JP2005255516A - 低散乱性かつ高レーザ安定性大容積CaF2単結晶の製造方法、同方法により製造される結晶、及び同結晶の使用 - Google Patents

低散乱性かつ高レーザ安定性大容積CaF2単結晶の製造方法、同方法により製造される結晶、及び同結晶の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】高レーザ安定性、低散乱性、高均質性及び向上された複屈折性を有する大容積CaF単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】高温における焼戻しが可能であり、低散乱性で屈折率差が小さく、また小角列理境界が僅かであるCaF単結晶を、
a)CaF材を1,000℃〜1250℃の温度で少なくとも5時間加熱処理する工程と、
b)工程a)での加熱処理後に前記CaF材を高くても510−4ミリバールの真空下において1100℃以上の温度で気化させて蒸気にする工程と、
c)前記蒸気を500℃〜1280℃の温度で凝縮させて凝縮物を生成する工程と、
d)前記凝縮物からCaF溶融物を生成する工程と、
e)前記CaF溶融物を冷却してCaF単結晶へ成長させる工程と、
f)その後にCaF単結晶を焼戻しする工程から構成し、
CaF出発原料として廃棄結晶及び使用済み溶融物から得た切削結晶の使用も可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、低散乱性かつ高レーザ安定性をもち、高温において焼戻し可能であり、かつ特に優れた均質性、低度の小角列理境界及び応力複屈折性を有する大容積CaF単結晶の製造方法に関する。本発明はさらに、前記方法によって製造される単結晶及び同単結晶の使用に関する。
光学リトグラフィーによるコンピュータチップ及び他の集積回路等の電子コンピュータ部品の製造に際しては、それら回路構造はフォトマスクを用いてウェハー上へ結像され照射される。コンピュータのより高性能化の必要性から、さらに小形のコンピュータチップに対する需要が生じている。そのため、これまで以上に鮮明に各回路構造を結像させることが必要となっている。またこれまで以上に短い波長を用いる必要性も生じている。かかる状況において、画像は使用される光それぞれの波長よりもさらに細小化している。そのため、対応ウェハー上へ回路構造を可能な限り鮮明に結像させるために、波長248〜365nm、さらには157nm〜193nmのレーザ光が用いられる。また、前記回路構造の配線が、用いられる光の波長よりもさらに小さい回路構造の鮮明な結像を可能とする結像技術がさらに開発されている。これら新たな結像技術には、例えばOPC(光近接技術)、種々のオフアクシス照明技術の利用、所謂位相偏移マスク、及び二重露出システム等の特に所謂分解能改良技術(分解能増強技術、RET)が含まれる。しかしながら、これら高性能技術は光学レンズ系及び光学材料が高品質であるという前提に基づいている。そのため、CaF単結晶がレンズ材料としての合成石英ガラス以上に重要性を増している。実際、157nmの波長光においては、石英ガラスはこの波長の光を透過できないため、この作動波長において使用可能な材料はCaFのみである。大形CaF単結晶は、現在まで照射光学機器、すなわちフォトマスク照射光学機器において使用されてきた。
単結晶の光学特性がすべて該結晶の品質に依存することは周知である。かかる単結晶とは実在する結晶、すなわち理論的理想構造から逸脱し構造的欠陥を含む実在の格子をもつ結晶のことである。このような結晶の欠陥は、例えば成長過程において個々の格子部位が構成分子で占められない場合に生成され、点状欠陥等の所謂欠陥ロケーションや、あるいは線状欠陥のようなディスロケーションが生ずる。しかしながら、格子構造中の欠陥は、外来イオンを含め、避けられない不純物の存在によっても生ずる。
品質、すなわち結晶の完全度は、選択される成長方法と、特に成長速度や成長及び冷却過程中の温度等の方法パラメータに関して採られる手法に依存する。ここで、結晶の焼戻しによって、すなわち既に成長した結晶を高温で長時間の間隔をおいて加熱することにより、種々格子応力によって生成される小角列理境界及び応力複屈折等の構造的欠陥が劇的に減じられることが明らかとなっている。しかしながら、結晶中での光散乱が上記のような長時間の焼戻しによって大きく増加することも示されている。実際、長時間の焼戻しによって反射光散乱と透過光散乱の双方が増加される。反射光散乱は所謂二方向反射分配機能(BDRF)によって説明され、結晶中を透過する散乱は所謂二方向透過分配機能(BTDF)によって説明される。これら両タイプの散乱を組み合わせて所謂二方向散乱分配機能(BSDF)を得ることが可能である。このBSDFはサンプルの散乱作用の定量的記述に用いられる。垂直入射光に関して言えば、このBSDFは散乱光角度θs及び散乱光方位角度ψsの関数である。BSDFによって、測定装置によって与えられた立体角度dΩsにおける測定された光散乱能Psの作用が入射能Piとの関連において示される。Stover(J.C.Stover,光散乱−測定及び分析、McGraw−Hill Inc.,1990)によれば、BSDFは下記式で定義される。
