JP2005261532A - 布団カバー - Google Patents

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敬子 笠原
Ujiteru Niwa
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【課題】
本発明は、花粉が付着しにくく、落ちやすく、かつ太陽光を吸収しやすい布帛よりなる布団カバーを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の布団カバーは、隣接する糸との隙間が20μm以下である布帛であって、該布帛の表面特性がKES法による摩擦係数の平均偏差(MMD)がタテ方向・ヨコ方向共に0.04以下で、かつ、表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下で、本文で定義する測定方法で測定した疑似花粉の付着が250個以下であり、かつ、該布帛が、その少なくとも表面に太陽光吸収性微粒子を含有することを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、花粉が付着しにくく、落ちやすく、かつ太陽光を吸収しやすい布帛よりなる布団カバーに関するものである。
花粉症は一度発病すると、2月〜4月頃スギ花粉が飛散する時期にほぼ毎年発病し、なかなか完治しない病気である。また、花粉症はスギ花粉だけでなくヒノキ、イネ、ブタクサ、ハンノキなど多くの花粉がアレルゲンになり患者の発生は通年化し、年により増減はあるものの、年々花粉の飛散量は増加する傾向にあり、その治療法も確立されていない。また、花を扱う農家や趣味で花に触れるガーデニング愛好者にとっては年間を通して深刻な問題である。
従来より、花粉症患者はなるべく花粉に触れない対策を取ってきた。花粉が飛散する時期に屋外に出ないことが最も効果があるがそれは困難であり、可能な対策として外出時に、花粉になるべく触れない様マスクやめがね、ゴーグル、帽子、コート、などで防御して来た。布団などの寝具においては、花粉が飛散する時期は屋内干しにするか、布団乾燥機をかけるなどの対策により花粉に触れないようにしてきたが、室内干しでは太陽光の吸収が少なく乾燥が不十分でふっくらしない、ダニなどの駆除効果が少ないという問題があった。そのため検討された特許文献1では、ゴアテックス等の水滴は通さず、水蒸気を通す黒色の通気性・防水性を兼ね備えた素材により、太陽光を吸収し、花粉が布団に付くことを防止するという雨天対応布団干しカバーがある。この布団干しカバーは、ゴアテックスなどの微細な孔により花粉は入り込まない構造であるが、花粉が布団に付着することを防ぐために布団にカバーをかけるだけのもので、布団干しカバー自体の花粉付着防止性能に優れたものではなかった。また、特許文献2の洗濯物用花粉防止カバーは、有孔フイルム/シートに界面活性材を含有させ静電気による花粉の付着を防止している。また、特許文献3に記載のふとん干し袋は、透湿撥水性の黒色系不織布に静電気防止加工を行い花粉の付着を軽減させている。いずれも静電気による花粉の付着を防止しているが、布団を屋外で乾燥させている時は、布団は静止しているため摩擦による静電気の発生は比較的少ない。また発生した静電気は、布団カバーや布団干しカバーが布団から蒸発した湿気を吸収して放電するため、静電気によって布団干しカバーに花粉が吸着することは少ないと考えられる。よって、静電気により引き寄せられる花粉の付着は軽減しても、物理的に布団カバーや布団干しカバーに衝突した花粉が布帛表面の粘着性により付着することは防止できなかった。そのため、布団干し作業が終わってから、布団干しカバーの花粉を払って屋内に取り込んでも、また屋外で布団干しカバーの中から布団を取り出して屋内に持ち込んでも、布団干しカバーに付着した花粉が布団に付着し、屋内に花粉を持ち込むことになった。一旦屋内に花粉を持ち込むと屋外に出すことが難しいのが現状である。そこで、花粉が付着しにくく、布帛の糸と糸の隙間に花粉が入り込みにくく、太陽光の吸収性がよく短時間で布団が乾燥する布団カバーまたは布団干しカバーが望まれているが、いまだ提供されていないのが現状である。
登録実用新案第3029013公報 特開平6−126093 登録実用新案第3088195公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、花粉が付着しにくく、落ちやすく、かつ太陽光を吸収しやすい布帛よりなる布団カバーを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の布団カバーは、隣接する糸との隙間が20μm以下である布帛であって、該布帛の表面特性がKES法による摩擦係数の平均偏差(MMD)がタテ方向・ヨコ方向共に0.04以下で、かつ、表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下で、花粉付着量測定方法で測定した疑似花粉の付着が250個以下であり、かつ、該布帛が、その少なくとも表面に太陽光吸収性微粒子を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、花粉付着防止性能と太陽光吸収性能を合わせ持つ布団カバーであるから、かかるカバーに入れて布団を干すと、かかる布帛は花粉が付着しにくく、少しの衝撃で花粉が落ちやすく、糸とその隣接する糸の隙間から花粉が入り込むことが少ないので、屋内に花粉を持ち込むことが非常に少なくなる。