JP2005263990A - ジウレア化合物を含むグリース組成物および該グリース組成物を用いたターボチャージャ - Google Patents

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    • F16C2360/24Turbochargers

Abstract

【課題】 エンジン油により潤滑が行われる前の軸受内における潤滑剤不足の解消と、運転初期における潤滑の補助、およびエンジン油によるダンパ機能が発揮される前に、ダンパの当たり部の直接接触を避けることを目的とする。
【解決手段】 基油と、下記式(I)で表されるジウレア化合物を含む増ちょう剤と、を含むことを特徴とするグリース組成物:
【化6】
Figure 2005263990

(式(I)中、R1およびR3は同一または相異なって炭化水素基または縮合炭化水素基を表し、R2は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。)を封入した軸受を取り付けられたことを特徴とするターボチャージャを提供する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ジウレア化合物を含むグリース組成物および該グリースを封入した転がり軸受が組み込まれたターボチャージャに関する。
エンジン出力を、排気量を変えずに増大させるため、エンジンに送り込む空気を排気のエネルギーにより圧縮するターボチャージャが、広く使用されている。このターボチャージャは、排気のエネルギーを排気流路の途中に設けたタービンにより回収することで、このタービンに嵌合した回転軸が回転し、これによりこの軸の多端に取り付けられたコンプレッサのインペラを回転させる。このインペラは、エンジンの運転に伴って数万ないし十数万min-1(r.p.m.)の速度で回転し、上記給気通路を通じてエンジンに送り込まれる空気を圧縮する。
図1は、先行技術に開示されたターボチャージャの一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。このターボチャージャは、排気通路1を流通する排気により、回転軸2の一端(図1の左端)に固定したタービン3を回転させる。この回転軸2の回転は、この回転軸2の他端(図1の右端)に固定したインペラ4に伝わり、このインペラ4が給気流路5内で回転する。この結果、この給気流路5の上流端開口から吸引された空気が圧縮されて、ガソリン、軽油等の燃料とともにエンジンのシリンダ室内に送り込まれる。この様なターボチャチャージャの回転軸2は、数万〜十数万min-1もの高速で回転し、しかも、エンジンの運転状況に応じて、その回転速度が頻繁に変化する。したがって、上記回転軸2は、軸受ハウジング部に相当する軸受ハウジング6に対し、小さな回転抵抗で支持する必要がある。
このため、従来から、上記軸受ハウジング6の内側に上記回転軸2を、転がり軸受の相当する第一、第二の玉軸受7,8により、回転自在に支持している。これらの第一および第二の玉軸受7,8は、図2に示すようなアンギュラ型玉軸受であって、これら第一および第二の玉軸受7,8の構成は、基本的には同じである。かかる第一および第二の玉軸受7,8は、内周面に外輪軌道9を有する外輪10と、外周面に内輪軌道11を有する内輪12と、これら外輪軌道9と内輪軌道11との間に転動自在に設けられた複数個の玉13とを備える。また。これら各玉13は、円環状の保持器14に設けた複数のポケット15内に、それぞれ1個ずつ転動自在に保持している。さらに、図示の例の場合には、上記内輪12を、片側の肩部をなくした、いわゆるカウンタボアとしている。さらにまた、上記保持器14の外周面を、上記外輪10の内周面に近接対向させることにより、この保持器14の直径方向位置を、この外輪10により規制する、外輪案内としている。