BSDF=(Ps/Ωs)/(Pi cosθs)
上記コサイン因数は前記散乱角度θs方向における照射散乱容積を投影し、これにより表面上における光散乱測定との方向比較を可能とする。BSDFの単位は1/ステアラディアンである。散乱光の作用力は透明サンプルの光散乱作用を特徴づける立体散乱角度θs下において検出されるため、BSDF値は、θsが一定な場合、定量可能な光散乱パラメータとして与えられる。
既に肉眼で観察可能な光散乱を例え比較的少量であっても生ずる結晶は、電子リトグラフィー、特に結像形成光学機器に使用できないか、あるいは使用法が限定される。拡散的散乱であっても、また離散的散乱であっても問題となる。
このような結晶は当業者に既知である多数の方法、例えば最も頻繁に用いられる勾配凝固法(GSM法)及びブリッジマン・ストックバーガー法によって製造可能である。
R.Leckebusch及びK.Reckerは、結晶成長ジャーナル13/14,226−281頁(1972年)において、結晶成長技術に基づいたCaF単結晶の製造改良に関する実験について記述している。彼らは、気化した結晶材が種結晶上へ沈着する蒸気成長結晶の場合、結晶中に僅かな不純物が存在する処理条件下では成長結晶内部における成長速度が極めて遅くまた温度勾配も小さいために、(111)劈開面上には極めて少数の転位しか観察されなかったことを報告している。しかしながら、この処理では、成長速度が極めて遅いために数mmサイズの小さな結晶しか生成されていない。このような容積の小さい結晶はフォトリトグラフィーでの使用には適さない。フォトリトグラフィーには、直径が少なくとも20〜30cm、高さが少なくとも10〜20cmある結晶が必要である。現在ではさらに大容積の単結晶が必要とされている。
また、既に加工済であるがそれ以上には加工できない大量のCaF結晶が、カット処理及び、結晶構造欠陥、低均質性、高複屈折性、及び低透過性及び/または光散乱性等の光学特性がリトグラフィー用途には適さないため廃棄されている。かかる廃棄結晶は処理されねばならないが、その処理は厄介であり、またコストを要するものである。
本発明は、高レーザ安定性かつ低散乱性であり、高温において散乱性を増加させることなく焼戻しできるため高い均質性及び向上された複屈折性を有する大容積CaF単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに、フォトマスクを照射する光学装置のみならず結像及び/または投射機器にも使用可能な大容積CaF単結晶を提供することを目的とする。
本発明はまた、従来の結晶成長処理によって得られた使用不可なCaF廃棄結晶の再利用をも目的とする。
上記目的は、添付の特許請求の範囲において限定された特徴を有する構成によって達成される。
驚くべきことに、溶融物の生成に用いられる結晶原料を多くても510−4ミリバールの真空下において1100℃以上の温度で予め蒸発あるいは気化させ、さらに500℃以上の温度で凝縮した場合、前記溶融物から焼戻し性が極めてよく、かつ散乱性が無いかあるいは少なくとも低散乱性である大容積CaF単結晶を製造できることが見出された。このような溶融物から成る結晶は、焼戻し以外で用いられる温度よりも明らかに高い温度においても要求に適った均質性を有し、またかかる結晶に対して結晶中における散乱を増加させることなく応力複屈折(SDB)を減ずる加熱処理を行えることが本発明によって見出された。また、本発明に従った手順によれば離散的散乱も拡散的散乱も有意に増加しないことが示されている。従って、本発明方法により、散乱性が改善され、小角列理境界がより少なく、レーザ安定性が改善された結晶を得ることが可能である。さらに、本発明方法によって得られる結晶は均質性が極めて高く、また応力複屈折性が例外的に小さいことを特徴とする。本発明方法によって得られる結晶は、焼戻しが低温で行われても、従来方法を用いて得られた結晶に比べて散乱特性及びレーザ安定性が改善されていることが理解される。
