JPWO2008001944A1 - 自己抗体検出用試薬及び自己免疫疾患の診断キット - Google Patents

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Abstract

自己免疫疾患のマーカーとなる新規な自己抗体を見出し、自己免疫疾患を診断するための有効な手段を提供すること。イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IP3R)タンパク質及び/又はその断片を含むことを特徴とする自己抗体検出用試薬。

Description

本発明は、自己抗体の検出用試薬及び自己抗体の検出方法に関する。また本発明は、自己免疫疾患の診断薬に関する。
自己免疫疾患とは、免疫系が内因性抗原に対する抗体を産生することで自己の正常な細胞及び組織に対する過剰な免疫反応が起こることによって発症する疾患の総称であり、代表的な疾患として、慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群(SjS)、全身性硬化症(SSc)、混合性結合組織疾患(MCTD)、分類不能結合組織疾患(UCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、橋本病、原発性胆汁性肝硬変(PBC)などが含まれる。このような自己免疫疾患の診断には、自己の細胞又は組織を抗原として反応する抗体(自己抗体)の検出が行われている。そのような自己抗体としては、抗SS−A/Ro、抗SS−B/La、抗セントロメア抗体などが知られている。例えば最近、本発明者の研究グループは、多様な細胞活性を有する最も豊富なAAA(ATPase関連)であるp97/VCPを見出し(非特許文献11)、これが原発性胆汁性肝硬変患者からの自己免疫血清と反応することを確認した。
シェーグレン症候群(SjS)は外分泌障害の1つであり、主に中年女性において発症し、男性と女性の比率は1:9である。その病因は依然として不明であるが、遺伝的要因、免疫学的要因、環境的要因、及びホルモン(例えばエストロゲンレベルの低下)などの要因が関係していると考えられる(非特許文献1)。シェーグレン症候群は日本に約30万人、米国に約400万人の患者がいると推定されている。
シェーグレン症候群(SjS)の患者は、臨床学的に、ドライアイ(dry eye)、ドライマウス(dry mouse)、T細胞及びB細胞が浸潤する種々の器官における他の全身症状を示す。さらに、これらは1次性シェーグレン症候群(乾燥のみ)と2次性シェーグレン症候群(他の結合組織疾患と合併)に分類される。シェーグレン症候群患者の70%が血清学的にSS−A/Roに対する抗体を有し、1次性シェーグレン症候群(P−SjS)患者の20〜30%がSS−B/Laに対する抗体を有する(非特許文献2)。SS−A/Roに対する自己抗体は、小さな一本鎖RNA(いわゆるY1〜Y5 RNA)及び1以上のタンパク質から構成されるリボ核タンパク質複合体を認識する。最近、自己抗原の1つが52kDaのE3ユビキチニンリガーゼであると報告されている(非特許文献3)。SS−B抗原は、RNAポリメラーゼIII終結因子であると考えられている。さらに、Kiに対する抗体は、最近プロテアソーム(PA 28γ)と同定されたが、シェーグレン症候群患者の10%未満において認められている(非特許文献4)。さらに、α−Fodrinに対する抗体がシェーグレン症候群の数名の患者に存在することが報告されている(非特許文献5)。さらに、シェーグレン症候群で見出されている他の細胞質抗体として、ゴルジ複合体(非特許文献6)、初期エンドソーム抗原1(非特許文献7)、リボソームP、ミトコンドリア及びp97/VCP(非特許文献8)に対する抗体が挙げられる。
一方、小胞体内で四量体Ca2+チャネルを形成することが知られるイノシトール1,4,5−三リン酸受容体(IPR)は、生体細胞におけるカルシウム濃度の調節に寄与する重要な分子の1つである。この受容体は、Ca2+シグナル伝達を介して神経伝達に関与し、生体における形態学的及び生理学的プロセスに関連する他の多くの機能を有する。哺乳動物においては、3つの異なる遺伝子に由来する3種のIPRが同定されている。タイプ1 IPR(IPR1)は、主に脳組織において発現され、運動系及び学習系の調節に重要な役割を果たしている(特許文献1)。またこれは平滑筋及び内皮細胞においても発現される。他の2タイプ、すなわちタイプ2及び3 IPR(IPR2及びIPR3)は、種々の組織及び細胞系において発現される(非特許文献10)。また最近、IPP2及びIPR3ノックアウトマウスは細胞内で小胞体からのCa2+放出の欠損を示し、それゆえ唾液及び膵液の分泌が誘導されないことが示されている(特許文献2及び非特許文献9)。
特開平8−245698号公報 WO2006/062134号パンフレット Fox RI.Sjogren’s syndrome.Lancet 第366巻第321−331頁,2005年 Miyachi K et al.,J Rheumatol.第10巻第387−394頁,1983年 Wada K,and Kamitani T.,Biochem Biophy Res Com 第339巻第415−421頁,2006年 Tanahashi N et al.,Genes Cells 第2(3)巻第195−211頁,1997年 Haneji N et al.,Science 第276巻第604−607頁,1997年 Griffith KJ et al.,Arthritis Rheum 第40巻第1693−1702頁,1997年 Selack S et al.,Clin Immunol 第109巻第154−164頁,2003年 Miyachi K et al.,Clin Exp Immunol 第136巻第568−573頁,2004年 Futatsugi A et al.,Science 第309巻第2232−2234頁,2005年 Furuichi et al.,Nature 第342巻第32−8頁,1989年 Ogura T,and Wilkinson AJ.Genes Cells 第6巻第575−597頁,2001年
本発明は、自己免疫疾患のマーカーとなる新規な自己抗体を見出し、自己免疫疾患を診断するための有効な手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、シェーグレン症候群を含む自己免疫疾患患者の血清中に、イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)に対する自己抗体が高頻度で存在することを見出した。また、異なる自己免疫疾患に由来する血清は、IPRの異なるタイプ又はドメインを認識する可能性があるという知見を得た。以上の知見により、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の(1)〜(3)に関する。
(1)イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)タンパク質及び/又はその断片を含むことを特徴とする自己抗体検出用試薬。
