JP2005255573A - ジチエノ化合物およびエレクトロルミネッセント材料 - Google Patents

ジチエノ化合物およびエレクトロルミネッセント材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光特性に優れたエレクトロルミネッセント材料を提供する。
【解決手段】 下記式(1)
【化1】
Figure 2005255573

{前記式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、トリアルキルシリル基等であり、2価の基Aは、単結合、−O−等よりなる群より選ばれる2価の基であり、2価の基Bは下記式(2)および下記式(3)
【化2】
Figure 2005255573

(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基等である。)
【化3】
Figure 2005255573

(式中、RおよびRは、Rと同義であり、2価の基Cは、基Aと同義であり、4価の基Dは、Si等から選ばれる原子である)
よりなる群より選ばれる2価の基である。}
で示されるジチエノ化合物を有機エレクトロルミネッセント素子用のエレクトロルミネッセント材料として使用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なジチエノ化合物および該化合物よりなるエレクトロルミネッセント材料に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」と称する)は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、現在、盛んに開発が行われている。一般に有機EL素子は、発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。更に、この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
低電圧駆動、高効率、高輝度の有機EL素子を実現する手法として、タング(Tang)らにより、陽極に正孔輸送性化合物、発光性化合物、電子輸送性化合物をこの順に積層した多層構造を有する素子が提案されている。この中で、正孔輸送性化合物は陽極から正孔を注入させやすくする機能と、大きな正孔ドリフト移動度により正孔を容易に輸送し、また小さい電子ドリフト移動度により電子をブロックして、発光層での再結合確率を増やす機能とを有している。このことから、低駆動電圧、高輝度、高発光効率の有機EL素子を得るためには、正孔ドリフト移動度の高い正孔輸送性化合物が望まれている。現在ドリフト移動度の高い正孔輸送性化合物としては、N,N'-bis(3-methylphenyl)- N,N'- diphenyl- [1,1'-biphenyl] -4,4'-diamine(TPD)等のアリールアミン誘導体やヒドラゾン誘導体が知られているが、現在まで、いずれも十分な特性を示す化合物は見出されていない。これらの中で特にTPDは比較的良好な物性を示すが、特に耐熱性が低いこと、駆動電圧が高いことが課題としてあげられている。このことから更なる発光特性の改良が求められていた。
一方、エレクトロルミネッセント材料として、最近ケイ素系化合物が注目されている。例えば、低分子のジチエノシロール化合物が電子輸送材料として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(通称名:Alq3)よりも、良好な電子輸送能を示すことが見出されている(非特許文献1)。かつ、本系統の化合物は溶解性が良好であるため、合成および単離精製が容易であり、真空蒸着法以外でも例えばスピンコート法による成膜も可能である等の優れた特徴を有する化合物である。さらにアモルファス性を有しながら、かつ優れた耐熱性も示すことが知られている。このような低分子系ケイ素化合物であるが、いままで正孔輸送性が発現された例はなかった。
J. Ohshita, H. Kai, A. Takataら Organometallics, 20, 4800-4805 (2001)
本発明の目的は、優れた発光特性を与えるエレクトロルミネッセント材料、その中でも特に正孔輸送性材料を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、低分子ケイ素系化合物の中でも、特定の構造を有するジチエノ化合物が、高発光特性を与える正孔輸送能を有することを見出し、本発明を提供するに至った。
即ち、本発明は、下記式(1)で示されるジチエノ化合物である。
Figure 2005255573
〔式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、及び置換若しくは非置換のヘテロアリール基から成る群より選ばれる1種の基であり、
基Aは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−S(=O)−、−P−、−P(=O)−、−P(=S)−よりなる群より選ばれる1種の基であり、
基Bは下記式(2)又は下記式(3)で示される2価の基であり、
Figure 2005255573
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である。)
Figure 2005255573
{式中、RおよびRは、夫々独立に前記式(1)におけるRと同義であり、基Cは前記式(1)におけるAと同義であり、Dは、Si、Ge、Sn、Pb、S、Se、Teよりなる群より選ばれる1種の原子である。}
基Bが前記式(2)で示される基である場合には、RおよびRはトリアルキルシリル基、2−チエニル基及びフェニル基の何れでもない。〕
また他の本発明は、前記ジチエノ化合物よりなるエレクトロルミネッセント材料である。
本発明のジチエノ化合物は、特に正孔輸送材料として用いた時に、低い駆動電圧で作動するため、有機EL素子を構成するエレクトロルミネッセント材料として極めて有用である。また、印可電圧によって発光種が可逆的に変わることから、スイッチング素子としての適応も可能である。