好ましい実施態様において、出発原料は昇華前に加熱処理される。好ましくは、前記加熱処理温度は1000℃以上、好ましくは1100℃以上とし、また高くても1350℃、好ましくは高くても1300℃とする。最も好ましくは、最高温度は1250℃である。この加熱処理は長い保持時間を置いて、とりわけ少なくとも5時間の時間間隔、好ましくは少なくとも10時間の時間間隔を置いて実施される。前記時間間隔は少なくとも24時間、特に好ましくは少なくとも48時間である。前記時間間隔の適する最大間隔は120時間であるが、好ましい最大時間間隔は100時間である。本発明に従った加熱処理によれば、とりわけ前記出発原料の格子構造中の異質構造が除去される。前記結晶構造は単結晶及び多結晶のいずれでもよく、その粒径とは全く無関係である。すなわち結晶材は断片状でも、粉状でも、あるいは破片状でもよい。
前記加熱処理中、あるいは前焼戻し処理中には、処理対象材料、特にCaFの気化は本質的に起こらず、また前記加熱処理は結晶材の気化を回避するように実施されると理解されるべきである。
本発明においては、加熱処理と、特に分別昇華及び凝縮を組み合わせることにより、特に純度の高い材料が得られることが見出されている。不純物は、特に広い部分において、前記加熱処理によって酸化物へ変換されて沈着しプールにあるいは容器底部に残留するため、昇華物中へ運ばれることはない。これによって分離処理が促進されるため出発原料の精製が容易となる。驚くべきことに、かかる促進化は出発原料が粉体、あるいは粒体でも、さらに破片状でも同様である。
本発明に従った焼戻し保持温度は1000℃以上、好ましくは1050℃以上であるが、特に好ましくは1080℃以上及び/または1100℃以上である。1200℃以上での焼戻しはとりわけ好ましく、また1210℃以上での焼戻しは最も好ましい。焼戻し処理中の上限温度は1415℃、好ましくは1370℃を超えてはならない。好ましくは、上限温度は高くても1350℃である。焼戻し処理中の適する上限温度は高くても1300℃であるが、多くの場合最高温度として1250℃及び/または1200℃あれば十分である。本発明において、前記保持時間間隔中の結晶各部分間の温度差はないかあるいは最小であること、すなわち前記保持工程期間中は結晶全容積に亘って可能な限り温度が均質に保持されることが有利であることが実証されている。
焼戻しは好ましくは1000℃以上の温度で実施され、少なくとも50時間、好ましくは65時間、特に好ましくは少なくとも75時間、用いられた焼戻し温度に保持される。但し、特に好ましい保持時間は少なくとも80時間である。
本発明方法を用いることにより、均質性が高く、レーザ安定であり、かつ無散乱性または低散乱性である大容積結晶が製造できること、結晶材が蒸気相から冷えた種結晶上へ直接沈着されないこと、及びCaF材を高くても圧力510−4ミリバールの真空下において1200℃以上の温度で気化させ、次いで500℃以上の温度で濃縮することにより、本発明によるまで従来のGSM法(勾配凝固法)によっても得られなかった品質を備えた大容積結晶を製造できることが見出された。
前記圧力は、好ましくは少なくとも10−7あるいは510−7ミリバール、特に少なくとも510−6または10−6ミリバールであるが、特に好ましくは510−5ミリバールである。好ましい最大圧は310−4ミリバールであるが、より好ましくは10−4ミリバールである。前記気化自体は、酸素含量が5ppm未満、とりわけ3ppm未満、特に好ましくは2ppm未満である、可能な限り酸素の無い雰囲気中で実施される。前記酸素含量はさらに好ましくは1ppm未満、さらに特に好ましくは0.5ppm未満、最も好ましくは0.1ppm未満である。
本発明に従ったさらに別の実施態様においては、CaF材の気化は保護ガス、特に不活性ガス下で実施される。好ましい不活性ガスはヘリウム及びアルゴンである。また、本発明に従った前記気化を、特に水素等の反応性ガス下で実施することも可能である。また窒素純度が99.99999%以上であれば、かかる窒素を前記不活性ガスとして使用することが可能である。
好ましい気化温度は1100℃以上であるが、好ましくは1150℃以上である。本発明方法において通常用いられる気化温度は1200℃以上及び/または1240℃以上である。
本発明に従って使用される原料または出発材料を得るために、500℃以上、とりわけ600℃以上の温度においてCaFがコレクター中で前記気化相から沈着される。好ましくは、凝縮器の温度は前記気化温度よりも20℃以上、とりわけ30℃以上低い温度とする。特に好ましい凝縮温度は、前記気化温度よりも40℃〜60℃の範囲内、とりわけ約50℃低い温度である。また、必ずしも絶対的に必要とはされないが、凝縮温度は前記気化温度より多くても200℃、とりわけ多くても150℃または100℃低い温度とすることが適することが実証されている。特に好ましい凝縮温度は前記気化温度より多くても80℃低い温度である。
