JP2005256225A - 柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、良好な風合いを保持した難燃性両面転写捺染布帛を提供すること、また片面ずつ両面に転写捺染しても風合いが硬くならない難燃性両面転写捺染布帛の製造方法を提供すること。
【解決手段】 両面が転写捺染された難燃性ポリエステル布帛であって、分子量500以下の昇華性に優れた染料で染色されている柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛、及び、片面ずつ転写捺染する前記柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、良好な風合いを保持した両面転写捺染布帛に関するものであり、また片面ずつ両面に転写捺染しても風合いが硬くならない製造方法に関するものである。
カーテンや暖簾類においては、表裏で夫々異なった色合いや模様を施した布帛を用いることが検討されている。その製造方法としては例えば、先ず布帛の裏側(或いは表側)の全面に、1回目の染色液による染着を防ぐためのレジスト剤を塗布して予防措置を講じた後、この布帛を第1回目の染色液中に浸漬する。これを引き上げて100℃以下で乾燥し、次いで上記レジスト剤を取り除き、190〜220℃に加熱して染料を定着させる。次に該染色された表側(或いは裏側)の全面に前記と同旨のレジスト剤を塗布して予防措置を講じた後、2回目の染色液中にこの布帛を浸漬する。これを引き上げて上記と同様に100℃以下で乾燥し、次いで上記レジスト剤を取り除き、更に190〜220℃に加熱して染料を定着させる(従来法ア)。
上記従来法アは浸染方法によって布帛を表裏で異なる色合い,模様に染色するものであるが、他に捺染方法によって染色する方法もある。該方法は、模様を印刷した転写紙を用いるものであって、先ず布帛の表側(或いは裏側)に転写紙を重ね合わせ、この転写紙上の主として分散染料からなる染料を昇華によって熱転写させ、次に布帛の裏側(或いは表側)に上記と同様に別の転写紙を重ね合わせ、この転写紙上の染料を昇華によって熱転写させるというものである(従来法イ)。
更に浸染方法と捺染方法を組み合わせる方法として、布帛を染色液に浸漬して引き上げ、乾燥した後に、190〜220℃で30〜60秒間加熱して布帛の表裏両面に染料を定着させ、次に該染色された布帛の片面に昇華性染料を用いた加熱昇華転写方式で染色する方法も提案されている(従来法ウ:特許文献1参照)。
特開平5−214681号公報
また、布帛の両サイドを転写紙で挟み込んで片面を加熱して両面転写する方法が開示されている。(従来法エ:特許文献2参照)
特開平10−237775号公報
しかしながら上記従来法アは、レジスト剤の塗布,染色,レジスト剤の除去を夫々2回ずつ行うという方法であり、操作が煩雑で、作業にかなりの時間と労力を要してコスト高になる他、2回の熱処理が加えられるため布帛の風合いが硬くなるという問題がある。加えて上記レジスト剤の洗浄廃液の処理の問題もある。また上記従来法イも、従来法アと同様に表側と裏側の2段階染色であり、操作,コスト,布帛風合いのいずれにおいても従来法アと同様の問題がある。
上記従来法ウに関しても、2段階の染色が必要であって操作が煩雑である他、やはり上記と同様の問題がある。尚従来法ウの公開公報において、両面浸染染色(実施例によれば両面同時の地染めと理解される)した後、更に両面を加熱昇華転写方式で染色する方法も提案されているが、具体的方法の開示がない。また仮にこれを実施しようとすれば、この加熱昇華転写方式による両面の染色は、上記地染めを行った後、従来法イと同様に表面と裏面を2段階で昇華転写するものと考えられる。従って合計3段階の染色が必要となって一層操作が煩雑となり、また風合いも一層硬くなるものと考えられる。
上記従来法エでは反ローラー側にある第一の転写紙がローラーを介さず加圧用フェルトに巻き込まれるため、折れ皺が発生しやすく、工業生産には不向きのものであった。
そこで本発明は以上の様な問題を解決するためになされたものであり、表裏面で異なる色合いや模様が捺染されたものであって、尚且つ良好な風合いが保持された染色布帛を提供することを目的とする。また上記特性を有する布帛を製造し得る方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる問題について鋭意検討した結果、上記課題を解決するために本発明は下記の構成からなる。
1. 両面が転写捺染された難燃性ポリエステル布帛であって、分子量500以下の昇華性に優れた染料で染色されていることを特徴とする柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
2. 繊維−繊維間静摩擦係数が0.2以下であるポリエステル繊維及び/又は異形度が3以上の扁平糸を少なくとも一部に含むこと特徴とする上記第1に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
