JP2005263957A - 熱可塑性樹脂組成物及びそれから造られる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性及び透明性に優れた熱可塑性ポリエステル/ポリエーテルイミド樹脂組成物及びそれから造られる成形体を提供する。
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)60〜99重量部とPEI樹脂(B)40〜1重量部(A+Bの合計が100重量部である)とからなり、該ポリエステル樹脂が少なくとも一種類の非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とからなり、非晶性ポリエステル樹脂対結晶性ポリエステル樹脂の比が重量により100:0〜10:90である樹脂組成物及びそれから造られる成形体。本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とを単純に溶融混練する場合にも、両方の樹脂は相互の相容性に問題が無く、均一に混和されるために混和物が白濁することなく優れた透明性を有するポリマーアロイを得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びそれから造られる成形体に関し、詳細には、耐熱性及び透明性に優れ、実用レベル以上の衝撃強度を有する熱可塑性ポリエステル/ポリエーテルイミド樹脂組成物及びそれから造られる成形体に関する。
ポリエステル樹脂は、耐熱性、機械的強度、透明性、耐薬品性、ガスバリアー性などの性質に優れており、かつ価格的にも入手し易いことから、汎用性が高く、現在飲料・食品用容器や包装材、成形品、フィルムなどに広く利用されている樹脂である。しかし、例えば最も広く使われているポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)は、そのガラス転移温度がおよそ70℃程度と低く、用途によってはその耐熱性が十分でなく、高温条件下で寸法変化や変形が起こり、使用するのに困難があった。
ポリエステル樹脂の耐熱性を向上させる方法としては、例えば加熱して結晶化させる方法がある。しかし、この方法は、加熱の行程が加わることや、耐熱温度の向上には限度がある上に、非晶性のポリエステル樹脂に適用できないため、この方法を用いるには限界がある。また、ポリエステル樹脂を二軸延伸したフィルムやシートを用いて耐熱性を上げる方法もあるが、この方法では延伸の行程が入るため、成形体の製造方法が複雑になる上に、用いることのできる成形体が限られてしまう。
上述した問題点を解決したポリエステル樹脂の耐熱性を向上させる方法としては、ポリエステル樹脂に、ポリエステル樹脂のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂をブレンドするのが有効である。このような樹脂として、例えばポリカーボネート、ポリスルホン、非晶性ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、非晶性ポリイミド、ポリアミドイミドを挙げることができる。これらの樹脂の中で、ポリエーテルイミド(PEI)は、機械的特性のバランスが良く、耐熱性に優れ、加工性に優れていることから、特に好ましいものである。
PET樹脂とPEI樹脂とをブレンドして、PET/PEIブレンドのガラス転移温度を変える技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、PET樹脂とPEI樹脂との混合物のフィルムが有機溶剤に溶解された後に、PET−PEI混合物が沈殿され、得られたPET−PEI混合物が真空乾燥され、有機溶剤に再溶解され、溶液が注型され、乾燥されて溶剤が除去されてフィルムに製造される。この技術は、工程が多くかつ複雑である上に、有機溶剤を使用すると言う不利を有する。
PET樹脂とPEI樹脂とをブレンドするその他の方法としては、両方の樹脂を重合段階で混合する方法があげられる。しかし、この方法は、一般的に実施できるものではなく、工業的に簡便な方法と言えない。
PET樹脂とPEI樹脂とをブレンドする更なる方法としては、両方の樹脂を押出機で溶融混練してブレンドする技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。この技術は、工業的に簡便に実施できることから、好適であると言える。しかし、本発明者等の知見によれば、PET樹脂とPEI樹脂とを単純に溶融混練した場合に、両方の樹脂は相互の相容性の面で問題があり、均一に混和されないために混和物が白濁して良好な透明性を有するポリマーアロイを得ることができなかった。また、この技術は、PEI樹脂の配合量が全体の50重量%以上であり、PEI樹脂の透明性、耐衝撃性を改良するものであり、ポリエステル樹脂の特性を改良するものと言うことはできない。
また、ポリエステル樹脂/PEI樹脂ブレンドの透明性を改良するのに、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とにベンゼンホスフィン酸ナトリウムを配合する技術が知られている(例えば、特許文献3を参照)。しかし、この技術は、ベンゼンホスフィン酸ナトリウムを配合する必要がある上に、特許文献3の実施例に示されているのは、PEI樹脂の配合率が全体の80重量%以上であり、PEI樹脂の透明性、耐熱性を改良するものであり、とてもポリエステル樹脂の特性を改良するものとは言うことができない。
特開昭51−143060号公報 特開平11−152407号公報 特表2002−532605号公報
解決しようとする問題点は、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とをブレンドする際に、均一に混和されないために混和物が白濁し、そのため透明性、耐熱性、成形加工性に優れたポリマーアロイを得ることができない点である。
本発明者等は、上述した課題を解決すべく鋭意検討したところ、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とをブレンドする際に、ポリエステル樹脂として非晶性のものを一定の割合で含むものを使用することによって、本発明の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜9の発明が提供される。
