に限られないものの、製造される抗体の特異性を考慮すると、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜2個、最も好ましくは1個である。
付加されるアミノ酸の位置はポリペプチドのN末端、C末端いずれでもよいが、好ましくはN末端である。
付加されるアミノ酸の種類は、自体公知の20種のアミノ酸のいずれでもよいが、好ましくは付加されるアミノ酸にシステインが少なくとも1つ含まれる。より好ましくは、付加されるアミノ酸はシステインからなる。
付加されるアミノ酸の種類は、自体公知の20種のアミノ酸のいずれでもよいが、好ましくは付加されるアミノ酸にシステインが少なくとも1つ含まれる。より好ましくは、付加されるアミノ酸はシステインからなる。
ポリクローナル抗体は、具体的には下記のようにして製造することができる。即ち、免疫原をマウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヤギ、ウマまたはウサギ、好ましくはヤギ、ウマまたはウサギ、より好ましくはウサギの皮下内、筋肉内、静脈内、フッドパッド内あるいは腹腔内に1乃至数回注射することにより免疫感作を施す。通常、初回免疫から約1乃至14日毎に1乃至5回免疫を行って、最終免疫より約1乃至5日後に免疫感作された該哺乳動物から血清が取得される。
血清をポリクローナル抗体として用いることも可能であるが、好ましくは、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインA/Gカラム、免疫原を架橋させたカラム等を用いたアフィニティカラムクロマトグラフィーにより単離および/または精製される。
モノクローナル抗体は、上記免疫感作動物から得た該抗体産生細胞と自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)からハイブリドーマ(融合細胞)を調製し、該ハイブリドーマをクローン化し、哺乳動物の免疫に用いた免疫原に対して特異的親和性を示すモノクローナル抗体を産生するクローンを選択することによって製造される。
モノクローナル抗体は、具体的には下記のようにして製造することができる。即ち、免疫原を、マウス、ラットあるいはハムスター(ヒト抗体産生トランスジェニックマウスのような他の動物由来の抗体を産生するように作出されたトランスジェニック動物を含む)の皮下内、筋肉内、静脈内、フッドパッド内あるいは腹腔内に1乃至数回注射するかあるいは移植することにより免疫感作を施す。通常、初回免疫から約1乃至14日毎に1乃至4回免疫を行って、最終免疫より約1乃至5日後に免疫感作された該哺乳動物から抗体産生細胞が取得される。
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ(融合細胞)の調製は、ケーラーおよびミルシュタインらの方法(Nature, Vol.256, p.495-497, 1975)およびそれに準じる修飾方法に従って行うことができる。即ち、前述の如く免疫感作された哺乳動物から取得される脾臓、リンパ節、骨髄あるいは扁桃等、好ましくは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、好ましくはマウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギまたはヒト等の哺乳動物、より好ましくはマウス、ラットまたはヒト由来の自己抗体産生能のないミエローマ細胞とを細胞融合させることにより調製される。
細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、例えばマウス由来ミエローマP3/X63-AG8.653(653;ATCC No.CRL1580)、P3/NSI/1-Ag4-1(NS-1)、P3/X63-Ag8.U1(P3U1)、SP2/0-Ag14(Sp2/0、Sp2)、PAI、F0あるいはBW5147、ラット由来ミエローマ210RCY3-Ag.2.3.、ヒト由来ミエローマU-266AR1、GM1500-6TG-A1-2、UC729-6、CEM-AGR、D1R11あるいはCEM-T15を使用することができる。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンのスクリーニングは、ハイブリドーマを、例えばマイクロタイタープレート中で培養し、増殖の見られたウェルの培養上清の前述の免疫感作で用いた免疫原に対する反応性を、例えばRIAやELISA等の酵素免疫測定法によって測定することにより行なうことができる。
ハイブリドーマからのモノクローナル抗体の製造は、ハイブリドーマの培養をインビトロ、またはマウス、ラット、モルモット、ハムスターまたはウサギ等、好ましくはマウスまたはラット、より好ましくはマウスの腹水中等でのインビボで行い、得られた培養上清、または哺乳動物の腹水から単離することにより行うことができる。