3. 布帛のKES法による曲げ剛性が、転写捺染されていない対応する原布帛のKES法による曲げ剛性に対して、150%以下であることを特徴とする上記第1または第2に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
4. 主たる構成単位がエチレンテレフタレートであり、下記一般式(化2)で表されるリン化合物をリン元素として0.1〜0.5重量%共重合しているポリエステルから形成されることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
Figure 2005256225
(ただし式中R1 は芳香族基を表し、R2 は水素原子または炭素原子数1〜18の1価の有機基を表す。)
5. 片面ずつ転写捺染することを特徴とする上記第1〜4のいずれかに記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
6. 繊維柔軟剤および/または繊維膨潤剤を布帛に処理した後、片面ずつ転写捺染することを特徴とする上記第5に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
7. 転写捺染時の布帛の温度が175℃以下であることを特徴とする上記第5または第6に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
本発明によると、片面ずつ転写捺染をしても風合い硬化がほとんど無い難燃性両面転写捺染布帛を得ることができる。
本布帛の捺染に使用する染料が分子量500以下の昇華性に優れた染料で有ることが好ましい。転写捺染用の染料分子量としては200〜800があるが、染色堅牢性を考え、染料分子量は520以上のものが通常使用されている。しかし一般的には分子量が520以上の染料を用いて転写捺染するためには約210℃以上の温度で処理する必要があるが、本発明の難燃ポリエステルは共重合ポリエステルであるため、繊維のガラス転移点や融点が低く高温で転写捺染すると風合いが硬くなってしまう問題があった。この分子量範囲の染料を加熱ローラーで昇華させるには加工速度にも影響されるが、通常180〜220℃の温度が必要である。通常のレギュラーポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)から構成される布帛であれば、この温度で片面ずつ両面に転写捺染を施したとしても風合いは硬化しにくいが、難燃性ポリエステルはレギュラーポリエステルよりもガラス転移点や融点が低いので、その温度で加工すると風合いが著しく硬くなってしまう。風合いを改善させるために加工温度を低くすると染色が薄いものとなってしまいやすく、これら二律背反する問題を解決できなかった。本発明では分子量を500以下、より好ましくは450以下、さらに好ましくは200以上400以下に限定することで、高温にしなくとも転写捺染による染色ができ、片面ずつの合わせて2回転写捺染処理を施しても風合いが硬くならないものができる。しかも通常分子量の低い染料を用いると染色堅牢度が悪くなる傾向があったが、本発明のような難燃性ポリエステルの場合において理由は定かではないが、難燃性ポリエステルの分子構造に起因し、リン原子を有する化合物が共重合されていることから繊維の分子構造が特定の分子量を有する低分子量染料を抱え込みやすいものとなっているのではないかと推測する。
本発明のポリエステル布帛は繊維−繊維間静摩擦係数が0.2以下である繊維を含むことが好ましい。繊維−繊維間静摩擦係数が高い場合には転写捺染したときに風合いが硬くなりやすいことを本発明者らは見いだした。一般的な浸染−テンターでの乾熱セットではこのような現象はあまり見られないが、転写捺染のように加熱ローラーでセットされた場合、繊維交点に加圧されながら熱がかけられると交点にある繊維が幾分かの変形をし、その状態で安定するため、曲げ剛性が高くなってしまいやすい。とくに本発明の難燃ポリエステルは融点やガラス転移点が一般のポリエチレンテレフタレートよりも低いため、熱による変形が起こりやすく、一層曲げ剛性が高くなりやすい。しかし繊維−繊維間静摩擦係数を0.2以下にすることで難燃性ポリエステルでも転写捺染時に繊維交点が固定化されることはなく、曲げ剛性が顕著に高くなりにくい。より好ましい範囲は0.15以下であり、さらには0.12以下が一層好ましい。摩擦係数を低くする手段は限定されないが、繊維を異形断面化することが好ましく、特に繊維長手方向にそって断面が変形し、少なくとも一部の繊維の異形度が1.3以上で有ることが好ましく採用される。ここでは走査型電子顕微鏡を用いて、繊維の断面を1000〜2000倍に撮影し、得られた断面写真に対して、繊維一本の断面における外接円の半径を内接円の半径で除した値を異形度とする。
