JP2005350779A - 繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、撥水性などの特殊機能を付与しなくても、浮遊する花粉が付着しにくく、かつ、落ちやすく、洗濯耐久性に優れる上に、制電性をも有する繊維構造物を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の繊維構造物は、布帛表面に、架橋されて不溶化したセルロース樹脂が付着しており、かつ、下記測定法により測定したときの該布帛表面への擬似花粉の付着数が250個以下である花粉付着防止性を有するものであることを特徴とするものである。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
【選択図】なし
本発明は、撥水性などの特殊機能を付与しなくても、浮遊する花粉が付着しにくく、かつ、落ちやすく、洗濯耐久性に優れる上に、制電性をも有する繊維構造物を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の繊維構造物は、布帛表面に、架橋されて不溶化したセルロース樹脂が付着しており、かつ、下記測定法により測定したときの該布帛表面への擬似花粉の付着数が250個以下である花粉付着防止性を有するものであることを特徴とするものである。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
【選択図】なし
Description
本発明は、花粉症の原因である花粉が付着しにくい花粉付着防止性に優れた繊維構造物に関するものである。
花粉症は2月〜4月頃のスギ花粉に代表されるように、ヒノキ、イネ、ブタクサ、ハンノキなど多くの花粉がアレルゲンとなり鼻、目、喉、皮膚などに不快感を与えるものであり、有効な治療法がないために年々、患者数が増大し、国民病とまでいわれている。
従来から、花粉症患者は、外出時には防塵マスクや防塵メガネをしたりの対策を講じているが、衣服に付着した花粉はそのまま家の中に持ち込んでいるので、屋内外を問わず花粉症に悩まされているのが現状である。
そこで、衣服等に付着した花粉をできるだけ屋内に持ち込まないために、繊維布帛の表面摩擦係数や表面粗さを規定し、花粉が付きにくく、かつ、落ちやすい繊維構造物が提案されている(特許文献1参照)。かかる繊維構造物は高密度の長繊維織物を弗素系撥水剤で処理し、布帛表面を平滑にして花粉をつきにくく、落ちやすくするには効果的なものであるが、短繊維を用いた布帛や編物では効果が不十分で、また、ブラウスやシャツ等の用途には布帛設計上、着用感に問題があった。
また、同様に花粉付着防止機能を有する繊維構造物として、コロイダルシリカ類の微粒子をグリオキザールまたはシリコーン樹脂によって繊維表面に付着させる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながらグリオキザール樹脂やシリコーン樹脂は樹脂自体が粘性を有しており、樹脂部に一旦付着した花粉は落ちにくいなど、花粉付着防止性には劣るものであった。
特開2003−227070号公報
特開2004−3046号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、撥水性などの特殊機能を付与しなくても、浮遊する花粉が付着しにくく、かつ、落ちやすく、洗濯耐久性に優れる上に、制電性をも有する繊維構造物を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の繊維構造物は少なくとも布帛を有する繊維構造物であって、該布帛表面に、架橋されて不溶化したセルロース樹脂が付着しており、かつ、下記測定法により測定したときの該布帛表面への擬似花粉の付着数が250個以下である花粉付着防止性を有するものであることを特徴とするものである。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
本発明によれば、撥水などの特殊機能を付与しなくても、花粉が付着しにくく、かつ、落ちやすく、洗濯耐久性に優れる上に、制電性をも有する繊維布帛を提供することができる。
本発明は、前記課題、すなわち撥水性などの特殊機能を付与しなくても、浮遊する花粉が付着しにくく、かつ、落ちやすく、洗濯耐久性に優れる上に、制電性をも有する繊維構造物について、鋭意検討した結果、布帛表面に、特定なセルロース樹脂を付着させることにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明におけるセルロース樹脂とは、膜化するものであれば特に限定されるものではないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。かかるセルロース樹脂の水溶液に、布帛を含浸させ、乾燥させることにより、該布帛の繊維表面にセルロース樹脂被膜を形成することができる。
かかるセルロース樹脂は、花粉付着防止性および洗濯耐久性を付与するために、架橋されて不溶化したものであることが重要である。本発明は、かかる架橋されて不溶化セルロース樹脂が、前記特殊な機能を有することを初めて発見したものである。
かかる架橋方法としては、特に限定されるものではなく、カルボキシル基を触媒の存在下で分子内間または分子間で脱水してエステル結合させることにより自己架橋させるものや、またセルロース誘導体の水溶液に放射線を照射し自己架橋させるものなどが好ましく採用される。特に好ましくはセルロース樹脂の水溶液を一旦布帛に付与し、乾燥したのち、金属化合物を含む処理液に、さらに該布帛を浸漬させて架橋させる手段がよい。かかる方法で該布帛を構成する繊維表面で、該セルロース樹脂を架橋させることにより、該繊維とセルロース樹脂の接着性が向上し、耐久性を向上させることができると同時に、花粉付着防止性をも付与することができたものである。
かかる金属化合物は、水溶性であれば特に限定されるものではないが、アルミニウム含有化合物、ジルコニウム含有化合物などがあげられ、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどが好ましい。特にこの中でも酢酸ジルコニウムが好ましく採用される。
かかる架橋不溶化セルロース樹脂が、布帛表面に被膜状に付着していることにより、花粉付着防止性を向上させることができるものであるが、更にかかるセルロース樹脂に、粒子径5〜500nmの無機微粒子が含有されていると、さらに花粉付着防止性を向上させることができる。5〜500nmという特定な粒子径を有する該無機微粒子をかかるセルロース樹脂に混合して、布帛表面で被膜を形成させると、複数個の該微粒子が凝集して微細な凹凸表面を有する凹凸が形成されていることを究明し、しかも、かかる特異な凹凸表面を有する剥離性の高い被膜が、さらに花粉を脱落しやすい性質を惹起することを究明したものである。