インビトロで培養する場合には、培養する細胞種の特性、試験研究の目的および培養方法等の種々条件に合わせて、ハイブリドーマを増殖、維持および保存させ、培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるために用いられるような既知栄養培地あるいは既知の基本培地から誘導調製されるあらゆる栄養培地を用いて実施することが可能である。
モノクローナル抗体は、上述のポリクローナル抗体と同様に、単離および/または精製されることが好ましい。
また、キメラ抗体は、例えば「実験医学(臨時増刊号), Vol.6, No.10, 1988」、特公平3-73280号公報等を、ヒト化抗体は、例えば特表平4-506458号公報、特開昭62-296890号公報等を、ヒト抗体は、例えば「Nature Genetics, Vol.15, p.146-156, 1997」、「Nature Genetics, Vol.7, p.13-21, 1994」、特表平4-504365号公報、国際出願公開第94/25585号公報、「日経サイエンス、6月号、第40〜第50頁、1995年」、「Nature, Vol.368, p.856-859, 1994」、特表平6-500233号公報等を参考にそれぞれ製造することができる。
F(ab')2およびFab'は、イムノグロブリンを、蛋白分解酵素であるペプシンあるいはパパインで処理することによりそれぞれ製造することができる。
F(ab')2およびFab'は、イムノグロブリンを、蛋白分解酵素であるペプシンあるいはパパインで処理することによりそれぞれ製造することができる。
上記方法により製造された本発明の抗体は、チオール基がグルタチオン化されているヒトアポリポタンパクB100をきわめて高感度且つ高い特異性で認識することができるので、ヒト由来の生体試料のチオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100の検出、定量等に非常に有用である。
このような本発明の抗体は、遊離の状態、標識された状態または固相化された状態で前記診断薬に含まれる。
本発明の診断薬を用いれば、上述の方法により、血管老化に起因する病変を診断することができる。
本発明の診断薬はまた、上述の検出方法で使用される試薬等をさらに含む、血管老化に起因する病変の診断用キットとすることもできる。該試薬等としては、具体的に、試薬や生体試料を希釈するための緩衝液、蛍光色素、反応容器、陽性対照、陰性対照、検査プロトコールを記載した指示書等が挙げられる。これらの要素は、必要に応じて予め混合しておくこともできる。該キットを使用することにより、本発明の血管老化に起因する病変の診断が簡便となる。
本明細書中で挙げられた特許明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下、実施例において「チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100」を「グルタチオン化アポB100」と略する。
反応性を有するチオール基を含むアポB100タンパク質C末側10アミノ酸残基(VPSCKLDFRE:配列番号2)を合成した(シグマ社)。合成ペプチド溶液にグルタチオン(100mM)を添加し、過酸化水素(0.5mM)存在下において37℃で15分間インキュベーションすることにより、チオール基をグルタチオン化した。なお、還元剤で処理すると、このグルタチオン化が還元され消失したことから、チオール基は可逆的な-S-SGとなる状態(グルタチオン化)を示していることが確認された。このチオール基がグルタチオン化されているペプチドに対する特異抗体を家兎で作製した(Susanne Mohrら、The Journal of Biological Chemistry、vol.274(14)、p.9427-9430 (1999)、Hjelle O. P.ら、Eur. J. Neurosci.、vol.6(5)、p.793-804 (1994)およびCheng Gら、Archives of Biochemistry and Biophysics、vol.435、p. 42-49 (2005)参照)。
「血清中のグルタチオン化アポB100の定量法」ヒト血清を試料としてベータメルカプトエタノール(β−ME)、DTT(dithiothreitol)などの還元剤非存在下でSDS−スラブゲル電気泳動を行った。ウエスタンブロット法を用いて抗グルタチオン化アポB100抗体と抗アポB100抗体で染色し、チオール基のグルタチオン化の程度を測定した。
実験結果
1.SDS−スラブゲル電気泳動法による免疫学的測定(図1)。