上記自己抗体検出用試薬において、IPRは、例えばマウス又はヒト由来のIPRである。またIPRは、タイプ1 IPR、タイプ2 IPR、及びタイプ3 IPRからなる群より選択される少なくとも1つである。また、IPRタンパク質の断片としては、例えば限定されるものではないが、IPR1若しくはIPR2の224〜604番のアミノ酸、IPR1若しくはIPR2の1〜604番のアミノ酸、又はIPR1の1〜2217番のアミノ酸若しくはIPR2の1〜2171番のアミノ酸を含む断片が挙げられる。
上記自己抗体検出用試薬において、IPRタンパク質及び/又はその断片は固相に固定されていてもよく、また標識されていてもよい。
(2)サンプル中の抗イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)抗体を検出することを特徴とする自己抗体の検出方法。
上記方法は、例えば、サンプルとIPRタンパク質及び/又はその断片とを接触させ、該IPRタンパク質又はその断片との反応を測定することにより該サンプル中の抗IPR抗体を検出することを含む。
(3)上記(1)の自己抗体検出用試薬を含むことを特徴とする自己免疫疾患診断キット。
上記診断キットの診断対象となる自己免疫疾患は、例えば慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群(SjS)、全身性硬化症(SSc)、混合性結合組織疾患(MCTD)、分類不能結合組織疾患(UCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、橋本病、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、潰瘍性大腸炎、クローン病、及びベーチェット病からなる群より選択される。
また、上記診断キットにおける自己抗体検出用試薬は、全長IPR1、全長IPR2、全長IPR3、及びこれらの一部断片からなる群より選択される少なくとも1つのIPR全長タンパク質及び/又はその断片を含む。より好ましくは、全長IPR1、全長IPR2、及び全長IPR3、並びにIPR1若しくはIPR2の224〜604番のアミノ酸、IPR1若しくはIPR2の1〜604番のアミノ酸、及びIPR1の1〜2217番のアミノ酸若しくはIPR2の1〜2171番のアミノ酸を含む断片からなる群より選択される少なくとも1つのIPRタンパク質及び/又はその断片を含む。
また上記診断キットは、抗SS−A/Ro抗体、抗SS−B/La抗体、抗U1RNP抗体、抗Sm抗体、抗Scl70抗体、抗Ki抗体、抗Ku抗体、抗rRNP抗体、抗Wa抗体、抗p95c/p97/VCP抗体、抗セントロメア抗体、抗核抗体、及びリウマトイド因子からなる群より選択される少なくとも1つの自己抗体の検出用試薬をさらに含んでもよい。
本発明は、人体から取得したサンプル中の抗イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)抗体を検出する工程を含む、自己免疫疾患の発症可能性及び/又は発症の有無を評価する方法に関する。より具体的には、上記サンプルとしては例えば血清を用い、被験者の血清中に抗IPR抗体が検出された場合には、何れかの自己免疫疾患に将来的に罹病する可能性がある、あるいは既に罹病している虞があると評価する方法に関する。すなわち、抗IPR抗体を自己免疫疾患の一指標として利用する方法に関する。
なお、いうまでもないが、被験者が自己免疫疾患に罹病しているか否かの最終的な診断は、既に確立されたあるいは将来的に確立される診断手法に従い、医師により行われる。本発明はその前診断として有用な方法である。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2006−179403号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図1は、IPRの5つのドメインの構造モデルを示す。
図2は、種々の自己免疫疾患患者、正常健常被験者由来の血清、及び対照として抗IPR抗体を用いたマウスIPRの3つのタイプのイムノブロット分析を示す。
図3は、RA及びSLE患者由来血清を用いたイムノブロット分析の代表的な写真を示す。
図4は、SjS患者由来血清を用いたイムノブロット分析の代表的な写真を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
イノシトール1,4,5−三リン酸受容体(IPR)は、Ca2+シグナル伝達を介して神経伝達に関与し、生体における形態学的及び生理学的プロセスに関連する他の多くの機能を有することが知られているが、今回、種々の自己免疫疾患患者においてイノシトール1,4,5−三リン酸受容体(IPR)に対する抗体の存在が認められた。従って、本発明は、被験者におけるイノシトール1,4,5−三リン酸受容体(IPR)に対する自己抗体の存在を検出することによって、自己免疫疾患を診断するための手段及び方法を提供する。
本発明においては、自己抗体の存在を検出するため及び/又は自己免疫疾患を診断するために、自己抗体の存在を検出することができる手段、具体的には抗原抗体反応に基づいて自己抗体を検出することができる手段、すなわちIPRタンパク質及び/又はその断片、を使用する。
IPRは、ヒト、マウス、ラット、ヒトデ、線虫、ショウジョウバエ、アフリカツメガエル及びロブスターなどにおいて単離されており、また哺乳動物のIPRでは少なくとも3つのサブタイプが存在することが知られている。しかしながら、IPRのタイプ間でのアミノ酸配列の相同性は高く、また動物種差による違いもあまりないことが知られている(例えば、Maranto AR.,J.Biol.Chem.269:1222−1230,1994;Hattori et al.,J.Biol.Chem.279:11967−11975,2004;Yamada N.et al.,Biochem.J.302:781−790,1994)。従って、本発明においては、任意の動物種由来の任意のタイプのIPRタンパク質及びその断片を使用することができると考えられる。例えば、ヒトとマウスのIPRタンパク質は95〜98%の相同性があり、実際、後述する実施例においては、マウスIPRタンパク質又はその断片を使用してヒト被験者由来の血清との反応を検出することができた。
代表的なIPRの配列情報は公的なデータベースより取得することができる。例えばマウス由来のタイプ1イノシトール1,4,5−三リン酸受容体(IPR1)は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し、配列番号1に示される塩基配列によりコードされる(GenBankアクセッション番号X15373;Furuichi et al.,Nature 342:32−38,1989等)。また、マウス由来のタイプ2 IPR(IPR2)は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有し、配列番号3に示される塩基配列によりコードされる(GenBankアクセッション番号AB182288;Iwai et al.,J.Biol.Chem.280:10305−10317,2005)。マウス由来のタイプ3 IPR(IPR3)は、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有し、配列番号5に示される塩基配列によりコードされる(GenBankアクセッション番号AB182289;Iwai et al.,J.Biol.Chem.280:10305−10317,2005)。