1.ポリエステル樹脂(A)60〜99重量部とPEI樹脂(B)40〜1重量部(A+Bの合計が100重量部である)とからなり、該ポリエステル樹脂が少なくとも一種類の非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とからなり、非晶性ポリエステル樹脂対結晶性ポリエステル樹脂の比が重量により100:0〜10:90である熱可塑性樹脂組成物。
2.前記非晶性ポリエステル樹脂が、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度において明確な結晶化および融解ピークを示さないものである上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3.前記非晶性ポリエステル樹脂がシクロヘキサンジメタノールを共重合成分として含むポリエチレンテレフタレート共重合体であり、シクロヘキサンジメタノールがポリエチレンテレフタレートの構造単位の1〜50モル%含まれる上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
4.前記非晶性ポリエステル樹脂がイソフタル酸を共重合成分として含むポリエチレンテレフタレート共重合体であり、イソフタル酸がポリエチレンテレフタレートの構造単位の1〜50モル%含まれる上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
5.前記結晶性ポリエステル樹脂が、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度において明確な結晶化および融解ピークを示すものである上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
6.前記結晶性ポリエステル樹脂がエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエチレンテレフタレートである上記1又は5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
7.前記PEI樹脂(B)が下記の(XIII)式:
Figure 2005263957
(式中、nは10〜1000又はそれ以上の整数である)
で表されるものである上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
8.前記ポリエステル樹脂(A)と前記PEI樹脂(B)とを二軸押出機を用いて溶融混練することによって得られる上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
9.上記1〜8のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物から造られる成形体。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂に比べてガラス転移温度が上昇し、耐熱性が高められるため広い範囲の成形設備に適合する。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とを単純に溶融混練する場合にも、両方の樹脂は相互の相容性に問題が無く、均一に混和されるために混和物が白濁することなく優れた透明性を有するポリマーアロイを得ることができる。更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の所望の特性を保持し、成形加工性に優れることから、複雑な形状の成形体を簡便に得ることができ、得られる成形体は機械的性質に優れ、衝撃強度も実用レベル以上である。
本発明において用いるポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合させることによって得られる樹脂である。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができ、これらに限定されない。これらのジカルボン酸成分は一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を同時に併用してもよい。
ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノン、ビスフェノール等を挙げることができ、これらに限定されない。これらのジオール成分は、一種類のみを用いることもできるし、二種類以上を同時に併用することもできる。
ポリエステル樹脂の製造方法は、当分野において良く知られており、例えばKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第19巻、第609〜653頁、John Wiley & Sons(1996年)に記載されている。
本発明において用いるポリエステル樹脂(A)は、少なくとも一種類の非晶性ポリエステル樹脂及び随意に結晶性ポリエステル樹脂を含む。本明細書中、「非晶性」とは、JIS K−7121に準拠した示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度で明確な結晶化ピークおよび融解ピークを示さないことを意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と、ジオール成分としてエチレングリコールと、シクロヘキサンジメタノールとを縮重合させて得られる、ポリエチレンテレフタレート共重合体を挙げることができる。このシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート共重合体は、シクロヘキサンジメタノールがポリエチレンテレフタレート構造単位中に1〜50モル%含まれるのが好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮重合させて得られる、ポリエチレンテレフタレート共重合体を挙げることができる。このイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート共重合体は、イソフタル酸がポリエチレンテレフタレート構造単位中に1〜50モル%含まれるのが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、一種類のみを単独で使用することもできるし、二種類以上の非晶性ポリエステル樹脂を混合して用いることもできる。