本発明のジチエノ化合物は、前記式(1)で示される。式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、及びヘテロアリール基から成る群より選ばれる1種の基である。但し、基Aが前記式(2)で示される基である場合には、RおよびRはトリアルキルシリル基、2−チエニル基及びフェニル基の何れでもない。以下、これらの基について説明する。
又はRが置換若しくは非置換のアルキル基である場合における当該アルキル基は特に制限されないが、その炭素数は1〜20であるのが好適である。置換基としてはハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基等を挙げることができる。置換若しくは非置換のアルキル基として好適な基を例示すればメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ステアリル基、3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2−エトキシエチル基、2−(N,N−ジメチル)エチル基等を挙げることができる。
又はRにおける置換若しくは非置換のアリール基の種類は特に制限されないがその炭素数は6〜20であるのが好適である。置換基としてはハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基等が挙げられる。置換若しくは非置換のアリール基として好適な基としてはフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、キシリル基、トリル基、p−クロロフェニル、2−ヒドロキシナフチル基、3−エトキシアンスリル基、3−(N,N−ジエチル)−4−エトキシフェニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ナフチル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、3ー(N,N−フェニル−ナフチルアミノ)アンスリル基、3−シアノフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基等を挙げることができる。
トリアルキルシリル基としてはケイ素原子に前記置換若しくは非置換のアルキル基が3個結合したものが好適である。このとき、3個の置換若しくは非置換のアルキル基は互いに異なっていてもよい。トリアルキルシリル基として好適なものを例示すると、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、ジメチルステアリルシリル基等が挙げられる。
トリアリールシリル基としてはケイ素原子に前記置換若しくは非置換のアリール基が3個結合したものが好適である。このとき、3個の置換若しくは非置換のアリール基は互いに異なっていてもよいトリアリールシリル基として好適なものを例示すると、トリフェニルシリル基、トリトルイルシリル基、1−フェニル−1−ナフチル−1−トルイルシリル基、1−(3−シアノフェニル)−1−フェニル−1−トルイルシリル基等が挙げられる。
ジアルキルアリールシリル基としてはケイ素原子に前記置換若しくは非置換のアルキル基が2個及び前記置換若しくは非置換のアリール基が1個結合したものが好適である。このとき2つの置換若しくは非置換のアルキル基は互いに異なっていてもよい。ジアルキルアリールシリル基として好適なものを例示すると、ジメチルフェニルシリル基、ジブチルトルイルシリル基、1−メチル−1−ブチル−1−(2−ナフチル)シリル基、1−エチル−1−イソプロピル−1−(3−シアノフェニル)シリル基等が挙げられる。
アルキルジアリールシリル基としてはケイ素原子に前記置換若しくは非置換のアルキル基が1個及び前記置換若しくは非置換のアリール基が2個結合したものが好適である。このとき2つの置換若しくは非置換のアリール基は互いに異なっていてもよい。アルキルジアリールシリル基として好適なものを例示すると、メチルジフェニルシリル基、ブチルジトルイルシリル基、1−ブチル−1,1−ジ(2−ナフチル)シリル基、1−エチル−1−トルイル−1−(3−シアノフェニル)シリル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、硫黄原子に前記置換若しくは非置換のアルキル基が結合したものが好ましい。アルキルチオ基として好適な基を例示すればメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、オクチルチオ基、ステアリルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、2−ヒドロキシブチルチオ基、2−エトキシエチルチオ基、2−(N,N−ジメチル)エチルチオ基等を挙げることができる。
アリールチオ基としては、硫黄原子に前記置換若しくは非置換のアリール基が結合したものが好ましい。アリールチオ基として好適な基としてはフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アンスリルチオ基、フェナンスリルチオ基、キシリルチオ基、トリルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ヒドロキシナフチルチオ基、3−エトキシアンスリルチオ基、3−(N,N−ジエチル)−4−エトキシフェニルチオ基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルチオ基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ナフチルチオ基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルチオ基、3ー(N,N−フェニル−ナフチルアミノ)アンスリルチオ基、3−シアノフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等を挙げることができる。