また、ヒト由来のIPR1はGenBankアクセッション番号D26070、L38019及びU23850に、ヒトIPR2はGenBankアクセッション番号D26350に、ヒトIPR3はGenBankアクセッション番号D26351及びU01062に登録されており、また特開平8−245698号公報、特開平8−134097号公報、Yamada et al.,Biochem J.302:781−790,1994;Harnick et al.,J.Biol.Chem.270:2833−2840,1995;Nucifora et al.,Mol.Brain Res.32:291−296,1995;Yamamoto−Hino et al.,Recept.Channels 2:9−22,1994;及びMaranto,J.Biol.Chem.269:1222−1230,1994にそのアミノ酸配列及び塩基配列情報が記載されている。ラット由来のIPR1、IPR2及びIPR3は、それぞれGenBankアクセッション番号J05510、X61677及びL06096に登録されている(Mignery et al.,J.Biol.Chem.265:12679−12685,1990;Sudhof et al.,Embo J.10:3199−3206,1991;Blondel et al.,J.Biol.Chem.268:11356−11363,1993)。アフリカツメガエルIPR1はGenBankアクセッション番号D14400に登録されており(Kume et al.,Cell 73:555−570,1993)、ヒトデIPRはGenBankアクセッション番号AB071372に登録されており(Iwasaki et al.,J.Biol.Chem.277:2763−2772,2002)、ショウジョウバエIPRはGenBankアクセッション番号D90403に登録されており(Yoshikawa et al.,J.Biol.Chem.267:16613−16619,1992)、ロブスターIPRはGenBankアクセッション番号AF055079に登録されており(Munger et al.,J.Biol.Chem.275:20450−20457,2000)、線虫IPRはGenBankアクセッション番号AJ243179−82に登録されている(Baylis et al.,J.Mol.Biol.294:467−476,1999)。
本発明において、IPRタンパク質は、抗IPR抗体との反応性を有する限り、天然IPRタンパク質のアミノ酸配列に1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるものであってもよい。例えば、配列番号2、4若しくは6に示されるアミノ酸配列の1〜5個、好ましくは1〜3個のアミノ酸が欠失してもよく、配列番号2、4若しくは6に示されるアミノ酸配列に1〜5個、好ましくは1〜3個のアミノ酸が付加してもよく、あるいは、配列番号2、4若しくは6に示されるアミノ酸配列の1〜5個、好ましくは1〜3個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換したものも、本発明において用いることができる。特に、配列番号2、4若しくは6に示されるアミノ酸配列における1若しくは数個のアミノ酸が保存的置換されていることが好ましい。「保存的置換」とは、当技術分野で公知であり、あるアミノ酸が、そのアミノ酸と類似の性質を示すアミノ酸と置換されることをいう。例えば、中性(極性)アミノ酸(Asn、Ser、Gln、Thr、Tyr、Cys)、中性(非極性、すなわち疎水性)アミノ酸(Gly、Trp、Met、Pro、Phe、Ala、Val、Leu、Ile)、酸性(極性)アミノ酸(Asp、Glu)、塩基性(極性)アミノ酸(Arg、His、Lys)が、同じ性質を有するアミノ酸と置換される。
また例えば、天然のIPRタンパク質のアミノ酸配列に対し、少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の配列相同性又は同一性を示すアミノ酸配列からなるポリペプチドもまた本発明において用いることができる。なお、アミノ酸配列の相同性又は同一性は、当技術分野で公知の方法により容易に求めることができる。
IPRタンパク質の断片は、抗IPR抗体との反応性を有する限り、任意の長さの任意の部分の断片とすることができる。抗体に対する反応性(抗原性)を保持するアミノ酸の長さは、当技術分野において約5〜6アミノ酸であることが知られている。従って、IPRタンパク質の断片は、少なくとも5アミノ酸又は6アミノ酸を含むポリペプチドとすることができる。またIPRは、図1に示すような5つの機能ドメイン、すなわちN末端カップリングドメイン、IP結合コアドメイン(コア)、中央カップリング・調節ドメイン、膜貫通ドメイン、及びゲートキーパードメインから構成されている(Uchida,K.et al.,J Biol Chem 2003 278:16551−16560)。IPRの各ドメインの位置及び境界は当業者であれば文献などを参照して容易に理解することができる。IPRタンパク質の断片は、例えばこれらのドメインのいずれかを含む又はそれからなるポリペプチド断片とすることができる。好ましくは、IP結合コアドメイン(コア)、N末端カップリングドメインとIP結合コアドメインからなるIP結合ドメイン(T604)、及びN末端カップリングドメインとIP結合コアドメインと中央カップリング・調節ドメインからなるN末端細胞質領域(EL)を含むポリペプチド断片を用いる(図1)。なお、これに限定されるものではないが、コア(IP結合コアドメイン)はマウスIPR1及びIPR2の224〜604アミノ酸残基に位置し、T604(IP結合ドメイン)は、マウスIPR1及びIPR2の1〜604アミノ酸残基に位置し、EL(N末端細胞質領域)は、マウスIPR1の1〜2217アミノ酸残基又はIPR2の1〜2171アミノ酸残基に位置する。これらの断片の例についての詳細は、例えばUchidaら(前掲)、特開2005−304360号公報、特開2000−135095号公報、及び特開2005−58116号公報などを参照されたい。
IPRタンパク質又はその断片は、天然に単離してもよいし、あるいはその配列情報に基づいて化学合成により又は組換え手法を用いて生成することも可能である。
IPRタンパク質を天然に単離する場合には、公知の単離・精製方法を用いることができる。例えば、IPRタンパク質に対する抗体を用いたアフィニティクロマトグラフィにより簡便に精製することができる(特開平6−135997号公報)。
また、遺伝子組換え手法を用いる場合には、IPRタンパク質又はその断片をコードする核酸は、生体組織又は培養細胞などより抽出したRNAから精製したmRNAを用いて、IPR遺伝子の配列に基づいて設計したプライマーを用いた逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により、又はIPR遺伝子の配列に基づいて設計したプローブを用いたcDNAライブラリーからのスクリーニングにより得ることができる。あるいは、生体組織又は培養細胞などより抽出したDNAを鋳型として、IPR遺伝子の配列に基づいて設計したプライマーを用いたプライマーを用いて核酸増幅反応(例えばPCRなど)を行うことにより、IPRタンパク質又はその断片をコードする核酸を得ることができる。また、変異を有するIPRタンパク質又はその断片をコードする核酸の調製方法は、当技術分野で公知である。
