JP2008138314A - 花粉付着防止性に優れた編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れ、かつ、伸縮性および通気性に富み、着用快適性に優れる編物を提供すること。
【解決手段】合成繊維マルチフィラメントで構成される編物であって、経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であり、洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であり、かつ、経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である編物。
【選択図】なし
【解決手段】合成繊維マルチフィラメントで構成される編物であって、経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であり、洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であり、かつ、経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である編物。
【選択図】なし
Description
本発明は花粉付着防止性に優れた編物に関する。更に詳しくは、伸縮性に富む編物でありながら、繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れた編物に関する。特にスポーツウエアにも対応できる花粉付着防止性に優れた編物に関する。
花粉症は一旦発症すると花粉の飛散する季節には毎年発症する場合が多く、1000万人を超える方々が花粉症に悩んでいるといわれている。花粉症の症状を軽減するには花粉に触れないようにすることが重要でマスク、めがねの着用が有効であるといわれている。また、外出後に花粉を屋内に持ち込まないようにするために花粉症に対応する衣料や素材の開発も行われてきている。
このような衣料や素材に関して、特許文献1〜3では繊維の間隙が小さく平滑で制電性に優れた織物が提案されている。しかしながらこれらの織物は伸縮性が小さい為に用途が制限され、特に軽い運動を含めたスポーツウエア用としては不向きであった。また、繊維の間隙が非常に小さい構造であるために通気度が小さく、衣服としての快適性という観点では不十分であった。
特許文献4〜5では花粉付着防止に関する特殊な加工について開示されている。しかしながら、これらの特殊な加工を施すだけでは、特に編地の場合、構造的に花粉が通過または付着しやすく、花粉付着防止効果は不十分であるという問題点があった。
本発明は、繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れ、かつ、伸縮性、通気性に富み、着用快適性に優れる編物、特にスポーツウエアにも対応できる花粉付着防止性に優れた編物を提供しようとするものである。
本発明者は、上記の課題を解決する上で、特定の編地の性量、機能付与が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の発明を提供する。
(1)主として合成繊維マルチフィラメントからなる編物であって、経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であり、洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であり、かつ、経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である花粉付着防止性に優れた編物。
(1)主として合成繊維マルチフィラメントからなる編物であって、経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であり、洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であり、かつ、経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である花粉付着防止性に優れた編物。
(2)合成繊維マルチフィラメントが70重量%以上含まれる前記(1)に記載の編物。
(3)シリコン系の樹脂加工が施されている前記(1)または(2)に記載の編物。
(4)表面粗さの平均偏差が経方向および緯方向の平均で13μm以下である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の編物。
(3)シリコン系の樹脂加工が施されている前記(1)または(2)に記載の編物。
(4)表面粗さの平均偏差が経方向および緯方向の平均で13μm以下である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の編物。
(5)通気度が50cc/cm2/sec以上である前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の編物。