(A)健常コントロール血清と閉塞性動脈硬化症患者(ASO)血清を試料として、抗アポB100抗体(SRL社より提供をうけた)で染色した。DTTの非存在下でのみ、アポB100に相当するバンドが認められた(レーン3と4)。その程度は健常コントロールでは僅かであり(レーン3)、ASO患者で強かった(レーン4)。
(B)同じ試料を抗グルタチオン化アポB100抗体で染色した。DTTの非存在下で抗グルタチオン化アポB100抗体で染色した。ASO患者血清の断片化したアポB100画分でもチオール基のグルタチオン化が認められたが、断片化しない正常のサイズのアポB100においてもグルタチオン化が起こっていた(レーン4)。なお、アポB100は酸化ストレスによって酸化変性を受ける過程で断片化し、また、脂質過酸化物も増加することが知られている(Cushing SDら、Proc. Natl. Acad .Sci. U S A.、vol.87、p. 5134-5138 (1990))。
(C)健常コントロール血清を用いたグルタチオン化アポB100の作製。
コントロール血清にβ−ME非存在下で過酸化水素(0.5mM)とグルタチオン(5mM、10mM)を添加し、37℃で24時間反応させるとコントロールで明らかでなかったグルタチオン化アポB100の存在が認められた(レーン3と4)。この結果は、酸化ストレスによってアポB100のチオール基がグルタチオン化することを示している。
1.SDS−スラブゲル電気泳動法による免疫学的測定(図1)。
(A)健常コントロール血清と閉塞性動脈硬化症患者(ASO)血清を試料として、抗アポB100抗体(SRL社より提供をうけた)で染色した。DTTの非存在下でのみ、アポB100に相当するバンドが認められた(レーン3と4)。その程度は健常コントロールでは僅かであり(レーン3)、ASO患者で強かった(レーン4)。
(B)同じ試料を抗グルタチオン化アポB100抗体で染色した。DTTの非存在下で抗グルタチオン化アポB100抗体で染色した。ASO患者血清の断片化したアポB100画分でもチオール基のグルタチオン化が認められたが、断片化しない正常のサイズのアポB100においてもグルタチオン化が起こっていた(レーン4)。なお、アポB100は酸化ストレスによって酸化変性を受ける過程で断片化し、また、脂質過酸化物も増加することが知られている(Cushing SDら、Proc. Natl. Acad .Sci. U S A.、vol.87、p. 5134-5138 (1990))。
(C)健常コントロール血清を用いたグルタチオン化アポB100の作製。
コントロール血清にβ−ME非存在下で過酸化水素(0.5mM)とグルタチオン(5mM、10mM)を添加し、37℃で24時間反応させるとコントロールで明らかでなかったグルタチオン化アポB100の存在が認められた(レーン3と4)。この結果は、酸化ストレスによってアポB100のチオール基がグルタチオン化することを示している。
2.ASO患者血清中のグルタチオン化アポB100の測定(図2)。
ASO患者血清を試料としてグルタチオン化アポB100の測定を行ったところ、健常コントロール血清と比べて、ASO患者血清では有意にグルタチオン化アポB100の増加が認められた(p<0.001)。ASO患者の病態をFontain分類に従って検討したところ、病状の進展に従ってグルタチオン化アポB100の上昇傾向が認められたが、有意の相関は明らかでなかった。
これらの結果により、本発明の抗体を用いて血清中のグルタチオン化アポB100の濃度を測定することにより、健常者と早期ASO患者とを識別可能であることが示唆される。
ASO患者血清を試料としてグルタチオン化アポB100の測定を行ったところ、健常コントロール血清と比べて、ASO患者血清では有意にグルタチオン化アポB100の増加が認められた(p<0.001)。ASO患者の病態をFontain分類に従って検討したところ、病状の進展に従ってグルタチオン化アポB100の上昇傾向が認められたが、有意の相関は明らかでなかった。
これらの結果により、本発明の抗体を用いて血清中のグルタチオン化アポB100の濃度を測定することにより、健常者と早期ASO患者とを識別可能であることが示唆される。
3.糖尿病患者における検討(図3)。
糖尿病患者(DM)の血管病変の有無によるグルタチオン化アポB100を検討したところ、血管病変を有するまたは将来的に有する可能性の高い糖尿病患者血清では、血管病変を有しないまたは将来的に有する可能性の低い糖尿病患者血清に比較してグルタチオン化アポB100の上昇が有意の相関で認められた(表1)。
糖尿病患者(DM)の血管病変の有無によるグルタチオン化アポB100を検討したところ、血管病変を有するまたは将来的に有する可能性の高い糖尿病患者血清では、血管病変を有しないまたは将来的に有する可能性の低い糖尿病患者血清に比較してグルタチオン化アポB100の上昇が有意の相関で認められた(表1)。
4.抗グルタチオン化アポB100抗体と抗原(精製グルタチオン化アポB100)の、免疫反応における定量性(図4)。