本発明において、IPRタンパク質又はその断片を組換え発現させるための発現ベクターは、上記核酸を適当なベクターに連結することにより得ることができる。また、上記核酸又は発現ベクターを、目的のタンパク質が発現し得るように宿主細胞中に導入することにより、形質転換体を作製することができる。
ベクターは、プラスミド、ファージミド、ウイルスに基づくベクター、人工染色体などの公知のベクターであれば任意のものを用いることができる。プラスミドDNAとしては、細菌由来のプラスミド(例えばpBluescript系等)、酵母由来のプラスミドなどが挙げられ、ファージミドDNAとしてはλファージ(λgt10、λZAP等)が挙げられる。さらに、レトロウイルス、アデノウイルス及びワクシニアウイルスなどの動物ウイルスベクター、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクター(pBlueBac4.5、pFastBac1等)、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、ヒト人工染色体(HAC)などを用いて形質転換体を作製することができる。
ベクターに核酸を挿入するには、例えば、精製された核酸を適当な制限酵素で切断し、ベクターDNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する。ベクターが宿主細胞において自立複製されるか、又はベクター上の核酸が宿主細胞のゲノムに組み込まれて、宿主細胞においてIPRタンパク質又はその断片が発現されるようにベクターを構築する必要がある。そこで、ベクターには、プロモーター、核酸のほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)、相同配列などを連結することが好ましい。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。また、IPRタンパク質又はその断片の精製を容易にするため、シグナル配列、Hisタグなどを付加してもよい。これらの各種配列とベクターとを連結させるには、公知のDNAリガーゼを用いる。そして、上記各種配列とベクターとをアニーリングさせた後に連結させ、発現ベクターを作製する。
形質転換に使用する宿主としては、導入される核酸を発現し、タンパク質を産生できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、細菌(大腸菌BL21系等)、酵母(サッカロミセス・セレビシエ等)、動物細胞(COS細胞、CHO細胞等)、昆虫細胞(Sf9細胞、Sf21細胞等)などが挙げられる。
細菌又は酵母への核酸又は発現ベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。また、動物細胞、昆虫細胞への核酸又は発現ベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
形質転換体は、導入する遺伝子内に構成されるマーカー遺伝子の性質を利用して選択される。例えば、ネオマイシン耐性遺伝子を用いた場合には、G418薬剤に抵抗性を示す細胞を選択する。
IPRタンパク質又はその断片は、それをコードする核酸が導入された前記形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、培養細胞又は細胞破砕物のいずれをも意味するものである。形質転換体を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
細菌又は酵母を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、約20〜40℃で約1〜24時間行う。培養期間中、pHは中性付近に保持する。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。動物細胞又は昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地にウシ胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO存在下、約37℃で約1〜7日間行う。培養中は必要に応じてストレプトマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
培養後、IPRタンパク質又はその断片が細胞内又は菌体に生産される場合には、細胞又は菌体を破砕することによりタンパク質を抽出する。また、IPRタンパク質又はその断片が細胞外又は菌体外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により細胞又は菌体を除去する。
化学合成又は組換え手法により生成されたIPRタンパク質又はその断片は、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、単離精製することができる。
目的のIPRタンパク質又はその断片が得られたか否かは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は硫酸ドデシルナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)等により確認することができる。
また、IPRタンパク質の断片を化学合成する場合には、公知のペプチド合成手法に従って、例えば市販のペプチド合成機や市販のペプチド合成用キットを用いて合成することができる。ペプチドの合成手法は、例えばPeptide Synthesis,Interscience,New York,1996;The Proteins,Vol.2,Academic Press Inc.,New York,1976などの文献に記載されている。
あるいは、IPRタンパク質の断片は、上述のように単離した又は組換え手法により作製したIPRタンパク質を化学的に又は酵素的に切断することによって得ることもできる。
得られたIPRタンパク質又はその断片が自己抗体と反応するか否かは、該タンパク質又はその断片を、自己免疫疾患患者から得られた血清と又は公知の抗IPR抗体と反応させることにより確認することができる。
上述のIPRタンパク質又はその断片を用いて、サンプル中の抗IPR抗体を検出することが可能である。この検出は、抗原−抗体反応を測定する方法、すなわち免疫学的測定方法であれば、任意の方法に基づいて実施することができる。例えば、抗IPR抗体の検出は、イムノアッセイ(酵素イムノアッセイ(ELISA、EIA)、蛍光イムノアッセイ、放射性イムノアッセイ(RIA)、免疫クロマト法及びイムノブロット法等)、オクタロニー法(免疫二重拡散法)並びに免疫組織化学染色法及び免疫電顕法などを利用して実施することができる。 対象となるサンプルは、自己抗体の存在を検出しようとするサンプルであれば特に限定されるものではなく、例えば、全血、血清又は血漿を含む血液サンプル、唾液、髄液、関節液又は尿を含む体液サンプル、細胞又は組織を含む固形サンプルなどを用いることができる。特に、自己抗体の存在を検出しようとする被験者に由来する血液サンプルが好ましい。