(6)編物の少なくとも片面に150℃以上のカレンダー加工が施されている前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の編物。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の編物からなるスポーツ用衣料。
(6)編物の少なくとも片面に150℃以上のカレンダー加工が施されている前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の編物。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の編物からなるスポーツ用衣料。
本発明の花粉付着防止性に優れた編物は、伸縮性に富む編物でありながら、繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れ、さらに通気度が大きく快適性に優れるため、特にスポーツ衣料にも対応できる花粉付着防止性に優れた編物となる。
本発明の花粉付着防止性に優れた編物は主として合成繊維マルチフィラメントからなることを特徴としている。合成繊維マルチフィラメントの素材は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、あるいはそれらの共重合体であるポリエステル系繊維、ナイロン6,66,610、612或いはその共重合体またはブレンド物であるポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維等が好適に用いられる。
本発明で用いる合成繊維マルチフィラメントの糸断面の形状は特に限定されないが異型度が2〜7の異型断面糸が好ましく、特に好ましくは異型度3以上である。その形状はW型、V型、T型、扁平八葉型、ドッグボーン型、団子型である異型糸やその中空糸が好ましい。ここでいう異型度は後述する単糸繊維の断面の長径(最も長い部分の径)/短径(長径と垂直方向の径)より算出したものである。異型度が2〜7であると、扁平な形状となるために糸による曲げ応力の低減効果の為、編物にした場合、非常に風合いがやわらかくなり好ましい。
また、異型度が2〜7の繊維のうち、W断面、V断面、∞型断面等異型断面繊維が溝、すなわち単糸断面に凹部を有する形状の場合、編物としての吸汗速乾性にも優れるため、汗をかいてもさらっとした衣料用編物となり、特に好ましい。さらに、編地を後述の制電剤やシリコン加工剤で処理した場合に加工剤が凹部に入り込む為に洗濯等により落ちにくく、効果の耐久性が得られ好ましい。
本発明の合成繊維マルチフィラメントの単糸繊度は特に限定されないが、花粉の通過を阻止し、やわらかい風合いにするために、単糸繊度は比較的小さいほうが望ましく0.5〜3dtexが好適に用いられる。
本発明は主として合成繊維マルチフィラメントからなるが例えば綿、ウール、絹などの天然繊維を含んでも良い。ただし、これらの天然繊維を30重量%以上含むと、天然繊維は糸表面に微細なクリンプ等が形成されている為に花粉が残りやすく、好ましくない。また、天然繊維を30重量%以上含む場合、編地の凹凸も大きくなり、さらにカレンダーによる熱セット性も悪い為に、後述の平滑な編地が得られず好ましくない。従って本発明では合成繊維マルチフィラメントは編地の70重量%以上含まれることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
本発明は主として合成繊維マルチフィラメントからなるが例えば綿、ウール、絹などの天然繊維を含んでも良い。ただし、これらの天然繊維を30重量%以上含むと、天然繊維は糸表面に微細なクリンプ等が形成されている為に花粉が残りやすく、好ましくない。また、天然繊維を30重量%以上含む場合、編地の凹凸も大きくなり、さらにカレンダーによる熱セット性も悪い為に、後述の平滑な編地が得られず好ましくない。従って本発明では合成繊維マルチフィラメントは編地の70重量%以上含まれることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
本発明の編物の密度は経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であることを特徴としている。ここでいう編密度とは1インチ間のループ数をいう。経方向と緯方向の編密度の積が2800未満の場合にはループ間の空隙が大きく、制電加工が施されている場合においても花粉が通過してしまう為、本発明の目的を達しない。経方向と緯方向の編密度の積が6500より大きい場合は編地が緻密になりすぎるため、風合いが硬く、伸びがたく、通気性に劣るため、快適性が阻害され好ましくない。花粉通過防止性および快適性の観点から、経方向の編密度および緯方向の編密度はいずれも40〜100/インチが好ましい。この編密度を達成する為に本発明で用いる合成繊維マルチフィラメントの繊度としては20〜120dtexが特に好ましい。
本発明のもう1つの特徴は洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であることにある。編物を上記の繊度、密度にした場合においても静電気が発生する場合には花粉の付着は免れず、本発明の目的は達成されない。特にスポーツウエアとして着用する場合には着用時の摩擦等で静電気が発生しやすい為、洗濯20回後の摩擦帯電圧を2500V以下にすることが必要である。ここでいう洗濯はJISL0217 103法での洗濯をいう。洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500Vを超えた場合には編地を緻密かつなめらかにした場合でも着用時に花粉が付着しやすく、好ましくない。