さらに別の好ましい実施態様において、本発明方法では第一材料凝縮器よりも前記気化処理位置からさらに離れた第二凝縮器が用いられる。この第二材料凝縮器の温度は通常第一凝縮器より低温である。前記第一凝縮器温度と作動及び/または凝縮器との温度差は20℃以上、とりわけ30℃以上あるのが適することが実証されている。特に好ましくは、前記第一凝縮器の温度よりも40℃〜60℃以上、特に約50℃低い温度である。また好ましくは、前記第二凝縮器と第一凝縮器との温度差は最大でもとりわけ200℃〜150℃とし、多くても100℃とする。特に好ましい第二凝縮器の温度は第一凝縮器の温度より多くても80℃低い温度である。
本発明方法は密閉排気型装置中での実施に適する。この装置には気化室及び凝縮室が備えられる。この装置には前記室を区切るハウジングと開閉可能なクロージャー手段、特にカバーが設けられる。従って、前記クロージャー手段を開けて材料を供給あるいは取り出せるように前記室内部へアクセス可能である。さらに、前記ハウジング、特にカバーには小さな開口があり、それを通して前記室内部と外部が連絡され、また該開口を通して前記室内からの排気が可能である。この小開口の直径は通常小さいので、前記装置の排気に際して前記室内を真空にすることが可能である。しかしながら、この開口はガス相中のCaF材が少量しか漏れないように十分小さく形成されている。気化器には加熱装置が備えられ、好ましくは所望の温度まで加熱することが可能である。この装置中には、一材料凝縮器が前記気化部位から離れた位置に配置されている。測定対象である蒸気拡散パス(第一拡散パス)によって材料凝縮器と気化器が分離されている。前記凝縮器も前記気化器のような板状に形成され、その温度は気化器よりも低温である。好ましくは、凝縮器を加熱して蒸発器または気化器より低い温度に調整できる。多くの実施態様において、凝縮器へ冷却機構を付設するのが適切であることが実証されている。好ましい実施態様では、さらなる第二の凝縮器が第一凝縮器の下方あるいは下流に配置され、また特に好ましい実施態様においては第三の凝縮器が配置される。前記第二凝縮器は第一拡散パスのおよそ20%〜80%に相当する拡散パスによって第一凝縮器から間隔を空けられて配置される。第二凝縮器と第三凝縮器間の第三拡散パスも、初期段階における気化不純物用の凝縮器となり得るさらに別の凝縮器への後続パスも同様に、ほぼ同一比率とすることができる。
本発明に従ったさらに別の好ましい実施態様では、出発材料を真空下に置き、第一処理工程において前記出発材料の2重量%以上、好ましくは5重量%以上、特に10重量%以上が気化するまで、1400℃の気化温度、好ましくは高くても1350℃の気化温度、とりわけ1300℃まで加熱する。この間、気化した材料の沈着を防止するため、凝縮器面は気化器と同一温度まで加熱される。かかる材料の沈着は、特定の実施態様では、前記気化室の外側にある別のあるいは予備の凝縮器中において起こる。但し、この予備凝縮器を前記気化室内に配置することも可能である。CaF材の気化及び凝縮中、装置の気化室内のCaF蒸気圧は0.005Pa以上、とりわけ0.01Pa以上である一方、高くても0.4Pa、とりわけ高くても0.3Paである。特に好ましい下限蒸気圧は0.0115Paであり、上限蒸気圧は0.266Paである。気化室外部であるが装置全体内である部位における蒸気圧は高くても510−4ミリバールである。同部位における特に好ましい蒸気圧は10−4ミリバールである。適する最小蒸気圧は10−7ミリバール、とりわけ10−6ミリバールである。しかしながら、特に好ましい最小蒸気圧は10−5ミリバールである。容器あるいは気化室及び凝縮室の内部は前記小開口によってこの蒸気圧あるいは真空へ連絡されている。
材料の凝縮は、残存掃去剤生成物等の望ましくない残存物質が猶沈着しない温度において行われる。かかる温度は当業者によって容易に決められ、また選択される各真空圧によって左右される。特に好ましくは、材料を温度勾配中で沈着あるいは分離して必要に応じた種々等級の純度を得る。かかる温度勾配は連続状でもよいが、好ましくは後続して連絡される数個の凝縮器部分を用いて適当な種々温度レベルを備えるように形成される。この凝縮器部分は好ましくは少なくとも2個、とりわけ少なくとも3個用いられる。