免疫学的測定方法においては、サンプル中の抗IPR抗体をIPRタンパク質又はその断片と結合させて、その結合を検出することによって、抗IPR抗体を検出する。本発明において「検出」とは、抗IPR抗体の存在の有無を検出することだけではなく、抗IPR抗体を定量的に検出することも含む。
抗IPR抗体についてのイムノアッセイは、典型的には、試験対象のサンプルをIPRタンパク質又はその断片と接触させ、当技術分野で公知の手法を用いて抗IPR抗体と結合したIPRタンパク質又はその断片を検出することを含む。「接触」は、サンプル中に存在する抗IPR抗体とIPRタンパク質又はその断片とが結合できるように近接することができる状態にすることを意味し、例えば、液状サンプルとIPRタンパク質又はその断片を含有する溶液とを混合すること、液状サンプルにIPRタンパク質又はその断片を添加すること、IPRタンパク質又はその断片を含むゲルプレートの穴又はウエルなどに液状サンプルを添加すること、固形サンプルに対してIPRタンパク質又はその断片を含有する溶液を塗布することなどの操作が含まれる。
イムノアッセイは、液相系及び固相系のいずれで行ってもよい。検出の容易性の点で、固相系を利用することが好ましい。またイムノアッセイの形式も限定されるものではなく、直接固相法の他、サンドイッチ法、競合法などであってもよい。
アッセイの操作法は、公知の方法(Ausubel,F.M.ら編,Short Protocols in Molecular Biology,Chapter 11″immunology″John Wiley & Sons,Inc.1995)により行うことができる。例えば、イムノブロッティング(ウエスタンブロッティング)を利用することができる。あるいは、IPRタンパク質又はその断片と抗体との複合体を、公知の分離手段(クロマト法、塩析法、アルコール沈殿法、酵素法、固相法、免疫拡散法等)によって分離し、標識のシグナルを検出するようにしてもよい。
イムノアッセイの一例として、例えば固相系を利用する場合、IPRタンパク質又はその断片を固相支持体又は担体(樹脂、膜、フィルム、ビーズ、ゲルなど)に固定してもよいし、あるいはサンプルを固定してもよい。例えば、IPRタンパク質又はその断片を固相支持体に固定し、支持体を適当なバッファーで洗浄した後、サンプルを用いて処理する。次に固相支持体にバッファーを用いた2回目の洗浄を行って、未結合のサンプルを除去する。そして固体支持体上の結合した抗体の量を、慣用的な手段により検出することによって、サンプル中の自己抗体とIPRタンパク質又はその断片との結合を検出することができる。
固相支持体又は担体としては、合成有機高分子化合物(ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン等)、多糖類(デキストラン誘導体、セルロース、アガロースゲル等)、無機高分子化合物(ガラス、シリカ、シリコン等)が挙げられる。また担体の形状は、平板状、粒子状、管状、繊維状、膜状、微粒子状などの任意の形状であってよい。IPRタンパク質又はその断片を担体に結合するには、物理的吸着、イオン結合、共有結合などを利用してもよいし、あるいは他の基(リンカー)を介して結合してもよい。
抗体の結合活性は、周知の方法に従って測定しうる。当業者であれば、採用するイムノアッセイの種類及び形式、使用する標識の種類及び標識の対象などに応じて、各アッセイについての有効かつ最適な測定方法を決定することができる。
本発明の一実施形態においては、サンプル中に存在する自己抗体とIPRタンパク質又はその断片との反応を容易に検出するために、IPRタンパク質又はその断片を標識することにより該反応を直接検出するか、又は標識二次抗体若しくはビオチン−アビジン複合体等を用いることにより間接的に検出する。本発明で使用可能な標識の例とその検出方法について以下に記載する。
酵素イムノアッセイの場合には、例えば、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アミラーゼ等を用いることができる。また、酵素阻害物質や補酵素等を用いることもできる。これら酵素との結合は、グルタルアルデヒド、マレイミド化合物等の架橋剤を用いる公知の方法によって行うことができる。
蛍光イムノアッセイの場合には、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等を用いることができる。これらの蛍光標識は、慣用の手法により結合させることができる。
放射性イムノアッセイの場合には、例えば、トリチウム、ヨウ素125及びヨウ素131等を用いることができる。放射性標識は、クロラミンT法、ボルトンハンター法等の公知の方法により結合させることができる。
例えば、IPRタンパク質又はその断片を上記のように標識で直接標識する場合には、サンプルを標識したIPRタンパク質又はその断片と接触させて、IPRタンパク質又はその断片−自己抗体の複合体を形成させる。そして未結合の標識IPRタンパク質又はその断片を分離して、結合した標識IPRタンパク質又はその断片の量又は未結合の標識IPRタンパク質又はその断片の量よりサンプル中の自己抗体量を測定することができる。
また例えば、標識二次抗体を用いる場合には、IPRタンパク質又はその断片とサンプルとを反応させ(1次反応)、得られた複合体にさらに標識二次抗体を反応させる(2次反応)。1次反応と2次反応は逆の順序で行ってもよいし、同時に行ってもよいし、又は時間をずらして行ってもよい。1次反応及び2次反応により、IPRタンパク質又はその断片−自己抗体−標識二次抗体の複合体、あるいは自己抗体−IPRタンパク質又はその断片−標識二次抗体の複合体が形成される。そして未結合の標識二次抗体を分離して、結合標識二次抗体量又は未結合標識二次抗体量よりサンプル中の自己抗体量を測定することができる。
ビオチン−アビジン複合体系を利用する場合には、ビオチン化したIPRタンパク質又はその断片とサンプルとを反応させるか、あるいはIPRタンパク質又はその断片とサンプルとを反応させた後にビオチン化二次抗体を反応させ、それにより得られた複合体に標識を付加したアビジンを反応させる。アビジンは、ビオチンと特異的に結合することができるため、アビジンに付加した標識のシグナルを検出することによって、自己抗体とIPRタンパク質又はその断片との結合を測定することができる。アビジンに付加する標識は特に限定されるものではないが、例えば酵素標識(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)が好ましい。
標識シグナルの検出もまた、当技術分野で公知の方法に従って行うことができる。例えば、酵素標識を用いる場合には、酵素作用によって分解して発色する基質を加え、基質の分解量を光学的に測定することによって酵素活性を求め、これを結合した自己抗体量に換算してもよいし、あるいはサンプルの希釈系列を利用して自己抗体の存在度を希釈率から評価してもよい。基質は、使用する酵素の種類に応じて異なり、例えば酵素としてペルオキシダーゼを使用する場合には、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)、ジアミノベンジジン(DAB)等を、また酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、パラニトロフェノール等を用いることができる。蛍光標識は、例えば蛍光顕微鏡、プレートリーダー等を用いて検出及び定量することができる。放射性標識を用いる場合には、放射性標識の発する放射線量をシンチレーションカウンター等により測定する。