アルキルスルフィニル基としてはスルフィニル基に前記置換もしくは非置換のアルキル基が結合したものが好適である。アルキルスルフィニル基として好適な基を例示すればメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、ステアリルスルフィニル基、3−クロロプロピルスルフィニル基、2−ヒドロキシブチルスルフィニル基、2−エトキシエチルスルフィニル基、2−(N,N−ジメチル)エチルスルフィニル基等を挙げることができる。
アリールスルフィニル基としてはスルフィニル基に前記置換もしくは非置換のアリール基が結合したものが好適である。アリールスルフィニル基として好適な基としてはフェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、アンスリルスルフィニル基、フェナンスリルスルフィニル基、キシリルスルフィニル基、トリルスルフィニル基、p−クロロフェニルスルフィニル基、2−ヒドロキシナフチルスルフィニル基、3−エトキシアンスリルスルフィニル基、3−(N,N−ジエチル)−4−エトキシフェニルスルフィニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルスルフィニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ナフチルスルフィニル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルスルフィニル基、3ー(N,N−フェニル−ナフチルアミノ)アンスリルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基等を挙げることができる。
アルキルスルホニル基としてはスルホニル基に前記置換もしくは非置換のアルキル基が結合したものが好適である。アルキルスルホニル基として好適な基を例示すればメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ステアリルスルホニル基、3−クロロプロピルスルホニル基、2−ヒドロキシブチルスルホニル基、2−エトキシエチルスルホニル基、2−(N,N−ジメチル)エチルスルホニル基等を挙げることができる。
アリールスルホニル基としてはスルホニル基に前記置換もしくは非置換のアリール基が結合したものが好適である。アリールスルホニル基として好適な基としてはフェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、アンスリルスルホニル基、フェナンスリルスルホニル基、キシリルスルホニル基、トリルスルホニル基、p−クロロフェニルスルホニル基、2−ヒドロキシナフチルスルホニル基、3−エトキシアンスリルスルホニル基、3−(N,N−ジエチル)−4−エトキシフェニルスルホニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルスルホニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)ナフチルスルホニル基、3−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニルスルホニル基、3ー(N,N−フェニル−ナフチルアミノ)アンスリルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基等を挙げることができる。
置換若しくは非置換のアルコキシ基としては炭素数1〜20のアルコキシ基及び該アルコキシ基の水素原子の少なくとも一つ、好適には1〜2個がハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基等の置換基で置換されたものが好適である。好適な置換若しくは非置換のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ基、4−ヒドロキシブチルオキシ基、2−エトキシエトキシ基、6−プロピルオキシヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、オキサゾール環、イミダゾール環、チオフェン環、ピラゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環、カルバゾール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環等から誘導される1価の基を挙げることができる。これらヘテロアリール基は置換基を有していてもよく、当該置換基としてはハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ハロアルキル基等が挙げられる。
前記RおよびRのなかで、特に正孔輸送能が優れていることから、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基が好ましく、特にアルキルチオ基が好適である。具体的な置換基としては、メチルチオ基、トリメチルシリル基が好適であり、特にメチルチオ基が好適である。
前記式(1)中、基Aは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−S(=O)−、−P−、−P(=O)−、−P(=S)−よりなる群より選ばれる基である。これらの中で、正孔輸送能、特に低電位駆動可能という点から、単結合、−S−が好適であり、特に単結合が好ましい。
前記式(1)中、基Bは、前記式(2)で示される基または前記式(3)で示される基である。
前記式(2)におけるRおよびRは、各々独立にアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基である。これら基は、いずれも前記式(1)におけるRの対応する基と同義である。RおよびRのなかで、特にアリール基が好ましく、この中でも特にフェニル基、トルイル基が好適である。
