JP2005257782A - 異方性光透過膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れ、大面積であっても、また膜厚が厚くても容易に製造することができる異方性光透過膜を提供する。
【解決手段】異方性光透過膜10は、針状又は柱状の強磁性粒子2を一定方向に配向させた状態で樹脂4に分散された構造を有する。異方性光透過膜の強磁性粒子の配向方向における光透過率は、それ以外の方向における光透過率よりも高くなっており、光透過率に異方性を有する。磁場配向により一定方向の配向した強磁性粒子を光透過性を有する材料中に分散させるだけで製造することができるので生産性に優れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、膜面に対する光の入射角度に応じて光透過性が異なる異方性光透過膜及びその製造方法に関する。
異方性光透過膜は、膜面に対する光の入射角度に応じて光透過性が異なる性質を有する膜であり、偏光素子、光スイッチや、視野を制限する膜として利用されている。このような膜を製造する方法として、例えば、透明のフィルム上に、柱状構造を有する金属薄膜を蒸着やスパッタリングによって形成して製造する方法や、高分子フィルムにクレージング(ひび割れ)処理を行い、クレーズ内のボイドにモノマーを導入した後、ボイド内で導電性高分子に重合して製造する方法(非特許文献1)が知られている。
繊維学会誌、繊維学会、2001年、第57巻、第11号、p.301〜305
しかしながら、透明のフィルム上に、柱状構造を有する金属薄膜を蒸着やスパッタリングによって形成して製造する方法では、成膜の際に真空状態にする必要があるため、大きな面積を有する膜を大量に製造するには不向きであった。また、厚い膜を製造することも困難であるという問題があった。また、非特許文献1の異方性光透過膜は、ポリマー中のひびが熱変形しやすいという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、生産性に優れ、大面積であっても、また膜厚が厚くても容易に製造することができる異方性光透過膜及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、光透過性を有する材料の内部に、非等方的な形状を有し且つ一定方向に沿って配向した無機化合物の粒子が分散された構造を有する異方性光透過膜を提供する。
本発明の異方性光透過膜において、前記粒子は、磁気異方性を有し、前記一定方向に磁場配向する強磁性粒子であることが好ましく、前記粒子の最大径は、可視光の波長域よりも小さいことが好ましい。また、前記粒子が、針状、紡錘状及び柱状のいずれか一方の形状を有することが好ましい。
また、本発明の異方性光透過膜において、前記粒子は、その長さ方向が膜面に対して垂直な方向に配向していることが好ましい。また、前記粒子は、複数の板状の強磁性粒子が板面に対して垂直な方向に磁気的に結合して形成された柱状の強磁性粒子結合体であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、支持体上に、強磁性粒子が分散された光透過性を有する樹脂を形成し、前記支持体に対して、所定方向に磁場を印加して前記強磁性粒子を磁場配向させる工程を含む異方性光透過膜の製造方法を提供する。
本発明の異方性光透過膜は、光透過性を有する材料内に非等方的な形状の粒子を一定方向に配向して分散させた構造を有するので、従来よりも安価に製造することができ、また、膜厚が厚くても容易に製造することができる。また、光透過性を有する材料内に含ませる粒子の量を調整することによって光透過率を容易に調整することができるので、用途に応じて最適な光透過率を有する異方性光透過膜を簡単に製造することができる。また、非等方的な形状の粒子として強磁性粒子を用いれば、磁場の印加により一定方向に配向した非等方的な形状の粒子を、光透過性材料内に容易に形成することができるので生産性に優れる。
本発明の異方性光透過膜の製法方法によれば、光透過性を有する材料内に非等方的な形状の粒子が一定方向に配向した状態で分散された膜を容易に製造することができるので、本発明の異方性光透過膜を製造する方法として最適である。特に、塗布法を利用して製造することができるので、大面積で、膜厚が厚い異方性光透過膜も容易に且つ低コストで生産することができる。