くわえて、上記軸受ハウジング6を納めたケーシング18内に給油通路19を設け、この軸受ハウジング6並びに上記第一および第二の玉軸受7,8を冷却および潤滑自在としている。すなわち、ターボチャージャを装着したエンジンの運転時における潤滑油は、上記給油通路19の上流端に設けたフィルタ(不図示)により異物を除去させて、上記ケーシング18の内周面と上記軸受ハウジング6の外周面との間に設けた、円環状の隙間空間に送り込まれる。なお、この隙間空間は、上記軸受けハウジング6とケーシング18との嵌合わを隙間嵌にすることにより設けている。そして、この隙間空間を上記潤滑油で満たすことにより、上記軸受ハウジング6の外周面と上記ケーシング18の内周面との間に全周にわたって油膜(オイルフィルム)を形成し、これらケーシング18および軸受ハウジング6を冷却するとともに、上記回転軸2の回転に基づく振動を減衰する、オイルフィルムダンパを構成している。さらに、上記隙間空間に送り込まれた潤滑油の一部は、上記外輪10に隣接する押圧環17に設けたノズル孔(不図示)から、上記第一の玉軸受7を構成する内輪12の外周面に向け、径方向外方から斜めに噴出し、この送り込まれた潤滑油は、第一の玉軸受7のほか、上記第二の玉軸受8も冷却および潤滑してから、排油口23より排出される。
このような仕組みとなっているため、運転時はエンジンオイルの循環が常にされていることから潤滑不良に陥ることはないが、運転に至るまでの初期段階では潤滑油が不足しやすくなる。そのため、軸受およびダンパ部での油膜の介在が十分でなく、金属接触による磨耗等の潤滑不良が起きてしまうことがある。
特開2003−83342号
そこで、本発明では、上記事情に鑑み、エンジン油により潤滑が行われる前の軸受内における潤滑剤不足の解消と、運転初期における潤滑の補助、およびエンジン油によるダンパ機能が発揮される前に、ダンパの当たり部の直接接触を避けることを目的とする。
本発明は、運転前の潤滑油不足の解消や、ならしの目的で初期の潤滑を補助するとともに、異物の侵入も防ぐために、エンジン油と親和性のあるグリース組成物を軸受に封入する。また、ケーシングとハウジング間もエンジンオイルによるダンパ機能をしているが、これの初期のダンパ機能を補助するために、この部位にも前述のグリース組成物を塗布するものである。
上記目的は、
基油と、下記式(I)で表されるジウレア化合物を含む増ちょう剤と、を含むことを特徴とするグリース組成物:
Figure 2005263990
(式(I)中、R1およびR3は同一または相異なって炭化水素基または縮合炭化水素基を表し、R2は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。)を利用することにより達成される。
より具体的には、本発明の好ましい態様では、グリース組成物を封入した軸受が取り付けられたことを特徴とするターボチャージャにより、上記目的は達成される。
また、上記目的は、グリース組成物を当たり部に塗布したことを特徴とするターボチャージャにより達成される。
本発明に係るグリース組成物を封入した軸受、および前記グリース組成物を塗布したダンパを組み込んだターボチャージャを使用することにより、エンジンオイルで通常に潤滑するまで軸受部における摩擦や圧痕等、またダンパの当たり部における油膜切れによる直接接触を防ぐことができる。
以下、本発明に関して詳細に説明する。なお、後記する実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
まず、本発明に係るグリース組成物について説明する。本発明に係るグリース組成物は、基油と、下記式(I)により表されるジウレア化合物を含む増ちょう剤と、を含むものである。
Figure 2005263990
(式(I)中、R1およびR3は同一または相異なって炭化水素基または縮合炭化水素基を表し、R2は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。)
本発明に用いられるエンジン油としては原油から精製する鉱油や、化学的に合成した合成油、またこれらをブレンドした混合油などがある。これらを基油としてグリースをつくることができるのである。好ましくは使用するエンジンオイルと同種の基油を使う。また基油粘度も同程度であることが望ましい.