前記式(3)におけるRおよびRは、前記式(1)におけるRと同義である。なお、RとRとは互いに異なっていてもよい。RおよびRのなかで、特に正孔輸送能が優れていることから、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基が好ましく、特にアルキルチオ基が好適である。具体的な置換基としては、メチルチオ基、トリメチルシリル基が好適であり、特にメチルチオ基が好適である。
また、前記式(3)中の基C(当該基Cにおける“C”は炭素原子を意味するものではなく、単なる基の略号である。)は、前記式(1)における基Aと同義である。これらの中で、正孔輸送能、特に低電位駆動可能という点から、単結合が好適である。さらに、基Dは、Si、Ge、Sn、Pb、S、Se、Teよりなる群より選ばれる1種の原子であり、Si、Ge、Snが好ましく、特にSiが好ましい。
但し、基Bが下記式(2)で示される基である場合には、正孔輸送性が劣ることから、RおよびRはトリアルキルシリル基、2−チエニル基またはフェニル基ではない。
本発明ジチエノ化合物の内好適な化合物としては下記式(4)〜(5)で示される化合物を挙げることが出来る。
Figure 2005255573
{式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、RおよびR10は前記式(1)におけるRと同義であり、RとR10とは互いに異なっていてもよい。}
Figure 2005255573
{式中、R11〜R14は、前記式(1)におけるRと同義であり、各基は互いに異なっていてもよい。}
前記式(4)において、RおよびRは、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、正孔輸送能が優れていることから、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基が好ましく、この中でも特にメチルチオ基、トリメチルシリル基が好適である。
前記式(5)において、R11〜R14は、それぞれ独立に、Rと同義であり、正孔輸送能が優れていることから、アルキルチオ基、トリアルキルシリル基が好ましく、この中でも特にメチルチオ基、トリメチルシリル基が好適である。
前記式(4)〜(5)で示される化合物群の中で、特に前記式(4)で示される化合物群が、低い駆動電圧で作動する点で好ましい。
前記式(4)〜(5)で示される化合物群の中で、特に好適な化合物を以下に示す。
Figure 2005255573
本発明のジチエノ化合物は、一般に常温常圧下で無色又は淡黄色の固体として存在し、その構造はプロトン(H)、炭素(13C)、ケイ素(29Si)等の各種核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、分子量測定(MASS)、元素分析、融点等の分析手法によって確認することができる。
本発明のジチエノ化合物を得るための製造方法は特に限定されるものではなく、如何なる合成方法によって得てもよく、例えば次のような方法により好適に製造することができる。
即ち、基Bが前記式(2)で示される基である場合には、下記式(6)
Figure 2005255573
{式中、R20およびR21は、前記式(1)におけるRと同義であり、基Eは前記式(1)における基Aと同義であり、Xはハロゲン原子である。}
で示される化合物に2当量のn−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物を加えてジアニオンを生成された後、下記式(7)
Figure 2005255573
{式中、R22およびR23は、それぞれ独立に前記式(1)におけるRと同義である。}
で示される化合物を加えることにより、下記式(8)
Figure 2005255573
{式中、R20、R21及び基Eは前記式(6)におけるのと同義であり、R22およびR23は前記式(7)におけるのと同義である。}
で示される本発明の化合物を得ることが出来る。本合成法において得られる化合物において、硫黄原子が酸化、またはリン原子が酸化または硫黄化された置換基を有する場合には、前記式(8)で相当する非酸化または非硫黄化された化合物を得たのち、適当な酸化剤または硫黄化剤を用いて処理することにより、所望の化合物を得ることも可能である。
また一般に、基Bが前記式(3)で示される基である場合には、前記式(6)で示される化合物に2当量のn−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物を加えてジアニオンを生成された後、下記式(9)
Figure 2005255573
(式中、Mは、Si、Ge、Sn、Pb、S、Se、Teから選ばれる原子であり、Xはハロゲン原子である。)
で示される化合物を加えることにより、下記式(10)および/または下記式(11)
Figure 2005255573
{式中、R20、R21及び基Eは前記式(6)におけるのと同義であり、Mは前記式(3)における基Dと同義である。}
Figure 2005255573
{式中、R20、R21及び基Eは前記式(6)におけるのと同義であり、Mは前記式(3)における基Dと同義である。}
で示される本発明の化合物を得ることが出来る。本合成法において得られる化合物において、硫黄原子が酸化、またはリン原子が酸化または硫黄化された置換基を有する場合には、前記式(8)で相当する非酸化または非硫黄化された化合物を得たのち、適当な酸化剤または硫黄化剤を用いて処理することにより、所望の化合物を得ることも可能である。
このようにして得られた本発明のジチエノ化合物は、シリカゲルカラム精製、再結晶、再沈殿等の処理を行うことによって、単離精製することができる。
本発明のジチエノ化合物は、優れた発光特性を示すという特徴を有し、エレクトロルミネッセント材料、特に正孔輸送性材料として好適に使用でき、本発明の化合物からなる正孔輸送性材料を用いて有機EL素子を作成することができる。本発明のジチエノ化合物からなる正孔輸送性材料を用いた有機EL素子の構造については、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間に、本発明の正孔輸送性材料が発光層もしくは電荷輸送層と組み合わされて形成されておれば特に制限されず、公知の構造を採用することができる。例えば、陽極上に本発明の正孔輸送性材料を設けその上に発光層を、そしてその上に電子輸送体を含む電子輸送層を積層したものを挙げることができる。