以下、本発明の異方性光透過膜及びその製造方法について、好適な態様に基づいて詳細に説明する。
本発明の異方性光透過膜は、透明な材料の内部において、非等方的な形状を有する粒子が、その軸方向が一定方向に沿って配向又は整列した状態で、面内方向においては所定の間隔で分散した構造を有している。このような構造を有する異方性光透過膜は、非等方的形状の粒子の長手方向(配向している方向)の光を透過させ、それ以外の方向の光を散乱することができる。それゆえ、異方性光透過膜内の非等方的形状の粒子は、異方性光透過膜から出射する光の進行方向を制限する効果を有している。
本発明においては、非等方的な形状を有する粒子は、針状又は柱状の形状を有する強磁性粒子であることが好ましい。この理由は以下のとおりである。
針状又は柱状の形状を有する強磁性粒子は、外部から磁場が印加されたときに、磁場方向に磁気的な結合をしながら磁場方向に同一直線上に配列する性質を有している。したがって、異方性光透過膜の製造の際に、強磁性粒子を泳動可能な状態で透明な樹脂内に均一に分散しておけば、強磁性粒子は、磁場の印加により磁場方向に同一直線上に配列するとともに、面内方向においては一定の間隔で分散する。そして、このように強磁性粒子が一定の方向に配向し、面内方向においては所定の間隔で分散した状態を維持させたまま、透明な樹脂を硬化させることで、一定の方向(磁場の印加方向)に配向した状態の強磁性粒子を、透明な樹脂内において分散させることができる。特に、針状又は柱状の形状を有する強磁性粒子は、配向させたときの規則性が高まるので最適である。このような構造を有する膜は、強磁性粒子の配向している方向(磁場を印加した方向)においては光が透過し、それ以外の方向においては光が散乱するので、正面から見た時は透明となり、正面に対して斜めの方向から見た時には不透明に見える異方性光透過膜となる。
本発明において、強磁性粒子の配向方向としては、異方性光透過膜の膜面に対して垂直な方向であっても、所定の角度を有していても良い。強磁性粒子を膜面に対して垂直に配向するには、製造時に、支持体上に形成され磁性粒子が分散された樹脂に対して、膜面に対して垂直に磁場を印加すればよい。また、磁性粒子が、膜面に対して垂直ではなく所定の角度を有して斜めに配向した異方性光透過膜を得るには、例えば、製造時に、膜面に対して所定の角度を有する磁場を印加すればよい。このような磁性粒子が膜面に対して斜めに配向した異方性光透過膜は、膜面に対して斜め方向において高い透過性を有し、膜面に垂直方向において透過性の低い異方性光透過膜となる。
ここで、本発明の異方性光透過膜に好適な強磁性粒子について説明する。強磁性粒子としては、Fe、Co、Sm、Nd、Ni及びそれらの合金、並びに、磁性酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの六方晶フェライトが好ましい。これらの中でも、針状の形状を有するFe、Fe−Co及びNi並びに六方晶のCoが、非等方的な形状を有するとともに黒色であるため好ましい。黒色であることが好ましい理由は、強磁性粒子の配向する方向に対して斜めの方向から入射する光を吸収することができ、磁性粒子の配向する方向と、それ以外の方向における光透過率の差を大きくすることができるからである。
六方晶フェライトや六方晶Coは、六角形状の平面を有する板状の強磁性粒子であり、六角形状の板面に対して垂直な方向(板厚方向)に磁気異方性を有していることが好ましい。このような板状の強磁性粒子は、板厚方向に磁気的に結合する、いわゆるスタッキング(重なり合い)を起こして、柱状構造の強磁性粒子結合体を構成していることが好ましい。そして、柱状の強磁性粒子結合体が、一定の方向に配向した状態で膜面内で分散していることが好ましい。
本発明において、強磁性粒子の大きさは、透過させる光の波長よりも小さいことが好ましい。強磁性粒子が透過光の波長よりも大きいと、強磁性粒子の配向方向と平行に入射させた光も散乱しやすくなり、光透過率が低下するからである。例えば、使用する光として可視光を用い、強磁性粒子として針状形状の強磁性粒子を用いる場合は、その直径(幅方向の断面の径)を可視光の波長域の略下限値である400nm以下とすればよく、強磁性粒子として板状の強磁性粒子を用いる場合には板径を400nm以下とすればよい。また、アスペクト比は1.5以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上である。アスペクト比の上限はないが、アスペクト比が20以上の場合は、例えば、光透過性を有する樹脂の内部に粒子を分散させたときに切断される恐れがあるため好ましくない。