本発明において、ターボチャージャに封入されるグリースの基油の具体例としては、以下のものに限定されるわけではないが、鉱油、ポリα−オレフィン油(以下「PAO」という。)やエステル油が挙げられる。これらは単独で使用してもよいが、複数種を併用してもよい。
鉱油としては、パラフィン系鉱油やナフテン系鉱油が挙げられる。
PAOとしては、下記式で表されるオレフィンを挙げることができる:
Figure 2005263990
ここで、R3はアルキル基であり、同一分子中に2種以上の異なるアルキル基が混在してもよく、nは3〜10の数であることが好ましい。具体的なPAOとしては、以下のものに限定されるわけではないが、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマーや、1−デセンとエチレンとのオリゴマー等を挙げることができる。
エステル油としての制限は特にないが、二塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるジエステル油、炭酸エステル油、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるポリオールエステル油等を好適に挙げることができる。
ジエステル油としては、ジオクチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、メチル・アセチルリシノレート等が挙げられる。
炭酸エステル油としては、直鎖または分岐アルキル基を有する炭素数6〜30のものが挙げられる。
芳香族エステル油としては、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
以上の基油には、必要に応じて、他の潤滑油を混合することも可能である。
本発明において、ターボチャージャに封入されるグリースの増ちょう剤としては、脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素を含むアミンと、各種のイソシアネートとの反応により生成されるウレア化合物が好適に用いられる。
具体的に、増ちょう剤としては下記式(I)で表されるジウレア化合物が使用できる。耐熱性に優れた増ちょう剤としてはジウレア化合物の他にトリウレア化合物、テトラウレア化合物、フッ素樹脂、粘土鉱物等が知られているが、トリウレア、テトラウレア化合物は高温(180℃位)でちょう度変化が大きく、せん断安定性も悪い。更に高温で放置されると重合物が発生しやすく、硬化しやすい性質を持っている。フッ素樹脂は高価であり、経時的な基油保持能力に劣る。また、粘土鉱物では音響性能に劣る等の各々欠点があり、本発明にて利用する増ちょう剤のジウレア化合物は耐熱性があり、油保持性に優れ、安価で、音響特性が良く、自動車電装補機で使用される環境下で好適に使用出来る増ちょう剤である。
Figure 2005263990
式(I)中、R2は炭素数6〜15の芳香族系炭化水素基を表し、R1およびR3は炭化水素基または縮合炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R1およびR3において炭化水素基は脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基の何れでもよく、縮合炭化水素基の炭素数は好ましくは9〜19である。
上記式(I)で表されるジウレアは、基油中で、R2を骨格中に含むジイソシアネート1モルに対して、R1またはR3を骨格中に含むモノアミンを合計で2モルの割合で反応させることにより得られる。R2を骨格中に含むジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、あるいはこれらのアルキル置換体等を好適に使用できる。
1またはR3として炭化水素基を骨格中に含むモノアミンとしては、R1またはR3として炭化水素基を骨格中に含むモノアミンとしてはアニリン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、トルイジン、ドデシルアニリン、オクタデシルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、エチルエキシルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコデシルアミン、オレイルアミン、リノレイルアミン、リノレニルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ブチルシクロヘキシルアミン、プロピルシクロヘキシルアミン、アミルシクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、フェネチルアミン、メチルベンジルアミン、ビフェニルアミン、フェニルイソプロピルアミン、フェニルヘキシルアミン等を好適に使用できる。