また、発光層や電荷輸送層は1層であってもよく、また、複数の層を組み合わせることもできる。さらに、本発明の正孔輸送性材料の中に発光体を混合して使用することもできる。また、本発明の正孔輸送性材料を発光性正孔輸送性材料として使用しても良い。
本発明の正孔輸送性材料と共に使用できる公知の発光体としては特に限定されないが、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。具体的には、例えば、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
また、上記した本発明の正孔輸送性材料と共に使用できる公知の電荷輸送体を例示すれば、正孔輸送体としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などを挙げることができ、電子輸送体としてはオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体などを挙げることができる。
これらの化合物の具体例は、特開昭63―70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報等に記載されている。
上記した電荷輸送体の中でも正孔輸送体としては、トリフェニルジアミン誘導体、電子輸送体としてはオキサジアゾール誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体が好ましく、特に、正孔輸送体としては、4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが、電子輸送体としては2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好ましい。
これらのうち、正孔輸送体と電子輸送体のいずれか一方、または両方を同時に使用することができる。これらの各材料は一種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の正孔輸送性材料を発光性正孔輸送性化合物として使用する場合、電荷輸送体を発光性正孔輸送層に混合して使用しても良い。その場合、電荷輸送体の使用量は使用する化合物の種類などによっても異なるので、十分な成膜性と発光特性を阻害しない範囲でそれらを考慮して適宜決めればよい。通常、発光性正孔輸送性材料に対して1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜30重量%である。
次に、本発明の正孔輸送性材料を用いた有機EL素子の代表的な作製方法について述べる。まずは、ガラス、透明プラスチック等の透明基板の上に透明または半透明な金属酸化物あるいは金属薄膜を用いて陽極を形成する。その材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的にはインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、酸化スズ等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、Au、Pt、Ag、Cu等が用いられる。作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが用いられる。
次にこの陽極上に、本発明の正孔輸送性材料を含む正孔輸送層を形成する。形成方法としては、これら材料の真空蒸着塗布法または溶融液、溶液または混合液を使用するスピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、インクジェット印刷法などの塗布法により成膜することができる。
正孔輸送層の膜厚としては、好ましくは1nm〜1μm、さらに好ましくは2〜500nmである。電流密度を上げて発光効率を上げるためには5〜200nmの範囲が好ましい。なお、塗布法により薄膜化した場合には、好ましくは溶媒を除去するため、減圧下または不活性雰囲気下、好ましくは30〜300℃、さらに好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが望ましい。
また、電荷注入効率を向上させるためにさらに正孔注入層を陽極と正孔輸送層の間に設ける場合には、陽極上に上述と同様の製膜方法で形成するかあるいは公知のその他の方法で形成し、その後本発明の正孔輸送性材料を上述した製膜方法で形成し、その上に発光層および電荷輸送層を上述と同様の製膜方法で形成するかあるいはその他公知の方法で形成する。
公知の発光体または電荷輸送体の成膜方法としては特に限定されないが、粉末状態からの真空蒸着法、または溶液に溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法などの塗布法を使用できる。
発光層または電荷輸送層の厚さについては、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、あまり厚いと、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好ましくない。したがって、それぞれの層の厚さは独立に、好ましくは1nm〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500nm、特に好ましくは5nm〜200nmである。
次いで、陰極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。その材料としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、Ca、Li、Mg−Ag合金、In−Ag合金、Mg−In合金、Mg−Al合金、Mg−Li合金、Al−Li合金、Al−Ca合金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方法としては真空蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。
