JP5961608B2 - EphA4細胞外ドメインの測定による認知機能障害を伴う神経系疾患の検出方法 - Google Patents

EphA4細胞外ドメインの測定による認知機能障害を伴う神経系疾患の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、EphA4の細胞外ドメインの測定による認知機能障害を伴う神経系疾患の検出又は診断方法、及び検出又は診断用キットに関する。
Eph receptor A4(EphA4)は、レセプター型チロシンキナーゼファミリーの一つであり、ポストシナプスの形態形成を制御している分子である。EphA4のノックアウト、又はドミナント−ネガティブ(dominant negative)変異体の発現により、樹状突起の上に小さなとげ状の隆起であるスパイン(spine)の数が減少し、スパインの形が細長くなることが知られている(非特許文献1)。また記憶や学習の過程がスパインの数や形に反映されていることは一般的に提唱されている。
最近、このEphA4がγ-セクレターゼにより切断を受け、切断された細胞内断片が低分子量GTP結合蛋白質であるRacを活性化させ、スパイン形成を促進させることが明らかにされている(特許文献1,2、非特許文献2)。上記γ-セクレターゼによる切断プロセスは、まず、全長のEphA4がγ−セクレターゼとは別のプロテアーゼ(MMP(matrix metalloproteinase)ファミリー)により切断され、EphA4の細胞外ドメインが分離する。その後、MMPによる切断で細胞膜に残存した領域がγ−セクレターゼにより切断される。また、MMPによるEphA4の細胞外ドメインの切断は、神経活動依存的に誘導されることが知られており(非特許文献2)、この細胞外ドメインの切断反応が、この一連の切断プロセスにおいて、律速段階であることが知られている。
しかしながら、EphA4やその細胞外ドメインがどのような疾患のマーカーになるかについては、明らかではなかった。
国際公開2008/150010号パンフレット 国際公開2009/069808号パンフレット
Murai KK, Nguyen LN, Irie F, Yamaguchi Y, Pasquale EB. Control of hippocampal dendritic spine morphology through ephrin-A3/EphA4 signaling. Nat Neurosci. 2003 Feb; 6(2): 153-60. Inoue E, Deguchi-Tawarada M, Togawa A, Matsui C, Arita K, Katahira-Tayama S, Sato T, Yamauchi E, Oda Y, Takai Y. Synaptic activity prompts gamma-secretase-mediated cleavage of EphA4 and dendritic spine formation. J Cell Biol. 2009 May 4; 185(3): 551-64.
本発明は、EphA4の細胞外ドメインを指標として、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出または診断する方法、及び当該検出又は診断に使用するためのキットを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、EphA4がアルツハイマー病患者、あるいはその罹患手前の軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment (MCI)) 患者などにおける、認知機能障害を伴う神経系疾患患者において減少する知見を得た。そして、本発明者はこの知見に基づき、EphA4の細胞外ドメインを指標とすることにより、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)EphA4の細胞外ドメインを含む、認知機能障害を伴う神経系疾患用バイオマーカー。
(2)EphA4が以下の(a)又は(b)のタンパク質である(1)に記載のマーカー。
(a) 配列番号1若しくは2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列番号1若しくは2に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、マトリックスメタロプロテイナーゼ若しくはγ-セクレターゼの基質となるタンパク質
(3)認知機能障害を伴う神経系疾患の検出方法であって、以下の工程:
(a) 被験者から採取された生体試料と、EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させて、EphA4の細胞外ドメインの量を測定する工程、及び