この凹凸の凸部は一個あたり、一個ないしは数十個のさらに微細な凸部を有する、所謂いがぐり状の形状を有しており、すなわち凹凸の表面にさらに微細な凹凸が形成されている特異な凸部を形成するのである。本発明は、かかる特定な粒径を有する無機微細粒子が凝集して特異な表面形状の凹凸を形成すること、そのような凹凸がセルロース樹脂被膜内に形成されていることにより繊維表面に衝突あるいは吸着した花粉が繊維表面から脱落しやすいことを究明したものである。
本発明の無機微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム等であり、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。該粒子の粒子径としては5〜500nmであり、好ましくは10〜300nmのものを使用する。5nmより小さいと微細な凹凸を形成しにくく、500nmを越えるとセルロース樹脂の被膜形成が不十分となる場合があるため、無機微粒子としては粒径が5〜500nmの範囲内とする必要があるが、該粒径範囲外の粒径のものが上記凹凸形成に影響のない程度で含まれることはさしつかえない。
本発明のセルロース樹脂と無機微粒子の重量混合比は、単量体1に対して好ましくは0.4以上、より好ましくは0.4〜1.0であり、0.4より少ないと表面凹凸が小さく、また1.0より多いと被膜形成性が悪くなり、花粉付着防止性能が不十分になる場合がある。
本発明の架橋されて不溶化したセルロース樹脂を、布帛表面に付着させる方法について、説明する。まず、セルロース樹脂からなる水系液か、またはセルロース樹脂および無機微粒子を混合してなる水系液に、被処理布帛を浸漬して、マングル等で絞って、所定の付着量に調整した後、100〜200℃の乾熱処理を行うことが好ましい。ここで使用するセルロース樹脂としては、自己架橋するものでも、また、自己架橋しないもののいずれでもよいが、自己架橋しないセルロース樹脂を使用した場合は、得られた処理布帛を、金属化合物の水溶液に浸漬し、100〜200℃の乾熱処理を行うことによって、該セルロース樹脂を架橋させるのが好ましい。つまり、本発明では、架橋されて不溶化したセルロース樹脂が布帛表面に付着していることが、前記効果の上から重要なのである。
かかる被膜形成加工をした後に、本発明の効果を阻害しない範囲で、帯電防止剤、吸水剤、吸湿剤、撥水剤、撥油剤、防汚剤、着色剤、増摩剤等で処理してもかまわない。
本発明の布帛を構成する繊維としては、特に限定されないが、ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維などの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維を使用することができ、これらを単独または2種以上混合して使用することもでき、また、使用繊維としては、長繊維でも短繊維でも良く、これらを混合して使用しても良い。本発明の布帛の組織としては、かかる繊維からなる織物、編物および不織布から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。
本発明でいう擬似花粉とは、石松子((有)津田商店製)という花粉の粒径に近い天然物を指す。石松子は30〜40μmのシダ科のヒカゲノカズラの胞子で花粉に近い粒径、形状を有するものであり、この石松子を擬似花粉として花粉の付着防止性を確認することが可能である。
本発明の繊維構造物は、下記測定方法で測定したときの擬似花粉の付着数が250個以下であるという花粉付着防止性を有することが重要である。
すなわち、擬似花粉の付着数の測定方法としては、まず、上述の擬似花粉1gをポリエチレン袋(容積20リットル)に入れ、これに、20℃×65%RHで24時間調湿した7cm×7cm角の布帛片30枚を入れると共に、20℃×65%RHの空気で、該ポリエチレン袋を膨らませて、該袋口を縛って密封する。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上 下に100回振ったのち、該ポリエチレン袋から該布帛片を取り出して、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求めたものである。
かかる測定方法により測定された付着個数が250個を越えると、布帛表面を肉眼で見たときに明らかに花粉の付着が確認されたりするものであり、このようなものは、花粉が付着しにくいとは言い難いものである。
本発明の繊維構造物は、花粉が付着しにくいということから、コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス、手袋、帽子、布団側地、カーテンなどの用途に好適に使用されるものである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の品質評価は次の方法で実施した。
(花粉付着防止性)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉 とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉 とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。
(洗濯耐久性)
自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2%の濃度になるように溶解し、浴比1:50で、40±2℃の温度で、強条件で10分洗濯し、次いで排水し水洗5分をする工程を1回としこれを10回繰り返した後、風乾した。
自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2%の濃度になるように溶解し、浴比1:50で、40±2℃の温度で、強条件で10分洗濯し、次いで排水し水洗5分をする工程を1回としこれを10回繰り返した後、風乾した。
(供試布)
ポリエチレンテレフタレートからなる84dtex、72フィラメントの仮撚り加工糸をタテ糸、ヨコ糸に使用して平織物を製織したのち、該織物を95℃の温度で連続式精練機で常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し、130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、タテ/ヨコ密度140/88本/2.54cmの紺色織物とし、供試布とした。