また、微細な太陽光吸収性微粒子を含むことから表面が平滑性で、短時間で布団内の温度が上昇し、花粉の付着を防止することができる上に、布団内の温度が高くなることからダニなどの駆除効果にも優れているという効果を奏する。
本発明は、花粉付着防止性能と太陽光吸収性能を共に向上させる方法を鋭意検討した結果、布団カバーの布帛の糸とその隣接する糸との隙間が花粉症の原因である花粉の粒径よりも小さい20μm以下とし、花粉が布団カバーまたは布団干しカバーの糸とその隣接する糸の隙間から入り込みにくくした。かつ、布帛表面特性を、KES法による摩擦係数の平均偏差(MMD)がタテ方向・ヨコ方向共に0.04以下、かつ表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下にすることにより、布帛表面のひっかかりや粘着性を少なくし、花粉が付着しにくく、落ちやすくなった。さらに、太陽光吸収性微粒子を含有させたため温度上昇が早くなり、布団の乾燥時間が短くなり、花粉に触れる時間が短くなり、より花粉付着防止性能が向上する。また、疑似花粉の布帛表面への付着が、250個以下である花粉付着防止性能を有する布団カバーにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
花粉症患者が最も多いスギ花粉はほぼ球形で、直径が約25〜35μmであり、スギ花粉の次に花粉症患者が多いブタクサ花粉の平均は約20μmであることから、布帛の糸とその隣接する糸の隙間が20μm以下であれば、布帛の糸とその隣接する糸の隙間から花粉が入り込むことを防止することができる。
本発明に用いる布帛は、織物、編物、不織布であることが好ましいが、布帛表面が平滑で、糸糸間の拘束力が強い織物であることがより好ましい。織物の組織は、平組織、綾組織、朱子組織、およびそれらの変化組織であってもよいが、タテヨコ一重組織であることが好ましい。より好ましくは平組織であれば、表面の凹凸が小さくひっかかりが少ないので、花粉の付着が少なく落ちやすい。また、平組織は生地の厚みが少なく太陽光吸収性の面でも好ましい。糸形態としては、毛羽のある紡績糸よりも、フィラメント糸の方が好ましい。また、フィラメント糸の中ではケン縮の大きい加工糸よりもケン縮の少ない加工糸や生糸の方が花粉付着防止性能上は好ましいが、太陽光吸収性微粒子を含有する樹脂の固着を向上させるためには生糸よりも加工糸の方が好ましい。
本発明の布帛を構成する繊維としては、合成繊維および再生繊維、天然繊維のいずれでもよい。太陽光吸収性微粒子を繊維中に含有する繊維としては、合成繊維であるポリエステル系繊維、ポリアラミド系繊維またはポリオレフィン系繊維が好ましい。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートやこれらを主成分とした共重合ポリエステル系繊維等が含まれ、また、ポリアミド系繊維としては、ナイロン6、ナイロン66および第3成分を共重合したもの等が含まれる。ポリオレフィン系繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が含まれる。また、再生繊維としてはビスコースレーヨン等が好ましい。
花粉が付着しにくい布帛表面特性として、摩擦係数の平均偏差(MMD)がタテ方向・ヨコ方向共に0.04以下で、かつ表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下であることが好ましい。該表面特性の数値以下であると、布帛表面が平滑で粘着性やひっかかりが少なく花粉が付きにくく、落ちやすくなる。布帛表面を平滑にするために、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましく、該(メタ)アクリル酸エステルが、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルを重合単位として含むことがより好ましい。かかるポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールであることが好ましい。特に好ましくは疎水性のポリプロピレングリコールであり、これを含むことによりMMD、SMDが低くなり、平滑性が向上し花粉付着防止性能が向上する。本発明の重合体におけるフルオロアルキル基含有重合単位の含有割合は、布帛表面に付与された樹脂成分中、30〜70wt%であることが好ましい。30wt%未満の場合は疎水性が低く粘着性が高くなり布帛表面のMMDが高くなり花粉付着が多くなる場合がある。また70wt%を越えると撥水性が高くなるが布帛表面のかさつき感が高くなり、布帛表面のMMD、SMDが高くなり花粉付着が多くなる傾向がある。