(b) 前記被験者由来のEphA4の細胞外ドメインの量が、対照よりも低いときは、前記被験者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性があると判定する工程
を含む前記方法。
(4)認知機能障害を伴う神経系疾患の診断方法であって、以下の工程:
(a) 被験者から採取された生体試料と、EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させて、EphA4の細胞外ドメインの量を測定する工程、及び
(b) 前記被験者由来のEphA4の細胞外ドメインの量が、対照よりも低いときは、前記被験者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性があると診断する工程
を含む前記方法。
(5)前記生体試料が体液である(3)又は(4)に記載の方法。
(6)前記体液が、血液、血清、血漿、血球、尿、髄液、唾液、涙液及び汗からなる群から選ばれる少なくとも1つである(5)に記載の方法。
(7)前記EphA4の細胞外ドメインの量の測定が、ELISAによる測定である(3)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8)前記認知機能障害を伴う神経系疾患が、グルタミン酸作動性神経細胞の神経活動が低下している疾患である(3)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9)前記認知機能障害を伴う神経系疾患が、アルツハイマー病、軽度認知機能障害又は前頭側頭型認知症である(3)〜(8)のいずれか1項に記載の方法。
(10)EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体を含む、認知機能障害を伴う神経系疾患の検出又は診断用キット。
本発明により、EphA4の細胞外ドメインの減少を指標として、アルツハイマー病や軽度認知機能障害(MCI)といった、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
EphA4の切断過程(プロセシング・パスウェイ)を示す模式図である。 血漿検体中のEphA4の細胞外ドメイン濃度をELISA法で測定した測定値の分布図である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施をすることができる。
なお、本明細書において引用した文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。また本明細書は、本願優先権主張の基礎となる特願2011-097377号(2011年4月25日出願)の明細書の内容を包含する。

本発明は、EphA4の細胞外ドメインを、認知機能障害を伴う神経系疾患の検出又は診断の指標(バイオマーカー)として使用する方法に関し、アルツハイマー病、軽度認知機能障害又は前頭側頭型認知症などの、認知機能障害を伴う神経系疾患患者においてEphA4の細胞外ドメインが健常人と比較して低下するという知見を見出したことにより完成されたものである。
本明細書において「EphA4」とは、シナプス形成及び/又は維持の制御因子である公知のポリペプチドを意味する(Murai KK et al., Nat Neurosci. 2003 Feb;6(2):153-60.)。EphA4は、構造上、MMP開裂部位、γ-セクレターゼ開裂部位、膜貫通ドメイン、キナーゼ活性部位を含み、そのリガンドは、EphrinAファミリーである(Aoto, J et al., Brain Res. 2006 11)。
本明細書において、「細胞外ドメイン」とは、EphA4がMMPにより切断を受けたN末端側の断片であって細胞の外に放出される断片である。本明細書において、EphA4の細胞外ドメインを「EphA4細胞外ドメイン」という。
本明細書において、「細胞内領域の断片」とは、EphA4がMMPにより切断を受けた後の開裂産物、すなわちEphA4のC末端側の断片であって細胞外ドメイン以外の断片を指す。細胞内領域の断片は、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含んでおり、γ-セクレターゼの基質となる断片である。細胞内領域の断片のうち、γ-セクレターゼによる切断を受けて細胞内に遊離した断片をEphA4の細胞内ドメイン(EphA4 Intra-Cellular Domain: EICD)という。
ここで、EphA4の切断過程(プロセシング・パスウェイ)を示す模式図を図1に示す。
図1に示すように、神経活動が起こり、神経伝達物質がグルタミン酸受容体であるNMDA受容体(NMDAR) に作用すると、MMP(マトリックス・メタロプロテイナーゼ)によるEphA4の切断反応が誘発され、細胞外に遊離した細胞外領域の断片(すなわち細胞外ドメイン)と、膜及び細胞内に残存する細胞内領域の断片(すなわち膜貫通ドメインと細胞内ドメインを含む断片)とに切断される。切断を受けた後の細胞内領域の断片は、さらにγ-セクレターゼにより切断され、細胞内ドメイン(すなわちEICD)として開裂遊離される(細胞内遊離)。