大形の結晶板、特に従前の結晶成長の試みから派生する使用済み及び/または廃棄結晶は本発明に従った好ましい出発材料である。このようなタイプの結晶板は単結晶の破片あるいは断片でよく、また多結晶であってもよい。これら結晶板または破片の表面上に存在するNaClや脂肪、空中の埃及び酸化物、特に水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩等の厄介な外部不純物を除去するため、好ましくは従来技術で使用したこれら結晶板または破片は洗浄される。これらの結晶破片あるいは結晶板は好ましくは水性媒質を用いて洗浄される。用いる水性洗浄媒体は好ましくは非イオン性界面活性剤を含む水性界面活性剤溶液である。原則として、本発明においては、必要であれば特に対イオンとしてのフッ化物と伴に両性界面活性剤、あるいはカチオン性界面活性剤を用いることも可能である。本発明方法において使用する好ましい界面活性剤溶液は好ましくは泡を生成しない。
好ましい界面活性剤としては、例えば2−アミノ−2−メチルプロパノール等のアミノアルコール類を挙げることができる。後者の界面活性剤は、VIGON(登録商標)A200あるいはNEODISHER(登録商標)EMの商品名で市販されており入手可能である。
洗浄後、好ましくは前記結晶破片を約50℃、特に60℃以上、好ましくは80℃以上の温度で乾燥する。前記乾燥は好ましくは真空下、また必要な場合は保護ガス下で実施する。
洗浄及び乾燥後に前記破片を粉砕する。この粉砕は衝撃あるいは打撃応力を与える破砕処理によって行われる。かかる粉砕によって生成される破片粉砕品のサイズは0.1〜10cm、典型的には0.5〜5cmの範囲内であり、d50は0.5〜3cm、好ましくは1〜2cmの範囲内である。
本発明方法によれば、所謂勾配凝固法(GSM)に従った公知手順を用いての結晶製造を可能とする予備的製品が製造される。工業的大量生産に使用可能なさらに別の方法としては、例えばブリッジマン・ストックバーガー法、垂直勾配凍結法、ナッケン・キロポウス法、ツォクラルスキー法、さらにはこれら方法の変形がある。前記手順では、多結晶材料を容器またはるつぼ中に溶融し、次いで溶融物を好ましくは制御可能な方式により種結晶を用いてゆっくりと結晶化させる。上記すべての方法により、出発材料であるCaFから本発明方法での使用に適する結晶、結晶破片及び多結晶粉が生成される。
本発明はさらに本発明法によって得られる大容積結晶にも関する。本発明に係る結晶は、焼戻し処理後に高レーザ安定性、高均質性及び低散乱性の各特性を備える特徴を有する。また、本発明に係る結晶は低複屈折性の特性も有する。
本発明に係る結晶のBSDF値は、510−7未満、とりわけ410−7未満である。これら数値は従来技術では得られなかった数値である。本発明に係る結晶は、好ましくは210−7未満、とりわけ110−7未満のBSDF値を有する。特に好ましいBSDF値は410−7未満である。屈折率均質性に関する(ツェルニケ係数36を引いた後の)RMS平均値は少なくとも510−8未満、特に少なくとも210−8未満である。特に好ましい屈折率均質性に関するRMS平均値は1.510−8未満である。(100)及び(110)方向または配向における応力複屈折RMS平均値(SDB−RMS)は好ましくは1nm/cm未満、とりわけ0.35nm/cm未満、特に好ましくは0.3nm/cm未満である。(111)方向または配向における応力複屈折RMS平均値(SDB−RMS)は好ましくは0.2nm/cm未満、とりわけ0.15nm/cm未満、特に好ましくは0.08nm/cm未満である。耐レーザ性あるいは耐レーザビーム性の測定に際しては、本発明に係る結晶を波長193nm、エネルギー密度10mj/cmのレーザパルス10×10へ露出させる。この耐レーザ試験の結果k値の変化は認められなかった。
結晶成長後、本発明に係る結晶は好ましくは直径が少なくとも20cm、好ましくは30cm、また高さが少なくとも10cm、好ましくは少なくとも20cmとなる。特に好ましい直径は少なくとも35cmまたは40cmであり、特に好ましい高さは少なくとも25cmまたは30cmである。好ましくは、前記結晶には含量として6ppm未満、とりわけ3ppm未満、但し特に好ましくは1ppm未満の酸素が含まれる。同じく炭素含量は好ましくは18ppm未満、とりわけ10ppm未満である。但し特に好ましい炭素含量は8ppm未満である。
本発明はさらに、本発明方法によって得られた結晶の光学用途、とりわけ光学素子用のブランクあいは半完成品としての使用にも関する。マイクロリトグラフィー、特に波長250nm未満、とりわけ248nm及び/または193nm、好ましくは157nmでのマイクロリトグラフィーは本発明方法によって得られた結晶の好ましい適用対象である。