また、本発明のポリエステル布帛は異形度が3以上の扁平断面糸を含むことが好ましい。本発明の布帛は特にカーテンに好適に用いられ、その場合にはドレープ性と遮蔽性が向上することで、カーテンの要求特性を同時に満足することができる。難燃繊維は異形断面繊維とすることが比較的困難であるので、紡糸操業性の観点からは、好ましい組合せは難燃性ポリエステル仮撚加工糸と扁平断面を有するレギュラーポリエステルである。
本発明に係る布帛は、両面が転写捺染された捺染布帛であって、該布帛のKES法による曲げ剛性が、転写捺染されていない対応する原布帛の同じくKES法による曲げ剛性に対して、150%以下であることが好ましい。より好ましくは140%以下であり、さらには130%以下であることが一層好ましい。この比率は、転写捺染されていない対応する原布帛について、KES法による曲げ剛性を測定し、この曲げ剛性に対する上記両面転写捺染布帛の曲げ剛性(以下、比剛性と称することがある)を百分率で表すものとする。
上記KES法による曲げ剛性は、「風合い評価の標準化と解析 第2版」(川端季雄ら著、風合い計量と規格化研究委員会編)の第27〜28頁に記載の方法により測定される値である。即ち、試料の布帛を幅1cmの間隔で長さ10cmにわたってチャックに把持し、曲率−2.5〜2.5cm-1の範囲において変形速度0.50cm-1/sec. で等速度曲率の純曲げを行い、この際の曲げモーメントを測定することにより、単位長さ当たりの曲げ剛性(gf・cm2/cm)を求める。
本発明に係る捺染布帛は織編物或いは不織布の如何を問わないものであり、また上記の転写捺染されていない対応する原布帛とは、本発明に係る転写捺染のみを行わず、これ以外については、本発明の両面転写捺染布帛と同様の繊維または糸を用い、同様の織・編等の工程を経て製造されたものである。
本発明の布帛に用いるポリエステルが主たる構成単位がエチレンテレフタレートであり、下記一般式(化3)で表されるリン化合物をリン元素として0.1〜0.5重量%共重合しているポリエステルから形成されることを特徴とすることが好ましい。
Figure 2005256225
(ただし式中R1 は芳香族基を表し、R2 は水素原子または炭素原子数1〜18の1価の有機基を表す。)
このタイプのリン化合物は9,10−ジヒドロ−10−[2,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルプロピル]−9−オキサ−10−ホスファ−フェナントレン−10−オキシド(GHM)等のリン含有多価アルコールに比べ、理由は分からないが低分子量の染料を用いた転写捺染時の染着性が優れており、また風合いの硬化もあまりなかった。
上記難燃性ポリエステル繊維は、難燃剤を担持させずに使用する場合には、該難燃性ポリエステル繊維全体の、好ましくは0.2重量%以上0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以上0.48重量%以下の割合でリンを含有する。難燃性ポリエステル繊維からなる難燃性ポリエステル繊維布帛を用いて得られる転写捺染布帛の限界酸素指数(LOI値)は、27以上が好ましい。ここで、本明細書中に用いられる用語「限界酸素指数」および「LOI値」とは、布帛の難燃性のレベルを判断するための指標の1つであり、JIS K7201に準拠して得られる値である。LOI値は、布帛を構成する繊維、繊度、含気率などにより多少変化するが、通常、難燃成分を含有しないポリエステル繊維のみから構成される布帛の場合、20以上22以下である。難燃性ポリエステル繊維に含まれるリンの割合が0.1重量%未満では、得られる転写捺染布帛のLOI値が27未満となり、得られる布帛が充分な難燃性を保持し得ない場合がある。難燃性ポリエステル繊維に含まれるリンの割合が0.5重量%を上回ると、ポリエステルの融点が低下し、転写捺染による風合い硬化が起こりやすく、また、染色堅牢度が悪くなりやすい。また、製造コストが増大すると共に、難燃性ポリエステル繊維布帛を構成するポリエステル繊維の基本特性(例えば、白度および強度のような物性)が低下し、さらにそれ以上の難燃性が向上しにくい。好ましい染色堅牢度としては4級以上である。
次に本発明の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の好ましい製造方法について説明する。
過去に両面同時転写捺染について開示されている技術では転写紙の折れ皺が解消されておらず、依然、工業生産する技術は確立されていない。そこで本発明においては片面ずつ転写捺染しても風合い硬化の少ない技術を発明した。