かかる重合体の付与方法としては、特に限定されるものではないが、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単位とする重合体に、アミノプラスト樹脂および/または、多官能性イソシアネート基含有ウレタン樹脂などの架橋効果を有する樹脂を加えた処理液を布帛に付着した後、熱処理されることが好ましい。
かかる処理液を付与する方法は、かかる処理液に布帛を浸漬後パッディング法で付与する方法、またはスプレー法で付与することが好ましい。熱処理は、乾熱処理または湿熱処理のいずれかであり、好ましくは100〜200℃の乾熱処理が好ましい。100℃未満であると洗濯耐久性が不十分であり、200℃を越えると繊維の黄変、脆化が生じる傾向にある。かかる重合体は単繊維に均一に被膜として被覆されている必要はなく、繊維束をかかる重合体が覆っていればよい。このことからかかる重合体が布帛にコーティングされ、布帛の片面または両面にシート状に付着していても良い。また、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合体単位とする重合体は、撥水性能を有しているため、該布帛からなる布団カバーや布団干しカバーは、屋外での突然の雨により布団が濡れることを防止することができる。
本発明の布団カバーの太陽光吸収性能を向上させるために、可視光吸収効果が高い濃色の布帛にすることが効果的であり、同じ色であれば、太陽光吸収性微粒子を含有するとより効果的がある。
かかる太陽光吸収性微粒子とは、可視光線や近赤外線の光エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する物質のことである。具体的には、カーボン粉末(C)または、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)、ホウ素(B)などの金属炭化物、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)などの金属酸化物、アンソラキノン系化合物、ナフタロシアン化合物、アンチモン固溶酸化錫からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
また、紫外線は殺菌効果がありダニなどの駆除を効果的に行うためには、紫外線を透過しやすい微粒子を含有させることが好ましい。また、紫外線による色落ちや羽毛の吹き出し防止加工の加工剤の劣化を防ぐためには、紫外線遮蔽効果のある微粒子を含有することが好ましい。また、太陽光吸収性微粒子の中でも、導電性能のある金属化合物やカーボンなどを含有させると、コロナ放電による除電により静電気の帯電防止効果もある。
かかる太陽光吸収性微粒子を該布帛に含有させる方法としては、繊維中に均一に分散させたもの、芯鞘構造の片方に含有させたもの、また、該太陽光吸収性微粒子を含む樹脂からなる樹脂組成物を繊維表面にパッディング法で固着させたもの、スプレー法で固着させたものなどいずれの方法で含有させてもよい。
本発明の布団カバーの布帛全体に含有する太陽光吸収性微粒子量は、0.1重量%以上であることが好ましい。0.1重量%以上の時、太陽光吸収効果が認められる。繊維中に含有させる量としては、太陽光吸収性微粒子を0.5〜5重量%含有する合成繊維を20%〜100%含むことが好ましい。繊維中への含有が0.5重量%以下では太陽光吸収効果が不十分であり、5重量%以上であると繊維の製造行程の通過性が悪い。繊維表面に固着させる太陽光吸収性微粒子の含有量は、0.1〜8.0重量%が好ましい。0.1重量%以上の時太陽光吸収効果が認められ、8.0重量%以上であると布帛が粗硬になる。
また、かかる太陽光吸収性に優れた微粒子の径は、1μm以下であれば紡糸性や製糸性に問題はないが、布帛表面の凹凸を少なくするために微粒子の径は0.5μm以下であるものが好ましく使用される。スギ花粉やブタクサ花粉の平均粒径は20〜30μm前後であるが、花粉の表面には微細な突起があり、その突起の大きさが0.5μm前後であることから、含有する微粒子の径が0.5μm以下であれば、布帛表面にある微細な凹凸をカバーしひっかかりが少なくなり好ましい。また、微粒子が凝集することから、0.01〜0.1μmであることがより好ましい。また微粒子の径が、0.1μm以下であると可視光線の波長よりも小さいため透明性に優れより好ましい。さらに粒子の径が0.01〜0.03μmであると色の変化が少なくより好ましい。
またダニが好む繁殖環境は、20〜30℃、60〜80%RHであることから、太陽光を吸収し30℃以上、60%RH以下になることが好ましく、また、ダニの死滅条件が50℃で20分と言われていることから、布団カバーや布団干しカバーの内部の温度が50℃以上になることがより好ましい。