本発明は猶さらに、光学素子、特に光学装置の対物レンズとして用いられるプリズム及びレンズへの本発明に係る結晶の使用にも関する。本発明に係る結晶は、特にマイクロリトグラフィー及び写真、とりわけステッパー、エキシマレーザ、ウェハー、コンピュータチップ、さらには集積回路、及びこの種の集積回路及びチップを内蔵する電子機器において用いることが可能である。
本発明の目的、特徴及び利点について添付図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
以下の実施例は本発明方法を説明するための例示であり、添付の特許請求の範囲を限定する意図に理解されてはならない。
本発明方法を実施するための真空昇華装置を図1に示す。この装置には容器壁あるいはハウジング壁110を備える容器あるいはハウジング100と、カバー120が含まれている。カバー120は前記ハウジング壁110から取外し可能である。カバー120には小さくても十分な大きさである開口122が貫通孔状に設けられている。前記ハウジング自体が気化凝縮室150を形成しており、この気化凝縮室150は開口122を通じて外部、すなわち真空溜めと連絡されている。装置内部にはハウジング100を収容するさらに別のハウジングがあり、この別のハウジングによって真空溜めを設けることが可能とされている。前記室150内には、加熱可能でありかつ必要な場合には冷却可能でもある、平面状の面部材、板部材、及び/または皿状部材200、300及び400が配置されている。前記上部平面部材200上へ気化あるいは気化対象の材料500を置く。加熱装置(図示せず)を用いて前記平面または皿状部材200を作動温度まで加熱すると、材料500は蒸発あるいは気化し、前記気化用平面部材200の下方に設けられ該平面部材200より低温である平面部材300上へ沈着する。前記凝縮用平面部材300は拡散パスD1によって前記気化用平面部材200から分離されている。前記凝縮用平面部材300の下方には、前記凝縮用平面部材300上へ沈着しなかった残存気化材料500を凝縮するためのさらに別の凝縮用平面部材400が位置している。必要ならば、低温で既に蒸発した望ましくない材料の凝縮及び/または回収用の皿状部材を最下部の平面部材(図示せず)上へ配置することも可能である。原則として、蒸発した材料500の分別沈着が起こるように、凝縮用平面部材、及び/または皿状またはパン状部材のそれぞれは、それらの直ぐ上にある対応する凝縮用平面部材、及び/または皿状またはパン状部材よりも低温である。第一平面部材300上へ凝縮した材料は通常最も精製度の高い材であり、かかる材が本発明方法における使用に好ましい材料となる。このようにして得られた材料は既に大粒化した単結晶あるいは多結晶であるため、後続の加工における溶融物生成のための事前の圧縮は不要である。すなわち、本発明においてはインゴット製造工程を省略することが可能である。
実施例1:出発材料の調製
使用不可な結晶やレンズ製造過程中に切削によって生じた古い破片から成る廃棄物を自動洗浄装置(Miele社製自動洗浄装置、G7827型)の洗浄バスケット中へ相互に少なくとも1cmの間隔をあけて配置する。かかる配置を行うことにより、洗浄処理における結晶片の完全な洗浄が確保される。外面に猶マーキング、例えばフェルトペンで書かれたマーキングがある結晶片はその部位を削り取って除去する。前記洗浄バスケットには結晶片塊12〜18kgを入れて搬送台へ置き、次いで搬送手段を備える自動洗浄装置中へ搬送する。次いで自動洗浄装置において洗浄プログラム(洗浄プログラムNo.20)を選択し、該洗浄プログラム(所要時間90分)の終了後に洗浄搬送台を取り出す。洗浄中は、水の導電率が所定範囲内に確実に維持されるようにチェックしなければならない。必要に応じて、適時新たな脱塩カートリッジを取り付けなければならない。
洗浄後、結晶片を乾燥バスケット中へ入れ肉眼で結晶片の状態を見る。色が残っている結晶片をえり分け、必要であればさらに破片を削り取って浄化する。次いで乾燥バスケットを真空オーブン中で乾燥させる。通常乾燥処理は3サイクルとして各洗浄後に行う。乾燥中は真空乾燥オーブン(ビンダー型乾燥オーブンVD115)を90℃まで加熱して該温度に1時間保持する。真空度は10〜2ミリバールの範囲内とする。乾燥後、再度結晶片の肉眼による評価を行い、猶着色があれば前記同様に削り取り方法によって取り除く。次いで、縁長5cm以上ある結晶片をハンマーで穏やかに衝撃を加えて破砕する。洗浄及び乾燥処理によって結晶片には多数の割れ目やひびが生じているから、このような破砕方法を採ることが可能である。次いで破砕された結晶片をプラスチック製箱中へ充填し、真空溶接装置を用いて5kg毎を箱と一緒にホイル製袋中に密封し、後の使用のために保蔵する。