また、R1またはR3として縮合環炭化水素基を骨格中に含むモノアミンとして、例えば、アミノインデン、アミノインダン、アミノ−1−メチレンインデンなどのインデン系アミン化合物;アミノナフタレン(ナフチルアミン)、アミノメチルナフタレン、アミノエチルナフタレン、アミノジメチルナフタレン、アミノカダレン、アミノビニルナフタレン、アミノフェニルナフタレン、アミノベンジルナフタレン、アミノジナフチルアミン、アミノビナフチル、アミノ−1,2−ジヒドロナフタレン、アミノ−1,4−ジヒドロナフタレン、アミノテトラヒドロナフタレン、アミノオクタリンなどのナフタレン系アミノ化合物;アミノペンタレン、アミノアズレン、アミノヘプタレンなどの縮合二環系アミン化合物;アミノフルオレン、アミノ−9−フェニルフルオレンなどのアミノフルオレン系アミン化合物;アミノアントラレン、アミノメチルアントラセン、アミノジメチルアントラセン、アミノフェニルアントラセン、アミノ−9,10−ジヒドロアントラセンなどのアントラセン系アミン化合物;アミノフェナントレン、アミノ−1,7−ジメチルフェナントレン、アミノレテンなどのフェナントレンアミン化合物;アミノビフェニレン、アミノ−s−インダセン、アミノ−as−インダセン、アミノアセナフチレン、アミノアセナナフテン、アミノフェナレンなどの縮合三環系アミン化合物;アミノナフタセン、アミノクリセン、アミノピレン、アミノトリフェニレン、アミノベンゾアントラセン、アミノアセアントリレン、アミノアセアントレン、アミノアセフェナントリレン、アミノアセフェナントレン、アミノフルオランテン、アミノプレイアデンなどの縮合四環系アミン化合物;アミノペンタセン、アミノペンタフェン、アミノピセン、アミノペリレン、アミノジベンゾアントラセン、アミノベンゾピレン、アミノコラントレンなどの縮合五環系アミン化合物;アミノコロネン、アミノピラントレン、アミノビオラントレン、アミノイソビオラントレン、アミノオバレンなどの縮合多環系(六環以上)アミン化合物等が好適に用いられる。
上記のような、脂肪族炭化水素基或いは脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基の少なくとも1種類又は両方からなるジウレア化合物は、本発明に係るターボチャージャで使用される高温環境下で流動特性に優れ、初期の軸受での耐摩耗性や焼付き寿命の向上に有効である。エンジン油の泡立ちを考慮すると、脂環族ウレアが最も泡立ちが少なく、次に脂環族で、最も悪いものは芳香族であり、ウレアもジウレアの方がポリウレアよりも泡立ちが少ないことから、増ちょう剤としては脂肪族系ジウレアが好ましい。
増ちょう剤には少なくとも1種類又は両方からなるジウレア化合物が用いられる。また基油であるが,使用時には軸受内に封入したグリース及ぶダンパに塗布したグリースが、エンジン油により流されることを考慮すると、基油はエンジン油もしくはこれと類似した油であることが望まれる。こうすることにより、グリースとエンジンオイルが親和性を持ち、初期以外のエンジンオイルで潤滑を行うときに問題が生じない。
更に、本発明に係るグリース組成物においては、その各種性能をさらに向上させるため、所望により種々の添加剤を混合してもよい。特に、本願発明の主用途に挙げられる自動車電装補機用軸受では良好な防錆性が要求されている。
本願発明で使用される防錆剤としては、亜硝酸ナトリウム等の環境負荷物質は使用せず、カルボン酸及びカルボン酸塩、エステル系、アミン系が好適に使用される。具体的には、カルボン酸及びカルボン酸塩として、モノカルボン酸ではステアリン酸など、ジカルボン酸ではアルキルまたはアルケニルコハク酸及びその誘導体、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸のカルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉛などの金属塩が使用できる。特に、アルケニルコハク酸、ナフテン酸亜鉛が好適に使用される。
エステル系として多価アルコールのカルボン酸部分エステルでは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタエリスリットモノオレエートやコハク酸ハーフエステルなどが挙げられる。特に、ソルビタンモノオレエート、コハク酸ハーフエステルが好適に使用される。アミン系としてのアミン誘導体では、アルコキシフェニルアミン、二塩基性カルボン酸の部分アミド等が好ましく使用される。
その他の添加剤としては、アミン系、フェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛などの酸化防止剤、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデンなどの極圧剤、脂肪酸、動植物油などの油性向上剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性化剤など、グリースで使用される添加剤を単独又は2種以上混合して用いることができる.