健常人を含む認知機能障害を有しない人においては、MMP及びγ-セクレターゼが機能してEphA4を切断する反応が進行し、その結果、EphA4から細胞外ドメインとEICDが開裂して遊離する。他方、認知機能障害を伴う神経系疾患患者においては、神経機能が低下しているため、細胞外ドメインは開裂遊離されにくいか、あるいは開裂遊離されない。 MMPにより切断されたEphA4細胞外ドメインは細胞外へ放出されるので、被験者においてこのドメインの量を測定すれば、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出又は診断することができる。
すなわち、EphA4細胞外ドメインを有することは認知機能障害を有しないことの指標となるものであり、EphA4細胞外ドメインが無いこと又は対照と比較して減少することは認知機能障害を伴う神経系疾患の指標となるものである。
本発明者は、EphA4細胞外ドメインに結合する特異的な抗体を用いてEphA4細胞外ドメインの量を測定することによって、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出又は診断できることを初めて見出した。
すなわち、本発明者は、被験者におけるEphA4細胞外ドメインは、認知機能障害を伴う神経系疾患の生物学的指標となり、バイオマーカーとして使用し得ることを示し、これにより、被験者において、EphA4細胞外ドメインの量が認知機能障害を伴う神経系疾患の生物学的指標となり得ることを示した。
従って、本発明においては、被験者由来のEphA4細胞外ドメインの量を測定することによって、被験者が認知機能障害を伴う神経系疾患であるか否かを判定することができる。
本発明は、EphA4細胞外ドメインを用いた認知機能障害を伴う神経系疾患の検出方法及び診断方法を提供するものであり、被験者から採取された生体試料から、EphA4細胞外ドメインの量を測定する工程を含む。この検出工程は、例えば以下の(a)及び(b)のように行なうことができる。
(a) 被験者由来の生体試料と、EphA4細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させて、EphA4の細胞外ドメインの量を測定する工程、そして、
(b)前記EphA4細胞外ドメインの量と、認知機能障害を伴う神経系疾患とを関連づける。
これらの結果は被験者が認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性(リスク)が高いと判定するための生物学的指標として使用する。本発明の検出方法及び診断方法は、前記EphA4細胞外ドメインの量と、認知機能障害を伴う神経系疾患とを関連づけるものであり、以下の判断基準を指標とすることができる。
被験者由来のEphA4細胞外ドメインの量が、対照(例えば健常人由来及び/又はパーキンソン病患者由来のEphA4細胞外ドメインの量)よりも低いときは、被験者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性(リスク)が高いと判定又は診断する。対照には認知機能障害を伴わないような各種神経系疾患の患者由来のEphA4細胞外ドメインの量を含めることもできるが、好ましくは、健常人由来及び/又はパーキンソン病患者由来のEphA4細胞外ドメインの量であり、より好ましくは、健常人由来のEphA4細胞外ドメインの量である。なお、被験者由来のEphA4細胞外ドメインの量が対照よりも低い場合には、被験者由来のEphA4細胞外ドメインの量が検出限界以下である場合も含まれる。
ここで、「量」とは、EphA4の試料中における絶対量や相対量を示すものであり、濃度として表すこともでき、あるいは、単にEphA4が存在するか否か、すなわちEphA4の有無として表すこともできる。また、「接触」とは、EphA4細胞外ドメインと、EphA4細胞外ドメインに結合する抗体とが所定条件下で反応し得る環境下に両者を置くことを意味し、EphA4細胞外ドメインを含むサンプル中に上記抗体を混合すること、抗体を含む反応系に上記サンプルを添加することなどを意味する。
EphA4細胞外ドメインとEphA4細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させると、抗原抗体反応により抗EphA4細胞外ドメイン抗体はEphA4細胞外ドメインに結合する。健常人由来の生体試料やパーキンソン病患者など認知機能障害を伴わない患者由来の生体試料を用いた反応系のときは、EphA4の切断反応が起こるため、EphA4細胞外ドメインが開裂遊離される。これに対し、認知機能障害を伴う神経系疾患患者由来の生体試料を用いた反応系のときは、EphA4の切断反応が少ないか、あるいは行われないため、EphA4細胞外ドメインの量は少ない。健常人由来の生体試料やパーキンソン病患者など認知機能障害を伴わない患者由来の生体試料を用いた反応系を対照として用いれば、被験者由来のEphA4細胞外ドメインが対照よりも少ないときは、被検者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、あるいは当該神経系疾患の可能性(リスク)があると評価できる。これにより、EphA4細胞外ドメインは、認知機能障害を伴う神経系疾患のバイオマーカーとして利用することができる。