実施例2:単一工程による昇華
予め清浄化した5kgの原料結晶片500を、図1に従って真空昇華装置中の蒸発または破片用平面部材200上へ置く。カバー120を閉じ装置内を10−4〜10−5ミリバールまで排気した後、処理温度を1100℃〜1250℃に設定保持する。一方が他方の上に位置する3つの凝縮器用平面部材300、400及び600上へ3台の凝縮器を配置する。各凝縮器用平面部材の温度は、その直ぐ上の平面部材の温度よりも約50℃低くされている。かかる構成により昇華は上方から下方へと起こる。昇華物は温度に従って壁110に沿って各昇華平面部材300、400、600へと移動する。最良品質の材料は上部の凝縮用平面部材300上に見出される。CaF気化・凝縮室内部の圧は0.0115〜0.266Paに達する。塊状原料結晶片500の約90%の気化に要した時間は1250℃において約72時間であった。
実施例3:2工程による方法
前記同様に5kgの原料結晶片500を気化室150内に置き、第一処理工程において1100℃〜1250℃の温度に18時間保持する。この間、先に揮発した原料の低揮発性不純物との凝縮を防止するため、気化用平面部材200と凝縮用平面部材300、400、600を同一温度に保持する。この工程は、必要に応じて、それ以降の気化よりも低真空状態下、すなわち高圧下で行うことが適することも実証されている。実際の気化はその後に1250℃以上の高温において56時間の間隔を置いて起こる。かかる方法では当然収率は低下するが(原料の75%のみ)、凝縮器中に沈着された材料純度はかなり改善される。
気化容器及び/または該容器全体の上面を加熱するヒーター(図示せず)を用いて気化器200を加熱する。次いで凝縮器用平面部材200、300、600の温度を別個の加熱・冷却器(図示せず)を用いて正確に調節する。
実施例4:得られた結晶の光学品質
実施例1〜3に従って得られた材料から成る溶融物から製造された結晶製品への前記手順による効果を判定するため、少量の試験用結晶を成長させ、未処理の結晶片及び市販の高純度な合成粉状CaFから同様にして製造された結晶との比較を行った。従来原料から製造された光学素子よりも実質的に高品質な光学素子を本発明方法によって得た結晶から製造できることが明らかとなった。本発明に係る結晶は高耐レーザ照射性をもつのみならず散乱光に対する傾きが明らかに低いことが示された。その結果を下記表1に示す。
表中、実施例E1〜E8は本発明方法によって得られた結晶サンプルについての結果であり、比較例V1〜V4は市販の粉状CaFから得た結晶についての結果である。
Figure 2005255516
X線照射後のスペクトル形成試験
320nm〜800nmの範囲内の波長におけるX線損傷後の種々スペクトルを測定した。材料に対して輻射強度約20ml/cmのX線照射を行った。図2は、原料結晶片及び本発明に従って得られた材料から得た結晶の200nm〜800nmにおける吸収スペクトルを示す。照射前後でのスペクトル差を図2に示す。
曲線1及び2は本発明によらない結晶についての曲線であり、本発明に従った実施例1及び実施例2の結晶について得られた曲線3及び4よりも光学品質は明らかに劣っている。
合成された高純度な出発原料から同等品質の結晶を得ることは従来技術ではできなかった一方において、本発明に従って得られた結果が従来使用不可と判断されてきた材料を用いて得られたことはさらに驚きである。
本発明は低散乱性かつレーザ安定性が向上された大容積CaF単結晶の製造方法、同方法によって製造される単結晶、またかかる単結晶の使用として具現化されて説明してきたが、本発明の精神から全く逸脱することなく種々の変更及び変形を加えることが可能なため、本発明を上記詳細に限定する意図ではない。
本発明要旨は、さらなる分析を必要とせず、上記説明によって十分開示されているから、第三者は、最新の知識を適用することにより、先行技術の見地に立って本発明の全般的あるいは特定の態様の必須な特徴を明らかに構成している特徴を漏らすことなく本発明を種々用途へ容易に適合させることが可能である。
本発明方法を実施するための真空昇華装置の略側方断面図である。 X線照射前後における本発明に係るフッ化カルシウム結晶の種々スペクトルを示したグラフである。

Claims (20)

  1. a)CaF材を1000℃〜1250℃の温度で少なくとも5時間加熱処理する工程と、
    b)工程a)での加熱処理後に前記CaF材を高くても510−4ミリバールの真空下において1100℃以上の温度で気化させて蒸気にする工程と、
    c)前記蒸気を500℃〜1280℃の温度で凝縮させて凝縮物を生成する工程と、