なお、これら添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない程度であれば特に限定されるものではない。
この添加剤についても、基油に用いられているものと同一の配合とすれば、グリースと油が混合した際も。親和性が上がり好適である。
[実施例]
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
試験1:四球試験
ASTMに起点された試験装置を用いて四球試験法によって行った。即ち、3つの試験球(玉軸受用鋼球,SUJ1 1/2”)を互いに接するように正三角形状に配置して固定し、その中心に形成された窪みの上にもう1つの試験球を載置し、これを回転させることで摩擦試験を行う。荷重は100kgfで、温度は100℃にて行った。
潤滑方法は本発明の通り、試験前にグリースを球に塗布し、さらに油も併用して行った試験と、油のみの試験をそれぞれ行った。
試験に用いた潤滑油は40℃での動粘度が80cSt程度のものを用い、グリースの場合は増ちょう剤量が15%で、ちょう度を250前後に調製した。
試験はモータに過負荷がかかった時を焼付きとし、この焼付き時間を測定した。焼付き時間は比較例1の焼付き時間を1とし,他はこれに対する比の形(焼付き寿命比)で表した。
試験2:摩耗試験
前記試験1と同様に4球試験機を用い、本発明の効果である初期の油不足での潤滑性改善の効果を確かめるため、4球試験機の初期潤滑油量を1/10にして試験を行った。荷重200kgf、温度100℃で20時間試験を行い、試験後の摩耗痕径を測定した。後述する図3の摩耗痕径は比較例1の摩耗痕径を1として、これに対する比の形(摩耗痕径比)で表示した。
試験3:泡立ち試験
JIS K 2518に規定された試験方法により泡立ち試験を行った。泡立ちは試験後の泡立ち度及び泡安定度を観察し、泡が非常に少ない場合を◎とし、悪化するにつれ○、△、×の順で評価した。泡立ち試験には、市販されている出光興産製のゼプロSLを用いた。
図3は、本発明における供試試料、および前記した試験結果を示す。図3から明らかなように、本発明に係る、ジウレア化合物を含むグリース組成物は、軸受部における摩擦や圧痕を防ぐことができ、グリース自体の泡立ちが少なく、油膜切れを防ぐことができる。
本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。 図1に示す玉軸受のみを取出した、拡大断面図である。 本発明による四球試験、磨耗試験および泡立ち試験の結果を示す図である。図3中のジウレアとは、前記式(I)中のR1およびR3が、ジウレアAでは、C8(50%)とC18(50%)であり、ジウレアBは、C18(80%)とシクロヘキシル(20%)である。ここで、括弧内の割合はR1およびR3の存在比率を示す。ジウレアCでは、R1およびR3がともにシクロヘキシル(100%)であり、ジウレアDでは、R1およびR3がともにフェニル(100%)である。
符号の説明
1…排気流路、2…回転軸、3…タービン、4…インペラ、5…給気流路、6…軸受ハウジング、7…第一の玉軸受、8…第二の玉軸受、9…外輪軌道、10…外輪、11…内輪軌道、12…内輪、13…玉、14…保持器、16…圧縮ばね、17…押圧環、18…ケーシング、19…給油通路、25…支持筒部、26…タンク部、27…第一の流路、28…第二の流路、29…鍔部、32…外気給排孔

Claims (3)

  1. 基油と、下記式(I)で表されるジウレア化合物を含む増ちょう剤と、を含むことを特徴とするグリース組成物:
    Figure 2005263990
    (式(I)中、R1およびR3は同一または相異なって炭化水素基または縮合炭化水素基を表し、R2は炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を表す。)。
  2. 請求項1に記載したグリース組成物を封入した軸受が取り付けられたことを特徴とするターボチャージャ。
  3. 請求項1に記載したグリース組成物を当たり部に塗布したことを特徴とするターボチャージャ。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010053984A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Ntn Corp 外輪回転クラッチレリーズ軸受およびクラッチレリーズ軸受装置
US10301985B2 (en) 2016-08-25 2019-05-28 Hyundai Motor Company Lubricating apparatus for turbo compound system

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