ポリエチレンテレフタレートからなる84dtex、72フィラメントの仮撚り加工糸をタテ糸、ヨコ糸に使用して平織物を製織したのち、該織物を95℃の温度で連続式精練機で常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。引き続き、液流染色機で染色し、130℃で乾燥、170℃でピンテンターセットして、タテ/ヨコ密度140/88本/2.54cmの紺色織物とし、供試布とした。
(実施例1)
20℃における2%水溶液粘度が400mm2 /sであるメチルセルロース(”SM−400”、信越化学工業(株)製)の50g/lの加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った。次いで酢酸ジルコニウム1g/lの加工液に、かかる試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
20℃における2%水溶液粘度が400mm2 /sであるメチルセルロース(”SM−400”、信越化学工業(株)製)の50g/lの加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った。次いで酢酸ジルコニウム1g/lの加工液に、かかる試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
得られた試験布について、花粉付着防止性の測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、擬似花粉付着数は加工上がり、洗濯後ともに250個以下であり、優れた花粉付着防止性を示すものであった。
(実施例2)
アンモニウム塩によって不溶化されたカルボキシメチルセルロースアンモニウム(”DN−400H”、ダイセル化学工業(株)製)の50g/lの加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
アンモニウム塩によって不溶化されたカルボキシメチルセルロースアンモニウム(”DN−400H”、ダイセル化学工業(株)製)の50g/lの加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
得られた試験布について、花粉付着防止性の測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、擬似花粉付着数は加工上がり、洗濯後ともに250個以下であり、優れた花粉付着防止性を示すものであった。
(実施例3)
実施例1と同様のメチルセルロースと粒径40〜50nmの酸化珪素20%溶液(”スノーテックスOL”、日産化学工業(株)製)10g/lの混合液の加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った。次いで酢酸ジルコニウム1g/lの加工液にかかる試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
実施例1と同様のメチルセルロースと粒径40〜50nmの酸化珪素20%溶液(”スノーテックスOL”、日産化学工業(株)製)10g/lの混合液の加工液に試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った。次いで酢酸ジルコニウム1g/lの加工液にかかる試供布を含浸し、絞り率100%でマングルで絞り、130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
得られた試験布について、花粉付着防止性の測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、擬似花粉付着数は加工上がり、洗濯後ともに250個以下であり、優れた花粉付着防止性を示すものであった。
(比較例1)
帯電防止剤”デートロンN”(日華化学(株)製)10g/lの試供布を含浸し、絞り率100%でマングルでしぼり130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
帯電防止剤”デートロンN”(日華化学(株)製)10g/lの試供布を含浸し、絞り率100%でマングルでしぼり130℃で2分間乾熱処理を行った後、160℃で1分間乾熱処理を行った。
得られた試験布について、花粉付着防止性の測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、擬似花粉付着数は加工上がり、洗濯後ともに250個を超えており、花粉付着が多いものであった。
表1から明らかなように、比較例に比して、実施例のものは、洗濯耐久性および花粉付着防止性に優れた効果を示すことが判る。
Claims (5)
- 布帛表面に、架橋されて不溶化したセルロース樹脂が付着しており、かつ、下記測定法により測定したときの該布帛表面への擬似花粉の付着数が250個以下である花粉付着防止性を有するものであることを特徴とする繊維構造物。
(測定方法)
7×7cmの繊維布帛30枚を20℃×65%RHで24時間調湿後、1gの擬似花粉とともにポリエチレンの袋の中に入れ、20℃×65%RHの空気で、約20リットルに膨らませて口を縛る。かかるポリエチレン袋を1回/1秒の速度で縛り口を基準に上下に100回振ったのち、繊維布帛を取り出し、その布帛表面の3カ所について50倍に拡大した写真を撮り、こうして撮影された写真の7.5cm×10cmの面積の範囲内の擬似花粉の個数を数えて、写真3枚の中の擬似花粉の個数の平均値を求める。 - 該セルロース樹脂が、粒子径5〜500nmの無機微粒子を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造物。
- 該無機微粒子が、酸化珪素であることを特徴とする請求項2に記載の繊維構造物。
- 該無機微粒子が、該セルロース樹脂/無機微粒子の重量混合比で、1/0.4〜1.0の範囲で含有されているものであることを特徴とする請求項2または3に記載の繊維構造物。
- 該繊維構造物が、コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、ドレスシャツ、スカート、スラックス、手袋、帽子、布団側地、布団干しカバーまたはカーテンのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
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JP2008050734A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Sedaa Japan Kk | 帽子 |
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2004
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