本発明において用いるポリエステル樹脂(A)は、非晶性ポリエステル樹脂に、随意に結晶性ポリエステル樹脂を含むことができる。本明細書中、「結晶性」とは、JIS K−7121に準拠し示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度で明確な結晶化ピークおよび融解ピークを示すことを意味する。
結晶性ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と、ジオール成分としてエチレングリコールとを縮重合させて得られる、ポリエチレンテレフタレート樹脂を挙げることができる。
ポリエステル樹脂(A)は、非晶性ポリエステル及び随意に結晶性ポリエステル樹脂を、非晶性ポリエステル樹脂対結晶性ポリエステル樹脂の比が重量により100/0〜10/90、好ましくは100/0〜30/70になるように含む。ポリエステル樹脂全体に対する非晶性ポリエステル樹脂の割合が10重量%よりも少ないと、良好な透明性が得られない。
ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステル樹脂(A)とPEI樹脂(B)との合計100重量部に対して60〜99重量部、好ましくは70〜90重量部の割合で用いる。ポリエステル樹脂(A)が、合計100重量部に対して60重量部よりも少ないと、樹脂組成物は機械的性質に劣り、他方99重量部よりも多いと、樹脂組成物は耐熱性に劣る。
本発明において用いるPEI樹脂(B)は周知の化合物であり、その製造方法及び特性は、例えば米国特許第3,803,085号及び同第3,905,942号に記載されている。
PEIは、下記の(I)式の構造単位を複数、通常約10〜1000又はそれ以上、好ましくは約10〜約500含むものである:
Figure 2005263957
上記式中、Tは−O−又は式−O−Z−O−の基であり、当該−O−又は−O−Z−O−基の二価結合は3,3’位、3,4’位、4,3’位又は4,4’位にあり、Zは下記の(II)式の二価基があるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
Xは、下記の(III)式の二価基であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
yは1〜約5の整数であり、qは0又は1である。Rは、次の二価有機基:(a)炭素原子数6〜約20の芳香族炭化水素基及びそのハロゲン化誘導体、(b)炭素原子数2〜約20のアルキレン基、(c)炭素原子数3〜約20のシクロアルキレン基、及び(d)下記の(IV)式の二価基であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
Qは、下記の(V)式であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
yは約1〜約5の整数である。
PEIは上記のエーテルイミド単位に加えて下記の(VI)式のポリイミド単位を更に含んだ共重合体であってもよい:
Figure 2005263957
式中、Rは上記の(I)式で定義した通りであり、Mは下記に示す(VII)式であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
PEIは当業者に良く知られた方法で製造することができる。その一例を挙げると、下記の(VIII)式の芳香族ビス(エーテル無水物)を下記の(IX)式の有機ジアミンと反応させる:
Figure 2005263957

(IX) H2N−R−NH2
上記式中、T及びRは上記の(I)式で定義した通りである。一般に、反応は、約100℃〜約250℃の温度で(VIII)式の無水物と(IX)式のジアミンとが相互作用を起こすようにO−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエンなどの周知の溶剤を用いて実施する。別法として、PEIは芳香族ビス(エーテル無水物)とジアミンとの溶融重合によっても製造でき、成分混合物を攪拌しながら高温で加熱することによって実施する。一般に溶融重合では約200℃〜400℃の温度を用いる。反応に連鎖停止剤及び枝分れ剤を使用してもよい。
芳香族ビス(エーテル無水物)及び有機ジアミンの具体例は、例えば米国特許第3,972,902号及び同第4,455,410号に開示されてる。
(VIII)式の芳香族ビス(エーテル無水物)の具体例には、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、及び4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、並びにこれらの各種混合物がある。
上記の(VIII)式に包含される芳香族ビス(エーテル無水物)の好ましいクラスには、Tが下記の(X)式のもので、そのエーテル結合が3,3’位、3,4’位、4,3’位又は4,4’位にあるか又はそれらの混在型である化合物であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
Yは、下記の(XI)式であるが、これらに限定されない:
Figure 2005263957
PEI/ポリイミドコポリマーを用いる場合、ピロメリット酸無水物のような二無水物をビス(エーテル無水物)と組合せて使用する。
ビス(エーテル無水物)は、ニトロ置換フェニルジニトリルと二価フェノール化合物の金属塩との反応生成物を双極性非プロトン溶媒の存在下で加水分解し、その後に脱水反応させることによって製造することができる。