ここで、アスペクト比とは、針状の強磁性粒子の場合は、短軸長に対する長軸長の比(針状比ともいう)を意味し、板状の強磁性粒子の場合は、板厚に対する板径の比を意味するものとする。
なお、板状の強磁性粒子における板径とは、強磁性粒子の外径の最大値を意味するものとする。強磁性粒子の外径は、例えば、透過型電子顕微鏡などを利用して測定することができる。
また、強磁性粒子は、当該強磁性粒子の配向方向に対して斜めに入射する光に対する隠蔽度(吸収)を高めるため黒色であることが好ましい。強磁性粒子として酸化物を用いる場合は、その表面にカーボン膜が形成されていることが好ましい。カーボン膜は黒色であるため、強磁性粒子の配向する方向に対して斜めの方向から入射する光を吸収することができるからである。カーボン膜は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により強磁性粒子の表面に形成することができる。
本発明においては、異方性光透過膜の表面及び裏面の少なくとも一方に、異方性光透過膜を保護するための保護層を形成してもよい。また、本発明の異方性光透過膜を他の部品に接着させて使用させる形態とする場合には、接着を容易にするために接着層を形成してもよい。また、透明な支持体上に積層された形態で使用されても、単独で用いられても良い。
また、強磁性粒子は、25kA/m以上の保磁力を有することが好ましい。強磁性粒子の保磁力が25kA/m以上であれば、磁場が印加されていない状態においても残留磁化が残り、樹脂中に分散する強磁性粒子の配向を保持しやすくなるからである。一方、強磁性粒子の保磁力を25kA/mよりも低くすると、残留磁化が少なくなり、強磁性粒子結合体の配向が乱れやすくなる。一方、保磁力が高すぎると磁場配向に大きな磁力が必要となるので、現実的には300kA/m以下であることが好ましい。
本発明の異方性光透過膜において、膜厚及び樹脂に対する非等方形状の粒子の配合量は、所望の光透過率が得られるように適宜調整することができる。
本発明の異方性光透過膜は、例えば、携帯電話やノートパソコン、ATM(現金自動預払機)のディスプレイに取り付けられ、隣からの覗き見を防止するためのフィルムとして最適である。
上述したような本発明の異方性光透過膜は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、有機溶媒を必要に応じて用いて、強磁性粒子及び光透過性を有する樹脂を混練(混合)し分散して磁性塗料を作製した後、得られた磁性塗料を、例えば透明な支持体上に塗布する。磁性塗料を支持体に塗布する方法としては、例えば、ドクターブレード、ダイコーター、リバースコーターなどを用いることができる。
次いで、支持体上に形成された磁性塗料に対して外部から強磁性粒子の保磁力よりも大きな磁界強度の磁場を印加する。例えば、針状の強磁性粒子を用いた場合は、その磁化容易軸は長軸方向であるため、磁性塗料中の強磁性粒子は外部磁場方向に配列する。また、板面に対して垂直方向に磁化容易軸を有する板状の強磁性粒子を用いた場合は、スタッキングを起こして板厚方向に磁気的に結合して強磁性粒子結合体を構成するとともに、その強磁性粒子結合体が印加磁界方向に配向する。
次いで、磁性塗料を乾燥させて硬化させた後、支持体から乾燥状態の磁性塗料を剥離して異方性光透過膜を得る。
上記製造工程において、支持体上に塗布された磁性塗料に印加する外部磁界の大きさは、強磁性粒子の保磁力よりも大きいことが必要であり、強磁性粒子の保磁力の2倍以上の磁界強度であることが好ましい。外部磁場には永久磁石又は電磁石による磁場を用いることができる。