また、本材料は電荷輸送材料、単層エレクトロルミネッセント材料、さらには電位感応型のスイッチング素子としても、用いることが可能である。
以下に実施例を記載して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
以下の要領で下記化合物1を合成した。
Figure 2005255573
3,3’−ジブロモ−5,5’−ビス(メチルチオ)−2,2’−ビチオフェン(チオフェン原料)0.42 g (1.0 mmol) の15 mL エーテル溶液に1.27 mL (2.0 mmol) の1.57 M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液を−80℃で加え、1時間撹拌した。これに0.25 g (1.0 mmol) のジクロロジフェニルシラン(ハロゲン原料)を加えた後、12時間加熱環流した。加水分解、エーテル抽出し、有機層を集めたものを無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレータで溶媒を留去し、残査をヘキサンを展開溶媒としてシリカゲルカラム処理を行い、得られた固体をクロロホルム/エタノールから再結晶することにより淡黄色固体を0.21 g (48 %) 得た。得られた固体の分析を行った。その結果を次に示す。これらスペクトルデータより、化合物1であることを確認した。
mp 173-174℃; MS m/z 438 (M+); 1H NMR (δ in CDCl3) 2.49 (s, 6H,-SMe), 7.20 (s, 2H, thiophene), 7.34-7.45 (m, 6H, Ph), 7.60 (dd, 4H, J = 7.9, 1.3 Hz, o-Ph); 13C NMR (δ in CDCl3) 22.77, 128.24, 130.49, 131.15, 134.43, 135.34, 138.41, 139.69, 152.27. 29Si NMR (δ in CDCl3) -19.85. Anal. Calcd for C22H18S4Si: C, 60.23; H, 4.14. Found: C, 60.15; H, 4.14.
実施例2
以下の要領で下記化合物2を合成した。
Figure 2005255573
実施例1で得られた化合物2 0.080 g (0.182 mmol) の 1 ml 塩化メチレン溶液に0.096 g (0.37 mmol) のmCPBA (80 %)を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を 50 mL の10 % NaHCO3 水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を集め、水洗 (50 mL × 2) 後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒留去後、残査をクロロホルム/ヘキサンから再結晶することにより、無色結晶としてを0.060 g (66 %) 得た。得られた固体の分析を行った。その結果を次に示す。これらスペクトルデータより、化合物2であることを確認した。
mp 219-220℃; MS m/z 470 (M+); 1H NMR (δ in CDCl3) 2.98 (s, 6H, -SMe), 7.38 (t, 4H, J = 7.2 Hz, m-Ph), 7.47 (t, 2H, J = 7.2 Hz, p-Ph), 7.55-7.62 (m, 6H, o-Ph, thiophene); 13C NMR (δ in CDCl3) 44.32, 128.52, 129.18, 131.11, 132.15, 132.47, 135.32, 141.73, 153.51. 29Si NMR (δ in CDCl3) -19.47. Anal. Calcd for C22H18O2S4Si: C, 56.13; H, 3.85. Found: C, 56.11; H, 3.78.
実施例3
以下の要領で下記化合物3を合成した。
Figure 2005255573
実施例1で得られた化合物2 0.080 g (0.182 mmol) の 1 ml 塩化メチレン溶液に0.192 g (0.74 mmol) のmCPBA (80 %)を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を 50 mL の10 % NaHCO3 水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を集め、水洗 (50 mL × 2) 後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒留去後、残査をクロロホルム/ヘキサンから再結晶することにより、無色結晶として0.064 g 得た。得られた固体の分析を行った。その結果を次に示す。これらスペクトルデータより、化合物3であることを確認した。
mp >300℃; MS m/z 502 (M+); 1H NMR (δ in CDCl3) 3.23 (s, 6H, -SMe), 7.39-7.53 (m,. 6H, Ph), 7.57 (dd, 4H, J=8.0, 1.4Hz, o-Ph); 13C NMR (δ in CDCl3) 46.20, 128.38, 128.69, 131.43, 135.31, 135.86, 143.35, 144.20, 154.82. 29Si NMR (δ in CDCl3) -19.24. Anal. Calcd for C22H18O4S4Si: C, 52.56; H, 3.31. Found: C, 52.53; H, 3.59.