(IX)式の好適な有機ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(慣用名「4,4’−メチレンジアニリン」)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(慣用名「4,4’−オキシジアニリン」)、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3−ジメトキシベンジジン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ベンジジン、m−キシリレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレンジアミンの各異性体、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ドデカンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,18−オクタメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン及びこれらのジアミンの混合物がある。
一般に、有用なPEIは、米国試験材料協会(「ASTM」)D1238に準拠して6.6kgの荷重を用いて295℃で測定して、0.1〜10g/minのメルトインデックスを有するものである。
好ましい実施形態では、本発明において用いるPEI樹脂(B)は、ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、10000〜150000g/モルの重量平均分子量を有する。かかるPEI樹脂は、通常、25℃のm−クレゾール中で測定して約0.2デシリットル/グラムを超える固有粘度、好ましくは約0.35〜約0.7デシリットル/グラムの固有粘度[η]を有する。
PEIの製造方法は、米国特許第3,847,867号、同第3,814,869号、同第3,850,885号、同第3,852,242号、同第3,855,178号及び同第3,983,093号に開示されている通りに数多くありかつ良く知られている。
好ましい実施形態では、PEI樹脂は、(I)式において各々のRが独立にP−フェニレン又はm−フェニレンであってTが下記の(XII)式の二価基である構造単位を含んでなる:
Figure 2005263957
本発明において用いる好適な熱可塑性PEI樹脂としては、具体的には、下記の(XIII)式で表されるPEIを例示することができる:
Figure 2005263957
(式中、nは通常約10〜1000又はそれ以上の整数、好ましくは約10〜約500の整数である)。
このような構造をもつPEI樹脂(B)の具体例は、例えばゼネラルエレクトリック社から商品名「Ultem」シリーズとして市販されている。
PEI樹脂(B)は、一種類のみを単独で使用することもできるし、二種類以上のPEI樹脂を混合して用いることもできる。
PEI樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A)とPEI樹脂(B)との合計100重量部に対して40〜1重量部、好ましくは30〜10重量部の割合で用いる。PEI樹脂(B)が樹脂組成物100重量部に対して1重量部よりも少ないと樹脂組成物の耐熱性が十分に上がらず、他方40重量部よりも多いと本発明の目的であるポリエステル樹脂の改良とは異なるものになる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、なるべく簡便に本発明の樹脂組成物を得るために、ポリエステル樹脂(A)とPEI樹脂(B)とを、押出機を用いて溶融混練することによって製造するのが好ましい。更に、ポリエステル樹脂(A)とPEI樹脂(B)とを均一にブレンドするためには、同方向二軸押出機を用いて溶融混練するのが好ましい。混練温度は、用いる全ての樹脂のガラス転移温度以上であり、かつ結晶性樹脂が含まれる場合には、その樹脂の結晶融解温度以上であることが必要である。ただし、必要以上に押し出し温度が高くなると樹脂の分解が起こるため好ましくない。このことから、押し出し温度は260〜350℃が好ましく、280〜330℃が更に好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて他の樹脂や各種の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。こうした添加剤としては、強化材、充填剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、加水分解防止剤などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性ポリエステル/PEI樹脂組成物は、一般の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって成形してフィルムやシートのような成形体を作製することができる。それぞれの成形方法において、装置および加工条件は特に限定されない。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。

1.融解ピーク、結晶化ピーク: パーキンエルマー製DSC−7を用い、JIS K−7121に準拠し、室温から10℃/分で昇温して融解ピーク、結晶化ピークを求めた。
2.ガラス転移温度: パーキンエルマー製DSC−7を用い、JIS K−7121に準拠し、室温から10℃/分で昇温してガラス転移温度を求めた。
3.衝撃強度
高速衝撃試験機((株)島津製作所製、ハイドロショット衝撃試験機「HTM−1」)を用い、温度23℃において試験速度3m/秒で破壊エネルギーを測定した。評価は、下記の基準に基づいて評価を行った。記号「○」〜「△」で示されるものは実用可能レベルである。
評価基準:
「○」 1.5KJ以上
「△」 1.0KJ以上、1.5KJ未満
「×」 1.0KJ未満
非晶性熱可塑性ポリエステル樹脂:
・ シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(PET−G、イースター6763、イーストマンケミカル社製、シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール=31/69(モル%))
・ イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PS600X、三菱化学社製、イソフタル酸/テレフタル酸=30/70(モル%))