「EphA4」としては、例えば、ヒトEphA4(NM_004438.3、NP_004429.1、BAG35298.1(配列番号1)、BC026327(配列番号2)などが挙げられる。
本発明において好ましい態様のEphA4は、ヒトEphA4であり、例えば配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
本発明において、認知機能障害を伴う神経系疾患用バイオマーカーとなるEphA4細胞外ドメインは、完全長であることが好ましいが、その部分配列のものでも変異型配列のものでもよい。EphA4の変異体は、完全長又は部分配列のEphA4に1〜複数個(好ましくは1又は数個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/又は付加されてもよく、あるいはこれらの組合せによるアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、かつEphA4と機能的に実質的に同一なポリペプチドである。「EphA4と機能的に実質的に同一なポリペプチド」とは、EphA4の有する活性、例えば、MMP又はγ-セクレターゼ依存的に切断活性を有するポリペプチド、すなわち、マトリックスメタロプロテイナーゼ又はγ-セクレターゼの基質となるペプチドを意味する。
本明細書において「置換」とは、好ましくは、ポリペプチドの活性を実質的に改変しないように、1又は複数個(好ましくは1又は数個)のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置換える保存的置換を意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行なうことができる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
前記の欠失、置換、挿入及び/又は付加されてもよいアミノ酸の数は、例えば1〜30個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜2個である。
前記EphA4の変異型のアミノ酸配列は、それぞれの野生型ポリペプチドのアミノ酸配列と、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含む。EphA4と実質的に同じ活性、例えばMMP又はγ-セクレターゼによる切断を受ける活性(MMP又はγ-セクレターゼの基質となる活性)を有する限り、上記相同性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドは本発明において使用される変異型ポリペプチドに含まれる。また、上記MMP又はγ-セクレターゼの基質となる活性のほか、例えば、ポストシナプスの形態を変化させる、特に、EphrinA依存的な形態変化を起こす活性を有する限り、上記変異型ポリペプチドを検出の対象とすることができる。MMP又はγ-セクレターゼの基質となる活性は、ELISAやウェスタンブロッティング等により検出することができる。
前記の同一性は、当業者に公知の相同性検索プログラムを用いて算出される数値であればよく、例えば全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルト(初期設定)のパラメーターを用いることにより、算出することができる。
本発明においてEphA4細胞外ドメインは、内因性のものであることが好ましい。内因性の場合は、被験者の一部に由来するEphA4細胞外ドメインを含む組成物であれば特に限られない。前記被験者の一部は、例えば前記被験者由来の組織、細胞、細胞膜分画、精製された細胞膜などが挙げられる。当該細胞は、例えば中枢神経系の細胞、脳由来の神経細胞、大脳皮質由来の神経細胞、大脳皮質由来の初代培養神経細胞、海馬由来の初代培養神経細胞などの神経細胞、グリア細胞などが挙げられる。
またこれらの細胞において、EphA4細胞外ドメインは、被験者の一部に含有されたままの状態であってもよいし、被験者から調製された細胞溶解物のEphA4細胞外ドメインの分画であってもよい。当該細胞溶解物は、例えばEphA4を含有する細胞を低張液若しくは界面活性剤による溶解、又は超音波破砕若しくは物理的な破砕により調製されたものであってもよく、場合によっては、カラムなどの精製手段を処置したものであってもよい。