実施例4〜11
表1〜7に示したハロゲン化合物およびシラン化合物をそれぞれ指定のモル比で用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、表1〜7に示した本発明の化合物を得た。得られた化合物の同定データを併せて表1〜7に示した。なお、表1〜7において実施例No.と化合物No.とは同一である。
Figure 2005255573
Figure 2005255573
Figure 2005255573
Figure 2005255573
Figure 2005255573
Figure 2005255573
Figure 2005255573
なお、表1〜3に示される本発明の化合物は何れも前記式(8)で示させる化合物であり、No.4はR20、R21が−S−Me、R22、R23が−Ph、−E−が−S−のものであり、No.5はR20、R21が−SMe、R22、R23が−Ph、−E−が−S−のものであり、No.6はR20、R21が−SMe、R22が−Ph、R23が−Me、−E−が−S−のものである。また、表4〜6に示される化合物は、何れも前記式(10)で示させる化合物であり、No.7はR20、R21が−SMe、−E−が−S−、MがSiのものであり、No.8はR20、R21が−SMe、−E−が−S−、MがGeのものであり、No.9はR20、R21が−SMe、−E−が−S−、MがSnのものである。また、表7示されるNo.10の化合物は前記式(5)で示させる化合物でありR11〜R14が−SMeのものであり、No.11の化合物は前記式(10)で示させる化合物であり、R20、R21が−SMe、−E−が単結合(−)、MがGeのものである。
実施例12〜14
表8〜9に記載した本発明の化合物を化合物1の代りに指定のモル比で用いた以外は実施例2と同様にして反応を行い、表8〜9に示した本発明の化合物を得た。得られた化合物の同定データを併せて表8〜9に示した。なお、表8〜9において実施例No.と化合物No.とは同一である。
Figure 2005255573
Figure 2005255573
なお、表8に示される化合物No.12及び13は何れも前記式(8)で示させる化合物であり、No.12はR20、R21が−SMe、R22、R23が−Ph、−E−が−S(=O)−のものであり、No.13はR20、R21が−SMe、R22が−Ph、R23が−Me、−E−が−S(=O)−のものである。また、表9に示される化合物No.14は前記式(10)で示されるものであり、R20、R21が−SMe、−E−が−S(=O)−、MがSiのものである。
実施例15〜16
表10に記載した本発明の化合物を化合物1の代わりに用いた以外は実施例3と同様にして反応を行い、表10に示した本発明の化合物を得た。得られた化合物の同定データを併せて表10に示した。なお、表10において実施例No.と化合物No.とは同一である。
Figure 2005255573
なお、表10に示される化合物No.15は前記式(8)で示させる化合物であり、R20、R21が−SMe、R22、R23が−Ph、−E−が−S(=O)−のものであり、No.16は前記式(10)で示されるものであり、R20、R21が−SMe、−E−が−S(=O)−、MがSiのものである。
実施例17
以下の要領で下記化合物17を合成した。
Figure 2005255573
実施例5で得られた化合物5 0.267 g (0.51 mmol) の 30 mL エーテル溶液に0.163 g (1.02 mmol) の臭素を-80℃で加えた。30分室温で撹拌した後、留去、残査をエタノールから2回再結晶することにより0.22 g (80%) の中間体(ジブロモ体)を無色の固体として得た。
マグネシウム 0.36 g (14.9 mmol)と 1.22 g (7.76 mmol) の2-ブロモチオフェンから5 mLのエーテル中でグリ二ヤール試薬を調製した。これを1.00 g (1.86 mmol) の中間体(ジブロモ体)と0.02 g (0.037mol) の NiCl2(dppp) の 15 mLのether/THF (2:1) 溶液に室温で滴下した。得られた混合物を1晩加熱環流した後、加水分解した。有機層を分液し、水槽はエーテルで数回抽出した。有機層と抽出分を合わせて、無水MgSO4で乾燥、留去し、残査をシリカゲルカラムで処理精製し、さらに得られた粗生成物をクロロホルム/エタノールから再結晶することにより0.40 g (収率:40%)の 黄色固体が得られた。得られた固体は、下記分析結果より、化合物17であることがわかった。