(A)抗グルタチオン化アポB100抗体を用いたウエスタンブロット法による精製グルタチオン化アポB100の定量。
グルタチオン化アポB100(GSH-apoB100)10 ng-90 ng相当を電気泳動し、ウエスタンブロット法で測定した。抗体として抗グルタチオン化アポB100抗体を5,000倍に希釈して用い、室温で一時間反応させた。グルタチオン化アポB100画分に相当する箇所に強いバンドが認められた。
(B)(A)のデータの解析。
(A)の結果を定量化し、検量線を求めた。その結果、抗原量依存的に直線性のある検量線を得ることが出来た。
(A)抗グルタチオン化アポB100抗体を用いたウエスタンブロット法による精製グルタチオン化アポB100の定量。
グルタチオン化アポB100(GSH-apoB100)10 ng-90 ng相当を電気泳動し、ウエスタンブロット法で測定した。抗体として抗グルタチオン化アポB100抗体を5,000倍に希釈して用い、室温で一時間反応させた。グルタチオン化アポB100画分に相当する箇所に強いバンドが認められた。
(B)(A)のデータの解析。
(A)の結果を定量化し、検量線を求めた。その結果、抗原量依存的に直線性のある検量線を得ることが出来た。
5.免疫沈降法を用いて患者血清から抗アポB100抗体と反応するタンパクを抽出し、抗グルタチオン化アポB100抗体を作用させることによる効果の確認(図5)。
患者血清と抗アポB100抗体(SRL社)を反応させ、protein A sepharoseによる免疫沈降法を用いて抗アポB100抗体と反応するタンパクを分離抽出した。その後、もとの血清(未処理)、抗アポB100抗体との未反応タンパク(カラム未吸着)、抗アポB100抗体と結合したタンパク(カラム吸着)のそれぞれを電気泳動し、抗グルタチオン化アポB100抗体(図5(A))と抗アポB100抗体(図5(B))を作用させたところ、抗アポB100抗体で免疫沈降したタンパクは、抗グルタチオン化アポB100抗体、抗アポB100抗体ともに175kDa付近において検出されており、ほぼ一致していた。このことから抗アポB100抗体で検出されたバンドは、抗グルタチオン化アポB100抗体で特異的に検出されることが明らかになった。
患者血清と抗アポB100抗体(SRL社)を反応させ、protein A sepharoseによる免疫沈降法を用いて抗アポB100抗体と反応するタンパクを分離抽出した。その後、もとの血清(未処理)、抗アポB100抗体との未反応タンパク(カラム未吸着)、抗アポB100抗体と結合したタンパク(カラム吸着)のそれぞれを電気泳動し、抗グルタチオン化アポB100抗体(図5(A))と抗アポB100抗体(図5(B))を作用させたところ、抗アポB100抗体で免疫沈降したタンパクは、抗グルタチオン化アポB100抗体、抗アポB100抗体ともに175kDa付近において検出されており、ほぼ一致していた。このことから抗アポB100抗体で検出されたバンドは、抗グルタチオン化アポB100抗体で特異的に検出されることが明らかになった。
これらの結果から、本発明の抗体を用いた測定方法は、従来の方法に比較して感度および特異性に優れていることがわかった。ストレスセンサーとしての測定方法が樹立されることによって、新規の血管老化マーカーとして広く臨床応用が可能となる。
6.血管老化の予知因子および血管老化に起因する早期病変の検査方法の提供。
閉塞性動脈硬化症の危険因子としてのグルタチオン化アポB100の測定の意義について検討した。
閉塞性動脈硬化症患者41名とコントロール38名の血清を用いてグルタチオン化アポB100の測定を行い、Yates continuity-corrected χ2 testで検討した(表2)。
すでに本症で上昇することが知られているhs-CRP、心筋梗塞などの血管内皮細胞障害の早期診断マーカーとして評価されているsoluble LOX-1(sLOX-1)値と比較すると、グルタチオン化アポB100は感受性、特異性共に極めて高い評価因子であることが明らかである。
閉塞性動脈硬化症の危険因子としてのグルタチオン化アポB100の測定の意義について検討した。
閉塞性動脈硬化症患者41名とコントロール38名の血清を用いてグルタチオン化アポB100の測定を行い、Yates continuity-corrected χ2 testで検討した(表2)。
すでに本症で上昇することが知られているhs-CRP、心筋梗塞などの血管内皮細胞障害の早期診断マーカーとして評価されているsoluble LOX-1(sLOX-1)値と比較すると、グルタチオン化アポB100は感受性、特異性共に極めて高い評価因子であることが明らかである。
7.血管老化の基盤となる血中酸化還元能の低下の指標としての意義。
グルタチオン化アポB100は生体において何を反映しているものかについて検討した。