EphA4の開裂の解析は、EphA4細胞外ドメイン(N末端側断片)の量を測定するため、全長EphA4に結合する抗体を使用することができるが、EphA4細胞外ドメインを認識する抗体を用いることが必要である。
EphA4細胞外ドメインの定量は、標識された抗体がEphA4細胞外ドメインに結合したときシグナルを測定することにより行うことができる。
前記標識は、例えばビオチン標識、酵素標識、放射性標識、蛍光標識、化学的発光標識などがある。また、標識以外の検出可能な部分を組み込む修飾を施すことも可能である。本発明においては、EphA4の開裂の解析に使用する抗体にこれら標識又は修飾を1つ、2つ、又はそれ以上を備えることができる。
EphA4の開裂の解析に使用する抗体としては、EphA4の抗体が挙げられ、EphA4を認識する抗体であれば特に限定されない。例えば、EphA4細胞外ドメインを認識する抗体を挙げることができる。
当業者であれば免疫原(抗原)を免疫し、モノクローナル抗体の既存の一般的な製造方法に従って製造することができる。例えば、当該抗原を、必要に応じてフロイントアジュバント(Freund's Adjuvant)とともに、非ヒト哺乳動物に免疫する。ポリクローナル抗体は、当該免疫感作動物から得た血清から取得することができる。またモノクローナル抗体は、当該免疫感作動物から得た当該抗体産生細胞と自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)から融合細胞(ハイブリドーマ)を調製し、当該ハイブリドーマをクローン化し、当該哺乳動物の免疫に用いた抗原に対して特異的親和性を示すモノクローナル抗体を産生するクローンを選択することによって製造される。ハイブリドーマからのモノクローナル抗体の製造は、ハイブリドーマをin vitro、又は非ヒト哺乳動物、好ましくはマウス又はラット、より好ましくはマウスの腹水中などのin vivoで行い、得られた培養上清、又は当該哺乳動物の腹水から単離することにより行うことができる。モノクローナル抗体の単離、精製は、上述の培養上清又は腹水を、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAE又はDE52など)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム等のアフィニティカラムクロマトグラフィーに供すること等により行うことができる。当該モノクローナル抗体には、当該抗体を構成する重鎖及び/又は軽鎖の各々のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する重鎖及び/又は軽鎖からなるモノクローナル抗体も包含される。
本発明においては、実施例で示すように、抗ヒトEphA4モノクローナル抗体-No.8(EphA4細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体)などを使用することができる。
本発明においては、EphA4細胞外ドメインは、認知機能障害を伴う神経系疾患の臨床バイオマーカーとして利用することができ、生体試料中のEphA4細胞外ドメインの量を測定することにより、その測定結果を指標として認知機能障害を伴う神経系疾患を検出することができる。
<生体試料>
生体試料としては、特に限定されるものではなく、例えば血液及び血液成分(血清、血漿、血球など)、尿、髄液、唾液、涙液、汗などの生体由来の液体成分(体液ともいう);毛髪、バイオプシーなどで切除された組織の一部などの生体由来の固体成分を挙げることができる。好ましくは血液又は血液成分であり、特に好ましくは血清又は血漿である。なお、生体から採取された試料を直接使用しても、また何かの処理を加えて調製した試料も本発明の生体試料として使用することができる。
<EphA4細胞外ドメインの量の測定>
EphA4細胞外ドメインの量の測定は、十分な検出感度と測定精度を有する方法であれば特に限定はされず、公知の分析方法を採用することができる。例えば、分析方法としてはELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorvent Assay)法、RIA(Radioimmunoassay)法、Sandwich ELISA法、免疫複合体トランスファー(immuno-complex transfer:ICT)法、抗体PCR(immuno-PCR)法、EIA(Enzyme Immuno Assay)法、CLIA(Chemiluminescent Immuno Assay)法、ECLIA(Electrochemiluminescence Immuno Assay)法、FIA(Fluorescent Immuno Assay)法等の免疫学的測定法や、biacore等の表面プラズモン共鳴法が挙げられる。また、公知の分析方法や免疫学的方法を複数組み合わせて測定してもよい。この場合、ICT法と他の免疫学的方法とを組み合わせる方法が好ましく、例えば、ICT-ELISA法、ICT-CLIA法、ICT- immuno-PCR法、ICT-EIA法、ICT-RIA法、ICT-ECLIA法、ICT-FIA法などが好ましい。