磁性塗料を塗布するための支持体としては、光透過性を有する樹脂が好ましく、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)を用いることができ、光学特性の観点からTACが好ましい。また、本発明の異方性光透過膜は、製造時に支持体から剥離しないで、支持体と一体で使用する形態とすることもできる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
本実施例では、非等方的形状を有する粒子として針状の形状を有する強磁性粒子を用いた異方性光透過膜を製造した。図1に、本実施例で製造した本発明に従う異方性光透過膜の概略断面図を示す。異方性光透過膜10は、光透過性を有する樹脂4の内部に、細長い針状の形状を有する強磁性粒子2が一定の方向に配向された状態で分散された構造を有する。すなわち、樹脂4の内部に存在するそれぞれの強磁性粒子2は、図1に示すように、その長軸(長さ方向の軸)が一定方向(図では上下方向)に配向している。以下、かかる構造を有する異方性光透過膜の製造方法について説明する。
<磁性塗料の作製>
まず、針状の強磁性粒子が分散された磁性塗料を作製する。以下に、磁性塗料の組成を示す。以下の記載において量比を表す「部」は特に断らない限り「重量部」を意味するものとする。
(磁性塗料の組成)
針状強磁性粒子 FeCo(原子比90−10) 100部
PMMA 200部
イソプロピルアルコール 100部
メタノール 50部
磁性塗料に含まれる針状強磁性粒子の特性は下記のとおりである。
(針状強磁性粒子の特性)
平均長軸長 0.3μm
針状比 8
短軸長 37.5nm
保磁力Hc 127kA/m
飽和磁化σs 145Am/kg
上記組成物を1mm径のジルコニアビーズを用いてサンドミルで4時間分散して磁性塗料を得た。
<異方性光透過膜の作製>
図2(a)に示すように、上記組成を有する磁性塗料8を50μmのTAC6上にブレードアプリケターを用いて、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布した。このとき針状の強磁性粒子2は、図2(a)に示すようにランダムな方向に向いている。次いで、図2(b)に示すように、塗布した磁性塗料8が湿潤状態のうちに、表面磁場0.6Tの永久磁石を用いて厚み方向に磁場Hを印加した。磁性塗料8中の針状の強磁性粒子2の磁化容易軸は長軸方向であるため、このような磁場Hの印加により、強磁性粒子2は磁性塗料8の厚み方向に配向する。
次いで、TAC6上に形成されている磁性塗料8を磁場中で自然乾燥させて、TAC6上に積層された形態の異方性光透過膜を得た。
下記表1に、本実施例1で用いた非等方的形状を有する粒子を構成する磁性物質と、その粒子の形状、粒子サイズ、粒子の配向方向をまとめて示した。
Figure 2005257782
[実施例2]
実施例2では、非等方的形状を有する粒子として、保磁力130kA/m、板径50nm、板厚15nmの、カーボンで被覆された板状のバリウムフェライト粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして異方性光透過膜を製造した。なお、バリウムフェライト粒子は、表面が六角形の板状の強磁性粒子であり、その磁化容易軸が板面に垂直な方向である。それゆえ、実施例1の異方性光透過膜の作製工程で説明した磁場の印加により、バリウムフェライト粒子はスタッキングを起こして板厚方向に磁気的に結合して強磁性粒子結合体を構成するとともに、その強磁性粒子結合体が印加磁界方向に配向する。本実施例2における異方性光透過膜は、このような強磁性粒子結合体が、その長手方向を膜面に対して垂直な方向に配向した状態で分散した構造を有している。
[実施例3]
実施例3では、非等方的形状を有する粒子として、カーボンで被覆された保磁力48kA/mの針状のγヘマタイトからなり、上記表1に示す粒子サイズを有する強磁性粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして異方性光透過膜を製造した。
[実施例4]
本実施例4では、非等方的形状を有する粒子として、紡錘状の形状を有し、長軸長(長さ方向の大きさ)が0.6μm、短軸長(幅方向の大きさ)が300μmのニッケル粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして異方性光透過膜を製造した。
[実施例5]