本発明の好ましい実施形態においては、IPRタンパク質又はその断片の少なくとも1種、好ましくはIPRタンパク質のタイプ1、タイプ2及びタイプ3、並びにIPRタンパク質の断片(例えばコア、T604及びEL)からなる群より選択される複数種を、固相(例えば膜、チップ、プレートなど)に結合させ、ブロッキング処理を行う。この固相に対して、被験者由来の血液サンプルをアプライする。好ましくは血液サンプルの希釈系列を調製し、それぞれを固相にアプライする。洗浄して未反応サンプルを除去した後、標識した二次抗体(例えば抗ヒトIgG抗体など)をアプライする。未反応二次抗体を洗浄除去した後、固相上の標識に基づいて、サンプル中の自己抗体を検出する。
上述の通り、本発明の自己抗体検出用試薬を用いることによって、サンプル中の抗IPR抗体の検出を容易かつ簡便に行うことができる。
また本発明の自己抗体検出用試薬は、自己免疫疾患の診断キットにおいて用いることができる。診断対象となる自己免疫疾患は、抗IPR抗体を自己抗体として発現する自己免疫疾患であれば特に限定されるものではなく、例えば、慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群(SjS)、全身性硬化症(SSc)、混合性結合組織疾患(MCTD)、分類不能結合組織疾患(UCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、橋本病、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病などが挙げられる。
本発明の診断キットは、上記の自己抗体検出用試薬、すなわちIPRタンパク質及び/又はその断片を含む。診断キットは、1つのタイプのIPRタンパク質及び/又はその断片を含んでもよいし、あるいは複数のタイプのIPRタンパク質及び/又はその断片を含んでもよい。好ましくは、全長IPR1、全長IPR2及び全長IPR3、並びにIPR1若しくはIPR2の224〜604番のアミノ酸、IPR1若しくはIPR2の1〜604番のアミノ酸、及びIPR1の1〜2217番のアミノ酸若しくはIPR2の1〜2171番のアミノ酸を含む断片からなる群より選択される少なくとも1つのIPRタンパク質及び/又はその断片を含み、特に好ましくは上記の全長IPRタンパク質及びその断片を全て含む。
診断キットに含まれる自己抗体検出用試薬は、上述のように固相に固定されていてもよい。例えば、IPRタンパク質又はその断片のいずれか1つが固相に固定されていてもよいし、複数種のIPRタンパク質及び/又はその断片が同じ固相又は異なる固相に固定されていてもよい。また、自己抗体検出用試薬は、上述のように標識されていてもよい。
また、本発明の診断キットは、免疫学的測定方法を実施するために有用なさらなる成分を含有してもよい。そのような成分としては、抗原抗体反応を検出するための、例えば免疫沈降法、イムノアッセイ法(EIA、RIA、ELISA等)、イムノブロッティング法などの方法の実施に必要な成分が挙げられる。例えば、バッファー、サンプル処理用試薬、標識、二次抗体、陽性対照、陰性対照などである。
診断キットの形態は、特に限定されるものではないが、自己抗体検出用試薬含有溶液を含む容器、自己抗体検出用試薬が固定された固相(膜、チップ、プレートなど)、凍結乾燥した自己抗体検出用試薬を含む容器などの形態をとることができる。
上記診断キットは、自己免疫疾患への罹患を検査しようとする被験体又は自己免疫疾患患者から採取したサンプル中に含まれる抗IPR抗体を検出することによって、該被験体の自己免疫疾患の罹患の有無、疾患の状態及び進行、並びに疾患の罹患リスクを迅速かつ簡便に判定することができる。このような免疫学的測定方法を利用した疾患の診断キットは周知であり、当業者であれば、公知の免疫学的測定方法において本発明の診断キットを用いることができる。
また本発明の診断キットは、自己抗体の検出及び/又は自己免疫疾患の診断に用いられている他の成分を含んでもよい。そのような成分としては、例えば、抗SS−A/Ro抗体、抗SS−B/La抗体、抗U1RNP抗体、抗Sm抗体、抗Scl70抗体、抗Ki抗体、抗Ku抗体、抗rRNP抗体、抗Wa抗体、抗p95c/p97/VCP抗体、抗セントロメア抗体(ACA)、抗核抗体(ANA)、リウマトイド因子(RF)などの自己抗体を検出するための試薬が挙げられる。このような試薬は市販品、例えば株式会社医学生物学研究所(MBL)製のものを用いてもよいし、あるいは文献に記載の試薬を用いてもよい。
診断キットにおいて、上記の自己抗体の検出及び/又は自己免疫疾患の診断のための他の成分は、固相に固定されていてもよい。その場合、他の成分は別個に固定されていてもよいし、あるいは本発明の自己抗体検出用試薬(IPRタンパク質及び/又はその断片)と一緒に固相に固定されていてもよい。例えば、全ての成分が同一固相上に固定され、1回の反応操作によってサンプル中の種々の自己抗体の存在を検出できることが好ましい。
サンプル中の抗IPR抗体の存在、又はサンプル中の抗IPR抗体及び他の自己抗体の存在を検出することによって、自己免疫疾患を簡便かつ高精度に診断することが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例においては、種々の自己免疫疾患患者における抗IPR抗体の存在を調べた。
患者は、74名のシェーグレン症候群患者(35名の1次性(P−SjS)、39名の2次性シェーグレン症候群(S−SjS)患者)、144名の関節リウマチ(RA)患者、96名の他の結合組織疾患患者(CTP)、及び33名の正常な健常被験者(NHS)を含む。シェーグレン症候群(SjS)の診断は、SjSについての欧州又は国際基準のいずれかで行った(Vitali C.et al.,Ann Rheum Dis 53:637−647,1994;Vitali C.,Ann Rheum Dis 62:94−95,2003;author’s reply 95)。以下の4つの項目のうち2つを満たす場合には、SjSの診断を行った:(1)組織病理学的試験が、各唇小管又は涙小管の周囲に浸潤した50個を超えるリンパ球を示す。(2)口内試験が、唾液腺撮影法(Rubin P and Holt JF.Am J Roentgenol 1957;77:575−598)によりステージ1以上である、又は唾液シンチグラフィにより唾液の分泌量低下(Gum試験により10分当たり10ml未満、又はSaxon試験により2分当たり2g未満)及び分泌障害を示す。(3)眼の試験が、シルマー試験により5分当たり5mm湿潤を示す、及びローズベンガル試験においてvan Bijsterveldスコア3以上を示す。(4)血清学的試験が、抗SS−A/Ro抗体又は抗SS−B/La抗体の存在を示す(Fujibayashi K et al.,The report to Japanese Ministry of Welfare.135−138,1999)。
RA、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(SSc)の診断は標準的な基準に従って行った。全ての患者と医師からこの試験について書面で同意を得た。