繊維柔軟剤および/または繊維膨潤剤を布帛に処理した後、転写捺染する製造方法が好ましく採用される。繊維柔軟剤を付与した後に転写捺染すると繊維−繊維間静摩擦係数が低くなり、転写捺染による風合い硬化が顕著に軽減できることから好ましく採用できる。また、繊維膨潤剤を付与した後に転写捺染すると捺染後における布帛の風合いが柔らかくなること、さらには染色性が改善されることがわかった。この理由として次の2点を推定する。まず、繊維が膨潤されると特に繊維表面の分子のつながりが弱くなり、昇華した染料が吸尽されやすくなることで染色性が向上する。次に膨潤した繊維の交点では加熱ローラーによって熱を受けても繊維間に余裕がないので変形しにくくなる一方、加熱ローラーの熱で膨潤剤が気化すると繊維径が短くなり、繊維間の隙間が発生することで布帛の曲げ剛性が高くなりにくい。繊維柔軟剤と繊維膨潤剤は別々に処理しても構わないし、同時に処理しても構わない。また、一方のみの処理だけでも構わない。好ましい繊維柔軟剤としてはシリコーン系、アミノ変性シリコーン系、パラフィン系、脂肪酸系、分散型ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等があげられ、とくにアミノ変成シリコーン系、パラフィン系が好ましい。また繊維膨潤剤としてはクロルベンゼン系、メチルナフタレン系、オルトフェニルフェノール系、ジフェニル系、安息香酸エステル系、テレフタル酸系、サリチル酸エステル系があげられ、その中でも作業環境の観点からは無臭性であることが好ましく、とくにフェノール系が好ましい。
転写捺染時の布帛表面温度を175℃以下とすることが好ましい。布帛温度が175℃を超えると風合いが硬くなってしまいやすいため好ましくない。より好ましくは170℃以下であり、さらには165℃以下が一層好ましい。もちろん布帛の温度が175℃を超える場合でも転写捺染加工することは可能であるが、その場合においては通常の加工速度(加熱ローラー接触時間)よりも速く(接触時間を短く)することが肝要であり、例えば190℃で加工する場合の加熱ローラー接触時間は20〜35秒、200℃の場合は10〜20秒が好適な範囲となる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(A)染料分子量
公知のガスクロマトグラフ法により測定した。
(B)繊維−繊維間静摩擦係数
JIS L−1074−1977・6−12に示される方法に準拠した。静摩擦係数(μs)で示す。
(C)リン元素含有量
硫酸−硝酸−過塩素酸分解後、モリブデンブルー比色法により測定した。
(D)異形度
走査型電子顕微鏡を用いて、任意の5本を選んで繊維の断面を1000〜2000倍に撮影し、得られた断面写真に対して、繊維一本の断面における外接円の半径を内接円の半径で除した値から5本の平均値を算出し、異形度とした。
(E)布帛温度
転写捺染加工時に布帛の加熱ローラーと反対側にサーモラベルを貼り、測定した。
(F)染色堅牢度
JIS L−0889(1998) A法に準拠し、測定した。
(実施例1)
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸をリン元素の含有量が4600ppmとなるようにエチレングリコール及びテレフタル酸を共重合したポリエステルを紡糸速度3200m/minで引き取り、250デシテックス/48フィラメントの難燃ポリエステルフィラメントを得、2ヒータータイプの仮撚機でインドロー仮撚をし、167デシテックス48フィラメントの仮撚加工糸を得た。仮撚加工糸の異形度を測定した。また、レギュラーのポリエチレンテレフタレートからなる異形度5の扁平断面糸167デシテックス36フィラメントを公知の方法得た。難燃性ポリエステルを経糸に、扁平断面糸と難燃性ポリエステルを交互に緯糸に打ち込み綾織物を得た。得られた生機を精錬し、アミノ変成シリコーン系柔軟剤(AS−150)とフェノール系膨潤剤(DKC)を加えてリラックス処理を施し曲げ剛性を測定した。そして公知の転写捺染機を用い、分子量約390の染料で構成された転写捺染紙を温度170℃で約60秒間処理する工程を表面、裏面にそれぞれ施し転写捺染布帛を得、曲げ剛性、LOI値、染色堅牢度を測定した。布帛を解織し経糸の摩擦係数を測定した。それぞれの測定結果を表1に示す。
(実施例2)
フェニルホスフィン酸の代わりに9,10−ジヒドロ−10−[2,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルプロピル]−9−オキサ−10−ホスファ−フェナントレン−10−オキシド(GHM)を用いリン元素の含有量が4600ppmとなるようにエチレングリコール及びテレフタル酸を共重合したポリエステルを紡糸速度3200m/minで引き取り、250デシテックス/48フィラメントの難燃ポリエステルフィラメントを得、2ヒータータイプの仮撚機でインドロー仮撚をし、167デシテックス48フィラメントの仮撚加工糸を得た。仮撚加工糸の異形度を測定した。この繊維のみで製織した綾織物の生機を精錬し、アミノ変成シリコーン系柔軟剤(AS−150)を加えてリラックス処理を施し曲げ剛性を測定した。そして公知の転写捺染機を用い、分子量約390の染料で構成された転写捺染紙を温度170℃で約60秒間処理する工程を表面、裏面にそれぞれ施し転写捺染布帛を得、曲げ剛性、LOI値、染色堅牢度を測定した。布帛を解織し経糸の摩擦係数を測定した。それぞれの測定結果を表1に示す。
(実施例3)