花粉付着防止性能を測定するために使用する花粉は、天然の花粉では同じ種類の花粉であっても、採取する年、地方などにより大きさや形状などに違いがあり、試験用に常時、安定した花粉を入手することは困難である。また、天然の花粉を使用して試験を行う時、試験を実施する人が花粉症患者の場合は試験を行うことが困難であり、花粉症患者でない場合は花粉症を誘発する危険性もある。よって、アレルギー性のない疑似花粉を使用することが試験実施者の健康管理の面からも好ましい。使用する疑似花粉は花粉症患者の最も多いスギ花粉と粒径などが似ているシダ科のヒカゲノカズラの胞子である石松子が好ましい。
繊維布帛に空中を浮遊している花粉が付着するのを想定し、疑似花粉と繊維布帛とを硬質容器に入れて攪拌し、繊維布帛に花粉または疑似花粉を衝突させることにより、花粉付着防止性能を試験した。
すなわち、本発明でいう花粉付着量測定方法、すなわち疑似花粉の布帛表面への付着個数の測定方法は、20℃65%RHの温調室で24時間調湿したタテ4cm、ヨコ4cmの同一水準の試料5枚と疑似花粉である石松子を0.05g、緩衝材として直径12mmの木製の球5個を1Lの円柱型の硬質ボトルの中に入れて、1回/秒の回転速度で2分間回転させ、試料の表面を150倍のレンズで拡大観察を行い、平均的に付着している布帛実面積、タテ1.5mm、ヨコ2.0mmの3mm2 に付着している疑似花粉の個数を測定し、5枚の試料の平均で示したものである。
布帛実面積タテ1.5mm、ヨコ2mmの3mm2に250個以下の付着であれば、スギ花粉による着用テストの結果でも付着数が少ないものであり、花粉付着防止性能として好ましい。疑似花粉付着数が250個以下であれば、布団干し作業が終わった後、軽く、布団カバーや布団干しカバーを払っただけで花粉は落下し、屋内に花粉を持ち込むことが非常に少なくなる。
布団カバーは、布団の汚れ防止などのために布団を被覆するもので、就寝時の快適性やファッション性が求められることから、淡色や柄物が好まれる。また、本発明の布団カバーはさらに布団干しカバーとしても使用することができる。すなわち、布団を干す時に太陽光の吸収性を高めるため、また直接太陽光が照射されることを防ぐため、花粉やほこり、粉塵、火山灰、鳥の糞などの付着を防ぐために布団を被覆するもので、布団カバーと比較して色や風合いの制限は少ない利点がある。
花粉付着防止性能と太陽光吸収性能を合わせもつ該布団カバーの形態は、布団を完全に被覆しているもので、かつ自在に収納できる開口部を持ち、かつ布団収納後に該開口部を閉鎖できる布団カバーまたは布団干しカバーが好ましい。布団カバーの開口部は、ファスナーやマジックテープ(登録商標)、入れこ式、ホックやボタンなどその方法は限定しないが、タックやギャザーなど布帛表面に凹凸が少ないものが好ましい。また、布団カバーは布団以外の、枕、座布団、こたつ布団、クッションなどのカバーでもよく、布団干しカバーとしては、枕や、座布団、こたつ布団、クッション、毛布、ぬいぐるみなどを干すためのカバーであってもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明中の各評価は次の方法で行った。
(糸とその隣接する糸との隙間)
布帛をマイクロスコープで150倍のレンズで拡大観察し、糸とその隣接する糸のいずれによっても占められていない隙間の最大長さを測定した。織物でタテ、ヨコに隙間があるものは大きい方を表した。
(摩擦係数の平均偏差/MMD)
カトーテック(株)KES−FB4を用い、タテ20cm×ヨコ20cmにカットした布帛を20℃×65%RHの環境下で調湿する。20gf/cmの張力をかけた布帛に、0.5mm径のピアノ線を5×5mmに10本面上に巻いた接触子に50gfで試料に圧着させ、0.1cm/秒の一定速度で水平に長さ2cm移動させ測定する。上記の方法でタテ方向、ヨコ方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)を測定し、大きい方を表した。
(表面粗さの平均偏差/SMD)
カトーテック(株)KES−FB4を用い、タテ20cm×ヨコ20cmにカットした布帛を20℃×65%RHの環境下で調湿する。20gf/cmの張力をかけた布帛に、0.5mm径のピアノ線1本を5mm幅に折り曲げた接触子を10gfで布帛に着圧させ、0.1cm/秒の一定速度で水平に長さ2cm移動させ測定する。上記の方法でタテ方向、ヨコ方向の表面粗さの平均偏差(SMD)を測定し、大きい方を表した。
(花粉付着防止性能)
本発明における花粉付着量測定方法による。