洗濯20回後の摩擦帯電圧を2500V以下に抑えるためには制電剤を含有した糸を用いる方法、制電加工剤を後加工で付着させる方法等が挙げられるが、効果の洗濯耐久性を高める為には制電剤を含有した糸を用いる方法が好ましく、特に制電性組成物を芯成分に含有する鞘芯型制電性ポリエステル繊維を使用するのが好ましい。
制電性組成物とは例えばカーボンブラックやカーボンブラックを主成分としてポリアルキレンオキサイドを配合した組成物、ポリオキシアルキレングリコールやこれにスルホン酸金属塩を配合したものなど、公知の制電性組成物をいう。
芯成分への制電性組成物の含有形態は均一分散でも、杢目状、年輪状、筋状分散等の任意の不均一分散でもよい。鞘部の繊維断面積比率は、通常、50%以上、好ましくは65〜95%であり、芯部の繊維断面積比率は、通 常、5〜50%、好ましくは10〜35%である。鞘芯型制電性ポリエステル繊維は編地の30重量%以上含むと非常に制電効果が大きく特に好ましい。
本発明の編物は経方向および/または緯方向の伸度が20%以上であることを特徴としている。ここでいう伸度とは後述の測定法で荷重22.05N時の伸度をいう。経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である場合にはウエアとして着用時にも着用中の動きに対してもつっぱることなく十分対応でき、着用快適性に優れた編地となる。また、経方向および緯方向の伸度は200%以下が好ましい。伸度が200%以上であると、編地が伸びた状態および伸びた後戻した状態での編目の開きが大きく、花粉通過防止性に劣る。
シリコン系の樹脂を編物に加工することは花粉付着を防止し、滑り性が向上するために花粉が付着しても落ちやすくなるため非常に好ましい。シリコン系の樹脂加工剤はシリコンを含む樹脂であれば特に限定されないが、特に耐久性と加工性の観点から変性シリコン樹脂と界面活性剤のエマルジョンが望ましい。変性シリコンの具体例としては日華化学(株)のニッカシリコンDM−100E、京浜化学(株)のシリコランEC、パラジンMB、明成化学(株)のハイソフターKR−50、クラリアントジャパンのSolusoft WAなどが挙げられるがそれらに限定されるものではない。界面活性剤はシリコン樹脂のイオン性を考慮して適宜選定すればよい。
シリコン系樹脂の濃度は0.05%〜5%が好ましく、特に0.1〜1%がスナッギングなど他の欠点が起こりにくく好ましい。樹脂加工の方法は特に限定されないが染色後にDIP−NIP法で加工する、吸尽法で加工するなどの方法が好適に用いられる。乾燥温度も通常の仕上げ温度で特に問題はない。
シリコン系の樹脂加工を施すことで風合いをなめらかかつやわらかくする効果も同時に達成できる。この効果によりスポーツ衣料などに用いた場合にがさがさ感がなく、肌触りが良好となる。
また、本発明の編物は花粉の引っかかりを抑えるため、平滑であることが好ましい。平滑の程度はカトーテック製KES−FB4による表面粗さの平均偏差の値が経方向および緯方向の平均値として13μm以下が望ましい。この平滑性を達成するには上述の繊度、編み密度での編成とし、編組織はトリコット、スムース、天竺などプレーンな組織が好ましい。150℃以上の熱カレンダー加工を行うとさらに平滑性を高めることができ、好ましい。圧力、ロール回転速度は特に限定されず、表面粗さの平均偏差の値が経方向および緯方向の平均値として13μm以下の平滑性を達成できればよい。
ただし、本発明は編物であるため、極端に平滑な表面を有するための編地構造、後処理加工、例えば超極細糸の緻密構造や極端に強いカレンダー処理を行うと、編地の伸度、通気性、風合いを損なうという点で編地性能に支障をきたすため、好ましくない。経方向と緯方向の少なくとも一方は、表面粗さの平均偏差が4μm以上であることが好ましい。
上述のように花粉付着防止には緻密で平滑な編組織が好ましいが衣服としての着用快適性を満足させる為、通気度は50cc/cm2/sec以上であることが好ましい。また、通気度が350cc/cm2/secを超えると花粉通過防止性に劣るので、通気度は350cc/cm2/sec以下が好ましい。
こうして得られた編物は、従来の編物と同様に伸縮性に富む編物でありながら、繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れ、さらに通気度が大きく、快適性に優れるため、特にスポーツ衣料として対応も可能な花粉付着防止性に優れた編物である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)花粉付着防止性
ボーケン法(実用新案登録第3096977号)により花粉リリース性試験を行った。
花粉減少率(%)=((リリース前の花粉数−リリース後の花粉数)/リリース前の花粉数)×100 で求めた。
(1)花粉付着防止性
ボーケン法(実用新案登録第3096977号)により花粉リリース性試験を行った。