mp 216-218℃; MS m/z 542 (M+); 1H NMR (δ in CDCl3) 6.99 (dd, 2H, J = 3.6 and 5.1 Hz, thiophene), 7.11 (dd, 2H, J = 1.1 and 3.6 Hz), 7.16 (s, 2H, thiophene), 7.20 (dd, 2H, J = 1.1 and 5.1 Hz, thiophene) 7.34-7.48 (m, 6H, m- and p-Ph) 7.61 (dd, 4H, J = 1.6 and 7.9 Hz, o-Ph); 13C NMR (δ in CDCl3) 124.31, 124.73, 127.82, 128.09, 128.21, 130.21, 130.72, 133.19, 135.60, 136.01, 136.86, 141.04; 29Si NMR (δ in CDCl3) -32.30. Anal. Calcd for C28H18S5Si: C, 61.95; H, 3.34. Found: C, 61.93; H, 3.37.
実施例18
<EL発光特性>
ITO陽極基盤上に化合物1を40 nm、発光層兼電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)を50 nmで順に真空蒸着した。 さらに、Alq3上に陰極としてマグネシウム-銀(10:1)合金を200 nm で真空蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて2×10−5Torr以下であった。この素子に電圧を印可したところ、4.5Vより電流が流れ始め発光が見られた。この素子に5V、6.5Vおよび9.5Vの電圧を印加し、分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000:大塚電子製)を用いて蛍光発光を測定したところ、蛍光の最大発光波長は、それぞれ522nm、526nm、543nmであり、2段階の発光現象が観測された。すなわち7V付近までは化合物1、それ以上の高電圧ではAlq3による発光が観測された。さらに、この発光現象は可逆的であり、一度高電圧でAlq3を発光させた後に、低電圧で印可すると再度化合物1による発光が観測された。また、9.5Vにおける発光強度は481cd/mであった。
比較例1
ITO陽極基盤上に化合物1の代わりにTPDを40 nmを真空蒸着した以外は、同様にして素子を作成した。この素子に電圧を印可したところ、7.0Vより電流が流れ始め発光が見られた。この素子に10Vまでの電圧を印加し、分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000:大塚電子製)を用いて蛍光発光を測定したところ、蛍光の最大発光波長は、541nmで一定でありAlq3による発光が観測された。
実施例19
化合物1の代わりに化合物5を用いた以外は、同様にして素子を作成した。この素子に電圧を印可したところ、4.5Vより電流が流れ始め発光が見られた。この素子に14.5Vの電圧を印加し、分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000:大塚電子製)を用いて蛍光発光を測定したところ、蛍光の最大発光波長は、538nmで一定でありAlq3による発光が観測された。14.5Vにおける発光強度は1263cd/mであった。
本発明のジチエノ化合物は、大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視されている有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)のエレクトロルミネッセント材料、特に正孔輸送性材料として利用できる。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で示されるジチエノ化合物。
    Figure 2005255573
    〔式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、及び置換若しくは非置換のヘテロアリール基から成る群より選ばれる1種の基であり、
    基Aは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−S(=O)−、−P−、−P(=O)−、−P(=S)−よりなる群より選ばれる1種の基であり、
    基Bは下記式(2)又は下記式(3)で示される2価の基であり、
    Figure 2005255573
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である。)
    Figure 2005255573
    {式中、RおよびRは、夫々独立に前記式(1)におけるRと同義であり、基Cは前記式(1)におけるAと同義であり、Dは、Si、Ge、Sn、Pb、S、Se、Teよりなる群より選ばれる1種の原子である。}
    基Bが前記式(2)で示される基である場合には、RおよびRはトリアルキルシリル基、2−チエニル基及びフェニル基の何れでもない。〕
  2. 請求項1記載のジチエノ化合物よりなるエレクトロルミネッセント材料。
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