結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂:
・ ポリエチレンテレフタレート(RT−523、日本ユニペット製)

熱可塑性PEI樹脂:
・ PEI(Ultem 1010、Ultem 1010ゼネラルエレクトリック社製)
参考例1
PET−Gを、Tダイを備えた25mmφ同方向二軸押出機により300℃で溶融混練して押し出し、80℃のキャスティングロールにて急冷して厚さ200μmの未延伸シートを得た。得られたシートについて、ガラス転移温度Tg、透明性及び衝撃強度を評価し、得られた結果を表1に示す。PET−GはDSC測定法において明確な結晶化及び融解ピークを示さなかった。
参考例2
樹脂をPET−Gに代えてPS600Xを使用した他は、参考例1と同様にシートを得て、評価した。PS600XはDSC測定法において明確な結晶化及び融解ピークを示さなかった。
参考例3
樹脂をPET−Gに代えてRT−523を使用した他は、参考例1と同様にシートを得て、得られたシートについて評価した。RT−523はDSC測定法において明確な結晶化及び融解ピークを示した。
比較例1〜3
ポリエステル樹脂およびPEI樹脂を表1に示す量で配合し、Tダイを備えた25mmφ同方向二軸押出機により300℃で溶融混練して押し出し、80℃のキャスティングロールにて急冷して厚さ200μmの未延伸シートを得た。得られたシートについての評価結果を表1に示す。いずれのシートも透明性に劣っていた。
実施例1〜6
ポリエステル樹脂およびPEI樹脂を表2に示す量で配合し、Tダイを備えた25mmφ同方向二軸押出機により300℃で溶融混練して押し出し、80℃のキャスティングロールにて急冷して厚さ200μmの未延伸シートを得た。得られたシートについての評価結果を表2に示す。いずれのシートも透明性を有していた。
Figure 2005263957
Figure 2005263957
表1の参考例1〜3から分かるように、非晶性ポリエステル樹脂又は結晶性ポリエステル樹脂は、単独では得られた生成物のTgは、相当に低いものであり、衝撃強度も実用レベルに達しないものであった。
また、表1の比較例1〜3から分かるように、結晶性ポリエステル樹脂にPEI樹脂を配合した場合には、得られた生成物は透明性が不良であった。
これに対し、表2の実施例1〜6から分かるように、ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂を含むことにより、ポリエステル樹脂とPEI樹脂とを配合した場合に、得られた生成物はTg値が上昇し、更に透明性を有し、衝撃強度も実用レベル以上のものであった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、高い透明性が要求される飲料・食品用容器や包装材、成形品、シート、フィルム等として、特に高い耐熱性が要求される高温使用用食品用容器や包装材、成形品、シート、フィルム等として用いるのに適している。特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工性に優れ、得られる成形体は機械的性質に優れ、衝撃強度も実用レベル以上であることから、化粧品やトイレタリー商品、家電部品、日用品等の各種物品を収納するための容器やその他の容器用材料として好適である。

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂(A)60〜99重量部とポリエーテルイミド樹脂(B)40〜1重量部(A+Bの合計が100重量部である)とからなり、該ポリエステル樹脂(A)が少なくとも一種類の非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とからなり、非晶性ポリエステル樹脂対結晶性ポリエステル樹脂の比が重量により100:0〜10:90である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂が、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度において明確な結晶化および融解ピークを示さないものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記非晶性ポリエステル樹脂がシクロヘキサンジメタノールを共重合成分として含むポリエチレンテレフタレート共重合体であり、シクロヘキサンジメタノールがポリエチレンテレフタレートの構造単位の1〜50モル%含まれる請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記非晶性ポリエステル樹脂がイソフタル酸を共重合成分として含むポリエチレンテレフタレート共重合体であり、イソフタル酸がポリエチレンテレフタレートの構造単位の1〜50モル%含まれる請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、示差走査熱量測定法(DSC測定法)により、10℃/分の昇温速度において明確な結晶化および融解ピークを示すものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記結晶性ポリエステル樹脂がエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエチレンテレフタレートである請求項1又は5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記ポリエーテルイミド樹脂(B)が、下記の(XIII)式:
    Figure 2005263957
    (式中、nは10〜1000又はそれ以上の整数である)
    で表されるものである請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエーテルイミド樹脂(B)とを二軸押出機を用いて溶融混練することによって得られる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物から造られる成形体。
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