抗IPR抗体を検出するため、以下のようにイムノブロッティングを実施した。Iwaiら(Iwai M et al.,J Biol Chem 2005,18:280:10305−17)に記載のようにマウスIPRを過剰発現するSf9細胞からミクロソーム画分を調製した。具体的には、Sf9細胞にマウスIPRタンパク質のいずれか1タイプをコードするcDNAを含有する組換えバキュロウイルスを感染させ、Sf9細胞において各々のタイプのIPRを発現させた。各タイプのIPRタンパク質を5%SDS−PAGEで分離させ、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜に転写した。膜をPBST(PBS+0.05%Tween20)中3%スキムミルクでブロッキングした後、血清と共にインキュベートした。血清(1:300)とのインキュベーションは、4℃で一晩実施した。PBSTで3回洗浄後、膜を抗ヒトIgG(h&l)抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼ複合体(BETHYL laboratories,INC;1:2000)と共に室温で1時間インキュベートした。ECLウエスタンブロッティング検出試薬(GE Healthcare)を用いてブロットを発色させた。シグナル強度は、Scion Imageソフトウエア(Scion Corporation)を用いて計算した。この値は、少なくとも3回の測定値の平均とした。これらのシグナル強度は半定量的であり、いずれかのタイプのIPRタンパク質に対するシグナル強度が80(NHSの平均値の2倍以上)を超える血清を便宜的に陽性とした。なお、実施例において、2群間の数値はχ二乗検定を用いて比較し、p値<0.05の場合に有意とみなした。
その結果を以下の表1に示す。抗IPR抗体は、P−SjS患者35名のうち22名(62.9%)において、S−SjS患者39名のうち12名(30.8%)において認められた。これらのSjS患者で観察された頻度は、正常な健常被験者において認められた9.1%よりも有意に高かった。また、抗IPR抗体は、RAにおいて53.3%(66名/124名)、他のCTDにおいて48.2%(26名/54名)及び他の自己免疫疾患において39.2%(9名/23名)に存在した。
図2は、代表的なP−SjS患者、S−SjS患者、RA患者及びSLE患者の血清、正常な健常被験者(NHS)の血清、並びにウサギ由来の抗IPR抗体(Hattori,M.et al.,J Biol Chem 2004 279,11967−75)と組換えタンパク質IPR1、IPR2、及びIPR3との反応性についてイムノブロットにより得られた種々のパターン(1セット)を表す。図2中、写真の上に示す数(1〜3)はIPRの各タイプを表し、IPR1の位置は矢じりで示し、IPR2及びIPR3の位置は星印で示す。また、写真の下に示す数は被験者の血清番号を表す。
P−SjS患者由来の3つの血清(No.173、218及び228)は、タイプ1においてタイプ2又は3よりも濃いバンドを生じた。S−SjS患者由来の3つの血清(No.50、223及び227)は、タイプ3においてタイプ1又は2よりも濃いバンドを生じた。RA患者由来の4つの血清(No.26、141、155及び278)は、タイプ2においてタイプ1又は3よりも濃いバンドを生じた。NHS由来の4つの血清は、有意なバンドを示さず、ウサギ由来の陽性対照血清はIPR1、IPR2及びIPR3に対して特異的に反応した。また興味深いことに、IPR2ドミナントに対する自己抗体は、乾燥症状のないRA患者124名のうち19名(15.4%)において認められた。
従って、自己免疫疾患患者血清中の抗IPR抗体は、その疾患の種類によって異なるエピトープを認識することが示唆される。
〔実施例2〕
本実施例においては、種々の自己免疫疾患患者における抗IPR抗体の存在と公知の他の自己抗体の存在を調べた。
具体的には、実施例1における自己免疫疾患患者における自己抗体(SS−A/Ro抗体、SS−B/La抗体、U1RNP抗体、Sm抗体、Scl70抗体、Ki抗体、Ku抗体、rRNP抗体、Wa抗体、及びp95c/p97/VCP抗体を含む)の存在を、二重免疫拡散法によりスクリーニングした(Miyachi K,Matsushima H,Hankins RW,et al.A novel antibody directed against a three−dimensional configuration of a 95−kDa protein in patients with autoimmune hepatic diseases.Scand J Immunol 1998;136:568−573)。なお、正確な頻度を決定するために、39名のS−SjS患者をCTDに再度分類した。それにより、RA、SLE、SSc及びMCTDの数はそれぞれ144名、34名、26名及び6名となった。
さらに、SS−A/Ro、SS−B/La、U1RNP、Sm及びScl70(トポイソメラーゼ1)に対する抗体を市販のキットを用いてELISAで確認した。抗Ki、抗Ku(Mimori T et al.,Proc Nath Acad Sci USA 1990;87:1777−81)、抗rRNP、抗Wa(Miyachi K et al.,J Rheumatol 1991;18:373−378)、抗WS(Matsumura M et al.,Arthritis Rheum 1996;44:877−882)及び抗p97/VCP(Miyachi K et al.,Clin Exp Immunol 2004;136:568−73)の確認については免疫沈降法を用いて確認した。抗セントロメア抗体は、公知のRIA又はELISAを用いて確認した(柏崎他、臨床免疫21(suppl.14)春期特別増刊号:571−578,1989)。
その結果を表2に示す。P−SjS及びS−SjSにおいて観察された抗SS−A/Ro抗体の頻度は、それぞれ35名のうち22名(62.9%)、39名のうち23名(59%)であった。抗セントロメア抗体は、P−SjS患者35名のうち3名(8.6%)、S−SjS患者39名のうち4名(10.3%)、SSc患者26名のうち10名(38.5%)で観察された。抗Ki抗体は、P−SjS患者35名のうち1名(2.9%)、S−SjS患者39名のうち4名(10.3%)、SLE患者34名のうち8名(23.6%)で観察された。
また、シェーグレン症候群患者において、抗SS−A/Ro抗体陰性を示すが、抗IPR抗体に対して陽性である患者を調べた。その結果を表3に示す。抗SS−A/Ro抗体は、1次性シェーグレン症候群(P−SjS)患者35名のうちの22名(62.9%)、及び2次性シェーグレン症候群(S−SiS)患者39名のうちの23名(59.0%)において認められた。抗SS−A/Ro抗体を有しない患者29名のうち、抗IPR抗体は、P−SjS患者13名のうちの7名に、S−SjS患者16名のうちの5名に認められた。従って、抗IPR抗体は、抗SS−A/Ro抗体陰性を示すシェーグレン症候群患者29名のうち12名(41.4%)で陽性であった(表3)。
従って、抗IPR抗体の検出は、抗SS−A/Ro陰性シェーグレン症候群の診断に有用であり、抗IPR抗体の検出と抗SS−A/Ro抗体又は他の自己抗体の検出とを組み合わせることによって種々の自己免疫疾患を高精度に診断することが可能になると考えられる。
〔実施例3〕
本実施例においては、自己免疫疾患患者由来の血清がIPRのどの領域を認識するかを検討した。