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸をリン元素の含有量が6000ppmとなるようにし、リラックス時に柔軟剤及び膨潤剤を添加しなかったこと以外は実施例1に従った。
(実施例4)
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸をリン元素の含有量が4600ppmとなるようにした以外は実施例3に従って生機を得た。実施例3と同じ条件で精錬リラックスをし、特開平10−237775号にある装置を用いて両面同時に170℃で転写捺染をした。
(比較例1)
非難燃性のレギュラーのポリエチレンテレフタレートのみからなるポリマーを使用し、捺染温度を210℃とした以外は実施例3に従った。
(比較例2)
実施例1で得られた生機を、分子量約525染料を用い、捺染温度を210℃とした以外は実施例1に従った。
(比較例3)
捺染温度を170℃とした以外は比較例2に従った。
(比較例4)
分子量約525染料を用いた以外は実施例3に従った。
(参考例1)
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸をリン元素の含有量が4600ppmとなるようにし、仮撚加工を行わなかった以外は実施例3に従って生機を得た。リラックス時に柔軟剤及び膨潤剤を添加しなかったこと以外は実施例1に従って後加工を施し転写捺染布帛を得た。
表1から分かる様に、実施例1は風合い、染色特性とも満足のいくものであった。実施例2は共重合物が異なるため染色堅牢度が幾分劣るものでは有ったが、風合いとも製品として使用できるものであった。実施例3は共重合物量を増やした分、融点が下がり、プリント時に経糸と緯糸の繊維交点にある繊維が変形、安定したため曲げ剛性が高目になった。実施例4は両面同時捺染したために、生地の裏面側の温度が低く、染色が不足した。
比較例1は難燃性を有さず、共重合物が無いために低分子量の染料を用いた場合には染色堅牢度が劣ったものとなった。比較例2は高分子量の染料を用い高温で染色したために風合いが硬いものとなった。比較例3は高分子量の染料を用い、低温で染色したため、染色性が悪かった。比較例4は(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸を6000ppm使用したが、高分子量の染料を使用した低温での捺染では染色性は少ししか改善されなかった。参考例1では染色特性は問題がなかったものの、繊維が丸断面であったので摩擦が高く、風合いは硬いものとなった。
Figure 2005256225
良好な風合いを保持した難燃性両面転写捺染布帛及び片面ずつ両面に転写捺染しても風合いが硬くならない前記難燃性両面転写捺染布帛の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 両面が転写捺染された難燃性ポリエステル布帛であって、分子量500以下の昇華性に優れた染料で染色されていることを特徴とする柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
  2. 繊維−繊維間静摩擦係数が0.2以下であるポリエステル繊維及び/又は異形度が3以上の扁平糸を少なくとも一部に含むこと特徴とする請求項1に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
  3. 布帛のKES法による曲げ剛性が、転写捺染されていない対応する原布帛のKES法による曲げ剛性に対して、150%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
  4. 主たる構成単位がエチレンテレフタレートであり、下記一般式(化1)で表されるリン化合物をリン元素として0.1〜0.5重量%共重合しているポリエステルから形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛。
    Figure 2005256225
    (ただし式中R1 は芳香族基を表し、R2 は水素原子または炭素原子数1〜18の1価の有機基を表す。)
  5. 片面ずつ転写捺染することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
  6. 繊維柔軟剤および/または繊維膨潤剤を布帛に処理した後、片面ずつ転写捺染することを特徴とする請求項5に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
  7. 転写捺染時の布帛の温度が175℃以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の柔軟性に優れた難燃性両面転写捺染ポリエステル布帛の製造方法。
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