花粉減少率(%)=((リリース前の花粉数−リリース後の花粉数)/リリース前の花粉数)×100 で求めた。
(2)摩擦帯電圧
JIS―L−1094B法(摩擦帯電圧測定法)にて20℃40%RH室内で測定した。測定は経方向および緯方向で行ない、それらの平均値をその編物の摩擦帯電圧とした。また、測定前にJIS L0217−103法にて洗濯(20回)を実施し十分乾燥を行った。
JIS―L−1094B法(摩擦帯電圧測定法)にて20℃40%RH室内で測定した。測定は経方向および緯方向で行ない、それらの平均値をその編物の摩擦帯電圧とした。また、測定前にJIS L0217−103法にて洗濯(20回)を実施し十分乾燥を行った。
(3)伸度
テンシロン型引張り試験機を用いて、生地幅2.5cm、つかみ間隔10cm、引張り速度300mm/minの条件にて引張り試験を行い、荷重22.05Nの生地の伸度(%)を測定した。
テンシロン型引張り試験機を用いて、生地幅2.5cm、つかみ間隔10cm、引張り速度300mm/minの条件にて引張り試験を行い、荷重22.05Nの生地の伸度(%)を測定した。
(4)表面粗さの平均偏差
カトーテック製KES―FB4を用い、20℃65%RH室内の環境下でニット測定条件にて表面粗さの平均偏差を経方向および緯方向でそれぞれ測定し、経方向および緯方向の平均値を算出した。
カトーテック製KES―FB4を用い、20℃65%RH室内の環境下でニット測定条件にて表面粗さの平均偏差を経方向および緯方向でそれぞれ測定し、経方向および緯方向の平均値を算出した。
(5)通気度
JIS―L−1096 8.27.1 A法(フラジール法)により測定した。
(6)着用評価
長袖Tシャツを作成し、着用して軽い運動を行った。5名の着用快適感の官能評価(1:快適 2:やや快適 3どちらともいえない 4やや不快 5不快)の平均とした。
JIS―L−1096 8.27.1 A法(フラジール法)により測定した。
(6)着用評価
長袖Tシャツを作成し、着用して軽い運動を行った。5名の着用快適感の官能評価(1:快適 2:やや快適 3どちらともいえない 4やや不快 5不快)の平均とした。
[実施例1]
フロントに34デシテックス18フィラメントのW断面を有するポリエステルフィラメント(異型度3.8)を、バックに56デシテックス24フィラメントの丸断面を有する鞘芯型制電性ポリエステルマルチフィラメント糸(芯成分はポリエチレンテレフタレートにポリエチレングリコールを筋状に分散させたもので、鞘成分がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部/芯部の面積比率=65/35の糸)を用い、28GGトリコットハーフ編地を作製した。鞘芯型制電性ポリエステルマルチフィラメント糸の混率は57.4%であった。常法に従って精練後、液流染色機にて染色、乾燥した後、変性シリコン樹脂として日華化学(株)のニッカシリコンDM−100Eを1%とアニオン系の界面活性剤0.5%のエマルジョンをDIP−NIP法で加工し、140℃で乾燥させた後、160℃の熱カレンダー加工を施した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC76/インチ、W49/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
フロントに34デシテックス18フィラメントのW断面を有するポリエステルフィラメント(異型度3.8)を、バックに56デシテックス24フィラメントの丸断面を有する鞘芯型制電性ポリエステルマルチフィラメント糸(芯成分はポリエチレンテレフタレートにポリエチレングリコールを筋状に分散させたもので、鞘成分がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部/芯部の面積比率=65/35の糸)を用い、28GGトリコットハーフ編地を作製した。鞘芯型制電性ポリエステルマルチフィラメント糸の混率は57.4%であった。常法に従って精練後、液流染色機にて染色、乾燥した後、変性シリコン樹脂として日華化学(株)のニッカシリコンDM−100Eを1%とアニオン系の界面活性剤0.5%のエマルジョンをDIP−NIP法で加工し、140℃で乾燥させた後、160℃の熱カレンダー加工を施した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC76/インチ、W49/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
[実施例2]
バックに56デシテックス30フィラメントのW断面を有するポリエステルマルチフィラメント糸(異型度3.8)を用いたこと、編密度を実施例1より甘く設計したこと、および染色時に同浴で制電剤(ブリアン2100 3%owf)を投入し、制電加工を行ったこと以外は実施例1と同様の方法で編物を得た。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC70/インチ、W46/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