    d)前記凝縮物からCaF溶融物を生成する工程と、
    e)前記CaF溶融物を冷却してCaF単結晶へ成長させる工程と、
    f)その後にCaF単結晶を焼戻しする工程から構成される、高温における焼戻しが可能であり、低散乱性で屈折率差が小さく、また小角列理境界が僅かであるCaF単結晶の製造方法。
  2. 前記焼戻しが1000℃以上の温度で行われることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  3. 前記CaF材が使用済みのCaF結晶から成る廃棄物から得られることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  4. 前記CaF材の気化及び凝縮に先立って、前記CaF材を溶融し、及び沈着したあるいは未回収の不純物を蒸発させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
  5. 前記凝縮処理中の温度が600℃以上であることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  6. 前記凝縮が第一工程では800℃以上の温度で起こり、後続のより低温な第二工程では600℃以上の温度で起こることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  7. 前記方法の各工程が不活性ガス下で実施されることを特徴とする請求項1項記載の方法。
  8. 前記CaF材の気化に先立って、前記CaF材を溶融して1,500℃未満の温度で少なくとも12時間加熱する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1項記載の方法。
  9. 前記使用済みのCaF結晶を脱イオン化水を含む水性界面活性剤溶液を用いて洗浄し、次いで前記使用済みのCaF結晶を乾燥する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3項記載の方法。
  10. 前記水性界面活性剤溶液が前記脱イオン化水及び、非イオン性界面活性剤及び/または両性界面活性剤から成ることを特徴とする請求項9項記載の方法。
  11. 請求項1項記載の方法によって製造され、1.510−6未満あるいは510−7未満の二方向散乱分配間数値(BSDF)をもち、高温での焼戻しが可能であり、低散乱性で、屈折率差が小さく、かつ小角列理境界が僅かである大容積CaF単結晶。
  12. (100)方向に0.3nm/cm未満の応力複屈折(SDB)RMS平均値をもつことを特徴とする請求項11項記載の大容積CaF単結晶。
  13. (111)方向に0.5nm/cm未満の応力複屈折PV値及び/または0.15nm/cm未満の応力複屈折RMS平均値、及び/または(110)方向及び/または(100)方向に2.5nm/cm未満の応力複屈折PV値及び/または1nm/cm未満の応力複屈折RMS平均値をもつことを特徴とする請求項11項記載の大容積CaF単結晶。
  14. (100)方向に0.3nm/cm未満の応力複屈折RMS平均値、及び36ツェルニケ係数の差引き後に1.5×10−8の屈折率均質RMS値をもつことを特徴とする請求項11項記載の大容積CaF単結晶。
  15. 酸素含量が3ppm未満であり、及び炭素含量が10ppm未満であることを特徴とする請求項11項記載の大容積CaF単結晶。
  16. 前記炭素含量が8ppm未満であることを特徴とする請求項15項記載の大容積CaF単結晶。
  17. 1.510−6または510−7未満の二方向散乱分配関数値(BSDF)をもち、光学素子として機能を果たし、かつ請求項1項記載の方法によって製造されるCaF単結晶を含むステッパー、エキシマレーザ、ウェハー、コンピュータチップまたは集積回路。
  18. 前記結晶が(100)方向に0.3nm/cm未満の応力複屈折RMS平均値をもつことを特徴とする請求項17項記載のステッパー、エキシマレーザ、ウェハー、コンピュータチップまたは集積回路。
  19. 請求項1項記載の方法によって製造され、光学素子として機能し、かつ1.510−6または510−7未満の二方向散乱分配関数値(BSDF)をもつ単結晶をそれぞれ含むコンピュータチップ及び/または集積回路を内蔵する電子部品または電子装置。
  20. 前記結晶が(100)方向に0.3nm/cm未満の応力複屈折RMS平均値をもつことを特徴とする請求項19項記載の電子部品または電子装置。

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