実施例5では、非等方的形状を有する粒子として、カーボンで被覆されていない板状のバリウムフェライト粒子を用いた以外は、実施例2と同様にして異方性光透過膜を製造した。本実施例5における異方性光透過膜も、バリウムフェライト粒子が磁気的に結合して形成された強磁性粒子結合体が、その長手方向を膜面に対して垂直な方向に配向した状態で分散した構造を有している。
[比較例1]
比較例1では、実施例1の異方性光透過膜の作製の工程において、支持体上に塗布された磁性塗料に対して磁場を印加しなかった以外は、実施例1と同様の材料を用いて異方性光透過膜を製造した。したがって、比較例1の異方性光透過膜は、強磁性粒子が磁場配向されておらず、ランダムな方向に配向した状態となっている。
[比較例2]
比較例2では、非等方的形状を有する粒子としてαヘマタイト粒子を用いた以外は、実施例3と同じ粒子形状及び粒子サイズで異方性光透過膜を作製した。αヘマタイトは、磁化を有しないため、αヘマタイト粒子は、異方性光透過膜の内部でランダムな方向に配向した状態となっている。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1、2で作製したそれぞれの異方性光透過膜について、異方性光透過膜の表面に対して垂直に光を入射した時と45度の角度で光を入射した時の光透過率を測定した。光透過率の測定では、波長630nm、2mmWのレーザを光源として用いた。上記表1に実施例1〜4及び比較例1、2の異方性光透過膜の測定結果をまとめて示す。なお、表1に示した光透過率は、反射率補正を行った値である。
実施例1〜4の異方性光透過膜の表面に対して垂直の方向の光透過率は60%以上の光透過率を有する。一方、表面に対して45度の角度で光を入射したときの光透過率は30%以下であり、垂直方向の場合よりも低くなっている。したがって、本発明の異方性光透過膜は、光の入射角度に応じて光透過率に異方性を有していることがわかる。
これに対し、比較例1の異方性光透過膜は、配向していないため、垂直方向の光透過性も、45度の光透過性も低下している。すなわち、光透過率に対する異方性はなかった。また、比較例2の異方性光透過膜は、その内部に含まれるαヘマタイト粒子が磁化を有していないので一定方向に配向しておらず、垂直方向の光透過性も45度の光透過性も低下していることがわかる。
以上、本発明の異方性光透過膜及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施態様及び実施例に限定はされず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本実施例1で製造した発明に従う異方性光透過膜の概略断面図である。 本発明の異方性光透過膜の製造工程を説明するための図であり、(a)は支持体であるTAC上に磁性塗料を塗布したときの様子を模式的に示した図であり、(b)は磁性塗料に外部磁界を印加したときの様子を模式的に示した図である。
符号の説明
2 強磁性粒子
4 樹脂
6 支持体(TAC)
8 磁性塗料
10 異方性光透過膜

Claims (7)

  1. 光透過性を有する材料の内部に、非等方的な形状を有し且つ一定方向に沿って配向した無機化合物の粒子が分散された構造を有する異方性光透過膜。
  2. 前記粒子は、磁気異方性を有し、前記一定方向に磁場配向している強磁性粒子である請求項1に記載の異方性光透過膜。
  3. 前記粒子の最大径が可視光の波長域よりも小さい請求項1又は2に記載の異方性光透過膜。
  4. 前記粒子が、針状、紡錘状及び柱状のいずれか一方の形状を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方性光透過膜。
  5. 前記粒子は、その長さ方向が膜面に対して垂直な方向に配向している請求項4に記載の異方性光透過膜。
  6. 前記粒子は、複数の板状の強磁性粒子が板面に対して垂直な方向に磁気的に結合して形成された柱状の強磁性粒子結合体である請求項4又は5に記載の異方性光透過膜。
  7. 支持体上に、強磁性粒子が分散された光透過性を有する樹脂を形成し、前記支持体に対して、所定方向に磁場を印加して前記強磁性粒子を磁場配向させる工程を含む異方性光透過膜の製造方法。
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