バックに56デシテックス30フィラメントのW断面を有するポリエステルマルチフィラメント糸(異型度3.8)を用いたこと、編密度を実施例1より甘く設計したこと、および染色時に同浴で制電剤(ブリアン2100 3%owf)を投入し、制電加工を行ったこと以外は実施例1と同様の方法で編物を得た。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC70/インチ、W46/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
[実施例3]
44デシテックス34フィラメントで三角断面を有するナイロン66糸(異型度1.3)を用い、スムース組織で製編した。常法による染色工程を行ったが染色時に制電剤(ブリアン2100 3%owf)を投入し、制電加工を行った後、シリコン系樹脂加工(シリコン系樹脂1%)を行い乾燥後、160℃にてカレンダー加工をおこなった。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC59/インチ、W50/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
44デシテックス34フィラメントで三角断面を有するナイロン66糸(異型度1.3)を用い、スムース組織で製編した。常法による染色工程を行ったが染色時に制電剤(ブリアン2100 3%owf)を投入し、制電加工を行った後、シリコン系樹脂加工(シリコン系樹脂1%)を行い乾燥後、160℃にてカレンダー加工をおこなった。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC59/インチ、W50/インチであり、花粉付着防止性に優れ着用快適性も優れていた。
[比較例1]
編密度を非常に甘く設計したことを除いて、実施例1と同様の編地を作製し評価した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC45/インチ、W38/インチであり、着用快適性は問題がなかったが花粉付着防止性に劣っていた。
編密度を非常に甘く設計したことを除いて、実施例1と同様の編地を作製し評価した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC45/インチ、W38/インチであり、着用快適性は問題がなかったが花粉付着防止性に劣っていた。
[比較例2]
フロント、バックともに34デシテックス18フィラメントのW断面を有するポリエステルフィラメントを用い、36GGトリコットとしたことを除いて実施例2と同様の方法で編地を作製し評価した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC94/インチ、W70/インチであり、花粉付着防止性は良好であったが、伸びが小さく、ムレ感が生じ、着用快適性に劣っていた。
フロント、バックともに34デシテックス18フィラメントのW断面を有するポリエステルフィラメントを用い、36GGトリコットとしたことを除いて実施例2と同様の方法で編地を作製し評価した。得られた編物の特性を表1に示す。編密度はC94/インチ、W70/インチであり、花粉付着防止性は良好であったが、伸びが小さく、ムレ感が生じ、着用快適性に劣っていた。
[比較例3]
染色時の制電処理を行なわなかったことを除いて実施例2と同様の編物を仕上げた。得られた編物の特性を表1に示す。着用時にまとわりつきが発生し、快適性に劣り、花粉付着防止性も劣っていた。
染色時の制電処理を行なわなかったことを除いて実施例2と同様の編物を仕上げた。得られた編物の特性を表1に示す。着用時にまとわりつきが発生し、快適性に劣り、花粉付着防止性も劣っていた。
本発明の編物は、繰り返し洗濯後も花粉付着防止性に優れ、かつ、伸縮性および通気性に富み、着用快適性に優れる編物であるから、産業上きわめて有用である。特にスポーツウエアにも対応できる花粉付着防止性に優れた編物である。
Claims (7)
- 主として合成繊維マルチフィラメントからなる編物であって、経方向と緯方向の編密度の積が2800〜6500であり、洗濯20回後の摩擦帯電圧が2500V以下であり、かつ、経方向および/または緯方向の伸度が20%以上である花粉付着防止性に優れた編物。
- 合成繊維マルチフィラメントが70重量%以上含まれる請求項1に記載の編物。
- シリコン系の樹脂加工が施されている請求項1または2に記載の編物。
- 表面粗さの平均偏差が経方向および緯方向の平均値で13μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の編物。
- 通気度が50cc/cm2/sec以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の編物。
- 編物の少なくとも片面に150℃以上のカレンダー加工が施されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の編物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の編物からなるスポーツ用衣料。
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