まず、抗原としてマウスIPRのIP結合コアドメイン(コア)、IP結合ドメイン(T604)、及びN末端細胞質領域(EL)の組換えタンパク質を調製した。具体的には、マウスIPRのIP結合コアドメイン(コア;配列番号2又は4における224〜604番のアミノ酸)及びIP結合ドメイン(T604;配列番号2又は4における1〜604番のアミノ酸)を大腸菌BL21 codonplus(Stratagene)において発現させ、HiTrapヘパリンHPカラム(GE Healthcare)で精製した(Iwai M in preparation)。マウスIPR1のN末端細胞質領域(配列番号2における1〜2217のアミノ酸;ELm1)をコードするcDNAをpBlueBac4.5バキュロウイルス導入ベクターに挿入した。マウスIPR2のN末端領域(配列番号4における1〜2171のアミノ酸;ELm2)をコードするcDNAをpFastBac1バキュロウイルス導入ベクターに挿入した。ELm1を含有する組換えバキュロウイルスは、Bac−N−BlueTMトランスフェクションキット(Invitrogen)を用いて作製した。ELm2を含有する組換えバキュロウイルスは、Bac−to−Bacバキュロウイルス発現系(Invitrogen)を用いて作製した。組換えウイルスをSf9細胞において増幅させ、発現に使用した。Sf9細胞を培養し、Andoら(Ando H.et al.,J Biol.Chem 2003 278:10602−12)に記載のようにトランスフェクトした。組換えタンパク質を含有する可溶性画分はAndoら(前掲)のように調製した。タンパク質を7.5%SDS−PAGEで分離させ、実施例1と同様にイムノブロッティングを実施した。
その結果を図3及び4に示す。図3及び4は、患者由来血清を用いたイムノブロット分析の代表的な写真を示す。図3及び4中、EL、T604及びコアのバンドの位置は矢印で示しており、他の位置に存在するバンドは全て非特異的バンドである。イムノブロット写真の下に血清番号を示す。
図3は、IPR2に対して強い強度を示した10の血清を示している。これらの血清には、RA患者9名、SLE患者1名からの血清が含まれた。No.281の血清以外は全てEL(アミノ酸1〜2171残基)を含有するレーンにおいて強力なバンドを生じた。対照的に、コア及びT604を含有するレーンにおいては有意なバンドは検出されなかった(図3)。
また図4は、IPR1に対して強い強度を示した10の血清を示している。これらの血清には、P−SjS患者4名及びS−SjS患者6名からの血清が含まれた。大部分の血清は弱いながらもEL、T604及びコアの全てに反応し、これらの共通のエピトープはコアタンパク質内に存在すると考えられた(図4)。
以上から、自己免疫疾患の種類によって、産生される自己抗体がIPRタンパク質の異なるタイプ及び/又は異なるエピトープを認識することが示唆された。また、本実施例においては、3つのドメインについて比較的広範囲の領域を抗原として用いたが、抗体により認識されるエピトープは5〜6アミノ酸程度であることから、さらに狭い範囲の領域を抗原として用いることによって、特定のエピトープ領域と自己免疫疾患の種類との関係について詳細に解析できる可能性がある。
本発明により、自己抗体検出用試薬が提供される。かかる試薬は、サンプル中の抗イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)抗体を簡便に検出することができ、サンプル中の自己抗体の検出に有効である。またかかる試薬を含むキットは、サンプル中の自己抗体を検出することによって自己免疫疾患を診断することができ、自己免疫疾患の早期診断・モニターに有効である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
[配列表]

Claims (12)

  1. イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)タンパク質及び/又はその断片を含むことを特徴とする自己抗体検出用試薬。
  2. IPRがマウス又はヒト由来のIPRである、請求項1記載の試薬。
  3. IPRが、タイプ1 IPR(IPR1)、タイプ2 IPR(IPR2)、及びタイプ3 IPR(IPR3)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1又は2記載の試薬。
  4. IPRタンパク質の断片が、IPR1若しくはIPR2の224〜604番のアミノ酸、IPR1若しくはIPR2の1〜604番のアミノ酸、又はIPR1の1〜2217番のアミノ酸若しくはIPR2の1〜2171番のアミノ酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の試薬。
  5. IPRタンパク質及び/又はその断片が固相に固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試薬。
  6. IPRタンパク質及び/又はその断片が標識されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の試薬。
  7. サンプル中の抗イノシトール1,4,5−三リン酸レセプター(IPR)抗体を検出することを特徴とする自己抗体の検出方法。
  8. サンプルとIPRタンパク質及び/又はその断片とを接触させ、該IPRタンパク質又はその断片との反応を測定することにより該サンプル中の抗IPR抗体を検出することを含む、請求項7記載の方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の自己抗体検出用試薬を含むことを特徴とする自己免疫疾患診断キット。
  10. 自己免疫疾患が、慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群(SjS)、全身性硬化症(SSc)、混合性結合組織疾患(MCTD)、分類不能結合組織疾患(UCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、橋本病、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、潰瘍性大腸炎、クローン病、及びベーチェット病からなる群より選択される、請求項9記載の診断キット。
  11. 自己抗体検出用試薬が、全長IPR1、全長IPR2及び全長IPR3、並びにIPR1若しくはIPR2の224〜604番のアミノ酸、IPR1若しくはIPR2の1〜604番のアミノ酸、及びIPR1の1〜2217番のアミノ酸若しくはIPR2の1〜2171番のアミノ酸を含む断片からなる群より選択される少なくとも1つのIPRタンパク質及び/又はその断片を含む、請求項9又は10記載の診断キット。
  12. 抗SS−A/Ro抗体、抗SS−B/La抗体、抗U1RNP抗体、抗Sm抗体、抗Scl70抗体、抗Ki抗体、抗Ku抗体、抗rRNP抗体、抗Wa抗体、抗p95c/p97/VCP抗体、抗セントロメア抗体、抗核抗体、及びリウマトイド因子からなる群より選択される少なくとも1つの自己抗体の検出用試薬をさらに含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の診断キット。
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