すなわち、布帛のシワのない個所でタテ4cm、ヨコ4cmにカットした同一水準の試料を5枚、20℃65%RHの温調室で24時間調湿後、20℃65%RHの温調室で、該試料5枚と疑似花粉である石松子を0.05g、緩衝材として直径12mmの木製の球5個を直径97mm、高さ166mmのポリエチレン製の1Lの円柱型の硬質ボトルの中に入れた。そのボトル1個と同じ大きさのボトル3個、計4個のボトルをタテ23cm、ヨコ23cm、深さ23cmのコルクが内張りしている箱型の装置の中に、ボトルの蓋を上に立てて入れ、箱型の装置の蓋をし、1回/秒の回転速度で2分間回転させ花粉付着防止性能試験を行った。疑似花粉が付着した試料を取り出し、表面をマイクロスコープの150倍のレンズで拡大観察を行い、平均的に付着している箇所を選び布帛実面積、タテ1.5mm、ヨコ2mmの3mm2 に付着している個数を測定した。5枚の試料の平均を表示した。
(太陽光吸収性能)
20℃65%RHの温調室で、得られた布帛の表面を上にして直径10cmの枠に固定し、25cm離れた上から、疑似太陽光300Wのハロゲンランプを照射し、25分後の布帛裏面温度を測定した。太陽光吸収性微粒子の含有の有無によって、2℃以上の昇温効果があれば太陽光吸収性能上好ましい。
[実施例1]
タテ糸に84デシテックス、72フィラメントのポリエステル加工糸を、ヨコ糸に粒径が0.1μmである太陽光吸収性微粒子のカーボンブラックを2.5重量%含有した84デシテックス、24フィラメントのポリエステル糸を使用し、平織りを製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、黒色に染色して乾燥した後、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単体として含有し、該(メタ)アクリル酸エステルがポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルである共重合体TK−ガード208(高松油脂(株)製)60g/L、架橋剤としてアミノプラスト樹脂であるスミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)3g/L、および触媒としてスミテックスレジンACX(住友化学工業(株)製)2g/Lからなる処理液に布帛を浸漬した後、絞り率80%で絞り、130℃で乾燥後さらに175℃で45秒間乾熱処理を行い、タテ密度は177本/2.54cm、ヨコ密度は98本/2.54cmの織物を作製した。その布帛の糸とその隣接する糸との隙間、表面特性の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能ならびに太陽光吸収性能にも優れていた。
[実施例2]
タテ糸に84デシテックス、72フィラメントのポリエステル加工糸を、ヨコ糸に太陽光吸収性微粒子である0.5μmの炭化ジルコニウムを2.5重量%含有した84デシテックス、24フィラメントのポリエステル糸を使用し、平織りを製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、黒色に染色して乾燥した後、実施例1と同様の加工を行い、タテ密度は180本/2.54cm、ヨコ密度は94本/2.54cmの織物を作製した。その布帛の糸とその隣接する糸との隙間、表面特性の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能に優れ、太陽光吸収性能にも優れていた。
[実施例3]
タテ糸に56デシテックス、48フィラメントのポリエステル生糸を、ヨコ糸に84デシテックス、72フィラメントのポリエステル加工糸を、使用して平織りを製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、水色に染色して乾燥した後、平均粒径が0.02μmである太陽光吸収性微粒子のアンチモン固溶酸化錫の8wt%水分散液を80g/Lと、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単体として含有し、該(メタ)アクリル酸エステルがポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルである共重合体TK−ガード208(高松油脂(株)製)60g/L、架橋剤としてアミノプラスト樹脂であるスミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)3g/L、および触媒としてスミテックスレジンACX(住友化学工業(株)製)2g/Lからなる処理液に布帛を浸漬した後、絞り率80%で絞り、130℃で乾燥後さらに175℃で45秒間乾熱処理を行い、タテ密度158本/2.54cm、ヨコ密度104本/2.54cmの織物を作製した。糸とその隣接する糸との隙間、表面の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉の平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能、太陽光吸収性能に優れていた。
[比較例1]