血清中には、抗酸化物質であるビタミン類、グルタチオン、グルタチオン過酸化酵素、レドックスタンパクであるチオレドキシンやグルタレドキシン(GRX)などが存在している。これらは間接的に、グルタチオン化血清タンパク質の還元を行うと考えられるが、直接還元するものではない。本発明者らは、グルタチオン化タンパク質で酸化修飾されたシステイン基に対して直接還元作用を有するGRXに着目し、本発明者らがGRXの基質であることを発見したチロシンフォスファターゼであるlow molecular weight protein tyrosine phosphatase(LMW−PTP)を用いて(Kanda, M, Kondo, T.ら、J. Biol. Chem.、vol. 281(39)、p. 28518-28528, 2006)、血清中のGRX依存性チオールトランスフェラーゼ活性の活性測定法を開発した。具体的には、LMW−PTP(100μl/50μg(2.8nmols))と35S−GSH(5μl(2pmoles、50nmolsDTT))を混和し、氷上で5分間置き、GSSG(28nmoles)およびH2O2(100nmols)(全量150μl)を添加し、4℃で24時間置いた後、スピンカラムにより濾過し、35S−GS−LM−PTPを得た(PTP標識)。得られた35S−GS−LM−PTP(5μl)と血清(0.5μl)を混合し、0.2M NaH2PO4(1μl)(pHを7.0に)および7.5mM GSHまたはPBS(−)(1μl)を添加し、37℃で30分間置いた後、2×laemmli’s 溶液(7.5μl)を添加して測定混合物とし、放射標識したグルタチオン化LMW−PTPのシステイン基から遊離した放射活性の活性測定に供した。その結果、閉塞性動脈硬化症患者ではいずれもコントロールに比較して血液中のGRX依存性チオールトランスフェラーゼ活性の活性が低下していた(図6)。このことは、患者血清中では還元力が低下しており、タンパク質SH基が酸化ストレスで修飾されやすい状況であることと、その酸化修飾(グルタチオン化)されたものを還元する力が少ないことを示している。
グルタチオン化アポB100は生体において何を反映しているものかについて検討した。
血清中には、抗酸化物質であるビタミン類、グルタチオン、グルタチオン過酸化酵素、レドックスタンパクであるチオレドキシンやグルタレドキシン(GRX)などが存在している。これらは間接的に、グルタチオン化血清タンパク質の還元を行うと考えられるが、直接還元するものではない。本発明者らは、グルタチオン化タンパク質で酸化修飾されたシステイン基に対して直接還元作用を有するGRXに着目し、本発明者らがGRXの基質であることを発見したチロシンフォスファターゼであるlow molecular weight protein tyrosine phosphatase(LMW−PTP)を用いて(Kanda, M, Kondo, T.ら、J. Biol. Chem.、vol. 281(39)、p. 28518-28528, 2006)、血清中のGRX依存性チオールトランスフェラーゼ活性の活性測定法を開発した。具体的には、LMW−PTP(100μl/50μg(2.8nmols))と35S−GSH(5μl(2pmoles、50nmolsDTT))を混和し、氷上で5分間置き、GSSG(28nmoles)およびH2O2(100nmols)(全量150μl)を添加し、4℃で24時間置いた後、スピンカラムにより濾過し、35S−GS−LM−PTPを得た(PTP標識)。得られた35S−GS−LM−PTP(5μl)と血清(0.5μl)を混合し、0.2M NaH2PO4(1μl)(pHを7.0に)および7.5mM GSHまたはPBS(−)(1μl)を添加し、37℃で30分間置いた後、2×laemmli’s 溶液(7.5μl)を添加して測定混合物とし、放射標識したグルタチオン化LMW−PTPのシステイン基から遊離した放射活性の活性測定に供した。その結果、閉塞性動脈硬化症患者ではいずれもコントロールに比較して血液中のGRX依存性チオールトランスフェラーゼ活性の活性が低下していた(図6)。このことは、患者血清中では還元力が低下しており、タンパク質SH基が酸化ストレスで修飾されやすい状況であることと、その酸化修飾(グルタチオン化)されたものを還元する力が少ないことを示している。
8.他の測定では把握不可能な血管病変進展の予知。
グルタチオン化アポB100の血管病変予知因子としての評価。
閉塞性動脈硬化症の診断は、進行してからの血管造影などの確定診断は進んでいるが、発症初期あるいは予備群の予知は全く不十分である。初期に客観的に評価されているのはABI検査である。このABI値とグルタチオン化アポB100値とは閉塞性動脈硬化症患者では極めて高い正の相関が認められる。更に、本症の予備軍のひとつである糖尿病患者血清でグルタチオン化アポB100値を測定してみると、症状が明らかでなくABI値が変化していない症例でもグルタチオン化アポB100値が上昇しているものがあった。これらは予備軍であると予想され、今後慎重な経過観察が必要であると考えている(データ未掲載)。一方、一例ではあるが、下肢の間欠性疼痛を訴えている糖尿病患者でグルタチオン化アポB100を測定したところ、正常値であった。本症例では高度の高血圧、肥満、高脂血症を合併しており、閉塞性動脈硬化症を十分に疑えた。しかしながらABI値も正常であったことから他の疾患の可能性が強く示唆された。このことから、単にABIの測定のみならず、グルタチオン化アポB100測定を行うことによってより正確な診断が可能となると予想された。