本発明において検出の対象となる好ましい認知機能障害を伴う神経系疾患としては、例えばグルタミン酸作動性神経細胞の神経活動が低下している疾患が挙げられる。「グルタミン酸作動性神経細胞の神経活動が低下している」とは、グルタミン酸作動性神経細胞の神経終末部からのグルタミン酸放出量が低下している、あるいは、グルタミン酸作動性神経細胞から投射されている神経細胞のグルタミン酸受容体の機能が低下していることを意味する。グルタミン酸作動性神経細胞の神経活動が低下しているかどうかは、神経活動依存的に切断されるEphA4の切断量の変化を検出することで確認することができる。特に好ましい認知機能障害を伴う神経系疾患としては、例えばアルツハイマー病、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MIC)又は前頭側頭型認知症(ピック病)などが挙げられる。
EphA4細胞外ドメインレベルの平均値は、健常者の血漿1mLあたりでは平均値がおよそ0.1 ng/mLである。これに対し、認知機能障害を伴う神経系疾患患者のうち、アルツハイマー病(AD)患者の多くは健常者の値と比較しておよそ約2分の1以下の濃度であり(P<0.01)、ほとんど検出することができない(検出限界以下)。Mild Cognitive Impairment(MCI)患者の多くも、健常者のレベルの平均値(0.1 ng/mL)に比べて約2分の1以下の濃度で(P < 0.05)、検出限界以下である。従って、本発明においては上記平均値を、認知機能障害を伴う神経系疾患の検出又は診断のための指標とすることができる。
ところで、本発明の方法では、複数の被験者由来の生体組織試料を用いてEphA4細胞外ドメインレベルを測定する場合がある。従って、予め規定された数の認知機能障害を伴う神経系疾患患者(1次母集団)においてEphA4細胞外ドメイン量を測定し、統計解析処理などにより、対照との比較を行うことができる。また、得られた測定値を基本データとして、この基本データと、検出の対象となる単数又は複数の被験者の生体試料由来のEphA4細胞外ドメイン量とを比較することもできる。
さらに、上記測定された被験者のデータが所定値の範囲内のときは前記母集団の値に組み込んでEphA4細胞外ドメインのレベルを再度データ処理し(平均値化等)、対象となる患者(母集団)の例数を増やすこともできる。例数を増やすことにより、認知機能障害を伴う神経系疾患の検出又は診断精度を高めることができる。
<キット>
本発明において、EphA4細胞外ドメインは、認知機能障害を伴う神経系疾患のマーカーとなることから、EphA4細胞外ドメインに結合する抗体は、in vitro実験や認知機能障害を伴う神経系疾患患者を対象とした検査キットとして使用することができる。この場合は、EphA 4細胞外ドメインに結合する抗体のほかに、緩衝液、細胞培養液、EphA4細胞外ドメインに結合する抗体、蛍光色素などから選ばれる少なくとも1つを含むキットの形態とすることができる。キットには、抗EphA4細胞外ドメイン抗体とEphA4細胞外ドメインとの結合アッセイを試験する方法などが記載された使用説明書を同封することもできる。
本発明のキットには、ELISA、イムノブロッティング、ウエスタンブロッティング技術に用いられる器具(例えば、反応容器、ブロッティングメンブレンなど)、試薬(例えば、緩衝液、培養液など)、説明書などを含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<EphA4細胞外ドメイン濃度の測定>
〜ELISA法による測定〜
抗ヒトEphA4細胞外ドメインモノクローナル抗体-No.8(自家製)を精製後、50 mM Tris/HCl (pH7.5)で5 μg/mlの濃度に調製し、マキシソープカップ(NUNC社製)に100 μl/well注入した。カップを湿潤ボックスに入れ、4 ℃で一夜コートした。抗体液を吸引除去後、ブロッキング液(5 % スキムミルク(森永乳業社製)、50 mM Tris/HCl (pH7.5)、150 mM NaCl、0.1 %アジ化ナトリウム)を200 μl/well注入後、室温で2時間又は4 ℃で1日以上ブロッキングした(以下、「No.8カップ」という)。抗ヒトEphA4細胞外ドメインモノクローナル抗体-No.9(自家製)をPeroxidase Labeling Kit-NH2(DOJINDO MOLECULA
R TECHNOLOGIES, Inc.)を用いて、キットに添付されているマニュアルに従って、Peroxi
dase標識を行った(以下、「Peroxidase標識No.9抗体」という)。