タテ、ヨコ共、綿50%/ポリエステル50%、20Sの紡績糸を使用し平織りを製織後、通常の染色方法でリラックス・精錬、白色に染色し、タテ密度73本/2.54cm、ヨコ密度58本/2.54cmの織物を作製した。その布帛の糸とその隣接する糸との隙間、表面特性の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能、太陽光吸収性能共に劣っていた。
[比較例2]
太陽光吸収性微粒子の混入がない以外は実施例1、実施例2と同じ糸で、平織りを製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、黒色に染色して乾燥した後、
リン酸エステル系帯電防止剤であるエレナスタットEA−7(京浜化成(株)製)20g/Lからなる処理液に浸漬した後、絞り率80%で絞り、170℃で乾燥セットを行い、タテ密度174本/2.54cm、ヨコ密度99本/2.54cmの織物を作製した。その布帛の糸とその隣接する糸との隙間、表面特性の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能、太陽光吸収性能共に劣っていた。
[比較例3]
実施例3と同じ糸使いで、平織りを製織後、通常の染色方法で、リラックス・精練、水色に染色して乾燥した後、リン酸エステル系帯電防止剤であるエレナスタットEA−7(京浜化成(株)製)20g/Lからなる処理液に浸漬した後、絞り率80%で絞り、170℃で乾燥セットを行い、タテ密度158本/2.54cm、ヨコ密度104本/2.54cmの織物を作製した。その布帛の糸とその隣接する糸との隙間、表面特性の摩擦係数の平均偏差(MMD)、表面粗さの平均偏差(SMD)、花粉付着防止性能試験による疑似花粉平均付着数、生地裏面温度を表1に示す。表1に示す通り、花粉付着防止性能、太陽光吸収性能共に劣っていた。
Figure 2005261532

Claims (7)

  1. 隣接する糸との隙間が20μm以下である布帛であって、該布帛の表面特性がKES法による摩擦係数の平均偏差(MMD)がタテ方向・ヨコ方向共に0.04以下で、かつ、表面粗さの平均偏差(SMD)がタテ方向・ヨコ方向共に4.0μm以下で、花粉付着量測定方法で測定した疑似花粉の付着が250個以下であり、かつ、該布帛が、その少なくとも表面に太陽光吸収性微粒子を含有することを特徴とする布団カバー。
  2. 該布帛が、太陽光吸収性微粒子を含有する繊維で構成された糸からなることを特徴とする請求項1に記載の布団カバー。
  3. 該布帛が、太陽光吸収性微粒子を含有する樹脂が塗布された糸で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の布団カバー。
  4. 該太陽光吸収性微粒子が、カーボン粉末(C)または、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、シリコン(Si)、ホウ素(B)などの金属炭化物、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)などの金属酸化物、アンソラキノン系化合物、ナフタロシアン化合物、アンチモン固溶酸化錫からなる群から選ばれる、少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の布団カバー。
  5. 該太陽光吸収性微粒子が、粒径が0.5μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の布団カバー。
  6. 該布帛が、その表面に、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを必須の重合単位として含む重合体が付与されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の布団カバー。
  7. 該(メタ)アクリル酸エステルが、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルである請求項6に記載の布団カバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008048919A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Osaka Gas Chem Kk 寝具
JP2008138314A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Asahi Kasei Fibers Corp 花粉付着防止性に優れた編物
JP2010090513A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Teijin Fibers Ltd 花粉付着防止シート
JP2015181896A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 帝人株式会社 こたつ用繊維製品

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