グルタチオン化アポB100の血管病変予知因子としての評価。
閉塞性動脈硬化症の診断は、進行してからの血管造影などの確定診断は進んでいるが、発症初期あるいは予備群の予知は全く不十分である。初期に客観的に評価されているのはABI検査である。このABI値とグルタチオン化アポB100値とは閉塞性動脈硬化症患者では極めて高い正の相関が認められる。更に、本症の予備軍のひとつである糖尿病患者血清でグルタチオン化アポB100値を測定してみると、症状が明らかでなくABI値が変化していない症例でもグルタチオン化アポB100値が上昇しているものがあった。これらは予備軍であると予想され、今後慎重な経過観察が必要であると考えている(データ未掲載)。一方、一例ではあるが、下肢の間欠性疼痛を訴えている糖尿病患者でグルタチオン化アポB100を測定したところ、正常値であった。本症例では高度の高血圧、肥満、高脂血症を合併しており、閉塞性動脈硬化症を十分に疑えた。しかしながらABI値も正常であったことから他の疾患の可能性が強く示唆された。このことから、単にABIの測定のみならず、グルタチオン化アポB100測定を行うことによってより正確な診断が可能となると予想された。
ストレスセンサーとしての血清中のチオール基がグルタチオン化されているアポB100タンパク質測定法は、新規の血管老化マーカーとして広く臨床応用が可能となると考えられる。毎年増加の一途を辿っているメタボリックシンドローム患者の先に待ち構えている重大な生活習慣病は、血管老化による脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などである。更に糖尿病の合併症である失明や腎機能障害も血管病変が基盤となっている。これらの発症を予知する因子は従来全く確立されて来なかった。本発明によって樹立される血管老化マーカーの測定法は、これら糖尿病患者ばかりでなく、広くメタボリックシンドローム患者の予後判定に大きな貢献をするものと期待される。また、このプローブを用いた、抗動脈硬化薬のスクリーニング系の開発も可能である。更に、今後大きな社会問題となると考えられる認知症の客観的診断と治療効果の判定にも本発明の測定法は応用が可能であると期待される。
本出願は、日本で出願された特願2005−344630(出願日:2005年11月29日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
本出願は、日本で出願された特願2005−344630(出願日:2005年11月29日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims (8)
- チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部からなる血管老化の予知因子。
- 前記アポリポタンパクB100およびその一部が、少なくとも配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むものであり、前記グルタチオン化部位が当該アミノ酸配列中のシステインのチオール基である、請求項1記載の予知因子。
- チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を生体試料を用いて測定することを含む、血管老化に起因する病変の検査方法。
- 前記生体試料が血液である、請求項3に記載の検査方法。
- 当該血管老化に起因する病変が、糖尿病、脳血管障害、心血管障害、閉塞性動脈硬化症、認知症、粥状動脈硬化症、高血圧、肥満からなる群より選択される疾患に付随するものである、請求項3または4に記載の検査方法。
- チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100、または当該グルタチオン化部位を含み、かつ少なくとも10アミノ酸残基から構成されるアポリポタンパクB100の一部を特異的に認識する抗体。
- 配列番号2で表されるアミノ酸配列中システインのチオール基のグルタチオン化を特異的に認識する抗体。
- チオール基がグルタチオン化されているアポリポタンパクB100を特異的に認識する抗体を含む、血管老化に起因する病変の診断薬または診断用キット。
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