No.8カップを洗浄液(50 mM Tris/HCl (pH7.5)、150 mM NaCl、0.01 % Tween20)で3回洗浄し、検体希釈液(5 % スキムミルク(森永乳業社製)、50 mM Tris/HCl (pH7.5)、150 mM NaCl、0.2 % EDTA・3Na、4 % Polyethylene glycol 6000、0.1 % アジ化ナトリウム)で5倍希釈したサンプルを100 μl/well注入し、室温で2時間反応した。洗浄液で3回洗浄後、標識抗体希釈液(5 % スキムミルク(森永乳業社製)、50 mM Tris/HCl (pH7.5)、150 mM NaCl、0.2 %EDTA・3Na、4 %Polyethylene glycol 6000、0.2 % ProClin 150 (SUPELCO, 49376-U))で1500倍希釈したPeroxidase標識No.9抗体を、100 μl/well注入し、室温で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄後、3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine (TMB) Liquid Substrate System for ELISA(SIGMA社製)を100 μl/well注入し、室温で30分反応した。0.5 M H2SO4を100 μl/well注入して反応を停止させた後、OD(450-650 nm)を測定した。精製した組換えヒトEphA4(自家製)をスタンダードとしてEphA4濃度を算出した。
アルツハイマー病患者(AD)10例、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)(MCI)10例、統合失調症患者(Schizophrenia)10例、パーキンソン病患者(PD)4例、健常人(Normal)36例の血漿検体について測定した結果を図2に示す。
AD 10例中8例、MCI 10例中7例、統合失調症10例中4例、PD 4例中0例、Normal 36例中3例が検出限界以下であった。検出限界以下の例に検出限界以下の仮の数値を入れて統計解析を行った結果、Mann-Whitney U-testにおいて危険率1%未満でADはNormalより有意に低値、危険率5 %未満でADはPDより有意に低値であった。同様にMCIは危険率5 %未満でNormalより有意に低値であった。
本発明によりEphA4細胞外ドメインを生物学的指標(バイオマーカー)として、認知機能障害を伴う神経系疾患を検出することができる。

Claims (5)

  1. 認知機能障害を伴う神経系疾患の検出を補助する方法であって
    験者から採取された生体試料と、EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させて、EphA4の細胞外ドメインの量を測定する工程を含み、
    記被験者由来のEphA4の細胞外ドメインの量が、対照よりも低いときは、前記被験者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性があることを示しており、
    前記認知機能障害を伴う神経系疾患が、アルツハイマー病、軽度認知機能障害又は前頭側頭型認知症であり、
    前記生体試料が、血液、血清又は血漿である、前記方法。
  2. 認知機能障害を伴う神経系疾患の診断を補助する方法であって
    験者から採取された生体試料と、EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させて、EphA4の細胞外ドメインの量を測定する工程を含み、
    記被験者由来のEphA4の細胞外ドメインの量が、対照よりも低いときは、前記被験者は認知機能障害を伴う神経系疾患である、又は当該神経系疾患の可能性があることを示しており、
    前記認知機能障害を伴う神経系疾患が、アルツハイマー病、軽度認知機能障害又は前頭側頭型認知症であり、
    前記生体試料が、血液、血清又は血漿である、前記方法。
  3. 前記EphA4の細胞外ドメインの量の測定が、ELISAによる測定である請求項1または2に記載の方法。
  4. EphA4の細胞外ドメインの存在又は量を測定する方法であって、以下の工程:
    (a) 認知機能障害を伴う神経系疾患である又は当該神経系疾患の可能性がある被験者から採取された生体試料と、EphA4の細胞外ドメインに結合する抗体とを接触させる工程、及び
    (b) 前記生体試料中のEphA4の細胞外ドメインの存在又は量を測定する工程
    を含み、
    前記認知機能障害を伴う神経系疾患が、アルツハイマー病、軽度認知機能障害又は前頭側頭型認知症であり、
    前記生体試料が、血液、血清又は血漿である、前記方法。
  5. 前記EphA4の細胞外ドメインの存在又は量の測定が、ELISAによる測定である請求項4に記載の方法。
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